JP5009698B2 - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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本発明は、塗工紙及びその製造方法に関する。
近年、印刷物のビジュアル化やカラー化が急速に進み、非塗工印刷用紙と比較し、紙表面に平滑な塗工層をインキ受理層とする塗工紙の需要も年々増加している。また、近年の低コスト化指向により、従来の紙厚、印刷品質を維持しながら軽量化する要望が増してきている。塗工紙の印刷品質には塗工層の平滑性が重要となり、一般的にスーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等で表面平滑化処理を施している。しかしこの処理は用紙を加圧して表面の平滑性を高めるものであるため密度が増し、紙厚が低下する。このため紙厚を維持しようとすると紙の重量が増加する。
そこで、高い光沢度と平滑性を有した、低密度で紙厚が厚い紙が開発されている。例えば、塗工層の接着剤に特定の共重合体ラテックスを含有する技術(特許文献1)、特定の顔料等を用いる技術(特許文献2)、低密度の原紙表面に予め有機高分子ゲルの乾燥皮膜を形成させた後、塗工液を塗布する技術(特許文献3)等が開示されている。
特開2005−54336号公報 特開2005−213698号公報 特開2007−107171号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、カレンダー処理圧を高めると原紙のつぶれが避けられず(低密度でなくなる)、カレンダー処理圧を高めることに限界がある。また、特許文献3では、低密度の原紙に親水性塗料を塗工する際に塗料の浸透を抑制する目的で、原紙表面を有機高分子ゲルの乾燥皮膜層を形成させているが、この場合、例えば予め原紙に多価金属イオンを含有させる等の前処理の必要がある。
本発明は、カレンダー処理しても、密度が増大せず(以下、カレンダー耐性に優れるともいう)かつ所望の光沢度が得られる軽量塗工紙及びその製造法を提供することを課題とする。また、本発明は塗料の浸透が抑制された低密度の塗工紙を提供することを課題とする。
本発明は、下記工程(I)、工程(II)及び工程(III)を有する塗工紙の製造方法、並びにこの製造方法で得られた密度が1.0g/cm3以下の塗工紙に関する。
工程(I):パルプ繊維に、架橋剤を含有するパルプ処理剤を接触させて原紙を得る工程。
工程(II):工程(I)で得られた原紙に、角速度1rad/s(25℃)でのtanδが2以下である水溶性高分子水溶液を塗布し、表面処理原紙を得る工程。
工程(III):工程(II)で得られた表面処理原紙に塗工液を塗布し、カレンダー処理して塗工紙を得る工程。
本発明により、カレンダー耐性に優れ、かつ所望の光沢度を有する塗工紙及びその製造方法を提供することができる。また、本発明により、塗料の浸透が抑制された低密度の塗工紙を提供することができる。
[工程(I)]
本発明の工程(I)は、パルプ繊維に、架橋剤を含有するパルプ処理剤を接触させて原紙を得る工程である。架橋剤はパルプ繊維同士を架橋して、原紙をつぶれにくくする働きをするものである。
架橋剤としては、ヒドロキシル基と反応し得る官能基を有する化合物が好ましく、ヒドロキシル基と反応し得る官能基としてはアルデヒド基、カルボキシル基、エポキシ基、メチロール基、シラノール基等が挙げられる。
アルデヒド基を有する化合物としてはグリオキザール、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、炭素数4〜10のジアルデヒド等が挙げられる。カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、メリット酸、ピロメリット酸、マロン酸等の有機酸が挙げられる。エポキシ基を有する化合物としてはポリグリセロールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。メチロール基を有する化合物としてはジメチロール尿素、ヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。シラノール基を生成する化合物としてはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランが挙げられる。これらの中でも、グリオキザール、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、あるいはアルコキシシランと有機酸を含有するものが好ましく、グリオキザールがより好ましい。
工程(I)で用いられるパルプ処理剤としては、上記のような架橋剤を含有させた水溶液が好ましい。本発明のパルプ処理剤中の架橋剤の含有量は、本発明の処理剤全量中0.1重量%以上、更に0.5重量%以上が好ましく、また85重量%以下、更に60重量%以下が好ましい。
本発明の工程(I)において、パルプ繊維に、架橋剤を含有するパルプ処理剤を接触させる方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)及び(ii)の方法が挙げられる。
(i) パルプウェブにパルプ処理剤を接触させる方法。
(ii)パルプシートにパルプ処理剤を接触させる方法。
(i)の方法において、パルプウェブとは、パルプ100重量部に対する水分量が50重量部以上のものを指し、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは50〜800重量部、更に好ましくは50〜200重量部である。
(i)の方法は、パルプ製造工程では、脱墨工程中の洗浄後の脱水工程後のパルプウェブに、又は紙製造工程では、抄紙後のプレス工程後で乾燥工程前のパルプウェブに、パルプ処理剤をスプレーすることが好ましく、後者の方がより好ましい。
(ii)の方法において、パルプシートとは、パルプ100重量部に対する水分量が50重量部未満のものを指し、好ましくは35重量部以下、より好ましくは20重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。
(ii)の方法は、パルプシートにパルプ処理剤を塗工及び/又は浸漬したり、パルプ処理剤をスプレー噴霧する方法が挙げられる。
(ii)の方法は、パルプ製造工程では、乾燥工程後のパルプシートに、パルプ処理剤をスプレー、塗工及び/又は浸漬することが好ましく、塗工及び/又は浸漬することがより好ましい。
(ii)の方法において、パルプ処理剤を塗工及び/又は浸漬させるための装置(塗工機)は通常の製紙用塗工装置であれば特に限定されるものではないが、例えば、2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、シムサイザー、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、キスコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、スプレー、などの装置が挙げられる。これらの中でも2ロールサイズプレス、ブレードコーター、キスコーター、スプレーが好ましく用いられる。
パルプ処理剤を接触させたパルプシート又はパルプウェブを40〜180℃、好ましくは60〜180℃、より好ましくは80〜170℃に加温してもよい。具体的には温風乾燥、ドライヤー乾燥やプレス加熱で加温することが好ましい。
本発明において、抄紙方法は一般的な抄紙機でよく、抄紙機としては例えば、長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式、及び傾斜ワイヤー式抄紙機等があげられる。特に紙の表裏差を少なくする観点からツインワイヤー式が好ましい。
なお、抄紙時には必要に応じて、一般に用いられるサイズ剤、填料、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤等を添加してもよい。サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等が挙げられる。填料として炭酸カルシウム等が挙げられる。
本発明のパルプ処理剤の処理量は、パルプ繊維原料100重量部に対して、固形分として0.01〜50重量部が好ましく、0.1〜50重量部がより好ましく、0.1〜25重量部がさらに好ましく、0.3〜20重量部がよりさらに好ましい。
工程(I)で得られた原紙は、カレンダー耐性の観点から、下記式(1)で表される密度低下率が2%以上のものが好ましく、2〜50%のものがより好ましく、2〜30%のものがさらに好ましく、2〜20%のものがよりさらに好ましい。
密度低下率(%)=(d1−d2)/d1×100 …(1)
(式中、d1はパルプ処理剤で処理しない未処理紙をカレンダー線圧200kg/cmでカレンダー処理した後の密度、d2は工程(I)で得られた原紙をカレンダー線圧200kg/cmでカレンダー処理した後の密度を示す。)
密度低下率の評価の際のカレンダー処理はラボカレンダー装置(熊谷理機工業株式会社製 30FC−200Eスーパーカレンダー)を用いて23℃、相対湿度50%の条件下、カレンダー加工(線圧200kg/cm、処理速度10m/min)で行う。
この密度低下率はカレンダー耐性(カレンダー処理工程での紙のつぶれにくさ)を表す指標であり、数値が大きい程カレンダー耐性に優れていることを示す。
なお、密度はJIS−P8118の方法で測定した値である。
本発明に係る原紙は、グラフトパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、セミケミカルパルプなどのメカニカルパルプ(MP)、広葉晒パルプ(LBKP)若しくは針葉晒パルプ(NBKP)などのクラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られる脱墨パルプ(DIP)、および抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプなどを、単独あるいは任意の比率で混合し、抄紙機によって抄紙されるものである。また、原紙の坪量は、特に限定されるものではないが10〜500g/m2程度が好適であり、30〜300g/m2程度がより好適であり、さらに40〜200g/m2程度がさらに好適である。
[工程(II)]
本発明の工程(II)は、工程(I)で得られた原紙に、角速度1rad/s(25℃)でのtanδが2以下である高分子水溶液を塗布し、表面処理原紙を得る工程である。
工程(I)で得られた原紙の表面に、直接、塗工液を塗工すると得られる塗工紙の光沢が低くなる傾向がある。これは、パルプ処理剤を接触させたパルプはパルプ間を架橋されているためにつぶれにくい反面パルプ繊維が膨潤し難いと考えられる。その結果、塗工液が不動化濃度に至らず顔料が原紙中に浸透し、光沢が低下すると推定される。工程(II)を経ることにより水溶性高分子水溶液が原紙表面近傍に残留し、工程(III)での塗工液の浸透が抑制され、光沢の高い塗工紙が得られると考えられる。
tanδは粘性率と弾性率の比であり、tanδ=[粘性率]/[弾性率]で表される。tanδが小さいと適度な粘弾性を有することとなり、水溶性高分子水溶液が紙中にしみ込みにくいことが判明した。従って、水溶性高分子水溶液のtanδが小さいほど、水溶性高分子水溶液が原紙表面近傍に残留すると推定される。
角速度1rad/sでのtanδは、25℃の値であり、粘弾性測定装置、例えばRheometric社製ARESにより測定できる。
角速度1rad/sでのtanδが2以下である水溶性高分子水溶液としては、紙中への液の浸透を抑制する観点から、角速度1rad/sでのtanδが0.1〜2である液が好ましい。
前記粘弾性物性を有し得る水溶性高分子としては保水性に優れている澱粉、セルロース化合物、ポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の化合物が好ましい。澱粉、セルロース化合物としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシル化澱粉、カルボキシルメチルセルロースナトリウム塩等が挙げられる。
角速度1rad/sでのtanδが2以下である液の塗布量は特に限定されないが、軽量化の観点から、片面当り、0.01〜15g/m2が好ましく、0.1〜10g/m2がより好ましい。
塗布は通常の製紙用塗工装置を用いることができ、特に限定されるものではないが、2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、シムサイザー、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、キスコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、スプレーなどが挙げられる。
水溶性高分子水溶液の塗布時の粘度(25℃)は、塗布のしやすさの観点から1〜2000mPa・sが好ましく、1〜1000mPa・sがより好ましい。水溶液中の水溶性高分子の含有量は、角速度1rad/s(25℃)でのtanδが2以下であればよい。
塗布後の乾燥温度は40〜180℃が好ましく、60〜180℃がより好ましく、80〜170℃が更に好ましい。具体的には温風乾燥、ドライヤー乾燥やプレス加熱で加温することが好ましい。
[工程(III)]
本発明の工程(III)は、工程(II)で得られた表面処理原紙に塗工液を塗布し、カレンダー処理して塗工紙を得る工程である。塗工液の塗布は表面処理原紙の片面及び両面のいずれであってもよい。
塗工液としては顔料塗料(コーティングカラー)が挙げられ、顔料としては、カオリン、沈降性炭酸カルシウム、微粉砕した重質炭酸カルシウム、ろう石クレー、二酸化チタン、サチンホワイト、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等の無機顔料や、プラスチックピグメント等の有機顔料を用いることができる。また、顔料塗料には接着剤(バインダー)を配合することが好ましく、接着剤として、カゼイン、澱粉誘導体、繊維素誘導体等の高分子の水溶液や、SBR 、MBR 等の合成ラテックスエマルジョン等が例示される。顔料と接着剤の比率は、顔料の種類や用途によって増減可能であるが、顔料100重量部に対して接着剤を10〜50重量部配合するのが好ましい。顔料塗料には、顔料、接着剤以外にも染料、消泡剤、潤滑剤等の助剤を添加しても良い。顔料塗料の固形分濃度は、エアナイフコーターの場合40重量%前後、ブレードコーターの場合50重量%以上が好ましい。顔料塗工層の厚さは特に限定されず、塗工紙の用途、品質等により設定される。
塗工装置は通常の製紙用塗工装置であれば特に限定されるものではなく、工程(II)で例示された塗工装置を用いることができる。
工程(III)における塗工液の塗工量(固形分)は、好ましくは片面あたり、3〜25g/m2、より好ましくは6〜20g/m2ある。
カレンダー処理においては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、マシンカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用いることができ、これらを併用してもよい。カレンダーの表面温度は特に限定はないが、25℃以上で行うことが好ましい。
本発明の塗工紙の原紙はカレンダーで圧縮されにくいので、カレンダー圧が9〜80MPa、さらには9〜50MPaを用いることができる。光沢を高める観点から、カレンダー圧は、25〜80MPa、さらには25〜50MPaが好ましい。また、カレンダー処理回数は、光沢を高める観点から2回以上が好ましい。
[塗工紙]
本発明の塗工紙は、上記のような本発明の製造方法により得られ、密度が1.0g/cm3以下のものであり、1.0〜0.8g/cm3のものが好ましく、0.95〜0.8g/cm3のものがより好ましい。
ここで、密度は上記の方法で測定した値である。
本発明の塗工紙は、各種の紙に適用できる。例えば、書籍用紙や雑誌などに用いられる塗工紙、カタログ、ポスターに用いられる塗工紙といった印刷用紙、あるいは、インクジェット用紙、あるいは包装用紙など、酸性、中性又はアルカリ性抄紙した紙を挙げることができる。
さらに具体的には、例えばキャストコート紙、A0アート紙、A1アート紙、A2コート紙、A3コート紙、軽量コート紙、中質コート紙、微塗工紙、グラビア紙、純白ロール紙、片艶晒クラフト紙、純白包装紙、両更クラフト紙、晒クラフト紙、色クラフト紙、筋入クラフト紙、片艶クラフト紙、衛生用紙、段ボール原紙、家庭用雑種紙などに好適である。
以下の例において、%及び部は特記しない限りそれぞれ重量%、重量部である。
実施例1〜5、比較例1〜3
パルプシートの製造:パルプ原料として、化学パルプLBKP(広葉樹晒パルプ)を用い、25℃で叩解機にて離解、叩解して2.2%のLBKPスラリーとした。このもののカナダ標準濾水度(JIS P 8121)は450mlであった。このLBKPスラリーを、抄紙後のシートの坪量が約80g/m2になるように計り取り、その後パルプ濃度が0.5%になるように水で希釈し、攪拌後角型タッピ抄紙機にて80メッシュワイヤーで抄紙し、湿潤シートを得た。抄紙後の湿潤シートは、3.5kg/cm2で5分間プレス機にてプレスし、ドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥してパルプシートを得た。
工程(I):前記パルプシート(含水率:パルプ100重量部に対し7重量部)に、グリオキザール0.68重量%水溶液からなるパルプ処理剤を、ラボ2ロールサイズプレス機(コダックナガセ製P−122プロセッサー)にて1.2m/minの速度で塗工をした(グリオキザール処理量としてはパルプ100重量部に対し1重量部相当)。その後ドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥して原紙を得た。この原紙の密度は0.58g/cm3であり、上記式(1)で表される密度低下率は10%(d1: 0.98 g/cm3、d2:0.88 g/cm3)であった。
工程(II):表1に示す化合物の濃度を調整して液粘度(25℃)が1000mPa・sとなるように水に溶解し、水溶性高分子水溶液を調製した。また、実施例5では220mPa・sとなるように水溶性高分子水溶液を調製した。この水溶液の角速度1rad/s(25℃)でのtanδは、表1に示す通りであった。この水溶液を、上記工程(I)で得られた原紙の表面に、バーコーターを用いて塗布して、表面処理原紙を得た。その際の塗布量は表1に示す量であった。
工程(III):工程(II)で得られた表面処理原紙に、重質炭酸カルシウムを50部、微粒カオリンを50部、分散剤(ポイズ535M:花王製)0.075部、水酸化ナトリウムを0.02部、ラテックスを11部、澱粉を3部に水を加えて固形分濃度65%に調整した塗工液を、ラボブレードコーター(熊谷理機工業製、速度25m/min)で片面10g/m2となるように塗工した。塗工後はドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥後、23℃、相対湿度50%の条件で調湿した。その後下記条件でカレンダー処理を行い、塗工紙を得た。
<カレンダー処理条件>
ラボカレンダー装置(熊谷理機工業株式会社製 30FC−200Eスーパーカレンダー)を用いて23℃、相対湿度50%の条件下、カレンダー加工(線圧200kg/cm、処理速度10m/min、処理回数2回)した。
なお、前記ラボカレンダー装置での線圧と圧力との関係を下記の方法により求めた。
前記条件にて線圧を変えて感圧紙「プレスケール」(富士フイルム社製)をラボカレンダー装置に通し、その時の感熱紙の発色の程度から圧力を求めた。感圧紙として線圧100kg/cm未満の場合は中圧用を、線圧100kg/cm以上の場合は高圧用を用いた。
その結果、線圧21kg/cmで圧力9MPa、線圧42kg/cmで圧力25MPa、線圧200kg/cmで圧力49MPa、線圧250kg/cmで圧力56MPa、線圧500kg/cmで圧力80MPaであった。
得られた塗工紙について、下記方法で密度及び白紙光沢度を測定した。結果を表1に示す。
なお、比較例1は、工程(II)を行わず、工程(I)及び工程(III)のみ行った。また、工程(I)及び(II)の処理を行わないパルプシートに、工程(III)の塗工液を塗布した後、カレンダー処理を行って得られた塗工紙についても、密度及び白紙光沢度を測定した(参考例)。その結果も表1に示す。
<塗工紙の密度の測定法>
JIS−P8118に従って測定した。
<白紙光沢度の測定法>
JIS−P8142に従って測定した。
Figure 0005009698
*1:王子コーンスターチ(株)製、エースA
*2:日本NSC(株)製、Cato308
*3:日澱化学(株)製、キプロガムM800A
*4:日本製紙ケミカル(株)製、F10LC
*5:花王(株)製、ポイズC150L
*6:花王(株)製、ポイズC60H

Claims (5)

  1. 下記工程(I)、工程(II)及び工程(III)を有する塗工紙の製造方法。
    工程(I):パルプ繊維に、架橋剤を含有するパルプ処理剤を接触させて原紙を得る工程。
    工程(II):工程(I)で得られた原紙に、角速度1rad/s(25℃)でのtanδが2以下である水溶性高分子水溶液を塗布し、表面処理原紙を得る工程であって、水溶性高分子が、酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシル化澱粉、カルボキシルメチルセルロースナトリウム塩から選ばれる1種以上の化合物である、工程。
    工程(III):工程(II)で得られた表面処理原紙に塗工液を塗布し、スーパーカレンダーによりカレンダー処理して塗工紙を得る工程。
  2. 工程(I)で得られた原紙が、下記式(1)で表される密度低下率が2%以上のものである、請求項1記載の塗工紙の製造方法。
    密度低下率(%)=(d1−d2)/d1×100 …(1)
    (式中、d1はパルプ処理剤で処理しない未処理紙をカレンダー線圧200kg/cmでカレンダー処理した後の密度、d2は工程(I)で得られた原紙をカレンダー線圧200kg/cmでカレンダー処理した後の密度を示す。)
  3. 工程(I)で用いられる架橋剤がヒドロキシル基と反応し得る官能基を有する化合物である請求項1又は2記載の塗工紙の製造方法。
  4. 工程(III)でのカレンダー処理をカレンダー圧25〜80MPaで行う請求項1〜3いずれかに記載の塗工紙の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかの製造方法で得られた密度が1.0g/cm3以下の塗工紙。
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