JPH0347308B2

JPH0347308B2 -

Info

Publication number: JPH0347308B2
Application number: JP57217376A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Ono; Takeshi Teranishi
Original assignee: Pilot Ink Co Ltd
Current assignee: Pilot Ink Co Ltd
Priority date: 1982-12-10
Filing date: 1982-12-10
Publication date: 1991-07-18
Also published as: US4585815A; JPS59108067A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は孔版印刷用インキに関し、詳細には孔
版上に層状に担持されたインキに押圧力を加える
ことによりインキが版の細孔を通過して被印刷面
に付着印刷されるタイプの孔版印刷に適用される
改良された印刷インキに関する。一般に前記タイプの印刷は他の工業的印刷法に
比べて簡便であり、小規模の印刷に適するので個
人的な用途及び少量印刷等に適用されている。従
つて専門家でない不特定の人による印刷時の押圧
力、押圧時間及び環境温度のバラツキを吸収して
被印刷面に一様な印刷像を与える印刷インキが望
ましい。従来、このタイプの印刷には謄写版インキタイ
プのＷ／Ｏ型不揮発性油ベースの油性インキまた
は水−グリコールベースの水性インキが適用され
ているが、両者共印刷物の乾燥が遅いことによる
汚れ等の欠点があり、加えて前者では油のにじ
み、後者ではインキ付着量を多くすると色ムラ
（およぎ）の現象が出現しやすい傾向にある。本発明の目的は前記要望を満たし、従来インキ
の欠点を改良した孔版印刷用インキを提供するこ
とにある。これら目的は必須成分として顔料、体質顔料、
水溶性高分子、Ｏ／Ｗ型樹脂エマルシヨン、湿潤
剤及び水を含有してなるインキにより達成され
る。以下各成分について詳述する。着色剤としての顔料には不溶性アゾ顔料、フタ
ロシアニン顔料、チオインジコ顔料、スレン顔
料、キナクリドン顔料等有機顔料、蛍光を発する
染料の樹脂固溶体タイプの蛍光顔料及びカーボン
ブラツク、酸化チタン等の無機顔料が用いられ
る。これら顔料は樹脂で表面処理された加工顔料
または界面活性剤で分散処理された水性分散体の
形で用いられてもよい。これら顔料はインキ組成
中、顔料固形分として0.5乃至20重量％の範囲で
用いられる。体質顔料はインキにダイラタントな流動特性を
付与して環境温度によるインキ流動の変化及びイ
ンキに加えられる押圧力及び押圧時間のバラツキ
を吸収して被印刷面にほゞ一様の肉盛感のある印
刷像を与える作用と共に前記印刷像の指触乾燥を
早める作用をもつ。このような体質顔料としては
粒径が10μｍ以下であり、実質上無色透明なカオ
リンクレー、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム等があげられる。これら体質顔料
はインキ組成中５乃至30重量％、好ましくは10〜
25重量％の範囲で用いられる。水溶性高分子は顔料及び体質顔料をビヒクル中
に分散安定化させるものであり、多量の使用は前
記体質顔料の作用を低減させるので、前記顔料類
の分散安定化の作用との兼合から高重合度の高分
子を少量用いるのが良い。このような条件に合致
するものは20℃における10％水溶液の粘度が
40cps以上を示す水溶性高分子であり、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等のセルロース誘導体、アラビ
アガム、トラガントガム、AGガム等のガム類、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキサ
イド等の合成ポリマー、アルギン酸ナトリウム、
アルギン酸グリコールエステル等のアルギル酸誘
導体、ゼラチン、カゼイン等のたん白質、プルラ
ン等の澱粉類があげられる。これら水溶性高分子
はインキ組成中0.5乃至５重量％、好ましくは1.0
乃至2.5重量％の範囲で用いられる。Ｏ／Ｗ型樹脂エマルシヨンは印刷像の耐水性及
び皮膜強度を向上させるものであり、透明な皮膜
を与え、低温においても前記作用を果すよう最低
造膜温度（以下MFTと略記）10℃以下を示し、
微小粒径好ましくは1μｍ以下のものが用いられ
る。樹脂としては酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体等があげられ
る。これらＯ／Ｗ型樹脂エマルジヨンは固形分換
算でインキ組成中５乃至30重量％の範囲で用いら
れる。湿潤剤は印刷時のインキの乾燥による版づまり
を防止するために用いられる。多量の添加は印刷
像の乾燥を遅らせて汚れやにじみの発生をもたら
すが、少くとも５重量％は必要である。グリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、チオジエチレングリ
コール等の多価アルコール類が用いられる。その他必要に応じて界面活性剤、防カビ剤、防
錆剤等を少量添加してもかまわない。前記各成分を含む本発明のインキは各成分の作
用及びそれらの相互作用により、専門家でない不
特定の人がそれぞれ異なる環境温度において本発
明のインキを用いて前記孔版印刷を行つた場合で
も、それぞれの押圧力、押圧時間のバラツキを吸
収してほゞ一様な印刷像を与える。一般にこの種のインキにおいて組成中の高分子
の割合が多くなる程インキの粘性の温度依存性は
大きくなると共にインキのチキソトロピー性が大
となり、印刷時の押圧力及び押圧時間の変化によ
り版の孔からのインキの流出に大きな影響を及ぼ
す。本発明のインキにおいては少量の高重合度の
水溶性高分子によりビヒクル中に分散された相対
的に多量の体質顔料はインキの流動特性をダイラ
タンシーに変え、インキは前記条件の変化に左右
され難い印刷適性を示す。更に体質顔料配合の効
果は肉盛感のある印刷像を与え、印刷時版上での
インキの乾燥を抑えるために湿潤剤として遅乾性
のグリコール類が配合されているのにも拘らず、
前記印刷像における体質顔料の液体の吸収作用に
より早い見かけの乾燥即ち指触乾燥をもたらし、
印刷物の汚れやおよぎ、にじみの発生が防止され
ることである。以下本発明のインキの組成、製造法及び性能等
を具体例について対比例と比較して説明する。組
成を表わす数値はすべて重量部である。高分子水
溶液の粘度は20±２℃における値を示す。 (1) 実施例１実施例１カーボンブラツク−界面活性剤水性分散液（山
陽色素(株)製サンダイスーパーブラツクＣ顔料分
30％） 10部アクリル酸エステル−スチレン共重合体エマル
シヨン（ヘキスト合成(株)製モビニールDM760
固形分34％、平均粒径0.045μｍMFT0℃） 30 塩基性炭酸マグネシウム（比重1.85） 20 アルギン酸ナトリウム（君津化学工業(株)製、ア
ルギン酸ソーダS1％水溶液の粘度950−
1100cps） 1.0 エチレングリコール 20 水 19 実施例２フタロシアニンブルー（C.I.Pigment Blue
15）５部 −界面活性剤水性分散液（山陽色素(株)製エマコー
ルブルーKR顔料分27％）エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルシヨン
（昭和高分子(株)製、ポリゾールEVAT−１固形
分50％、平均粒径0.1μｍ以下MFT0℃以下）
20 カオリンクレ−（土屋カオリン工業(株)製、カオ
リンＡ−83比重2.59） 25 20％ポリアクリル酸ナトリウム水溶液（東亜合
成化学工業(株)製、アロンＡ−20L10％水溶液の
粘度400−500cps） 2.5 プロピレングリコール 20 水 27.5 実施例３赤色顔料（C.I.Pigment Red 22） 10部 −界面活性剤水性分散液（山陽色素(株)製、サンダ
イレツドBS−Ｐ顔料分19％）アクリル酸エステル樹脂エマルシヨン（ヘキス
ト合成(株)製、濃度46％、平均粒径0.07μｍ、
MFT0℃以下） 30 塩基性炭酸マグネシウム（比重1.85） 20 カルボキシメチルセルロース．ナトリウム塩
（第一工業製薬(株)製、セロゲン5A10％水溶液の
粘度40cps） 5.0 ジエチレングリコール 15 水 20 実施例４緑色蛍光顔料−界面活性剤 20部水性分散液（シンロイヒ(株)製、SW−12顔料分
40％）酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマ
ルシヨン（昭和高分子(株)製、ポリゾールP503
固形分40％、平均粒径0.1μｍ以下MFT0℃）
20 沈降性炭酸カルシウム（比重2.71） 25 ポリビニルアルコール（日本合成化学工業(株)
製、ゴーセノールGH−23、ケン化度86.5−89
モル％４％水溶液の粘度52±4cps） 5.0 グリセリン 15 水 15 実施例５二酸化チタン−ポリメタクリレート水性分散液
（米国ユニバーサルカラーデイスパージヨン社
製、UCD1060Q、顔料分65％） 30部酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマ
ルシヨン（ポリゾールＰ−503、固形分40％）
10 沈降性炭酸カルシウム（比重2.71） 20 ヒドロキシプロピレンセルロース（日本曹達(株)
製、HPC−Ｍ、２％水溶液の粘度150−
400cps） 3.0 チオジエチレングリコール 10 水 27 対比例１（謄写版用インキ）フアーネスカーボンブラツク２部スピンドル油４ #30モーターオイル 14 ソルビタンモノオレエート４水 80 対比例２（体質顔料無配合水性インキ）カーボンブラツク−界面活性剤水性分散液（サ
ンダイスーパーブラツクＣ、顔料分30％） 10部アクリル酸エステル−スチレン共重合体エマル
シヨン（モビニールDM760、固形分34％）
30 アルギン酸ナトリウム（アルギン酸ソーダＳ）
3.5 エチレングリコール 30 水 26.5 対比例３（体質顔料多量配合）カーボンブラツク−界面活性剤水性分散液（サ
ンダイスーパーブラツクＣ、顔料分30％） 10部アクリル酸エステル−スチレン共重合体エマル
シヨン（モビニールDM760、固形分34％）
30 塩基性炭酸マグネシウム（比重1.85） 35 アルギン酸ナトリウム（アルギン酸ソーダＳ）
1.5 エチレングリコール 20 水 3.5 対比例４（低重合度水溶性高分子使用）カーボンブラツク−界面活性剤水性分散液（サ
ンダイスーパーブラツクＣ、顔料分30％） 10部アクリル酸エステル−スチレン共重合体エマル
シヨン（モビニールDM760、固形分34％）
30 塩基性炭酸マグネシウム（比重1.85） 20 ポリビニルアルコール（日本合成化学工業(株)
製、ゴーセノールGL−05、ケン化度86.5−89
モル％、10％水溶液の粘度33cps） 5.0 エチレングリコール 20 水 15 (2) インキの製造法前記配合量の顔料分散液、体質顔料及び水溶
性高分子を混合した後、均質になるまで三本ロ
ールにて練合処理し、次いで樹脂エマルシヨ
ン、湿潤剤及び水を加え、撹拌、混合してイン
キとする。但し、対比例１のインキのみは次の方法によ
る。前記配合量のカーボンブラツク、スピンドル
油、#30モーターオイル、ソルビタンオレエー
トを混合したペーストを三本ロールにて練合処
理して得られる均質なペーストに撹拌しつつ水
を徐々に添加してＷ／Ｏ型エマルシヨンタイプ
のインキを得た。 (3) 各インキの性能テスト (3‐1) 印刷の仕上り状態各試料インキについて所定の孔版（NBC
工業社製テトロンスクリーンＴNo.200、オー
プニング82、厚さ75、線径45、オープンエリ
ア41％に図柄、文字を抜いた版）を用いて温
度20〜25℃、押圧力約150ｇ／cm²、押圧時間
約0.5秒の標準条件下でJISP3101印刷用紙上
に押圧印刷して刷り上り状態を別記５項目に
ついて評価した。結果は表−１に示す。 (3‐2) 種々の条件下の印刷適性前記印刷条件のうち押圧力、押圧時間につ
いては水準を変えてテストし、各条件におけ
る印刷適性を標準条件でのそれと比較評価し
た。また温度変化による印刷適性の変化の度
合を調べるのに３種の温度におけるスプレツ
ドメーターによる１分値を測定した。結果は
表−１に示す。尚、対比例４のインキは分散不良のためテ
ストに供せなかつた。

【表】

【表】表中の記号の説明 (1) 印刷像の状態の項 ●乾燥性（印刷10分後の指触テスト） ○：全く汚れない △：手に付着する程度 ×：印刷物が汚れる ●にじみ ○：にじみが全くみられない ×：像の線幅が太くなつたり、ビヒクルが
にじみ出している ●色ムラ（およぎ） ○：印刷像の色調均質 △：ほゞ均質にみえる ×：色ムラあり ●肉盛感 ○：あり ×：なし ●色調 ○：鮮明 △：やゝ鮮明性に欠ける ×：不鮮明 (2)印刷適性の項 ○：標準条件下での印刷の仕上りと実質的に
差なし △：やや差あり ×：著しい差あり以上の結果にみられるとおり、本発明のインキ
は温度や押圧に関する印刷条件の変化に左右され
ずに好ましい印刷像を与えるインキであり、専門
家でない不特定の人を対象とした孔版印刷用に適
した印刷インキである。

Claims

【特許請求の範囲】

１必須成分として顔料、体質顔料、20℃におけ
る10％水溶液の粘度が40cps以上である水溶性高
分子、Ｏ／Ｗ型樹脂エマルシヨン、湿潤剤及び水
を含み、前記体質顔料及び水溶性高分子はインキ
組成中それぞれ５乃至30重量％及び0.5乃至５重
量％の範囲で配合されてなる孔版印刷用インキ。