JP7205385B2 - 紙基材、紙製シート、カップ状包装容器およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙基材、紙製シート、カップ状包装容器および紙基材の製造方法に関する。
牛乳パック等に利用される液体用容器では、パルプ繊維を主体とする紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層をラミネートしたラミネート紙が多く用いられている。紙基材としては、物性や生産性に優れていることから、パルプ層を複数積層させた多層抄き(多層構造)の紙基材が好ましく用いられる。
多層抄きの紙基材は、低坪量のシートを数段重ねてプレスし、乾燥することにより製造される。高坪量の紙を多層抄きにより抄紙すれば、乾燥時の負荷が小さく、単層抄きより抄紙速度を速くできるため、生産性の観点から有利である。
液体用容器の中でも、ヨーグルトやアイスクリーム等の包装に用いる包装容器では、製造時に紙基材を筒形状に丸める加工が施される。そのため、紙基材に対しては、筒形状に丸めたときに、紙基材が折れたり、角張ることなく、スムーズに曲面を形成できることが求められる。また、紙基材表面が平滑であって印刷性に優れ、筒形状の容器が把持し易いように適度の剛度を有していることも求められる。
多層抄きの紙基材の成形加工性を改良しようとする試みは既に種々提案されている。例えば、特許文献1には、多層構造の紙容器用原紙であって、外層は針葉樹クラフトパルプの配合率を40質量%以上とし、内層は針葉樹クラフトパルプの配合率を30質量%以下とした紙容器用原紙が提案されている。また、特許文献2には、3層以上の多層抄き合わせにより抄紙され、最表層に濾水度320~420mlCSFのLBKPを用い、最表層と最裏層の縦方向の引張強度の比(表/裏)が1.00以下であることを特徴とする紙カップ用原紙が提案されている。
国際公開第2010/113849号 特開2012-219381号公報
特許文献1の紙容器用原紙は、強度の高い針葉樹パルプを内層より外層に多く配合することで、加工時に紙基材の内側から破壊されるように工夫し、表面に設ける熱可塑性樹脂層の破壊を抑制するものである。しかし、成形加工時の紙層内部の破壊については十分に検討されておらず、改善の余地があるものであった。また、針葉樹パルプを使用しているため、表面性や印刷性に若干の改善を要するものであった。また、特許文献2の紙カップ用原紙は、縦方向の強度に着目し、トップカール部の加工性は満足するものの、横方向の特性には留意されておらず、筒形状に紙基材を丸めるときの加工性にさらに改善の余地を有するものであった。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、包装容器としての加工性と外観に優れ、適度の剛度を有して持ちやすく、印刷性にも優れた紙基材を提供することである。また、当該紙基材を用いた紙製シート、カップ状包装容器および当該紙基材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、包装容器に用いる紙基材として、性能の均一性や生産性に優れた多層構造の紙基材(多層紙)を用いることとした。紙基材として、3層以上のパルプ層から構成される多層構造の紙基材を用い、当該紙基材の坪量、密度および繊維配向比を適切な範囲に調整することにより、前記課題をバランスよく解消し得ることを見出した。本発明はこのような知見を基に完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
(1)セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、坪量が、150~500g/mであり、密度が、0.80~0.97g/cmであり、全層の繊維配向比が、1.15~2.10であることを特徴とする紙基材。
(2)表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値が、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値以下であることを特徴とする前記(1)に記載の紙基材。
(3)横方向の引張弾性率が5.0GPa以下であることを特徴とする前記(1)または前記(2)に記載の紙基材。
(4)縦方向のテーバー剛度が、18.5mN・m以下であることを特徴とする前記(1)~(3)のいずれか1項に記載の紙基材。
(5)横方向の破断伸びが5.5%以上であることを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか1項に記載の紙基材。
(6)横方向のテーバー剛度が、4.0mN・m以上であることを特徴とする前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の紙基材。
(7)前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値が、1.50以上であることを特徴とする前記(1)~(6)のいずれか1項に記載の紙基材。
(8)前記最外のパルプ層の繊維配向比の平均値と、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値との差が0~0.60であることを特徴とする前記(2)~(7)のいずれか1項に記載の紙基材。
(9)サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを用いることを特徴とする前記(1)~(8)のいずれか1項に記載の紙基材。
(10)前記最外のパルプ層の坪量の平均値をW1とし、前記最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第1内層の坪量の平均値をW2としたとき、W1/W2=1.1~2.4を満足することを特徴とする前記(1)~(9)のいずれか1項に記載の紙基材。
(11)5層以上のパルプ層から構成されることを特徴とする前記(1)~(10)のいずれか1項に記載の紙基材。
(12)前記(1)~(11)のいずれか1項に記載の紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有する紙製シート。
(13)前記(12)に記載の紙製シートを用いたカップ状包装容器。
(14)前記(1)~(11)のいずれか1項に記載の紙基材の製造方法であって、3層以上のパルプ層の多層抄き合わせ工程を含むことを特徴とする紙基材の製造方法。
(15)前記多層抄き合わせ工程において、表裏のいずれか一方の最外のパルプ層から他方の最外のパルプ層までを順番に抄き合わせることを特徴とする前記(14)に記載の紙基材の製造方法。
(16)前記多層抄き合わせ工程が、少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、当該ワイヤーとは異なるワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする前記(14)または前記(15)に記載の紙基材の製造方法。
(17)前記多層抄き合わせ工程が、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする前記(14)または前記(15)に記載の紙基材の製造方法。
(18)前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、両面脱水部で第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記各ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項(14)または前記(15)に記載の紙基材の製造方法。
(19)前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程を含み、前記最外のパルプ層の初期脱水部の長さが前記最外のパルプ層を除いたパルプ層の初期脱水部の長さよりも大きいことを特徴とする前記(14)または前記(15)に記載の紙基材の製造方法。
本発明の紙基材は、包装容器としての加工性と外観に優れ、適度の剛度を有して持ちやすく、印刷性にも優れている。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
[紙基材]
紙基材は、セルロースパルプを主成分とする。ここで、主成分とは、紙基材を構成する成分のうち50質量%以上を占める成分をいう。
(パルプ)
セルロースパルプの種類には特に制限はないが、強度の観点から化学パルプを含有することが好ましい。化学パルプとしては特に限定されないが、広葉樹クラフトパルプ(LKP)または針葉樹クラフトパルプ(NKP)を含有することが好ましい。パルプは晒パルプでもよく、未晒パルプでもよい。以下、特に断りのない限り、LKPとNKPにはそれぞれ晒パルプまたは未晒パルプを含むが、広葉樹晒クラフトパルプをLBKP、針葉樹晒クラフトパルプをNBKPということがある。LKPとしては、アカシア材やユーカリ材等を、NKPとしてはラジアータパイン材等を使用することができる。
LKPはNKPと比較して繊維が短く強度に劣るが、抄紙された紙の地合いや平滑性に優れる。良好な印刷適性を得るためには、紙基材の良好な地合いや平滑性が必要であるため、LKPの含有量は、パルプ成分の合計質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
紙基材には、上記NKPおよびLKP以外のパルプ(以下、他のパルプと称す)が含まれていてもよい。他のパルプとしては、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ(DIP)、あるいはケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等が挙げられる。他のパルプの含有量は、パルプ成分の合計質量に対して、3質量%未満であることが好ましく、2質量%未満であることがより好ましく、1質量%未満であることがさらに好ましい。
一般に、パルプ成分のフリーネス(濾水度)が小さくなれば、抄紙された製品の引張強度を大きくすることができる。しかし、フリーネスを小さくすると、引張強度が大きくなるだけでなく紙が硬くなる傾向にある。紙が硬すぎると成形加工性が悪くなるため、引張強度がある程度大きく、硬くなりすぎないバランスに優れた紙基材を実現するためには、パルプの離解フリーネス(csf)が410~600mlであることが好ましい。離解フリーネス(csf)は420~590mlであることがより好ましく、430~580mlであることがさらに好ましい。
なお、離解フリーネス(csf)とは、紙基材を離解して得られたパルプスラリーを用いて測定したカナディアンスタンダードフリーネスの値を指す。離解フリーネス(csf)は、抄紙される前のセルロースパルプのフリーネスを増減することで調整することができる。抄紙される前のセルロースパルプのフリーネス(csf)は360~550mlであることが好ましく、370~540mlであることがより好ましく、380~530mlであることがさらに好ましい。
(填料)
紙基材を抄紙する際に配合する填料は、製紙分野で一般に使用されている填料が使用可能であり、特に限定されない。填料の例としては、クレー、焼成カオリン、デラミネートカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素-ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が挙げられる。これらの填料はその目的に応じ、単独または2種類以上を適宜組み合わせて使用することができる。
(内添助剤)
紙基材を抄紙する際に、各種内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することが可能である。内添助剤の例としては、サイズ剤、歩留まり向上剤、ろ水度向上剤、紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、嵩高向上剤、増粘剤、硫酸バンド、多価金属化合物、シリカゾル、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が挙げられる。
紙基材を食品の包装容器として使用する場合、食品の中には酸性の高い食品が存在する。酸性の高い食品は、紙基材を劣化させるおそれを有している。このようなとき、サイズ剤として、アルキルケテンダイマーを用いることが好ましい。アルキルケテンダイマーは、酸性の高い食品と接触してもサイズ性を低下させない。アルキルケテンダイマーの含有量は、紙基材に対して、0.08~0.4質量%が好ましく、0.1~0.3質量%がより好ましい。
紙基材の坪量は、150~500g/mである。紙基材の坪量が前記範囲内にあると、包装容器に成形する際に、適度の剛度と加工性を有したものとすることができる。紙基材の坪量は、180~400g/mであることが好ましい。
紙基材の密度は、0.80~0.97g/cmである。紙基材の坪量が前記範囲内にあると、紙が硬くなく、打ち抜き時や罫線を入れる場合に加工性が良好になる。紙基材の密度は、0.84~0.93g/cmであることが好ましい。
(引張弾性率)
紙基材を丸めてカップ状に成形する紙容器では、シーム部において2枚の紙基材が貼り合わされる。このとき、丸めた紙基材には弾性力により元の形状に戻ろうとする力が働く。横方向の引張弾性率が大きいと、弾性力が大きくなるため、カップの形状が広がろうとしたり、紙基材のシーム部分において剥離が生じたりするおそれがある。また、その状態でトップカール加工を行おうとすると、カールの外側が広げられる方向に過大な力がかかり、割れやシーム部の剥離などの加工不良が生じるおそれがある。紙基材の横方向の引張弾性率として必要な範囲を検討した結果、5.0GPa以下であれば好適であることを見出した。より好適には、2.0~5.0GPaであり、さらに好適には2.5~4.0GPaである。5.0GPaを超えると、弾性力が大きくなりすぎ、カップの成形時に割れや変形等の問題が生じる。一方、2.0GPaを下回ると、横方向の力が弱くなりすぎて、手に持ったときにたわみ易く感じることがある。尚、包装容器を製造する際の紙基材の標準的な方向として、包装容器の高さ方向を紙の縦方向(縦目)とし、包装容器の円周方向を紙の横方向(横目)として規定した。
(破断伸び)
横方向の破断伸びは、5.5%以上であることが好ましく、5.5~9.0%であることがより好ましい。横方向の破断伸びが5.5%を下回ると、トップカール部分の変形に紙が耐えられず、割れが生じるおそれがある。
(テーバー剛度)
トップカール加工を容易に行うためには、紙基材が丸まりやすいこと、すなわち紙基材の縦方向の曲げ剛度が小さいことが好ましい。そこで、本発明者らは、当該目的に用いる紙基材の曲げ剛度の定量化方法を検討したところ、テーバー曲げ剛度が有効であることを見出した。次に、トップカール加工を容易とすることが可能な縦方向のテーバー曲げ剛度の好ましい数値範囲を検討したところ、18.5mN・m以下であることが好ましく、10~18.5mN・mであることがより好ましいことを見出した。テーバー剛度が18.5mN・mを超えると、トップカール部を丸めにくくなるため、形状が角張ったり、折れや割れなどの加工性の低下が生じるおそれがある。また、横方向のテーバー剛度の範囲を検討した結果、4.0mN・m以上であることが好ましく、5.0mN・m以上であることがより好ましいことを見出した。横方向のテーバー剛度が4.0mN・mを下回ると、容器の胴部が柔らかくなり、把持した際にたわみ易く感じるおそれがある。一方、横方向のテーバー剛度の上限値を検討した結果、8.0mN・m以下であることが好ましく、7.5mN・m以下であることがより好ましいことを見出した。横方向のテーバー剛度が高すぎると、曲げ難くなり、成形性が低下するおそれがある。
(繊維配向比)
カップ成形性を向上させるためには、上記のように縦方向と横方向の強度の最適なバランスが必要になるが、それを達成する方法を検討した結果、パルプの繊維配向比を調節することが効果的であることを見出した。繊維配向比は、紙基材を構成する繊維の縦方向への配向の度合いを定量化するものである。繊維配向比の数値が大きくなるほど、縦方向への配向が増大することを意味する。その具体的な測定方法は後記する。繊維配向比が大きくなると、繊維の並びが縦配向になり、横方向の引張弾性率が低下したり、縦方向のテーバー剛度が高くなる。一方、繊維配向比が小さくなると、縦方向のテーバー剛度が低下したり、横方向の引張弾性率が高くなったり、横方向のテーバー剛度が上昇したりする。このように繊維配向比によって、紙基材の縦方向と横方向の強度バランスが変化することとなる。カップ成形に適する紙基材とするために最適な繊維配向比を検討した結果、紙基材の全層の繊維配向比は、1.15~2.10であることが好ましく、1.40~1.90であることがより好ましいことを見出した。繊維配向比が1.15を下回った場合、横方向の弾性率やテーバー剛度が高くなるため、カップ成形時に割れや変形が生じるおそれがある。一方で、2.10を超えた場合は、縦方向のテーバー剛度が高くなるため、トップカール成形の際に丸めにくくなり、カールの形状が角張るなど、加工性が低下するおそれがある。
さらに、紙基材の縦方向と横方向のバランスを制御する手段として、外側に位置するパルプ層と内側に位置するパルプ層との繊維配向比に差をつける方法を検討した。一般に、外側のパルプ層は内側のパルプ層に比べて、紙基材の剛度への寄与が大きい一方で、引張弾性率に対する寄与についてはあまり変わらない。そこで、外側のパルプ層の繊維配向比を低めにして縦方向のテーバー剛度の上昇を抑えたまま、内側のパルプ層の繊維配向比を高めにすることで、横方向の引張弾性率の上昇を抑えることができるということを見出した。
すなわち、紙基材の表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値は、最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値より小さいか、または同じであることが好ましい。具体的には、表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値は、1.00~1.80であることが好ましく、1.10~1.80であることがより好ましく、1.20~1.75であることがさらに好ましい。一方、最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値は、1.50以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましい。繊維配向比の平均値は、上記の範囲で好適に調節することができる。
さらに、表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値と、最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値との差は、0~0.60であることが好ましく、0.10~0.60であることがより好ましい。すなわち、紙基材の表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値は、最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値と同じか、0.60以下の範囲でより小さいことが好ましい。このように、外層の繊維配向比が内層の繊維配向比よりも小さくなるように繊維配向比に差を設けたときに、縦方向のテーバー剛度の上昇を抑えやすくなる。
各層の繊維配向比は、各フォーマーにおいて、インレットからのジェットの速度とワイヤーの速度との比率(J/W比)を制御することで調節することができる。一般にランダム点と呼ばれる繊維配向比が最も小さくなるJ/W比からジェットの速度を上げる、もしくは下げることで繊維配向比を縦配向にすることができる。また、一般に用いられるワイヤーを振動させるシェーキング装置を用いることで、繊維配向比を下げることもできる。
多層抄きの場合、各層の坪量は任意に決定してもよいが、最外のパルプ層の坪量がそのすぐ内側に位置する第1内層の坪量よりも大きいことが好ましい。最外のパルプ層の坪量の平均値をW1、第1内層の坪量の平均値をW2とした場合、W1/W2が1.1~2.4であることが好ましい。
さらに、層間強度の向上という観点からも外層の坪量が大きいことが好ましいことを見出した。最後に抄き合わされる層の坪量が大きいことで、プレスパートへ持ち込まれる紙全体の水分量が上昇し、プレスの際に十分な水素結合が形成されることで層間強度が向上すると考えられる。
繊維配向比を測定する方法としては、例えば超音波法、熱膨張法、力学破断強度法、X線回折法、マイクロ波法、NMR法、偏光蛍光法、誘電測定法等が知られている。本発明では、超音波法を採用することとした。具体的には、野村商事社製「SONIC SHEET TESTER」(SST)を用いて縦方向の超音波伝播速度(Vmd)と横方向の超音波伝播速度(Vcd)を測定し、その比率(Vmd/Vcd)を繊維配向比として繊維配向のランダム性を評価する指標とする。この繊維配向比が1.0の場合、繊維が完全にランダム配向となる。
(抄紙)
紙基材は、3層以上のパルプ層から構成される。紙基材は、5層以上であることが好ましい。複数のパルプ層から構成される紙基材は、一般に、複数のインレットから抄き合わされる多層抄き合わせによって製造される。層数が多い方が、各層の坪量を小さくできるため、地合が取りやすくなり、表面性が向上し、印刷性がより良好な紙基材とすることができる。また、層数が多い方が、罫線を入れる加工を施した際に罫線が入りやすく、罫線部で折り曲げ易くなるため、罫線適性に優れた紙基材とすることができる。
ここで、紙基材を構成する複数の各パルプ層を特定するため、各パルプ層に名称を付けることとする。例えば、5層からなる多層構造の紙基材であれば、各層を表側から裏側に向かって第1層から第5層としたとき、最外部に位置する第1層と第5層とを表裏の最外のパルプ層と呼ぶことにする。また、表裏の最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第2層と第4層とを第1内層と呼ぶことにする。さらに、第1内層の内側に位置する第3層を第2内層と呼ぶことにする。なお、ここで表側とは包装容器とした際に外側となる面のことを指し、裏側とは包装容器の内側となる面のことを指す。
多層構造の紙基材において、表裏の最外のパルプ層のそれぞれの坪量は、全体の坪量に対して25~40%であることが好ましい。例えば、300g/mの紙基材であれば、最外のパルプ層は75~120g/mとなることが好ましい。表裏の最外のパルプ層のそれぞれの坪量は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。表裏の最外のパルプ層のすぐ内側の第1内層のそれぞれの坪量は、最外のパルプ層の坪量よりも小さく、300g/mの5層からなる紙基材であれば、35g/m~62.5g/mとなることが好ましい。第2内層の坪量は、第1内層の坪量と同等であってもよいし、小さくてもよい。
(水溶性樹脂層)
紙基材の両面あるいは片面に、水溶性樹脂層を形成してもよいし、形成しなくてもよい。水溶性樹脂は、造膜性を有する水溶性高分子であれば特に限定されない。水溶性樹脂としては、例えば、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール(PVA)、澱粉類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレンイミン(PEI)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテルおよびその誘導体などが挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
[紙製シート]
紙製シートは、紙基材の少なくとも一方の面上に熱可塑性樹脂層を積層することによって形成される。熱可塑性樹脂層は、紙基材の片面だけに積層されていてもよいし、紙基材の両面に積層されていてもよい。通常は少なくとも、食品等と接する包装容器の内側となる面に形成される。
熱可塑性樹脂は、用途に応じて、結晶性樹脂と非結晶性樹脂のいずれの熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、PET、PBT等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸、PHB、PBS、PBAT、PCL、PHBH等の生分解性樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)等が挙げられる。熱可塑性樹脂層は、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、同種や異種の樹脂からなる複数の層として形成してもよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは、特に限定されないが、通常は、10~100μm程度の厚さである。
紙製シートの層構成としては、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる2層構成または3層構成が基本であるが、それ以外に、用途に応じて、種々の多様な層構成を形成することができる。例えば、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる紙製シート上にさらに同種または異種の熱可塑性樹脂層を設けたり、熱可塑性樹脂層と熱可塑性樹脂層の間に熱可塑性樹脂層以外の層を設けることもできる。熱可塑性樹脂以外の層としては、水溶性高分子(PVA等)層や、顔料及び接着剤を主成分とする塗工層、アルミニウム箔(Al箔)、印刷層等がある。
(坪量)
紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる紙製シートは、坪量が150~500g/mであることが好ましく、200~400g/mであることがより好ましい。
(水分)
紙製シートの水分は、紙基材と熱可塑性樹脂層とからなる紙製シートが含有する水分となる。紙製シートの水分は、6.0~9.5%であることが好ましく、6.2~8.0%であることがより好ましい。紙製シートの水分が6.0%以上であると、吸湿によって紙基材が伸縮することによるシワが発生しにくいため、操業性が低下しにくい。一方、紙製シートの水分が9.5%以下であると、ラミネートや印刷での加熱時に紙基材内の水分が気化し層間剥離が発生するという懸念が少ない。紙製シートの水分は、調湿後、JIS P8127;2010に準じて測定される。
[紙製シートの製造方法]
紙製シートを構成する紙基材は、3層以上のパルプ層から構成される。また、紙基材の製造方法は、表裏の最外のパルプ層の坪量の平均値をW1とし、最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第1内層の坪量の平均値をW2としたとき、W1/W2=1.1~2.4を満足するように、パルプ層を積層する積層工程を含むことが好ましい。より好ましくは、W1/W2=1.2~2.4である。
前記積層工程は、3層以上のパルプ層を合わせて抄き合わせる多層抄き合わせ工程であることが好ましい。当該多層抄き合わせ工程においては、表裏のいずれか一方の最外のパルプ層から他方の最外のパルプ層までを順番に抄き合わせることが好ましい。また、最後に抄き合わされることになる最外のパルプ層の坪量を他のパルプ層の坪量より大きくすることが好ましい。これにより、抄き合わされる際に十分な水分量を各層に保持させることができ、抄き合わせ面において水素結合が十分に得られ、層間強度を向上させることができる。
前記多層抄き合わせ工程は、少なくとも1枚のワイヤー上で脱水された湿紙を、当該ワイヤーとは別のワイヤーまたはフェルトの平面上に移行させ、当該別のワイヤーまたはフェルトの平面上に1層ずつ順番に抄き合わせる方法によって積層することが好ましい。換言すると、前記多層抄き合わせ工程は、少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、当該ワイヤーとは異なるワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことが好ましい。
また、前記多層抄き合わせ工程は、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水された湿紙を、これらのワイヤーとは別の第3ワイヤーまたはフェルトの平面上に移行させ、当該別の第3ワイヤーまたはフェルトの平面上に1層ずつ順番に抄き合わせる方法によって積層することが好ましい。換言すると、前記多層抄き合わせ工程は、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことが好ましい。
また、前記多層抄き合わせ工程は、初期脱水部(プレ脱水ゾーン)で少なくとも1枚のワイヤーで脱水され、さらに両面脱水部で第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水された湿紙を、これらのワイヤーとは別の第3ワイヤーまたはフェルトの平面上に移行させ、当該別の第3ワイヤーまたはフェルトの平面上に1層ずつ順番に抄き合わせる方法によって積層することが好ましい。換言すると、前記多層抄き合わせ工程は、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、両面脱水部で第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記各ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことが好ましい。例えば、5層からなる多層構造の紙基材であれば、前記第3ワイヤーまたはフェルト上に、初期脱水部と両面脱水部を有するフォーマー部を、抄紙機の流れ方向に5つ備える多層抄き用抄紙機によって製造することができる。これらの方法により、地合を向上させ、層間強度を高めることができる。
さらに、前記多層抄き合わせ工程は、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程を含み、最外のパルプ層の初期脱水部の長さが最外のパルプ層を除いたパルプ層の初期脱水部のいずれの長さよりも大きいことが好ましい。最外のパルプ層の初期脱水部の長さが大きいことにより、パルプスラリーを含む紙料の濃度を下げることができ、その結果、紙基材の表面の平滑性が向上し、紙基材表面を地合に優れたものにすることができる。最外のパルプ層の初期脱水部の長さは、最外のパルプ層を除いたパルプ層の初期脱水部の長さの1.1~2.0倍程度とすることが好ましい。
紙基材の抄紙方法および抄紙機の型式は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマー、サクセスフォーマー等の公知の抄紙方法および抄紙機が選択可能である。パルプ層を積層する工程は、少なくとも1枚のワイヤーで脱水された湿紙を、このワイヤーとは別のワイヤーあるいはフェルトの平面上に移行させ、1層ずつ順番に同一のワイヤーあるいはフェルト平面上で抄き合わせる多層抄き用抄紙機によって積層される工程であることが好ましい。
紙基材は、抄紙後に、必要に応じて平滑化処理を行う。平滑化処理は、通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシンまたはオフマシンで行われる。
紙製シートは、上記の製造方法で得られた紙基材の少なくとも一方の面上に、熱可塑性樹脂層をラミネートすることによって製造される。紙基材上に熱可塑性樹脂層をラミネートする方法としては、押出ラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、熱ラミネート法等の各種公知の方法を適宜使用することができる。
[包装容器の製造方法]
本実施形態の包装容器は、紙製シートを用いて製造される。紙製シートを用いて包装容器を製造する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて製造することができる。
本実施形態の包装容器は、牛乳パック、酒パック等の各種液体を充填した包装容器やヨーグルト、アイスクリーム等の食品を充填した包装容器として好適に使用することができる。特に、比較的大型のカップ状包装容器として好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
実施例および比較例で用いた原材料は以下のとおりである。
(1)パルプ:LBKP:アカシア材、ユーカリ材
(2)紙力増強剤:ポリアクリルアミド系紙力増強剤(PAM)、商品名「PS-NH20B」、荒川化学工業社製
(3)湿潤紙力増強剤:ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系(PAE系)樹脂、商品名「WS4024」、星光PMC社製
(4)カチオン化澱粉:商品名「P-3T」、ピラースターチ社製
(5)硫酸バンド
(6)サイズ剤:アルキルケテンダイマー系サイズ剤(AKD)、商品名「AD1612」、星光PMC社製
(7)熱可塑性樹脂:低密度ポリエチレン(LDPE)、商品名「LC522」、日本ポリエチレン社製
(8)ポリエチレンイミン:日本触媒社製、エポミンP-1000
(9)ポリビニルアルコール:日本酢ビ・ポバール社製、J-ポバールJM-17
各種性能の測定方法は以下のとおりである。
(1)パルプの離解フリーネス(csf):基材をJIS P8220:2012に準じて離解することで得られたパルプスラリーについて、JIS P8121-2:2012に準じて測定した。
(2)坪量:JIS P8124:2011に準じて、紙基材の坪量を測定した。
(3)層間強度:JAPAN TAPPI 18-2に準拠して、基材の縦方向と横方向について測定し、その相乗平均値を求めた。なお、両面テープは3M社製400を使用した。
(4)繊維配向比:SONIC SHEET TESTER(SST-2500、野村商事社製)を用いて紙基材の繊維配向比を測定した。この配向性測定機では、シートの一定距離間を超音波パルスが伝播するのに要する時間を測定し、その測定値から配向性の解析を行う。具体的には円周上に11.25度の角度で超音波パルス発生端子を配置し、超音波パルスを発生させ、同円周上の対向する120mm離れた位置にある受信端子に到達するまでの伝播時間を計測することで、各方向の超音波弾性率を測定し、繊維の配向を求める。伝播速度は繊維の長軸方向に速く伝わるため、それぞれの時間を比較することで、シート内の繊維の配向性を測定できる。ここで、全層の繊維配向比とは、紙基材をそのままSSTで測定することで得られる値である。表裏の最外のパルプ層の繊維配向比とは、複数層からなる紙基材を各層に分割して、それぞれ最外に位置するシート、例えば5層抄きの場合は、第1層(1フォーマー部)と第5層(5フォーマー部)をSSTで測定した値の平均値である。最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比とは、表裏の最外のパルプ層を分割して取り除いて残ったシート、例えば5層抄き場合は、第2層~第4層(2~4フォーマー部の抄き合わされたもの)をSSTで測定した値である。上記のいずれの層の測定についても、サンプルのMD方向(抄紙機の流れ方向)が角度0度となるようにSSTにセットして測定を行い、CD方向(MD方向と直交する方向)との比であるMD/CDの値を繊維配向比として取得した。
各層における坪量ならびに繊維配向比の測定は、1枚の紙基材をそれぞれの層に分割して測定を行う。層への分割は、以下のようにして行う。
1)28cm×28cmサイズに切り出したサンプルを80℃の湯に24時間浸す。
2)サンプルを湯から取り出し、水でぬらした吸取紙の上に乗せる。吸取紙はJIS P 8222:2015に定めるものを用いる。
3)サンプルの上から吸取紙を乗せて軽く手で押し、余剰の水分を取る。
4)サンプル上の吸取紙を取り除き、紙の端部から1枚1枚ゆっくりと剥がす。その際、紙が乾燥しないように適宜サンプルを水でぬらしながら行う。
5)剥いだ紙をそれぞれ別々に、JIS P 8222:2015に定める乾燥プレートと乾燥プレートに対する手抄き紙固定器具の間に拘束して、1日以上乾燥させる。
[実施例1]
(紙基材)
(紙料)
外層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP100質量%のパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で外層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(外層用の紙料スラリー)を得た。一方、内層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で内層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(内層用の紙料スラリー)を得た。
(抄紙)
得られた外層用の紙料スラリーならびに内層用の紙料スラリーを、サクセスフォーマー(小林製作所)の組み合わせによって、初期脱水部と両面脱水部を有するフォーマー部を、抄紙機の流れ方向に5つ備える5層抄き用抄紙機を用いて抄紙した。このとき、多層抄き合わせ工程としては、各層を初期脱水部で各1枚のワイヤーで脱水され、さらに両面脱水部で初期脱水部のワイヤーとは別の第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水された湿紙とし、順番に1層ずつ同一のフェルト平面上に移行させて抄き合わせ、積層した。抄き合わせ順は、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層の順であった。シートの初期形成がなされる平面状の初期脱水部(プレ脱水ゾーン)の長さは、外層にあたる1フォーマーと5フォーマーはそれぞれ6500mm、内層にあたる2フォーマー、3フォーマーおよび4フォーマーはそれぞれ4000mmであった。各フォーマーにおける、パルプの坪量ならびにインレットからのジェットの速度とワイヤー速度との比率(J/W比)は表1に示すとおりであった。このように各フォーマーで脱水がなされた湿紙を、一枚のトランスファーフェルト上で1フォーマー、2フォーマー、3フォーマー、4フォーマー、5フォーマーの順に積層され一枚の抄き合せシートとした。抄き合せシートは、次いでプレスパートにおいて搾水され、その後、ドライヤーパートにおいてシリンダードライヤーにより乾燥し、サイズプレスによって澱粉を表裏合計で1.0g/m塗工した。その後、再度シリンダードライヤーによって乾燥を行い、カレンダーパートにより紙厚を調節した後、リールパートでロール状に巻き取り、紙基材として得た。
(紙製シートへの加工)
紙基材の両面に、ポリエチレンイミン(PEI)を片面当たり固形分0.03g/mとなるようにロッド塗工した。その後、熱可塑性樹脂として両面にLDPEをラミネートして、紙製シートを得た。ラミネートは、押し出しラミネート法によりラミネート温度330℃、ラミネート速度200m/分の条件で行った。
[実施例2]
実施例1で得られた紙基材を用いて、紙基材の両面に、ポリビニルアルコール(PVA)を片面当たり固形分0.08g/mとなるようにロッド塗工した。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例3]
外層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを400csfに叩解したLBKP100質量%のパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で外層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.80質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.23質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.14質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(外層用の紙料スラリー)を得た。一方、内層に用いるパルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを400csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算で内層用のパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.50質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)1.1質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.23質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.14質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリー(内層用の紙料スラリー)を得た。
得られた紙料スラリーを実施例1と同様の5層抄き用抄紙機により、表1に記載のパルプの坪量ならびにJ/W比により抄紙を行った。1フォーマーならびに5フォーマーのワイヤーにおいて、振動数280rpm、振幅25mmの条件でシェーキング装置を用いて繊維配向比の調節を行った以外は、実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例4]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙した。1フォーマーならびに5フォーマーのワイヤーにおいて、振動数250rpm、振幅15mmの条件でシェーキング装置を用いて繊維配向比の調節を行った以外は、実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[実施例5]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、2フォーマーと4フォーマーを停止させた以外は実施例1と同様にして抄紙を行った。表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行い、3層からなる紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例6]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例3と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例7]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比であること以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例8]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例4と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例9]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表1に記載の坪量ならびにJ/W比であること以外は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例10]
表2に記載の坪量にした以外は実施例6と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例11]
表2に記載の坪量にした以外は実施例4と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[実施例12]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを、5層抄き用抄紙機を用いて抄紙を行った。シートの初期形成がなされる平面状の初期脱水部(プレ脱水ゾーン)の長さは、全てのフォーマーで4000mmであった。その他の条件は実施例1と同様にして抄紙を行って紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
[実施例13]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを、5層抄きの円網抄紙機を用いて抄紙を行った。その他の条件は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[実施例14]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比とした以外は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[実施例15]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーと5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例4と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[比較例1]
パルプ成分として、ダブルディスクリファイナーによりフリーネスを430csfに叩解したLBKP70質量%に、マシンブローク(自己損紙)原料30質量%を配合したパルプスラリーを得た。さらに固形分換算でパルプスラリー100質量%に対し、硫酸バンド0.35質量%、カチオン化澱粉0.40質量%、紙力増強剤(PAM系紙力増強剤)0.1質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.28質量%、PAE系湿潤紙力増強剤0.07質量%となるようにそれぞれの薬剤を添加した紙料スラリーを得た。得られた紙料スラリーを、長網オントップ形式の抄紙機で、表2に示す坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。その他は実施例1と同様にして、紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[比較例2]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量およびJ/W比とした以外は、実施例1と同様にして抄紙を行い紙基材を得た。得られた紙基材を用いて、実施例1と同様にして紙製シートを得た。
[比較例3]
実施例1と同様にして得られた紙料スラリーを用いて、表2に記載の坪量ならびにJ/W比で抄紙を行った。1フォーマーおよび5フォーマーのワイヤーにおいて、実施例3と同様の条件でシェーキングを行い、その他は実施例1と同様にして紙基材を得た。その後、実施例1と同様にして、紙製シートを得た。
得られた紙製シートを用いて、側面用のブランク及び底面用のブランクを切り抜き、そのブランクを用いて四つ角が弧状となっており、断面が矩形であり、筒形状であるカップを成形した。カップの高さは115mm、カップ内径の長辺は100mm、短辺は75mmとし、角のR部は25mmであり、トップ部に加工されたトップカールの直径は4mmとなるように加工した。
得られたカップの加工適性(外観)および品質について、下記の通りに評価を行った。評価結果が○と△のとき、合格と判定した。評価結果を表1、表2に示した。
[加工適性:角部の割れ]
カップ容器を製罐した際における、トップカール部の矩形の四つ角部を観察し、割れの有無を評価した。
○:割れが生じない。
△:角部に細かい亀裂が見られるが、割れには至らない。
×:角部に割れが生じる。
[加工適性:接着面における剥離]
カップ容器を製罐した際における、シーム部のトップカール部を目視で観察して、下記の基準で評価を行った。
○:シーム部にめくれ上がりが見られない。
△:シーム部に若干のめくれ上がりが見られる。
×:シーム部にめくれ上がりが非常に多く目立ち、剥離が見られる。
[加工適性:トップカール形状]
カップ容器を製罐した際における、トップカール部のカール形状の目視判定を行い、下記の基準で評価を行った。
○:カールの形状が滑らかである。
△:カール部がやや角張っているものの、折れは見られない。
×:カール部に折れが見られる。
[容器品質:印刷性]
紙製シート表面にオフセット印刷を施した後、目視で観察し、下記の基準で評価を行った。
○:図面が綺麗に印刷される。
△:印刷部にムラが若干みられるが実用上問題ない。
×:印刷部にムラが目立つ。
[容器品質:持ちやすさ]
カップ容器を、手に持ち、軽く握る動作をした時の持ちやすさについて下記の基準で官能評価を行った。
○:手で保持した際にたわみがなく持ちやすい。
△:手で保持した際に弱さを感じるが実用上問題ない。
×:手で保持した際にたわみがあり持ちにくい。
Figure 0007205385000001
Figure 0007205385000002
表1、表2の結果からわかるように、実施例1~15の紙基材は、加工適性(外観)、容器品質ともに問題なく、カップ容器を成形することができた。実施例6と実施例7の紙基材を比較した場合、実施例7の紙基材は、最外のパルプ層の繊維配向比が内側のパルプ層の繊維配向比よりも大きく、やや横方向の剛度が低くなった結果、持ちやすさにやや劣るが、実用的には問題なかった。実施例9、14の紙基材では、外側の繊維配向比がやや高いため、縦方向のテーバー剛度が高くなった結果、トップカール形状がやや角張っていたものの、折れや割れには至らず、実用的には問題なかった。実施例15の紙基材は、繊維配向比がやや低いため、横方向の引張弾性率が大きくなった結果、容器の角部に若干の割れが見られたが、実用上は問題がなかった。
一方、比較例1の紙基材は、単層であるため、地合が劣り、印刷部にムラが見られた。また、比較例2の紙基材は全層の繊維配向比が高過ぎるため、容器の加工適性のトップカール形状と持ちやすさに劣っていた。また、比較例3の紙基材は全層の繊維配向比が低過ぎるため、容器の加工適性に問題が生じ、角部の割れと接着面における剥離に劣っていた。

Claims (18)

  1. セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
    坪量が、150~500g/mであり、
    密度が、0.80~0.97g/cmであり、
    全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
    横方向の引張弾性率が5.0GPa以下である
    ことを特徴とする紙基材。
  2. セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
    坪量が、150~500g/m であり、
    密度が、0.80~0.97g/cm であり、
    全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
    縦方向のテーバー剛度が、18.5mN・m以下であることを特徴とする紙基材。
  3. セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
    坪量が、150~500g/m であり、
    密度が、0.80~0.97g/cm であり、
    全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
    横方向の破断伸びが5.5%以上であることを特徴とする紙基材。
  4. セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
    坪量が、150~500g/m であり、
    密度が、0.80~0.97g/cm であり、
    全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
    横方向のテーバー剛度が、4.0mN・m以上であることを特徴とする紙基材。
  5. セルロースパルプを主成分とし、3層以上のパルプ層から構成される紙基材であって、
    坪量が、150~500g/m であり、
    密度が、0.80~0.97g/cm であり、
    全層の繊維配向比が、1.15~2.10であり、
    表裏の最外のパルプ層の坪量の平均値をW1とし、前記最外のパルプ層のすぐ内側に位置する第1内層の坪量の平均値をW2としたとき、W1/W2=1.1~2.4を満足することを特徴とする紙基材。
  6. 表裏の最外のパルプ層の繊維配向比の平均値が、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の紙基材。
  7. 前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値が、1.50以上であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の紙基材。
  8. 前記最外のパルプ層の繊維配向比の平均値と、前記最外のパルプ層を除いた内側のパルプ層の繊維配向比の平均値との差が0~0.60であることを特徴とする請求項~7のいずれか1項に記載の紙基材。
  9. サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを用いることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の紙基材。
  10. 5層以上のパルプ層から構成されることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の紙基材。
  11. 請求項1~1のいずれか1項に記載の紙基材と、当該紙基材の少なくとも一方の面上に積層された熱可塑性樹脂層とを有する紙製シート。
  12. 請求項1に記載の紙製シートを用いたカップ状包装容器。
  13. 請求項1~1のいずれか1項に記載の紙基材の製造方法であって、
    3層以上のパルプ層の多層抄き合わせ工程を含むことを特徴とする紙基材の製造方法。
  14. 前記多層抄き合わせ工程において、表裏のいずれか一方の最外のパルプ層から他方の最外のパルプ層までを順番に抄き合わせることを特徴とする請求項1に記載の紙基材の製造方法。
  15. 前記多層抄き合わせ工程が、少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、当該ワイヤーとは異なるワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項1に記載の紙基材の製造方法。
  16. 前記多層抄き合わせ工程が、第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記第1ワイヤーおよび前記第2ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項1に記載の紙基材の製造方法。
  17. 前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程と、両面脱水部で第1ワイヤーおよび第2ワイヤーで挟み脱水する工程と、前記各ワイヤーとは異なる第3ワイヤーまたはフェルト上で積層する工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項1に記載の紙基材の製造方法。
  18. 前記多層抄き合わせ工程が、初期脱水部で少なくとも1枚のワイヤーで脱水する工程を含み、前記最外のパルプ層の初期脱水部の長さが前記最外のパルプ層を除いたパルプ層の初期脱水部の長さよりも大きいことを特徴とする請求項14に記載の紙基材の製造方法。
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