JPH10273899A - 印刷用紙及びその製造方法 - Google Patents

印刷用紙及びその製造方法

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JPH10273899A JP7729197A JP7729197A JPH10273899A JP H10273899 A JPH10273899 A JP H10273899A JP 7729197 A JP7729197 A JP 7729197A JP 7729197 A JP7729197 A JP 7729197A JP H10273899 A JPH10273899 A JP H10273899A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オフセット印刷時の白抜けが顕著に少ない印
刷用紙の提供。 【構成】 ワイヤー部、プレス部、第一乾燥部、塗工
部、第二乾燥部、カレンダー部からなる抄紙機におい
て、第一乾燥部と塗工部の間にエアジェット噴射部を設
け、エアジェットをウェブに噴射して、ウェブ表面及び
表層中の10μm〜 500μm程度の大きさ不安定物を非接
触的手段で除去した後、ポンド式サイズプレスあるいは
ゲートロールコーターにより澱粉などの表面処理剤を塗
布する。 【効果】 JIS P 8129規定のワックスピックが9 以下
で、かつローランド印刷機において、印刷面積が 420m
m× 297mmで3000部印刷終了時の白抜けの数が10未満
の印刷用紙を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、印刷時の白抜け
が顕著に少ない印刷用紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 紙または板紙の製造においては、紙料
の稀薄スラリーからプレス工程までは、ウェブの濾水
性、填料、微細繊維などの歩留まりが重要である。しか
しながら、紙表面及び紙層の表層に存在する填料、木材
繊維、導管等は不安定物となり、オフセット印刷時にこ
れらの不安定物が版面に付着し、白抜けの原因となる。
しかしながら、抄紙工程において、上述の不安定物を未
然に除去することは、現在の抄紙工程では困難である。
そのため、内添の填料等を最少限にして不安定物を少
なくする、パルプのフリーネスを下げてパルプ繊維を
フィブリル化させることにより不安定物を安定化する、
外添すなわちウェブ表面の全面に水溶性高分子などの
表面処理剤を塗工することにより不安定物を固着する、
等の方法で対処してきた。、の何れの方法も不透明
性等の品質やコストの面から、特にについては濾水性
の面からも限界があり、の方法で対処することが一般
的である。不安定物を固着するために表面処理剤を塗工
する場合、印刷工程における紙粉の脱落を完全に防ぐた
めには、印刷品質を損なう程度まで過剰にウェブ表面に
塗布する必要がある。しかし、表面処理剤をウェブ表面
に過剰に塗布することは、印刷面の強度を向上させる効
果があるが、インクのセット性、印刷品質及びコストの
面では好ましくない。
【0003】紙粉の脱落を防ぐため紙表面の強度を向上
させることと、微細繊維及び填料の歩留まりを向上させ
ることとは、しばしばお互いに相反することが、当業者
にはよく知られている。例えば、完成紙料の歩留まりを
向上させた場合、微細繊維及び填料の歩留まりは良好で
あっても、それに伴って不安定な繊維、異物、填料及び
それらの複合物等が紙表面に多くなり、紙表面の強度は
低下する。また、一般的にウェットエンドにおいては、
濾水性、歩留まりを重視するので、その結果生じる紙表
面の不安定物は、外添すなわち表面処理によって安定化
する。また、不透明度を向上させるためにGPや填料の
使用は表面強度を低下させる。すなわち、パルプ化工程
ではパルプの蒸解収率を重視する傾向があり、ウェット
エンドでは生産性のために、濾水性や填料歩留まりを重
視する傾向があり、紙表面の強度や表裏差などの紙質は
犠牲になり、最終製品の品質は低下する。
【0004】紙表面の強度の向上のための外添による表
面処理において一種類以上の表面処理剤が使用されてき
た。このような目的で行われる表面処理剤の適用は抄紙
機のサイズプレスで行われることが多く、高速で表面塗
工される。塗工方法として、ゲートロールコーター、ポ
ンド式サイズプレスコーター、ブレードメタリングサイ
ズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコー
ターが使用されており、1000m/分以上の高速の抄造では
ゲートロールコーターによるのが安定性があり適してい
る。しかし、ポンド式サイズプレスコーターに比較して
ゲートロールコーターでは紙層内部にまでバインダーが
浸透しないために塗布量が少ない場合、紙の表面強度が
著しく低下する傾向があった。
【0005】また、表面処理剤としてコストの安いオン
サイトで化学処理した澱粉、例えば、生澱粉に過硫酸ア
ンモニウムあるいはアミラーゼを添加しクッキングと同
時に分子量を低下させた澱粉(HPS変性澱粉、酵素変
性澱粉)を使用すると、固形分10%に近い高濃度では安
定性が悪く粘度が増加(老化現象)し、塗工適性が悪化
しやすい。そのために、濃度が高くても塗工適性が良好
な、コストの高い酸化澱粉、エーテル化澱粉、あるいは
ポリアクリアミド等を使用する必要がある。これらの表
面処理剤を過剰に塗布することによって、ワックスピッ
クなどの一般の紙の表面強度を向上させることは可能で
はあるものの、印刷時に版面に不安定物が付着すること
によって起きる白抜けを効果的に少なくすることはでき
ないという問題があった。
【0006】従って、ワックスピックなどの一般の表面
強度を過剰に高くすることなしに、即ち表面処理剤を厚
塗りすることなく、オフセット印刷時の版面に不安定物
が付着することによって起きる白抜けを少なくすること
が理想的であるが、それを可能にする方法がなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、表面処理
剤の塗布量が従来に比較して少なく、しかもワックスピ
ックなどの表面強度が過剰に高くない(例えばJIS P 81
29規定のワックスピック9 以下)にもかかわらず、ワッ
クスピックが12以上のレベルの印刷用紙並にオフセット
印刷時の白抜けが顕著に少なくすることができる印刷用
紙及びそのような印刷用紙の製造方法を提供することを
課題とする。また、老化しやすいHPS変性澱粉、酵素
変性澱粉等を塗工しても、オフセット印刷時に版面に不
安定物が付着することによって起きる白抜けが少ない印
刷用紙及びそのような印刷用紙の製造方法を提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明の課題は、JIS
P 8129規定のワックスピックが9 以下で、かつローラン
ド印刷機において、印刷面積が 420mm× 297mmで30
00部印刷終了時の白抜けの数が10未満であること印刷用
紙によって達成された。また、本発明の課題は、抄紙機
において、第一乾燥部と塗工部の間でウェブ面上及びウ
ェブ中の不安定粒子を非接触的手段により除去したウェ
ブに対して、連続的に続く塗工部で表面処理剤を塗布す
ることにより解決された。更に、上記課題はワイーヤー
部、プレス部、乾燥部を経ていて、塗工部およびカレン
ダー部を経ない工程で抄造された印刷用紙原紙の表面お
よび原紙中の不安定物を非接触的手段により除去し、そ
の後表面に表面処理剤を塗布乾燥することによっても解
決することができた。
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明の印刷用紙は、例えばワ
イヤー部、プレス部、第一乾燥部、塗工部、第二乾燥
部、カレンダー部からなる抄紙機において、第一ドライ
部とサイズプレスの間でウェブ面上及びウェブ中の不安
定物を非接触的手段により除去したウェブに対して、続
く塗工部でロール転写型塗工装置あるいはポンド式サイ
ズプレス等の塗工装置によって微量の表面処理剤の塗布
層を設けることによって製造される。このようにして製
造された印刷用紙は、ワックスピックなどの表面強度が
低いにもかかわらず、オフセット印刷時に版面に不安定
物が付着することによって起きる白抜けが顕著に少ない
という特徴を有する。
【0010】紙の製造は、原料事情の変化から、従来あ
まり好ましくないとされていた原料をも含むあらゆる原
料を使用することを前提として行われる傾向が強まって
いる。そのためパルプ原料の種類によっては導管ベッセ
ル及び柔細胞組織レイセルの多い原料、すなわち印刷時
に白抜けの発生する可能性が高い問題のある原料であっ
ても使用する場合がある。また、化学パルプ、メカニカ
ルパルプ等の各種のパルプは、地合の改善のために叩解
工程を経ることにより、ある部分は必要以上に必ず微細
化される一方、比較的大きなベッセルもいくらかは残存
し、これが他の繊維の絡みがない状態で表面に存在する
のは避けられない。これら微細繊維や大きなベッセルは
いずれも紙層あるいは表面で強固に結合はされず、完成
紙においては不安定要因物である。特に比較的大きな不
安定要因物は通常の抄紙工程では分離除去されず、抄造
によりすべて紙層中に取り込まれる。
【0011】木材、特に針葉樹は疎水性成分を1 〜10重
量%程度含んでいる。疎水性成分の組成並びに含有量は
樹種により大きく異なり、同一樹種であっても、成育
地、年間の伐採時期などによっても異なる。しかし、い
ずれにしても木材疎水性成分の主要成分は樹脂酸類、脂
肪酸類、脂肪酸のグリセリンエステル、ステロールのグ
リセリンエステルであり、それらのいずれかが白水中に
懸濁して存在し、工程内の管路壁面やパルプに局所的に
残留し、有機系の懸濁微粒子として、最終的に紙中に存
在し紙粉の原因となる。
【0012】つまり、白抜けの原因になる成分は、即ち
本発明でいう不安定物は、紙の基本構成となる適度な長
繊維以外は紙原料のすべてが対象となる。例えば 500μ
m以下の大きさの繊維、ベッセル、レイセルや、10μm
以上の無機顔料粒子あるいは微細繊維、さらにリサイク
ルされた紙原料に由来する印刷インクの微粒子、プラス
チックフィルムの破砕片等の、紙原料の中に含まれる多
種多様の10μm〜 500μm程度の大きさのものである。
【0013】これらの不安定物は、紙中での存在の性質
に従って、低タックのインクでも白抜けしやすい粒子か
ら高タックのインクにおいて白抜けが発生するようなや
や脱離しがたい粒子までが含まれる。
【0014】これまで、特公昭53-30042号公報、特開昭
61-277542 号公報、特開平5-306050号公報、特公平7-98
318 号公報において、空気吹き付け等の非接触手段で紙
粉等を除去、あるいは吸引排除する紙の製造法が紹介さ
れている。しかし、これらの公報が対象とする紙粉は、
表面処理剤が塗布されカレンダーにより所望の平滑性が
付与された後の完成した紙の後加工における裁断や紙加
工時に発生する紙粉であり、本発明のように完成紙とな
る前のウェブ表面あるいは表層に存在する未だ紙粉とは
なっていない不安定物とは異なるものである。従って、
除去手段も前記公報では、裁断機や紙加工機の付近ある
いはこれら設備の中に組み込むのに対し、本発明では抄
紙機のオンマシン塗工部の直前に除去手段を組み込む
か、表面処理剤塗工もカレンダー処理も行われていない
原紙の表面あるいは内部から不安定物を除去した後表面
処理剤を塗布乾燥するため、塗工機の一部にそれらの手
段を組み込む方式であり、両者は明らかに異なる技術思
想に基づくものである。
【0015】本発明の不安定粒子を非接触的手段により
除去する装置とは、オフセット印刷時に版面に不安定物
が付着することによって起きる白抜けが発生する原因と
なる不安定粒子を除去する手段であり、例えばウェブ表
面にエアージェットや超音波の照射である。
【0016】エアージェットを照射する装置としてはエ
アーナイフ(エアドクター)が好適である。不安定粒子
は、エアーナイフから噴射されたエアジェットはウェブ
表面に衝撃を与えて、表面および表層中の不安定粒子は
浮き出し掻き落とされる。掻き落とされた不安定粒子は
減圧吸引装置を経てシャワーによりエアーから除去され
る。除去される不安定粒子の量は、ウェブの紙質、抄紙
速度などの相対的な関係において、エアーナイフより噴
射されるエアジェットの速度、量、比重、エアナイフの
角度およびエアーナイフ位置によって決められる。エア
ーナイフからの空気衝撃エネルギーでは、限度があり、
空気圧 0.2kg/cm2 〜 0.6kg/cm2 である。
【0017】白抜けの個数はかなり多くとも、紙表面に
存在する白抜けの原因になる成分の量は、実際は量的に
は必ずしも多くなく、極微量なものである。一般的には
ワイヤー面よりフェルト面に多い。従って、本発明では
エアージェットを当てる紙面はフェルト面が好ましく、
両面を処理することが一層望ましい。
【0018】エアーナイフ使用条件は、液体塗料を塗工
する条件と一致させる必要はないが、ノズルの先端部分
の間隙は 0.6mm〜 0.9mmの範囲、ノズルの先端部分
からバックアップロール間隙は 2mm〜 3mmの範囲、
エアージェット噴射角は水平方向に対して40〜45°下向
きで使用するのが適当である。
【0019】このようにして不安定物を除去したウェブ
に、引き続く塗布部において表面処理剤の塗布層を設け
る。本発明においては、従来使用されている表面処理剤
を用いた場合に必要とされる塗布量よりはるかに少量の
塗布量、例えば、表面処理剤の塗布量が両面で 1.5g/
2 以下でも十分な印刷面の強度を有する印刷用紙が得
られる。このことは低い表面処理剤濃度で必要な性能が
得られることを示し、コストが安いオンサイトで製造し
た澱粉でも問題な使用できる。従って、本発明で使用す
ることができる表面処理剤としては、従来の酸化澱粉、
エーテル化澱粉、ポリアクリルアミドのほかに、オンサ
イトで化学処理、クッキングした澱粉を問題なく使用す
ることができる。
【0020】このようにして得られた本発明の印刷用紙
は、JIS P 8129規定のワックスピックが9 以下で一般の
表面強度が高いレベルにはないにもかかわらず、ローラ
ンド印刷機において、印刷面積が 420mm× 297mmで
3000部印刷終了時の白抜けの数が10未満という優れたオ
フセット印刷適性を有する。
【0021】
【作用】 本発明の製造方法により、印刷時の白抜けの
が著しく改善される理由は明らかではないが以下のよう
に考えられる。白抜けの原因になる主たる原因は、大部
分10μm〜 500μmの大きさの板状のセルロース繊維、
レイセル、填料などでである。未だ表面処理剤が塗工乾
燥して表面が固定されておらず、また、カレンダーによ
り密度が高くなる前の、第一乾燥部と塗工部の間のウェ
ブの密度が低く、表面も緻密でない状態の時に、エアジ
ェットあるいは超音波の照射等によりウェブに衝撃を与
えることにより、ウェブ表面ありは表層の紙層を構成す
る繊維との絡みが不十分な上記不安定粒子が浮き出さ
れ、除去されるものと思われる。更に、この除去手段で
除去できなかった不安定物を、ウェブ表面に微量の表面
処理剤の塗布層を設けることにより、不安定物をほぼ完
全に安定化することが可能となったものと考えられる。
【0022】
【実施例】 次に、本発明を実施例にて説明するが、本
発明は以下の実施例で限定されるものではない。
【0023】なお、実施例及び比較例で作成した印刷用
紙について白抜け、表面強度(ワックスピック)、ベッ
ク平滑度を以下の方法で測定した。 白抜け:ローランド200印刷機を使用し、印刷面積 4
20mm× 297mm、速度8000枚/時間、印圧(押し込み
量)15/100 mmで、インクは紅(TKハイエコー紅L
Z、東洋インク(株)製)、藍(TKハイエコー藍L
Z、東洋インク(株)製)を使用し、1色目を紅、2色
目を藍で印刷した。白抜けの評価は、紅印刷部を肉眼で
観察し、見出された白い斑点の数(ドライピック)と、
藍印刷部を肉眼で観察し見出された白い斑点の数(ウェ
ットピック)で評価した。両方の平均値が10未満が本発
明のものである。 表面強度(ワックスピック):JIS P 8129に準じて測定
した。 ベック平滑度:JIS P 8119に準じて測定した。
【0024】[実施例1]坪量64g/m2 の上級紙原紙
( 500mm幅で5000mの巻取り)のF面をエアナイフを
使用してエアジェット噴射角度49°、0.21kg/cm2
のエア圧の空気流を紙面に吹き付け、不安定粒子を除去
処理を行い、ついで塗布液として酸化澱粉水溶液をポン
ド式サイズプレスにより両面塗工し、乾燥した後カレン
ダー処理して印刷用紙を得た。この印刷用紙をローラン
ド印刷機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部
印刷後の白抜けの数を数えたところ、F面のウェットピ
ックが5個でドライピックが4 個あった。また、塗布
量、坪量、ベック平滑度、表面強度(ワックスピック)
を測定し、表1に示した。
【0025】[比較例1]エアナイフによる除去処理を
行わない原紙を使用して、実施例1と同様に塗布紙を作
成した。また、実施例1と同じようにローランド印刷機
でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の
白抜けの数は、F面でウェットピックが17個、ドライピ
ックが9 個であった。また、塗布量、坪量、ベック平滑
度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示し
た。
【0026】[実施例2]実施例1と同様に、エアナイ
フによる除去処理を行った原紙に対して実施例1と同じ
塗布液を使用し、ポンド式サイズプレス塗工装置をゲー
トロール塗工装置に変え両面を塗工し、以下実施例1と
同様に塗布紙を作成した。つぎにローランド印刷機でド
ライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後の白抜
けの数は、F面でウェットピック数が3 個、ドライピッ
ク数が4 個あった。また、塗布量、坪量、ベック平滑
度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示し
た。
【0027】[比較例2]エアナイフによる除去処理を
行わない原紙を使用して、実施例2と同様に塗布紙を作
成した。F面及びW面にゲートロール塗工し、乾燥し
た。その塗工紙をカレンダー処理した。ローランド印刷
機でドライ・ウェットの2色印刷を行い、3000部印刷後
の白抜けの数は、F面でウェットピックが72個、ドライ
ピックが86個であった。また、塗布量、坪量、ベック平
滑度、表面強度(ワックスピック)を測定し、表1に示
した。
【0028】
【表1】 表1に示すようにポンド式サイズプレス塗工品並びにゲ
ートロール塗工品何れもエアジェット照射により不安定
物を除去することによって、ワックスピックの表面強度
を上げずにローランド印刷の白抜けを低減することがで
きた。特に、低速のポンド式サイズプレス塗工品より高
速のゲートロール塗工品の方が明らかに効果が顕著であ
った。
【0029】
【効果】本発明の効果としては、1)オフセット印刷に
おいて版面に不安定物が付着することによって起きる白
抜けの少ない安定した印刷用紙の提供、2)クリアコー
ト剤塗布量の低減によるコストダウン、3)過剰塗布に
よる印刷インクのマイグレーションが避けられるために
印刷インクの安定化が可能になる。
【0030】オフセット印刷において白抜けの少ない安
定した印刷用紙の提供については、原料の変動、ウェッ
トエンドの変動に対して効果的に絶えず、10μm〜 500
μmの大きさの不安定物を物理的に排除して上記の目的
を可能にする。表面処理剤塗布量の低減については、必
要以上の塗布をしなくてよいので、省資源の上で好まし
い。
【0031】また,表面塗工の直前に挿入する本発明は
リサイクルによりパルプの品質の低下を補い、環境保護
の面からも社会の要請に適合している。さらに白水中の
微細繊維及び無機顔料の歩留まりをできるだけ向上させ
るためのウェットエンドコントロールに対しても、本発
明は対応できる新規の抄紙システムであり、連続操業に
おいてより効果的である。
【0032】抄紙工程においては、リサイクル化が進む
につれて抄紙系内に10μm〜 500μm程度の大きさの不
安定物は増加する傾向であり、スラリー中の不安定要因
物だけを選択的に分離することは不可能である。むしろ
歩留まりの関係からそのような不安定要因物を利用しな
くてはならない状況である。エアージェット、超音波処
理等により、製紙製造工程中で不安定物を除去して最少
量の表面処理剤を塗布する本発明の構成を採ることによ
って、現状の工程を大幅に変更しなくても、脱落の少
ない(白抜けのない)高品質の印刷用紙の製造が可能と
なる、脱落の少ない(白抜けのない)高品質の印刷用
原紙は表面処理剤の塗布量を低減できるので、低濃度塗
工でも完全に脱落を防ぐことができる、低濃度塗工は
表面処理剤の老化を緩和できるので、これまで老化しや
すく安定使用が困難であった低コストの表面処理剤を使
用できる、ワックスピックなどの表面強度が低くても
印刷時に版面に不安定物が付着することによって起きる
白抜けの少ない高品質の印刷用紙の製造を可能にする、
等の利点がある。
フロントページの続き (72)発明者 南藤 和也 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS P 8129規定のワックスピックが9 以
    下で、かつローランド印刷機において、印刷面積が 420
    mm× 297mmで3000部印刷終了時の白抜けの数が10未
    満であることを特徴とする印刷用紙。
  2. 【請求項2】 印刷用紙表面に塗布量が両面で 1.5g/
    2 以下の澱粉層を有することを特徴とする請求項1記
    載の印刷用紙。
  3. 【請求項3】 ワイーヤー部、プレス部、第一乾燥部、
    塗工部、第二乾燥部およびカレンダー部を有する抄紙機
    を用いて抄造する印刷用紙の製造方法において、第一乾
    燥部と塗工部の間でウェブ表面上及びウェブ中の不安定
    物を非接触的手段により除去し、その直後の塗工部で表
    面処理剤を塗布して請求項1あるいは請求項2記載の印
    刷用紙を得ることを特徴とする印刷用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ウェブ表面上及びウェブ中の不安定
    物を除去する非接触的手段がエアジェット若しくは超音
    波の照射であることを特徴とする請求項3記載の印刷用
    紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 ワイーヤー部、プレス部、乾燥部を経て
    いて、塗工部およびカレンダー部を経ない工程で抄造さ
    れた印刷用紙原紙の表面および原紙中の不安定物を非接
    触的手段により除去し、その後表面に表面処理剤を塗布
    乾燥して、請求項1あるいは請求項2記載の印刷用紙を
    得る印刷用紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146688A (ja) * 2000-08-28 2002-05-22 Oji Paper Co Ltd オフセット印刷用新聞用紙
JP2006249583A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Nippon Paper Industries Co Ltd オフセット印刷用低密度紙
JP2008031579A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Sakata Corp 段ボール印刷物およびその製造方法

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