JP2002234089A - 耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシート - Google Patents
耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートInfo
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- JP2002234089A JP2002234089A JP2001035377A JP2001035377A JP2002234089A JP 2002234089 A JP2002234089 A JP 2002234089A JP 2001035377 A JP2001035377 A JP 2001035377A JP 2001035377 A JP2001035377 A JP 2001035377A JP 2002234089 A JP2002234089 A JP 2002234089A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐水性に優れ、リサイクル性があり、段ボール
貼合時に熱盤に融着せず、耐水層による段ボール製函適
性、フレキソ印刷適性の低下のない耐水段ボールライナ
及び耐水段ボールシートを得る。 【解決手段】ライナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョン
と、顔料と、微細セルロース繊維を主成分とする耐水塗
料を塗工して形成された耐水層を有する耐水段ボールラ
イナ。
貼合時に熱盤に融着せず、耐水層による段ボール製函適
性、フレキソ印刷適性の低下のない耐水段ボールライナ
及び耐水段ボールシートを得る。 【解決手段】ライナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョン
と、顔料と、微細セルロース繊維を主成分とする耐水塗
料を塗工して形成された耐水層を有する耐水段ボールラ
イナ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青果物、鮮魚、肉
類、冷凍食品などの生鮮食料品を包装して輸送可能な耐
水段ボール箱の素材に適し、製造容易、かつ易離解性で
リサイクル可能な、段ボールライナ、及び耐水段ボール
シートに関する。
類、冷凍食品などの生鮮食料品を包装して輸送可能な耐
水段ボール箱の素材に適し、製造容易、かつ易離解性で
リサイクル可能な、段ボールライナ、及び耐水段ボール
シートに関する。
【0002】
【従来技術】段ボール箱は輸送用に広く用いられている
が、通常の段ボール箱は水に弱いという欠点を有してい
る。そのため、青果物、鮮魚、肉類、冷凍食品等の、内
容物が水分を含有する場合、また、鮮度保持のために低
温輸送を必要とし、それによって結露水が発生するおそ
れがある内容物に対しては、撥水性、耐水性が付与され
た段ボールが素材として用いられている。このような段
ボールとしては、段ボールの表面に溶融ワックスを塗
工、または、段ボールにワックスを含浸させたものが存
在する。しかし、このようなワックスが多量に付着した
段ボールは、古紙としてリサイクルすることができな
い。さらにこれらが誤って通常の段ボールに混入して古
紙として回収されると、再生紙の抄造工程で紙切れが発
生したり、製品に黒いワックスの斑点が現れ商品価値を
著しく落とすという問題が発生した。また、段ボールラ
イナにポリオレフィン等の合成樹脂フィルムを貼合した
ものが存在する。これらもまた古紙として回収し、パル
プの原料として使用することができず、使用後は焼却や
埋立処分しているのが現状であった。
が、通常の段ボール箱は水に弱いという欠点を有してい
る。そのため、青果物、鮮魚、肉類、冷凍食品等の、内
容物が水分を含有する場合、また、鮮度保持のために低
温輸送を必要とし、それによって結露水が発生するおそ
れがある内容物に対しては、撥水性、耐水性が付与され
た段ボールが素材として用いられている。このような段
ボールとしては、段ボールの表面に溶融ワックスを塗
工、または、段ボールにワックスを含浸させたものが存
在する。しかし、このようなワックスが多量に付着した
段ボールは、古紙としてリサイクルすることができな
い。さらにこれらが誤って通常の段ボールに混入して古
紙として回収されると、再生紙の抄造工程で紙切れが発
生したり、製品に黒いワックスの斑点が現れ商品価値を
著しく落とすという問題が発生した。また、段ボールラ
イナにポリオレフィン等の合成樹脂フィルムを貼合した
ものが存在する。これらもまた古紙として回収し、パル
プの原料として使用することができず、使用後は焼却や
埋立処分しているのが現状であった。
【0003】そのため、近年、資源リサイクルの気運が
醸成されるにつれ、撥水、耐水機能を有すると共に、使
用後に古紙パルプの原料となり、リサイクル利用が可能
な種々の段ボールが提案されている。例えば合成樹脂エ
マルジョンとワックスエマルジョンをライナ表面に塗工
して段ボールに耐水、撥水機能を与える方法が提案され
ている。(特開昭59−15596号公報)。このよう
な合成樹脂エマルジョンとワックスエマルジョン等から
なる撥水層を設けた段ボールは、撥水機能を有すると同
時に古紙として再離解可能であり、従ってリサイクル可
能である。さらに、特開平10−226001号公報
等、段ボールシートのライナ表面、及び中芯の表面に撥
水性を付与することにより、特に段ボールのフルート内
面からの浸水を防止し、段ボールシートに耐水強度を持
たせたリサイクル可能な耐水段ボールシートが存在す
る。
醸成されるにつれ、撥水、耐水機能を有すると共に、使
用後に古紙パルプの原料となり、リサイクル利用が可能
な種々の段ボールが提案されている。例えば合成樹脂エ
マルジョンとワックスエマルジョンをライナ表面に塗工
して段ボールに耐水、撥水機能を与える方法が提案され
ている。(特開昭59−15596号公報)。このよう
な合成樹脂エマルジョンとワックスエマルジョン等から
なる撥水層を設けた段ボールは、撥水機能を有すると同
時に古紙として再離解可能であり、従ってリサイクル可
能である。さらに、特開平10−226001号公報
等、段ボールシートのライナ表面、及び中芯の表面に撥
水性を付与することにより、特に段ボールのフルート内
面からの浸水を防止し、段ボールシートに耐水強度を持
たせたリサイクル可能な耐水段ボールシートが存在す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような原
紙を段ボール原紙として使用する場合には以下のような
問題が発生した。段ボールシートを製造するには、ライ
ナ原紙と中芯原紙との貼合が必要となるが、貼合は、コ
ルゲータと呼ばれる段ボールシート製造装置で行われ
る。コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯原紙を
貼合するシングルフェーサ(以下SF)部と、SF部で
貼合した片段ボールシートの中芯側にさらにライナ原紙
を貼合するダブルフェーサ(以下DF)部とから構成さ
れる。コルゲータにおける貼合時、段ボールシートは、
SF部のプレスロール部分で、温度150〜200℃、
線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01秒〜0.20
秒、またDF部の熱盤部分では、温度150〜200
℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間2〜5秒という条件で
貼合される。このため、ライナの表面に合成樹脂エマル
ジョン等を塗工した場合、貼合温度が使用する合成樹脂
の融点以上であった場合、耐水層が熱で融解し、その結
果、SFのプレスロール部やDFの熱盤部で融着による
トラブルが発生する恐れがあった。また、仮にコルゲー
タによる貼合を可能にして段ボールシートを得ても、段
ボールシートから段ボール箱を得る製函工程で、ライナ
表面の耐水層によってグルージョイント部分の酢ビ接着
性、及びフレキソインク印刷適性が悪化し、製函速度の
低下を招き、実用化は非常に難しいものであった。従っ
て、耐水性に優れ、再離解性を有してリサイクル性があ
る、合成樹脂による耐水層を有する段ボールライナ原紙
において、段ボール貼合工程で熱盤への融着トラブルが
発生せず、段ボールシートの製造を容易であって、また
上記耐水層による段ボール製函適性、フレキソ印刷適性
の低下が発生しない段ボールライナ、及び段ボールシー
トが求められていた。
紙を段ボール原紙として使用する場合には以下のような
問題が発生した。段ボールシートを製造するには、ライ
ナ原紙と中芯原紙との貼合が必要となるが、貼合は、コ
ルゲータと呼ばれる段ボールシート製造装置で行われ
る。コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯原紙を
貼合するシングルフェーサ(以下SF)部と、SF部で
貼合した片段ボールシートの中芯側にさらにライナ原紙
を貼合するダブルフェーサ(以下DF)部とから構成さ
れる。コルゲータにおける貼合時、段ボールシートは、
SF部のプレスロール部分で、温度150〜200℃、
線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01秒〜0.20
秒、またDF部の熱盤部分では、温度150〜200
℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間2〜5秒という条件で
貼合される。このため、ライナの表面に合成樹脂エマル
ジョン等を塗工した場合、貼合温度が使用する合成樹脂
の融点以上であった場合、耐水層が熱で融解し、その結
果、SFのプレスロール部やDFの熱盤部で融着による
トラブルが発生する恐れがあった。また、仮にコルゲー
タによる貼合を可能にして段ボールシートを得ても、段
ボールシートから段ボール箱を得る製函工程で、ライナ
表面の耐水層によってグルージョイント部分の酢ビ接着
性、及びフレキソインク印刷適性が悪化し、製函速度の
低下を招き、実用化は非常に難しいものであった。従っ
て、耐水性に優れ、再離解性を有してリサイクル性があ
る、合成樹脂による耐水層を有する段ボールライナ原紙
において、段ボール貼合工程で熱盤への融着トラブルが
発生せず、段ボールシートの製造を容易であって、また
上記耐水層による段ボール製函適性、フレキソ印刷適性
の低下が発生しない段ボールライナ、及び段ボールシー
トが求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の方法をとる。即ち、本発明は、ライ
ナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョンと、顔料と、微細
セルロース繊維を主成分とする耐水塗料を塗工して形成
された耐水層を有する耐水段ボールライナである。
決するために以下の方法をとる。即ち、本発明は、ライ
ナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョンと、顔料と、微細
セルロース繊維を主成分とする耐水塗料を塗工して形成
された耐水層を有する耐水段ボールライナである。
【0006】また、本発明の第2は、少なくとも片側の
ライナとして上記の耐水段ボールライナを使用した耐水
段ボールシートである。
ライナとして上記の耐水段ボールライナを使用した耐水
段ボールシートである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者等は、上記課題を研究し
た結果、ライナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョンと、
顔料と、微細セルロース繊維を主成分とする耐水塗料を
塗工して耐水層を形成することで、耐水性と、リサイク
ル性を有し、かつ貼合工程で熱盤への融着トラブルが発
生しない段ボールシートの製造が容易な耐水段ボールラ
イナを得ることが可能であることを見出した。また上記
段ボールライナを使用して得られた段ボールシートは、
製函適性、フレキソ印刷適性が低下しないことを見出し
た。すなわち、前記したようにライナ表面に耐水層とし
て合成樹脂層を設けた場合、段ボール貼合工程におい
て、SFにおけるプレスロールやDFにおける熱盤での
温度が合成樹脂の融点以上となった場合、耐水層が熱で
融解し、その結果、コルゲータで融着トラブルが発生す
る恐れあったが、このように微細セルロース繊維及び顔
料を加えることによって、前記耐水層の表面に、耐熱性
を有する微細セルロース繊維及び顔料が露出し、その結
果、耐水層と、プレスロールや熱盤との接触面積が減る
ことにより、耐水層のプレスロールや熱盤への融着によ
るトラブルを抑えられるものである。特に、微細セルロ
ース繊維は、柔軟性があるため耐水層の表面に露出して
表面が粗面化しても、耐水層同士が接触等した場合にお
互いに傷がつかないという利点が存在する。
た結果、ライナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョンと、
顔料と、微細セルロース繊維を主成分とする耐水塗料を
塗工して耐水層を形成することで、耐水性と、リサイク
ル性を有し、かつ貼合工程で熱盤への融着トラブルが発
生しない段ボールシートの製造が容易な耐水段ボールラ
イナを得ることが可能であることを見出した。また上記
段ボールライナを使用して得られた段ボールシートは、
製函適性、フレキソ印刷適性が低下しないことを見出し
た。すなわち、前記したようにライナ表面に耐水層とし
て合成樹脂層を設けた場合、段ボール貼合工程におい
て、SFにおけるプレスロールやDFにおける熱盤での
温度が合成樹脂の融点以上となった場合、耐水層が熱で
融解し、その結果、コルゲータで融着トラブルが発生す
る恐れあったが、このように微細セルロース繊維及び顔
料を加えることによって、前記耐水層の表面に、耐熱性
を有する微細セルロース繊維及び顔料が露出し、その結
果、耐水層と、プレスロールや熱盤との接触面積が減る
ことにより、耐水層のプレスロールや熱盤への融着によ
るトラブルを抑えられるものである。特に、微細セルロ
ース繊維は、柔軟性があるため耐水層の表面に露出して
表面が粗面化しても、耐水層同士が接触等した場合にお
互いに傷がつかないという利点が存在する。
【0008】本発明において、耐水塗料中の合成樹脂エ
マルジョンは、全塗料固形分中の40〜70重量%が好
適である。40重量%未満の場合、形成される耐水層に
おいて合成樹脂が顔料や微細セルロース繊維を十分に覆
わず、皮膜形成製が悪いため、耐水性を発揮できない場
合がある。また70重量%を超えた場合は、貼合工程に
おける耐水層の耐熱性が不十分となる場合がある。
マルジョンは、全塗料固形分中の40〜70重量%が好
適である。40重量%未満の場合、形成される耐水層に
おいて合成樹脂が顔料や微細セルロース繊維を十分に覆
わず、皮膜形成製が悪いため、耐水性を発揮できない場
合がある。また70重量%を超えた場合は、貼合工程に
おける耐水層の耐熱性が不十分となる場合がある。
【0009】本発明において、耐水塗料中の顔料は、全
塗料固形分中の20〜60重量%が好適である。20重
量%未満の場合、貼合工程における耐水層の耐熱性が不
十分となる場合がある。また60重量%を超えた場合
は、皮膜形成性が悪いため、耐水性を発揮できない場合
がある。
塗料固形分中の20〜60重量%が好適である。20重
量%未満の場合、貼合工程における耐水層の耐熱性が不
十分となる場合がある。また60重量%を超えた場合
は、皮膜形成性が悪いため、耐水性を発揮できない場合
がある。
【0010】耐水塗料中の微細セルロース繊維の配合量
は、全塗料固形分中の0.5〜10重量%が好適であ
る。0.5重量%未満の場合は、耐水層表面の粗面化に
よる貼合工程における耐水層の耐熱性向上効果が殆ど発
揮されない。また10重量%を超えた場合は、耐水塗料
の流動性が悪くなり、その結果、形成される耐水層が不
均一になり、その結果耐水性が不十分となる場合があ
る。
は、全塗料固形分中の0.5〜10重量%が好適であ
る。0.5重量%未満の場合は、耐水層表面の粗面化に
よる貼合工程における耐水層の耐熱性向上効果が殆ど発
揮されない。また10重量%を超えた場合は、耐水塗料
の流動性が悪くなり、その結果、形成される耐水層が不
均一になり、その結果耐水性が不十分となる場合があ
る。
【0011】本発明において、優れた耐水性を有する耐
水層を得るためには、耐水塗料に使用する合成樹脂とし
てガラス転移点が0℃〜40℃、さらに好適には5℃〜
30℃の範囲の合成樹脂を使用することが望ましい。そ
の理由は、ガラス転移点が0℃未満だと貼合工程で耐水
層の熱盤への融着トラブルが起こりやすく、40℃を超
えると十分な耐水層の耐水性が得られないからである。
また本発明において、優れた耐熱性を有する耐水層を得
るためには、耐水塗料に使用する合成樹脂としてゲル含
量は90%以上、さらに好適には94%以上の合成樹脂
を含むことが望ましい。なお、本発明におけるゲル含量
とは、テトラヒドロフランを溶剤に用いて合成樹脂皮膜
の溶出しない割合を示す。また、本発明において使用で
きる合成樹脂エマルジョンは、スチレン・ブタジエン系
共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・
酢ビ共重合体等が任意に使用できる。さらに好ましくは
スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル
系共重合体である。さらに耐水性と耐熱性を兼ね備えた
耐水層を得るためには、耐水性に優れたスチレン・ブタ
ジエン共重合体に、耐熱性に優れたスチレン・アクリル
共重合体を混合して使用することが望ましい。また、使
用するスチレン・ブタジエン共重合体のゲル含量は、9
0%以上、さらに好適には94%以上であることが望ま
しい。また、耐摩擦性等、表面性を向上させる目的では
スチレン・アクリル共重合体を多めに配合するのが望ま
しい。なお、本発明において、スチレン・ブタジエン共
重合体に対するスチレン・アクリル共重合体の比率は、
重量固形分で10〜30%、さらに望ましくは15〜2
5%である。また、本発明の塗料中には、塗料の粘度調
整、及び塗工性を向上させるため水溶性樹脂、及び必要
に応じて耐水化剤を添加することができる。水溶性樹脂
としては、澱粉、変性澱粉、PVA、変性PVA、カゼ
イン、カルボキシルメチルセルロース、アクリル樹脂、
アクリルアミド、ポリエステル等が用いられる。また、
耐水化剤としては、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ホルムアル
デヒド樹脂、グリオギザール、ケトンアルデヒド樹脂、
ポリグリシジルエーテル、ジアルデヒド澱粉等が用いら
れる。さらに、分散剤、消泡剤、調滑剤、染料等の各種
添加剤も必要に応じて適宜加えることができる。
水層を得るためには、耐水塗料に使用する合成樹脂とし
てガラス転移点が0℃〜40℃、さらに好適には5℃〜
30℃の範囲の合成樹脂を使用することが望ましい。そ
の理由は、ガラス転移点が0℃未満だと貼合工程で耐水
層の熱盤への融着トラブルが起こりやすく、40℃を超
えると十分な耐水層の耐水性が得られないからである。
また本発明において、優れた耐熱性を有する耐水層を得
るためには、耐水塗料に使用する合成樹脂としてゲル含
量は90%以上、さらに好適には94%以上の合成樹脂
を含むことが望ましい。なお、本発明におけるゲル含量
とは、テトラヒドロフランを溶剤に用いて合成樹脂皮膜
の溶出しない割合を示す。また、本発明において使用で
きる合成樹脂エマルジョンは、スチレン・ブタジエン系
共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・
酢ビ共重合体等が任意に使用できる。さらに好ましくは
スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル
系共重合体である。さらに耐水性と耐熱性を兼ね備えた
耐水層を得るためには、耐水性に優れたスチレン・ブタ
ジエン共重合体に、耐熱性に優れたスチレン・アクリル
共重合体を混合して使用することが望ましい。また、使
用するスチレン・ブタジエン共重合体のゲル含量は、9
0%以上、さらに好適には94%以上であることが望ま
しい。また、耐摩擦性等、表面性を向上させる目的では
スチレン・アクリル共重合体を多めに配合するのが望ま
しい。なお、本発明において、スチレン・ブタジエン共
重合体に対するスチレン・アクリル共重合体の比率は、
重量固形分で10〜30%、さらに望ましくは15〜2
5%である。また、本発明の塗料中には、塗料の粘度調
整、及び塗工性を向上させるため水溶性樹脂、及び必要
に応じて耐水化剤を添加することができる。水溶性樹脂
としては、澱粉、変性澱粉、PVA、変性PVA、カゼ
イン、カルボキシルメチルセルロース、アクリル樹脂、
アクリルアミド、ポリエステル等が用いられる。また、
耐水化剤としては、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ホルムアル
デヒド樹脂、グリオギザール、ケトンアルデヒド樹脂、
ポリグリシジルエーテル、ジアルデヒド澱粉等が用いら
れる。さらに、分散剤、消泡剤、調滑剤、染料等の各種
添加剤も必要に応じて適宜加えることができる。
【0012】本発明においては、任意の無機顔料、及び
有機顔料を単独または複数混合して用いることができ
る。耐熱性のある耐水層を得るため、顔料自体が耐熱性
を有するものであることが望ましい。無機顔料として
は、軽質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、マイ
カ、セリサイト、水酸化アルミニウム等使用できる。有
機顔料としては、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、尿素樹脂、澱粉粒子等の微粉末が使用できる。ま
た、顔料の形状や粒子径については、その状況と目的に
応じたものを任意に選択可能である。耐水層の耐水性を
向上させるためには、塗工時に顔料が塗工面に対して平
行に配置して積層構造となる平板状(アスペクト比が4
以上、さらに好ましくは6以上であるもの)の顔料を使
用することが好ましい。また、平板状の顔料は、粒径が
細かいほど積層構造となりやすいため、その平均粒子径
は4μm以下が好適である。このような顔料としては、
具体的にはデラミタイプのカオリンが好適に使用され
る。耐水層の耐熱性を向上させるためには、塗工時に、
顔料が塗工層の表面に露出し、耐水層が粗面化しやすい
ものが、耐水層とプレスロールや熱盤との接触面積を減
少させるため好ましい。従って、この目的で使用する顔
料の平均粒子径は、5〜15μmの範囲であることが好
ましい。平均粒子径が5μm未満の場合には、塗工面と
プレスロールや熱盤との接触面積が大きくなり耐熱性の
向上効果が薄れる。また、平均粒子径が15μmを超え
た場合には、耐水層の耐水性が低下する。また、このよ
うな顔料の形状は粒状(アスペクト比が1〜3の範囲、
好ましくは2以下、さらに好ましくは1に近い形状であ
るもの)が好ましい。このような顔料としては、具体的
には重質炭酸カルシウムが好適に使用される。
有機顔料を単独または複数混合して用いることができ
る。耐熱性のある耐水層を得るため、顔料自体が耐熱性
を有するものであることが望ましい。無機顔料として
は、軽質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、シリカ、クレー、カオリン、タルク、マイ
カ、セリサイト、水酸化アルミニウム等使用できる。有
機顔料としては、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、尿素樹脂、澱粉粒子等の微粉末が使用できる。ま
た、顔料の形状や粒子径については、その状況と目的に
応じたものを任意に選択可能である。耐水層の耐水性を
向上させるためには、塗工時に顔料が塗工面に対して平
行に配置して積層構造となる平板状(アスペクト比が4
以上、さらに好ましくは6以上であるもの)の顔料を使
用することが好ましい。また、平板状の顔料は、粒径が
細かいほど積層構造となりやすいため、その平均粒子径
は4μm以下が好適である。このような顔料としては、
具体的にはデラミタイプのカオリンが好適に使用され
る。耐水層の耐熱性を向上させるためには、塗工時に、
顔料が塗工層の表面に露出し、耐水層が粗面化しやすい
ものが、耐水層とプレスロールや熱盤との接触面積を減
少させるため好ましい。従って、この目的で使用する顔
料の平均粒子径は、5〜15μmの範囲であることが好
ましい。平均粒子径が5μm未満の場合には、塗工面と
プレスロールや熱盤との接触面積が大きくなり耐熱性の
向上効果が薄れる。また、平均粒子径が15μmを超え
た場合には、耐水層の耐水性が低下する。また、このよ
うな顔料の形状は粒状(アスペクト比が1〜3の範囲、
好ましくは2以下、さらに好ましくは1に近い形状であ
るもの)が好ましい。このような顔料としては、具体的
には重質炭酸カルシウムが好適に使用される。
【0013】本発明で使用する微細セルロース繊維は、
適宜選択したパルプスラリーを、サンドミル、媒体攪拌
ミル、振動ミル、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、
リファイナー、ビーターなどの任意の機械的処理装置を
使用し微細繊維化したものであれば特に限定されない。
また、本発明で使用する微細セルロース繊維の平均繊維
長は、0.002〜0.3mmであって、さらに好適に
は0.005〜0.15mmが望ましい。繊維長が0.
002mm未満では、塗工面表面の粗面化による耐熱性
の効果が小さく、また繊維の微細化に伴い塗料の流動性
の低下など塗工性が悪くなる場合がある。0.3mm以
上では、塗工皮膜が不均一となり、耐水性が悪くなる。
適宜選択したパルプスラリーを、サンドミル、媒体攪拌
ミル、振動ミル、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、
リファイナー、ビーターなどの任意の機械的処理装置を
使用し微細繊維化したものであれば特に限定されない。
また、本発明で使用する微細セルロース繊維の平均繊維
長は、0.002〜0.3mmであって、さらに好適に
は0.005〜0.15mmが望ましい。繊維長が0.
002mm未満では、塗工面表面の粗面化による耐熱性
の効果が小さく、また繊維の微細化に伴い塗料の流動性
の低下など塗工性が悪くなる場合がある。0.3mm以
上では、塗工皮膜が不均一となり、耐水性が悪くなる。
【0014】本発明の耐水段ボールライナの基材紙とな
るライナ原紙は一般に使用されているものが任意に使用
可能であり、米坪120〜350g/m2の範囲のもの
が特に好適である。また、特に耐水性に優れた段ボール
シートを得るためには、各種サイズ剤やポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂等の樹脂よりなる耐水化剤を配合
して抄紙、または耐水化剤を予め含浸させて得た、いわ
ゆる耐水ライナ原紙がより好適に使用できる。
るライナ原紙は一般に使用されているものが任意に使用
可能であり、米坪120〜350g/m2の範囲のもの
が特に好適である。また、特に耐水性に優れた段ボール
シートを得るためには、各種サイズ剤やポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂等の樹脂よりなる耐水化剤を配合
して抄紙、または耐水化剤を予め含浸させて得た、いわ
ゆる耐水ライナ原紙がより好適に使用できる。
【0015】本発明の耐水塗料をライナ原紙に塗工し、
本発明の耐水ライナ原紙を得ることができる。塗工量
は、固形分で3〜30g/m2、さらに望ましくは10〜
20g/m 2が適当である。3g/m2未満であると、耐水性
が十分に得られない。また30g/m2を超えると、段ボ
ールの貼合時に必要な耐熱性が十分でなく貼合適性に劣
る。また、リサイクル適性が悪化する。塗工層の乾燥条
件は、70〜180℃で10〜60秒間が好適である。
なお、本発明塗料の塗工は、従来用いられているバーコ
ーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラ
ビアコーターなどを任意に使用して行うことができる。
本発明の耐水ライナ原紙を得ることができる。塗工量
は、固形分で3〜30g/m2、さらに望ましくは10〜
20g/m 2が適当である。3g/m2未満であると、耐水性
が十分に得られない。また30g/m2を超えると、段ボ
ールの貼合時に必要な耐熱性が十分でなく貼合適性に劣
る。また、リサイクル適性が悪化する。塗工層の乾燥条
件は、70〜180℃で10〜60秒間が好適である。
なお、本発明塗料の塗工は、従来用いられているバーコ
ーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、グラ
ビアコーターなどを任意に使用して行うことができる。
【0016】前述のようにして得られた耐水ライナ用い
て耐水段ボールシートを製造することができる。具体的
には耐水ライナの塗料の非塗工面に、コルゲータによっ
て中芯原紙を貼合して耐水段ボールシートとする。本発
明の耐水ライナは、段ボールシートのSF側とDF側両
面のライナとして用いることができる。また、どちらか
片方のライナとして用い、他方は一般のライナを使用す
ることも可能である。このようにして得られた段ボール
シートは、FFG(フレキソフォルダーグルアー)によ
り印刷と打ち抜き及びグルー糊付けを行い、耐水段ボー
ル箱となる。このようにして得られる耐水段ボール箱
は、青果物、鮮魚、肉類などの生鮮物用箱として使用で
きるものである。
て耐水段ボールシートを製造することができる。具体的
には耐水ライナの塗料の非塗工面に、コルゲータによっ
て中芯原紙を貼合して耐水段ボールシートとする。本発
明の耐水ライナは、段ボールシートのSF側とDF側両
面のライナとして用いることができる。また、どちらか
片方のライナとして用い、他方は一般のライナを使用す
ることも可能である。このようにして得られた段ボール
シートは、FFG(フレキソフォルダーグルアー)によ
り印刷と打ち抜き及びグルー糊付けを行い、耐水段ボー
ル箱となる。このようにして得られる耐水段ボール箱
は、青果物、鮮魚、肉類などの生鮮物用箱として使用で
きるものである。
【0017】
【実施例】本発明を下記の実施例により、さらに詳しく
説明する。 <実施例1>耐水ライナ原紙(SRK280:王子製紙
製)の片面に、下記組成の耐水塗料を、固形分当たり1
2g/m2となるようにアプリケーターバーで塗工し耐
水層を設け、耐水段ボールライナ原紙を得た。上記ライ
ナ原紙と通常使用される中芯原紙とを、通常使用される
段ボール貼合用耐水接着剤(豊年HR−160方式)と
スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(TG=
−5℃)を、澱粉と合成樹脂の固形分比が2:1となる
ように混合したものを接着剤として使用して、ライナの
耐水層が段ボールシート表面に、中芯の撥水面がDF側
になるようにしてコルゲータにより貼合し、Bフルート
の耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料1) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン (Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 39重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.06mm) 1重量% なお微細セルロース繊維は、乾燥した広葉樹晒クラフト
パルプを振動ミル(中央化工機製、形式:MB−1)に
て乾式粉砕した後、このセルロース粉体を水に分散させ
て固形分濃度2%のスラリーを作り、平均粒径2mmの
ガラスビーズを80%充填した1.5リットル容のダイ
ノミル(シンマル・エンタープライゼス社製、形式:K
DL−PILOT型)を用いて送液量350ml/分で
4回処理して平均繊維長0.06mmまで微細化して得
たものである。
説明する。 <実施例1>耐水ライナ原紙(SRK280:王子製紙
製)の片面に、下記組成の耐水塗料を、固形分当たり1
2g/m2となるようにアプリケーターバーで塗工し耐
水層を設け、耐水段ボールライナ原紙を得た。上記ライ
ナ原紙と通常使用される中芯原紙とを、通常使用される
段ボール貼合用耐水接着剤(豊年HR−160方式)と
スチレン・ブタジエン系共重合体エマルジョン(TG=
−5℃)を、澱粉と合成樹脂の固形分比が2:1となる
ように混合したものを接着剤として使用して、ライナの
耐水層が段ボールシート表面に、中芯の撥水面がDF側
になるようにしてコルゲータにより貼合し、Bフルート
の耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料1) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン (Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 39重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.06mm) 1重量% なお微細セルロース繊維は、乾燥した広葉樹晒クラフト
パルプを振動ミル(中央化工機製、形式:MB−1)に
て乾式粉砕した後、このセルロース粉体を水に分散させ
て固形分濃度2%のスラリーを作り、平均粒径2mmの
ガラスビーズを80%充填した1.5リットル容のダイ
ノミル(シンマル・エンタープライゼス社製、形式:K
DL−PILOT型)を用いて送液量350ml/分で
4回処理して平均繊維長0.06mmまで微細化して得
たものである。
【0018】<実施例2>耐水塗料として、下記組成の
耐水塗料2を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料2) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン(Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 35重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.06mm) 5重量%
耐水塗料2を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料2) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン(Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 35重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.06mm) 5重量%
【0019】<実施例3>耐水塗料として、下記組成の
耐水塗料3を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料3) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン(Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 39重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.01mm) 1重量% なお上記微細セルロース繊維は、ダイノミル処理を10
回行ったこと以外は実施例1と全く同様にして平均繊維
長0.01mmまで微細化して得たものである。
耐水塗料3を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料3) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン(Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 39重量% 微細セルロース繊維(平均繊維長0.01mm) 1重量% なお上記微細セルロース繊維は、ダイノミル処理を10
回行ったこと以外は実施例1と全く同様にして平均繊維
長0.01mmまで微細化して得たものである。
【0020】<比較例1>耐水塗料として、下記組成の
耐水塗料4を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料4) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン (Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 40重量%
耐水塗料4を使用した以外は、実施例1と全く同様にし
て耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシートを得た。 (耐水塗料4) スチレン・ブタジエン系ラテックス 60重量% (Tg21℃、ゲル含量94%:日本ゼオン製) デラミカオリン (Capim NP、平均粒子径3μm:RCC社製) 40重量%
【0021】実施例、及び比較例で得たシートを以下の
方法で評価したものを表1に示す。 [貼合時耐熱性] 1.プレスロール部 実施例、及び比較例により得られた巻取状のライナ原
紙、及び別途用意した一般的な中芯原紙をテスト用SF
によりプレスロール部温度180℃、線圧40kg/cm、
加圧時間0.02秒の条件で貼合した。 2.熱盤部 実施例、及び比較例により得られたライナ原紙を塗工面
を外側にしてA4サイズの段ボールシートに貼り、塗工
面が熱盤側にくるようにコルゲータのDFの熱盤部で温
度180℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間5秒の条件
で、加熱、加圧した。上記プレスロール部と熱盤部にお
いて、ライナ塗工面に溶融が発生しなかったものを○、
発生したものを×とした。 [Cobb吸水度]実施例、及び比較例により得られた
ライナ原紙の塗工面について、30分間水に接触した時
のCobb吸水度をJISP8140に準じて測定し
た。 [グルージョイント接着性]実施例、及び比較例で得ら
れたライナ原紙を3cm×10cmの大きさに切り取
り、塗工面に酢酸ビニル接着剤(ライフボンドAV−7
88、固形分50%:日栄化工製)をwetで約80g
/m2塗布した。その酢酸ビニル接着剤塗布面に、もう
一枚のライナ原紙を、耐水層同士が接触するように重
ね、約320g/m2で加圧し、1分後の接着状態を観
察した。1分後の接着状態で完全に接着したものを○、
接着しなかったものを×とした。 [フレキソインク乾燥性]実施例、及び比較例で得られ
たライナ原紙の塗工面に、160線のアニロックスロー
ルにてフレキソインク(FK−99:サカタインクス
製)を印刷し、一般ライナと同等の乾燥性(転写10秒
後に手で触ってもインクが落ちない)のものを○、転写
後2分経過してもインク落ちが発生する場合を×とし
た。 [離解性]各実施例、比較例で選られた得た耐水段ボー
ルライナを2cm角に断裁した試料60gを4%濃度と
なるように水を加え、これをディスインテグレーターに
て20分間攪拌後、0.5cm2以上の未離解片が存在
しない場合を○とし、存在する場合を×とする。
方法で評価したものを表1に示す。 [貼合時耐熱性] 1.プレスロール部 実施例、及び比較例により得られた巻取状のライナ原
紙、及び別途用意した一般的な中芯原紙をテスト用SF
によりプレスロール部温度180℃、線圧40kg/cm、
加圧時間0.02秒の条件で貼合した。 2.熱盤部 実施例、及び比較例により得られたライナ原紙を塗工面
を外側にしてA4サイズの段ボールシートに貼り、塗工
面が熱盤側にくるようにコルゲータのDFの熱盤部で温
度180℃、線圧0.3kg/cm、加圧時間5秒の条件
で、加熱、加圧した。上記プレスロール部と熱盤部にお
いて、ライナ塗工面に溶融が発生しなかったものを○、
発生したものを×とした。 [Cobb吸水度]実施例、及び比較例により得られた
ライナ原紙の塗工面について、30分間水に接触した時
のCobb吸水度をJISP8140に準じて測定し
た。 [グルージョイント接着性]実施例、及び比較例で得ら
れたライナ原紙を3cm×10cmの大きさに切り取
り、塗工面に酢酸ビニル接着剤(ライフボンドAV−7
88、固形分50%:日栄化工製)をwetで約80g
/m2塗布した。その酢酸ビニル接着剤塗布面に、もう
一枚のライナ原紙を、耐水層同士が接触するように重
ね、約320g/m2で加圧し、1分後の接着状態を観
察した。1分後の接着状態で完全に接着したものを○、
接着しなかったものを×とした。 [フレキソインク乾燥性]実施例、及び比較例で得られ
たライナ原紙の塗工面に、160線のアニロックスロー
ルにてフレキソインク(FK−99:サカタインクス
製)を印刷し、一般ライナと同等の乾燥性(転写10秒
後に手で触ってもインクが落ちない)のものを○、転写
後2分経過してもインク落ちが発生する場合を×とし
た。 [離解性]各実施例、比較例で選られた得た耐水段ボー
ルライナを2cm角に断裁した試料60gを4%濃度と
なるように水を加え、これをディスインテグレーターに
て20分間攪拌後、0.5cm2以上の未離解片が存在
しない場合を○とし、存在する場合を×とする。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明により、耐水性に優れ、リサイク
ル性があり、段ボール貼合時に熱盤に融着せず、表面性
が良好で、耐水層による段ボール製函適性、フレキソ印
刷適性の低下のない耐水段ボールライナ及び耐水段ボー
ルシートを得ることが可能である。
ル性があり、段ボール貼合時に熱盤に融着せず、表面性
が良好で、耐水層による段ボール製函適性、フレキソ印
刷適性の低下のない耐水段ボールライナ及び耐水段ボー
ルシートを得ることが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E078 AA13 BB01 BB24 BB45 BC01 4F100 AC10 AC10H AJ04B AJ04E AK01B AK01E AK73 BA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10D BA10E BA13 CA13 CA13B CA13E CC00B CC00E DD12 DD12C DG01B DG01E DG10A DG10C DG10D EH46 EH46B EH46E GB15 JB07 JB07B JB07E JL16 JM01B JM01E 4L055 AG27 AG45 AG63 AG76 AG89 AH02 AH23 BE08 FA19 FA20 GA06
Claims (2)
- 【請求項1】ライナ原紙表面に、合成樹脂エマルジョン
と、顔料と、微細セルロース繊維を主成分とする耐水塗
料を塗工して形成された耐水層を有することを特徴とす
る耐水段ボールライナ。 - 【請求項2】少なくとも片側のライナとして請求項1記
載の耐水段ボールライナを使用したことを特徴とする耐
水段ボールシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035377A JP2002234089A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001035377A JP2002234089A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002234089A true JP2002234089A (ja) | 2002-08-20 |
Family
ID=18898826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001035377A Pending JP2002234089A (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 耐水段ボールライナ及び耐水段ボールシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002234089A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013510222A (ja) * | 2009-11-03 | 2013-03-21 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 被覆基材、被覆基材の製造方法、パッケージおよび分散液コーティング |
JP2013514906A (ja) * | 2009-12-21 | 2013-05-02 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 紙又は板紙基材、基材を製造するための方法、及び基材から形成されるパッケージ |
JP2022521725A (ja) * | 2019-02-20 | 2022-04-12 | ボレガード アーエス | 化学的に処理された紙を含む段ボール板紙及び段ボール紙の製造 |
CN115262283A (zh) * | 2022-07-26 | 2022-11-01 | 正业包装(中山)有限公司 | 一种耐折复合瓦楞纸及其生产工艺 |
WO2023112914A1 (en) * | 2021-12-14 | 2023-06-22 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Coating Agent for Paper Base Material |
-
2001
- 2001-02-13 JP JP2001035377A patent/JP2002234089A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013510222A (ja) * | 2009-11-03 | 2013-03-21 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 被覆基材、被覆基材の製造方法、パッケージおよび分散液コーティング |
JP2013514906A (ja) * | 2009-12-21 | 2013-05-02 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 紙又は板紙基材、基材を製造するための方法、及び基材から形成されるパッケージ |
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CN115262283A (zh) * | 2022-07-26 | 2022-11-01 | 正业包装(中山)有限公司 | 一种耐折复合瓦楞纸及其生产工艺 |
CN115262283B (zh) * | 2022-07-26 | 2023-12-26 | 正业包装(中山)有限公司 | 一种耐折复合瓦楞纸及其生产工艺 |
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