JP4715001B2 - 色紙の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は片面が色付けされた色紙を製造するために用いる色紙の製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、色紙を製造する場合は、抄紙段階で染料(有色)を原料に混合させることで色付けを行うことは行われていたが、紙の片面のみに色付けするものではなかった。
【0003】
そのため、原紙の片面への色付けを抄紙機の後工程である塗工機でロールコータやブレードコータを用いて行うことが考えられるが、ロールコータを用いる場合は、図2に一例を示す如く、色紙基材となる原紙aを挟むように左右にバッキングロールbとアプリケータロールcを配置すると共に、該アプリケータロールcに、インナーロールdとアウターロールeを近接させて配置し、インナーロールdとアウターロールeとの間に有色の塗料(塗布液)fを溜めるようにして、塗料fをインナーロールdを経てアプリケータロールcの表面に移し、該アプリケータロールcの表面の塗料fを原紙aの表面に転写して塗布させることになる。一方、ブレードコータを用いる場合は、図3に一例を示す如く、バッキングロールgの下側に巻き掛けられて走行する原紙aの表面に、供給ヘッドhにより下から塗料fを供給すると共に、塗料fの余剰分を、下流に配置したメータリングブレードiで掻き取ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ロールコータの場合、転写方式を採用しているため、転写率を100%とすることが難しく、転写むらのパターンがそのまま色むらとして現れる問題がある。又、上記ブレードコータの場合、メータリング方式を採用しているため、原紙aの表面の凹凸パターンがそのまま濃淡として現れる問題がある。更に、これらのコータを用いて色紙を製造する場合、製造される色紙の色調(色合)は塗工量や塗料濃度によって左右されることとなるが、現状では、色調値を目標色調値となるようにオンラインで管理する対策は考えられていない。
【0005】
そこで、本発明は、紙の表面に塗布した有色塗料の色調が目標色調値となるように、塗布する前の有色塗料の色調を調整して目標色調値の色紙を製造するようにしようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、水平方向に走行する原紙の上方位置から原紙上に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料をカーテン状に流下させることにより塗布し、次いで、原紙上に塗布された有色塗料の色調を検出して色調制御器で目標色調値と比較し、差があると目標色調値となるように上記主塗料又は補正塗料の補充量値を上記色調制御器で演算して、該色調制御器より上記容器に接続した主塗料供給ラインに設けられる制御弁又は上記容器に接続した補正塗料供給ラインに設けられる制御弁に開信号を送り、上記主塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された主塗料の補充量又は上記補正塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると、上記色調制御器より上記制御弁に閉信号を送ることより上記容器内の有色塗料の濃淡を調整して目標色調値の色紙を得るようにする色紙の製造方法とし、又、水平方向に走行する原紙の上方位置に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料を原紙上にカーテン状に流下させるようにしたカーテンコータヘッドを設置し、該カーテンコータヘッドによる有色塗料流下位置の下流側に、原紙上の有色塗料の色調値を検出する色調検出器を設け、更に、上記容器に接続した主塗料供給ラインと補正塗料供給ラインのそれぞれに設けた制御弁及び流量計と、上記色調検出器で検出した色調値を目標色調値と比較して差があると目標色調値となるように主塗料又は補正塗料の補充量値を演算して上記主塗料供給ライン又は補正塗料供給ライン上の制御弁に開信号を送ると共に、主塗料又は補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると上記制御弁に閉信号を送るようにする色調制御器とを備えて上記容器内の有色塗料の濃淡を調整する色調制御装置を備えた構成を有する色紙の製造装置とする。
【0007】
原紙を走行させながら、該原紙上にカーテンコータヘッドから有色塗料をカーテン状に流下させて塗布させることにより、片面に色付けされた色紙が製造される。この際、塗布される有色塗料は、色調制御装置により有色塗料の濃淡が制御されるので、目標色調値の色紙が得られる。上記塗料は原紙の表面に直接塗布するので色むらがなく、又、メータリングする必要がないので濃淡が現れることもない。
【0008】
又、色調制御装置を、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器への主塗料供給ラインと補正塗料供給ラインのそれぞれに設けた制御弁及び流量計と、色調検出器で検出した色調値を目標色調値と比較して差があると目標色調値となるように主塗料又は補正塗料の補充量値を演算して上記主塗料供給ライン又は補正塗料供給ライン上の制御弁開信号を送ると共に、主塗料又は補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると上記制御弁に閉信号を与えるようにする色調制御器とを備えてなる構成としてあるので、簡単な構成で塗料の濃淡管理を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明の色紙の製造装置の実施の一形態を示すもので、塗料を収容する容器としての塗料タンク1に、所定の色調よりも薄い色調の主塗料2Aを供給する主塗料供給ライン3と、所定の色調よりも濃い色調の補正塗料2Bを供給する補正塗料供給ライン4を接続して、該塗料タンク1内で主塗料2Aと補正塗料2Bを混合して所定の色調とした有色塗料2を貯留できるようにし、複数のロール5に掛け回されて水平方向に走行する色紙基材としての原紙6の上方位置に、ポンプ7を備えた塗料送給ライン8を通して上記塗料タンク1から送給された有色塗料2を原紙6上にカーテン2a状に流下させて塗布するようにしたカーテンコータヘッド9を、紙幅方向に設置し、且つ該カーテンコータヘッド9による塗料流下位置の原紙走行方向に沿う下流側位置に、原紙6の表面に塗布された有色塗料2を乾燥させる乾燥装置10を設置し、更に、該乾燥装置10の下流位置に配置したカラーカメラの如き色調検出器12の検出値を基に乾燥後の原紙6上の有色塗料2の色調値が目標色調値となるように塗料タンク1内の塗料2の濃淡を調整する色調制御装置11を備える。
【0011】
上記色調制御装置11は、主塗料供給ライン3に設けた制御弁13及び流量計14と、補正塗料供給ライン4に設けた制御弁15及び流量計16と、上記色調検出器12で検出した色調値と目標色調値とを比較して差があると目標色調値となるように主塗料2A又は補正塗料2Bの補充量値を演算して制御弁13又は15に開指令を送ると共に、主塗料2A又は補正塗料2Bの補充量が上記演算された補充量値になると制御弁13又は15に閉指令を送るようにした色調制御器17とを備えた構成としてある。
【0012】
塗料タンク1内に主塗料2Aと補正塗料2Bが主塗料供給ライン3と補正塗料供給ライン4を通してそれぞれ所定量宛供給されて混合されることにより、所定色調値とされた有色塗料2を、塗料送給ライン8を通してカーテンコータヘッド9に送給するようにし、高速で走行させられる原紙6上にカーテンコータヘッド9から有色塗料2をカーテン2a状に流下させることにより、原紙6の表面に有色塗料2を直接塗布し、続いて、塗料2が塗布された原紙6を乾燥装置10に通して乾燥させるようにする。
【0013】
次に、乾燥装置10から出た原紙6上の有色塗料2の色調が色調検出器12で検出され、検出された色調値が色調制御器17に送られて目標色調値と比較され、誤差があると、色調制御器17からの指令で主塗料供給ライン3の制御弁13又は補正塗料供給ライン4の制御弁15が一旦開かれることで、塗料タンク1内の塗料2の濃淡がオンラインで調整される。
【0014】
上記の塗料濃淡調整を行う色調制御装置11について詳述すると、色調検出器12がカラーカメラの場合には、乾燥後の原紙6の表面の全幅一定領域を撮影し、色調制御器17において、画像処理後の平均値が演算されて、目標色調値と比較演算され、たとえば、色調が薄いときには、補正塗料2Bの補充量値が演算されて、補正塗料供給ライン4の制御弁15に開指令が送られることにより、塗料タンク1内に所定の色調よりも濃い色調の補正塗料2Bが供給され、このとき、流量計16により補充量が計測されて色調制御器17に送られ、上記演算された補充量値となった時点で上記制御弁15が閉じられる。これにより、塗料タンク1内の塗料2の色調値が目標色調値に修正される。因に、色調検出器12で検出された色調値が目標色調値よりも濃い場合には、同要領で主塗料供給ライン3の制御弁13が開閉されることになる。
【0015】
上記において、塗料2は、ロールコータの場合のようにアプリケータロールから原紙6に転写するのではなく、原紙6の表面に直接塗布するので色むらがなく、しかも、カーテンコータヘッド9でメータリングされるので、ブレードコータの場合のように原紙表面でメータリングする必要はなく、原紙6の凹凸の影響を受けないことから濃淡が現れることもない。したがって、原紙6の片面への色付け作業を安定して行うことができて、目標色調値の色紙を精度よく容易に製造することができる。
【0016】
なお、カーテンコータヘッド9から流下させる塗料2の色は、基材となる原紙6の色に関係なく自由に選定できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、水平方向に走行する原紙の上方位置から原紙上に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料をカーテン状に流下させることにより塗布し、次いで、原紙上に塗布された有色塗料の色調を検出して色調制御器で目標色調値と比較し、差があると目標色調値となるように上記主塗料又は補正塗料の補充量値を上記色調制御器で演算して、該色調制御器より上記容器に接続した主塗料供給ラインに設けられる制御弁又は上記容器に接続した補正塗料供給ラインに設けられる制御弁に開信号を送り、上記主塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された主塗料の補充量又は上記補正塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると、上記色調制御器より上記制御弁に閉信号を送ることより上記容器内の有色塗料の濃淡を調整して目標色調値の色紙を得るようにする色紙の製造方法、及び、水平方向に走行する原紙の上方位置に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料を原紙上にカーテン状に流下させるようにしたカーテンコータヘッドを設置し、該カーテンコータヘッドによる有色塗料流下位置の下流側に、原紙上の有色塗料の色調値を検出する色調検出器を設け、更に、上記容器に接続した主塗料供給ラインと補正塗料供給ラインのそれぞれに設けた制御弁及び流量計と、上記色調検出器で検出した色調値を目標色調値と比較して差があると目標色調値となるように主塗料又は補正塗料の補充量値を演算して上記主塗料供給ライン又は補正塗料供給ライン上の制御弁に開信号を送ると共に、主塗料又は補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると上記制御弁に閉信号を送るようにする色調制御器とを備えて上記容器内の有色塗料の濃淡を調整する色調制御装置を備えた構成を有する色紙の製造装置としてあるので、原紙の片面への色付け作業を安定して行うことができて、目標色調値の色紙を、色むらや濃淡が現れることなく精度よく容易に製造することができ、又、色調制御装置を、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器への主塗料供給ラインと補正塗料供給ラインのそれぞれに設けた制御弁及び流量計と、色調検出器で検出した色調値を目標色調値と比較して差があると目標色調値となるように主塗料又は補正塗料の補充量値を演算して上記主塗料供給ライン又は補正塗料供給ライン上の制御弁開信号を送ると共に、主塗料又は補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると上記制御弁に閉信号を与えるようにする色調制御器とを備えてなる構成としてあるので、簡単な構成で、オンラインで塗料の濃淡管理を確実に行うことができる、という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色紙の製造装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】ロールコータを用いて色紙を製造する場合の概略図である。
【図3】ブレードコータを用いて色紙を製造する場合の概略図である。
【符号の説明】
1 塗料タンク(容器)
2 有色塗料
2A 主塗料
2B 補正塗料
2a カーテン
3 主塗料供給ライン
4 補正塗料供給ライン
6 原紙
9 カーテンコータヘッド
10 乾燥装置
11 色調制御装置
12 色調検出器
13 制御弁
14 流量計
15 制御弁
16 流量計
17 色調制御器

Claims (2)

  1. 水平方向に走行する原紙の上方位置から原紙上に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料をカーテン状に流下させることにより塗布し、次いで、原紙上に塗布された有色塗料の色調を検出して色調制御器で目標色調値と比較し、差があると目標色調値となるように上記主塗料又は補正塗料の補充量値を上記色調制御器で演算して、該色調制御器より上記容器に接続した主塗料供給ラインに設けられる制御弁又は上記容器に接続した補正塗料供給ラインに設けられる制御弁に開信号を送り、上記主塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された主塗料の補充量又は上記補正塗料供給ラインに設けられる流量計により計測された補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると、上記色調制御器より上記制御弁に閉信号を送ることより上記容器内の有色塗料の濃淡を調整して目標色調値の色紙を得るようにすることを特徴とする色紙の製造方法。
  2. 水平方向に走行する原紙の上方位置に、濃淡の異なる主塗料と補正塗料を混合して貯留する容器から供給される有色塗料を原紙上にカーテン状に流下させるようにしたカーテンコータヘッドを設置し、該カーテンコータヘッドによる有色塗料流下位置の下流側に、原紙上の有色塗料の色調値を検出する色調検出器を設け、更に、上記容器に接続した主塗料供給ラインと補正塗料供給ラインのそれぞれに設けた制御弁及び流量計と、上記色調検出器で検出した色調値を目標色調値と比較して差があると目標色調値となるように主塗料又は補正塗料の補充量値を演算して上記主塗料供給ライン又は補正塗料供給ライン上の制御弁に開信号を送ると共に、主塗料又は補正塗料の補充量が上記演算された補充量値になると上記制御弁に閉信号を送るようにする色調制御器とを備えて上記容器内の有色塗料の濃淡を調整する色調制御装置を備えた構成を有することを特徴とする色紙の製造装置。
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