JP2960127B2 - 輪転オフセット印刷用塗工紙 - Google Patents
輪転オフセット印刷用塗工紙Info
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Description
時の耐ブリスター適性が良好で、しかも高い白紙光沢及
び印刷光沢を持ち、そして印刷適性に優れた輪転オフセ
ット印刷用塗工紙に関するものである。
れるようになってきた。 又、印刷においては、高速化が進みそれに耐え得る塗
工紙が必要になってきている。高速化の意味からは輪転
オフセット印刷は優れた印刷方式であるが、枚葉オフセ
ット印刷適性に加えて優れたウエット強度と耐ブリスタ
ー適性を備えた、より高度な性能が要求される。 枚葉印刷と輪転印刷の相違点は、後者が印刷されたイ
ンキを瞬間的に乾燥させることが必要であり、この高
温、高速乾燥機中で耐ブリスター性の悪い紙は印刷用紙
として不適である。ブリスター現象は塗工紙の含有水分
が高温によって瞬間的に水蒸気になるため内部圧を生じ
ることにより発生する。この対策としては原紙の内部
結合強度を上げる、コート層の多孔性、つまり透気度
を向上させること等が考えられるが、はパルプの選
択、叩解、内添薬品等により対応する必要があり、は
塗工液に用いるラテックスの選択、カチオン化剤の添加
等が考えられる。しかしいずれの対策もそれぞれ問題点
を内在している。特に塗工液での対応は往々にして液性
の悪化を招き、操業性を損なう。 印刷物の視覚化の面から考えると不透明度に加えて、
平滑性及び高い光沢を有することが大切である。平滑性
を得るための手法は今までに知られたものがいくつかあ
る。例えば原紙への抄き込み填料を増すといったような
配合面からの対応や、原紙に下塗り塗工を施すことも効
果のある方法である。 しかし実際の塗工紙を製造する場合こうした対策を取
ろうとすると、それに伴う欠点も同時に現われ、なかな
か目的とする塗工紙を現実のものとすることは難しい。 例えば下塗り塗工の塗工方式、液組成により、最終的
に得られる塗工紙の平滑性、光沢、印刷適性、耐ブリス
ター適性および塗工層強度は大きく異なる。 塗工紙の製造に広く用いられているブレード塗工方式
は、高速薄層塗布が可能であり良好な塗工面の平滑性が
得られるため、原紙の下塗りにもよく用いられている。
この塗工方式は前もって原紙上に過剰に与えられた塗工
液をブレード先端においてかなりの圧力を塗工面に与え
ることで塗工液を掻き落とすことで計量し、塗工面を平
滑化させることを特徴としている。そのため、塗工層が
圧縮されてしまい透気度の高い、嵩高な塗層構造を得る
ことがなかなかできない。そのため耐ブリスター適性が
犠牲となってしまう。ブレード塗工方式において、嵩高
な下塗り塗工層を得るために、通常塗工液中に顔料とし
てタルク、デラミネーテッドクレー等の偏平顔料、また
添加剤としてカチオン化剤等を配合することがよく行わ
れる。しかしながらこれらの素材を用いることにより塗
工液の液性は悪化してしまう。特にブレード直下におけ
る高ずり速度時の粘度、すなわちハイシェア粘度が高く
なってしまい、そして塗工時にストリークやクラッチ等
も発生しやすくなり、更には著しいブレードの摩耗が起
こるため、操業性の点で大きな問題となってしまう。ま
たブレード塗工方式は予め原紙上に過剰の塗工液を塗布
しておき、その後ブレード直下で塗工液を掻き落とすい
わゆる後計量方式であるため、塗工液にある程度の保水
性を持たせておかないと、塗液の原紙上へのアプリケー
トからブレードに達するまでに塗工液中の水が原紙中に
選択吸収されてしまい、塗工液の粘度、濃度が上昇して
しまう。それゆえ、長い時間塗工を続けていると塗工液
の液性が経時的に変化してしまい、安定した製品が得ら
れなくなる場合が生ずる。 一般的にゲートロールコーター等のロール転写コータ
ーは原紙の下塗りに広く用いられている。この塗工方式
はメタリングロールにより予め計量された塗工液を原紙
に転写、塗工するいわゆる前計量方式である。そのた
め、ブレード塗工方式のような液性面での問題やストリ
ーク、スクラッチ等の問題が生じないというメリットが
ある。しかしながら塗工液転写時に塗工面にある程度の
圧力がかかるため塗工液が原紙中に浸透し、嵩高な塗層
構造が得られず、また塗工液を転写したロールと塗工さ
れた原紙が離れる際に塗工面が粗くなってしまい、ブレ
ード塗工方式のような良好な平滑性を得ることができな
い。また、前計量により塗工量が制限され、塗工速度も
限られてしまうため高塗工量、高速塗工にも向いていな
い。 下塗り塗工を行った原紙が、それがサイズプレス処理
を受けていない場合には特に、印刷時の表面強度を確保
するため、一般的に下塗り層のバインダーを多くする必
要がある。特にロール転写コーターの場合塗工量が制限
があるため、その傾向が顕著である。このためバインダ
ー系を工夫しない限り、又たとえ多少の工夫をしたとし
ても耐ブリスター性を確保することが難しい。 以上のような現状から耐ブリスター適性が良好で、白
紙光沢、印刷光沢、平滑性そして塗工層強度に優れた塗
工紙を安価に操業性よく実現すること、特に輪転オフセ
ット印刷用塗工紙として得ることができないのが現状で
あり、その実現が塗工紙を製造する者にとって大きな課
題となっている。
が良好で、優れた白紙光沢、印刷光沢および印刷適性を
有する輪転オフセット印刷用塗工紙を得ることである。
分とした塗工層を有し、そのうち原紙と接触する塗工層
が、ゲル含有量が15〜70重量%である共重合体ラテック
スを含み塗工液をカーテン塗工方式により塗抹したもの
であり、かつ下塗り後の塗工層の透気度が100mmHg以上
であることを特徴とする輪転オフセット印刷用塗工紙で
ある。 本発明においては、上記の如く、原紙と接触する塗工
層をカーテン塗工方式により塗抹することを特徴として
いるが、顔料およびバインダーを主成分とする塗工液を
コーターヘッドに送液し、自由落下あるいは加圧により
垂直カーテン膜を形成して原紙上に塗工するカーテン塗
工方式によるものである。一般塗工紙の製造について
は、すでに英国特許第1,279,817号にあるように、従来
よりごく一般的に行われている。しかしながらオフセッ
ト輪転用多層コート紙の製造において、下塗り層にカー
テン塗工方式を用いたものはいまだ見当たらない。 本発明はカーテン塗工方式によりゲル含有量が15〜70
重量%である共重合体ラテックスを含む塗工液を輪転オ
フセット印刷用塗工原紙の下塗り塗工に適用し、その塗
工層の透気度を100mmHg以上とする事により、印刷適性
に優れ、しかも耐ブリスター適性の向上に多大な効果を
生ぜしめることを見出したものである。 本発明でいうゲル含有量が15〜70重量%である共重合
体ラテックスとは、特にはスチレン・ブタジエン系、・
アクリル系、スチレン・ブタジエン・アクリル系ラテッ
クスを指すものである。ここでいうゲル含有量とは、室
温乾燥にてラテックスフイルムを作成し、そのフイルム
を約200〜800倍のベンゼンに入れ、48時間放置溶解し、
瀘紙(#2)で瀘過後、瀘液を70℃で乾燥し、ラテック
スフイルムのゾル量より換算し算出した値である。 ゲル含有量が特異な範囲のラテックスを使用する方法
として、特開昭62−162097号公報に示すような方法(ゲ
ル含有量5〜60重量%)がある。しかしながら使用する
ラテックスとして、そのゲル含有量が15重量%未満であ
ると十分な接着強度を得る事ができない。一方、ゲル量
の上限は主に耐ブリスター適性の点から決まるが、それ
でも、70重量%を越えると、耐ブリスター効果が無くな
るばかりでなく、その後のカレンダー処理による平滑化
効果も低下する。 尚かかる顔料の特定のゲル含有量を有するラテックス
の使用量は下塗り顔料塗工層の全顔料に対して、7重量
%から30重量%が好ましく、7重量%以下では強度を保
つために他のバインダーを併用せざるを得ず、こうした
場合には耐ブリスター適性の効果が無く、30重量%より
多くなっても耐ブリスター適性の効果が劣ってしまう。 本発明で用いる塗工紙用顔料としては、カオリン、重
質および軽質炭酸カルシウム、クレー、サチンホワイ
ト、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリ
カ、酸化亜鉛、活性白土、酸性白土、珪素土、レーキ、
プラスチックピグメント等が挙げられる。 本発明で下塗り層で併用される、あるいは上塗り層に
用いられるバインダーとしては、スチレン・ブタジエン
系、スチレン・アクリル系、酢ビ系・アクリル系、エチ
レン・酢ビ系・ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ
・ブチルアクリレート系等の各種共重合体及びポリビニ
ルアルコール、無水マレイン酸・スチレン共重合体、イ
ソブテン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチ
ルメタクリレート系共重合体等の合成バインダー、酸化
澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉
やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱
粉、カゼイン、大豆蛋白質の天然系バインダーなどの一
般に知られたバインダーが挙げられる。また必要に応じ
て、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色
剤等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。 また、本発明において、下塗り塗工層の透気度が100m
mHg以上であることを特徴としている。一般的に耐ブリ
スター適性を持たせるためには塗工層の多孔質化、つま
り透気度を高くした方がよいといわれていることは前述
した。しかしながら下塗り層の透気度を高くすることは
塗工層強度を充分満足する程バインダーを配合した場合
にはブレード塗工方式では難しい。ブレード塗工方式で
塗工液を原紙上に塗工した場合の塗工紙の一般的な透気
度は、その塗工量にもよるが、両面塗工で8g/m2以上で
は60mmHg以下である。また比較的透気度が得られやすい
エアナイフ塗工方式では、エアナイフパターンのため充
分な平滑性が得られず、上塗り塗工後の印刷適性を損な
う事となり、高速塗工にも向いていないので、品質特性
と併せて操業面でもマイナス面がある。 本発明において特徴とされるカーテン塗工方式は、ブ
レード塗工方式やエアナイフ塗工方式などと異なりコー
ターヘッドに送液される塗工液のヘッド先端の液出口
(以後、「リップ」という。)からの流出量という形で
計量され、塗工後にブレードやエアナイフ等のように計
量されることのない前計量方式であるため、計量時に加
圧による原紙中への塗工液の浸透が少なく、塗工液の掻
き落としによる塗工層表面の凹凸が生じない。そのた
め、この塗工方式により塗工液を原紙上に塗工すると、
嵩高な塗層構造が得られ、透気度がブレード塗工方式に
比べて高くなり、また塗工層が原紙表面を均一に被覆す
る。更にブレード塗工した塗工紙とカーテン塗工した塗
工紙の透気度が同一である場合、平滑度は、カーテン塗
工を行った塗工紙の方が良好であるため、上塗りをした
際でも耐ブリスター適性を損なわずに上塗り塗工後の光
沢、平滑性、塗工層強度の優れた塗工紙が得られるもの
と考えられる。また耐ブリスター適性は、一般的に塗工
量の増加に伴い悪くなるが、カーテン塗工方式ではその
特徴である塗工層の嵩高性および高い透気性により厚塗
り塗工時の耐ブリスター適性の悪化が抑えられ、高塗工
量塗布にも非常に有効である。 更にカーテン塗工方式はブレード塗工方式と同じ程度
の高速塗工が可能であり、塗工液に高剪断応力がかから
ないため、塗工液の高濃度、高粘度化が可能となり、他
の塗工方式に比べ操業性の面でもかなりの優位性を持
つ。 本発明において、顔料及び接着剤を主成分とした塗工
液を原紙に下塗り塗工するカーテン塗工方式による塗工
液の垂直カーテン膜の形成法は特に限定されるものでは
なく、自由落下および加圧による方法をも含んでいる。 以下、添付図面に基き、本発明の実施態様について詳
細に説明する。 第1図は本発明の実施態様を示す輪転オフセット印刷
用塗工紙の下塗り塗工用の塗工装置の概略図である。 予め調製された顔料およびバインダーを主成分とする
塗工液1は液工液貯蔵タンク2より定量ポンプ3によっ
てコーターヘッド4へ送られる。この際、塗工液の送液
量は最終製品の塗工量および塗工量のライン速度と比例
関係にあるため、コーターヘッド4への塗工液の送液量
コントロールは精度よく行う必要がある。それ故に定量
ポンプ3としては可変流量型の無脈動定流量ポンプが適
当である。 コーターヘッド4の内部はマニホールド5a、5b、スリ
ット6からなり、それぞれ高精度の仕上げが施されてい
る。供給された塗工液1はマニホールド5a内に満たさ
れ、更にマニホールド5bに送られ巾方向における圧力分
布が均一化され、最終的にスリット6において塗工液は
巾方向の圧力分布および流速分布が均一化されてリップ
より流出し、垂直なカーテン膜7を形成する。更に形成
させた垂直カーテン膜7を安定した状態に保持するた
め、エッジガイド8a、8bが設けられている。塗工液1に
より形成された垂直カーテン膜7は、連続走行している
原紙9と接触し、原紙9に塗工される。ここでエッジガ
イド8a、8bはコーターヘッド4の巾を越えず、更に原紙
9の巾を越えて設けられ、垂直カーテン膜は原紙9の巾
を越えて形成される。原紙9の巾を越えて流下する塗工
液1は、受液槽10に回収され、塗工液貯蔵タンク2に戻
された後再び塗工される。垂直カーテン膜7が原紙9の
巾を越えて形成されているのは、垂直カーテン膜7の両
端部における塗膜の厚塗りを防止するためである。連続
走行している原紙9と垂直カーテン膜7との接触部(以
後、「塗工部」という。)の両側には原紙9に導かれて
くる空気流を遮蔽し、カーテン周辺の空気の回流などで
垂直カーテン膜7が乱れることなく原紙9に達するよう
にするため遮風板11a、11bが設けられている。また、原
紙9の搬送方向は塗工部の直前でローラー12により方向
転換することにより、原紙9に導かれてくる空気流の塗
工部への影響を最小限にとどめるように構成されてい
る。形成された垂直カーテン膜7を安定した状態で塗工
するためには原紙9からリップまでの高さがある程度必
要とされるが、本実施態様においてはその高さを制御す
ることも可能であり、垂直カーテン膜7の安定に適した
高さは60〜180mm、好ましくは80〜150mm、更に好ましく
は90〜120mmが適当である。原紙9が切断した時など塗
工が中断された場合も塗工液1は受液槽10に回収され
る。 本実施態様においては、塗工過程において塗工液が外
部より高剪断応力等の作用を受けず、また前計量方式で
あるため、原紙に水が選択吸収されて塗工液が高濃度化
することもないので、塗工液を循環再使用しても塗工液
の組成が経時的に変化することもないから、安定した下
塗り塗工原紙を製造することが可能であり、塗工速度の
増加においてもかかる効果を期待できる。 また塗工液量は予め計量された後原紙上に塗工される
ため、その量は必要最小限となり、ブレードやエアナイ
フ塗工方式のように塗工液を過剰に供給することがな
く、その供給量は1/2以下となる。塗工液を自由落下あ
るいは加圧により垂直カーテン膜を形成して原紙上に塗
工するカーテン塗工方式において、塗工量は原紙9の走
行速度と塗工液1の単位時間あたりの供給量によって決
定されるが、理論的には最低供給液量は垂直カーテン膜
を安定に形成することが可能である量であり、それは極
めて少ない量である。そして1000〜1200m/minの塗工速
度による塗工も可能であり、更にカーテン塗工方式にお
いては前述の通り嵩高な塗工層を得ることが可能である
ため、低塗工量塗布、すなわち塗工量を非常に少なく抑
えることが可能である。このことは同時に乾燥負荷を減
少せしめることをも可能としている。 本発明は以上の実施態様に限定されることなく、様々
な変形が可能であることは言うまでもない。 前述した実施態様において、形成した垂直カーテン膜
の巾は原紙9の巾より大としたが、これは塗工層両端部
における塗工量の増加を防止するためであって、このよ
うな塗工量増加が小であるか、もしくはあまり問題とさ
れない場合、または特公昭49−14130号公報等に開示さ
れる方法その他塗工量増加防止方法を採用することによ
り解消しうる場合には、垂直カーテン膜を原紙9の巾に
一致させるか、あるいはこれより多少小としても差し支
えない。 下塗り塗工後の原紙は乾燥工程を経て従来と同様の方
法で上塗り塗工が施される。上塗り塗工液を下塗り塗工
後の原紙に塗工する際の方法は特に限定されるものでは
なく、各種ブレードコーター、ロール転写コーター、エ
アナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコー
ター、ショートドゥエルコーター、カーテンコーター、
ダイコーター、等の通常の各種塗工装置を用いることが
可能であるが、印刷適性などの最終的な特性を考慮する
と、特にブレードコーターが好ましい。 上塗り塗工は通常下塗り塗工後の原紙を乾燥工程を経
た後で行っているが、下塗り塗工後の原紙を乾燥工程な
しで前述の各種塗工装置を用いて直接上塗り塗工液を塗
工するいわゆるウェットオンウェット塗工による塗工方
法の場合も包含される。この方法によれば、各塗工ごと
で乾燥工程を必要としないため、工程が簡素化される
し、塗工層を一度に乾燥させるため、乾燥負荷を一層減
少せしめることが可能となるという操業面における大き
な利点を生ずる。 下塗りおよび上塗り塗工された原紙は従来と同様の方
法によって乾燥され、巻取られた後、カレンダー処理を
経て仕上げられる。カレンダー処理をする際の装置は特
に限定されるものではなく、スーパーカレンダー、グロ
スカレンダー、ソフトカレンダー等の各種カレンダー装
置により処理される。
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。 なお、実施例中の諸測定値は次の方法によって得られ
たものである。 1)ゲル含有率:室温乾燥にてラテックスフィルムを作
成し、そのフィルムを約200から800倍のベンゼンに入
れ、48時間放置溶解し、瀘紙(#2)で瀘過後、瀘液を
70℃で乾燥し、ラテクスフィルムのゾル量を求め、この
値より換算して算出した。(重量%表示) 2)透気度:スムースター透気度試験機(東英電子工業
株式会社製、型式SM−6A)により測定した。(単位:mmH
g) 3)平滑度:スムースター平滑度試験機(東英電子工業
株式会社製、型式SM−6A)により測定した。(単位:mmH
g) 4)白紙光沢度:JISP8142に従い、角度75度で測定し
た。(単位:%) 5)重色印刷光沢度:ローランドオフセット印刷機にて
印刷し、一昼夜室温にて放置し、サンプルのブラック、
マゼンタ、シアン、イエローの4色重ね刷りベタ印刷部
について、60度の角度で光沢を測定した。(単位:%) 6)塗層強度ドライ:RI印刷機(明製作所)を用いてIPI
インキにより印刷し、印刷面のピッキングの程度を目視
判定した。5段階評価で5が最も良い水準。 7)塗層強度ウエット:RI印刷機(明製作所)を用いて
ロールで試験片上に水を付け、その直後にIPIインキで
印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視判定し
た。5段階評価で5が最も良い水準。 8)耐ブリスター性:試験片の両面に市販オフセット輪
転印刷用インキをRI印刷機にて印刷し、その試験片をア
ルミフォイルでつつみ、300℃のシリコンオイル中に5
秒間入れ、そのブリスターの出方を目視判定した。5段
階評価で5が最も良い水準である。 なお、以後の実施例において用いられる「部」とは重
量部を意味するものである。 実施例1 ・LBKP(瀘水度350mlcsf):30部 ・NBKP(瀘水度420mlcsf):70部 以下の実施例、比較例に於いて特に断わらない限り、上
記のパルプ配合で調成される。 <内添薬品> ・軽質炭酸カルシウム :10部* (平均粒径:1μ、カルサイト系) *原紙中灰分量で表示。 ・市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤 (AKD) :0.03部 ・市販カチオン化澱粉 :0.2部 ・市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤:0.0
3部 以下の実施例、比較例に於いて、特に断わらない限り、
内添薬品は上記の配合で調成される。 上記の配合で40g/m2の坪量(絶乾)の原紙を抄造し、
これに対してカーテンコーターで以下の配合の濃度58%
の塗液を塗工速度1000m/minで片面当たり4g/m2の塗工量
で両面塗工した。 ・市販重質炭酸カルシウム (エスカロン1500) :50部 ・市販2級カオリン(ウルトラコート) 50部 ・市販ポリアクリル酸系分散剤 :0.2部 ・市販燐酸エステル化澱粉 : 8部 ・スチレン・ブタジエン・ラテックス (ゲル含有量:30重量%) :12部 ・水酸化ナトリウム :0.15部 以下の実施例、比較例に於いて、特に断わらない限り、
下塗り塗液は上記の配合で調製される。下塗り塗工量も
通例、上記に同じ。 上記の条件で下塗りした原紙に対して、下記の配合の
濃度63%の塗液を塗工速度1000m/minで片面当たり8g/m2
の塗工量で、ブレードコーターで両面塗工した。 <上塗り塗液配合> ・市販2級カオリン(ウルトラコート) :70部 ・市販湿式重質炭酸カルシウム (カービタル90) 30部 ・市販ポリアクリル酸系分散剤 :0.1部 ・市販燐酸エステル化澱粉 : 5部 ・スチレン・ブタジエン・ラテックス (ゲル含有量;55重量%) :11部 ・ステアリン酸カルシウム :0.3部 ・水酸化ナトリウム :0.15部 ・塗液固形分濃度 :63% 以下の実施例、比較例に於いて、特に断わらない限り、
上塗り塗液は上記の配合で調製される。上塗り塗工量も
通例、上記に同じ。 上記の条件で塗工された塗工紙を以下の条件で、塗
工、乾燥直後にスーパーカレンダー処理した。 <スーパーカレンダー処理条件> ・処理速度:600m/min ・線圧:200kg/cm ・ホローロール温度:65℃ 実施例1の製品の特性は第1表にまとめたが、満足の
いく特性値が得られている。 実施例2 下塗り液に配合するラテックス・ゲル含有率を20重量
%としたほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1と同じ
塗工条件で塗工を施し、やはり実施例1と同じ条件で処
理を行った。 実施例2の製品の特性は第1表にまとめたが、特性値
は満足する水準に有る。 実施例3 上塗り液に配合するラテックス・ゲル量を70重量%と
したほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1と同じ塗工
条件で塗工を施し、やはり実施例1と同じカレンダー条
件で処理を行った。 実施例3の製品の特性は第1表にまとめたが、特性値
は満足の水準にある。 実施例4 下塗り液に配合するラテクス・ゲル含有率を65重量%
とし、上塗り液に配合するラテックスのゲル含有率を30
重量%としたほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1と
同じ塗工条件で塗工を施し、やはり実施例と同じカレン
ダー条件で処理を行った。 実施例4の製品の特性は第1表にまとめたが、特性値
は満足する水準にある。 実施例5 下塗り液の塗工量を2g/m2としたほかほ実施例1と同
じ塗工条件で塗工を施し実施例1と同じカレンダー条件
で処理を行った。 実施例5の製品の特性は第1表に示したが、実施例1
と比べ、平滑度および白紙、印刷光沢は低下するが、耐
ブリスター適性は若干良好となり満足のいくレベルとな
る。 実施例6 下塗り液の塗工量を6g/m2としたほかは実施例1と同
じ塗工条件で塗工を施し実施例1と同じカレンダー条件
で処理を行った。 実施例6の製品の特性は第1表に示したが、実施例1
と比べ、耐ブリスター適性は若干低下するものの比較例
7より良好で満足のいくレベルとなる。 実施例7 原紙坪量を60g/m2、下塗り液の塗工量を10g/m2、上塗
り液の濃度を50%とし、エアナイフコーターにより塗工
速度500m/minで塗工量20g/m2として塗工したほかは実施
例1と同じ条件により処理を行った。 実施例7の製品の特性は第1表に示したが、高塗工量
であるにもかかわらず、耐ブリスター適性はそれほど低
下していない。同じ塗工量である比較例8より確実に耐
ブリスター適性は良好である。 比較例1 下塗り液に配合するラテックス・ゲル含有率を75重量
%としたほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1と同じ
塗工条件で塗工を施し、やはり実施例1と同じカレンダ
ー条件で処理を行った。 比較例1の製品特性は第1表にまとめたが、実施例1
に比べ、耐ブリスター適性が著しく低下し満足のいく特
性値が得られない。 比較例2 下塗り液に配合するラテックス・ゲル含有率を90重量
%とし、上塗り液に配合するラテックスのゲル含有率を
30重量%としたほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1
と同じ塗工条件で塗工を施し、やはり実施例1と同じカ
レンダー条件で処理を行った。 比較例2の製品特性は第1表にまとめたが、実施例1
に比べ、耐ブリスター適性が著しく低下し、満足のいく
特性値が得られない。 比較例3 下塗り液に配合するラテックス・ゲル含有率を10重量
%とし、上塗り液に配合するラテックスのゲル含有率を
55重量%としたほかは実施例1と同じ原紙に、実施例1
と同じ塗工条件で塗工を施し、やはり実施例1と同じカ
レンダー条件で処理を行った。 比較例3の製品特性は第1表にまとめたが、実施例1
に比べ、耐ブリスター適性は同じ程度であるが、ウェッ
ト塗層強度が著しく低下し、満足のいく特性値が得られ
ない。 比較例4 実施例1と同じ製造条件で調製した原紙に、下塗り塗
工速度800m/minでゲートロールコーターを用いたほかは
実施例1と同じ塗工条件で塗工を施し、実施例1と同一
のカレンダー条件で処理を行った。 比較例4の製品の特性は第1表にまとめたが、実施例
1に比べ、透気度が若干低くなり、耐ブリスター適性が
低下する。 比較例5 実施例1と同じ製造条件で調製した原紙に、下塗りに
ブレードコーターを用いて実施例1と同じ塗工条件で塗
工を施し、実施例と同じカレンダー条件で処理を行っ
た。 比較例5の製品の特性は第1表にまとめたが、実施例
1に比べ密度が高く、透気度が著しく低くなり、耐ブリ
スター適性が低下する。 比較例6 実施例5と同じ塗工条件で下塗りにブレードコーター
を用いて塗工し、実施例1と同じカレンダー条件で処理
を行った。 比較例6の製品の特性は第1表に示したが、実施例5
と比べ、平滑度および白紙、印刷光沢は良好であるが、
透気度および耐ブリスター適性は低下する。 比較例7 実施例6と同じ塗工条件で下塗りにブレードコーター
を用いて塗工し、実施例1と同じカレンダー条件で処理
を行った。 比較例7の製品の特性は第1表に示したが、実施例6
と比べ、透気度および耐ブリスター適性は著しく低下す
る。 比較例8 下塗りにブレードコーターを用いた他は実施例7と同
じ塗工条件で塗工、処理を行った。 比較例8の製品の特性は第1表に示したが、実施例7
と比べ、透気度および耐ブリスター適性が著しく劣って
いる。
い下塗り塗工層が得られる事により耐ブリスター適性が
良好で、しかも優れた白紙光沢、印刷光沢および印刷適
性を有する輪転オフセット印刷用塗工紙を得ることがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも2層以上の顔料及び接着剤を主
成分とした塗工層を有し、そのうち原紙と接触する下塗
り塗工層が、ゲル含有量が15〜70重量%である共重合体
ラテックスを含む塗工液をカーテン塗工方式により塗抹
したものであり、かつ下塗り後の塗工層の透気度が100m
mHg以上であることを特徴とする輪転オフセット印刷用
塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21732790A JP2960127B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 輪転オフセット印刷用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21732790A JP2960127B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 輪転オフセット印刷用塗工紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04100998A JPH04100998A (ja) | 1992-04-02 |
JP2960127B2 true JP2960127B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=16702443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21732790A Expired - Lifetime JP2960127B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 輪転オフセット印刷用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2960127B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
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---|---|---|---|---|
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EP1249533A1 (en) | 2001-04-14 | 2002-10-16 | The Dow Chemical Company | Process for making multilayer coated paper or paperboard |
JP2002317397A (ja) * | 2001-04-23 | 2002-10-31 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 環境対応型インキ用のオフセット印刷用塗工紙および易脱墨性印刷物 |
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US7473333B2 (en) | 2002-04-12 | 2009-01-06 | Dow Global Technologies Inc. | Process for making coated paper or paperboard |
AU2002335033A1 (en) | 2002-10-15 | 2004-05-04 | Dow Global Technologies Inc. | Method of producing a multilayer coated substrate having improved barrier properties |
WO2004035931A1 (en) * | 2002-10-15 | 2004-04-29 | Dow Global Technologies Inc. | Process for making coated paper or paperboard |
JP2006299430A (ja) * | 2005-04-15 | 2006-11-02 | Voith Paper Patent Gmbh | 塗工紙の製造方法 |
-
1990
- 1990-08-17 JP JP21732790A patent/JP2960127B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04100998A (ja) | 1992-04-02 |
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