JP2001172898A - 防湿積層体 - Google Patents

防湿積層体

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JP2001172898A
JP2001172898A JP36084099A JP36084099A JP2001172898A JP 2001172898 A JP2001172898 A JP 2001172898A JP 36084099 A JP36084099 A JP 36084099A JP 36084099 A JP36084099 A JP 36084099A JP 2001172898 A JP2001172898 A JP 2001172898A
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Yoshiyuki Asayama
良行 浅山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高い防湿性を有し、且つ、高い剛性
を有し、従来用いられていた原紙に比較して、軽量化を
可能とした包装材料を提供する。 【解決手段】紙支持体/防湿層、または、紙支持体/防
湿層/紙支持体の構成を単位構造とする防湿積層体にお
いて、該紙支持体として使用する少なくとも一方の原紙
が複数のパルプ層を多層化して構成され、その抄き合わ
せ層数が3層以上であり、全体の密度が0.50〜0.
70g/cm3であり、少なくとも一方の最外層の密度
が0.70〜0.90g/cm3であり、かつ中層が機
械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パル
プの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構
成され、その密度が0.20〜0.60g/cm3であ
る防湿積層体。該防湿層が、合成樹脂エマルジョンと、
フィロケイ酸塩化合物および/またはワックス系エマル
ジョン、を主成分とする防湿剤、またはポリオレフィン
系樹脂フィルムから形成される防湿積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低透湿性の包装材料
に関する。さらに詳しくは、高い防湿性を有する包装容
器用紙で、原紙を特定密度からなる多層構造の原紙形態
として、さらに、防湿層を設けることにより、透湿度を
大きく低下させた包装材料であって、この包装材料が防
湿性能を持ちながら、高い剛性を有し、従来の用いられ
ていた原紙に比較して、軽量化を可能とした包装材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉末洗剤用などの容器(紙容器)
には防湿性を付与させるために、ラミネート処理によ
る、すなわち、紙支持体/ポリオレフィン系(ポリエチ
レンやポリプロピレンなど)ラミネート層またはフィル
ム/紙支持体の3層構造からなるポリラミ紙を箱型に成
形して用いられている。しかしながらこれらポリラミ紙
は防湿性において優れている反面、被膜層が強固なため
古紙回収の際に、被膜そのものが大きなシート上に残存
する問題や、細片化したものが抄紙工程に混入するとシ
リンダードライヤーなどに融着するといった問題があ
り、ほとんどの場合、このようなポリラミ紙は焼却処分
しているのが現状である。また、これらの古紙回収、リ
サイクル使用の問題を解決するために、ラミ処理以外の
方法として、合成樹脂エマルジョンとフィロケイ酸塩化
合物、または合成樹脂エマルジョンとワックス系エマル
ジョン、または合成樹脂エマルジョンとフィロケイ酸塩
化合物とワックス系エマルジョンを主成分とする防湿剤
を塗布して、別のシートと積層して層構造からなる紙を
箱型に成形して用いられている。しかしながら、これら
の方法ではシートが積層されることでシート全体が重く
なり、輸送時の質量増や紙使用量を減量化する動向から
問題となっていた。
【0003】リサイクル性付与に対して、防湿性のある
易離解性紙を製造する方法としては、例えば特公昭55
−22597号公報、特開昭59−66598号公報、
特開平10−175674号公報などが知られている。
これらは合成ゴムラテックスにワックスエマルジョンを
配合してなる水性エマルジョンを紙表面に塗工したもの
である。このような易離解性防湿積層体は防湿・防水性
は十分であり古紙として再離解可能であるが、防湿層中
のワックスが防湿層表面に析出(ブリード)し、防湿紙
の反対裏面に転写して滑りやすくなったり、内容物にワ
ックスが転移し内容物を汚染するといった問題がある。
また、このようなワックスを含む防湿紙を原料として製
造した紙がワックスのために滑りやすくなるといった問
題もある。さらに紙支持体/ワックス系防湿層/紙支持
体の構成で防湿紙を製造すると、ワックスが表面にブリ
ードできず防湿性が悪いといった問題点がある。
【0004】さらには、これらの易離解性紙は原紙に対
する具体的記載に乏しく、古紙としてリサイクル可能
で、さらに省包装化、軽量化が強く望まれている今日、
環境保護の見地から易離解性防湿積層体としては不完全
であった。すなわち、最近の環境問題の変化や容器包装
の簡略化によりゴミの量を減量しようとする強い動きが
あり、各種包装容器の減量化はゴミ問題だけでなく、地
球温暖化の対策としても要請されている。板紙を紙器な
どの包装材料として用いる場合において、近年その環境
負荷を最小限にすることが求められている。特に、二酸
化炭素の放出にともなう地球温暖化の問題では、パルプ
の出発物質となる木材が二酸化炭素を固定するとはい
え、その使用は最小限にすべきである。そのため、省資
源包装を目的として二重包装を廃止したり、包装そのも
のを省略する方法もとられているが、内容物の保護が、
包装の目的であり、その信頼性を格段に向上させるとい
う意味で、環境負荷の少ない軽量な紙製液体容器用原紙
を使用することが望まれている。
【0005】しかし、現在、防湿性、低透湿性、包装容
器紙の原紙に用いられている紙は米坪350から700
g/m2程度の板紙であり、これを減量化するために米
坪を低くしようとすると、内容物を投入したときに挫屈
に至るか、至らない場合でも内容物である粉体を充填し
たさいに胴部分が重みで膨れる、胴ぶくれ現象が発生す
る。このため低米坪な原紙をもちいることができず、環
境問題解決を標ぼうする割には不完全で、特に近年、高
い容量の容器における胴ぶくれを防止する強度保全だけ
でなく、軽量でコンパクトである容器に対しても同様に
強度アップと軽量化を達成する原紙が要請されていた。
もっとも簡単な挫屈対策や胴ぶくれ対策は米坪の増大で
あるが、容器質量の減少が要請されていることから安易
な増量は本質的な解決に至らないことは明白であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い防湿性
を有し、且つ、高い剛性を有し、従来用いられていた原
紙に比較して、軽量化を可能とした包装材料に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成をと
る。 1.紙支持体/防湿層、または、紙支持体/防湿層/紙
支持体の構成を単位構造とする防湿積層体において、該
紙支持体として使用する原紙が複数のパルプ層を多層化
して構成され、その抄き合わせ層数が3層以上であり、
全体の密度が0.50〜0.70g/cm3であり、少
なくとも一方の最外層の密度が0.70〜0.90g/
cm3であり、かつ中層が機械パルプ、カールドフアイ
バー、またはマーセル化パルプの少なくとも一つから選
ばれるパルプを主体として構成され、その密度が0.2
0〜0.60g/cm3であることを特徴とする易離解
性防湿積層体。 2.紙支持体/防湿層、または、紙支持体/防湿層/紙
支持体の構成を単位構造とする防湿積層体において、該
防湿層が、合成樹脂エマルジョンと、フィロケイ酸塩化
合物および/またはワックス系エマルジョン、を主成分
とする防湿剤、またはポリオレフィン系樹脂フィルムか
ら形成されることを特徴とする前記1記載の防湿積層体
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
本発明に用いられる紙支持体は、板紙としての剛度を発
現するために、抄紙機の複数のワイヤーパートから抄き
あげた多層のシートを乾燥して得られるものであり、そ
の層数が3層以上で、仕上げた板紙全体の密度が0.5
0〜0.70g/cm3の嵩高板紙である。この密度で
嵩高であり剛度の高い板紙を得るためには、中層は密度
が0.20〜0.60g/cm3と低くして嵩を得るた
めの層として形成し、この中層に接して外層として形成
される紙層の密度を0.70〜0.90g/cm3と高
くして形成することにより中層に形成された低密度層の
ヤング率の低下を外層の高密度層を加えることにより補
完するとともに、サンドイッチ構造を作り、剛度が高く
易離解性で防湿を有する包装材料を得ることができるも
のである。
【0009】これらのサンドイッチ構造で示す、外層と
は中層よりも外側に位置する層であり中層と実質的に接
しているかあるいは別の層を介して外側に位置している
層であり、最外層に存在する層を指す。これらのサンド
イッチ構造は低い密度の中層を、それより高い密度の外
層で補完するように構成されていればよく、つまり、低
密度な中層以外の層はすべて外層とした構成である。
【0010】シートの剛度Sはシートを片持ち梁と考え
たとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、
(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・c
2、B:試料巾mm、W:試料質量kg、T:試料厚
さmm)で示され、剛度Sはヤング率とシート厚さの3
乗に比例すると考えることができる。さらに板紙のよう
な積層構造のシートの剛度は、Tappi Nov、1
963、Vol.46、No.11のA.T.Luey
によると、同様に前述の式を用いて、それぞれの層のヤ
ング率と断面二次モーメントから、各層の剛度値を求
め、それら各層の剛度値の和で全層の剛度値が求められ
るとしている。この考え方に基づけば、紙の厚さ中心か
らの距離が遠いほど、すなわち紙厚さが厚いほど剛度が
でるので、中層は嵩高にすれば良い。また、剛度は厚さ
の3乗とヤング率の積で示されるのでヤング率は外層ほ
ど高い方が剛度向上に効果的である。
【0011】このことから、中層の密度は0.2〜0.
6g/cm3である。0.2g/cm3未満にしようとす
ると層間強度の低下が激しく、0.6g/cm3を越え
ると目的とする最終的な嵩高板紙の密度を得ることがで
きない。さらに好ましい中層の密度は0.3〜0.5g
/cm3である。外層に形成する紙層の密度は、0.7
〜0.9g/cm3である。0.7g/cm3未満である
とヤング率の低下を招き、剛度の向上が期待できない。
一方、外層の密度は高い方がヤング率向上という意味で
は良いが、抄紙段階で0.9g/cm3を越える密度を
得ることは実質的に困難であるのが現状である。
【0012】このように、剛度を向上させるため、中層
のいずれの側にも外層を形成し、さらに外層のヤング率
を上げることが好ましいが、外層の一方の面のみ、密
度、ヤング率を高くした外層を設け、その外層のみの高
密度化で全体の密度が上昇することを抑止する方法も可
能である。この方法により、もう一方の面では密度、ヤ
ング率は上げずに、全体の厚さを薄くすることなく、剛
性とヤング率をバランスさせてなお、操業性を改善する
こともできる。ただし、いずれの外層も密度、ヤング率
を高くした場合に比べ、剛度向上の程度は小さくなる。
【0013】外層に用いる密度を高くするパルプとして
は、特段の制約はなく、どの種類のパルプを選択しても
構わないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉
樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないようにす
る。これらサンドイッチ構造を効果的なものとするため
には、最外層の坪量は15〜100g/m2であること
が好ましい。すなわち15g/m2未満であると抄紙で
きないか、できても高ヤング率発現の効果は小さい。一
方100g/m2を越えると相対的に中層の坪量が減
り、嵩高な構造ができにくいからである。
【0014】板紙の製造方法として、一般には約10ス
テーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m
2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを展開してウエ
ットシートを形成する。例えばまず最外層に位置する外
層を形成するワイヤーパートに40g/m2程度のパル
プ層を形成して脱水したのち毛布に転移させる。次に中
層も同様に別のワイヤーパートで紙層を形成し毛布に乗
った最外層を重ね合わせて2層を形成する。この2層を
さらに別のワイヤーパートで形成した紙層に重ね合わせ
る手法を繰り返し、最後にもう一方の最外層を形成し、
全体で10層程度の多層抄き板紙を得る。
【0015】一方、中層に用いるパルプのフリーネスが
再離解状態で200ml未満であると抄紙後の水切れが
悪い状態で、抄紙、窄水されるため、吸引堆積しパルプ
繊維は抄紙後、嵩高、低密度化とは逆に、緻密な構造に
なり易い。そのため、所望のバルキーな構造を作りにく
くなるので得策ではない。650mlを越えると、低密
度になりすぎてバルーン状のフクレが発生しやすくなる
ことがある。さらに、これら、JIS−P−8121の
カナダ標準型フリーネスに準じて、使用するパルプを再
離解して測定することは、良好な操業性を示した製品を
使用して必要なパルプ特性を単時間で把握するのに有効
である。再離解状態で200〜650mlのフリーネス
を示すような紙料は、そこに用いるパルプの種類に関わ
らず、混合紙料の状態でのカナダ標準型フリーネスで2
50〜700mlとすれば良い。機械的離解作用により
水中で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば
特に制限はないが、クラフトパルプや機械パルプを主体
とするものが好ましい。
【0016】紙支持体の坪量は30〜750g/m2
好ましくは50〜600g/m2である。紙自体のJA
PAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5に準ずる
平滑度は、王研式平滑度で10秒〜1000秒、好まし
くは100秒〜800秒である。王研式平滑度が10秒以
下だと、凹凸が大きく、紙支持体をカバーリングするの
に多くの塗料、あるいは、ラミネート必要量が多くなっ
てしまう。紙の吸水度は、コブ吸水度(JIS−P−8
140「紙および板紙の吸水度測定法」2分)で5g/
2〜100g/m2が好適である。吸水度が5g/m2
以下だと防湿層塗料水分が原紙に染み込まず乾燥性が悪
くなり、吸水度が100g/m2以上だと塗料が紙支持
体に染み込みすぎて防湿層の塗膜層の厚さが小さくな
り、多くの塗工量が必要となる。
【0017】本発明の防湿層に用いられる合成樹脂エマ
ルジョンとしては、スチレン−ブタジエンラテックス
(SBR)、アクリル系ラテックス((メタ)アクリル酸
エステル系、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン系、
自己架橋型アクリル系ラテックスなど)、メタクリレー
ト−ブタジエンラテックス、アクリルニトリル−ブタジ
エンラテックスなどが挙げられるが、耐水性が良好で、
伸びがよく折割れによる塗工層の亀裂が生じにくいため
にスチレン−ブタジエンラテックスが好適である。
【0018】上記の合成樹脂は他の単量体と共重合した
合成樹脂(変性合成樹脂)を用いても構わない。他の単
量体としては(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリルグリシジルエーテル、(メタ)
アクリル酸エステル、(メタ)アクリルニトリル、(メ
タ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。活性水素
を有する(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリルグリシジルエーテルが好ましい。
このような単量体を2種類以上使用しても何ら差し支え
ない。単量体の含有量は合成樹脂100質量部に対して
0.1〜50質量部の使用量が好ましい。
【0019】本発明の防湿層で使用するフィロケイ酸塩
化合物は平板状顔料である。フィロケイ酸塩化合物に属
するものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有
し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥
石、セプテ緑石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱
物がある。これらの中でも雲母族、タルクが好ましい。
雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサ
イト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイ
ト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマ
イカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴ
ナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
【0020】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母、絹雲母、が粒子径の大きさ、アスペクト比などの
点から好適である。本発明では平板性が保持されている
顔料であればよいが、より好ましい平均粒子径(レーザ
ー回折法、レーザー散乱法、光散乱法、細孔電気抵抗
法、乾式フルイ法によって得られた粒度分布の積算50
%系を平均粒子径とする)の範囲としては1μm〜10
0μm、さらに好ましい平均粒子径範囲としては5μm
〜50μmである。平均粒子径が1μm未満のものは塗
工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行にな
りにくく、100μmを越えるようなると平板状顔料の
一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μ
m程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中に
おける層数が少なくなってしまうために防湿性能向上効
果が減少する。また、好ましいアスペクト比(平均粒子
径を厚さで除した値、厚さは電子顕微鏡での画像解析や
水面上に単粒子膜を形成して求める)は5以上であり、
特に好ましくはアスペクト比が10以上の平板状顔料で
ある。アスペクト比が5未満のものは塗工面に対して平
行に配向できなくなるため防湿性能が劣る。アスペクト
比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が大
きくなるため高い防湿性能を発揮する。
【0021】本発明の防湿層で使用されるワックス系エ
マルジョンは、ワックスの融点が55℃以上であれば特
に制限はなく、例えばパラフィンワックスおよび変性ロ
ジンと多価アルコールとのエステル化物を主成分として
含有するものが用いられる。ワックス系エマルジョン中
には上記の他に液状ポリブテン、ロジン、ポリオキシア
ルキレンエーテル化物等を含有するワックス系エマルジ
ョン(特開昭61−47896号公報参照)であっても
よい。また、ワックス類として融点が55℃以上のマイ
クロクリスタリンワックス、およびポリエチレンワック
ス等もパラフィンワックスと同様に用いることができ
る。
【0022】本発明のように防湿層が合成樹脂を含有す
る場合、防湿性を向上させる添加剤として活性水素反応
性化合物が好適に用いられる。ここで述べる活性水素反
応性化合物とは、合成樹脂に含まれるカルボキシル基、
アミド基、水酸基等の官能基と化学的結合(共有結合、
配位結合、イオン結合、水素結合)して合成樹脂ラテッ
クスを架橋、高分子化(三次元網目構造)あるいは疎水
化して防湿性を向上させるものである。こうした活性水
素反応性化合物としては、(1)メチロール基を有し、
上記親水性官能基と脱水反応を起こすもの(メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂など)、(2)アルデヒド基を有
し、上記親水性官能基と付加反応を起こすもの(グリオ
キザールなど)、(3)エポキシ基を有し、上記親水性
官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグリシジルエ
ーテルなど)、(4)多価金属を有し上記親水性官能基
と配位結合および共有結合を形成するもの(炭酸ジルコ
ニウムなど)、(5)水溶液中でカチオン性を示しアニ
オン性官能基とイオン結合を形成するもの(ポリアミド
アミン樹脂など)などがある。
【0023】活性水素反応性化合物の配合量は合成樹脂
ラテックス100質量部(固形分)に対して0.01〜
10質量部、好ましくは0.1〜5質量部が望ましい。
活性水素反応性化合物の配合量が0.01質量部未満の
場合、活性水素反応性化合物と親水性官能基との反応性
が著しく低下するため好ましくなく、10質量部を越え
ても防湿性向上効果が頭打ちとなったり、未反応の活性
水素反応性化合物が析出するなどの問題が発生するため
好ましくない。
【0024】また、本発明のように防湿層がフィロケイ
酸塩化合物と合成樹脂とを含有する場合、カップリング
剤で表面処理されたフィロケイ酸塩化合物が好適に用い
られる。使用するカップリング剤としては、親水基部分
にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分にTi
を含むチタネートカップリング剤、親水基部分にAlを
含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。カッ
プリング剤は、SiやTiあるいはAlなどの元素がフ
ィロケイ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する
官能基(メトキシ基やエトキシ基など)と、樹脂のよう
な有機化合物と相互作用する官能基(ビニル基、クロル
基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、フルオロ基
など)を有し、無機化合物と相互作用する官能基は加水
分解することで無機化合物と結合する。
【0025】該カップリング剤には、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルアセトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチル
アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0026】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗工液
にカップリング剤を直接添加する方法である。また、前
処理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップ
リング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加
量はフィロケイ酸塩化合物100質量部に対して0.1
〜5質量部、好ましくは0.5〜2質量部である。添加
量が0.1質量部未満の場合、カップリング剤によるフ
ィロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好ま
しくなく、5質量部を越える場合、カップリング剤の効
果が頭打ちとなるため不経済である。
【0027】このようにしてカップリング剤で処理した
フィロケイ酸塩化合物は表面の疎水性が高まるため、水
性分散液としたとき増粘して塗工できなかったり、分散
不良となって凝集体が発生することがある。この場合、
界面活性剤やポリアクリル酸系の分散剤やイソプロピル
アルコール、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の
湿潤剤を用いて分散する。
【0028】本発明の防湿層に使用する合成樹脂エマル
ジョン、フィロケイ酸塩化合物、ワックス系エマルジョ
ンの配合比率はフィロケイ酸塩化合物の場合、固形分換
算でフィロケイ酸塩化合物:合成樹脂エマルジョン=3
0:70〜70:30、好ましくは40:60〜65:
35の質量比である。また、ワックス系エマルジョンの
場合、固形分換算でワックス系エマルジョン:合成樹脂
エマルジョン=50:50〜1:99の質量比である。
また、フィロケイ酸塩化合物/ワックス系エマルジョン
/合成樹脂エマルジョンの3成分系の場合、フィロケイ
酸塩化合物:ワックス系エマルジョン:合成樹脂エマル
ジョン=30:20:50〜70:1:29の質量比で
ある。
【0029】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この防湿性塗料を常法によりバ
リヤー層を有する紙支持体上に塗工後、防湿層未乾燥の
まま該防湿層上に他方のバリヤー層を有する紙支持体を
張り合わせて乾燥する。塗工設備として特に限定はしな
いが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコ
ーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式が、平
板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。防湿層
の塗工量は固形分換算で10〜30g/m2、好ましく
は15〜25g/m2である。
【0030】本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムは
ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂で、溶融押出し
ラミネートして紙支持体を貼りあわせるか、いずれか紙
支持体の一方の面にラミネートして使用することが出来
る。押出しラミネートは押出し機、ダイ、貼合部分から
構成されるが、これらの構成について特に制限はない。
押出しにより形成されるラミネート層の量はラミネート
層が連続被膜化している必要があるが、10〜40g/
2好ましくは20〜30g/m2である。嵩高な板紙を
用いているため、故紙再生工程に投入されても、板紙表
層とポリオレフィン系樹脂フィルムが接着したまま剥離
しやすく、大部分のパルプは回収することが可能であ
る。
【0031】本発明の防湿積層体の単位構造は紙支持体
/防湿層の2層あるいは、紙支持体/防湿層/紙支持体
の3層構造であるが、2層構造は紙支持体に防湿層を塗
工またはラミネートすればよい。3層構造の製造方法と
しては、(1)紙支持体の片面に防湿層を塗工し、未乾
燥の状態で該防湿層上に他の紙支持体を張り合わせ乾燥
する方法。(2)紙支持体の片面に防湿層を塗工・乾燥
後、該防湿層と他の紙支持体を熱圧着または接着剤によ
り張り合わせる方法。(3)紙支持体の片面に防湿層を
塗工し、該防湿層どうしを未乾燥の状態で張り合わせる
方法。(4)紙支持体の片面に防湿層を塗工・乾燥後、
該防湿層どうしを熱圧着または接着剤により張り合わせ
る方法。(5)紙支持体の片面か貼りあわせる二種の紙
支持体の間に防湿層となる樹脂を溶融押出しして貼りあ
わせる方法などがある。なお、前記接着剤としては澱粉
系接着剤、ポリビニアルコール系接着剤、合成樹脂系接
着剤(スチレン−ブタジエン、アクリル−スチレン、ポ
リエチレン、ポリウレタン、酢酸ビニル、ポリエステ
ル、アクリロニトリル−ブタジエン、メチルメタクリレ
ート−ブタジエンなど)が好適である。
【0032】防湿層と紙支持体の2層構造からなる防湿
積層体を紙容器用として使用する場合は、防湿層が内側
にくるように成形すると内容物と防湿層が接触するた
め、内容物が変質しないような防湿層を選択する必要が
ある。また製函適性に影響を与えないために、オーバー
コートなどの方法を取ることが出来る。しかし、3層構
造にすれば防湿層にそのような制限は必要ないという利
点がある。上記、2層構造または3層構造を基本構造と
し、必要に応じてこれら2種を積層することもでき、ま
た他の素材(段ボールシートなども含む)を組み合わせ
ることで強度や取り扱い性を改善することができる。
【0033】本発明の塗工紙の透湿度はJIS−Z−0
208カップ法(B法)で測定して15〜60g/m2
・24hr、好ましくは20〜55g/m2・24hr
である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。特に断らない限り「部」および「%」は固型分また
は有効成分の質量基準の数値を表す。
【0035】実施例1 全体の構成を紙/防湿層/紙として、その一方の紙とし
ては、熊谷理機工業社製の配向性抄紙機を用い、ワイヤ
ースピード300m/minで熊谷理機工業社製のパル
プ叩解機を用いて以下の〜の三種類のパルプをそれ
ぞれ叩解し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄き合
わせる際に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子コー
ンスターチ社製の澱粉ONL510を澱粉濃度2.0%
として霧吹きスプレーで固型分付着量が1.0g/m2
となるようにスプレーした後、抄き合わせる。市販N
BKP、450mlcsf(カナダ標準フリーネス、以
下同じ)、50g/m2、ラジアータパインTMP3
50mlcsf、180g/m2、市販NBKP45
0mlcsf、50g/m2。由利ロール機械社製のキ
ャレンダーのエア圧制御で、ニップ圧を10kg/cm
として、30m/minのスピードで抄き合わせた湿紙
状のシートを敷島カンバス社製のモノプラスチックカン
バスシートに挟み加圧処理した後、フエロタイプの円筒
加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。その後20
℃・65%RHで調湿し、由利ロール機械社製のキャレ
ンダーでニップ圧を20kg/cmとして、20m/m
inのスピードでキャレンダー処理し、手塗りで、濃度
8.0%のPVA(クラレ社製:クラレポバールPVA
−KL118)を2.0g/m2塗工・乾燥後、由利ロ
ール機械社製のキャレンダーでニップ圧を40kg/c
mとして、20m/minのスピードで120℃の熱キ
ャレンダー処理して試料を作製し、これらを試料Aとす
る。さらに、未晒しクラフト紙(坪量70g/m2、厚
さ100μm)の片面に、水50質量部、合成樹脂ラテ
ックスSN343C(アクリル酸およびメチルメタクリ
ル酸変性SBRラテックス:Tg10℃、ゲル量95
%、粒子径200nm、固形分50%:住化L&N社
製)100質量部、フィロケイ酸塩化合物3−Xミネラ
ライトマイカ(白雲母:平均粒子径20μm、平均アス
ペクト比14:MINERAL MINING CORPORATION製)50質
量部を順次加え、攪拌して得られた防湿性塗料を、固形
分として片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機で110
℃で2分間乾燥させて防湿塗工層を得る。これらの防湿
塗工層に酢酸ビニルエマルジョン樹脂(コニシ社製、ボ
ンドCF671)を20g/m2塗工後、熱圧着ロール
(ロール表面温度180℃、線圧10kg/cm、通紙
スピード30m/min)で、前述の試料Aを張り合わ
せ防湿積層体を製造した。
【0036】実施例2 全体の構成を紙/防湿層/紙として、その一方の紙につ
いては、熊谷理機工業社製の配向性抄紙機を用いて、ワ
イヤースピード300m/minで熊谷理機工業社製の
パルプ叩解機を用いて以下の〜の三種類のパルプを
それぞれ叩解し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄
き合わせる際に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子
コーンスターチ社製の澱粉ONL510を澱粉濃度2.
0%として霧吹きスプレーで固型分付着量が1.0g/
2となるようにスプレーした後、抄き合わせる。市
販NBKP、450mlcsf、50g/m2、ラジ
アータパインTMP280mlcsf、180g/
2、市販NBKP450mlcsf、50g/m2
さらに由利ロール機械社製のキャレンダーのエア圧制御
で、ニップ圧を10kg/cmとして、30m/min
のスピードで抄き合わせた湿紙状のシートを敷島カンバ
ス社製のモノプラスチックカンバスシートに挟み加圧処
理後、フエロタイプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機を用
いて乾燥する。その後20℃・65%RHで調湿し、由
利ロール機械のキャレンダーでニップ圧を20kg/c
mとして、20m/minのスピードでキャレンダー処
理し、さらに、手塗りで、濃度8.0%のPVA(クラ
レ製:クラレポバールPVA−KL118)を2.0g
/m2塗工・乾燥し、由利ロール機械のキャレンダーで
ニップ圧を40kg/cmとして、20m/minのス
ピードで120℃の熱キャレンダー処理して作製し、試
料Bとする。さらに、未晒しクラフト紙(坪量70g/
2、厚さ100μm)の片面に、水50質量部にカッ
プリング剤KBM603(アミノシランカップリング
剤:信越化学工業社製)0.3質量部を加え攪拌後、フ
ィロケイ酸塩化合物セリサイトST(絹雲母:平均粒子
径14μm、平均アスペクト比20:堀江化工社製)5
0質量部と合成樹脂ラテックスPT1120(メタクリ
ル酸およびアクリロニトリル変性SBRラテックス:T
g2℃、ゲル量65%、粒子径100nm、固形分50
%:日本ゼオン社製)100質量部を加えて得られた防
湿性塗料を、固形分として片面30g/m2塗工後、未
乾燥の防湿層と前述の試料Aと張り合わせ、熱風乾燥機
で110℃で2分間乾燥させ防湿積層体を製造した。
【0037】実施例3 水50質量部にフィロケイ酸塩化合物KF200(絹雲
母:平均粒子径24μm、平均アスペクト比30、中央
カオリン社製:マイカA21)を50質量部と合成樹脂
ラテックスHOJ4027(アクリル酸変性SBR:T
g18℃、ゲル量80%、粒子径200nm、固形分5
0%、日本ゼオン社製)を50質量部、活性水素反応性
化合物デナコールEX614B(ソルビトールポリグリ
シジルエーテル、成分98%以上:ナガセ化成社製)1
質量部を混合して防湿性塗料を調成し、未晒クラフト紙
(坪量70g/m2、厚さ100μm)に固形分として
片面30g/m2塗工後、熱風乾燥機で110℃で2分
間乾燥させた他は実施例1と同様にして、得られた防湿
層と試料Aを熱圧着ロール(ロール表面温度180℃、
線圧10kg/cm、通紙スピード30m/min)で
張り合わせ防湿積層体を製造した。
【0038】実施例4 実施例2と同様に調整した防湿塗料に、活性水素反応性
化合物SR633(ポリアミドアミン尿素樹脂、固形分
30%:日本PMC社製)を2質量部さらに混合し調成
した防湿性塗料を板紙(坪量200g/m2、厚さ26
0μm)に固形分として片面30g/m2塗工後、熱風
乾燥機で110℃で2分間乾燥させた。得られた防湿層
表面にデンプン水溶液(王子エースA:濃度10%、王
子コーンスターチ社製)を固形分として3g/m2とな
るように塗布し、これら以外は、実施例1と同様にし
て、試料Aと張り合わせ熱風乾燥機で110℃1分間乾
燥して防湿積層体を製造した。
【0039】実施例5 全体の構成を紙/防湿層とし、紙については、実施例1
に使用したものと同様の紙試料Aを用いて、これら試料
Aに対して、防湿性塗料(水50質量部にフィロケイ酸
塩化合物KF200(絹雲母:平均粒子径24μm、平
均アスペクト比30、中央カオリン社製マイカA21)
を50質量部と合成樹脂ラテックスHOJ4027(ア
クリル酸変性SBR:Tg18℃、ゲル量80%、粒子
径200nm、固形分50%、日本ゼオン社製)を50
質量部、活性水素反応性化合物デナコールEX614B
(ソルビトールポリグリシジルエーテル、有効成分98
%以上:ナガセ化成社製)1質量部を混合して作製。)
を調成し、固形分として片面30g/m2を紙試料Aに
塗工後、熱風乾燥機で110℃で2分間乾燥させ防湿積
層体を製造した。
【0040】実施例6 全体の構成を紙/防湿層/紙として、その紙について
は、実施例2に用いたものと同様の紙試料Bを用いて、
未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)
にポリエチレンを厚さ20μmになるように溶融ラミネ
ートして得られた防湿層と紙試料Bとを熱圧着ロール
(ロール表面温度180℃、線圧10kg/cm、通紙
スピード30m/min)で張り合わせて防湿積層体を
製造した。
【0041】実施例7 ワックスエマルジョンOKW40(融点70℃のパラフ
ィンワックス、ロジンエステルおよびポリブテンの混融
物エマルジョン:荒川化学社製)とSBRラテックスO
X1007W(アクリル酸変性SBRラテックス:Tg
27℃、ゲル量70%、粒子径150nm、日本ゼオン
社製)を混合して得られた防湿性塗料を未晒両更クラフ
ト紙(70g/m2、厚さ100μm)に固形分20g
/m2塗工し、熱風乾燥機で110℃2分間乾燥した。
得られた防湿層と実施例2に用いた紙試料Bを熱圧着ロ
ール(ロール表面温度180℃、線圧10kg/cm、
通紙スピード30m/min)で張り合わせて防湿積層
体を製造した。
【0042】比較例1 未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)
にポリエチレンを厚さ20μmになるように溶融ラミネ
ートして得られた防湿層と以下に示す紙試料Cと、熱圧
着ロール(ロール表面温度180℃、線圧10kg/c
m、通紙スピード30m/min)で張り合わせて防湿
積層体を製造した。 紙試料C:熊谷理機工業社製の配向性抄紙機を用い、ワ
イヤースピード300m/minで熊谷理機工業社製の
パルプ叩解機を用いて以下の〜の三種類のパルプを
それぞれ叩解し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄
き合わせる際に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子
コーンスターチの澱粉ONL510を澱粉濃度2.0%
として霧吹きスプレーで固型分付着量が1.0g/m2
となるようにスプレーした後、抄き合わせる。市販N
BKP、450mlcsf、50g/m2、新聞古紙
130mlcsf、180g/m2、市販NBKP4
50mlcsf、50g/m2。さらに由利ロール機械
のキャレンダーのエア圧制御で、ニップ圧を10kg/
cmとして、30m/minのスピードで抄き合わせた
湿紙状のシートを敷島カンバス社製のモノプラスチック
カンバスシートに挟み加圧処理する。その後、フエロタ
イプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。
さらにその後20℃・65%RHで調湿し、由利ロール
機械社製のキャレンダーでニップ圧を20kg/cmと
して、20m/minのスピードでキャレンダー処理
後、手塗りで、濃度8.0%のPVA(クラレ製:クラ
レポバールPVA−KL118)を2.0g/m2塗工
・乾燥し、由利ロール機械社製のキャレンダーでニップ
圧を40kg/cmとして、20m/minのスピード
で120℃の熱キャレンダー処理して試料を作製し、こ
れを試料Cとする。
【0043】比較例2 ワックスエマルジョンOKW40(融点70℃のパラフ
ィンワックス、ロジンエステルおよびポリブテンの混融
物エマルジョン:荒川化学社製)とSBRラテックスO
X1007W(アクリル酸変性SBRラテックス:Tg
27℃、ゲル量70%、粒子径150nm、日本ゼオン
社製)を混合して得られた防湿性塗料を未晒両更クラフ
ト紙(70g/m2、厚さ100μm)に固形分20g
/m2塗工し、熱風乾燥機で110℃、2分間乾燥し
た。得られた防湿層と比較例1に用いた紙試料Cを熱圧
着ロール(ロール表面温度180℃、線圧10kg/c
m、通紙スピード30m/min)で張り合わせて防湿
積層体を製造した。
【0044】比較例3 未晒両更クラフト紙(70g/m2、厚さ100μm)
の片面にデンプン水溶液(王子エースA:濃度10%、
王子コーンスターチ社製)を固形分として3g/m2
なるように塗布し、比較例1に用いた紙試料Cと張り合
わせ熱風乾燥機で110℃1分間乾燥して積層体を製造
した。
【0045】<試験方法> 1)透湿度:JIS−Z−0208 B法(カップ法、
40±0.5℃、相対湿度90±3%)で塗工面を外側
(高湿側)にして測定した。透湿度50g/m2以下の
ものを○、透湿度50g/m2を越えるものを×とし
た。 2)テーバー剛度:テーバー剛度は、JIS−P−81
25に従い、長さ70mm以上、幅38.0±0.2m
mの試験片を荷重長さ50mmの片持ちばりを構成させ
る専用の試験器で、15゜曲げる時に発現する抵抗力で
曲げ荷重値として測定される。MD方向のデータで25
0g・cm以上のものを○、250g・cm未満のもの
を×とした。以上実施例、比較例の試料スペックを表1
に、測定結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表2より、本発明は防湿性が高く剛度に優
れていることがわかる。
【0049】
【発明の効果】紙支持体/防湿層、紙支持体/防湿層/
紙支持体の構成を単位構造とする防湿積層体において、
原紙を特定密度からなる多層構造の原紙形態として、該
防湿層がフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂、合成樹脂エ
マルジョンとワックス系エマルジョン、または合成樹脂
エマルジョンとフィロケイ酸塩化合物とワックス系エマ
ルジョンを主成分とする防湿剤、またはポリオレフィン
系樹脂フィルムから形成されることにより、高い防湿性
を有する包装容器用紙で、防湿性能を持ちながら、高い
剛性を有し、従来、用いられていた原紙に比較して、軽
量化を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AC05 AJ11B AK01B AK03B AK22 AK25 AK73 AL07 AN02 AR00B BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA13 CA30B DG10A DG10C GB90 JA13A JA13B JA13C JD04 JD04B JK01 JL03 JM01B YY00 YY00A YY00B YY00C 4L055 AC03 AF10 AF46 AG05 AG25 AG59 AG63 AG64 AG71 AG74 AG76 AG94 AG97 AH23 AJ01 AJ02 AJ04 BD18 BE09 BE13 BE14 EA08 FA13 FA16 GA47

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体/防湿層、または、紙支持体/防
    湿層/紙支持体の構成を単位構造とする防湿積層体にお
    いて、該紙支持体として使用する少なくとも一方の原紙
    が複数のパルプ層を多層化して構成され、その抄き合わ
    せ層数が3層以上であり、全体の密度が0.50〜0.
    70g/cm3であり、少なくとも一方の最外層の密度
    が0.70〜0.90g/cm3であり、かつ中層が機
    械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パル
    プの少なくとも一つから選ばれるパルプを主体として構
    成され、その密度が0.20〜0.60g/cm3であ
    ることを特徴とする防湿積層体。
  2. 【請求項2】紙支持体/防湿層、または、紙支持体/防
    湿層/紙支持体の構成を単位構造とする防湿積層体にお
    いて、該防湿層が、合成樹脂エマルジョンと、フィロケ
    イ酸塩化合物および/またはワックス系エマルジョン、
    を主成分とする防湿剤、またはポリオレフィン系樹脂フ
    ィルムから形成されることを特徴とする請求項1記載の
    防湿積層体。
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