JP5301133B2 - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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本発明は、塗工紙及びその製造方法に関する。
近年、印刷物のビジュアル化やカラー化が急速に進み、非塗工印刷用紙と比較し、紙表面に平滑な塗工層をインキ受理層とする塗工紙の需要も年々増加している。また、近年の低コスト化指向により、従来の紙厚、印刷品質を維持しながら軽量化する要望が増してきている。塗工紙の印刷品質には塗工層の平滑性が重要となり、一般的にスーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等で表面平滑化処理を施している。しかしこの処理は用紙を加圧して表面の平滑性を高めるものであるため同時に密度が増し、紙厚が低下する。このため紙厚を維持しようとすると紙の重量が増加する。
そこで、加熱された金属ロールと弾性ロールとで形成されるニップを通過する間に、用紙表面を高温下の金属ロールと弾性ロールとに面接触させることにより、極表面だけを瞬時に平坦化し、少ないニップ数で内部の原紙層を比較的嵩高に保持することができるソフトカレンダーによる技術が開発されている。例えば、加熱蒸気を付与し紙表面を加湿及び加熱した後、100〜150℃のソフトカレンダー処理を行う技術(特許文献1)、特定のガラス転移点を有し、平均粒子径が100〜200nmのスチレン含有量が30重量%以上の共重合体ラテックスを含有する塗工層を熱カレンダーにて平坦化処理をする技術(特許文献2)、片面当り1.5〜10g/m2の塗工層を設けてなる塗工紙の製造方法において、塗工装置の前で原紙の水分含有量2〜8重量%で特定のロールから構成されるカレンダー装置で平滑化処理をする技術(特許文献3)等が開示されている。
特開平4−370293号公報 特開2006−188783号公報 特開平6−146197号公報
しかしながら、特許文献1では加湿及び加熱により紙表面を柔軟化させて特定温度ソフトカレンダーを行う必要がある。特許文献2では特定の塗工液に限定される。また、特許文献3では、塗工前に特定のロールによる平滑化処理の工程が必要である。
本発明は、スーパーカレンダー処理しても密度上昇を抑制(以下、カレンダー耐性に優れるともいう)する、塗工紙の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、未塗工原紙に少なくとも顔料を含有する塗工液を塗布してカレンダー前塗工紙を得る塗工工程と、カレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理し、カレンダー後塗工紙を得るスーパーカレンダー工程と、を有する塗工紙の製造方法であって、
前記スーパーカレンダー工程が、含水率5.5重量%以下のカレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理する工程である、
塗工紙の製造方法に関する。
また、本発明は、未塗工原紙に少なくとも顔料を含有する塗工液を塗布してカレンダー前塗工紙を得る塗工工程と、カレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理し、カレンダー後塗工紙を得るスーパーカレンダー工程と、を有する製造方法で得られた塗工紙であって、
前記スーパーカレンダー工程が、含水率5.5重量%以下のカレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理する工程である、
密度が1.2g/cm3以下である塗工紙に関する。
本発明により、スーパーカレンダー処理されても低密度な塗工紙及びその製造方法を提供することができる。
塗工紙は、例えば、パルプ原料の希薄液から金網上で紙層が形成された後、プレス工程、乾燥工程、サイズ工程、乾燥工程、塗工工程、乾燥工程及びカレンダー工程を経て、要すればさらに調湿工程を経て製造される。本発明では、これらの工程の中で、カレンダー工程、特にスーパーカレンダー工程に特徴を有する。ここで、本発明では、塗工工程の前の紙を未塗工原紙、塗工工程後であってスーパーカレンダー工程前の紙をカレンダー前塗工紙、塗工工程後であってスーパーカレンダー工程後(調湿工程がある場合は調湿工程前)の紙をカレンダー後塗工紙という。
[塗工工程]
本発明に係る塗工工程は、未塗工原紙に塗工液を塗布してカレンダー前塗工紙を得る工程である。塗工液の塗布は未塗工原紙の片面及び両面のいずれであってもよい。
未塗工原紙としては、通常の塗工紙の原紙を用いることができる。未塗工原紙を得るための抄紙方法は、長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式、及び傾斜ワイヤー式抄紙機等の一般的な抄紙機を用いることができる。特に紙の表裏差を少なくする観点からツインワイヤー式が好ましい。
原紙に用いるパルプとしては、植物性繊維である木材や草木の繊維を原料とするいずれのパルプも使用できる。すなわち、晒化学パルプ(NBKP、LBKP等)や機械パルプ(TMP、CTMP、GP、RGP等及びその漂白処理をしたパルプ)、高収率パルプ(SCP、CGP等及びその漂白処理をしたパルプ)並びに、古紙パルプ及び脱墨古紙パルプ(DIP)及びその漂白処理をしたパルプ(BDIP)等の回収パルプを使用することができる。塗工紙の光沢の点から、使用するパルプ中、化学パルプを50重量%以上含有することが好ましい。
なお、抄紙時には必要に応じて、一般に用いられるサイズ剤、填料、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤等を添加してもよい。サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤等が挙げられる。填料として炭酸カルシウム等が挙げられる。
さらに、低密度化の観点から、未塗工原紙が、パルプスラリーに繊維結合阻害剤を添加後、抄紙して得られたものであることが好ましい。
繊維結合阻害剤は、パルプ繊維間結合を阻害する作用を有する化合物である。繊維結合阻害剤としては、疎水基と親水基を持つ界面活性剤として用いられる化合物が挙げられ、例えば、紙用嵩高剤を用いることができる。紙用嵩高剤は親水基がパルプ表面に吸着し、疎水基によりパルプ繊維間の結合が阻害されると推定される。そして、紙用嵩高剤を添加しない場合より未塗工原紙中の空隙が大きく保たれるため、低密度になると考えられる。繊維結合阻害剤は、いわゆる製紙用の内添薬剤として捉えることができ、そのパルプスラリーへの添加は、水に乳化又は分散させたものを用いることができる。化合物としては、多価アルコールと脂肪酸のエステルである脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステルのポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価脂肪酸とアルコールのエステルである多価脂肪酸アルコールエステル、多価脂肪酸アルコールエステルのポリオキシアルキレン付加物、ポリアミンのポリオキシアルキレン付加物と脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸又はヒドロキシルカルボン酸とのエステル化合物の該ヒドロキシル基にアニオン基を導入してなる化合物、直鎖状脂肪酸アミンのポリオキシアルキレン付加物と脂肪酸のエステル化合物、高級アルコールのポリオキシアルキレン付加物と脂肪酸のエステル化合物、等のエステル系化合物及びその誘導体;脂肪酸モノアミド、脂肪酸アミドアミンのポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・尿素縮合物、多価脂肪酸とポリアミンとのアミド化合物、多価脂肪酸と直鎖状アミンとのアミド化合物、等のアミド化合物及びその誘導体;脂肪酸アミドアミンのポリオキシアルキレン付加物と脂肪酸のエステル化合物、等の分子内にアミド結合とエステル結合を有する化合物;高級アルコールまたは高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、多価アルコール型非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、油脂系非イオン界面活性剤、等の上記以外のポリオキシアルキレン付加物及びその誘導体;その他の化合物として、高級アルコール、スルホコハク酸誘導体、界面活性能を有する部位を含む構成単位とアニオン性モノマー及びカチオン性モノマーの1種以上に由来する構成単位とを有する重合体、等を使用することができる。これらの中でも塗工紙の密度の低下の観点から、エステル系化合物及びその誘導体、アミド化合物及びその誘導体、前記以外のポリオキシアルキレン付加物及びその誘導体を使用することが好ましく、中でも、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸モノアミド、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・尿素縮合物、高級アルコールのポリオキシアルキレン付加物、等を使用することがより好ましい。
繊維結合阻害剤はパルプ100重量部に対して0.01〜10重量部、更に0.1〜5重量部の割合で用いられることが好ましい。なお、繊維結合阻害剤を使用する場合は、ポリアクリルアミド重合物、カチオン化澱粉、硫酸バンド等の繊維結合阻害剤のパルプへの定着を促進する定着促進剤を併用することが好ましい。
本発明においては、未塗工原紙にカレンダー処理を行うことができる。カレンダー処理としては、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用いることができ、これらを併用してもよい。
塗工液は、少なくとも顔料を含有するものであり、例えば顔料塗料(コーティングカラー)が挙げられ、顔料としては、カオリン、沈降性炭酸カルシウム、微粉砕した重質炭酸カルシウム、ろう石クレー、二酸化チタン、サチンホワイト、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等の無機顔料や、プラスチックピグメント等の有機顔料を用いることができる。これらの中でも、経済性の観点から無機顔料が好ましい。
また、塗工液には接着剤(バインダー)を配合することが好ましく、接着剤として、カゼイン、澱粉誘導体、繊維素誘導体等の高分子の水溶液やSBR(スチレンブタジエンラバー)、MBR(メチルメタクリレートブタジエンラバー)等の合成ラテックスエマルジョン等が例示される。顔料と接着剤の比率は、顔料の種類や用途によって調整可能であるが、顔料100重量部に対して接着剤を10〜50重量部配合するのが好ましい。塗工液には、顔料、接着剤以外にも染料、消泡剤、潤滑剤、分散剤、粘度調整剤、pHコントロール剤などの塗料用添加剤を併用することができる。塗工液の固形分濃度は、30重量%以上が好ましく、エアナイフコーターの場合40重量%前後、ブレードコーターの場合50重量%以上が好ましい。塗工層の厚さは特に限定されず、塗工紙の用途、品質等により設定されるが、光沢の高い紙を得る観点から、塗工液の塗布量(固形分換算)は、片面あたり、11g/m2以上が好ましく、11〜25g/m2がより好ましく、さらに好ましくは12〜20g/m2である。一般に、塗工液の塗布量を多くすると紙の重量は増加するため軽量化しにくくなるが、本発明では、スーパーカレンダー処理後の紙の密度増加を抑制できるため、塗工液の塗布量が多くても軽量な紙を得ることができる。
未塗工原紙への塗工液の塗布は通常の製紙用塗工装置を用いて行うことができ、特に限定されるものではないが、塗工装置としては2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、カーテンコーター、ダイコーター、グラビアコーター、キスコーター、ロッド(バー)コーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、スプレーなどが挙げられる。
[スーパーカレンダー工程]
スーパーカレンダー工程では、カレンダーロールを供えたスーパーカレンダー装置を用いる。通常、スーパーカレンダー装置は、金属ロール、弾性ロール、樹脂ロール、コットンロール等のカレンダーロールを用いた装置で、紙はこの間を通りながら加熱、加圧されて、平滑で均一な厚さの高い光沢を持つ紙に仕上げられる。
本発明に係るスーパーカレンダー工程は、塗工工程で得られたカレンダー前塗工紙を含水率5.5重量%以下にしてスーパーカレンダー処理する工程である。なお、スーパーカレンダー処理を複数回行う場合、それぞれのカレンダー前の含水率は、少なくとも1回5.5重量%以下として行う。好ましくは全てのカレンダー処理を5.5重量%以下で行う。
より低密度の塗工紙を得る観点から、カレンダー前塗工紙の含水率は、0〜4重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、0〜2重量%が更に好ましい。
本発明では、スーパーカレンダー処理を施して得られる塗工紙の密度上昇を抑制することができる。この理由として、スーパーカレンダー工程で用いられるカレンダー前塗工紙中の含水率を低く調整することで、原紙中のパルプ繊維中の水素結合性の部位同士が水を介さず直接水素結合する様になり、パルプ繊維全体が硬くなると推定される。そして、原紙はパルプ繊維全体が硬いためスーパーカレンダー処理の圧力によってつぶれにくくなり、密度上昇が抑制される。一方で、塗工層の表面はスーパーカレンダー処理によって平滑化される。このような機構により低密度な塗工紙が得られるものと推定される。
カレンダー前塗工紙の含水率の調整方法は、例えば、スーパーカレンダー工程前の乾燥工程の条件(温度、湿度、風量、時間等)を調整する方法が挙げられる。乾燥方法としては、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等が挙げられる。一般的な製紙工程では、カレンダー前塗工紙の含水率は6〜7重量%程度である。
また、カレンダー前塗工紙の含水率は、BM計(Basis weight/Moisture(坪量・水分)計)を用いた測定や、未塗工紙を絶乾し重量減を測定することより知ることができる。
スーパーカレンダーの温度、すなわちカレンダーロールの表面温度は、特に限定はないが、100℃以下が好ましく、25℃以上〜100℃がより好ましく、25℃から90℃がさらに好ましい。
本発明に係るカレンダー前塗工紙はスーパーカレンダー処理で圧縮されにくいので、スーパーカレンダーの圧力(実施例記載の方法により測定した紙にかかる圧力)を9〜80MPa、さらには9〜50MPaとすることができる。塗工紙の低密度化の観点から、スーパーカレンダーの圧力は、25〜80MPaがより好ましく、25〜50MPaがさらに好ましい。また、スーパーカレンダー処理の回数は、光沢を高める観点から2回以上が好ましい。
[調湿工程]
本発明の製造方法では、さらに、スーパーカレンダー工程の後に、カレンダー後塗工紙の含水率上げる調湿工程を有することが好ましい。調湿工程を経ることで、スーパーカレンダー工程により増加した密度が低下し、より低密度な塗工紙が得られる。これは、スーパーカレンダー工程により圧縮された塗工紙が、再び水を介したパルプ間の水素結合により膨潤するためと推定される。含水率はカレンダー前塗工紙の含水率よりも重量%単位で0.1〜9ポイント上げることが好ましく、1〜7ポイント上げることがより好ましく、2.5〜6ポイント上げることが更に好ましい。すなわち、(カレンダー前塗工紙の含水率値+0.1)〜(カレンダー前塗工紙の含水率値+9)(重量%)とすることが好ましく、(カレンダー前塗工紙の含水率値+1)〜(カレンダー前塗工紙の含水率値+7)(重量%)とすることがより好ましく、(カレンダー前塗工紙の含水率値+2.5)〜(カレンダー前塗工紙の含水率値+6)(重量%)とすることが更に好ましい。
調湿装置としては、水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を前記スーパーカレンダー装置とともに配置することができ、適宜組み合わせて使用することもできる。
[塗工紙]
本発明の塗工紙は、上記のような本発明の製造方法により得られたものであり、好ましくは密度が1.2g/cm3以下、更には1.18g/cm3以下のものであり、1.2g/cm3以下1.1〜0.8g/cm3のものがより好ましく、1.0〜0.8g/cm3のものが更に好ましい。
本発明の塗工紙は、各種の紙に適用できる。例えば、書籍用紙や雑誌などに用いられる塗工紙、カタログ、ポスターに用いられる塗工紙といった印刷用紙、あるいは、インクジェット用紙、あるいは包装用紙など、酸性、中性又はアルカリ性抄紙した紙を挙げることができる。
さらに具体的には、例えばキャストコート紙、A0アート紙、A1アート紙、A2コート紙、A3コート紙、軽量コート紙、中質コート紙などに好適である。
<実施例1>
(1)未塗工原紙の製造
パルプ原料として、化学パルプLBKP(広葉樹晒パルプ)を用い、25℃で叩解機にて離解、叩解してパルプ濃度2.2重量%のLBKPスラリーとした。このもののカナダ標準濾水度(JIS P 8121)は450mlであった。このLBKPスラリーを、抄紙後のシートの坪量が約80g/m2になるように計り取り、その後パルプ濃度が0.5重量%になるように水で希釈し、攪拌後角型タッピ抄紙機にて80メッシュワイヤーで抄紙し、湿潤シートを得た。抄紙後の湿潤シートは、3.5kg/cm2で5分間プレス機にてプレスし、ドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥してパルプシートを得た。得られたパルプシートを23℃、相対湿度50%の条件で12時間調湿後、原紙の表面粗さを揃える目的で下記条件でパルプシートのカレンダー処理を行い、未塗工原紙を得た。調湿後の未塗工原紙の含水率は5重量%であった。
<パルプシートのカレンダー処理条件>
ラボカレンダー装置(熊谷理機工業株式会社製 30FC−200Eスーパーカレンダー)を用いて23℃、相対湿度50%の条件下、カレンダー加工(線圧10kg/cm、処理速度10m/min、ロール温度80℃、処理回数2回)した。
(2)塗工紙の製造(塗工工程、カレンダー工程及び調湿工程)
前記未塗工原紙(パルプシート)の第1面に、重質炭酸カルシウムを50部、微粒カオリンを50部、分散剤(ポイズ535M:花王製)0.075部、水酸化ナトリウムを0.02部、ラテックスを11部、澱粉を3部に水を加えて固形分濃度65重量%に調整した塗工液を、ラボブレードコーター(熊谷理機工業製、速度25m/min)で片面あたり15g/m2(固形分換算)となるように塗工した。塗工後はドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥させた。次いで、前記未塗工原紙の未だ塗工されていない第2面(第1面の反対面で、未塗工面)に前記塗工液を前記ラボブレードコーターで片面あたり15g/m2(固形分換算)となるように塗工した。塗工後はドラムドライヤーを用い、105℃で2分間乾燥させ、両面塗工紙(カレンダー前塗工紙)を得た。
次いで、得られた両面塗工紙を、乾燥させて含水率を4.9重量%にして、第1面が金属ロールに接するように下記条件でスーパーカレンダー処理を行った。次いで、前記両面塗工紙を、乾燥させて含水率を4.9重量%にして第2面が金属ロールに接するように下記条件で両面塗工紙のスーパーカレンダー処理を行い、23℃、相対湿度50%の条件で12時間調湿して調湿して紙中の含水率5重量%の塗工紙を得た。
<両面塗工紙のスーパーカレンダー処理条件>
ラボカレンダー装置(熊谷理機工業株式会社製 30FC−200Eスーパーカレンダー)を用いて23℃、相対湿度50%の条件下、カレンダー加工(線圧200kg/cm、処理速度10m/min、ロール温度80℃、処理回数1回)した。カレンダー装置の金属ロール表面温度は、装置の温度設定を用いた。また念の為、温度計(DIGIITAL THERMOMETER MODEL 2455(iuchi))で測定して温度が正しいことを確認した。
<実施例2〜3及び比較例1>
実施例1において、カレンダー前塗工紙(両面塗工紙)の含水率を表1に示す値として塗工紙を得た。
なお、カレンダー前塗工紙の含水率は、次のように測定されたものである。カレンダー前塗工紙を12cm×12cmの大きさにカットし、200mlのメディアバイアルに入れて105℃で30分間乾燥後、フタで密閉して室温まで冷却し、カレンダー前塗工紙を得、この時のカレンダー前塗工紙の含水率を0重量%とした。次いで、前記含水率が0重量%のカレンダー前塗工紙の重量(絶乾重量)を求めて、前記含水率が0重量%のカレンダー前塗工紙を23℃、相対湿度65%の条件で調湿し、重量増加をチェックしながら所望の含水率となった時点で、前記(2)におけるスーパーカレンダー処理を行い、この時の含水率をカレンダー前塗工紙の含水率とする。含水率は、紙の重量に対する水の重量%を表わすものである。
なお、前記ラボカレンダー装置の線圧と紙にかかる圧力との関係を下記の方法により求めた。前記条件にて線圧を変えて感圧紙「プレスケール」(富士フイルム社製)をラボカレンダー装置に通し、その時の感熱紙の発色の程度から圧力を求めた。感圧紙として線圧100kg/cm未満の場合は中圧用を、線圧100kg/cm以上の場合は高圧用を用いた。その結果、線圧21kg/cmで圧力9MPa、線圧42kg/cmで圧力25MPa、線圧200kg/cmで圧力49MPa、線圧250kg/cmで圧力56MPa、線圧500kg/cmで圧力80MPaであった。
<評価>
実施例1〜3及び比較例1で得られた塗工紙について、JIS−P8118に従って密度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005301133
表1の実施例と比較例との対比から、スーパーカレンダー処理を行った場合において、本発明の方法により、より密度の低い塗工紙が得られていることがわかる。

Claims (3)

  1. 未塗工原紙に少なくとも顔料を含有する塗工液を塗布してカレンダー前塗工紙を得る塗工工程と、カレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理し、カレンダー後塗工紙を得るスーパーカレンダー工程と、を有する塗工紙の製造方法であって、
    前記スーパーカレンダー工程が、含水率0〜重量%のカレンダー前塗工紙をスーパーカレンダー処理する工程である、
    塗工紙の製造方法。
  2. スーパーカレンダー処理におけるカレンダーロールの表面温度が100℃以下である請求項1記載の塗工紙の製造方法。
  3. スーパーカレンダー工程の後に、さらに、カレンダー後塗工紙の含水率を上げる調湿工程を有する請求項1又は2記載の塗工紙の製造方法。
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