JP2008031579A - 段ボール印刷物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多数回、再生利用された段ボールを対象として、鮮明な印刷画像を有し、かつ、輸送の間にも紙剥けなどの起こらない段ボール印刷物を提供する。
【解決手段】中芯とライナーから構成される段ボールの少なくとも一方のライナー表面が、水性印刷インキ組成物で印刷されてなる段ボール印刷物において、前記ライナーは、比圧縮強さが11〜13N・m/g、ワックスピック値が20以下であり、ノニオン系水溶性樹脂と解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含む水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物で印刷されていることを特徴とする段ボール印刷物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、段ボールの表面に印刷する際に、予め水性塗工剤を用いることにより、鮮明な印刷画像を有し、かつ、輸送の間にも紙剥けなどの起こらない段ボール印刷物及びその製造方法に関する。
最近、環境問題への対応は、業種を問わず、企業の取り組まねばならない最重要課題となりつつある。例えば、木材パルプを原料とする製紙産業では、地球温暖化の防止に向けて、森林資源保護の活動を積極的に行っており、古紙(使用済の紙や板紙など)をパルプ化・抄紙した再生紙を利用するのもその活動の一つである。とりわけ、段ボール業界においては、原料として使用される古紙の割合は8割を超え、また、再生回数も四〜五回と多数回にわたるが、社会的な意義から、今後、多数回再生を重ねた段ボールが多用されると考えられる。
しかしながら、紙は再生を繰り返すたびに、強度が弱く繊維の密度が疎となってその質が劣化する。そこで、通常、上質紙の古紙は中質紙や低級紙等の原料となり、その古紙がさらに低級な紙の原料となるというように、質の低下に合わせてしだいにグレードを下げつつ再資源化(カスケード利用)される。ところが、段ボール用途で利用される古紙は、もともと低質な紙であったり、あるいは段ボール自体が繰り返して再生利用される場合がほとんどであり、多数回再生を重ねた場合の紙質の劣化が著しい。
このような段ボールに対する印刷としては、通常、ゴム状の柔軟な凸版で水性のインキを印刷するフレキソ印刷方式が利用される。しかし、再生を繰り返した段ボールでは、紙表面に多くの紙粉を含み、それが印刷版面に溜まると、意図した美粧印刷物が得られなくなる。そこで、紙粉が溜まる前に、印刷を中断して版を拭き、紙粉を除去する作業を行っているが、この作業が印刷効率を低下させて大きな問題となっている。
さらに紙粉の問題以外にも、紙質の劣化の度合いが大きくなると、美粧印刷を困難にする要因は多くなる。例えば、段ボール印刷では低粘度のインキが利用されることから、にじみや色あせた印刷物となる等の問題が発生する。さらに、せっかく美粧印刷物が得られても、紙の強度不足から、輸送の間に箱同士がこすれて紙剥け等を起こし、店頭に並ぶ時には極めて見栄えが悪い状態になるという問題も有している。
他方で、段ボール容器は、内容物のイメージを高めるための、ディスプレイとしての機能を果たすようになり、容器の印刷如何によって購買意欲が左右されることも決して少なくない。例えば、スーパーマーケットや大型店舗では、ビールなどの飲料缶は、箱詰のままで販売されることがごく当たり前になっている。このとき、消費者にのどの渇きとともに飲み干した時の爽快感までも想起させるような図柄が鮮烈に印刷されていれば、一気に購買意欲が高まることは想像に難くない。しかし、それも鮮明な印刷が得られてこそであり、にじんで色あせた印刷物であれば、せっかくの図柄が生かせず、逆に購買意欲を低下させる結果となる。最近の流通や販売形態の変化に伴って、段ボール印刷にディスプレイとしての機能が強く求められる分野が増加しており、印刷の美粧化は非常に重要な課題となっている。
上記のように、環境対応は社会的責任であり、一方では、印刷品質は商品の売れ行きを左右するほどの重要な性能となっている。従って、再生を繰り返した段ボールを利用して、紙粉による印刷汚れを排し、低密度の紙でもにじみや色あせのない鮮明な印刷ができ、さらに紙面強度を増強する技術は不可欠であるが、現行の印刷方式ではなし得ないものである。
以前、本願出願人は、水、アルコール/水混合液、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を溶解させた水溶液等に解離性多価金属塩を含有させた水溶液を利用して、主に上質紙やさらしクラフト紙などの薄紙に当該金属塩を含浸させることにより、後から塗工・印刷される水性被覆剤の裏抜けを防止する方法を見出した(特許文献1参照)。しかし、同じ方法を厚い段ボールのライナーで利用しても、にじみ防止の効果が低い上に、印刷物が色あせてしまうという問題がある。さらに、紙面強度の増強に全く寄与しないなど、満足できる性能は得られないままである。
特開平9−31888号公報
先に説明したように、段ボール業界において、古紙の再生利用と印刷の美粧化は、どちらもより高いレベルで実現せねばならないが、それを両立させて再生紙に美粧印刷することは、現状の技術レベルでは極めて困難である。そこで本発明が解決しようとする課題は、多数回、再生利用された段ボールを対象として、鮮明な印刷画像を有し、かつ、輸送の間にも紙剥けなどの起こらない段ボール印刷物を提供することである。
再生紙を製造するには、古紙を繊維状になるまで離解し(離解工程)、チリの原因となるような異物を除き(除塵工程)、繊維からインキを剥離・除去し(脱墨工程)、繊維を漂白し(漂白工程)、その後、抄紙機で抄紙する(抄紙工程)という5つの工程がある。このとき、主に離解工程で紙の繊維が細く短くなるため、繊維同士の吸着の度合いが弱くなり、再生紙では強度、密度がともに低下する。本発明において規定するライナーの比圧縮強さとワックスピック値は、多数回、再生を繰り返した紙の典型的な数値である。
このような紙では、段ボールの製造の段階で、紙の表面の繊維がこすれて、塊状になった紙粉が多く発生する。そして、この紙粉は、版の画線部(インキの付着する部分)に溜まるとカスレやムラとなり、また、非画線部(インキの付着しない部分)に溜まると印刷汚れになるなど、印刷品質を劣化させる原因となる。さらに、紙の強度が弱いと、輸送などの間で表面のこすれにより紙剥けなどが起こる。
そこで、まず、本発明では、インキを印刷する前に、紙の表面にノニオン系の水溶性樹脂を塗工する方法を用いて、紙粉を紙表面に接着させるとともに、紙剥けを起こさないように紙表面を強化する。さらに、本発明では解離性多価金属塩を合わせて利用するが、水溶性樹脂と相まって下記の効果が得られるようになる。
段ボール印刷で利用されるインキは、流動成分が浸透して速やかに乾燥するように、非常に低粘度のものが利用される。従って、紙の繊維の吸着力が弱く密度が疎なライナーでは、インキが繊維の間を広い範囲にわたって深く浸透する。その結果、にじみやすく、また、紙表面に留まる着色剤成分の量が減少し、色あせた印刷物となる等の問題が発生する。
以前から、薄紙に対しては、解離性多価金属塩で水性インキ組成物の酸基含有バインダー樹脂を架橋・析出させることにより、固形分を紙表面で部留まらせて、裏抜けを防止する技術が知られている。しかしながら、ライナーのような厚い紙では、解離性多価金属塩の水溶液自体が紙中に深く浸透するため、紙表面の架橋剤として作用する有効成分の量は少なくなり、期待する効果が得られないという結果となる。特に、紙の繊維の密度が疎であれば、この傾向は顕著となり、にじみや色あせが発生しやすい。
それに対して、水溶性樹脂と解離性多価金属塩とを含有する水溶液は、粘度を高く設定できるため、浸透を抑えて、紙のより表面に近いところで架橋剤として作用させ、にじみや色あせを防止することができる。さらに水溶性樹脂を紙の繊維の隙間に詰めることにより、インキの浸透をより抑制することができ、鮮明で色の濃度感も高い印刷物が得られる。
以上のように、再生を多数回繰り返した段ボールに対する印刷で、予め、ノニオン系の水溶性樹脂と解離性多価金属塩の水溶液を塗工すると、通常の印刷インキを印刷してもにじみや色あせが発生せず、さらに紙面強度を大幅に増強でき、しかも紙粉が版面に付着することないという効果が得られることを見出した。そして、上記の課題を解決するための条件をすべて有することから、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、(1)中芯とライナーから構成される段ボールの少なくとも一方のライナー表面が、水性印刷インキ組成物で印刷されてなる段ボール印刷物において、前記ライナーは、比圧縮強さが11〜13N・m/g、ワックスピック値が20以下であり、ノニオン系水溶性樹脂と解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含む水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物で印刷されていることを特徴とする段ボール印刷物に関する。
本発明は、また、(2)前記ノニオン系水性樹脂としてセルロース誘導体またはアルキルケテンダイマーを用いてなる上記(1)記載の段ボール印刷物に関する。
本発明は、また、(3)前記カルシウム塩としてギ酸カルシウムを用いてなる上記(1)または(2)記載の段ボール印刷物に関する。
本発明は、また、(4)中芯と、ワックスピック値が20以下、比圧縮強さが11〜13N・m/gであるライナーとから構成される段ボールの当該ライナー表面に、予め、ノニオン系水性樹脂及び解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含有する水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物を印刷することを特徴とする段ボール印刷物の製造方法に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、被印刷体として用いる段ボールは、中芯とライナーから構成されるものであり、上記ライナーとしては、比圧縮強さが11〜13N・m/gであり、ワックスピック値が20以下のものを用いる。
上記比圧縮強さは、ライナーを抄造したときの進行方向に6インチ、進行方向と垂直の方向に1/2インチの試験片を用いて以下の式で定義される数値をいう。
比圧縮強さ(A)= S/W × 10
ここで、SはJIS P 8126(紙及び板紙−圧縮強さ試験方法−)に基づいて得られる試験片の圧縮強さ、Wはライナーの1mあたりの質量(坪量)である。
上記ワックスピック値は、JIS P 8129(紙及び板紙−紙むけ試験方法−)に基づいて測定した値である。
段ボールは、通常、中芯の両側がライナーで挟まれた構造を有する。本発明の段ボール印刷物は、少なくとも一方のライナー表面が、水性印刷インキ組成物で印刷されてなるものである。
次に、段ボールのライナー表面に予め塗布する水性塗工剤について説明する。
上記水性塗工剤に配合されるノニオン系水溶性樹脂としては、セルロース誘導体またはアルキルケテンダイマーが好ましい。セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどの低級アルキル基置換体やセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの低級アシル基置換体、セルロースエチレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイドがセルロースに付加したセルロースアルキレンオキサイド付加物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上併用して利用できる。上記セルロース誘導体の中でもセルロースアルキレンオキサイド付加物が好ましい。これらセルロース誘導体は、分子量や水酸基に対する置換度など異なるものが各種有るが、目的とする水性塗工剤の粘度に合わせて各種のものを適宜選択して使用する。
また、アルキルケテンダイマーとは下記式(1)で示されるものである。
Figure 2008031579
[式中、R、Rは、独立してそれぞれ炭素数8〜30の炭化水素基を示す。]
一般式(1)におけるR、Rの具体的な炭化水素基としては、例えばデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどのアルキル基;エイコシル基などのアルケニル基;オクチルフェニル、ノニルフェニルなどのアルキル置換フェニル基;ノニルシクロヘキシル基などが例示できる。
上記ノニオン系水溶性樹脂は、水性塗工剤中に1〜10質量%用いることが好ましい。
本発明の水性塗工剤に解離性多価金属塩として配合されるカルシウム塩としては、カルシウムの塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩あるいは酢酸塩、ギ酸塩等の有機酸塩等があげられる。具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム等が例示でき、これらは単独又は2種以上併用して利用できる。上記カルシウム塩としてはギ酸カルシウムが好ましい。
上記カルシウム塩は、水性塗工剤中に1〜15質量%用いることが好ましい。
更に、上記水性塗工剤には、必要に応じて、消泡剤、防錆剤、水混和性溶剤、可塑剤、ワックス等の各種添加剤が適宜使用できる。
上記水性塗工剤は、水性媒体中にノニオン系水性樹脂とカルシウム塩を含むものである。上記水性媒体は、水のみであってもよく、水混和性の有機系分散媒体との併用であってもよい。
上記水性塗工剤の粘度は、フレキソ印刷等の通常の方法で塗工又は印刷することができれば特に限定されないが、ザーンカップNo.4で7〜14秒が好ましい。
上記水性塗工剤を調製する方法は特に限定されず、水性媒体にカルシウム塩とセルロース誘導体またはアルキルケテンダイマーを順次添加して混合すればよい。
次に、水性印刷インキ組成物について説明する。
本発明で用いる水性印刷インキ組成物は、酸基含有樹脂をバインダーとして含有するものである。上記酸基含有樹脂としては、例えば上述の水性塗工剤に含まれるカルシウム塩の存在により析出するものが挙げられる。このような樹脂としては、例えば、特開平09−31888号公報に記載されている、塩基性化合物の存在下で水中に溶解又は分散可能な水性樹脂や、乳化剤の存在下で水中に分散可能な水性樹脂が挙げられる。
塩基性化合物の存在下で水中に溶解又は分散可能な水性樹脂としては、具体的には、酸価30〜350のカルボキシル基含有樹脂、カゼイン等が例示できる。カルボキシル基含有樹脂としては、従来から使用されている酸価30〜350のスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリル−マレイン酸共重合体、アクリル樹脂等が例示できる。本発明の酸価30〜350のカルボキシル基含有樹脂を水中に溶解又は分散させる塩基性化合物としては、アンモニア、ジエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等、又はこれらの2種以上の混合物が使用できるが、水性被覆剤の乾燥性、耐水性の面から、アンモニア又は揮発性のアミンを用いることが好ましい。また、カゼインは、従来公知のカゼイン水溶液が使用できる。
乳化剤の存在下で水中に分散可能な水性樹脂としては、解離性多価金属塩の存在下に粒子の界面電位が低下する又は塩析する、低分子乳化剤(アニオン型、ノニオン型、カチオン型のいずれでもよい)、高分子乳化剤(前記酸価30〜350のカルボキシル基含有樹脂)の存在下で水中に分散可能な水性樹脂が使用できる。
更に、上記水性印刷インキ組成物には、必要に応じて、着色剤等の印刷インキ;高光沢エマルジョン樹脂等の光沢付与の被覆剤;造膜性エマルジョン樹脂、ワックス等の耐摩擦性付与の被覆剤;無機防滑材料等の防滑性付与の被覆剤;粘着剤、有機溶剤、レベリング剤、粘度調整剤などを適宜配合することができる。
上記水性印刷インキ組成物は、水性媒体中に酸基含有樹脂を含むものであり、水性媒体としては、水性塗工剤に用い得るものと同じもの等が挙げられる。
本発明の水性印刷インキ組成物の調製は、カルシウム塩の存在により析出する酸基含有樹脂に、必要に応じて、着色剤、各種添加剤を混合し、分散機、練肉機を使用し、常法に従って行うことができる。
本発明の段ボール印刷物は、中芯とライナーから構成される段ボールの当該ライナー表面に、予め、ノニオン系水性樹脂及び解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含有する水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物を印刷することにより製造することができる。
水性塗工剤、水性印刷インキ組成物を塗工又は印刷する方法としては特に限定されず、エアーナイフ、ロールコータ、スプレー、グラビア印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。
本発明の方法では、水性塗工剤を塗工又は印刷したあと、乾燥してから水性印刷インキ組成物を印刷することが好ましい。
本発明の段ボール印刷物は、カルシウム塩及びノニオン系水溶性樹脂を含有する水性塗工剤を予め段ボールに塗工又は印刷することにより、紙表面が強化され、水溶性樹脂が紙の繊維の隙間に詰まることにより、後で印刷する水性印刷インキ組成物の歩留まり性が向上し、水性印刷インキ組成物が段ボールへ浸透するのを抑制することができるので、多数回再生利用された段ボールを基材に用いても、鮮明な印刷画像を有し、かつ、輸送の間にも紙剥けなどの起こらないものである。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を表す。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
表1の配合に従って水性塗工剤1〜4を調製し、粘度、安定性等を評価した。結果を表1に示す。
<評価方法>
(粘度)
水性塗工剤1〜4の粘度をザーンカップNo.4(離合社製)にて測定し、フレキソ印刷可能な秒数(7〜14秒)であるものを○、それ以外のものを×とした。
(安定性)
水性塗工剤1〜4を40℃にて1週間保存し、沈殿物がないものを○、そうでないものを×とした。
次に、低級紙(商品名:ETS160、レンゴー製)に上記水性塗工剤1〜4をガラスバーにて塗布し、乾燥後、その上に水性印刷インキ組成物として水性フレキソインキFK−99(サカタインクス社製)を165lineのハンドプルーファーで塗布し、耐水耐摩擦性、歩留まり性を評価した。結果を表1に示す。
<評価方法>
(耐水耐摩擦性)
学振式耐摩擦試験機で、ガーゼに水を5滴おとしたものを摩擦材として用い、荷重200g、往復10回の条件下で摩擦試験を行ない、水性塗工剤を塗布していないものを基準として耐水耐摩擦性が基準より優れているものを○、基準と同等以下のものを×として評価した。
(歩留まり性)
歩留まり性を目視にて確認し、水性印刷インキ組成物が段ボールへ浸透するのを抑制する効果があったものを○、そうでないものを×とした。
Figure 2008031579
表1の結果から、以下のことが分かった。
水性塗工剤としてカルシウム塩及びセルロース誘導体を含有する水性塗工剤1を用いた実施例1、ならびにカルシウム塩及びアルキルケテンダイマーを含有する水性塗工剤2を用いた実施例2は、すべての評価項目において優れたものであった。
一方、セルロース誘導体もしくはアルキルケテンダイマーの代わりにポリビニルアルコールを配合した水性塗工剤3を用いた比較例1は、水性印刷インキ組成物を塗工した場合の耐水耐摩擦性及び歩留まり性に劣り、セルロース誘導体もしくはアルキルケテンダイマーの代わりにポリアクリルアミドを配合した水性塗工剤4を用いた比較例2は、水性塗工剤の粘度や安定性が悪く、水性印刷インキ組成物を塗工した場合の歩留まり性にも劣るものであった。
本発明の段ボール印刷物は、カルシウム塩及びノニオン系水溶性樹脂を含有する水性塗工剤を予め段ボールに塗工又は印刷することにより、紙表面が強化され、水溶性樹脂が紙の繊維の隙間に詰まることにより、後で印刷する水性印刷インキ組成物の歩留まり性が向上し、水性印刷インキ組成物が段ボールへ浸透するのを抑制することができるので、多数回再生利用された段ボールを基材に用いても、鮮明な印刷画像を有し、かつ、輸送の間にも紙剥けなどの起こらないものである。

Claims (4)

  1. 中芯とライナーから構成される段ボールの少なくとも一方のライナー表面が、水性印刷インキ組成物で印刷されてなる段ボール印刷物において、
    前記ライナーは、比圧縮強さが11〜13N・m/g、ワックスピック値が20以下であり、
    ノニオン系水溶性樹脂と解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含む水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物で印刷されていることを特徴とする段ボール印刷物。
  2. 前記ノニオン系水性樹脂としてセルロース誘導体またはアルキルケテンダイマーを用いてなる請求項1記載の段ボール印刷物。
  3. 前記カルシウム塩としてギ酸カルシウムを用いてなる請求項1または2記載の段ボール印刷物。
  4. 中芯と、ワックスピック値が20以下、比圧縮強さが11〜13N・m/gであるライナーとから構成される段ボールの当該ライナー表面に、予め、ノニオン系水性樹脂及び解離性多価金属塩としてカルシウム塩を含有する水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物を印刷することを特徴とする段ボール印刷物の製造方法。
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