JPH1192704A - 水性グラビア印刷インキ - Google Patents

水性グラビア印刷インキ

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JPH1192704A
JPH1192704A JP25999997A JP25999997A JPH1192704A JP H1192704 A JPH1192704 A JP H1192704A JP 25999997 A JP25999997 A JP 25999997A JP 25999997 A JP25999997 A JP 25999997A JP H1192704 A JPH1192704 A JP H1192704A
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晋吾 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、潤滑性に優れ、版摩耗性、ドクタ
ー摩耗性が改善され、版カブリやドクター筋に関し、有
機溶剤型に匹敵する印刷適性を有すると共に、プラスチ
ックフィルムへの密着性に優れ、かつ、ラミネート用途
インキにおいてはそのラミネート強度を低下させない水
性グラビア印刷インキの提供を目的とする。 【解決手段】 本発明の水性グラビア印刷インキは、水
性媒体中に溶解または分散した樹脂をベヒクル成分と
し、硫酸化植物油のアルカリ金属塩またはアンモニウム
塩を0.1重量%〜10重量%の割合で含有するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙やプラスチックフィ
ルム等に対する水性グラビア印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア印刷用インキとしては、
硝化綿系、硝化綿/ポリアミド系、硝化綿/マレイン酸
系、ウレタン系、塩素化ポリプロピレン系等をベヒクル
とし有機溶剤に溶解した有機溶剤型のものが使用されて
きたが、有機溶剤を使用するものであり、大気中への有
機溶剤の揮散性から安全性や衛生性に問題を有してい
る。そのため、水性媒体中に例えばアクリル酸樹脂や水
溶性ポリエステル樹脂等をベヒクルとする水性グラビア
印刷インキが開発されているが、耐水性、耐アルカリ性
の面で十分でなく、また、プラスチックフィルムを被印
刷体とする場合に密着性に乏しく、十分な接着強度が得
られないという問題がある。
【0003】また、一般に、グラビア印刷は、表面にセ
ルが形成されたグラビア版胴に印刷インキを供給し、ド
クターにより余分なインキを掻き落とした後、紙やプラ
スチックフィルム等に印刷を行うものであるが、余分な
インキを掻き落とす操作に際して、版の非画線部にドク
ターによって掻き取りきれない部分が生じ、本来紙やプ
ラスチックフィルム等に転移されてはいけない余白部分
にまでインキが付着し、汚れとなる、所謂「版カブリ」
が発生する。
【0004】そして、水性グラビア印刷インキは、有機
溶剤型に比して、グラビア版上で乾燥したインキ被膜が
再度印刷インキにより溶解される「再溶解性」が劣り、
また、ドクター操作に際しての潤滑性が不充分である等
の問題を有する。ドクター操作に際しての潤滑性が不充
分であると、印刷時にグラビア版胴とドクター間の摩擦
抵抗が大きく、ドクター摩耗やグラビア版胴の摩耗が生
じ、これによりインキの掻き取り不良が発生し、地汚れ
となる。そのため、水性グラビア印刷インキを使用する
場合には、インキの粘度を下げたり、また、掻き取りき
れない部分のインキを版面送風により乾燥させる等の印
刷条件により対処しているのが現状である。また、潤滑
剤使用の例もあるが、往々にしてラミネート強度を低下
させるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、本発明は、
潤滑性に優れ、版摩耗性、ドクター摩耗性が改善され、
版カブリやドクター筋に関し、有機溶剤型に匹敵する印
刷適性を有すると共に、プラスチックフィルムへの密着
性に優れ、かつ、ラミネート用途インキにおいてはその
ラミネート強度を低下させない水性グラビア印刷インキ
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、水性グラビア印刷イン
キとして、水性媒体中に溶解または分散した樹脂をベヒ
クル成分とし、硫酸化植物油のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩を0.1重量%〜10重量%の割合で含有
するものとすることにより上記の問題を達成しうること
を見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水性グラビア印刷
インキについて説明する。ベヒクル成分としては、水性
グラビア印刷インキのベヒクル成分として知られている
ものが使用され、水溶性樹脂や水分散性樹脂、その中間
的なハイドロゾル型樹脂が使用され、具体的には、シェ
ラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、スチレン−アクリ
ル酸樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸樹脂、スチ
レン−マレイン酸樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ウレタン変性アクリル
酸樹脂、水溶性ウレタン、水溶性ポリエステル樹脂の単
独、または混合物からなる樹脂、水溶性樹脂を保護コロ
イドとするコロイド状水性樹脂等が挙げられる。
【0008】硫酸化植物油のアルカリ金属塩またはアン
モニウム塩としては、ヒマシ油、オリーブ油、ナタネ
油、綿実油、大豆油などの硫酸化油が挙げられ、そのナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩等が挙げられる。
【0009】硫酸化植物油のアルカリ金属塩またはアン
モニウム塩のインキ中での含有量は、0.1重量%〜1
0重量%、好ましくは0.2重量%〜5.0重量%、更
に好ましくは0.5重量%〜2.0重量%である。含有
量が0.1重量%より少ないと、グラビア印刷において
版摩耗やドクター摩耗が生じ、版カブリやドクター筋等
の印刷適性を改善できなく、また、5.0重量%より多
いとグラビア印刷物の濃度、光沢、紙およびプラスチッ
クフィルム等の被印刷体への密着性等の印刷品質が低下
する。
【0010】本発明の水性グラビア印刷インキは、上記
各成分の他にアルコール等が添加され、また、必要に応
じて顔料、充填剤、潤滑剤等を添加し、ボールミル、ア
トライタ、サンドミル等により水に溶解分散させること
により調製される。
【0011】本発明の水性グラビア印刷インキは、従来
知られているベヒクル成分、顔料からなる水性グラビア
印刷インキに硫酸化植物油のアルカリ金属塩またはアン
モニウム塩を添加することにより、版摩耗性、ドクター
摩耗性が改善され、版カブリやドクター筋に関する印刷
適性が有機溶剤型に匹敵するものとしうると共に、プラ
スチックフィルム等の被印刷体への密着性に優れ、か
つ、ラミネート用途インキにおいては、そのラミネート
強度を低下させないものとできる。
【0012】以下、実施例により、本発明を詳細に説明
する。
【0013】
【実施例】本発明の水性グラビア印刷インキの組成を下
記表1に示し、また、比較例としてのインキ組成を下記
表2に示す。インキ組成は重量%。また、表1、2中の
添字による指示は下記の通りである。
【0014】1) :テイカ(株)製2) :テイカ(株)製3) :デグサ(株)製4) :ゼネカ(株)製(固形分40%)5) :大成化工(株)製(固形分40%)6) :大成化工(株)製(固形分30%)7) :共栄社化学(株)製「商品名ロート油」8) :共栄社化学(株)製「商品名ロート油60%K」9) :日本化成品(株)製
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表1、表2に示すインキ組成をそれぞれ試
験用サンドミルで1時間練肉分散させた後、水50重量
%及びイソプロピルアルコール50重量%の混合溶媒を
使用し、50%にそれぞれ希釈して下記の試験に供し
た。
【0018】評価方法 (1) ドクター摩耗量(μ)及び版面の状態 シュローダー社製の版摩耗試験機を使用した。この版摩
耗試験機は、インキで満たされ、密閉されたインキタン
ク中において、回転式ドクターホールダーにドクターを
セットしたものを、円盤状の版の上でドクター圧0.8
kg/cmで毎分1800回転、1時間回転させた後、
ドクター刃先の摩耗量(μ、もとの長さ−試験後の長
さ)を実測した。また、版面の状態は、目視で5段階で
評価し、数字の多い方が版面が削れてなく良好であるこ
とを示す。
【0019】(2) 印刷物による版カブリの評価 コロナ放電処理のポリプロピレンフィルムに、線数20
0線/インチのヘリオ版を使用したグラビア印刷機で、
通常の印刷を1分行ない、次いで30分空転させ、更
に、60分空転させた後に再び1分間印刷した。
【0020】版カブリは、上記工程における、スタート
時点、30分空転させた時点、60分空転させた後に再
び1分間印刷した時点の3時点において、印刷物を10
枚それぞれ重ね、無地部分の地汚れを目視で評価した。
○は版カブリが全く認められないもの、△は若干の版カ
ブリが認められるもの、×は著しく版カブリが認められ
るものである。本発明の水性グラビア印刷インキを使用
した結果を、下記の表3に、比較用の水性グラビア印刷
インキを使用した結果を、下記の表4に示す。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】(3) プラスチックフィルムへの密着性
及びラミネート適性の評価 試験方法と試験結果 密着性については、(株)ニチバン製24mm幅のセロ
テープを、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィル
ム、及びポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ムを印刷基材とする印刷物の印刷画面に貼り、しかる
後、瞬時にテープを剥離して、インキ取られの有無を評
価した。上記の評価のいずれの場合も、良好の場合を
5、不良の場合を1とし、5段階で評価した。
【0024】また、ラミネート適性については、実施例
3〜6、比較例2〜5のインキを用いてグラビア輪転機
にてOPPフィルム、及びPETフィルムを印刷基材と
する印刷物を作成し、その上にポリエチレンイミン系の
アンカー剤を塗布し、押し出しラミネート機により溶融
ポリエチレンを積層した。1日後、ラミネート物を15
mm幅に切断し、剥離強度を測定し、以下の基準により
評価した。「平均剥離強度が実用上問題無い」を○、実
用上やや劣るを△、実用上劣るを×とした。得られた結
果を表5に示す。
【0025】
【表5】
【0026】本発明の水性グラビア印刷インキは、潤滑
剤を併用しているにも係わらず、比較と同様に、プラス
チックフィルムへの密着性に優れ、また、ラミネート強
度にしても同等の性能を示すことがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明の水性グラビア印刷インキは、潤
滑性に優れ、版摩耗性、ドクター摩耗性が改善され、版
カブリやドクター筋に関し、有機溶剤型に匹敵する印刷
適性を有するものてあると共に、プラスチックフィルム
への密着性及びラミネート適性に優れるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に溶解または分散した樹脂を
    ベヒクル成分とし、硫酸化植物油のアルカリ金属塩また
    はアンモニウム塩を0.1重量%〜10重量%の割合で
    含有することを特徴とする水性グラビア印刷インキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104559447A (zh) * 2014-12-28 2015-04-29 乐渭林 一种蓖麻油溶剂油墨及其制备方法
JP6440084B1 (ja) * 2018-03-27 2018-12-19 下村 恭一 ドクター摩耗を低減するグラビア印刷に使用する印刷用水性インキ及び該インキを使用したフィルム積層材。

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JP6440084B1 (ja) * 2018-03-27 2018-12-19 下村 恭一 ドクター摩耗を低減するグラビア印刷に使用する印刷用水性インキ及び該インキを使用したフィルム積層材。
JP2019172728A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 下村 恭一 ドクター摩耗を低減するグラビア印刷に使用する印刷用水性インキ及び該インキを使用したフィルム積層材。

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