JP3394404B2 - 床材用裏打ち基材及びその製造方法 - Google Patents

床材用裏打ち基材及びその製造方法

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JP3394404B2
JP3394404B2 JP34766196A JP34766196A JP3394404B2 JP 3394404 B2 JP3394404 B2 JP 3394404B2 JP 34766196 A JP34766196 A JP 34766196A JP 34766196 A JP34766196 A JP 34766196A JP 3394404 B2 JP3394404 B2 JP 3394404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニルが
表面に塗布加工されて作られる床材の裏打ち基材におい
て2層抄合わせガラス繊維不織布の表面に顔料とバイン
ダーを含む塗液を塗抹した3層構造の床材用裏打ち基材
に関する。更に詳しくは3層構造の床材用裏打ち基材の
最上層の塗抹表面及び反対側の最下層表面が平坦である
事により、最上層の塗抹表面では凹凸の少ない平坦性の
良好なポリ塩化ビニル塗布加工面が得られ、反対側の最
下層表面では下地材に塗布された接着剤にて下地材に貼
り付ける時の施工性が良好で、接着後の実用時の剥がれ
等の問題がなく十分実用に耐え、且つ寸法安定性に問題
のない3層構造の床材用裏打ち基材、及び、傾斜ワイヤ
ー型抄紙機による第2層の抄造に引き続き、これに第1
層を抄合わせ、第2層表面をヤンキードライヤーに当て
て乾燥し平坦面にした抄合わせガラス繊維不織布を得
て、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表面に顔料と
バインダーを含む塗液を塗抹する3層構造の床材用裏打
ち基材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】床材の一般的な製造方法は次の通りであ
る。裏打ち基材の表面にコンマコーター等で発泡性塩ビ
ゾルを塗工し加熱により発泡性塩ビゾルを一旦ゲル化さ
せ、そのゲル化させた発泡性塩ビゾル表面に木目柄等を
印刷し、さらにその印刷面の上に透明な非発泡性塩ビゾ
ルを塗工し、再加熱により一旦ゲル化させた発泡性塩ビ
ゾル層を約4倍に発泡させて厚みを厚くし、透明な非発
泡性塩ビゾルはゲル化させて床材は作られており、発泡
性塩ビゾルの塗工厚みムラがあれば発泡後は厚みムラが
拡大されて凹凸が目立つ様になる欠点があった。
【0003】以前は、床材等に於いては、寸法安定性に
優れたアスベスト紙に、ポリ塩化ビニルまたはポリ塩化
ビニルの発泡層を設けた物が使用されていたが、アスベ
スト紙を用いた床材にはひび割れが生じ易く、またアス
ベストが微細な粉塵を発生する為、アスベストの代替え
品としてガラス繊維シートが提供されたが、ガラス繊維
シートはアスベストに比べて密度が低い為、そのままで
はポリ塩化ビニルのゾルが浸透してシートの反対面に抜
けてしまい、所定の樹脂量からなる層が安定して形成で
きず、しかも搬送機等を汚して円滑な生産が出来ないと
いった欠点があった。
【0004】このガラスシートの欠点を補う為、実公昭
60−10856号には、ガラス繊維とパルプからなる
混抄紙に、必須成分として熱硬化性樹脂、自己架橋又は
硬化剤による反応型樹脂、熱により反応するポリビニル
アルコール、カゼイン、水溶性合成樹脂アンモニウム塩
等の高分子化合物、より選ばれる1種または2種以上の
硬化性樹脂が配合されてなる基材シートにポリ塩化ビニ
ール層を設けたことを特徴とする建築用積層材が記載さ
れている。しかしながら、この考案はガラス繊維を利用
した基材の欠点を解決する事を目的になされたもので、
ガラス繊維中に混抄されるパルプ成分を多くし、このパ
ルプ成分が多くなることによって起こる寸法安定性の低
下を硬化性樹脂の配合によって防止するという発想であ
るが、繊維が横方向にも配向していないと、硬化性樹脂
を配合しても、ポリ塩化ビニール加工時、製品の施工
時、施工後の経日変化、たわみ、等における寸法安定性
に問題があり柄ズレ、カール等の解決には至らないとい
う欠点があった。また、ガラス繊維が少なく硬化性樹脂
を多くして緻密な構造のガラスシートとすると、ポリ塩
化ビニール加工時にポリ塩化ビニールの浸透が少なくな
って、ポリ塩化ビニールとガラスシートの層間強度が弱
くなる他、下地材に張り付ける時に下地材に塗布された
接着剤のガラスシートへの浸透が少なく、ガラスシート
と下地材の接着強度も弱くなるという欠点があり、ま
た、ガラス繊維が多く粗い構造のガラスシートとする
と、ポリ塩化ビニール加工時に今度はポリ塩化ビニール
の浸透ムラが大きくなってポリ塩化ビニールの表面の凹
凸が目立つ様になるという欠点があった。さらにガラス
シートが単層である為、建築用積層材を実用に供した後
の貼り替えの際に建築用積層材を下地材から剥離する
時、ガラスシートまたはこのガラスシートを用いた建築
用積層材が下地面に不均一に部分的に多量に残着する
為、下地に凹凸を生じ、そのままの状態では、新しい建
築用積層材を貼り替えることが困難となり、多大な手間
をかけて下地面に残着するガラスシートまたはこのガラ
スシートを用いた建築用積層材を除去しなければならな
いという大きな欠点があった。
【0005】また、実公昭61−21240号には、
1.ガラス繊維が20〜100%でパルプ及び/又はそ
の他の有機繊維が80〜0%である繊維基材シートの間
隙部に、無機充填材と有機系合成樹脂とを混合して附与
した事を特徴とするシート材料についての記載がなされ
ている。しかしながら、この考案は多量のガラス繊維
と、パルプ及び/又はその他の有機繊維とを混抄したシ
ートであっても、無機質充填材を使用すればその粒子の
細かさ故に混抄紙の間隙の細部まで均等に入り、しかも
脱落しない様に有機系合成樹脂で接着する事により、目
止め加工はきわめて有効に達成でき、ポリ塩化ビニルペ
ーストの裏面への浸み出しを止める事が出来るという発
想であるが、たとえ目止め加工してポリ塩化ビニルペー
ストの裏面への浸み出しを防止しても、シート表面の平
坦性が確保されてなければ、ポリ塩化ビニルペーストの
塗工の際に塗工厚みムラが発生し、発泡後は表面の凹凸
が目立つという欠点があった。また、ガラス繊維を配合
する目的は寸法安定性を得る事であるが、繊維が横方向
にも配向していないと、ポリ塩化ビニール加工時、製品
の施工時、施工後の経日変化、たわみ、等における寸法
安定性に問題があり柄ズレ、カール等の解決には至らな
いという欠点があった。さらに、このシート材料を用い
た積層材及び表面化粧材を実用に供した後、貼り替えの
際に積層材及び表面化粧材を下地材から剥離するが、単
層品である為、2層構造品の様に下層のみを均一に残し
て剥離する事は不可能で、このシート材料またはこのシ
ート材料を用いた積層材及び表面化粧材そのものが下地
面に不均一に部分的に多量に残着する為、下地に凹凸を
生じ、そのままの状態では、新しい積層材及び表面化粧
材を貼り替えることが困難となり、多大な手間をかけて
下地面に残着するシート材料またはこのシート材料を用
いた積層材及び表面化粧材を除去しなければならないと
いう大きな欠点があった。
【0006】積層材及び表面化粧材の下地材への貼り付
けの施工方法について、下地の凹凸、すき間等はサンダ
ー掛けか、パテ等で修正し、ゴミ、塗料の汚れ等は完全
に除去し、下地部分を充分乾燥させた上、櫛目ベラで3
00g/m2前後の接着剤を下地材に塗布し、所定のオープ
ンタイムを経過した後、積層材及び表面化粧材をのせて
圧着ローラーや布を巻いた角材で中の空気を抜く様に中
心から外に向けて圧着し空気溜まりを取りながら貼り付
けてゆく。貼り付け用の接着剤はエマルジョンタイプの
合成ゴム系のラテックスの使用が多い。櫛目ベラで30
0g/m2前後のエマルジョンタイプの接着剤を下地材に塗
布すると、接着剤は筋状に塗布され、下地材が完全に接
着剤で覆われる事はない。この筋状に接着剤が塗布され
た下地材に積層材及び表面化粧材の裏打ち用基材面を貼
り付ける際に積層材及び表面化粧材の裏打ち用基材面の
凹凸はある程度までの凹凸ならば空気をこの凹凸を通し
て逃がしながら貼る事が可能であるが、この凹凸も大き
過ぎると凹凸によって空気が残ってしまい充分な接着強
度が得られない等の欠点がある、この欠点を解決すべく
裏打ち用基材面の凹凸を充分に覆える様に接着剤塗布量
を多くすれば不経済であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの欠点
を解決することを課題とするものであり、平坦性の良好
なポリ塩化ビニル塗布加工面が得られ、下地材への床材
の貼り付け時の施工性が良好で、実用時の剥がれ等の問
題がなく十分実用に耐え、且つ寸法安定性に問題のない
裏打ち用の2層抄合わせガラス繊維不織布の表面に顔料
とバインダーを含む塗液を塗抹した3層構造の床材用裏
打ち基材を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は2層抄合
わせガラス繊維不織布の表面に顔料とバインダーを含む
塗液を塗抹した3層構造の床材用裏打ち基材上にポリ塩
化ビニルを塗布加工してなる床材の該裏打ち基材に於い
て、3層構造の内、下地面に接着される側の最下層を第
1層、ポリ塩化ビニルが表面に塗布加工される側の最上
層の塗抹層を第3層とし、第2層がガラス繊維、パルプ
繊維及び繊維状バインダーを含み、触針式3次元表面粗
さ計による中心面平均粗さSRaが第3層表面は5μm
以上12μm以下、第1層表面は13μm以上28μm
以下、且つ20℃65%の環境下で24時間以上調湿し
た寸法を基準とした時の200℃3分間放置後の収縮率
が0.2%以下である事を特徴とする3層構造の床材用
裏打ち基材である(請求項1)。好ましくは、第1層が
パルプ繊維とサイズ剤と繊維状バインダーを含む事を特
徴とする請求項1記載の3層構造の床材用裏打ち基材で
ある(請求項2)。さらに、人造繊維を含む事を特徴と
する請求項2記載の3層構造の床材用裏打ち基材(請求
項3)。また、第2層がサイズ剤を含む事を特徴とする
請求項1〜3項いずれか1項記載の3層構造の床材用裏
打ち基材(請求項4)。繊維状バインダーがPVA繊維
である事を特徴とする請求項1〜4項いずれか1項記載
の3層構造の床材用裏打ち基材(請求項5)。また、本
発明の製造方法は、請求項1〜5いずれか1項に記載の
3層構造の床材用裏打ち基材の製造方法において、傾斜
ワイヤー型長網抄紙機による第2層の抄造に引き続き、
これに第1層を抄合わせ、第2層表面をヤンキードライ
ヤーに当てて乾燥し平坦面にした抄合わせガラス繊維不
織布を得て、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表面
に顔料とバインダーを含む塗液を塗抹する事を特徴とす
る3層構造の床材用裏打ち基材の製造方法(請求項6)
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2層抄合わせガラス繊維不織布の表面に顔料と
バインダーを含む塗液を塗抹した3層構造の床材用裏打
ち基材上にポリ塩化ビニルを塗布加工してなる床材の該
裏打ち基材に関し、最上層表面に塩ビゾルの不均一で過
剰な浸透を防止する目的で目止めを充分に行っても平坦
性が悪いと、床材の製造時にコンマコーター等でこの床
材用裏打ち基材の最上層表面に発泡性塩ビゾルを塗工す
るとその塗工厚みは均一とならず厚みムラを持つ、厚み
ムラを持った発泡性塩ビゾルが発泡させられて約4倍の
厚みになると発泡後の塩ビ面の凹凸が目立つ事から最上
層表面の平坦性が必要となる、そこで2層抄合わせガラ
ス繊維不織布の抄造時に第2層表面をヤンキードライヤ
ー面に当てて乾燥し平坦面を得て、その第2層表面に塩
ビゾルの不均一で過剰な浸透を防止する目的の第3層を
設けるわけである。平坦性の指標として触針式3次元表
面粗さ計を用いて測定される中心面平均粗さSRaが第
3層表面は12μm以下でないと発泡後の塩ビ面の凹凸
が目立ち、第3層表面は平坦であればあるほど発泡後の
塩ビ面の凹凸が目立ち難く好ましいが5μm未満にしよ
うとするとガラス繊維の配合量を少なくしなければ達成
できず、この場合は寸法安定性に欠けてしまう問題があ
る。中心面平均粗さSRaは第3層表面は5μm以上1
2μm以下である。2層抄合わせし、第2層表面をヤン
キードライヤー面に当てて平坦面にすると、地合いムラ
は反対側の第1層表面の凹凸に繋がり、床材を下地材に
塗布された接着剤によって貼り付ける時に第1層表面の
凹凸が大き過ぎると接着強度不足を招く事から、地合い
ムラを少なくする必要が出て来る。 そこで第2層の寸
法安定性の確保を主目的に配合しているガラス繊維の配
合量を少なく、また寸法を細く短いものを用いることに
よって、繊維長が長く、屈曲性が無く、分散性が良くな
いために発生する地合い形成の悪影響をなくし、第1層
表面の凹凸も少ない平坦面を得るわけである。平坦性の
指標として触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される
中心面平均粗さSRaが第1層表面は28μm以下でな
いと床材を下地材に塗布された接着剤によって貼り付け
る時に接着強度不足を招く、第1層表面も平坦であれば
あるほど好ましいが13μm未満にしようとするとガラ
ス繊維の配合量を少なくしなければ達成できず、この場
合は寸法安定性に欠けてしまう問題があり、中心面平均
粗さSRaは第1層表面は13μm以上28μm以下で
ある。第2層のガラス繊維の配合量を少なくまた寸法を
細く短いものを用いる事による横方向の寸法安定性の悪
化対策として、傾斜ワイヤー型長網抄紙機にて抄造する
事で繊維を横方向にも配向させてガラス繊維の配合量が
少なくまた寸法が細く短いものを用いても寸法安定性を
確保出来る様にするものである。収縮率は従来の経験則
より0.1%以内が望ましく、悪くとも0.2%以内が
必要である。以上によって発泡性塩ビゾルが塗布加工さ
れる最上層が平坦であり、また、下地材に接着される最
下層も平坦であり、且つ横方向の寸法安定性も良好な3
層構造の床材用裏打ち基材が得られるのである。
【0010】第1層の配合はパルプ繊維とサイズ剤と繊
維状バインダーの組み合わせか、またはパルプ繊維とサ
イズ剤と繊維状バインダーと人造繊維の組み合わせを、
第2層の配合はガラス繊維とパルプ繊維と繊維状バイン
ダーの組み合わせか、またはガラス繊維とパルプ繊維と
繊維状バインダーとサイズ剤の組み合わせである。各原
料は主用途として第1層のサイズ剤はサイズ性の調整用
として、パルプ繊維は被着材及び水分吸収用として、繊
維状バインダーは接着剤として、人造繊維は通気度の調
整用また床材の使用用途に応じて、第2層のサイズ剤は
サイズ性の調整用として、ガラス繊維は寸法安定性の
為、パルプ繊維は水分吸収用及び塩ビゾル浸透調節用と
して、繊維状バインダーは接着剤として用いている。第
3層の顔料は塩ビゾルの不均一で過剰な浸透を防止する
目止め用として、バインダーは顔料の接着用として用い
ている。これらを含む事で、上記の特性を実現すること
が出来る。尚、第1層は床材の貼り替え時に下地接着剤
に貼り替えに支障のない程度の凹凸の少ない薄層を残す
事が出来る様に坪量は16g/m2以下が好ましく、また、
第2層は床材の厚みや強度等の要求特性に応じて坪量を
調整し50g/m2以上150g/m2以下の坪量が好ましく、
第3層の塗抹量は塗抹方法、及び塩ビゾルの浸透に応じ
て調整し5g/m2以上60g/m2以下の塗抹量が好ましい。
【0011】本発明で使用するガラス繊維は、折れ難く
繊維シート形成能があり地合い形成に著しい悪影響を及
ぼさなければいずれのガラス繊維でも良い。繊維径は5
μから13μのものが一般的であり、6μ未満の細いガ
ラス繊維は風合い等優れたものが出来るが強度的に弱
く、13μを越える太いガラス繊維は寸法安定性は向上
するものの太くなり過ぎて隙間が大きくなり加工性が劣
り、さらに皮膚への刺激性がある等利用しにくい。繊維
長については、3mmから25mmのものが一般的であ
るが、6mm未満では強度的に弱く、25mmを越える
と地合が悪くなり好ましくない。以上からより好ましい
ガラス繊維は繊維径は6μ以上13μ以下、繊維長は6
mm以上25mm以下である。
【0012】第2層はガラス繊維、繊維状バインダーを
含み、ポリ塩化ビニルが第3層の表面に塗布加工されて
床材として使用される裏打ち用の抄合わせガラス繊維不
織布である事から、均一な地合、寸法安定性、ポリ塩化
ビニル塗布加工時の平坦性が必要であり、ガラス繊維と
パルプ繊維と繊維状バインダーの重量合計を100%と
した場合、ガラス繊維の好ましい添加率は45%以上6
5%以下である。
【0013】本発明で使用するパルプ繊維とは針葉樹、
広葉樹、その他の植物体から、機械的方法、化学的方
法、あるいはその中間で以上の2つの方法を適度に組み
合わせた方法により取り出した植物繊維の集合体であ
り、いずれかのパルプを単独または組み合わせて適度に
叩解して用いる。
【0014】本発明で使用する繊維状バインダーとして
は、PVA繊維、ビスコース繊維、ポリエステル繊維、
ビニロン繊維、各種芯鞘繊維が挙げられ、本発明の所望
の効果を損なわなければいずれの繊維状バインダーを用
いても構わない。特に、実施例でも用いたPVA繊維が
好ましく、さらに詳しく述べると、PVA繊維は特にそ
の目的の為に、適当な原料PVAを用いて適当な条件で
製造した繊維であり、常温の水では殆ど溶解しないで繊
維形態を保っているが、抄紙後のドライヤー面で加熱さ
れると容易に溶解し始め、その瞬間にタッチロールのご
とき設備で加圧してやれば、主体繊維間にまたがって繊
維状バインダーとなり、その後の脱水乾燥によって再凝
固し、高温水中でなければ容易に離れない強力な紙層構
成繊維となる。この繊維の接着力に及ぼす影響は色々考
えられるが、大別して水中軟化点、繊度、繊維長の3点
から考える事が出来る。水中軟化点は実際抄紙の場合、
湿紙がドライヤーにより熱を受け、バインダー繊維が溶
け始て接着機能を示す温度を大体示している。水中軟化
点の低いPVA繊維を使用するほど、接着の前提条件で
あるバインダー繊維の溶解が容易となり接着効果が大き
くなるが、水中軟化点の低い方が、接着効果の点からは
良いがドライヤーへの付着は起こり易い。PVA繊維が
溶解する為には、その水中軟化点以上に湿紙の温度が高
くなる必要があり、従って乾燥温度が高い程接着効果が
大きく、強度は向上する。湿紙中の水温がPVA繊維の
水中軟化点以下では、バインダー繊維の溶解が起こら
ず、従ってバインダー効果はまったく失われる。ヤンキ
ードライヤーの場合ドライヤーのスチーム温度は130
〜160℃程度で、これに接触している湿紙の温度は6
0〜90℃と考えられるから、PVA繊維の水中軟化点
を65〜85℃のものを選定すると充分な接着力を得る
事が出来る。繊度については細くなるに従って強度は向
上する。このことは同一重量比で添加した場合、細い繊
維を用いた方が添加本数が多くなり、接着点の数が増え
る為接着力が大きくなるからであり、市販しているPV
A繊維は普通1デニールである。繊維長は短くなる方が
抄造時のスラリーでの分布が均一となり、結果的に強度
は大きくなる、この点から3〜4mmが適当である。
【0015】本発明で第1層に使用する人造繊維は合成
繊維、半合成繊維、再生人造繊維、無機繊維等であり、
さらに合成繊維とはポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リウレタン系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポ
リ塩化ビニリデン系、ポリフロルエチレン系、ポリアク
リル系、ポリビニルアルコール系繊維などであり、半合
成繊維とはセルロース系のアセテート、酢化スフ、エチ
ルセルロース繊維、その他の塩化ゴム、塩酸ゴムなどで
あり、再生人造繊維とはセルロース系のビスコースレー
ヨン、銅アンモニアレーヨン、ニトロセルロース、鹸化
アセテート、蛋白質系のカゼイン、大豆蛋白、落花生蛋
白、トウモロコシ蛋白、再生絹糸繊維などであり、無機
繊維とは金属繊維、ガラス繊維、岩石繊維などである。
地合いに影響を及ぼさず加工時の熱の影響を受け難いも
のや寸法安定性の優れたものであれば、本発明の所望の
効果を損なわない範囲で目的に応じた比率で使用する事
は可能である。
【0016】本発明で使用するサイズ剤は本発明の所望
の効果を損なわない物であれば強化ロジンサイズ剤、ロ
ジンエマルジョンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、合成
サイズ剤、中性ロジンサイズ剤など公知のサイズ剤のい
ずれをも用いる事が出来る。
【0017】本発明の塗液で使用する顔料は、バインダ
ーとの親和性があって、塗抹し乾燥後に脱落しなけれ
ば、無機顔料でも有機顔料でも良く、例えば硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、カオリン、サチンホワイト、合成
シリカ、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アル
ミニウム、プラスチックスピグメント等が単独または併
用して用いられる。また本発明の塗液で使用するバイン
ダーは、顔料との親和性があって、塗抹し乾燥後に塗層
の脱落がなければいずれでも構わないが、例えば、スチ
レンブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合体、
メタアクリル酸・ブタジエン共重合体、アクリロニトル
・ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、アクリ
ル酸エステル系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン
系重合体、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、リン
酸エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カルボキシ
メチルセルロース、カゼイン等を単独あるいは併用して
用いても構わず、塩ビゾルの浸透抑制効果が高く、塩ビ
ゾルとの接着性が良いバインダーがより好ましい。
【0018】配合中には、この他に本発明の所望の効果
を損なわない範囲で従来から使用されている各種アニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性、或いは両性の歩留り向
上剤、濾水剤、分散剤、紙力向上剤や粘剤が必要に応じ
て適宜選択して使用される、なお、pH調整剤、消泡
剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等
の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加する事も可能
である。
【0019】本発明における製造方法は、例えば、以下
の様に行うことが出来る。第2層は、水にノニオン系分
散剤を添加した後、ガラス繊維を投入し、約15分間攪
拌し、その後、高分子ポリアクリルアミド水溶液を添加
し往復攪拌機で攪拌した状態でガラス繊維スラリーとし
て貯蔵し、また水に叩解後のパルプ繊維、繊維状バイン
ダー、サイズ剤、ヘキサメタリン酸ソーダを混合分散し
た後、パルプスラリーとして別の貯蔵タンクに送り、前
者のスラリーと後者のスラリーとを第2層用として一定
量ずつ傾斜ワイヤー型長網抄紙機に送り、目標の坪量と
なる様に第2層を先に抄造する。次に、第1層は、水に
叩解後のパルプ繊維、繊維状バインダー、サイズ剤、ヘ
キサメタリン酸ソーダを混合分散した後、貯蔵タンクに
送り、このスラリーを第1層用として一定量ずつ円網抄
紙機に送り、先に抄造した第2層に目標の坪量となる様
に抄合わる。さらに、この抄合わせた後、第2層表面が
ヤンキードライヤー面に当たる様にして乾燥し平坦性の
あるガラス繊維不織布とすることが出来る。このガラス
繊維不織布の第2層の表面にさらに顔料とバインダーを
含む塗液を塗抹する。
【0020】本発明で使用する抄紙機について述べる
と、ノンウーブン用としては、大別して水平型長網抄紙
機、傾斜ワイヤー型長網抄紙機、円網抄紙機の3種類の
抄紙機がある。水平型長網抄紙機は、木材パルプを用い
て紙を抄造する場合は、ストックインレット濃度は1%
前後でワイヤーの速度をストックインレットからの噴出
速度に同調若しくはやや速くさせるのが基本で繊維はマ
シン方向つまり縦方向に配向しやすい。一方、ガラス繊
維は木材パルプに比較し、繊維長がはるかに長く、親水
性でなく水分散性が悪く、木材パルプの様にフィブリル
化しておらず濾水性が大きい、その為にガラス繊維を含
むノンウーブンを抄造する場合は、ストックインレット
濃度は0.1%未満で、噴出流で地合いを損ねない様に
ワイヤーの速度をストックインレットからの噴出速度よ
りさらに速くしなければならず、繊維はマシン方向つま
り縦方向にさらに配向し易い、よって繊維を横方向に多
く配向させようとするには好ましい抄紙機ではない。円
網抄紙機は、穴の開いた枠或いはハニカムロール上にバ
ッキングワイヤと表面ワイヤーを張った円筒状の方式
で、サクション・フォーミングボックスははシリンダー
内部に置かれており、紙層形成は一般に円筒表面の1/
4で行われ、繊維の絡み合いを促進する手段はなく、繊
維の一端がワイヤーに付着した紙料が、シリンダーの回
転に伴い、吸引されながらワイヤー面に固着される。従
って、湿紙の繊維配列は縦方向に偏りが見られ、水平型
長網抄紙機と同様に繊維を横方向に多く配向させようと
するには好ましい抄紙機ではない。最後に本発明で第2
層の抄造に使用する傾斜ワイヤー型長網抄紙機は、名前
の通り、フォーミングゾーンのワイヤーが抄紙方向に対
し昇り角度で10〜25度傾斜しており、構成としては
巾方向の流れを均一化させる多岐管、紙料の流れを整え
るヘッドボックス、ヘッドボックス内部には紙料の上向
き運動エネルギーをフォーミング部へ転換させるストッ
クデフレクターがあり、傾斜ワイヤー上には紙料の流速
を調節し均一にフォーミングボックス上に流出させるポ
ンドレギュレーターがある。また、ブレストロール後に
は、ヘッドボックスより供給される紙料を均一に流出さ
せるエプロンボードと紙料を吸引して紙層を形成させる
フォーミングボックスがある。更にヒンジロール後には
湿紙水分を調節するサクションボックスがあり、水分調
節された湿紙はウットフェルトを介して吸引するピック
アップサクションによってフェルトと共に抄合わせられ
る第1層用の円網抄紙機に運ばれる。紙層形成時にはフ
ォーミングボックス上の傾斜ワイヤーとポンドレギュレ
ーターの間に挟まれる形で紙料原料が脱水されながら流
れ、繊維はワイヤーに対して直角方向にも吸引されて紙
層が形成される。この為、繊維を横方向に多く配向させ
ようとするには好ましい抄紙機である。
【0021】本発明で使用するヤンキードライヤーにつ
いて述べると、大径のドライヤーセルを持ち、この中に
130〜160℃のスチーム通して乾燥を行う、ドライ
ヤー表面は高度の研磨加工が施され、湿ったシートをタ
ッチロールと呼ばれる押しつけロールにてこのヤンキー
ドライヤー面に密着させてシート表面に平坦性と光沢が
付与される様になっている。
【0022】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を詳
細に説明するが、これに限定されるものではない。表1
に実施例と比較例の配合比を示す。
【0023】クッション床材の作成 3層構造の床材用裏打ち基材のサンプルを巾25cm長
さ30cmに断裁し110℃の恒温熱風乾燥器で30秒
プレヒートした後、ガラス板の上に第1層の面が下にな
る様に載せ、第3層の表面にクッション床材用の発泡性
塩ビゾルをギャップ0.4mmのアプリケーターバーで
塗布し、200℃恒温熱風乾燥器で20秒加熱しゲル化
させた。冷却させたゲル化後のシートに更に非発泡性の
透明塩ビゾルをギャップ0.6mmアプリケーターバー
で塗布(塗布キャップは0.2mm)し200℃恒温熱
風乾燥器で15秒加熱し発泡性塩ビゾルを発泡させ、非
発泡性の透明塩ビゾルはゲル化させてクッション床材を
作成した。
【0024】実施例、比較例におけるデータの測定は下
記の方法による。 中心面平均粗さSRa:平坦性の指標として触針式
3次元表面粗さ計を用いて測定される中心面平均粗さS
Raとは数1で規定されるものである。
【0025】
【数1】
【0026】数1において、Wxは試料面域のX軸方向
(抄紙方向)の長さを表し、Wyは試料面域のY軸方向
(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表し、Saは試料面
域の面積を表す。具体的には、触針式3次元表面粗さ計
及び3次元表面粗さ解析装置として、小坂研究所(株)
社製SE−3AK型機及びSPA−11型機を用い、W
x=50mm、Wy=23.976mm、従ってSa=
1198.8mm2 、低域カットオフ=R+W、高域カ
ットオフ=R+W、X送り速さ2mm/secの条件で
求める事が出来る。なお、X軸方向のデータ処理として
はサンプリングを500点行い、Y軸方向の走査として
は25線行う。 剥離強度:合成ゴムラテックス系床剤用接着剤(ボ
ンドFL101コニシ株式会社)を巾40mm、長さ2
00mm、厚み5.5mmの合板に櫛目ベラを用いて塗
布量250g/m2となるように塗布し、オープンタイム1
0分後にクッション床材を接着面積が40mm×150
mmになる様に貼り合わせ、8kgの重さのローラーで
2往復し圧着させた後、168時間後に剥離巾32mm
となる様にカッターでクッション床材に切れ目を入れて
引張速さ200mm/minで90度剥離強度を測定し
て得られた値にさらに25/32を掛けた値を剥離強度
とした。従来の経験則より剥離強度は2kgf/25mm以上あ
れば実用時の剥がれ等の問題がなく充分実用に耐える。 寸法安定性:ガラス繊維不織布サンプルを温度20
℃湿度65%の環境下で24時間以上調湿し、サンプル
の長さを正確に測定する。このサンプルを温度200℃
の恒温熱風中へ3分間放置後サンプルの長さを測定し原
寸に対する収縮率を求めた。0に近い程寸法安定性が良
い。従来の経験則より収縮率は0.1%以内が望まし
く、悪くとも0.2%以内が必要である。 塩ビ面の平坦性:上記の方法で作成したクッション
床材の塩ビ表面の凹凸を目視で観察し、凹凸の小さきも
のをランク1とし、大きなものをランク10として、1
0段階評価した。ランク1が最良であり、従来の経験則
よりランクは1から5までが良好で、悪くともランク6
までが望ましい。 パルプの濾水度:JIS P 8121に準じパル
プの濾水度を測定した。
【0027】実施例1 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で傾斜ワイヤ
ー型長網抄紙機にて第2層50g/m2の抄造に引き続き、
これに円網抄紙機にて第1層8g/m2を抄合わせ、プレス
後、第2層表面をヤンキードライヤーに当てて乾燥し平
坦面にし、坪量58g/m2の抄合わせガラス繊維不織布を
得た、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表面に表1
に示す塗液を固形分35g/m2塗抹し合計坪量93g/m2
抄合わせガラス繊維不織布の塗抹シートを作成した。測
定結果を表3と表5に示す。
【0028】実施例2 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で傾斜ワイヤ
ー型長網抄紙機にて第2層150g/m2の抄造に引き続
き、これに円網抄紙機にて第1層16g/m2を抄合わせ、
プレス後、第2層表面をヤンキードライヤーに当てて乾
燥し平坦面にし、坪量166g/m2の抄合わせガラス繊維
不織布を得た、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表
面に表1に示す塗液を固形分35g/m2塗抹し合計坪量2
01g/m2の抄合わせガラス繊維不織布の塗抹シートを作
成した。測定結果を表4と表6に示す。
【0029】比較例1 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で傾斜ワイヤ
ー型長網抄紙機にて第2層50g/m2の抄造に引き続き、
これに円網抄紙機にて第1層8g/m2を抄合わせ、プレス
後、第2層表面をヤンキードライヤーに当てて乾燥し平
坦面にし、坪量58g/m2の抄合わせガラス繊維不織布を
得た、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表面に表1
に示す塗液を固形分35g/m2塗抹し合計坪量93g/m2
抄合わせガラス繊維不織布の塗抹シートを作成した。測
定結果を表3に示す。
【0030】比較例2 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で傾斜ワイヤ
ー型長網抄紙機にて第2層150g/m2の抄造に引き続
き、これに円網抄紙機にて第1層16g/m2を抄合わせ、
プレス後、第2層表面をヤンキードライヤーに当てて乾
燥し平坦面にし、坪量166g/m2の抄合わせガラス繊維
不織布を得た、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表
面に表1に示す塗液を固形分35g/m2塗抹し合計坪量2
01g/m2の抄合わせガラス繊維不織布の塗抹シートを作
成した。測定結果を表4に示す。
【0031】比較例3 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で円網抄紙機
にて第2層50g/m2の抄造に引き続き、これに円網抄紙
機にて第1層8g/m2を抄合わせ、プレス後、第2層表面
をヤンキードライヤーに当てて乾燥し平坦面にし、坪量
58g/m2の抄合わせガラス繊維不織布を得た、さらにこ
のガラス繊維不織布の第2層表面に表1に示す塗液を固
形分35g/m2塗抹し合計坪量93g/m2の抄合わせガラス
繊維不織布の塗抹シートを作成した。測定結果を表5に
示す。
【0032】比較例4 表1に示す配合比及び表2に示す抄造条件で傾斜ワイヤ
ー型長網抄紙機にて第2層150g/m2の抄造に引き続
き、これに円網抄紙機にて第1層16g/m2を抄合わせ、
プレス後、エアドライヤーにて乾燥し、坪量166g/m2
の抄合わせガラス繊維不織布を得た、さらにこのガラス
繊維不織布の第2層表面に表1に示す塗液を固形分35
g/m2塗抹し合計坪量201g/m2の抄合わせガラス繊維不
織布の塗抹シートを作成した。測定結果を表6に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】実施例1と比較例1の比較において、第2
層のガラス繊維とパルプ繊維と繊維状バインダーの重量
合計を100%とした場合、第1層面の平坦性、つまり
中心面平均粗さSRaを向上させるべく、第2層のガラ
ス配合率を45%から40%に減らすと、中心面平均粗
さSRaは13.0μmから12.7μmへと良化する
が、収縮率が0.10%から0.21%へと悪化する事
から、第1層面の中心面平均粗さSRaの下限は13.
0μmである事が解る。第3層面についても同様に、第
2層のガラス繊維とパルプ繊維と繊維状バインダーの重
量合計を100%とした場合、第3層面の平坦性、つま
り中心面平均粗さSRaを向上させるべく、第2層のガ
ラス配合率を45%から40%に減らすと、中心面平均
粗さSRaは5.0μmから4.7μmへと良化する
が、収縮率が0.10%から0.21%へと悪化する事
から、第3層面の中心面平均粗さSRaの下限は5.0
μmである事が解る。
【0037】
【表4】
【0038】実施例2と比較例2の比較において、第2
層のガラス繊維とパルプ繊維と繊維状バインダーの重量
合計を100%とした場合、第2層のガラス配合率を6
5%から70%に増すと、第1層面の平坦性、つまり中
心面平均粗さSRaは28.0μmから29.5μmへ
と悪化し、これに伴い剥離強度が2.0kgf/25mmから
1.8kgf/25mmへと弱くなる事から、第1層面の中心面
平均粗さSRaは28.0μmが上限である事が解る。
第3層面についても同様に、第2層のガラス繊維とパル
プ繊維と繊維状バインダーの重量合計を100%とした
場合、第3層面の平坦性、つまり中心面平均粗さSRa
は12.0μmから13.1μmへと悪化し、これに伴
い塩ビ面の平坦性が6から7へと悪化する事から、第3
層面の中心面平均粗さSRaは12.0μmが上限であ
る事が解る。
【0039】
【表5】
【0040】第2層の抄造において傾斜ワイヤー型抄紙
機使用の実施例1と円網抄紙機使用の比較例3の比較に
おいて、比較例3は収縮率不良で傾斜ワイヤー型抄紙機
の使用が必要である事が解る。
【0041】
【表6】
【0042】第2層面の乾燥において、ヤンキードライ
ヤー使用の実施例2とエアドライヤー使用の比較例4の
比較において、比較例4は第3層面の平坦性が悪く塩ビ
面の平坦性も悪い、ヤンキードライヤー使用が必要であ
る事が解る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平坦性の指標として触針式3次元表面粗さ計を用いて測
定される中心面平均粗さSRaがポリ塩化ビニルが塗布
加工される最上層表面は5μm以上12μm以下、その
反対側の最下層表面の中心面平均粗さSRaは13μm
以上28μm以下、且つ横方向の収縮率が0.2%以下
の3層構造の床材用裏打ち基材である事から平坦性の良
好なポリ塩化ビニル塗布加工面が得られ、床材の貼り付
け時の施工性が良好で、実用時の剥がれ等の問題がなく
十分実用に耐え、且つ寸法安定性に問題のない効果が得
られるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−226747(JP,A) 特開 昭61−21240(JP,A) 特開 昭58−191300(JP,A) 特開 昭52−876(JP,A) 実開 平2−129541(JP,U) 実開 昭60−137538(JP,U) 実開 昭56−138895(JP,U) 実開 昭56−19600(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 D04H 1/00 - 18/00 D21H 13/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層抄合わせガラス繊維不織布の表面に
    顔料とバインダーを含む塗液を塗抹した3層構造の床材
    用裏打ち基材上にポリ塩化ビニルを塗布加工してなる床
    材の該裏打ち基材に於いて、3層構造の内、下地面に
    される側の最下層を第1層、ポリ塩化ビニルが表面に
    塗布加工される側の最上層の塗抹層を第3層とし、第2
    層がガラス繊維、パルプ繊維及び繊維状バインダーを含
    み、触針式3次元表面粗さ計による中心面平均粗さSR
    aが第3層表面は5μm以上12μm以下、第1層表面
    は13μm以上28μm以下、且つ20℃65%の環境
    下で24時間以上調湿した寸法を基準とし200℃3分
    間放置後の収縮率が0.2%以下である事を特徴とする
    3層構造の床材用裏打ち基材。
  2. 【請求項2】 第1層がパルプ繊維とサイズ剤と繊維状
    バインダーを含む事を特徴とする請求項1記載の3層構
    造の床材用裏打ち基材。
  3. 【請求項3】 人造繊維を含む事を特徴とする請求項2
    記載の3層構造の床材用裏打ち基材。
  4. 【請求項4】 第2層がサイズ剤を含む事を特徴とする
    請求項1〜3項いずれか項記載の3層構造の床材用裏
    打ち基材。
  5. 【請求項5】 繊維状バインダーがPVA繊維である事
    を特徴とする請求項1〜4項いずれか1項記載の3層構
    造の床材用裏打ち基材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項に記載の3層
    構造の床材用裏打ち基材の製造方法において、傾斜ワイ
    ヤー型長網抄紙機による第2層の抄造に引き続き、これ
    に第1層を抄合わせ、第2層表面をヤンキードライヤー
    に当てて乾燥し平坦面にした抄合わせガラス繊維不織布
    を得て、さらにこのガラス繊維不織布の第2層表面に顔
    料とバインダーを含む塗液を塗抹する事を特徴とする3
    層構造の床材用裏打ち基材の製造方法。
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