JP2516067B2 - ライナ―塗工用組成物及び塗工ライナ― - Google Patents

ライナ―塗工用組成物及び塗工ライナ―

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はライナー塗工用組成物に関するものであり、
さらに詳しくは優れた光学特性、印刷適性及び段ボール
製造適性を有する塗工ライナー及びこれを製造するため
のライナー塗工用組成物に関するものである。
(従来の技術) 段ボールは段ボールの表面及び裏面を形成するライナ
ーと、波形段を形成して表面及び裏面のライナーを一定
間隔に支持する中芯原紙とから構成されている。段ボー
ルには片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、
複複両面段ボールなどの種類がある。片面段ボールは波
形に段を付けた中芯原紙の片面にライナーを貼り合わせ
たものであり、単独で外装に用いられることはほとんど
なく、主として緩衝材として用いられる。両面段ボール
は波形に段を付けた中芯原紙の両側にライナーを貼り合
わせたもので、箱などの外装用に最も多く使用されてい
る。複両面段ボールや複複両面段ボールは波形に段を付
けた中芯原紙を複数含む多層段ボールで重量物包装に使
用される。
段ボールを箱に形成した段ボール箱は、軽量であり、
それにも拘らず、波形に段を付けられた中芯を用いるこ
とによって一定の強度と緩衝性とを兼ね備えているの
で、各種の工業製品、農産物、水産物等の包装のために
賞用されている。
ところで、最近、段ボール箱で包装された製品・商品
を的確に表示し、かつ消費者の購買意欲を喚起するため
に段ボール箱の外装部に多色の印刷を施すことがよく行
なわれるようになっている。
このような多色印刷を行なう場合、段ボール箱を製造
するためのライナーとしては白ライナーが一般に用いら
れる。ところが、一般のライナーは、通常は未晒のクラ
フトパルプを原料として抄き合わせで抄造されるため、
黄褐色である。そこで、段ボール箱用の白ライナーを製
造するには、抄き合わせの表層に晒クラフトパルプを
用いて色を白くする方法、通常の未晒クラフトパルプ
使用の黄褐色のライナーに顔料塗工を施して白くする方
法、表層に晒クラフトパルプを用いた白ライナーにさ
らに顔料塗工を施す方法などが採用される。
一方、紙に白色顔料を主成分とする顔料塗工組成物を
塗布し、優れた光学特性や印刷適性を有する紙製品を得
ることは良く知られている。即ち、カオリナイトクレイ
や加水ハロイサイトなどの粘土類、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、二酸化チタン、タルクなどの白色顔
料の水性分散物;合成ゴム系ラテックス、ポリアクリル
酸エステル系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス
などの合成高分子系ラテックス;及び澱粉、カゼインな
どの水溶性高分子の水溶液などからなる接着剤を主成分
とする顔料塗工用組成物を基紙に塗布することによって
優れた光学適性及び印刷適性を有するアート紙やコート
紙などの塗工紙及びコート白ボールやコート・マニラな
どを得ることができる。
したがって、上記のような手法を採用することによっ
て、塗工ライナーの光学特性や印刷適性をある程度の水
準にまで到達させることは可能である。
しかしながら、従来の塗工ライナーは、段ボール製造
時に塗工面に黒い汚れを生じるものが多く、このため段
ボールの商品価値が低下するので大きな問題となってい
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は段ボール製造時に塗工面の汚れを発生
せず、かつ優れた光学特性と印刷適性を有する塗工ライ
ナー及びそれを製造するためのライナー塗工用組成物を
提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、塗工面の汚れ
の発生原因について鋭意検討した結果、ライナー塗工用
組成物中の顔料の組成が関係していることを見出し、さ
らに顔料の組成について検討を進めた結果、本発明に到
達したものである。
(課題を解決するための手段) かくして本発明によれば、モース硬さ3以上の無機顔
料0〜10重量%、モース硬さ3未満の無機顔料60〜95重
量%及び有機顔料5〜30重量%より成る顔料成分を含有
することを特徴とするライナー塗工用組成物、及びこの
ライナー塗工用組成物を塗工して得た塗工ライナーが提
供される。
本発明のライナー塗工用組成物において、顔料成分10
0重量部中のモース硬さ3以上の無機顔料の含有量は10
重量部以下であることが必須であるが、好ましくは5重
量部以下であり、さらに好ましくは2重量部以下であ
る。
モース硬さ3以上の無機顔料の量が10重量部を越える
と塗工面の汚れが著しくなり段ボールの商品価値を著し
く低下させる。
モース硬さ3以上の無機顔料としては、モース硬さ3
の炭酸カルシウム(カルサイト)や水酸化アルミニウ
ム、モース硬さ5.5〜7の二酸化チタンなどを例示する
ことができるが、これらに限定されない。
さらに、本発明のライナー塗工用組成物において、モ
ース硬さ3未満の無機顔料を顔料成分100重量部中60〜9
5重量部使用することが必要である。これにより、段ボ
ールの塗工面汚れが減少し、ないしは、発生しなくな
る。
モース硬さ3未満の顔料としてはモース硬さ1のタル
クやモース硬さ1.5〜2のカオリナイトクレイなどが挙
げられるが、これらに限定されない。
さらに、上記例示以外の無機顔料の例としては、日本
粉体工業協会編「粉粒体計測ハンドブック」230〜232ペ
ージ(日本工業新聞社発行、昭和56年)に記載のものを
挙げることができる。
なお、同一化学組成を有する無機顔料であっても結晶
形状の違いによりモース硬さは異なるので、本発明の目
的に叶う硬さの無機顔料を選定しなければならない。
本発明において、無機顔料の量を制御することにより
塗工面の汚れの発生を防止できる機構は、明確ではない
が、次のように推定することができる。
即ち、段ボールは、まず150℃以上に加熱された段ロ
ールにより中芯原紙に段形を付け、段頂に接着剤を塗布
した後、これとライナーとをプレスロールで貼り合わせ
て片段ボールを形成し、次いで片段ボールの段頂に接着
剤を塗布し、反対面のライナーを貼り合わせて熱板で乾
燥することにより製造される。ところが、上記貼り合わ
せ工程及び乾燥工程において、顔料塗工されたライナー
の顔料塗工面が、プレスロールや熱板に接触する。この
とき中芯の段頂に当たる部分は熱、圧力及び摩擦力を強
く受けることになり、したがって、この部分の顔料塗工
面がロール面や熱板面を摩耗し、極くわずかではあるが
ロール面や熱板面を削り取り、これが塗工面に転写され
て塗工面に黒い汚れを発生すると考えられる。
これに対して、本発明においては、無機顔料の組成を
適切に選定することによって顔料塗工面の硬度が適切な
水準に保たれ、これによりロール面や熱板面が削り取ら
れることが防止されていると考えられる。
つぎに、本発明においては、顔料成分100重量部中に
有機顔料5〜30重量部を含有することも必須要件であ
る。
有機顔料の使用により、優れた光学特性とインク受理
性や画像再現性等の印刷適性とを塗工ライナーに付与す
ることができる。本発明においては塗工面の汚れ防止の
観点から使用しうる無機顔料に制約があるため、優れた
光学特性や印刷適性を付与するには有機顔料の使用が必
須である。また、有機顔料の使用により塗工面の汚れを
さらに低い程度に抑えることができる。これは、有機顔
料が本質的に無機顔料に比較して柔軟であることによっ
てロール面や熱板面が削り取られることが少なくなるた
めであると考えられる。
本発明において使用する有機顔料は、高分子重合体粒
子より成る顔料、即ち、広義のプラスチック・ピグメン
トである。広義のプラスチック・ピグメントは、これを
狭義のプラスチック・ピグメント(以下、単にプラスチ
ック・ピグメントという。)及びバインダー・ピグメン
トに分類することができる。
本発明において使用されるプラスチック・ピグメント
は、造膜性のない有機顔料である。その具体例として
は、大江礼三郎、吉村三郎訳「塗工用顔料と製紙用填
料」(ユニ出版、1989年発行)に記載されているものを
挙げることができるが、最も一般的なものはポリスチレ
ンである。
本発明において使用されるバインダー・ピグメント
は、バインダーすなわち接着剤の機能を有する広義のプ
ラスチック・ピグメントであればよい。ここで接着剤の
機能を有しているということは造膜性が有る、つまり、
フィルムを形成できることを意味する。フィルムが形成
されるためには、ポリマー粒子が相互に融着を起こすこ
とが必要であるが、この融着が可能な最低温度を最低造
膜温度という。したがって、バインダーとしての機能を
有するか否かは有機顔料の最低造膜温度により規定する
ことができる。
本発明において使用するバインダー・ピグメントの最
低造膜温度は、特に限定されるものではないが、ライナ
ー塗工用組成物が基材に塗布された後の乾燥工程におけ
る温度以下であることが望ましい。一般に上記温度は、
75℃程度であるので、言い換えれば、本発明において
は、バインダーピグメントとしては最低造膜温度が75℃
以下であるものを使用するのが好ましい。
本発明において使用される有機顔料の使用形態は、特
に制限されないが、通常は、乳化重合法により得られた
ラテックスとして用いられる。
また、これらのバインダー・ピグメントの製造方法と
しては、特公昭57−26692、特公昭62−31115、特公昭62
−61720、特開昭54−131013、特開昭55−45724、特開昭
63−303195などに開示されている方法を例示することが
できるが、それらに限定されない。
さらに、これらのバインダー・ピグメントの粒子構造
として、ポリスチレンを核とし、スチレン・ブタジエン
を殻とする二層構造のものが知られている(紙パルプ技
術協会誌第43巻第2号159〜166頁、1989年)が、これ以
外のものでも一向に構わない。
本発明において、有機顔料の配合量は顔料成分100重
量部中、5〜30重量部である。その量が5重量部未満で
は光学特性や印刷適性の改良効果が不十分であり、30重
量部を超えると塗工コストの上昇をもたらし、実用的で
ない。有機顔料の配合量は、得られる塗工ライナーに要
求される品質に基き決定されるが、例えば、高光沢が要
求されるときには有機顔料の配合量を増加するのが好ま
しい。
本発明のライナー塗工用組成物においては、通常、顔
料同士及び顔料と基紙とを接着するためにバインダーが
使用される。その具体例としては、カルボキシル化スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックスやカルボキシル化
スチレン−メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合
体ラテックスなどのいわゆるスチレン−ブタジエン系共
重合体系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、ポ
リアクリル酸エステル系ラテックスなどの合成高分子ラ
テックス類;澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコールな
どの水溶性高分子類などの公知のバインダーを挙げるこ
とができる。これらのバインダーは一種単独で、あるい
は二種以上を組み合わせて使用する。有機顔料としてバ
インダー・ピグメントを用いる場合において、その接着
力が十分であれば、上記の通常のバインダーを用いなく
てもよい。
本発明のライナー塗工用組成物においては、さらに、
無機顔料の分散性を向上させるための分散剤や塗工用組
成物の流動特性をコントロールするための粘度調整剤や
保水剤、pH調整剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光染
料、防腐剤などの公知の添加剤を用いることができる。
本発明のライナー塗工用組成物を基材であるライナー
に塗工することにより、光学特性及び印刷適性に優れ、
段ボール製造時に汚れを発生しない塗工ライナーを得る
ことができる。
本発明のライナー塗工用組成物をライナーに塗工する
には、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコー
ター、ブレードコーターなどの公知の塗工装置を採用す
ることができる。好ましい組成物塗工量は乾燥重量で5
〜25g/m2である。
本発明のライナー塗工用組成物を塗工する方法は、シ
ングル塗工でも、ダブル塗工でもよい。ダブル塗工にお
いては、トップ塗工層に本発明のライナー塗工用組成物
を使用するかぎり、アンダー塗工層に本発明のライナー
塗工組成物以外のものを用いることも可能である。なぜ
ならば、本発明の目的である段ボール製造時の汚れの解
決ならびに塗工面の光学特性及び印刷適性の改良は主と
してトップ塗工層に依存するからである。
本発明のライナー塗工用組成物を塗工した後の乾燥に
はシリンダードライヤーやエアードライヤーなどの公知
の乾燥装置が使用できる。必要ならば、塗工乾燥後に塗
工面に光沢付け処理を行なうことができ、これによって
塗工面の光沢や印刷適性をさらに向上させることができ
る。光沢付けの装置としてはスーパーカレンダー、グロ
スカレンダー、ソフトニップカレンダーなどの公知のも
のが使用できる。
(発明の効果) かくして本発明によれば、段ボール製造時に塗工面に
汚れを発生することなく、かつ塗工面に優れた光沢、白
色度を与え、さらに印刷時に優れたインク受理性を示す
ライナー塗工用組成物が得られる。そしてこのライナー
塗工用組成物を使用することにより、光学特性、印刷適
性に優れ、段ボール製造時に塗工面に汚れを生じない塗
工ライナーが得られる。そして、この塗工ライナーを用
いて製造された段ボールには、それで包装された製品・
商品を的確にかつ美麗に印刷表現することができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのない
かぎり、重量基準である。
実施例1 (ライナー塗工用組成物の調製) 第1表に示す配合処方にて濃度50%のライナー塗工用
組成物を調製した(表中の数値は、固形分換算で表わし
た配合部数である。)。なお、いずれのライナー塗工用
組成物にも分散剤としてアロンT40(東亜合成株式会社
製)0.2部及びバインダーとしてニュージーランド製カ
ゼイン5部を配合した。また、バインダーラテックスと
しては、クレイコート用ラテックスとして市販されてい
るスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスのNipol
Lx407C(日本ゼオン株式会社製)を使用した。その配合
量は第1表に示すとおりである。
なお、配合に用いた無機顔料のモース硬さを各製品の
カタログ記載に基いて第2表に示した。
また、配合に用いた有機顔料A〜Dは、乳化重合によ
り合成したものをラテックス状態で使用した。有機顔料
A、B及びCはいずれもバインダー・ピグメントであ
る。有機顔料A及びBはいずれもスチレンを重合して得
たポリスチレン粒子の核の上に、スチレン、ブタジエン
及びメタクリル酸よりなる単量体組成物を共重合して殻
を形成した二層構造共重合体粒子である。有機顔料Cは
スチレン、ブタジエン及びメタクリル酸より成る単量体
組成物を共重合して得た共重合体粒子の核の上に、スチ
レン及びメタクリル酸より成る単量体組成物を共重合し
て殻を形成した二層構造共重合体粒子である。有機顔料
Dはスチレンを一段階重合して得たポリスチレン粒子よ
りなるプラスチック・ピグメントである。これらの有機
顔料を構成する各共重合体の単量体組成、数平均粒子径
及び最低造膜温度を第3表に示した。なお、数平均粒子
径は有機顔料粒子の電子顕微鏡写真により、最低造膜温
度は造膜試験機(テスター産業株式会社製)により測定
した数値である。
実施例2 (塗工ライナーの製造) 第1表に示した配合処方により調製したライナー塗工
用組成物1〜16を白ライナー(表層に晒クラフトパルプ
を抄き合わせたもの)にワイヤーバー(熊谷理機工業株
式会社製)を用いて塗工し、熱風オーブン(130℃)で3
0秒間乾燥した。乾燥された紙をグロスカレンダー(由
利ロール機械株式会社製)にて光沢付けして、それぞれ
のライナー塗工用組成物に対応する塗工ライナーL1〜L1
6を得た。塗工量はいずれも7g/m2(乾燥重量)であっ
た。
(塗工ライナーの評価) 上記により得られた塗工ライナーL1〜L16について各
特性を評価した。評価方法は下記のとおりである。な
お、摩耗汚れ以外の各特性において、数値が大きいほど
その特性が優れていることを示す。
・塗工ライナーの塗工面の摩耗汚れ:塗工面を銅及びニ
ッケルの丸棒(直径1cm)で引っ掻き、引っ掻いた部分
に汚れが発生するかどうかで判定した。○印は汚れが発
生せず、×印は汚れが発生したことを意味する。
・白紙光沢:グロスメーター(村上色彩技術研究所製)
を用いて測定した。
・印刷光沢:RIテスター(明製作所製)にてオフセット
インクをベタ刷りし、乾燥後グロスメーターにより測定
した。
・白色度:ハンター白色度計(村上色彩技術研究所製)
により測定した。
・インク受理性:K&Nインクを塗工面に塗布し、2分後
に拭き取って、白色度を測定し、次式により算出した。
・表面強度:RIテスター(明製作所製)にてピッキング
テストインクを用いて加速印刷を行い、ピック(剥け)
の発生の程度により判定した。判定は5点法で行なっ
た。5がピック発生せず、1が著しくピック発生したと
の基準でその中間値はピックの発生度合により決定し
た。
評価の結果を第4表に示した。
第4表から以下のことが指摘できる。
本発明のライナー塗工用組成物1〜8を塗布した塗工
ライナーL1〜L8は、いずれも塗工面の摩耗汚れ試験にお
いて汚れを発生せず、また、白紙光沢、印刷光沢、白色
度、インク受理性及び表面強度の各試験において良好な
結果を示した。なお、ポリスチレンよりなるプラスチッ
ク・ピグメントを有機顔料Dとして用いたライナー塗工
用組成物7を塗布した塗工ライナーL7は、摩耗汚れ、白
紙光沢、印刷光沢、インク受理性においては、有機顔料
として同量のバインダー・ピグメント(有機顔料Bまた
はC)を用いたほかは同様の組成のライナー塗工用組成
物2または5を塗布した塗工ライナーL2またはL5と同等
であったが、表面強度については劣っていた。ライナー
塗工用組成物7のバインダーラテックスを増量したライ
ナー塗工用組成物8を塗布した塗工ライナーL8では良好
な表面強度が得られたが、他方、インク受理性が低下し
た。
これに対して、無機顔料中にモース硬さ3以上の無機
顔料を10重量部を超えて含有するライナー塗工用組成物
を塗布した塗工ライナーL9〜L12(対照例)では、有機
顔料の量に拘らず、摩耗汚れ試験において汚れが発生す
ることが分かる。
また、無機顔料としてモース硬さ3以上の顔料を全く
含有しないが、有機顔料の含有量が5重量部未満である
ライナー塗工用組成物13〜15を塗布した塗工ライナーL1
3〜L15(対照例)では、摩耗汚れは発生しないか軽微で
あったが、白紙光沢、白色度、印刷光沢及びインク受理
性が本発明のライナー塗工用組成物を塗布した塗工ライ
ナーより劣っていた。
さらに、顔料成分中におけるモース硬さ3の無機顔料
の含有量が10%未満であるが、有機顔料を含有しないラ
ンナー塗工用組成物16を塗布した塗工ランナーL16(対
照例)では摩耗汚れを発生した。
対照として試験に供した未塗工白ライナーL17は、摩
耗汚れの点では問題ないが、白紙光沢、印刷光沢、白色
度及び表面強度のいずれにおいても大幅に本発明例の塗
工ライナーより劣っていた。
実施例3 (実機によって製造した塗工ライナーの評価) ライナー塗工用組成物2及び10を実機エアナイフコー
ターでライナーに塗工し、得られた塗工ライナー及び未
塗工白ライナーを用いて段ボールを製造し、得られた段
ボールに印刷を行なった。その評価結果を第5表に示し
た。
この結果から、本発明のライナー塗工用組成物を用い
ることにより、優れた光学特性と印刷適性とを有し、段
ボール製造時に汚れを発生しない塗工ライナーが得られ
るのに対して、顔料組成が本発明で規定する範囲を外れ
るライナー塗工用組成物を用いた場合には、得られる塗
工ライナーがすべての特性において劣ることが分かる。
また、未塗工白ライナーを使用した場合には、段ボール
製造時の汚れはないものの、白紙光沢、白色度及び印刷
光沢において劣っていることが分かる。また、上記実施
例2において未塗工白ライナーを用いた場合、良好なイ
ンク受理性を示したにも拘らず、実機での印刷において
はニジミが発生するため、画像再現性が悪くなることが
分かる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モース硬さ3以上の無機顔料0〜10重量
    %、モース硬さ3未満の無機顔料60〜95重量%及び有機
    顔料5〜30重量%より成る顔料成分を含有することを特
    徴とするライナー塗工用組成物。
  2. 【請求項2】有機顔料の最低造膜温度が75℃以下である
    ことを特徴とする請求項(1)のライナー塗工用組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項(1)のライナー塗工用組成物を塗
    工して得た塗工ライナー。
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