JP7205385B2 - 紙基材、紙製シート、カップ状包装容器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
紙基材は、セルロースパルプを主成分とする。ここで、主成分とは、紙基材を構成する成分のうち50質量%以上を占める成分をいう。
セルロースパルプの種類には特に制限はないが、強度の観点から化学パルプを含有することが好ましい。化学パルプとしては特に限定されないが、広葉樹クラフトパルプ(LKP)または針葉樹クラフトパルプ(NKP)を含有することが好ましい。パルプは晒パルプでもよく、未晒パルプでもよい。以下、特に断りのない限り、LKPとNKPにはそれぞれ晒パルプまたは未晒パルプを含むが、広葉樹晒クラフトパルプをLBKP、針葉樹晒クラフトパルプをNBKPということがある。LKPとしては、アカシア材やユーカリ材等を、NKPとしてはラジアータパイン材等を使用することができる。
紙基材を抄紙する際に配合する填料は、製紙分野で一般に使用されている填料が使用可能であり、特に限定されない。填料の例としては、クレー、焼成カオリン、デラミネートカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が挙げられる。これらの填料はその目的に応じ、単独または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
紙基材を抄紙する際に、各種内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することが可能である。内添助剤の例としては、サイズ剤、歩留まり向上剤、ろ水度向上剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、嵩高向上剤、増粘剤、硫酸バンド、多価金属化合物、シリカゾル、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が挙げられる。
紙基材を丸めてカップ状に成形する紙容器では、シーム部において2枚の紙基材が貼り合わされる。このとき、丸めた紙基材には弾性力により元の形状に戻ろうとする力が働く。横方向の引張弾性率が大きいと、弾性力が大きくなるため、カップの形状が広がろうとしたり、紙基材のシーム部分において剥離が生じたりするおそれがある。また、その状態でトップカール加工を行おうとすると、カールの外側が広げられる方向に過大な力がかかり、割れやシーム部の剥離などの加工不良が生じるおそれがある。紙基材の横方向の引張弾性率として必要な範囲を検討した結果、5.0GPa以下であれば好適であることを見出した。より好適には、2.0~5.0GPaであり、さらに好適には2.5~4.0GPaである。5.0GPaを超えると、弾性力が大きくなりすぎ、カップの成形時に割れや変形等の問題が生じる。一方、2.0GPaを下回ると、横方向の力が弱くなりすぎて、手に持ったときにたわみ易く感じることがある。尚、包装容器を製造する際の紙基材の標準的な方向として、包装容器の高さ方向を紙の縦方向(縦目)とし、包装容器の円周方向を紙の横方向(横目)として規定した。
横方向の破断伸びは、5.5%以上であることが好ましく、5.5~9.0%であることがより好ましい。横方向の破断伸びが5.5%を下回ると、トップカール部分の変形に紙が耐えられず、割れが生じるおそれがある。
トップカール加工を容易に行うためには、紙基材が丸まりやすいこと、すなわち紙基材の縦方向の曲げ剛度が小さいことが好ましい。そこで、本発明者らは、当該目的に用いる紙基材の曲げ剛度の定量化方法を検討したところ、テーバー曲げ剛度が有効であることを見出した。次に、トップカール加工を容易とすることが可能な縦方向のテーバー曲げ剛度の好ましい数値範囲を検討したところ、18.5mN・m以下であることが好ましく、10~18.5mN・mであることがより好ましいことを見出した。テーバー剛度が18.5mN・mを超えると、トップカール部を丸めにくくなるため、形状が角張ったり、折れや割れなどの加工性の低下が生じるおそれがある。また、横方向のテーバー剛度の範囲を検討した結果、4.0mN・m以上であることが好ましく、5.0mN・m以上であることがより好ましいことを見出した。横方向のテーバー剛度が4.0mN・mを下回ると、容器の胴部が柔らかくなり、把持した際にたわみ易く感じるおそれがある。一方、横方向のテーバー剛度の上限値を検討した結果、8.0mN・m以下であることが好ましく、7.5mN・m以下であることがより好ましいことを見出した。横方向のテーバー剛度が高すぎると、曲げ難くなり、成形性が低下するおそれがある。
カップ成形性を向上させるためには、上記のように縦方向と横方向の強度の最適なバランスが必要になるが、それを達成する方法を検討した結果、パルプの繊維配向比を調節することが効果的であることを見出した。繊維配向比は、紙基材を構成する繊維の縦方向への配向の度合いを定量化するものである。繊維配向比の数値が大きくなるほど、縦方向への配向が増大することを意味する。その具体的な測定方法は後記する。繊維配向比が大きくなると、繊維の並びが縦配向になり、横方向の引張弾性率が低下したり、縦方向のテーバー剛度が高くなる。一方、繊維配向比が小さくなると、縦方向のテーバー剛度が低下したり、横方向の引張弾性率が高くなったり、横方向のテーバー剛度が上昇したりする。このように繊維配向比によって、紙基材の縦方向と横方向の強度バランスが変化することとなる。カップ成形に適する紙基材とするために最適な繊維配向比を検討した結果、紙基材の全層の繊維配向比は、1.15~2.10であることが好ましく、1.40~1.90であることがより好ましいことを見出した。繊維配向比が1.15を下回った場合、横方向の弾性率やテーバー剛度が高くなるため、カップ成形時に割れや変形が生じるおそれがある。一方で、2.10を超えた場合は、縦方向のテーバー剛度が高くなるため、トップカール成形の際に丸めにくくなり、カールの形状が角張るなど、加工性が低下するおそれがある。
紙基材は、3層以上のパルプ層から構成される。紙基材は、5層以上であることが好ましい。複数のパルプ層から構成される紙基材は、一般に、複数のインレットから抄き合わされる多層抄き合わせによって製造される。層数が多い方が、各層の坪量を小さくできるため、地合が取りやすくなり、表面性が向上し、印刷性がより良好な紙基材とすることができる。また、層数が多い方が、罫線を入れる加工を施した際に罫線が入りやすく、罫線部で折り曲げ易くなるため、罫線適性に優れた紙基材とすることができる。
紙基材の両面あるいは片面に、水溶性樹脂層を形成してもよいし、形成しなくてもよい。水溶性樹脂は、造膜性を有する水溶性高分子であれば特に限定されない。水溶性樹脂としては、例えば、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール(PVA)、澱粉類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレンイミン(PEI)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテルおよびその誘導体などが挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
紙製シートは、紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層することによって形成される。熱可塑性樹脂層は、紙基材の片面だけに積層されていてもよいし、紙基材の両面に積層されていてもよい。通常は少なくとも、食品等と接する包装容器の内側となる面に形成される。
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる紙製シートは、坪量が150~500g/m2であることが好ましく、200~400g/m2であることがより好ましい。
紙製シートの水分は、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる紙製シートが含有する水分となる。紙製シートの水分は、6.0~9.5%であることが好ましく、6.2~8.0%であることがより好ましい。紙製シートの水分が6.0%以上であると、吸湿によって紙基材が伸縮することによるシワが発生しにくいため、操業性が低下しにくい。一方、紙製シートの水分が9.5%以下であると、ラミネートや印刷での加熱時に紙基材内の水分が気化し層間剥離が発生するという懸念が少ない。紙製シートの水分は、調湿後、JIS P8127;2010に準じて測定される。
紙製シートを構成する紙基材は、3層以上のパルプ層から構成される。また、紙基材の製造方法は、表裏の最外のパルプ層の坪量の平均値をW1とし、最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第1内層の坪量の平均値をW2としたとき、W1/W2=1.1~2.4を満足するように、パルプ層を積層する積層工程を含むことが好ましい。より好ましくは、W1/W2=1.2~2.4である。
本実施形態の包装容器は、紙製シートを用いて製造される。紙製シートを用いて包装容器を製造する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて製造することができる。
(1)パルプ:LBKP:アカシア材、ユーカリ材
(2)紙力増強剤:ポリアクリルアミド系紙力増強剤(PAM)、商品名「PS-NH20B」、荒川化学工業社製
(3)湿潤紙力増強剤:ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系(PAE系)樹脂、商品名「WS4024」、星光PMC社製
(4)カチオン化澱粉:商品名「P-3T」、ピラースターチ社製
(5)硫酸バンド
(6)サイズ剤:アルキルケテンダイマー系サイズ剤(AKD)、商品名「AD1612」、星光PMC社製
(7)熱可塑性樹脂:低密度ポリエチレン(LDPE)、商品名「LC522」、日本ポリエチレン社製
(8)ポリエチレンイミン:日本触媒社製、エポミンP-1000
(9)ポリビニルアルコール:日本酢ビ・ポバール社製、J-ポバールJM-17
(1)パルプの離解フリーネス(csf):基材をJIS P8220:2012に準じて離解することで得られたパルプスラリーについて、JIS P8121-2:2012に準じて測定した。
(2)坪量:JIS P8124:2011に準じて、紙基材の坪量を測定した。
(3)層間強度:JAPAN TAPPI 18-2に準拠して、基材の縦方向と横方向について測定し、その相乗平均値を求めた。なお、両面テープは3M社製400を使用した。
(4)繊維配向比:SONIC SHEET TESTER(SST-2500、野村商事社製)を用いて紙基材の繊維配向比を測定した。この配向性測定機では、シートの一定距離間を超音波パルスが伝播するのに要する時間を測定し、その測定値から配向性の解析を行う。具体的には円周上に11.25度の角度で超音波パルス発生端子を配置し、超音波パルスを発生させ、同円周上の対向する120mm離れた位置にある受信端子に到達するまでの伝播時間を計測することで、各方向の超音波弾性率を測定し、繊維の配向を求める。伝播速度は繊維の長軸方向に速く伝わるため、それぞれの時間を比較することで、シート内の繊維の配向性を測定できる。ここで、全層の繊維配向比とは、紙基材をそのままSSTで測定することで得られる値である。表裏の最外のパルプ層の繊維配向比とは、複数層からなる紙基材を各層に分割して、それぞれ最外に位置するシート、例えば5層抄きの場合は、第1層(1フォーマー部)と第5層(5フォーマー部)をSSTで測定した値の平均値である。最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比とは、表裏の最外のパルプ層を分割して取り除いて残ったシート、例えば5層抄き場合は、第2層~第4層(2~4フォーマー部の抄き合わされたもの)をSSTで測定した値である。上記のいずれの層の測定についても、サンプルのMD方向(抄紙機の流れ方向)が角度0度となるようにSSTにセットして測定を行い、CD方向(MD方向と直交する方向)との比であるMD/CDの値を繊維配向比として取得した。
1)28cm×28cmサイズに切り出したサンプルを80℃の湯に24時間浸す。
2)サンプルを湯から取り出し、水でぬらした吸取紙の上に乗せる。吸取紙はJIS P 8222:2015に定めるものを用いる。
3)サンプルの上から吸取紙を乗せて軽く手で押し、余剰の水分を取る。
4)サンプル上の吸取紙を取り除き、紙の端部から1枚1枚ゆっくりと剥がす。その際、紙が乾燥しないように適宜サンプルを水でぬらしながら行う。
5)剥いだ紙をそれぞれ別々に、JIS P 8222:2015に定める乾燥プレートと乾燥プレートに対する手抄き紙固定器具の間に拘束して、1日以上乾燥させる。
(紙基材)
(紙料)
外層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP100質量%のパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で外層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(外層用の紙料スラリー)を得た。一方、内層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で内層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(内層用の紙料スラリー)を得た。
得られた外層用の紙料スラリーならびに内層用の紙料スラリーを、サクセスフォーマー(小林製作所)の組み合わせによって、初期脱水部と両面脱水部を有するフォーマー部を、抄紙機の流れ方向に5つ備える5層抄き用抄紙機を用いて抄紙した。このとき、多層抄き合わせ工程としては、各層を初期脱水部で各1枚のワイヤーで脱水され、さらに両面脱水部で初期脱水部のワイヤーとは別の第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水された湿紙とし、順番に1層ずつ同一のフェルト平面上に移行させて抄き合わせ、積層した。抄き合わせ順は、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層の順であった。シートの初期形成がなされる平面状の初期脱水部(プレ脱水ゾーン)の長さは、外層にあたる1フォーマーと5フォーマーはそれぞれ6500mm、内層にあたる2フォーマー、3フォーマーおよび4フォーマーはそれぞれ4000mmであった。各フォーマーにおける、パルプの坪量ならびにインレットからのジェットの速度とワイヤー速度との比率(J/W比)は表1に示すとおりであった。このように各フォーマーで脱水がなされた湿紙を、一枚のトランスファーフェルト上で1フォーマー、2フォーマー、3フォーマー、4フォーマー、5フォーマーの順に積層され一枚の抄き合せシートとした。抄き合せシートは、次いでプレスパートにおいて搾水され、その後、ドライヤーパートにおいてシリンダードライヤーにより乾燥し、サイズプレスによって澱粉を表裏合計で1.0g/m2塗工した。その後、再度シリンダードライヤーによって乾燥を行い、カレンダーパートにより紙厚を調節した後、リールパートでロール状に巻き取り、紙基材として得た。
紙基材の両面に、ポリエチレンイミン(PEI)を片面当たり固形分0.03g/m2となるようにロッド塗工した。その後、熱可塑性樹脂として両面にLDPEをラミネートして、紙製シートを得た。ラミネートは、押し出しラミネート法によりラミネート温度330℃、ラミネート速度200m/分の条件で行った。
実施例1で得られた紙基材を用いて、紙基材の両面に、ポリビニルアルコール(PVA)を片面当たり固形分0.08g/m2となるようにロッド塗工した。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
外層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを400csfに叩解したLBKP100質量%のパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で外層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.23質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.14質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(外層用の紙料スラリー)を得た。一方、内層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを400csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で内層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.50質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)1.1質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.23質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.14質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(内層用の紙料スラリー)を得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙した。1フォーマーならびに5フォーマーのワイヤーにおいて、振動数250rpm、振幅15mmの条件でシェーキング装置を用いて繊維配向比の調節を行った以外は、実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、2フォーマーと4フォーマーを停止させた以外は実施例1と同様にして抄紙を行った。表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行い、3層からなる紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例3と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比であること以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例4と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比であること以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
表2に記載の坪量にした以外は実施例6と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
表2に記載の坪量にした以外は実施例4と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを、5層抄き用抄紙機を用いて抄紙を行った。シートの初期形成がなされる平面状の初期脱水部(プレ脱水ゾーン)の長さは、全てのフォーマーで4000mmであった。その他の条件は実施例1と同様にして抄紙を行って紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを、5層抄きの円網抄紙機を用いて抄紙を行った。その他の条件は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比とした以外は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーと5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例4と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
パルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算でパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.1質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリーを得た。得られた紙料スラリーを、長網オントップ形式の抄紙機で、表2に示す坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。その他は実施例1と同様にして、紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比とした以外は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例3と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
カップ容器を製罐した際における、トップカール部の矩形の四つ角部を観察し、割れの有無を評価した。
○:割れが生じない。
△:角部に細かい亀裂が見られるが、割れには至らない。
×:角部に割れが生じる。
カップ容器を製罐した際における、シーム部のトップカール部を目視で観察して、下記の基準で評価を行った。
○:シーム部にめくれ上がりが見られない。
△:シーム部に若干のめくれ上がりが見られる。
×:シーム部にめくれ上がりが非常に多く目立ち、剥離が見られる。
カップ容器を製罐した際における、トップカール部のカール形状の目視判定を行い、下記の基準で評価を行った。
○:カールの形状が滑らかである。
△:カール部がやや角張っているものの、折れは見られない。
×:カール部に折れが見られる。
紙製シート表面にオフセット印刷を施した後、目視で観察し、下記の基準で評価を行った。
○:図面が綺麗に印刷される。
△:印刷部にムラが若干みられるが実用上問題ない。
×:印刷部にムラが目立つ。
カップ容器を、手に持ち、軽く握る動作をした時の持ちやすさについて下記の基準で官能評価を行った。
○:手で保持した際にたわみがなく持ちやすい。
△:手で保持した際に弱さを感じるが実用上問題ない。
×:手で保持した際にたわみがあり持ちにくい。
Claims (18)
- セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
坪量が、150~500g/m2であり、
密度が、0.80~0.97g/cm3であり、
全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
横方向の引張弾性率が5.0GPa以下である
ことを特徴とする紙基材。 - セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
坪量が、150~500g/m 2 であり、
密度が、0.80~0.97g/cm 3 であり、
全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
縦方向のテーバー剛度が、18.5mN・m以下であることを特徴とする紙基材。 - セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
坪量が、150~500g/m 2 であり、
密度が、0.80~0.97g/cm 3 であり、
全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
横方向の破断伸びが5.5%以上であることを特徴とする紙基材。 - セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
坪量が、150~500g/m 2 であり、
密度が、0.80~0.97g/cm 3 であり、
全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
横方向のテーバー剛度が、4.0mN・m以上であることを特徴とする紙基材。 - セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
坪量が、150~500g/m 2 であり、
密度が、0.80~0.97g/cm 3 であり、
全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
表裏の最外のパルプ層の坪量の平均値をW1とし、前記最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第1内層の坪量の平均値をW2としたとき、W1/W2=1.1~2.4を満足することを特徴とする紙基材。 - 表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値が、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の紙基材。
- 前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値が、1.50以上であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の紙基材。
- 前記最外のパルプ層の繊維配向比の平均値と、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値との差が0~0.60であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の紙基材。
- サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを用いることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の紙基材。
- 5層以上のパルプ層から構成されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の紙基材。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有する紙製シート。
- 請求項11に記載の紙製シートを用いたカップ状包装容器。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の紙基材の製造方法であって、
3層以上のパルプ層の多層抄き合わせ工程を含むことを特徴とする紙基材の製造方法。 - 前記多層抄き合わせ工程において、表裏のいずれか一方の最外のパルプ層から他方の最外のパルプ層までを順番に抄き合わせることを特徴とする請求項13に記載の紙基材の製造方法。
- 前記多層抄き合わせ工程が、少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、当該ワイヤーとは異なるワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の紙基材の製造方法。
- 前記多層抄き合わせ工程が、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の紙基材の製造方法。
- 前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、両面脱水部で第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記各ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の紙基材の製造方法。
- 前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程を含み、前記最外のパルプ層の初期脱水部の長さが前記最外のパルプ層を除いたパルプ層の初期脱水部の長さよりも大きいことを特徴とする請求項14に記載の紙基材の製造方法。
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