JP3663814B2 - 印刷用紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷時の白抜けが顕著に少ない印刷用紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙または板紙の製造においては、紙料の稀薄スラリーからプレス工程までは、ウェブの濾水性、填料、微細繊維などの歩留まりが重要である。しかしながら、紙表面及び紙層の表層に存在する填料、木材繊維、導管等は不安定物となり、オフセット印刷時にこれらの不安定物が版面に付着し、白抜けの原因となる。しかしながら、抄紙工程において、上述の不安定物を未然に除去することは、現在の抄紙工程では困難である。そのため、▲1▼内添の填料等を最少限にして不安定物を少なくする、▲2▼パルプのフリーネスを下げてパルプ繊維をフィブリル化させることにより不安定物を安定化する、▲3▼外添すなわちウェブ表面の全面に水溶性高分子などの表面処理剤を塗工することにより不安定物を固着する、等の方法で対処してきた。▲1▼、▲2▼の何れの方法も不透明性等の品質やコストの面から、特に▲2▼については濾水性の面からも限界があり、▲3▼の方法で対処することが一般的である。不安定物を固着するために表面処理剤を塗工する場合、印刷工程における紙粉の脱落を完全に防ぐためには、印刷品質を損なう程度まで過剰にウェブ表面に塗布する必要がある。しかし、表面処理剤をウェブ表面に過剰に塗布することは、印刷面の強度を向上させる効果があるが、インクのセット性、印刷品質及びコストの面では好ましくない。
【0003】
紙粉の脱落を防ぐため紙表面の強度を向上させることと、微細繊維及び填料の歩留まりを向上させることとは、しばしばお互いに相反することが、当業者にはよく知られている。例えば、完成紙料の歩留まりを向上させた場合、微細繊維及び填料の歩留まりは良好であっても、それに伴って不安定な繊維、異物、填料及びそれらの複合物等が紙表面に多くなり、紙表面の強度は低下する。また、一般的にウェットエンドにおいては、濾水性、歩留まりを重視するので、その結果生じる紙表面の不安定物は、外添すなわち表面処理によって安定化する。また、不透明度を向上させるためにGPや填料の使用は表面強度を低下させる。すなわち、パルプ化工程ではパルプの蒸解収率を重視する傾向があり、ウェットエンドでは生産性のために、濾水性や填料歩留まりを重視する傾向があり、紙表面の強度や表裏差などの紙質は犠牲になり、最終製品の品質は低下する。
【0004】
紙表面の強度の向上のための外添による表面処理において一種類以上の表面処理剤が使用されてきた。このような目的で行われる表面処理剤の適用は抄紙機のサイズプレスで行われることが多く、高速で表面塗工される。塗工方法として、ゲートロールコーター、ポンド式サイズプレスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーターが使用されており、1000m/分以上の高速の抄造ではゲートロールコーターによるのが安定性があり適している。しかし、ポンド式サイズプレスコーターに比較してゲートロールコーターでは紙層内部にまでバインダーが浸透しないために塗布量が少ない場合、紙の表面強度が著しく低下する傾向があった。
【0005】
また、表面処理剤としてコストの安いオンサイトで化学処理した澱粉、例えば、生澱粉に過硫酸アンモニウムあるいはアミラーゼを添加しクッキングと同時に分子量を低下させた澱粉(HPS変性澱粉、酵素変性澱粉)を使用すると、固形分10%に近い高濃度では安定性が悪く粘度が増加(老化現象)し、塗工適性が悪化しやすい。そのために、濃度が高くても塗工適性が良好な、コストの高い酸化澱粉、エーテル化澱粉、あるいはポリアクリアミド等を使用する必要がある。これらの表面処理剤を過剰に塗布することによって、ワックスピックなどの一般の紙の表面強度を向上させることは可能ではあるものの、印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けを効果的に少なくすることはできないという問題があった。
【0006】
従って、ワックスピックなどの一般の表面強度を過剰に高くすることなしに、即ち表面処理剤を厚塗りすることなく、オフセット印刷時の版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けを少なくすることが理想的であるが、それを可能にする方法がなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面処理剤の塗布量が従来に比較して少なく、しかもワックスピックなどの表面強度が過剰に高くない(例えばJIS P 8129規定のワックスピック9 以下)にもかかわらず、ワックスピックが12以上のレベルの印刷用紙並にオフセット印刷時の白抜けが顕著に少なくすることができる印刷用紙及びそのような印刷用紙の製造方法を提供することを課題とする。また、老化しやすいHPS変性澱粉、酵素変性澱粉等を塗工しても、オフセット印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けが少ない印刷用紙及びそのような印刷用紙の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、JIS P 8129規定のワックスピックが9 以下で、かつローランド印刷機において、印刷面積が 420mm× 297mmで3000部印刷終了時の白抜けの数が10未満であること印刷用紙によって達成された。また、本発明の課題は、抄紙機において、第一乾燥部と塗工部の間でウェブ面上及びウェブ中の不安定粒子を非接触的手段により除去したウェブに対して、連続的に続く塗工部で表面処理剤を塗布することにより解決された。更に、上記課題はワイーヤー部、プレス部、乾燥部を経ていて、塗工部およびカレンダー部を経ない工程で抄造された印刷用紙原紙の表面および原紙中の不安定物を非接触的手段により除去し、その後表面に表面処理剤を塗布乾燥することによっても解決することができた。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の印刷用紙は、例えばワイヤー部、プレス部、第一乾燥部、塗工部、第二乾燥部、カレンダー部からなる抄紙機において、第一ドライ部とサイズプレスの間でウェブ面上及びウェブ中の不安定物を非接触的手段により除去したウェブに対して、続く塗工部でロール転写型塗工装置あるいはポンド式サイズプレス等の塗工装置によって微量の表面処理剤の塗布層を設けることによって製造される。このようにして製造された印刷用紙は、ワックスピックなどの表面強度が低いにもかかわらず、オフセット印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けが顕著に少ないという特徴を有する。
【0010】
紙の製造は、原料事情の変化から、従来あまり好ましくないとされていた原料をも含むあらゆる原料を使用することを前提として行われる傾向が強まっている。そのためパルプ原料の種類によっては導管ベッセル及び柔細胞組織レイセルの多い原料、すなわち印刷時に白抜けの発生する可能性が高い問題のある原料であっても使用する場合がある。また、化学パルプ、メカニカルパルプ等の各種のパルプは、地合の改善のために叩解工程を経ることにより、ある部分は必要以上に必ず微細化される一方、比較的大きなベッセルもいくらかは残存し、これが他の繊維の絡みがない状態で表面に存在するのは避けられない。これら微細繊維や大きなベッセルはいずれも紙層あるいは表面で強固に結合はされず、完成紙においては不安定要因物である。特に比較的大きな不安定要因物は通常の抄紙工程では分離除去されず、抄造によりすべて紙層中に取り込まれる。
【0011】
木材、特に針葉樹は疎水性成分を1 〜10重量%程度含んでいる。疎水性成分の組成並びに含有量は樹種により大きく異なり、同一樹種であっても、成育地、年間の伐採時期などによっても異なる。しかし、いずれにしても木材疎水性成分の主要成分は樹脂酸類、脂肪酸類、脂肪酸のグリセリンエステル、ステロールのグリセリンエステルであり、それらのいずれかが白水中に懸濁して存在し、工程内の管路壁面やパルプに局所的に残留し、有機系の懸濁微粒子として、最終的に紙中に存在し紙粉の原因となる。
【0012】
つまり、白抜けの原因になる成分は、即ち本発明でいう不安定物は、紙の基本構成となる適度な長繊維以外は紙原料のすべてが対象となる。例えば 500μm以下の大きさの繊維、ベッセル、レイセルや、10μm以上の無機顔料粒子あるいは微細繊維、さらにリサイクルされた紙原料に由来する印刷インクの微粒子、プラスチックフィルムの破砕片等の、紙原料の中に含まれる多種多様の10μm〜 500μm程度の大きさのものである。
【0013】
これらの不安定物は、紙中での存在の性質に従って、低タックのインクでも白抜けしやすい粒子から高タックのインクにおいて白抜けが発生するようなやや脱離しがたい粒子までが含まれる。
【0014】
これまで、特公昭53-30042号公報、特開昭61-277542 号公報、特開平5-306050号公報、特公平7-98318 号公報において、空気吹き付け等の非接触手段で紙粉等を除去、あるいは吸引排除する紙の製造法が紹介されている。しかし、これらの公報が対象とする紙粉は、表面処理剤が塗布されカレンダーにより所望の平滑性が付与された後の完成した紙の後加工における裁断や紙加工時に発生する紙粉であり、本発明のように完成紙となる前のウェブ表面あるいは表層に存在する未だ紙粉とはなっていない不安定物とは異なるものである。従って、除去手段も前記公報では、裁断機や紙加工機の付近あるいはこれら設備の中に組み込むのに対し、本発明では抄紙機のオンマシン塗工部の直前に除去手段を組み込むか、表面処理剤塗工もカレンダー処理も行われていない原紙の表面あるいは内部から不安定物を除去した後表面処理剤を塗布乾燥するため、塗工機の一部にそれらの手段を組み込む方式であり、両者は明らかに異なる技術思想に基づくものである。
【0015】
本発明の不安定粒子を非接触的手段により除去する装置とは、オフセット印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けが発生する原因となる不安定粒子を除去する手段であり、例えばウェブ表面にエアージェットや超音波の照射である。
【0016】
エアージェットを照射する装置としてはエアーナイフ(エアドクター)が好適である。不安定粒子は、エアーナイフから噴射されたエアジェットはウェブ表面に衝撃を与えて、表面および表層中の不安定粒子は浮き出し掻き落とされる。掻き落とされた不安定粒子は減圧吸引装置を経てシャワーによりエアーから除去される。除去される不安定粒子の量は、ウェブの紙質、抄紙速度などの相対的な関係において、エアーナイフより噴射されるエアジェットの速度、量、比重、エアナイフの角度およびエアーナイフ位置によって決められる。エアーナイフからの空気衝撃エネルギーでは、限度があり、空気圧 0.2kg/cm2 〜 0.6kg/cm2 である。
【0017】
白抜けの個数はかなり多くとも、紙表面に存在する白抜けの原因になる成分の量は、実際は量的には必ずしも多くなく、極微量なものである。一般的にはワイヤー面よりフェルト面に多い。従って、本発明ではエアージェットを当てる紙面はフェルト面が好ましく、両面を処理することが一層望ましい。
【0018】
エアーナイフ使用条件は、液体塗料を塗工する条件と一致させる必要はないが、ノズルの先端部分の間隙は 0.6mm〜 0.9mmの範囲、ノズルの先端部分からバックアップロール間隙は 2mm〜 3mmの範囲、エアージェット噴射角は水平方向に対して40〜45°下向きで使用するのが適当である。
【0019】
このようにして不安定物を除去したウェブに、引き続く塗布部において表面処理剤の塗布層を設ける。本発明においては、従来使用されている表面処理剤を用いた場合に必要とされる塗布量よりはるかに少量の塗布量、例えば、表面処理剤の塗布量が両面で 1.5g/m2 以下でも十分な印刷面の強度を有する印刷用紙が得られる。このことは低い表面処理剤濃度で必要な性能が得られることを示し、コストが安いオンサイトで製造した澱粉でも問題な使用できる。従って、本発明で使用することができる表面処理剤としては、従来の酸化澱粉、エーテル化澱粉、ポリアクリルアミドのほかに、オンサイトで化学処理、クッキングした澱粉を問題なく使用することができる。
【0020】
このようにして得られた本発明の印刷用紙は、JIS P 8129規定のワックスピックが9 以下で一般の表面強度が高いレベルにはないにもかかわらず、ローランド印刷機において、印刷面積が 420mm× 297mmで3000部印刷終了時の白抜けの数が10未満という優れたオフセット印刷適性を有する。
【0021】
【作用】
本発明の製造方法により、印刷時の白抜けのが著しく改善される理由は明らかではないが以下のように考えられる。白抜けの原因になる主たる原因は、大部分10μm〜 500μmの大きさの板状のセルロース繊維、レイセル、填料などでである。未だ表面処理剤が塗工乾燥して表面が固定されておらず、また、カレンダーにより密度が高くなる前の、第一乾燥部と塗工部の間のウェブの密度が低く、表面も緻密でない状態の時に、エアジェットあるいは超音波の照射等によりウェブに衝撃を与えることにより、ウェブ表面ありは表層の紙層を構成する繊維との絡みが不十分な上記不安定粒子が浮き出され、除去されるものと思われる。更に、この除去手段で除去できなかった不安定物を、ウェブ表面に微量の表面処理剤の塗布層を設けることにより、不安定物をほぼ完全に安定化することが可能となったものと考えられる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例にて説明するが、本発明は以下の実施例で限定されるものではない。
【0023】
なお、実施例及び比較例で作成した印刷用紙について白抜け、表面強度(ワックスピック)、ベック平滑度を以下の方法で測定した。
白抜け:ローランド200印刷機を使用し、印刷面積 420mm× 297mm、速度8000枚/時間、印圧(押し込み量)15/100 mmで、インクは紅(TKハイエコー紅LZ、東洋インク(株)製)、藍(TKハイエコー藍LZ、東洋インク(株)製)を使用し、1色目を紅、2色目を藍で印刷した。白抜けの評価は、紅印刷部を肉眼で観察し、見出された白い斑点の数(ドライピック)と、藍印刷部を肉眼で観察し見出された白い斑点の数(ウェットピック)で評価した。両方の平均値が10未満が本発明のものである。
表面強度(ワックスピック):JIS P 8129に準じて測定した。
ベック平滑度:JIS P 8119に準じて測定した。
【0024】
[実施例1]
坪量64g/m2 の上級紙原紙( 500mm幅で5000mの巻取り)のF面をエアナイフを使用してエアジェット噴射角度49°、0.21kg/cm2 のエア圧の空気流を紙面に吹き付け、不安定粒子を除去処理を行い、ついで塗布液として酸化澱粉水溶液をポンド式サイズプレスにより両面塗工し、乾燥した後カレンダー処理して印刷用紙を得た。
この印刷用紙をローランド印刷機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の白抜けの数を数えたところ、F面のウェットピックが5個でドライピックが4 個あった。また、塗布量、坪量、ベック平滑度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示した。
【0025】
[比較例1]
エアナイフによる除去処理を行わない原紙を使用して、実施例1と同様に塗布紙を作成した。また、実施例1と同じようにローランド印刷機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の白抜けの数は、F面でウェットピックが17個、ドライピックが9 個であった。また、塗布量、坪量、ベック平滑度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示した。
【0026】
[実施例2]
実施例1と同様に、エアナイフによる除去処理を行った原紙に対して実施例1と同じ塗布液を使用し、ポンド式サイズプレス塗工装置をゲートロール塗工装置に変え両面を塗工し、以下実施例1と同様に塗布紙を作成した。つぎにローランド印刷機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の白抜けの数は、F面でウェットピック数が3 個、ドライピック数が4 個あった。また、塗布量、坪量、ベック平滑度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示した。
【0027】
[比較例2]
エアナイフによる除去処理を行わない原紙を使用して、実施例2と同様に塗布紙を作成した。F面及びW面にゲートロール塗工し、乾燥した。その塗工紙をカレンダー処理した。ローランド印刷機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の白抜けの数は、F面でウェットピックが72個、ドライピックが86個であった。また、塗布量、坪量、ベック平滑度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示した。
【0028】
[表1]
【0029】
【効果】
本発明の効果としては、1)オフセット印刷において版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けの少ない安定した印刷用紙の提供、2)クリアコート剤塗布量の低減によるコストダウン、3)過剰塗布による印刷インクのマイグレーションが避けられるために印刷インクの安定化が可能になる。
【0030】
オフセット印刷において白抜けの少ない安定した印刷用紙の提供については、原料の変動、ウェットエンドの変動に対して効果的に絶えず、10μm〜 500μmの大きさの不安定物を物理的に排除して上記の目的を可能にする。表面処理剤塗布量の低減については、必要以上の塗布をしなくてよいので、省資源の上で好ましい。
【0031】
また,表面塗工の直前に挿入する本発明はリサイクルによりパルプの品質の低下を補い、環境保護の面からも社会の要請に適合している。さらに白水中の微細繊維及び無機顔料の歩留まりをできるだけ向上させるためのウェットエンドコントロールに対しても、本発明は対応できる新規の抄紙システムであり、連続操業においてより効果的である。
【0032】
抄紙工程においては、リサイクル化が進むにつれて抄紙系内に10μm〜 500μm程度の大きさの不安定物は増加する傾向であり、スラリー中の不安定要因物だけを選択的に分離することは不可能である。むしろ歩留まりの関係からそのような不安定要因物を利用しなくてはならない状況である。エアージェット、超音波処理等により、製紙製造工程中で不安定物を除去して最少量の表面処理剤を塗布する本発明の構成を採ることによって、▲1▼現状の工程を大幅に変更しなくても、脱落の少ない(白抜けのない)高品質の印刷用紙の製造が可能となる、▲2▼脱落の少ない(白抜けのない)高品質の印刷用原紙は表面処理剤の塗布量を低減できるので、低濃度塗工でも完全に脱落を防ぐことができる、▲3▼低濃度塗工は表面処理剤の老化を緩和できるので、これまで老化しやすく安定使用が困難であった低コストの表面処理剤を使用できる、▲4▼ワックスピックなどの表面強度が低くても印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる白抜けの少ない高品質の印刷用紙の製造を可能にする、等の利点がある。
Claims (3)
- ワイヤー部、プレス部、第一乾燥部、塗工部、第二乾燥部およびカレンダー部を有する抄紙機を用いて抄造する印刷用紙の製造方法において、ウェブ表面上及びウェブ中に存在し、オフセット印刷時の白抜けの原因となる 10 μm〜 500 μmの大きさの繊維、ベッセル、レイセル、無機顔料粒子、微細繊維、印刷インクの微粒子、プラスチックの破砕片などの不安定物を、第一乾燥部と塗工部の間で、エアージェットの照射により除去し、その直後の塗工部で表面処理剤を塗布して印刷用紙を得ることを特徴とする印刷用紙の製造方法。
- ワイヤー部、プレス部、乾燥部を経ていて、塗工部およびカレンダー部を経ない工程で抄造された印刷用紙原紙の表面および原紙中に存在し、オフセット印刷時の白抜けの原因となる 10 μm〜 500 μmの大きさの繊維、ベッセル、レイセル、無機顔料粒子、微細繊維、印刷インクの微粒子、プラスチックの破砕片などの不安定物を、エアージェットの照射により除去し、その後表面に表面処理剤を塗布乾燥して、印刷用紙を得ることを特徴とする印刷用紙の製造方法。
- 印刷用紙表面に塗布量が両面で1.5g/m2以下の澱粉層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用紙の製造方法。
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