JP3257720B2 - 顔料塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

顔料塗被紙及びその製造方法

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JP3257720B2 JP13171893A JP13171893A JP3257720B2 JP 3257720 B2 JP3257720 B2 JP 3257720B2 JP 13171893 A JP13171893 A JP 13171893A JP 13171893 A JP13171893 A JP 13171893A JP 3257720 B2 JP3257720 B2 JP 3257720B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料塗被紙及びその製
造方法に関し、特に、カーテン塗布装置により得られる
顔料塗被紙及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料塗被紙は、非塗工の上質
紙と比較して平滑性に優れ、インキの吸収性が均一であ
るため、印刷用紙として広く用いられている。特に近
年、印刷物の視覚化が進み、多色印刷が施されるカラー
印刷の比率が高まり、顔料塗被紙に対する要求も高いも
のとなっている。
【0003】顔料塗被紙に対する要求品質は数多くある
が、印刷が施される塗層表面の平滑性が高いこと、印刷
インキが受理される塗層の厚み及び密度が均一であるこ
とが重要である。
【0004】塗層表面の平滑性は、印刷インキの受理量
に影響を及ぼす。つまり、塗層表面の平滑性が低いと、
特に平版であるオフセット印刷においては、相対的に窪
んだ部分と突出した部分で印刷インキの受理量が異な
り、インキの受理量が均一であるべき画線部でインキの
濃淡ムラを生じ、印刷物としての品質が損なわれる。
【0005】塗層の厚み及び密度は、塗層に受理された
印刷インキあるいは湿し水の浸透量に影響を及ぼす。つ
まり、塗層の厚みが不均一である場合には、インキの塗
層表面における受理量が均一である場合でも、相対的に
塗層の厚みが薄い部分では、印刷インキを塗層内部で吸
収でき得る容量が少ないため、原紙層までインキが浸透
し、塗層表面のインキの量が相対的に低下して濃度ムラ
を生じたり、裏面に表面の画像が透ける「裏写り」と呼
ばれる障害が発生したりする。塗層の密度が不均一であ
る場合、密度が高い部分で、浸透速度が遅くなるため、
表面における印刷インキあるいは湿し水の存在量は相対
的に多くなる。特に、印刷インキの表面存在量が多い場
合には、相対的にインキ濃度が高くなり、濃度ムラの原
因となったり、また、印刷インキの固化が不十分な場合
には、バックトラップモトルを生じる。湿し水の表面存
在量が多い場合には、次に転写すべき印刷インキの転写
量が抑制されるため、濃度ムラを生じる。したがって、
塗層の厚み及び密度は、印刷品質を考慮した場合、均一
であることが望ましい。
【0006】かかるような品質要求を満たす手段とし
て、原紙に多層塗布を行う方法がある。つまり、原紙層
の地合に起因する表面凹凸が存在する原紙上に、単層の
塗層を塗布した場合、塗層表面において高い平滑性を得
ることと、塗層の厚みあるいは密度において高い均一性
を得ることの2つの条件を同時に満たすことは極めて困
難である。したがって、多層塗布を行うことにより、最
上層となる第2層(以下、第2層と略す。)が塗布され
る第1層で、原紙あるいは下塗層を設けた原紙(以下、
塗布原紙と略す。)表面の平滑性を改善し、第2層にお
いて、高い平滑性、均一な厚み及び密度を達成すること
ができる。
【0007】かかる方法において、第2層の塗布を行う
塗布方式は多岐にわたるが、具体的には、ブレード塗布
方式、エアナイフ塗布方式、ロール塗布方式を挙げるこ
とができる。これらの塗布方式の共通した特徴として
は、比較的に簡単な操作で、顔料及び接着剤を主成分と
する塗布液の塗布が行えることである。しかしながら、
これらの塗布方式では、高品質な顔料塗被紙を得ること
ができなかった。
【0008】すなわち、ブレード塗布方式は、過剰に塗
布液を塗布原紙に供給した後、余剰の液をブレードによ
り掻き落とす後計量型の塗布方式である。ブレード塗布
方式において、不可避の塗布欠陥はストリーク及びスク
ラッチであるが、塗布原紙に第1層を設け平滑化した場
合、かかる塗布欠陥の原因となる異物の排除が困難で、
欠陥発生は顕著なものとなる。また、かかる塗布方式で
は、余剰な液の供給から計量までの間に、第1層を設け
た塗布原紙(以下、ウェブと略す。)に塗布液中の水あ
るいは接着剤成分が必要以上に浸入し、計量時のブレー
ド直下で塗布液に高い圧力が加えられるため、塗布液中
の水あるいは接着剤成分のウェブへの浸入は、さらに顕
著に進行する。このため、第2層で、相対的に接着剤成
分が少なくなるため、塗層強度が低くなる。また、余剰
分として掻き落とされた液は、供給前の液の組成と異な
り、時間の経過とともに塗布液の組成が変化し、安定し
た品質の製品を得ることができない。
【0009】エアナイフ塗布方式は、過剰に塗布液をウ
ェブに供給した後、余剰の液を風圧により掻き落とす後
計量型の塗布方式である。かかる塗布方式は、エアナイ
フ特有のパターンを塗層に発生し易く、このことによ
り、第2層表面の平滑性は著しく低下し、厚みも不均一
になる。また、かかる塗布方法では、塗布速度を高速度
化する場合、あるいは、液濃度を高濃度化する場合に
は、風圧を高くする必要があるが、風圧を大きくする
と、かかるパターンの発生が、さらに顕著になるばかり
でなく、空気流の流れの乱れが発生し、吹き出しによる
騒音も著しいものとなる。したがって、風圧を徒らに大
きくすることができないので、比較的に高粘度の液を高
速で塗布することが要求される顔料塗被紙の製造には適
さない。
【0010】ロール塗布方式は、ロールの組み合わせ等
により様々な形式のものが存在するが、基本的には、複
数ロールを組み合わせてロール間での塗布液の転写によ
り液を計量しウェブに転写する塗布方法が一般的であ
る。かかる塗布方式は、ロール特有のパターンを発生し
易く、また、塗布ロール面とウェブの転写後の剥離の際
に第2層の平滑性が低下し、さらに、厚みも不均一とな
り、近年の印刷用紙に対する要求品質を満たすことは難
しい。
【0011】カーテン塗布方式は、第1層において平滑
性が極めて高い場合には、ブレード、エアナイフ及びロ
ール塗布方式における固有の問題を解決する塗布方式で
ある。しかし、カーテン塗布方式では、掻き落としがな
く、均一な厚みを持つカーテン膜の厚みが、そのまま第
2層の厚みに反映されるため、塗布が行われる第1層表
面の形状は、カーテン塗布された第2層の表面の形状に
重大な影響を及ぼすことになる。つまり、塗層の厚み及
び密度は均一であるが、平滑性が低かったり、カレンダ
ー仕上げ後には、平滑性は高くなるが、塗層の厚み及び
密度が不均一となる不都合を生じる場合がある。
【0012】さらに、計量時に塗布液に高い圧力が負荷
される後計量型の塗布方式では、ウェブに凹凸が存在す
る場合にも、凹部に塗布液が押し込まれるが、カーテン
塗布方式では前計量型の塗布方式であり、塗布時に塗布
液に負荷される圧力が低いため、ウェブに凹凸が存在す
る場合、凹部に塗布液が押し込まれず、塗層が凸部での
み形成され、塗布むらとなる不都合が生じる場合があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、後計
量型の塗布方式であるブレード塗布方式、エアナイフ塗
布方式、ロール塗布方式では得ることが難しかった第2
層の平滑性が高く、厚み及び密度が均一な顔料塗被紙を
得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、顔料及び接着
剤を主成分とする塗層を原紙の片面に少なくとも2層有
する顔料塗被紙及びその製造方法において、第2層が塗
布される第1層に含まれる顔料を、該第1層に含まれる
全顔料に対して粒子径5μm以上の顔料粒子の体積分率
が10%以下のものとし、第2層をカーテン塗布装置を
用いて塗布することにより、第2層の平滑性が高く、厚
み及び密度の均一性が高い顔料塗被紙が得られることを
見いだしたものである。
【0015】つまり、カーテン塗布方式では、均一な厚
みを持つカーテン膜の厚みが、そのまま塗層の厚みに反
映されるため、第2層の塗布が施される第1層表面の微
細な粗さは、第2層の表面の平滑性、第2層の厚み及び
密度に重大な影響を及ぼす。したがって、第1層を構成
する顔料を微細なものとすれば、第2層表面の平滑性や
第2層の厚み密度の均一性は向上し、印刷が施される顔
料塗被紙として好ましい特性を得ることができるように
なる。
【0016】また、第1層の表面の粗さは、単に第2層
の平滑度、厚み及び密度に影響を及ぼすだけでなく、カ
ーテン膜と第1層が接触する領域(以下、塗布線領域と
称す。)で、ウェブに同伴し、塗層とウェブ層の間で空
気層を形成する空気の量と密接な関係がある。つまり、
第1層に粒子径の大きな顔料が含まれる場合には、第1
層表面で空気の攪乱が起こったり、塗布線において部分
的にカーテン膜と第1層表面のなす角度が変化し易く、
結果として、濡れの起こらない部分で空気同伴が発生
し、塗層に気泡が残留する。特に、粒子径の大きな顔料
で構成される凹凸部の凹部でかかる気泡の残留が起こり
易い。
【0017】ここで、第1層を構成する顔料に関して、
鋭意検討を行ったところ、第2層が塗布される第1層の
顔料を、該第1層に含まれる全顔料に対して、粒子径5
μm以上の顔料粒子の体積分率を10%以下とすること
により、ウェブに同伴した空気に起因する第2層の気泡
は、観察されなくなり、第2層は、平滑性が高く、塗層
の均一性の高い顔料塗被紙が得られることを見いだすに
至った。
【0018】本発明においては、上記の如く、顔料及び
接着剤を主成分とした塗布液をカーテン塗布装置を用い
て塗布することを特徴としているが、第2層が塗布され
る第1層の顔料を、該第1層に含まれる全顔料に対し
て、粒子径5μm以上の粒子の体積分率が10%以下の
ものであり、第2層をカーテン塗布装置を用いて塗布す
ることにより、第2層の平滑性が高く、厚み及び密度の
均一性が高い顔料塗被紙を得る方法を開示したものは、
いまだ見当たらない。
【0019】以下、添付図面に基づき、本発明の実施態
様について詳細に説明する。図1は本発明の実施態様を
示した顔料塗被紙の第2層塗布用の塗布装置の概略図で
ある。予め調製された塗布液は塗布液貯蔵タンク11よ
り、給液ポンプ12によってコーターヘッド1へ送られ
る。この際、塗布液の送液量は最終製品の塗布量と比例
関係にあるため、コーターヘッド1への塗布液の送液量
コントロールは精度よく行う必要がある。それ故に、給
液ポンプ12としては可変流量型の無脈動定流量ポンプ
が適当である。
【0020】コーターヘッド1の内部はマニホールド
6、スリット2からなり、それぞれ高精度の仕上げが施
されている。供給された塗布液はマニホールド6に満た
され、更にスリット2に送られるときに通過する狭い間
隙において、給液ポンプ12の送液による動圧の影響が
軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、リッ
プ3より流出し、垂直なカーテン膜4を形成する。
【0021】幅方向でプロファイルが均一となった垂直
カーテン膜4は、連続走行しているウェブ5と接触し、
ウェブ5に塗布される。ここでエッジガイド10a、1
0bはコーターヘッド1の幅を超えず、更にウェブ5の
幅を超えて設けられ、垂直カーテン膜はウェブ5の幅を
超えて形成される。垂直カーテン膜4がウェブ5の幅を
超えて形成されているのは、垂直カーテン膜4の両端部
における塗層の厚塗りを防止するためである。ウェブ5
の幅を超えて流下する塗布液は、受液槽9に回収され、
塗布液貯蔵タンク11に戻された後再び塗布される。ま
た、ウェブ5が切断した時など塗布が中断された場合
も、塗布液は受液槽9に回収される。
【0022】連続走行しているウェブ5と垂直カーテン
膜4との塗布線領域にはウェブ5に同伴する空気流を可
能な限り遮蔽し、カーテン周辺の空気の回流などで垂直
カーテン膜4が乱れることなくウェブ5に達するように
するため遮風板8が設けられている。また、ウェブ5の
搬送方向は塗布線領域の直前でロール7により方向転換
することにより、ウェブ5に同伴する空気の塗布線領域
への影響を最小限にとどめるように構成されている。
【0023】形成させた垂直カーテン膜4を安定した状
態で塗布するためには、ウェブ5からコーターヘッド1
下部の流出部までの高さがある程度必要とされるが、本
実施態様においてはその高さを制御することも可能であ
り、垂直カーテン膜4の安定に適した高さは60〜30
0mm、好ましくは100〜250mm、更に好ましく
は120〜180mmである。
【0024】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、様々な変形が可能であることは言うまでもな
い。前述した実施態様において、形成したカーテン膜の
幅はウェブ5の幅より大としたが、これは塗層両端部に
おける塗布量の増加を防止するためであって、このよう
な塗布量増加が小であるか、もしくはあまり問題とされ
ない場合、または特公昭49−14130号公報等に開
示される方法、その他塗布量増加防止方法を採用するこ
とにより解消しうる場合には、垂直カーテン膜をウェブ
5の幅に一致させるか、あるいはこれより多少小として
も差し支えない。
【0025】また、カーテンヘッドにプロファイル調整
機構あるいは制御機構を付設することも可能である。特
に、図1に示されるスリット2に開度プロファイル調整
機構を付設すると、特に塗布幅が大きくなった場合に、
幅方向でより均一な塗布量プロファイルを得ることがで
きる。
【0026】本発明における塗被紙は、原紙の片面ある
いは両面に少なくとも2層の顔料及び接着剤を主成分と
して構成される塗層を設けたものを指す。
【0027】本発明において用いることができる原紙と
しては、一般に使用される上質紙、中質紙、更紙、合成
紙、プラスティックフィルム等を例外なく含む。
【0028】本発明において、第1層の塗布に用いるこ
とができる塗布方式としては、ブレード、エアナイフ、
ロッド、メータリングバー、カーテン、ダイ、リップ、
スライドホッパー、コンマ、マイクログラビア、ゲート
ロール、パドル、グラビアロール、リバースロール等の
塗布方式が挙げられる。また、第1層の塗布は、抄紙機
に付設してオンマシン形式で塗布する方式、抄紙機と独
立して、オフマシン形式で塗布する方式のいずれの方式
を採ることも可能である。
【0029】本発明において、第2層の塗布に用いるこ
とができる塗布方式としては、カーテン塗布方式に限定
されるが、塗布ヘッドの方式として、エクストルージョ
ン方式、スライド方式を例外なく含む。また、第2層の
塗布装置は、単独のラインに設置することも、抄紙機に
付設したオンマシン形式をとることや下塗の塗布装置と
組み合わせて同一のラインに設置することも可能であ
る。
【0030】本発明において、顔料及び接着剤を主成分
とする塗布液とは、顔料と接着剤、その他添加剤と共に
水に溶解もしくは分散せしめた液であって、顔料、接着
剤、その他添加剤の固形分濃度が、10〜70重量%の
ものを言う。顔料、接着剤の配合割合は、一般に顔料1
00重量部に対し、接着剤が5重量部以上、好ましく
は、10〜70重量部であることが望ましい。
【0031】本発明で用いられる顔料としては、カオリ
ン、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、レーキ、プラスチ
ックピグメント、バインダーピグメント等が挙げられ
る。
【0032】本発明に用いられる接着剤としては、スチ
レン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系、エチレン・酢
ビ系、ブタジエン・メチルメタクリル系、酢ビ・ブチル
アクリレート系等の各種共重合体、ポリビニルアルコー
ル、無水マレイン酸共重合体、イソブテン・無水マレイ
ン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共
重合体等の合成系接着剤、酸化澱粉、エーテル化澱粉、
エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュド
ライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白
等の天然系接着剤などのような一般に知られた接着剤が
挙げられる。また、必要に応じて、増粘剤、保水剤、耐
水化剤、着色剤等の通常の塗被紙用顔料塗布液に配合さ
れる各種助剤が適宜使用できる。
【0033】かくして得られた本発明の塗被組成物は、
塗布液中に含まれる全顔料に対して粒子径5μm以上の
顔料粒子の体積分率を10%以下に調整し第1層として
塗布されるものであり、また、かかる第1層表面に第2
層として塗布されるものである。
【0034】本発明において、第2層あるいは第1層に
用いられる顔料及び接着剤を主成分とする塗布液の塗布
量は、乾燥重量規準で、1g/m2以上、好ましくは、
3〜30g/m2が適当である。
【0035】
【作用】本発明において、第2層が塗布される第1層の
顔料が、該第1層に含まれる全顔料に対して粒子径5μ
m以上の顔料粒子の体積分率が10%以下であり、第2
層がカーテン塗布装置を用いて塗布することにより、厚
み及び密度の均一性が高い顔料塗被紙を得ることができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の効果を一層明瞭とするために
実施例を掲げる。なお、実施例中の部数は、全て重量部
を示し、特にことわりのない限り、濃度は固形分濃度の
重量%、塗布量は、乾燥塗布量を示す。
【0037】実施例1 坪量60g/m2の上質紙に、ブレード塗布装置によ
り、塗布量が10g/m2となるように、以下の配合の
固形分濃度が58%の塗布液を、第1層液として、塗布
速度1000m/分で塗布し、ウェブの作製を行った。
また、顔料は、ボールミルを用いて粉砕処理し、塗布液
中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔料粒子の全顔
料に対する体積分率を3.1%に調整した。
【0038】 <第1層塗布液配合> 市販重質炭酸カルシウム(カービタル75) 100部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.4部 市販燐酸エステル化澱粉 6部 市販スチレン・ブタジエン・ラテックス 6部
【0039】以下の配合で固形分濃度が48%の第2層
塗布液を作製し、前に得られたウェブに、カーテン塗布
装置を用い、800m/分の塗布速度で、塗布量が15
g/m2になるように塗布、乾燥を行い、顔料塗被紙を
得た。
【0040】 <第2層塗布液配合> 市販重質炭酸カルシウム(カービタル90) 20部 市販1級カオリン(ウルトラホワイト90) 70部 市販サチンホワイト 10部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.5部 市販燐酸エステル化澱粉 2部 スチレン・ブタジエン・ラテックス 14部
【0041】実施例2 第1層塗布液中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔
料粒子の全顔料に対する体積分率を8.4%に調整した
以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。
【0042】実施例3 第1層塗布液の配合を以下の配合とし、下塗塗布液中に
含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔料粒子の全顔料に
対する体積分率を4.2%に調整した以外は、実施例1
と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。
【0043】 <第1層塗布液配合> 重質炭酸カルシウム(カービタル75) 50部 市販2級カオリン(ハイドラスパース) 50部 市販ポリアクリル酸系分散剤 0.2部 市販燐酸エステル化澱粉 6部 市販スチレン・ブタジエン・ラテックス 6部
【0044】実施例4 第1層塗布液中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔
料粒子の全顔料に対する体積分率を8.1%に調整した
以外は、実施例3と同様の方法で、顔料塗被紙を得た。
【0045】比較例1 第1層塗布液中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔
料粒子の全顔料に対する体積分率を11.9%に調整し
た以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0046】比較例2 第1層塗布液中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔
料粒子の全顔料に対する体積分率を18.5%に調整し
た以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0047】比較例3 第1層塗布液中に含まれる顔料を粒子径5μm以上の顔
料粒子の全顔料に対する体積分率を12.1%に調整し
た以外は、実施例3と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0048】比較例4 第2層塗布液の塗布装置としてブレード塗布装置を用い
た以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0049】比較例5 第2層塗布液の塗布装置としてエアナイフ塗布装置を用
いた以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗被紙を得
た。
【0050】比較例6 第2層塗布液の塗布装置としてオフセットグラビア塗布
装置を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、顔料塗
被紙を得た。
【0051】得られた顔料塗被紙は、全て同一の条件で
カレンダー処理を行った後に評価した。
【0052】粒子径の測定方法 粒子径の測定は、レーザー干渉式の粒度分布計LEED
AND NORTHRUP製PCマイクロトラックを
用いて、顔料分散液に関して行った。
【0053】顔料塗被紙の評価項目としては、塗被紙の
平滑性として、スムースター平滑度を採用し、第2層の
厚み及び密度の均一性は、塩化アンモニウムを用いたカ
バリング試験片を目視評価することにより行った。ま
た、印刷後のムラに関しても印刷後に目視評価した。
【0054】平滑度の測定方法 第2層のスムースター平滑度は、スムースター平滑度試
験機(東英電子工業株式会社製、形式SM−6A)によ
り測定した。(単位:mmHg)
【0055】 厚み及び密度の均一性の評価方法(カバリング試験法) 厚み及び密度の均一性の評価は、塩化アンモニウムの
2.5wt%水−イソプロピルアルコール溶液に試料を
浸漬後、試料の余剰な溶液を濾紙に吸収させ、130゜
Cで原紙層及び第1層の炭酸カルシウムを焼き、第2層
のカオリンクレーの分布状態目視評価する方法により行
った。塗層が全面が渡り均一な場合には◎、部分的にむ
らがあるか、ムラの程度が微少な場合には○、ややムラ
が目立つ場合には△、ムラが非常に目立つ場合には×と
判断した。
【0056】印刷ムラの評価方法 印刷ムラの評価は、4色刷りローランドオフセット印刷
機にて、湿し水過多の条件で印刷し、一昼夜室温にて放
置し、サンプルのシアンの単色の網点の面積率が50%
の印刷部に関して、目視により行った。(単位:5段階
評価で5が最も優れる)
【0057】
【表1】
【0058】<評価結果>表1のような評価結果を得た
が、ブレード塗布装置では、ストリークの発生により、
エアナイフ塗布装置では、エアナイフパターンの発生に
より、オフセットグラビア塗布装置ではスプリットパタ
ーンの発生により、厚み及び密度の均一性が損なわれ、
印刷ムラの発生が見られた。カーテン塗布装置を用いた
場合は、ウェブの第1層の顔料が5μm以上の粒子径の
顔料粒子の体積分率が10%を超えると、厚み及び密度
の均一性が損なわれ、印刷ムラの発生が見られるが、1
0%以下の場合は、第2層の平滑度が高く、厚み及び密
度の均一性が高く、印刷ムラの発生のない高品質な顔料
塗被紙を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、2層以上の塗層を設け
る塗被紙において、第2層の平滑性、厚み及び密度の均
一性に優れ、印刷ムラの発生のない高品質な印刷用顔料
塗被紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すカーテン塗布装置の概
略図。
【符号の説明】
1 コーターヘッド 2 スリット 3 リップ 4 カーテン膜 5 ウェブ 6 マニホールド 7 ロール 8 遮風板 9 受液槽 10a、10b エッジガイド 11 貯蔵タンク 12 給液ポンプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及び接着剤を主成分とする塗層を原
    紙の片面に少なくとも2層有する顔料塗被紙において、
    第2層が塗布される第1層の顔料が、該第1層に含まれ
    る全顔料に対して粒子径5μm以上の顔料粒子の体積分
    率が10%以下であり、第2層がカーテン塗布装置を用
    いて塗布されたものであることを特徴とする顔料塗被
    紙。
  2. 【請求項2】 顔料及び接着剤を主成分とする塗層を原
    紙の片面に少なくとも2層有する顔料塗被紙の製造方法
    において、第1層の塗布液の顔料を、該塗布液に含まれ
    る全顔料に対して粒子径5μm以上の顔料粒子の体積分
    率が10%以下とし、原紙あるいは予め下塗層を設けた
    原紙に該塗布液を塗布し第1層を設け、カーテン塗布装
    置を用いて該第1層上に第2層を塗設することを特徴と
    する顔料塗被紙の製造方法。
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