JP7300044B1 - ラミネート紙および液体容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷適性および加工適性に優れるラミネート紙および該ラミネート紙を用いてなる液体容器を提供する。【解決手段】紙基材と、前記紙基材の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、を有するラミネート紙であって、前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度が20秒以下であり、かつ前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度が60秒以上である、ラミネート紙。該ラミネート紙を用いてなる、液体容器。【選択図】なし

Description

本発明は、ラミネート紙および該ラミネート紙を用いてなる液体容器に関する。
たとえば牛乳パック等に利用される液体用紙容器としては、紙容器を構成する紙基材に種々の方法で耐水性を付与した容器が用いられている。紙基材に耐水性を付与する代表的な方法として、紙基材にサイズ剤を添加する方法や紙基材表面に熱可塑性樹脂をラミネートする方法が挙げられる。
たとえば、特許文献1には、基材紙の表面に樹脂フィルムがラミネートされたラミネート紙であって、樹脂フィルムは表面に金属蒸着層が形成されたナイロンの樹脂フィルムであるラミネート紙が開示されている。特許文献1では、湿度の高い使用環境に置いても湾曲の生じにくいラミネート紙を提供することを目的としている。
特開2018-1754号公報
たとえば液体容器に用いられるラミネート紙においては、少なくとも一方の面に印刷が施される場合がある。特許文献1には、ラミネート紙の印刷適性を向上させるため、アルミニウム蒸着面に、ポリエステル系等のプライマー剤を塗布してもよいことが記載されている。しかしながら、より容易かつ経済的に印刷適性を向上できるラミネート紙の開発が望まれている。
また、前記ラミネート紙においては、容器を製造する際に、ラミネート紙の排出不良等が抑制され、安定して容器製造可能な加工適性に優れるラミネート紙であることが望まれる。
そこで、本発明は、印刷適性および加工適性に優れるラミネート紙および該ラミネート紙を用いてなる液体容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、紙基材と、前記紙基材の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、を有するラミネート紙において、前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度を特定値以下とし、かつ前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度を特定値以上とすることで、印刷適性および加工適性に優れるラミネート紙が提供されることを見出した。
本発明はこのような知見を踏まえて完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
<1> 紙基材と、前記紙基材の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、を有するラミネート紙であって、前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度が20秒以下であり、かつ前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度が60秒以上である、ラミネート紙。
<2> 前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度と前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度との差が50秒以上である、<1>に記載のラミネート紙。
<3> 前記ラミネート紙の一方の面と前記ラミネート紙の他方の面との静摩擦係数が0.460以下である、<1>または<2>に記載のラミネート紙。
<4> 坪量が290g/m以上400g/m以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のラミネート紙。
<5> 厚さが390μm以上500μm以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のラミネート紙。
<6> 液体容器用である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のラミネート紙。
<7> <1>~<6>のいずれか1つに記載のラミネート紙を用いてなる、液体容器。
本発明によれば、印刷適性および加工適性に優れるラミネート紙および該ラミネート紙を用いてなる液体容器を提供できる。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。また、本明細書において、特記しない限り、操作および物性等の測定は、室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で行う。
[ラミネート紙]
本実施形態に係るラミネート紙(以下、単にラミネート紙ともいう)は、紙基材と、前記紙基材の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、を有するラミネート紙であって、前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度が20秒以下であり、かつ前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度が60秒以上である。
<王研式平滑度>
ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度が20秒以下であり、かつラミネート紙の他方の面の王研式平滑度は60秒以上である。ラミネート紙の一方の面(第1面、ラミネート紙がたとえば液体容器用である場合には接液面)の王研式平滑度を20秒以下とすることで、ラミネート紙を、たとえば液体容器に加工する際に、排出不良等が抑制され、安定して容器製造可能な加工適性に優れるラミネート紙が得られる。また、ラミネート紙の他方の面(第2面、ラミネート紙がたとえば液体容器用である場合には印刷面)の王研式平滑度を60秒以上とすることで、ラミネート紙の他方の面に印刷を施した場合に、インクの発色が鮮明かつ均一であるとともに、印刷ムラがなく、印刷適性に優れるラミネート紙が得られる。加工適性のさらなる向上の観点から、ラミネート紙の一方の面(第1面)の王研式平滑度は、好ましくは17秒以下、より好ましくは15秒以下、さらに好ましくは10秒以下、よりさらに好ましくは7秒以下であり、そして、特に限定されないが、製造容易性の観点から、好ましくは1秒以上である。また、印刷適性のさらなる向上の観点から、ラミネート紙の他方の面(第2面)の王研式平滑度は、好ましくは70秒以上、より好ましくは80秒以上、さらに好ましくは100秒以上、よりさらに好ましくは150秒以上であり、そして、特に限定されないが、製造容易性の観点から、好ましくは500秒以下である。
ラミネート紙の一方の面および他方の面の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定される。
ラミネート紙の王研式平滑度は、後述する、紙基材の王研式平滑度、熱可塑性樹脂層を溶融押出ラミネートする際のクーリングロールの外面の粗さ等を変更することにより、調整できる。
ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度とラミネート紙の他方の面の王研式平滑度との差は、ラミネート紙を、たとえば液体容器に加工する際に排出不良等をより抑制し、加工適性をより向上する観点から、40秒以上、好ましくは50秒以上、より好ましくは60秒以上、さらに好ましくは70秒以上、よりさらに好ましくは80秒以上であり、そして、製造容易性の観点から、好ましくは500秒以下、より好ましくは400秒以下、さらに好ましくは300秒以下である。
<坪量>
ラミネート紙の坪量は、たとえば液体容器に加工した場合に適当な紙力を得やすく、かつ加工適性をより向上する観点から、好ましくは200g/m以上、より好ましくは250g/m以上、さらに好ましくは290g/m以上であり、そして、好ましくは500g/m以下、より好ましくは450g/m以下、さらに好ましくは400g/m以下である。ラミネート紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
<厚さ>
ラミネート紙の厚さは、たとえば液体容器に加工した場合に適当な紙力を得やすく、かつ加工適性をより向上する観点から、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上、さらに好ましくは350μm以上、よりさらに好ましくは390μm以上であり、そして、好ましくは700μm以下、より好ましくは600μm以下、さらに好ましくは550μm以下、よりさらに好ましくは500μm以下である。ラミネート紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
<密度>
ラミネート紙の密度は、たとえば液体容器に加工した場合に適当な紙力を得やすく、かつ加工適性をより向上する観点から、好ましくは0.40g/cm以上、より好ましくは0.50g/cm以上、さらに好ましくは0.60g/cm以上、よりさらに好ましくは0.70g/cm以上であり、そして、好ましくは1.10g/cm以下、より好ましくは1.00g/cm以下、さらに好ましくは0.90g/cm以下、よりさらに好ましくは0.85g/cm以下である。ラミネート紙の密度は、上述した測定方法により得られた、ラミネート紙の坪量および厚さから算出される。
<静摩擦係数>
ラミネート紙の一方の面とラミネート紙の他方の面との静摩擦係数は、ラミネート紙を、たとえば液体容器に加工する際に排出不良等をより抑制し、加工適性をより向上する観点から、好ましくは0.460以下、より好ましくは0.450以下であり、そして、製造容易性の観点から、好ましくは0.100以上、より好ましくは0.200以上である。
ラミネート紙の一方の面とラミネート紙の他方の面との静摩擦係数は、JIS P 8147:2010に準拠して測定される。具体的には、JIS P 8147:2010に準拠して測定される、ラミネート紙の一方の面および他方の面の縦方向同士の静摩擦係数と、ラミネート紙の一方の面および他方の面の横方向同士の静摩擦係数との相乗平均値を求め、ラミネート紙の一方の面とラミネート紙の他方の面との静摩擦係数とする。
本明細書中、ラミネート紙の「縦方向」とは、紙基材の抄紙方向(MD方向)に対応する方向を意味する。また、ラミネート紙の「横方向」とは、紙基材の抄紙方向と直交する方向(CD方向)に対応する方向を意味する。
打ち抜き加工(ブランクシート(ブランクス)製造)後のフレームシール工程において、ラミネート紙の縦方向はブランクスの幅方向に相当し、ラミネート紙の横方向はブランクスの流れ方向(押し出し方向)に相当する。フレームシール工程におけるブランクスの排出不良を抑制する観点では、ブランクスの流れ方向に相当するラミネート紙の横方向の静摩擦係数が上記範囲内にあることが好ましい。
<紙基材>
本実施形態において、紙基材は、紙を主体とし、前記紙基材は、植物由来の木材パルプを主成分として一般的に用いられている紙であれば特に制限はない。
紙基材は、パルプ層を3層以上有する多層構造であることが好ましい。すなわち、紙基材は、パルプ層を3層以上有する多層構造の紙(多層紙)から構成されることが好ましい。各パルプ層の坪量は、同一であっても、異なっていてもよい。紙基材は、3層以上の層数を有することが好ましく、4層以上の層数を有することがより好ましく、そして、7層以下の層数を有することが好ましく、5層以下の層数を有することがより好ましく、5層の層数を有することが特に好ましい。紙基材の層数を上記範囲内とすることにより、製造容易性に優れるので好ましい。
紙基材の各層の間には、接着性成分が存在していてもよい。また、紙基材の各層の間には、接着性成分を含む接着層が存在していてもよい。接着性成分としては、たとえば、澱粉、ポリアクリルアミド、ポリアミド-ポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂等を挙げることができる。
(坪量)
紙基材の坪量は、ラミネート紙の印刷適性および加工適性をより向上する観点から、好ましくは150g/m以上、より好ましくは200g/m以上、さらに好ましくは250g/m以上であり、そして、好ましくは500g/m以下、より好ましくは450g/m以下、さらに好ましくは400g/m以下である。紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
ラミネート紙の坪量に対する紙基材の坪量の比は、リサイクル性の観点から、好ましくは0.5以上であり、そして、その上限は特に限定されないが、好ましくは0.9以下である。
(厚さ)
紙基材の厚さは、ラミネート紙の加工適性をより向上する観点から、好ましくは200μm以上、より好ましくは250μm以上、さらに好ましくは300μm以上であり、そして、好ましくは600μm以下、より好ましくは550μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。紙基材の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
(密度)
紙基材の密度は、ラミネート紙の印刷適性および加工適性をより向上する観点から、好ましくは0.30g/cm以上、より好ましくは0.50g/cm以上であり、そして、好ましくは1.20g/cm以下、より好ましくは1.00g/cm以下である。紙基材の密度は、上述した測定方法により得られる、紙基材の坪量および厚さから算出される。
(王研式平滑度)
紙基材の王研式平滑度は、ラミネート紙の王研式平滑度を上記範囲に調整しやすい観点から、好ましくは5秒以上、そして、好ましくは100秒以下、より好ましくは80秒以下、さらに好ましくは60秒以下、よりさらに好ましくは40秒以下である。
紙基材の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定される。
(原料パルプ)
紙基材は、パルプ(好ましくはセルロースパルプ)を主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とは、紙基材の全質量に対して、50質量%以上を占める成分をいう。紙基材を構成する原料パルプの含有量は、紙基材の全質量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上である。
原料パルプとしては、たとえば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)等の木材系パルプ、麻パルプ等の非木材系パルプ等が挙げられる。これらのパルプは、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
紙基材を構成する原料パルプとしては、品質やコストの面から、LBKPおよびNBKPが適している。本実施形態においては、紙基材の広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプの質量比(LBKP:NBKP)は、好ましくは50:50~100:0、より好ましくは60:40~90:10、さらに好ましくは65:35~85:15である。
(サイズ剤)
紙基材は、サイズ剤を含有することが好ましい。紙基材がサイズ剤を含有することにより、紙基材はより優れた耐水性を発揮でき、結果として、ラミネート紙の耐水性も向上する。サイズ剤としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、無水マレイン酸系、スチレン-アクリル酸系、スチレン-アクリル系などの公知の紙用各種サイズ剤等が挙げられる。
紙基材がサイズ剤を含有する場合、サイズ剤の添加量(固形分換算)は、特に限定されないが、原料パルプ(絶乾質量)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下、よりさらに好ましくは1.0質量部以下である。サイズ剤の含有量を上記範囲内とすることにより、紙基材の耐水性をより効果的に高めることができる。
(各種内添助剤)
紙基材には、上述したサイズ剤に加えて、各種内添助剤を適宜添加することができる。内添助剤としては、たとえば、紙力増強剤(乾燥紙力増強剤)、湿潤紙力増強剤、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の填料、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料、顔料、蛍光増白剤等が挙げられる。中でも、紙基材には、内添助剤として、乾燥紙力増強剤および湿潤紙力増強剤から選択される少なくとも1種が添加されることが好ましい。
≪乾燥紙力増強剤≫
乾燥紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド系ポリマー、カチオン化澱粉などの澱粉類、尿素樹脂、ポリアミド-ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。紙基材が乾燥紙力増強剤を含有する場合、乾燥紙力増強剤の添加量(固形分換算)は、特に限定されないが、原料パルプ(絶乾質量)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下、よりさらに好ましくは1.0質量部以下である。乾燥紙力増強剤の含有量を上記範囲内とすることにより、紙基材の強度をより効果的に高めることができる。
≪湿潤紙力増強剤≫
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミド-ポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。紙基材が湿潤紙力増強剤を含有する場合、湿潤紙力増強剤の添加量(固形分換算)は、特に限定されないが、原料パルプ(絶乾質量)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、さらに好ましくは0.05質量部以上であり、そして、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以下、よりさらに好ましくは1.0質量部以下である。湿潤紙力増強剤の含有量を上記範囲内とすることにより、紙基材の湿潤強度をより効果的に高めることができる。
また、紙基材は、内添助剤に加えて、表面サイズ剤および/または表面紙力剤を有していてもよい。
表面サイズ剤としては、アルキルケテンダイマー系化合物などが挙げられる。表面紙力剤としては、酸化澱粉や酵素処理澱粉、酸処理澱粉等の変性澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)等の水系樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体などが挙げられる。表面サイズおよび/または表面紙力剤をサイズプレス工程で使用する場合、サイズプレス液にはビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等の接着助剤を混合して使用することができる。
表面サイズ剤および表面紙力剤の付与量は、固形分換算で、好ましくは0.01g/m以上、より好ましくは0.1g/m以上、さらに好ましくは0.5g/m以上であり、そして、好ましくは5.0g/m以下、より好ましくは3.0g/m以下、さらに好ましくは1.5g/m以下である。表面サイズ剤と表面紙力剤を併用する場合は、それぞれの付与量が上記範囲であることが好ましい。
接着助剤の付与量は、固形分換算で、好ましくは0.01g/m以上、より好ましくは0.05g/m以上、さらに好ましくは0.08g/m以上であり、そして、好ましくは5.0g/m以下、より好ましくは3.0g/m以下、さらに好ましくは1.5g/m以下である。
<紙基材の製造方法>
紙基材は、パルプ層を3層以上積層する抄紙工程により製造することが好ましい。パルプ層を多数積層した構成の多層紙は、板紙等の製造技術として使用されており、一般的に、円網抄合わせ抄紙機、長網抄合わせ抄紙機等の多層抄き用抄紙機を使用して製造することができる。また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれであってもよい。また、各パルプ層における各種添加剤の含有量が異なる多層構造の紙基材としてもよく、このような多層構造の基材は、後述する多層抄き用抄紙機を用いて製造することができる。
紙基材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機(たとえば長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の抄紙機)を適宜選択して使用すればよい。抄紙機によって形成された紙層は、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させる。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上記のようにして得られた紙基材の片面または両面に、上記の表面サイズ剤、表面紙力剤および接着助剤から選択される少なくとも1つを塗布してもよい。塗布装置としては、公知のサイズプレス機等を用いることができる。また、上記のようにして得られた紙基材に、カレンダーによる表面処理を施して厚みやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。なお、カレンダー処理の前にサイズプレス剤を付与してもよい。
<熱可塑性樹脂層>
熱可塑性樹脂層は、紙基材の両面に積層される。紙基材の両面に設けられる熱可塑性樹脂層は、同一の組成であってもよく、異なる組成であってもよい。また、それぞれの熱可塑性樹脂層は、単層、複層のいずれであってもよい。本明細書中、「面に積層される」の文言は、直接積層される形態であってもよいし、他の層を介して間接的に積層される形態であってもよいことを意味する。
熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、用途に応じて、結晶性樹脂または非結晶性樹脂のいずれの熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)等の生分解性樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)等が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂や、ポリ乳酸(PLA)を用いることが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンを用いることがより好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂層は、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、これらの複層(たとえば、単一樹脂層/単一樹脂層、単一樹脂層/混合樹脂層、混合樹脂層/混合樹脂層)として形成してもよい。
(坪量)
紙基材の両面に積層される熱可塑性樹脂層の坪量の合計は、特に限定されないが、好ましくは20g/m以上、より好ましくは25g/m以上、さらに好ましくは30g/m以上であり、そして、好ましくは150g/m以下、より好ましくは100g/m以下、さらに好ましくは50g/m以下である。
紙基材の一方の面(第1面、接液面)に積層される熱可塑性樹脂層の坪量は、紙基材の他方の面(第2面、印刷面)に積層される熱可塑性樹脂層の坪量よりも多くすることが好ましい。これにより、たとえばラミネート紙を液体容器として用いる場合、ラミネート紙の内容物の紙基材への浸透を防ぎ、内容物の漏れや紙基材の強度低下による胴膨れを抑制することができる。
紙基材の一方の面(第1面、接液面)に積層される熱可塑性樹脂層の坪量は、耐水性を発揮しやすい観点から、好ましくは15g/m以上、より好ましくは20g/m以上であり、そして、加工適性に優れるラミネート紙を得やすい観点から、好ましくは60g/m以下、より好ましくは50g/m以下、さらに好ましくは40g/m以下、よりさらに好ましくは30g/m以下である。
紙基材の他方の面(第2面、印刷面)に積層される熱可塑性樹脂層の坪量は、印刷適性に優れるラミネート紙を得やすい観点から、好ましくは5g/m以上、より好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上であり、そして、好ましくは50g/m以下、より好ましくは40g/m以下、さらに好ましくは30g/m以下、よりさらに好ましくは20g/m以下である。
紙基材に積層される熱可塑性樹脂層の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
(厚さ)
紙基材の両面に積層される熱可塑性樹脂層の厚さの合計は、特に限定されないが、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、そして、好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。熱可塑性樹脂層の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定される。
紙基材の一方の面(第1面、接液面)に積層される熱可塑性樹脂層の厚さは、紙基材の他方の面(第2面、印刷面)に積層される熱可塑性樹脂層の厚さよりも多くすることが好ましい。これにより、たとえばラミネート紙を液体容器として用いる場合、ラミネート紙の内容物の紙基材への浸透を防ぎ、内容物の漏れや紙基材の強度低下による胴膨れを抑制することができる。
紙基材の一方の面(第1面、接液面)に積層される熱可塑性樹脂層の厚さは、耐水性を発揮しやすい観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、そして、加工適性に優れるラミネート紙を得やすい観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは35μm以下である。
紙基材の他方の面(第2面、印刷面)に積層される熱可塑性樹脂層の厚さは、印刷適性に優れるラミネート紙を得やすい観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは13μm以上であり、そして、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
紙基材に積層される熱可塑性樹脂層の厚さは、実施例に記載される方法により測定できる。
ラミネート紙は、紙基材と熱可塑性樹脂層に加えて、用途に応じて、他の層を有していてもよい。この際、紙基材の少なくとも一方の面は、紙基材/他の層/熱可塑性樹脂層のような積層形態であってもよいし、紙基材/熱可塑性樹脂層/他の層のような積層形態であってもよい。これらの積層形態において、互いの層は、直接積層していてもよいし、間接的に積層していてもよい。他の層としては、水溶性高分子(ポリビニルアルコール(PVA)等)層、顔料およびバインダーを主成分とする顔料塗工層、アルミニウム箔(Al箔)、金属蒸着層、無機酸化物(シリカ、アルミナなど)蒸着層、ナイロン層、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)層などのバリア層、印刷層、接着剤層等が挙げられる。
これらの中でも、ラミネート紙は、製造容易性の観点から、他の層を有していないことが好ましい。
[ラミネート紙の製造方法]
本実施形態のラミネート紙は、紙基材の両面に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程を経ることで製造される。具体的には、本実施形態に係るラミネート紙の製造方法は、紙基材の抄紙工程と、紙基材の両面に熱可塑性樹脂層を積層するラミネート工程とを含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂層を紙基材上にラミネートする方法としては、溶融押出ラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、熱ラミネート法等の各種公知の方法を適宜使用することができる。これらの中でも、紙基材と熱可塑性樹脂層とを貼付する工程が不要であり、製造工程の観点から、熱可塑性樹脂層を紙基材上にラミネートする方法としては、溶融押出ラミネート法が好ましい。
熱可塑性樹脂層を紙基材上にラミネートする際には、必要に応じて、熱可塑性樹脂層または紙基材に対してコロナ処理やオゾン処理等の酸化処理を施してもよい。これらの処理を行うことによって、熱可塑性樹脂層または紙基材の表面に極性基が生成し、接着性を向上させることができる。これらの処理は、熱可塑性樹脂層または紙基材のいずれか一方に施してもよく、両方に施してもよく、これらの処理の回数は、1回でもよく、複数回でもよい。
抄紙工程においては、多層抄き用抄紙機を用いて紙基材を抄紙することが好ましい。抄紙工程は、上述したとおりである。
本実施形態に係るラミネート紙は、優れた耐水性を発揮し、かつ加工適性および印刷適性に優れるため、牛乳パック、紙コップ、コーヒー容器、アセプティック容器等の液体容器、発泡カップ、アイスカップ、断熱カップ、包装容器等の紙容器のほか、包装資材、断熱資材等の各種用途に用いることができる。
[液体容器]
本実施形態に係る液体容器(以下、単に液体容器ともいう)は、上述したラミネート紙を用いてなるものであることが好ましい。液体容器は、上述したラミネート紙から形成されるブランクシートを成形することにより製造することができる。
ゲーブルトップ型液体容器のブランクシートの作製方法としては、たとえば、紙基材を作製した後、第1面(接液面)および第2面(印刷面)に熱可塑性樹脂層を積層後、第2面(印刷面)に印刷を行い、罫線加工および打ち抜きを行い、さらに、折り曲げ加工を行った後、容器縦方向のフレームシールを行い、カートン状にて提供される。提供されたカートン状の液体容器用ラミネート紙は、ボトムシール、殺菌、充填、トップシールの各段階を経て、ゲーブルトップ型の液体充填品(たとえば、牛乳)として流通される。
本実施形態のラミネート紙を打ち抜きおよび罫入れ加工することで、ブランクシートを製造した後、該ブランクシートを成形して液体用紙容器を製造してもよい。この際、打ち抜き、罫入れおよび成形は、公知の方法を用いて行うことができる。液体用紙容器の形状は、特に限定されず、屋根型容器(ゲーブルトップ)、直方体容器(ブリック、ストレート、フラットトップ)、三角錐型容器、カップ容器、スラントトップ型容器、正四面体型容器などが挙げられる。したがって、本発明の別の実施形態は、紙容器(好ましくは液体用紙容器)の製造における、上記ラミネート紙の使用である。
以下に本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、以下の操作は23℃、50%RHの条件で行った。また、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
[分析および評価]
実施例および比較例の紙基材、熱可塑性樹脂層、およびラミネート紙について、以下の分析および評価を行った。
<坪量>
紙基材、熱可塑性樹脂層、およびラミネート紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定した。
<厚さ>
紙基材およびラミネート紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠し、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm)に加えた際の厚さを測定した。
熱可塑性樹脂層の厚みは、ラミネート紙を100mm×100mmに切り出し、切り出した試験片から熱可塑性樹脂層を剥離した後、セルラーゼ溶液に浸漬した。十分に浸漬した後、さらに試験片を銅エチレンジアミン溶液に浸漬させ、熱可塑性樹脂(PEコート)分のみを採取した。水洗いをして乾燥後、精秤し、使用した熱可塑性樹脂の密度(ポリエチレンの密度=0.923g/cm)より厚みを算出した。
<王研式平滑度>
紙基材およびラミネート紙の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定した。
<静摩擦係数>
ラミネート紙の一方の面(第1面)と他方の面(第2面)との静摩擦係数は、JIS P 8147:2010に準拠して測定した。具体的には、JIS P 8147:2010に準拠し、ラミネート紙の一方の面(第1面)および他方の面(第2面)の縦方向同士の静摩擦係数と、ラミネート紙の一方の面(第1面)および他方の面(第2面)の横方向同士の静摩擦係数とを測定し、相乗平均をラミネート紙の一方の面(第1面)と他方の面(第2面)との静摩擦係数とした。
<クーリングロール外面の粗さ>
クーリングロールの外面の粗さは、JIS B 0601:1982に準拠し、十点平均粗さ(Rz)を測定し、以下のレベルで分類した。
レベル1:0μm以上5.0μm未満
レベル2:5.0μm以上10.0μm未満
レベル3:10.0μm以上15.0μm未満
レベル4:15.0μm以上20.0μm未満
レベル5:20.0μm以上
<加工適性の評価>
ラミネート紙から打ち抜いたブランクス50枚を、次工程の貼り合わせる工程(圧着工程)に送り出す際に、ブランクスの紙詰まりが起き、上手く排出されなかった枚数(排出不良枚数)を数え、以下の基準に基づいて評価した。
A:排出不良が0枚
B:排出不良が1~4枚
C:排出不良が5枚を超える
<印刷適性の評価>
50枚のラミネート紙にオフセット印刷を施し、インクの発色の鮮明さや均一性を目視で確認し、以下のとおり評価した。
A:インクの発色が鮮明かつ均一である。
B:ところどころ印刷ムラが見られるが、実用上問題ない程度であった。
C:インクの発色がやや鮮明でなく、印刷平滑性、光沢感、印刷ムラのうち、一つが劣り、実用上問題がある。
D:インクの発色が鮮明でなく、印刷ムラや表面乱れがあり、実用上問題がある。
実施例1~4および比較例1~3
<紙基材>
原料パルプとしてLBKP70部、NBKP30部を、ダブルディスクレファイナーを使用し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー(絶乾質量)100部に対して、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアミド系紙力剤0.30部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.25部(固形分換算)、湿潤紙力増強剤として、ポリアミド-ポリアミン-エピクロロヒドリン系湿潤紙力増強剤0.10部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて多層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を7.5g/m(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉1.0g/m(固形分換算)およびポリエチレンイミン0.10g/m(固形分換算)を塗布し、カレンダー処理を行い、坪量340g/m、厚さ444μmの紙基材を得た。ここで得られた紙基材の低平滑面を第1面(接液面)、高平滑面を第2面(印刷面)とした。
<ラミネート紙>
表1に示すように得られた紙基材の両面(第1面および第2面)に対し、熱可塑性樹脂としてLDPE(低密度ポリエチレン)を積層した。紙基材の両面への熱可塑性樹脂層の積層は溶融押出ラミネート法により310℃の溶融温度で行い、クーリングロールの外面の粗さ、熱可塑性樹脂層の厚さおよび坪量は、表1に記載のとおりとし、ラミネート紙を得た。分析および評価結果を表1に示す。
<液体容器>
得られたラミネート紙の第2面(印刷面)にオフセット印刷を施したのち、必要箇所に罫線を設けるとともに所定の形状に打ち抜き、ゲーブルトップ容器のブランク材を得た。次に、フレームシールによりブランク材の一部の樹脂材料を溶融し、胴部を貼り合わせて、筒状のスリーブを得た。続いて、この筒状スリーブを液体充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、トップ部をシールし、ゲーブルトップ型紙容器を得た。なお、上記加工適性の評価については、ブランク材の打ち抜き工程から胴部を貼り合わせる工程の前までの工程における加工適性を指す。
実施例5
紙基材の坪量を306g/m、厚さ365μmに変更した以外は実施例1と同様にしてラミネート紙を得た。
Figure 0007300044000001
表1からわかるように、実施例1~5のラミネート紙は、加工適性および印刷適性に優れていた。一方、ラミネート紙の両面の王研式平滑度が高い比較例1は、打ち抜かれたブランクスを次工程に送り出す際に排出不良が生じ、加工適性に劣っていた。ラミネート紙の第1面(接液面)の王研式平滑度が高い比較例2では、比較例1と同様に排出不良が生じ、加工適性に劣っていた。ラミネート紙の両面の王研式平滑度が低い比較例3は、印刷を施した際に、インクの発色が鮮明でなく、印刷ムラや表面乱れがあり、印刷適性に劣っていた。
本発明に係るラミネート紙は、優れた耐水性を発揮し、かつ加工適性および印刷適性に優れるため、牛乳パック、紙コップ、コーヒー容器、アセプティック容器等の液体容器、発泡カップ、アイスカップ、断熱カップ、包装容器等の紙容器のほか、包装資材、断熱資材等として好適に使用できる。

Claims (7)

  1. 紙基材と、前記紙基材の両面に積層された熱可塑性樹脂層と、を有するラミネート紙であって、
    前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度が20秒以下であり、かつ前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度が60秒以上である、
    ラミネート紙。
  2. 前記ラミネート紙の一方の面の王研式平滑度と前記ラミネート紙の他方の面の王研式平滑度との差が50秒以上である、請求項1に記載のラミネート紙。
  3. 前記ラミネート紙の一方の面と前記ラミネート紙の他方の面との静摩擦係数が0.460以下である、請求項1に記載のラミネート紙。
  4. 坪量が290g/m以上400g/m以下である、請求項1に記載のラミネート紙。
  5. 厚さが390μm以上500μm以下である、請求項1に記載のラミネート紙。
  6. 液体容器用である、請求項1に記載のラミネート紙。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のラミネート紙を用いてなる、液体容器。
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