JPH04327296A - 印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗被紙の製造方法

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JPH04327296A
JPH04327296A JP9844491A JP9844491A JPH04327296A JP H04327296 A JPH04327296 A JP H04327296A JP 9844491 A JP9844491 A JP 9844491A JP 9844491 A JP9844491 A JP 9844491A JP H04327296 A JPH04327296 A JP H04327296A
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JP9844491A
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Masahiro Higuchi
昌宏 樋口
Katsuhiro Doi
土井 克広
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷用塗被紙の製造方
法に関し、特に塗被層の塗被ムラを改良することにより
、塗被ムラによる白紙の視感の悪さがなく、且つ印刷モ
トルの解消された高品質の印刷用塗被紙の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に印刷用塗被紙の製造方法としては
、エアーナイフ塗工法、ブレード塗工法、チャンプレッ
クス塗工法等に代表されるように、原紙上に塗被液を過
剰に塗被した後、エアーナイフ、ブレード、チャンプレ
ックス等の塗工ヘッドで余分の塗被液を掻き落とし、所
要の塗被量に計量すると同時に掻き落とされた塗被液は
回収され、循環再使用される。
【0003】一方、ゲートロール、ハミルトンコーター
に代表されるようなロールコーター塗工法は塗工ロール
により、ピックアップされた塗被液をメータリングロー
ルにより計量し、所要の塗被液を原紙に転写して塗被す
るものである。上記の如き塗工法が採用されてきた理由
としては、比較的簡単な作業操作で 300m/分以上
の高速塗工が可能であり、且つ塗被液としても相対的に
高範囲の塗工法に適用性を有し、塗被量の制御等が容易
なことが挙げられる。
【0004】しかしながら、近年、オフセット印刷にお
いては印刷方式の改良や増大する印刷物の需要とも相ま
って、印刷の高速化や高級な多色刷り印刷指向が進んで
いる。また、印刷機の進歩と並行して印刷用塗被紙にお
いても、より高級で、高品質の印刷効果を発揮するよう
な品質特性が要望されるようになってきた。そのために
は上記の如き従来方式の塗工法、即ち、エアーナイフ塗
工法では、エアードクターの風圧により、塗被量の制御
をするため、塗被層上に風紋状の塗工ムラが発生し、ブ
レード塗工では、平担化塗工のため、塗被層表面が均一
になるに従い、原紙の凹凸による塗工ムラが発生する。 また、チャンプレックスのようなロッド塗工法でも、平
担化塗工のため、ブレード塗工と同様な塗工ムラが発生
し、いずれの塗工方法も原紙上に過剰の塗被液を塗被し
た後、上記の塗工ヘッドで掻き落とすような方法の場合
、塗被層の厚薄ムラを誘発せしめる傾向がある。
【0005】さらに、ロールコーター塗工法では、ロー
ルとロールとの間を原紙が通過し、塗被液を所望量転写
させて塗被するため、比較的高粘度の塗被液を塗工する
ことが多く、結果としてロールパターンやオレンジピー
ルと呼ばれる塗工ムラが発生する。このような塗工ムラ
は白紙のムラばかりではなく、印刷時特に多色印刷を行
った時に、印刷モトルとなり、印刷用塗被紙としての商
品価値を損なうことになる。従来より、こうした塗工ム
ラに対しては、特に高級なアート紙グレードでは、前述
の塗工法を組合わせたダブル塗工などにより、改善を図
っているのが実情である。特に、こうした塗工ムラが商
品価値を著しく損なうものとしては、色付きの印刷用紙
がある。このような特殊な印刷用紙は塗工ムラが直ちに
色ムラとなって現われるため、多色印刷をしなくても、
塗工ムラがあれば商品価値を損ない、一般の印刷用紙の
ようにダブル塗工や原紙の着色、或いはそれらを組合わ
せた方法で、塗工ムラ、所謂色ムラを回避しているのが
実情である。当然、このように工程を多くすることはそ
れだけ操業上のトラブルやロスが多くなることは明らか
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状から、
本発明者等はかかる先行技術の抱える難点を解決し、操
業性に優れ、且つ優れた印刷適性を有する印刷用塗被紙
を得る方法について、鋭意研究を重ねた結果、原紙に塗
被液を塗被するに当たり、原紙及び塗被液の粘度を特定
し、且つ特定の塗被装置と乾燥条件を組合わせることに
より、本発明で所望する優れた効果が得られることを見
出したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に顔料
及び接着剤を主成分とする塗被液を塗被、乾燥して得ら
れる印刷用塗被紙の製造方法において、原紙の動的濡れ
値が−0.25〜+0.10gであり、粘度が15〜1
000センチポイズである塗被液を用いて自由落下垂直
カーテンを形成せしめ、この塗被液のカーテンを連続走
行している該原紙上に落下、塗被し、次いで平均蒸発率
が 10 〜 50 kg /Hr /m2 の条件で
乾燥することを特徴とする印刷用塗被紙の製造方法であ
る。
【0008】
【作用】既述したように、本発明は、粘度を特定した塗
被液を用いて自由落下垂直カーテンを形成せしめ、これ
を連続走行する原紙上に落下、付着させた後、特定の乾
燥条件で乾燥させて得られる印刷用塗被紙の製造方法で
ある。従来、自由落下垂直カーテンを形成し、これを紙
匹(ウェブ)に衝突せしめて塗被する、所謂カーテン塗
工法は、既に特公昭49−24133 号や同49−3
5447 号公報に開示されているような塗工装置が知
られている。そして、これらの装置を用いた塗工方法は
、これまでに種々のものが提案され、例えば写真業界で
広く採用されてきており、特開昭54−65742 、
同57−39985 号公報に提案されている感圧記録
シートの製造や特開昭54−74761 号公報で提案
されている感熱記録シートの製造にも適用されている。
【0009】しかしながら、このカーテン塗工法は印刷
用塗被紙の製造には殆ど採用されていない。その理由と
しては、写真感光用塗被液やマイクロカプセルを含有す
る感圧記録シート用塗被液等と比較して、無機顔料を多
量に含有した印刷塗被紙用の塗被液としては物性に大き
な差異があり、印刷用塗被紙の製造にカーテン塗工を適
用する技術が確立されていなかった点があげられる。
【0010】本発明者等は、このカーテン塗工法につい
て、種々の角度から検討を加えた結果、特定の原紙上に
、粘度を特定した塗被液をカーテン方式で塗工し、且つ
特定された条件で乾燥を行って印刷用塗被紙を得ると従
来方式と比較して塗工ムラのない、極めて高品質の塗被
紙が得られることを見出したのである。
【0011】即ち、本発明で使用される原紙は、その原
紙の動的濡れ値を特定するものである。ここに、原紙の
動的濡れ値とは水に対する時間的な付着力の大きさの変
化を濡れの尺度として表すもので、具体的には動的濡れ
性試験器(WET−3000/レスカ(株)製)を用い
て測定した値である。具体的には、2×5cmの試験片
を16mm/秒の速さで水中12mmの深さに10秒間
浸漬したときの時間的濡れの大きさ(動的濡れ値と呼称
する)を測定するもので、濡れの大きさは値が小さい程
、濡れ難く、一方値が大きい程、濡れ易いことを示すも
のである。この動的濡れ値について、さらに検討を加え
た結果、本発明で用いられる原紙としては、この試験器
で測定される時間的な濡れ値として水浸漬後2秒後の濡
れ値が本発明の特定の塗被液と、該塗被液が特定の乾燥
条件で乾燥される場合に、その塗工ムラとの間に大きな
影響を有することを見出した。
【0012】而して、本発明で使用される原紙の動的濡
れ値は−0.25〜+0.10g、好ましくは−0.2
0〜+0.10gの範囲に調整されたものである。そし
て、この原紙に塗被される塗被液は、その粘度が15〜
1000センチポイズ、好ましくは20〜 800セン
チポイズの範囲にある塗被液を自由落下垂直カーテンを
形成せしめ、上記の如き原紙上に衝突、塗被せしめた後
、平均蒸発率が10〜50 Kg/Hr/m2 、好ま
しくは15〜30 Kg/Hr/m2 の条件で乾燥さ
せるものである。
【0013】なお、従来の塗工方法では、塗被液をブレ
ード等で掻き落としたときに、塗被液が原紙面に加圧さ
れるので、塗被液中の水が原紙層へ急速に浸透し易く、
結果として原紙の凹凸やサイズ性によって塗工ムラ等が
誘発される傾向にあった。他方、本発明ではカーテン塗
工法を適用しているので、このような加圧浸透は起こら
ない。因みに、原紙の動的濡れ値が−0.25g未満の
場合には塗被液中の水分の原紙層への浸透が遅くなり過
ぎて、乾燥中に塗被液中の接着剤のマイグレーションが
起こり、乾燥後の塗被層と原紙の接着強度が低下するの
で好ましくない。一方、動的濡れ値が+0.10gを越
えると、塗被液中の水分の原紙層内への浸透が早すぎる
ために、結果として原紙のサイズムラ、地合ムラ、密度
ムラに起因する浸透ムラが誘発され、塗被層ムラとなり
、印刷用紙として好ましい品質を維持することができな
い。
【0014】次いで、塗被液の要件として、その粘度を
15〜1000センチポイズ、好ましくは20〜 80
0センチポイズに調整するものであるが、塗被液の粘度
とは一般的に使用されている、所謂ブルックフィルド型
粘度計を用いて60回転で測定した値である。因みに、
塗被液の粘度が15センチポイズ未満の場合には、液切
れが発生し易く、他方1000センチポイズを越えると
、塗被(膜)面に筋が入り易く、且つ塗被量の調整が難
しくなる。いずれにしても塗被層が不均一になる傾向が
あり、好ましくない。
【0015】さらに、本発明の方法では、カーテン塗工
法によって塗被した後に、塗被液の乾燥が重要な要件と
なるものである。即ち、塗被液の乾燥条件として、既述
したようにその平均蒸発率が10〜50 Kg/Hr/
m2 、好ましくは15〜30 Kg/Hr/m2 の
範囲で乾燥させることが重要である。因みに、10 K
g/Hr/m2 未満の場合には、原紙上の塗被液が流
動性を失って固化する迄の時間が長すぎるために塗被液
中の顔料粒子が移動して塗被層面の平滑性が低下するの
みならず、原紙層への浸透が多くなるために、本発明に
おいて、特定される原紙を用いても地合ムラやサイズム
ラを抑制することができず、本発明で所望する効果を得
ることができない。一方、50 Kg/Hr/m2 を
越える条件では、乾燥が過酷となり、塗被液中の水分が
急激に蒸発を起こし、動的濡れ値を特定した原紙を用い
ても接着剤の不均一なマイグレーションが起きたり、塗
被層表面の面荒れや原紙のボコツキ現象が誘発され、好
ましい結果を得ることができない。
【0016】さらに詳述すると、動的濡れ値の満たされ
た原紙上に、粘度の条件を満たしている塗被液をカーテ
ン塗工装置を用いて塗工し、ムラのない均一な塗被層を
形成しても、乾燥時に強過ぎる乾燥や弱過ぎる乾燥、即
ち本発明で特定した以外の乾燥条件で乾燥を行うと、塗
被層面に悪影響を与え、均一な塗被層面を得ることがで
きない。要するに、本願発明で特定する3つの条件−原
紙の動的濡れ値、塗料の粘度規定、及び塗工された後の
塗被液の乾燥条件を全て同時に満足することが重要な要
件であり、その条件を全て満たしたときに初めて本願発
明の所望の効果が得られるものである。
【0017】なお、上記の湿潤塗被層を乾燥する方法と
しては、従来から知られている蒸気加熱、熱風加熱、ガ
スヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加熱、赤外
線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の各種乾
燥装置を適宜採用できる。
【0018】一方、原紙の動的濡れ値のコントロールは
、パルプ組成、叩解条件、填料の種類と添加量、紙力剤
、内添サイズ剤、 pH、表面サイズ剤、表面処理剤、
抄紙濃度、ワイヤーメッシュ、ハイドロホイルアレンジ
、紙の填料分布、スムーザー加圧、プレス加圧、乾燥温
度等各種の条件操作によって行うことができる。なお、
これらの操作は抄紙速度に影響を与えるものが多く、各
抄紙機によって固有の抄紙条件を適宜選択して決定され
る。また、原紙の動的濡れ値を下げる場合には、前述の
塗被紙の表面強度の低下のみならず、透気性、カール適
性等も低下する傾向にあり、さらに抄紙速度の低下や、
サイズ剤、内添剤の増量等原価上昇を伴う対策となり易
い。
【0019】本発明の方法で用いられる塗被組成物とし
ては、従来の塗被紙用塗被液と同様に顔料及び接着剤を
主成分とするものである。顔料としては、例えばクレー
、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、二
酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト
、硫酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント等
の如き、通常の塗被紙用顔料の1種以上が適宜選択して
使用される。
【0020】接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋
白、合成蛋白等の蛋白質類;スチレン・ブタジェン共重
合体、メチルメタクリレート・ブタジェン共重合体等の
共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル
及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニ
ル重合体等のビニル系重合体ラテックス、或いはこれら
の各種重合体ラテックスをカルボシキル基等の官能基含
有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性或
いはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス及びバインダ
ーピグメントと呼ばれる各種の合成樹脂重合体;ポリビ
ニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メ
ラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、酸化澱粉、陽性澱粉
、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体等の如き通常の塗被紙用接着剤の1種
以上が適宜選択して使用される。
【0021】なお、一般に接着剤は顔料 100重量部
に対して4〜50重量部、好ましくは10〜30重量部
程度で調節される。さらに、塗被液中には必要に応じて
消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適
宜配合されるが、塗被層の固化を促進させる助剤として
、例えばアミン、アミド、ポリアクリルアミド等や亜鉛
、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム
等の多価金属の塩を顔料 100重量部に対して 0.
1〜10重量部程度添加しても良い。
【0022】かくして調製された塗被液は一般に公知公
用のカーテン塗工装置を用いて、一層乃至多層に分けて
原紙上に片面づつ両面塗工される。その際の塗被液の固
形分濃度は通常5〜70重量%程度であるが、特に操業
性を考慮すると、その粘度を15〜1000センチポイ
ズになるように調整することが特に重要である。なお、
原紙としては、一般の塗被紙に用いられる米坪が30〜
400 g/m2 程度のペーパーベースやボードベー
スの原紙が適宜用いられるが、抄紙方法等については特
に限定されるものではない。一般に公知公用のトップワ
イヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用し
た板紙マシン、ヤンキードライヤーマシン等があり、ま
た酸性抄紙、アルカリ性抄紙いずれであってもよく、勿
論、高歩留パルプを含む中質原紙も使用できる。また、
サイズプレス、ビルブレード等で予備塗工した原紙も使
用が可能である。
【0023】原紙への塗被量は、一般に乾燥重量で片面
当たり3〜50g/m2 程度であるが、得られる塗被
紙の白紙品質、印刷適性等を考慮すると5〜30g/m
2 程度の範囲で調節するのが望ましい。特に、本発明
の方法では有色の染料或いはピグメントカラー等の着色
剤を含有する塗被液を用いて色付きの印刷用塗被紙を製
造する場合に、色ムラのない極めて高品質の色付きの印
刷用塗被紙が得られるので、本発明の最も好ましい実施
態様の1つである。
【0024】この場合、着色剤の含有量が顔料 100
重量部に対して、固形分換算で 0.2重量部以上添加
した着色塗被液に対して効果があるが、特に、色ムラと
して発現されやすい着色度合いは、色調の差異も勿論あ
るが、通常 0.2〜3重量部程度の着色剤を添加した
、所謂淡色の着色範囲であり、それ以上の濃い色付けに
対しては全体の色が濃過ぎて、色ムラとしての肉眼識別
は不可であり、効果はない。従来用いられてきた塗被方
法では色調の差異も勿論あるが、塗被層の塗被ムラがあ
るために、着色塗被層では塗被ムラが色ムラを誘発し、
一般の印刷用塗被紙よりも塗被層の塗被ムラの悪さの影
響が顕著に現れる。因みに、色ムラとは塗被層の厚い部
分と薄い部分が色の濃淡を誘発し、塗被層の外観が色ム
ラとして認知されるものである。
【0025】この場合、着色剤の含有量が顔料 100
重量部に対して、固形分概算で 0.2重量部未満の場
合には、色調の相違もあるが、塗被層の着色があまり濃
くないため、色ムラの影響が発現され難い。本発明によ
ると、このように塗被層に着色剤を含有する印刷用塗被
紙の色ムラの改良や印刷モトルの改良には、従来の塗工
、乾燥方式では達し得なかった、優れた効果が極めて効
率良く達成されるものである。本発明の製造方法により
、得られた塗被紙は常法に従って、マシンキャレンダー
、スーパーキャレンダー、グロスキャレンダー等のオン
或いはオフマシン装置によって、塗工ムラのない優れた
平滑性、印刷適性を有する印刷用塗被紙を得ることがで
きる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではな
い。なお、特に断らない限り、例中の部及び%はそれぞ
れ重量部及び重量%を示す。
【0027】実施例1〜2、比較例1〜2カオリン(商
品名:UW−90/EMC社,米国)70部、微粒子重
質炭酸カルシウム(商品名:カービタル90/イ−シ−
シー・ジャパン社製)30部からなる顔料を分散剤とし
て対顔料でポリアクリル酸ソーダ 0.2部を用いてコ
ーレス分散機で分散し、固形分濃度が65%の顔料スラ
リーを調製した。このようにして得られた顔料スラリー
に酸化澱粉(商品名:エースA/王子コーンスターチ社
製)5部、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(
商品名:JSR0696/日本合成ゴム社製)13部を
加え、更に水を加えて塗被液を得た。
【0028】このときの塗被液のブルックフィルド型粘
度を測定すると、300 センチポイズであった。この
塗被液を自由落下垂直カーテンを形成するカーテン塗工
装置を用いて、動的濡れ値が−0.30g(比較例1)
、−0.15g(実施例1)、+0.05g(実施例2
)、+0.20g(比較例2)のそれぞれの原紙に片面
当たりの乾燥塗被量が20g/m2 となるように片面
づつ両面塗工を行い、平均蒸発率が20 Kg/Hr/
m2 の条件で乾燥した後、スーパーキャレンダー処理
をし、印刷用塗被紙を得た。
【0029】実施例3 実施例1で使用したカオリン20部、重質炭酸カルシウ
ム80部で構成された顔料スラリーを使用した以外は実
施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。なお、この場
合の塗被液の粘度は 120センチポイズであった。
【0030】実施例4 実施例1において、粘度を 600センチポイズに調整
した塗被液を用いた以外は、実施例1と同様にして印刷
用塗被紙を得た。
【0031】比較例3 実施例1において、塗被液の接着剤として酸化澱粉(商
品名:エースA/王子コーンスターチ社製)5部を使用
せず、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品
名:JSR0696/日本合成ゴム社製)15部の単独
接着剤とし、更に水を加え塗被液粘度を10センチポイ
ズにした以外は実施例1と同様にしてカーテン塗工を行
ったところ、粘性不良のため、液切れが発生し満足ので
きるカーテン形成ができなかった。
【0032】比較例4 実施例1において、酸化澱粉(商品名:エースA/王子
コーンスターチ社製)の代わりにPVA(PVA−20
5 /クラレ社製)を10部使用した以外は、実施例1
と同様にしてカーテン塗工を試みたところ、粘性不良の
ため(粘度は1500センチポイズであった)塗工が満
足にできなかった。
【0033】実施例5〜6、比較例5〜6平均蒸発率を
5 Kg/Hr/m2 (比較例5)、12Kg/Hr
/m2 (実施例5)、30 Kg/Hr/m2 (実
施例6)、70 Kg/Hr/m2 (比較例6)の条
件で、それぞれ乾燥した以外は、実施例1と同様にして
印刷用塗被紙を得た。
【0034】比較例7 実施例4で得られた塗被液をブレードコーターを用いて
塗工した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を
得た。
【0035】実施例7 実施例1で塗被液に有色顔料(商品名:TB400 R
ed2R/大日精化社製)0.15部と有色顔料(商品
名:TB500 Yellow R/大日精化社製)0
.15部をそれぞれ添加し、着色剤として合計0.3 
部添加し色付きの印刷用塗被紙用塗被液を得た。このよ
うにして得られた塗被液を実施例1と同様にして塗工、
乾燥を行い、色付きの印刷用塗被紙を得た。
【0036】比較例8 平均蒸発率を3 Kg/Hr/m2 として乾燥した以
外は、実施例7と同様にして色付きの印刷用塗被紙を得
た。
【0037】比較例9 実施例7の塗料配合で粘度を 600センチポイズに調
整した後、この塗料を用いて比較例7で使用したブレー
ドコーターを用いて塗工した以外は実施例7と同様にし
て色付きの印刷用塗被紙を得た。
【0038】かくして、得られた印刷用塗被紙について
以下に示すような評価方法に基づいて試験を行い、得ら
れた結果を表1(実施例1〜6、比較例1〜7)及び表
2(実施例7、比較例8〜9)にそれぞれ示した。
【0039】(動的濡れ値)動的濡れ性試験機(商品名
:WET−3000/レスカ社製)を用いて測定した。 水浸漬後2秒後の測定値で表示。値の大きい程、濡れ易
い。
【0040】(白紙ムラ)塗被紙を目視判定した。 ◎:ムラがなく、非常に良好。○:ムラがあまり目立た
ない。×:ムラが目立ち、外観が非常に悪い。
【0041】(色ムラ)着色塗被紙を目視判定した。 ◎:ムラがなく、非常に良好。○:ムラがあまり目立た
ない。×:ムラが目立ち、外観が非常に悪い。
【0042】(印刷モトル)オフセット4色印刷機を用
いて、5000枚/時間の速度で印刷し、得られた印刷
物の表面を目視観察し、評価した。 ◎:非常に良好。○:良好。×:インキムラが発生し、
不良。
【0043】(印刷平滑性)上記印刷物を目視で観察し
、印刷面の平滑性を目視評価した。 ◎:印刷面の平滑性が非常に良好。○:印刷面の平滑性
が良好。×:印刷面の平滑性が低下し、不良。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】表1、表2の結果より明らかなように、
本発明の方法により、得られた印刷用塗被紙は、その塗
被層のムラが改良され、白紙の外観の悪さと印刷モトル
を改良し、且つ生産操業性の優れた印刷用塗被紙が得ら
れた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に顔料及び接着剤を主成分とする塗
    被液を塗被、乾燥して得られる印刷用塗被紙の製造方法
    において、原紙の動的濡れ値が−0.25〜+0.10
    gであり、粘度が15〜1000センチポイズである塗
    被液を用いて自由落下垂直カーテンを形成せしめ、この
    塗被液のカーテンを連続走行している該原紙上に落下、
    塗被し、次いで平均蒸発率が 10 〜 50 kg 
    /Hr /m2 の条件で乾燥することを特徴とする印
    刷用塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】塗被液が有色染料又はピグメントカラーの
    少なくとも1種からなる着色剤を顔料 100重量部に
    対して 0.2重量部以上含有している請求項1記載の
    印刷用塗被紙の製造方法。
JP9844491A 1991-04-30 1991-04-30 印刷用塗被紙の製造方法 Pending JPH04327296A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7364774B2 (en) 2002-04-12 2008-04-29 Dow Global Technologies Inc. Method of producing a multilayer coated substrate having improved barrier properties
US7425246B2 (en) 2001-04-14 2008-09-16 Dow Global Technologies Inc. Process for making multilayer coated paper or paperboard
US7473333B2 (en) 2002-04-12 2009-01-06 Dow Global Technologies Inc. Process for making coated paper or paperboard
JP4715001B2 (ja) * 2001-02-23 2011-07-06 株式会社Ihi 色紙の製造方法及び装置

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