JP4689529B2 - オフセットカラー印刷機用の給紙装置及びこれを使用した不織布シートの印刷方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、オフセットカラー印刷機用の不織布シート給紙装置、及び不織布シート印刷方法に関するものである。
フルカラー印刷の一方式としてオフセット印刷がある。このオフセット印刷には四角形にカットしたカットシートが使用されており、積み重ねたカットシートは給紙装置において最上層のものから1枚ずつ繰り出されて印刷部に供給されている。そして、給紙装置での繰り出し機構には真空吸着が利用されており、最上層の1枚を後続のものから分離するための第1吸口と、分離した最上層のカットシートを送りローラに向けて繰り出すための第2吸口と、捌き又は送りのために不織布シートにエアーを後方から吹き込む噴気ノズルとを備えている(例えば特許文献1)。
第1吸口は昇降(上下動)のみ行うようになっている一方、第2吸口は昇降と前後動を行うようになっている。そして、特許文献1には明記されていないが、一般には、第1吸口はカットシートの送り方向に向いた背面視で左右2対ずつ配置されている一方、第2吸口は左右に一対配置されており、給紙装置の背面視で、第2吸口は内側の第1吸口と外側の第1吸口との間の部位に配置されていることが多い。
特開平5−186074号公報(特に図5)
ところで、印刷可能なシート材の一つに不織布がある。この不織布シートは和紙のような独特の風合いをもっており、これにカラー印刷を施すと、艶を抑制した独特の質感を得ることができる。不織布シートには各種の厚さのものがあり、その種類はメーカーによって違いはあるが、例えば、1m2 当たりの秤量(JISL−1085に準拠した測定)でみて、40g,60g,80g,100g,130g,180gといったような商品展開になっている。
そして、秤量が80g/m2 以上の不織布シートにオフセット印刷機を使用してフルカラー印刷を施すことは行われているが、80g/m2 よりも薄い不織布シートにオフセット印刷機でフルカラーで印刷することは現在まで行われていない。その理由は、不織布シートの厚さが秤量で80g/m2 よりも薄くなると、給紙装置で不織布シートを繰り出すに際して不織布シートが踊る現象が生じて送り不良が多発するためである。
そこで、80g/m2 よりも薄い不織布シートにカラー印刷を施す場合は、スクリーン印刷による重ね塗りの技法が用いられているが、この技法は、多色刷りであって厳密にはフルカラー印刷とは言えないため用途が限られる問題や、版がずれて汚れやにじみが生じやすいため精細な図柄は実現し難いという問題があった。
他方、不織布シートとして、エアコン用フィルターのように表裏が透けて見える程に密度が極めて小さくて見掛けの厚さが数mm(例えば4〜6mm)あるものがあり、これにフルカラーの印刷を施すことができると、美観に優れた不織布シート製商品を提供することができると言える。しかし、この密度が極めて小さい不織布シートにオフセット印刷でフルカラー印刷を施すことは不可能とされており、カラー印刷方法としては、前記したスクリーン印刷の重ね刷りしか採用されていないのが実情である。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、ごく薄い不織布シートや逆に分厚くて密度がきわめて小さい不織布シートに、オフセット印刷でフルカラー印刷を施すことを可能ならしめることにより、不織布シートを素材とした物品(商品)の商品価値を高めること、及び、高い商品価値を有する不織布シート製物品を提供することを目的とするものである。
本願発明は、オフセット印刷機用の給紙装置とこれを使用した印刷方法とを含んでいる。給紙装置は、請求項1に記載したように、秤量が80g/m2 より軽くて平滑な不織布シートか、又は、表裏が透けて見える程に密度が小さい不織布層に台紙が粘着剤で貼られている複合式の不織布シートを、オフセットカラー印刷部に1枚ずつ送るためのものである。
この給紙装置は、多数枚の不織布シートが積み重ねて載せられる載置台と、積み重ねた不織布シートを最上層のものから1枚ずつ送り出す繰り出し機構とを備えており、前記繰り出し機構は、最上層の不織布シートのうち送り方向に向かって見た背面視において手前側の端部寄り部分を吸着して吸い上げる第1吸口と、最上層の不織布シートのうち前記背面視において前記第1吸口よりも前方の部分を吸い上げて前進動する第2吸口と、第1吸口で吸い上げられた不織布シートと後続の不織布シートとの間に空気を後方から吹き込む噴気ノズルと、最上層の不織布シートを前記背面視において前記第1吸口よりも左右外側の位置において上方から軽く押す押さえ部材とを備えており、前記第1吸口と第2吸口とは前記背面視において左右一対ずつ配置されていると共に、前記背面視において前記第1吸口を前記第2吸口よりも左右内側に配置している。
そして、前記第1吸口は下向き凹の碗形の形状である一方、前記第2吸口のうち不織布シートに当接する部分は前記第1吸口の外径より小径の筒状に形成されており、更に、前記噴気ノズルは、前記背面視において左右中間部に配置された第1噴気ノズルと、前記第1噴気ノズルの左右両側に配置した第2噴気ノズルとから成っている。
本願発明の印刷方法は、請求項2に記載したように、秤量が80g/m 2 より軽くて平滑な不織布シートか、又は、表裏が透けて見える程に密度が小さい不織布層の下面に台紙が粘着剤で貼られている複合式の不織布シートを、請求項1記載した不織布シート給紙装置にてオフセットカラー印刷部に1枚ずつ送ることにより、前記不織布シートにカラー印刷を施す印刷方法であって、前記第2噴気ノズルからエアーを噴出させた状態で第1吸口及び第2吸口を下降させてから上昇させることで最上層の不織布シートを後端部において吸い上げ、次いで、第1吸口の吸引を止めて第2吸口を前進動させると共に第1噴気ノズルからエアーを噴出させる、という手順で不織布シートを前記印刷部に向けて順次繰り出し、繰り出された不織布シートに前記オフセットカラー印刷部で印刷を施すものである。
なお、「給紙装置」の文言は、「紙を供給する装置」なので、厳密に見ると、不織布シートを繰り出し供給する装置を対象としている本願発明からすると正確な表現とは言えず、正確には「不織布シートの繰り出し供給装置」というべきであるが、「給紙装置」は各種素材のシートの繰り出し供給装置の総称として一般化していると解されるので、本願では、表現を簡潔にするため「給紙装置」の文言を使用している。
従来のオフセット印刷機の給紙装置でごく薄い不織布シートを的確に送れない理由は正確に解明されていないが、不織布シートの通気度や腰の強さが影響していると考えられる。
つまり、不織布シートの秤量が80g/m2 の場合の通気度(JISL−1096準拠した測定)は概ね30〜40cm/s程度であり(当然ながら、厚くなると通気度は低くなる)、この程度の通気度であると、4個の第1吸口で吸い上げてから2個の第2吸口で移送するにおいて、不織布シートは何とか正確な姿勢に保持されるが、不織布シートが薄くなって通気度がある程度以上に大きくなると、吸口への空気の流入によって不織布シートの吸着が不安定になったり、第1吸口と第2吸口での吸い上げのバランスが崩れたりして、送りに際しての踊りの現象が生じると推測される。
これに対して請求項1の発明によると、第1吸口による不織布シートの吸い上げと、第2吸口による不織布シートの繰り出しがごくスムースに行われ、不織布シートは踊り現象を生じることなくスムースに送られる。その結果、薄くて通気度が高い不織布シートについても、送り不良を全く又は殆ど生じることなく1枚ずつ印刷部に繰り出すことができる。これにより、ごく薄い不織布シート及び分厚くて密度が著しく小さい不織布シートを、精細なフルカラーの図柄が印刷された状態で提供できるに至った。
請求項1の構成において、ごく薄い不織布シート又はごく低密度で台紙付きの不織布シートを正確に高速で繰り出せる理由は正確には解明できていないが、実施形態の欄において推測を説明することとする。
秤量単位で80g/m2 よりも薄い不織布シートや、厚くて表裏が透ける程の低密度の不織布シートを素材としてこれにオフセットによるフルカラー印刷が施された物品は実用化されていなかったが、本願発明により、これまで無かった新規な物品が提供されるに至った。これにより、ごく薄い不織布シートや低密度で厚い不織布シートに高い商品性を与えることができる。
本願発明を利用できる物品の例は多岐にわたる。一つの物品群は、従来の紙製印刷物と同じ機能を持っているものであり、これは、印刷された図柄自体が物品としての意味を持っている。例えばカレンダー、ポスター、壁紙、襖紙、書籍などである。
次の物品群として、本来の実用的価値を持っていてカラー印刷によって美粧効果が付与されるものがある。この物品群は、不織布シートのみで構成されているものと、他の素材と組合わさって製品化されているものとがあり、更に、両者とも、薄い不織布シートを素材にしているものと、見掛けの厚さが厚くて密度がごく小さい不織布シートを素材としているものとが挙げられる。
薄い不織布シートのみからなる物品の例としては、例えば、ブックカバー、風呂敷状の包装用シート、紐無しの包装袋、名刺入れ、テーブルナプキン、ランチョンマット、使い捨てハンカチなどが挙げられる。薄い不織布シートと他の部材とが複合した物品の例としては、例えば、紐付きの包装袋、マスク、面ファスナーが取り付いている車両座席用カバー、ファスナー付き小物入れ、提灯、団扇、扇子などが挙げられる。
厚くて密度が小さい不織布シートを使用した物品の例としては、エアコン用の吸気口に配置する吸塵フィルター、積層式マスク、飲食店や公共施設の壁や天井に広告や内装として貼るポスター類、半透明状衝立などが挙げられる。厚くて密度が小さい不織布シートを使用して建物の壁や天井用のポスター・看板類を製作すると、ボリューム感と陰影に富んだ独特の表現方式を実現することができる。上記した物品名は一部の例示であり、本願発明は他の物品にも適用できる。
また、商品の展示場や売り場では、商品の内容を展示したり客寄せの図柄を表示したりした販促用のポッププレートやポップシートが多用されているが、本願発明によると、フィルターのような目がきわめて粗い不織布シートにカラー印刷を施すことができるため、目がきわめて粗くて人目を惹く効果が高い不織布シートをポッププレートやポップシートに代用することが可能になり、その結果、集客効果の向上に貢献できると期待される。
次に、本願発明の実施形態を主として図面に基づいて説明する。まず、図1〜図6に示した第1実施形態を説明する。
(1).印刷機の概略
図1において、本願発明の給紙装置が適用されたオフセット印刷機の大雑把なレイアウトを示している。すなわち、オフセット印刷機は、印刷部1と、印刷部1にシートを1枚ずつ供給する給紙装置2と、印刷済のシートを溜める排紙部3とから成っている。印刷部1は、周知のとおり、黒(墨)、青(藍)、黄、赤(紅)の4つの色を転移させる4つのパート4を備えており、各パート4は、圧胴5やブランケット胴6、版胴7等の胴群やインク供給機構を備えている。
給紙装置2は、多数枚の不織布シートSを重ねた状態で載置できる載置台8と、積み重ねた不織布シートSを印刷部1に向けて1枚ずつ搬送する搬送機構9とを備えている。本実施形態では搬送機構9はベルト式になっており、始端部にはフィードローラ10を配置している。いうまでもないが、搬送機構9は全体をローラ式に構成するなど、別の形態にすることも可能である。図1で載置台8は宙に浮いた状態で表示しているが、図示しないフレームに吊支されている。また、敢えて述べるまでもないが、載置台8は不織布シートSの繰り出しに伴って少しずつ上昇する。
(2).給紙装置の構成
次に、給紙装置2について図2以下の図面も参照して説明する。図2は部材の一部を観念的に表示した斜視図、図3のうち(A)は概略平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)及び(D)は部材の部分的な斜視図、図4のうち(A)は要部の概略側面図、(B)は部材の断面図、図5及び図6は給紙状態を説明するための概略斜視図である。
本願では「前・後・左右」の文言を使用するが、この前後左右は、不織布シートSの送り方向(図1及び図2の矢印Aの方向)を向いた状態を基準にしている。また、背面や側面の文言については、給紙装置2を不織布シートSの送り方向に向かって見た状態を背面視と称し、不織布シートSの送り方向と直交から見た状態を側面視と称している。
給紙装置2は、載置台8に積み重ねた不織布シートSのうち最上層から1枚ずつ繰り出すための繰り出し機構12を備えている。図2に全体のレイアウトを示したように、繰り出し機構12は、最上層の不織布シートSを給紙装置2の背面視において手前側の端部近傍で吸い上げる真空吸着式の第1吸口13と、背面視で第1吸口13よりも前方に配置された真空吸着式の第2吸口14と、不織布シートSの上部に向けて後方からエアーを吹き出す第1及び第2の噴気ノズル15,16と、噴気ノズル15,16の群を挟んだ左右両側において最上層の不織布シートSを軽く押さえる押さえ部材17,18を備えている。
第1吸口13は左右一対配置されており、かつ、左右中間点に近い部位に寄っている。他方、第2吸口14も左右一対配置されているが、第1吸口13の左右外側に配置されている。また、第2吸口14も不織布シートSの左右中間点に近い部位に寄っている。両吸口13,14はゴム又は軟質樹脂からなっている。
第1噴気ノズル15は、第2吸口14で不織布シートSを移送するにおいて送りを補助するためのもので、吹き足とも呼ばれている。この第1噴気ノズル15は、左右中間部に1個だけ配置されている。第2噴気ノズル16は上層部の複数枚の不織布シートSを分離させて第1吸口13での吸い上げを容易ならしめるためのもので、捌き吹き口とも呼ばれている。第2噴気ノズル16は第1吸口13の後方に一対配置されている。
押さえ部材17,18は不織布シートSの左右両端寄りに配置された第1押さえ部材17と、背面視で第1押さえ部材17よりも内側に配置された第2押さえ部材18とから成っており、両者とも左右一対配置されている。第1押さえ部材17は金属のブロック状の形態を成しており、ガイド部材19に上下動自在に装着されている。第2押さえ部材18は金属板(例えば板ばね)で平面視クサビ状に形成されており(他の形態でも良い)、先端が不織布シートSに軽く当たっている。第2押さえ部材18は第2噴気ノズル16や第2吸口14よりも左右外側に配置されている。
なお、不織布シートSの押さえ手段としては、第1押さえ部材17のみ又は第2押さえ部材18のみを使用しても良いし、更に、他の形状の押さえ部材を採用することも可能である。
給紙装置2は、図示しない基枠に取り付けられたヘッド20を備えており、第1吸口13は左右長手の第1バー21に装着されている。第1バー21はリンク機構等の昇降手段を介してヘッド20に上下動自在に取り付けられている。第1吸口13の具体的な構成の例を図3(C)で示している。すなわちこの実施形態では、第1バー21にクランプ材22を介して第1筒体23を装着し、第1筒体23に第1吸口13を装着している。
第1筒体23には真空吸引のための管24が接続されている。なお、第1筒体23には緩衝用のばねが内蔵されており、第1吸口13はばねに抗して若干の寸法だけ上昇し得る。第1吸口13の断面形状の具体例を図4(B)に示している。第1吸口13は下向き凹の碗状を成している。
第2吸口14は左右長手の第2バー25に取り付けられており、第2バー25は、ヘッド20に取り付けた左右一対のリンク26によって所定寸法だけ前後動するようになっている。ヘッド20の左右両側面には、第2バー25の前後動をガイドする前後長手のガイドレール27が配置されており、第2バー25に設けたローラ(図示せず)をガイドレール27に嵌め入れている。ヘッド20には、リンク26を回動させるため、クランク機構やカム等の駆動部を設けている。
第2吸口14の具体的な取り付け構造の例を図3(D)に示している。すなわちこの例では、第2バー25に固定したブラケット28に第2筒体29を上下動自在に装着し、第2筒体29に真空吸引用管30を接続すると共に第2吸口14を取り付けている。第2筒体29は、チューブ31に内蔵したケーブル32によって上昇されるようになっており、かつ、下降動はばね33で行われる。第2吸口14の断面形状の例を図4(C)で示しており、本実施形態の第2吸口14の下面は第1吸口13よりも小径になっている。
図3(B)に示すように、押さえ部材17,18はブラケット34を介して第3バー35に取り付けられており、第3バー35はヘッド20に取り付けられている。また、噴気ノズル15,16も図示しない補助部材を介してヘッド20に取り付けられている。
(3).繰り出し動作
次に、主として図5及び図6に基づいて不織布シートSの繰り出し動作を説明する。給紙装置2での不織布シートSの繰り出し動作は従来と同様である。すなわち、第2噴気ノズル16でエアーを噴出させた状態で第1吸口13及び第2吸口14を下降させてから上昇させることで最上層の不織布シートSを後端部において吸い上げ、次いで、第1吸口13の吸引を止めて第2吸口14を前進動させると共に第1噴気ノズル15からエアーを噴出させることにより、不織布シートSを送り出すものである。
そして、紙を繰り出す場合や秤量が80g/m2 以上の厚紙状の不織布シートを繰り出す場合は、図3(A)に一点鎖線で示すように、第2吸口14の左右外側にも第1吸口13′が配置されていて合計4個の第1吸口13,13′が使用されているが、給紙装置2に合計4個の第1吸口13,13′が配置された給紙装置2に秤量が60g/m2 や40g/m2 の不織布シートSを使用すると、第2吸口14で送るにおいて不織布シートSに踊り現象が生じて、フィードローラ10に斜めの姿勢で送り込まれる等の不具合が多発するのであった。
秤量が例えば60g/m2 であっても、シートが紙である場合は送り不良が多発することはない。従って、薄い不織布シートSの送り不良が多発するのは、シートの薄さ自体に起因しているのではなく、他の理由に起因していると解される。その理由として考えられるのが、通気度が高いこと、及び、腰が弱いことである(両者は密接に関連している)。
そして、例えば60g/m2 の不織布シートSの場合、通気度は60cm/s程度もあり、これに伴って腰も弱く、すると、各吸口13,13′,14による吸い上げにバラツキが生じたり、噴気ノズルからのエアーで不織布シートSが煽られたりして、踊り現象が生じると推測される。通気度が高くなることに合わせて各吸口13,13′,14の吸着力を高くすればよいとも考えられるが、本願発明者が実験したところ、これは逆効果であった。
これに対して、第1吸口13と第2吸口14及び噴気ノズル15,16とを本願発明のように配置すると、例えば秤量が60g/m2 や40g/m2 という薄くて通気度が高くて腰が弱い不織布シートSであっても、踊り現象が生じることはなくて高速で連続繰り出しを行えた。本願発明において不織布シートSの繰り出しを正確に行える理由は正確に究明できていないが、次のような幾つかの理由が推測される。
すなわちその一つは、両吸口13,14による吸い上げにより、図5に示すように不織布シートSは左右第2押さえ部材18の間の部分が持ち上げられて、この持ち上げられた部分S1と後続の不織布シートSとの間に空間36ができるが、第1吸口13が左右一対しかないことにより、第1吸口13の吸い上げによる不織布シートSの変形の程度が小さくなり、このため、押さえ部材17,18から離脱すると同時に平らな状態に戻り、これにより、不織布シートSの踊り現象が防止されると推測される。
また、第1吸口13で不織布シートSを吸い上げるに際して、不織布シートSと押さえ部材17,18との間には左右方向の滑りが生じており、滑り量が大きいと摩擦抵抗が大きくなってずれやすくなるが、本願発明では既述のとおり不織布シートSの変形量が小さいため、第1吸口13による吸い上げに際してのずれが無くなるとも推測でき、この点が不織布シートSの姿勢保持に貢献しているとも推測される。
更に、第2吸口14で送るに際して第1吸口13の吸引が解除されるが、第1吸口13の吸引解除と第2吸口14の前進動とはごく短時間に行われるため、4個の第1吸口13を有する従来の構成では、4個の吸引解除の微妙な時間的ずれにより、いずれかの第1吸口13が僅かながら吸着力を保持した状態で第2吸口14による送りが始まり、そのため不織布シートSの平面姿勢がずれてしまうことが予想されるが、第1吸口13が2個である本願発明では、2つの第1吸口13の吸引解除のタイミングのずれは無視できる程に小さいため、不織布シートSのずれも生じない、といったことも推測される。
更に、図3(A)及び図5では、左の第1吸口13と第2吸口14を結ぶ線、及び、右の第1吸口13と第2吸口14を結ぶ線を符号37で表示しているが、これら左右の線37は不織布シートSの送り方向に向かって外側に傾斜しており、このため空間36も不織布シートSの進行方向に向いて広がり勝手になっているが、この空間36の形態が好影響を与えて、第1噴気ノズル15で吹き込まれたエアーが不織布シートSの下面の全体に万遍なく広がって行くとも推測される。この点も、不織布シートSの踊り現象を抑制していると推測される。
(4).本実施形態の利点
ところで、シートの通気度が低い場合は、吸着力は、吸口の外径の大きさに比例すると言える(但し、外径がある値を超えると真空度が低くなって吸着力は低下する)。しかし、通気度がある程度以上に高くなると、吸口の外径が大きいと空気の流入率が高くなって却って吸着力は低下すると言える。
そして、本実施形態のように第2吸口14を第1吸口13の外径より小径の筒状に形成すると、不織布シートSをしっかりと吸着して正確に搬送できる利点がある。
(5).他の実施形態
図7では不織布シートの別例を示している。この例では、表裏が透けて見えるほどに密度が小さくてしかも見掛けの厚さが厚い(例えば3〜6mm)不織布シートS′を素材としており、この不織布シートS′を不織布層として、その裏面(下面)に薄い台紙(通常の紙)Dを粘着部Nで貼り付けている。粘着部Nは感圧性粘着剤から成っている。
粘着部Nは本実施形態では不織布シートS′に格子状に塗布しているが、全体にベタ塗りしたり、散点状に塗布したりしてもよい。そして、この台紙Dと不織布シートS′とが複合したシートを、第1実施形態の給紙装置2を有する印刷機に通すことにより、不織布シートS′の表面にフルカラーの図柄を印刷している。印刷すると不織布シートS′はローラで潰されて例えば1mm程度の厚さになる。
複合シートの給紙方法は第1実施形態と全く同じであり、80g/m2 より小さい不織布シートSの場合と同様に、踊り現象を生じることなく正確に高速で繰り出せた。また、台紙Dが存在することにより、印刷部1でも詰まりや見当のずれを生じることなく、微細な図柄をフルカラーで印刷することができた。
図7に示した不織布シートSは、例えばエアコンの吸塵用フィルターに使用できる。この場合は、粘着部Nが不織布シートSに残るように、例えば台紙に粘着抑制加工を施しておいて、台紙Dを剥がしてから、粘着部Nを利用してエアコンに貼り付ければよい。使用状態で不織布シートSに粘着部Nが存在すると不都合がある物品の場合は、粘着部Nが台紙に残るように、台紙Dに対する粘着部Nの付着強度を不織布シートSに対する付着強度よりも大きくしておいたらよい。
(6).その他
本願発明は上記の実施形態のほかにも様々に具体化できる。例えば本願発明に係る物品を製造する場合、大きなサイズのものを製造してから適当に裁断してもよいのである。
本願発明を適用した印刷機の概略側面図である。 要部の概略斜視図である。 (A)は概略平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は第1吸口の具体例を示す斜視図、(D)は第2吸口の具体例を示す斜視図である。 (A)は要部の概略側面図、(B)は第1吸口の断面図である。 不織布シートを吸い上げた状態での概略斜視図である。 不織布シートを送っている状態での概略斜視図である。 不織布シートの別例を示す図である。
S,S′ 不織布シート
D 台紙
N 粘着部
2 給紙装置
8 載置台
9 搬送機構
12 繰り出し機構
13 第1吸口
14 第2吸口
15 第1噴気ノズル
16 第2噴気ノズル
17,18 押さえ部材

Claims (2)

  1. 秤量が80g/m2 より軽くて平滑な不織布シートか、又は、表裏が透けて見える程に密度が小さい不織布層に台紙が粘着剤で貼られている複合式の不織布シートを、オフセットカラー印刷部に1枚ずつ送るための給紙装置であって、
    多数枚の不織布シートが積み重ねて載せられる載置台と、積み重ねた不織布シートを最上層のものから1枚ずつ送り出す繰り出し機構とを備えており、前記繰り出し機構は、最上層の不織布シートのうち送り方向に向かって見た背面視において手前側の端部寄り部分を吸着して吸い上げる第1吸口と、最上層の不織布シートのうち前記背面視において前記第1吸口よりも前方の部分を吸い上げて前進動する第2吸口と、第1吸口で吸い上げられた不織布シートと後続の不織布シートとの間に空気を後方から吹き込む噴気ノズルと、最上層の不織布シートを前記背面視において前記第1吸口よりも左右外側の位置において上方から軽く押す押さえ部材とを備えており、
    前記第1吸口と第2吸口とは前記背面視において左右一対ずつ配置されていると共に、前記背面視において前記第1吸口を前記第2吸口よりも左右内側に配置している、
    という構成であって、
    前記第1吸口は下向き凹の碗形の形状である一方、前記第2吸口のうち不織布シートに当接する部分は前記第1吸口の外径より小径の筒状に形成されており、更に、前記噴気ノズルは、前記背面視において左右中間部に配置された第1噴気ノズルと、前記第1噴気ノズルの左右両側に配置した第2噴気ノズルとから成っている、
    オフセットカラー印刷機用の不織布シート給紙装置。
  2. 秤量が80g/m2 より軽くて平滑な不織布シートか、又は、表裏が透けて見える程に密度が小さい不織布層の下面に台紙が粘着剤で貼られている複合式の不織布シートを、請求項1記載した不織布シート給紙装置にてオフセットカラー印刷部に1枚ずつ送ることにより、前記不織布シートにカラー印刷を施す印刷方法であって、
    前記第2噴気ノズルからエアーを噴出させた状態で第1吸口及び第2吸口を下降させてから上昇させることで最上層の不織布シートを後端部において吸い上げ、次いで、第1吸口の吸引を止めて第2吸口を前進動させると共に第1噴気ノズルからエアーを噴出させる、という手順で不織布シートを前記印刷部に向けて順次繰り出し、繰り出された不織布シートに前記オフセットカラー印刷部で印刷を施す、
    不織布シートの印刷方法。
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