JP2001248097A - 包装用紙 - Google Patents
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Abstract
ライナ原紙の段ボール貼合工程において、シングルフェ
ーサープレスロール、及びダブルフェーサー熱盤部での
融着トラブルを抑えて段ボールシートの製造を容易に
し、しかも易離解性で古紙としての再利用が可能である
耐水段ボールライナに適した包装用紙を提供する。 【解決手段】 基材紙の少なくとも片面に、合成樹脂エ
マルジョンにその固形分に対して顔料を30〜60重量
%配合した塗料による塗工層を設け、前記顔料が、平均
粒子径5〜15μmの顔料と平均粒子径3μm以下の顔
料とを5:95重量%〜40:60重量%の割合で配合
したものである包装用紙。
Description
クル可能な、耐水性、防滑性、段ボール貼合適性に優
れ、包装紙、封筒、包装袋、段ボールライナ等の包装素
材として好適な包装用紙に関する。
ボール箱等の各種包装材料の素材として使用されてお
り、その場合、必要に応じて耐水性、防滑性等の特性を
付与されたものが使用されている。例えば、段ボール箱
は輸送用に広く用いられているが、通常の段ボール箱は
水に弱いという欠点を有している。そのため、青果物、
鮮魚、肉類、冷凍食品等の、内容物が水分を含有する場
合、また、鮮度保持のために低温輸送を必要とし、それ
によって結露水が発生するおそれがある内容物に対して
は、撥水性、耐水性が付与された段ボールが素材として
用いられている。このような段ボールとしては、段ボー
ルの表面に溶融ワックスを塗工、または、段ボールにワ
ックスを含浸させたものが存在する。しかし、このよう
なワックスが多量に付着した段ボールは、古紙としてリ
サイクルすることができない。さらにこれらが誤って通
常の段ボールに混入して古紙として回収されると、再生
紙の抄造工程で紙切れが発生したり、製品に黒いワック
スの斑点が現れ商品価値を著しく落とすという問題が発
生した。また、段ボールライナにポリオレフィン等の合
成樹脂フィルムを貼合したものが存在する。これらもま
た古紙として回収し、パルプの原料として使用すること
ができず、使用後は焼却や埋立処分しているのが現状で
あった。そのため、近年資源リサイクルの気運が醸成さ
れるにつれ、撥水、耐水機能を有すると共に、使用後に
古紙パルプの原料となり、リサイクル利用が可能な種々
の段ボールが提案されている。例えば合成樹脂エマルジ
ョンとワックスエマルジョンをライナ表面に塗工して段
ボールに耐水、撥水機能を与える方法が提案されてい
る。(特願昭57−118469)。このような合成樹
脂エマルジョンとワックスエマルジョン等からなる撥水
層を設けた段ボールは、撥水機能を有すると同時に古紙
として再離解可能であり、従ってリサイクル可能であ
る。
複両面段ボール等の各種段ボールシートを製造するに
は、ライナ原紙と中芯原紙との貼合が必要となる。貼合
は、コルゲーターと呼ばれる段ボールシート製造装置で
行われる。コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯
原紙を貼合するシングルフェーサー部と、シングルフェ
ーサーで貼合した片段ボールシートの中芯側にさらにラ
イナ原紙を貼合するダブルフェーサー部とから構成され
る。コルゲーターにおける貼合時、段ボールシートは、
シングルフェーサーのプレスロール部分で、温度150〜2
00℃、線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01秒〜0.20秒、ま
たダブルフェーサーの熱盤部分では、温度150〜200℃、
線圧0.3kg/cm、加圧時間2〜5秒という条件で貼合され
る。このため、ライナの表面に合成樹脂を塗工した場
合、貼合時にその合成樹脂が熱で融解するために、シン
グルフェーサープレスロール部、ダブルフェーサー熱盤
部で融着によるトラブルが発生し、操業が極めて困難で
あった。
する、包装紙、封筒、包装袋等には、内容物を保護する
ため、耐水性を有するものが用いられることが多い。し
かし、合成樹脂のフィルムや不織布を基材として使用し
たものは、使用後、ゴミとして廃棄する場合に環境に与
える負荷が高い。また、紙基材に合成樹脂フィルムを積
層して耐水性や強度を付与したものも、古紙として再利
用ができない。
樹脂による耐水層を有する段ボールライナ原紙の段ボー
ル貼合工程において、シングルフェーサープレスロー
ル、及びダブルフェーサー熱盤部での融着トラブルを抑
えて段ボールシートの製造を容易にし、しかも易離解性
で古紙としての再利用が可能である、耐水段ボールライ
ナに適した包装用紙を提供することにある。また、本発
明の他の目的は、郵便や小包、宅配便等の包装に使用で
きる、耐水性を有し、リサイクル可能な包装用紙を提供
することにある。
基材紙の少なくとも片面に、合成樹脂エマルジョンにそ
の固形分に対して顔料を30〜60重量%配合した塗料
による塗工層を設け、前記顔料が、平均粒子径5〜15
μmの顔料と平均粒子径4μm以下の顔料とを5:95
重量%〜40:60重量%の割合で配合したものである
包装用紙である。
ョンがゲル含量90%以上の合成樹脂を含む本発明第1
の包装用紙である。
(JIS P8140:接触時間=30分)が30g/
m2以下である本発明第1〜2記載の包装用紙である。
0g/m2である本発明第1〜3記載の包装用紙である。
すべく鋭意研究した結果、合成樹脂エマルジョンに平均
粒子径が5〜15μmの顔料と平均粒子径が4μm以下
の顔料からなる顔料を塗料固形分中30〜60重量%配
合することによって、塗料による塗工層表面を顔料の粒
子で保護し、合成樹脂層の耐水性を損なわず、表面に耐
熱性を持たせたものである。なお、平均粒子径5〜15
μmの顔料と、平均粒子径4μm以下の顔料の配合割合
は、5:95〜40:60重量%の範囲である。
選ばれる任意の顔料を使用することができるが、好適に
用いられるものは以下のような条件に合致する顔料であ
る。
合成樹脂エマルジョンに配合することで、塗工層表面に
顔料を露出させて粗面化するためのものである。この顔
料によって塗工層とシングルフェーサーのプレスロール
あるいはダブルフェーサーの熱盤との接触面積を減らす
ことによって、塗工面のプレスロールや熱盤への融着に
よるトラブルを抑え、コルゲーターでの操業をを容易に
するものである。同時に、塗工層を粗面化することによ
って、適度な防滑性を付与することが可能となる。この
顔料の平均粒子径が5μm未満の場合、塗工面とプレス
ロールや熱盤との接触面積が大きくなるため、このよう
な耐熱性の向上効果を得ることができない。また、平均
粒子径が15μmを越えた場合には、塗工面の表面性が
悪化し、耐水性が低下する。またこの顔料自体は耐熱性
を有するものであることが望ましい。さらにこの顔料の
形状は粒状、即ちアスペクト比が1〜3の範囲であっ
て、更に好ましくは1〜2のように、1に近い形状のも
のであることが望ましい。この顔料としては、無機顔料
及び有機顔料を用いることができる。無機顔料として
は、軽質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、シリカ、クレー等が望ましく、特に重質炭酸
カルシウムが好適に用いられる。また、有機顔料は、粒
子形状が球形に近いものが多く、その意味ではさらに好
適であり、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素
樹脂、澱粉粒子等の微粉末を使用することができる。ま
た、平均粒子径4μm以下の顔料は、同様に顔料自体が
耐熱性を有するものであることが望ましく、粒子径がこ
の範囲であれば、上記したような顔料が任意に使用でき
る。また、その粒子の形状が板状または薄片状、即ちア
スペクト比が4以上であることが好ましく、6以上であ
ることが特に好ましい。このような形状の顔料は、他の
形状の顔料と比較して、塗工層中で顔料同士が積層する
ことにより、合成樹脂により形成された耐水層の耐水性
を保持する特徴を有する。なお、ここで言うアスペクト
比は、レーザー回折法による平均粒子径を、板状粒子の
平均板厚さで割った値である。レーザー回折法による粒
子径測定は、島津製作所製「レーザー回折法粒度分布測
定装置SALD−2000J」により測定できる。このよう
な板状顔料としては、カオリン、タルク、マイカ、セリ
サイト、水酸化アルミニウム等が望ましい。特にデラミ
タイプのカオリンが好適に用いられる。さらに、板状顔
料は、より細かく粉砕している方が防水性が良くなるた
め、平均粒子径3μm以下に粉砕することが最も好まし
い。
しては、優れた耐水性を有する耐水層を得るためには、
ガラス転移点が0℃〜40℃、さらに好適には5℃〜3
0℃の範囲の合成樹脂を使用することが望ましい。ま
た、優れた耐熱性を有する耐水層を得るためには、塗料
中にゲル含量が90%以上、さらに好適には94%以上
である合成樹脂が含まれることが望ましい。なお、本発
明におけるゲル含量とは、テトラヒドロフランを溶剤に
用いて合成樹脂皮膜の溶出しない割合を示す。本発明に
おいて特に好適に使用できる合成樹脂エマルジョンは、
スチレン・ブタジエン系共重合体、及び/またはスチレ
ン・アクリル系共重合体である。さらに耐水性と耐熱性
を兼ね備えた耐水層を得るためには、耐水性に優れたス
チレン・ブタジエン共重合体に、耐熱性に優れたスチレ
ン・アクリル共重合体を混合して使用することが望まし
い。使用するスチレン・ブタジエン共重合体のゲル含量
は、90%以上、さらには94%以上であることがさら
に望ましい。なお、本発明において、スチレン・ブタジ
エン共重合体に対するスチレン・アクリル共重合体の比
率は、重量固形分で10〜30%、さらに望ましくは1
5〜25%である。さらに本発明においては、塗料の粘
度調整、塗工性の向上のため、必要に応じて水溶性樹脂
を添加することができる。水溶性樹脂としては、澱粉、
変性澱粉、PVA、変性PVA、カゼイン、カルボキシ
メチルセルロース、アクリル樹脂、アクリルアミド、ポ
リエステル等が用いられる。また必要に応じてさらに耐
水化剤を添加することができる。耐水化剤としては、尿
素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ポリアミド−ホルムアルデヒド樹脂、グリオギ
ザール、ケトンアルデヒド樹脂、ポリグリシジルエーテ
ル、ジアルデヒド澱粉等が用いられる。
ョンに配合し、さらに必要に応じて通常用いられる分散
剤、調滑剤、消泡剤、染料等の補助薬品を適宜添加して
本発明の塗料とする。この塗料を基材紙に塗工し、本発
明の包装用紙を得ることができる。なお、本発明塗料の
塗工は、従来用いられているバーコーター、エアナイフ
コーター、ブレードコーター、グラビアコーターなどを
任意に使用して行うことができる。なお、本発明の耐水
性塗料の塗工量は、固形分で3〜30g/m2、さらに望ま
しくは10〜20g/m2が適当である。3g/m2未満である
と、耐水性が十分に得られない。また30g/m2を超える
と、本発明包装用紙を段ボールライナとして使用する際
に、段ボールの貼合時に必要な耐熱性が十分でなく貼合
適性に劣る。また、リサイクル適性が悪化する。塗工層
の乾燥条件は、70〜180℃で10〜60秒間であ
る。さらに、本発明包装用紙の塗工層のコッブ吸水度
(JIS P8140:接触時間=30分)は30g/
m2以下であることが好ましい。30g/m2以下であれ
ば、鮮度保持輸送等、特に強い耐水性を必要とする段ボ
ール箱用の段ボールライナとして使用可能である。ま
た、本発明に使用する基材紙としては一般の紙が任意に
使用できる。例えば、パルプ原料として、機械パルプ、
クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、セミケミカルパルプ、
古紙パルプ、あるいはケナフ、バガス等の非木材パルプ
等を単独又は任意で組み合わせて抄紙した紙を用いるこ
とが可能である。さらに、前述のパルプ原料に各種サイ
ズ剤や各種樹脂よりなる耐水化剤を任意に配合して抄紙
し、耐水性をあらかじめ付与した紙基材を使用すること
ができる。耐水化剤としては、ロジンサイズ剤、ワック
ス系、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンア
クリル共重合体、アルキルケテンダイマー等のサイズ
剤、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂等が挙げられる。その他にも、澱粉やCM
Cの内添、さらには染料や顔料を配合して抄紙したもの
を使用することができる。また、抄紙後の紙基材の表面
に、各種表面紙力増強剤、表面サイズ剤等を塗工または
含浸させたものを使用することができる。本発明の包装
用紙を、段ボールライナとして使用する場合には、基材
紙としては一般に使用されている段ボールライナ原紙を
使用することが望ましい。特に耐水性に優れた段ボール
シートを得るためには、各種サイズ剤やポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂等の樹脂よりなる耐水化剤を配合
して抄紙、又は耐水化剤を予め含浸させて得た、いわゆ
る耐水ライナ原紙がより好適に使用できる。また本発明
の包装用紙を、小包や宅配便用等の包装袋など、特に強
度を要する用途に使用する場合には、基材紙としてはク
ラフト紙を使用することが望ましい。
用紙は、合成樹脂エマルジョンのみから形成された包装
用紙と比べて、同等の耐水性能を有する。さらに段ボー
ルの貼合過程における耐熱性が格段に向上する。なお、
この塗工層は、基材紙の再離解性に全く影響を及ぼすも
のではない。従って、本発明の包装用紙は、塗工層を設
ける前の基材紙と同程度の離解性を有する。また、この
ようにして得られた包装用紙は、表面が適度に粗面化さ
れているので、防滑性段ボールの素材とすることも可能
である。さらに本発明の包装用紙は、耐水性を有する包
装紙として単体で、もしくは郵便や宅配便用の封筒や包
装袋等の素材として使用することも可能である。さらに
通常用いられるエマルジョン系接着剤等の水系接着剤に
より問題なく接着可能であり、通常の紙同様の製袋適性
を有する。
ライナとして耐水段ボールシートを製造することができ
る。具体的には包装用紙の塗料の非塗工面に中芯原紙を
コルゲーターにより貼合して耐水段ボールシートとす
る。また、本発明により得た耐水ライナは、段ボールシ
ートのシングルフェーサー側とダブルフェーサー側両面
のライナとして用いることができる。また、どちらか片
方のライナとして用い、他方は一般のライナを使用する
ことも可能である。このようにして得られた段ボールシ
ートは、FFG(フレキソフォルダーグルアー)により
印刷と打ち抜き及びグルー糊付けを行い、耐水段ボール
箱となる。
説明する。これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。また本発明の実施例、比較例中の「重量%」はすべ
て固形分比を示すものとする。 <実施例1>耐水ライナ原紙(王子製紙(株) SRK28
0)を基材とし、その表面に下記組成の合成樹脂エマル
ジョンと顔料よりなる塗料をメイヤーバーで乾燥後の塗
工量が10g/m2となるように塗工した耐水ライナを得
た。 [塗料組成] スチレン・ブタジエン系共重合体 46重量% (Tg21℃、ゲル含量94%、エマルジョン濃度50%:
日本ゼオン(株)、HOJ4072) スチレン・アクリル系共重合体 9重量% (Tg30℃、ジョンソンポリマー(株) 、ジョンクリル7
34) デラミカオリン 37重量% (平均粒子径3μm:RCC社、Capim NP) 重質炭酸カルシウム 8重量% (平均粒子径8μm:備北粉化工業(株)、BF300)
合体をTg12℃、ゲル含量76%のものに代えた以外
は、実施例1と同一の組成の合成樹脂エマルジョンと顔
料よりなる塗料を作成し、実施例1と同様にして耐水ラ
イナを得た。
均粒子径8μmの重質炭酸カルシウムに代えて、平均粒
子径5μmの重質炭酸カルシウム(BF200S)を用いた
以外は実施例1と同一の組成の合成樹脂エマルジョンと
顔料よりなる塗料を作成し、実施例1と同様に耐水ライ
ナを得た。
(株)、クジラ120g/m2)を基材とし、その表面
に実施例1と同一の塗料をメイヤーバーで乾燥後の塗工
量が15g/m2となるよう塗工した包装用紙を得た。
ジョンと顔料よりなる塗料を用いた以外は実施例1と同
様にして耐水ライナを得た。 [塗料組成] スチレン・ブタジエン系共重合体 46重量% (Tg21℃、ゲル含量94%、エマルジョン濃度50%:日本ゼオン(株) 、HO J4072) スチレン・アクリル系共重合体 9重量% (Tg30℃、ジョンソンポリマー(株) 、ジョンクリル734) デラミカオリン 45重量% (平均粒子径3μm:RCC社、Capim NP)
均粒子径8μmの重質炭酸カルシウムに代えて平均粒子
径2μmの重質炭酸カルシウム(ソフトン1000)を使用
したこと以外は実施例1と同一の組成の塗料を作成し、
実施例1と同様にして耐水ライナを得た。
ジョンと顔料よりなる塗料を用いた以外は実施例1と同
様にして耐水ライナを得た。 [塗料組成] スチレン・ブタジエン系共重合体 67重量% (Tg21℃、ゲル含量94%、エマルジョン濃度50%:日本ゼオン(株)、HOJ 4072) スチレン・アクリル系共重合体 13重量% (Tg30℃、ジョンソンポリマー(株)、ジョンクリル734) デラミカオリン 16重量% (平均粒子径3μm:RCC社、Capim NP) 重質炭酸カルシウム 4重量% (平均粒子径8μm:備北粉化工業(株)、BF300)
ジョンと顔料よりなる塗料を用いた以外は実施例1と同
様にして耐水ライナを得た。 [塗料組成] スチレン・ブタジエン系共重合体 25重量% (Tg21℃、ゲル含量94%、エマルジョン濃度50%:日本ゼオン(株)、 HO J4072) スチレン・アクリル系共重合体 5重量% (Tg30℃、ジョンソンポリマー(株)、ジョンクリル734) デラミカオリン 57重量% (平均粒子径3μm:RCC社、Capim NP) 重質炭酸カルシウム 13重量% (平均粒子径8μm:備北粉化工業(株)、BF300)
合成樹脂エマルジョンからなる塗料を用いた以外は実施
例1と同様にして耐水ライナを得た。 [塗料組成] スチレン・ブタジエン系共重合体 84重量% (Tg21℃、ゲル含量94%、濃度50%:日本ゼオン(株)、HOJ4072) スチレン・アクリル系共重合体 16重量% (Tg30℃、ジョンソンポリマー(株) 、ジョンクリル734)
た耐水ライナを以下の方法によって評価し、その結果を
表1に示す。なお、本実施例に使用したデラミカオリン
のアスペクト比は、顕微鏡観察により粒子厚さを測定し
た結果から、約10〜20の範囲であった。また、重質
炭酸カルシウムのアスペクト比は、同様に観察した結果
2以下であった。
紙、及び別途用意した一般的な中芯原紙をシングルフェ
ーサーによりプレスロール部温度180℃、線圧40kg
/cm、加圧時間0.02秒の条件で貼合した。 2.熱盤部 実施例、及び比較例により得られたライナ原紙を塗工面
を外側にしてA4サイズの段ボールシートに貼り、塗工
面が熱盤側にくるようにコルゲータのダブルフェーサの
熱盤部で温度180℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間5
秒の条件で、加熱、加圧した。上記プレスロール部、及
び熱盤部において、ライナ塗工面の融着が発生しなかっ
たものを○、融着が発生したがプレスロール、熱盤での
繰り出しが可能だったものを△、繰り出しが不可能であ
ったものを×とした。
原紙SRK280より得られた2cm角の試料60gを
4%濃度とし、ディスインテグレーターにて所定時間
(5〜40分)離解し、手抄きシート(70g/m2)作成
し、得られた手抄きシートを目視により観察する。未離
解部分が半分以下程度となるのに要する離解時間は約4
0分であった。同様に、各実施例、比較例から得た耐水
ライナ原紙より得られた試料を、各々前記と同様に離解
し、手抄きシートを作成する。未離解の部分が半分以下
となるのに要する離解時間が40分以下であるものを○
とした。
(実施例1〜3)は、優れた耐水性と同時にコルゲータ
ーでの融着トラブルの防止効果を有する。一方、平均粒
径3μm以下の顔料のみ使用したもの(比較例1、
2)、及び顔料を塗料固形分中20重量%配合したもの
(比較例3)、顔料を配合しなかったもの(比較例5)
は融着トラブルが発生した。また、顔料を塗料固形分中
70重量%配合したもの(比較例4)は、融着トラブル
は発生しなかったが、耐水性を示さない。また、実施例
4で得た包装用紙は、通常のクラフト袋と同様の手段で
製袋することが可能であり、しかも良好な耐水性及び離
解性を有した。
有し、易離解であって古紙としての再利用が可能であ
り、しかも段ボールライナとして使用した場合、その段
ボール貼合工程において、シングルフェーサープレスロ
ール、及びダブルフェーサー熱盤部での融着トラブルを
抑えて段ボールシートの製造を容易である包装用紙を提
供することが可能である。本発明の包装用紙は、片面段
ボール、両面段ボール、複両面段ボール、三層段ボール
などの各種段ボール用ライナーとして利用できる。ま
た、本発明により、郵便や小包、宅配便等の包装に使用
できる、耐水性を有し、リサイクル可能な包装用紙を提
供することが可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基材紙の少なくとも片面に、合成樹脂エ
マルジョンにその固形分に対して顔料を30〜60重量
%配合した塗料による塗工層を設け、前記顔料が、平均
粒子径5〜15μmの顔料と平均粒子径4μm以下の顔
料とを5:95重量%〜40:60重量%の割合で配合
したものであることを特徴とする包装用紙。 - 【請求項2】 合成樹脂エマルジョンがゲル含量90%
以上の合成樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の
包装用紙。 - 【請求項3】 塗工層のコッブ吸水度(JIS P81
40:接触時間=30分)が30g/m2以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜2記載の包装用紙。 - 【請求項4】 塗布量が固形分で3〜30g/m2である
ことを特徴とする請求項1〜3記載の包装用紙。
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