JP6314856B2 - 壁紙用裏打ち紙 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙等に用いられる壁紙用裏打ち紙に関し、特に毛羽立ちがなく、抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れがなく、壁紙施工時の寸法安定性に優れ、また、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性に優れる壁紙用裏打ち紙に関する。
ビニル発泡壁紙、紙発泡壁紙、オレフィン発泡壁紙等の発泡壁紙は、主に意匠性を付与する上層と、上層を支持して施工性を付与する裏打ち紙の2層構造より成っている。これらの発泡壁紙は、施工時、澱粉や酢酸ビニル等の水系の糊によって壁に貼合されるが、この糊付け工程で糊中の水が裏打ち紙に吸収され、発泡壁紙が柔らかくなったり、裏打ち紙が水分増加により伸びたりすることがある。そして、これが原因で、カールの発生が大きくなったり、発泡壁紙の壁面への貼付作業が困難となったり、貼付後の壁紙の捲れが起き易くなったりする等の問題点があった。さらに、糊が乾燥すると裏打ち紙が収縮し、施工生産性の良いつきつけ貼りを行うと、隣接して貼り合わせた壁紙同士の繋ぎ目部分に隙間が生じる問題(目開き)があり、施工後の意匠性を損なう等の欠点があった。
このようなことから、糊付けしてもカールし難く、寸法安定性も改善された発泡壁紙用裏打ち紙として、抄紙工程の乾燥部が、いわゆるヤンキードライヤーで乾燥することによって抄紙された裏打ち紙が用いられてきている(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、裏打ち紙の毛羽立ちが少なく、印刷適性に優れ、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性が良い裏打ち紙が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの発明においては、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性に加え、湿潤引張強度、水中寸法安定性、カールを同時に満足させる技術については考慮されておらず、前記特性については不十分であった。
また、施工時において糊を塗布してもカールし難く、貼付後において目開きが生じない上、貼替え時においては剥がし易く、剥がした後の壁に残る裏打ち紙層が均一である壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献4参照)。さらに、塩化ビニルペースト等の塗工時、あるいはその後の乾燥工程においても毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、これらの発明においては、芯鞘繊維の融点が低い場合は抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れが懸念される。また、ポリエチレン繊維は天然繊維やポリエステル繊維と比べて燃焼カロリーが高く、壁紙加工後の燃焼カロリーが増加し、難燃性付与について不十分であった。
特開2005−82894号公報 特開2007−92223号公報 特開2009−242982号公報 特開2007−077526号公報 特開2010−229604号公報
本発明は、壁紙用裏打ち紙に関し、毛羽立ちがなく、また抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れがなく、壁紙施工時の寸法安定性に優れ、また壁面から壁紙を剥離する際のピール適性に優れる壁紙用裏打ち紙を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の壁紙用裏打ち紙に係る。
項1:少なくともパルプ繊維及び合成繊維からなる繊維を含有する紙基材からなる壁紙用裏打ち紙であって、前記紙基材が合成繊維として芯部の融点が200℃以上かつ鞘部の融点が150℃以上である芯鞘型構造を有するポリエステル繊維を全繊維の固形量中5〜30質量%の割合で含有し、前記紙基材の少なくとも一方の面に水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂を含有する塗工層を備えたことを特徴とする壁紙用裏打ち紙。
項2:前記ポリエステル繊維の鞘部の融点が芯部の融点より低く、鞘部と芯部との融点の差が40〜120℃である、項1に記載の壁紙用裏打ち紙。
項3:前記水溶性樹脂がポリビニルアルコール及びスチレン−アクリル酸共重合体塩からなる群から選ばれる1種である、項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
項4:前記水分散性樹脂がスチレン−アクリル共重合体樹脂である、項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
項5:前記水溶性樹脂がエチレン変性ポリビニルアルコールである、項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
項6:前記紙基材が更に填料としてカオリンを紙基材の全固形量中2〜20質量%の割合で含有する、項1〜5のいずれか1項に記載の壁紙用裏打ち紙。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、毛羽立ちがなく、また抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れがなく、壁紙施工時の寸法安定性に優れる。また、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性に優れる。
本発明の壁紙用裏打ち紙(以下、単に裏打ち紙ともいう)における紙基材は、少なくともパルプ繊維及び合成繊維からなる繊維を含有している。パルプ繊維の具体例としては、例えば、針葉樹材の晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹材の晒しクラフトパルプ(LBKP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)等の木材系パルプ、靭皮パルプ、リンターパルプ、麻パルプ等の非木材パルプ等の天然パルプが挙げられる。これらのパルプ繊維は、1種単独、または2種以上を組合せて使用することができる。なかでも、品質やコストの面から木材パルプを使用することが好ましい。
また、壁紙用裏打ち紙における紙基材には、品質に影響のない範囲で、湿潤紙力剤、サイズ剤、填料、歩留り向上剤、定着剤、乾燥紙力剤、染料、顔料等を内添薬品として使用することができる。
本発明では、湿潤紙力剤を壁紙用裏打ち紙における紙基材の全固形量中、0.5〜3.0質量%の割合で含有させることが好ましい。含有割合は、0.7〜2.5質量%がより好ましく、0.8〜2.0質量%が更に好ましい。湿潤紙力剤の含有割合を0.5質量%以上とすることにより、水中寸法安定性の低下やカールを効果的に抑えて、壁紙を貼着する際の作業性を向上できる。一方、3.0質量%を超えると水中寸法安定性への効果は頭打ちとなるため、3.0質量%以下とすることにより、コストを抑えるとともに、損紙の離解性を向上する効果も得られる。
湿潤紙力剤の具体例としては、例えば、ポリアミド−エピクロロヒドリン、ポリアミン−エピクロロヒドリン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。特に、ポリアミド−エピクロロヒドリン又はポリアミン−エピクロロヒドリンを使用することが好ましい。
本発明では、必要に応じてサイズ剤を使用することができる。サイズ剤は内添でも外添でも良い。使用するサイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、ロジン系エマルジョンサイズ剤、α−カルボキシメチル飽和脂肪酸、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等が挙げられる。これらの中でも、ロジン系サイズ剤が好ましい。含有割合としては、特に限定されないが、抄紙系内の汚れが発生する恐れを減らす観点から、壁紙用裏打ち紙の全固形量中0.5質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。このロジン系サイズ剤の定着剤として硫酸バンド(硫酸アルミニウム)を用いることができる。
本発明の壁紙用裏打ち紙における紙基材は、填料としてカオリンを紙基材の全固形量中2〜20質量%の割合で含有することが好ましい。含有割合は、2〜18質量%が好ましく、2〜17質量%がより好ましい。カオリンの含有割合を2質量%以上とすることにより、不透明度が十分となり、隠蔽性を向上することができる。また、貼替え時に壁面から壁紙を剥離する際のピール適性が十分となる。一方、20質量%以下とすることにより、引張強度を向上することができる。また、本発明の効果を損わない限り、その他の填料として、デラミネーテッドカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料を併用してもよい。ただし、焼成クレーは、吸液性が高く、壁に貼合するための糊の吸込みが促進され、糊塗布時の紙腰が低下してしまう恐れがあり、使用しないことが好ましい。
壁紙の特性として、施工・リフォーム方法によっては、例えば貼替え時に壁紙を剥離する際、壁紙用裏打ち紙の紙間が均一に破壊し、換言すれば、壁紙用裏打ち紙を形成する紙層の厚み方向で一定の凝集破壊を生じて、壁面に凹凸を作らないことが求められる。本発明では、平板状のカオリンを壁紙用裏打ち紙の填料として含有させることにより、少量の添加で壁紙用裏打ち紙の紙間強度を下げることができ、壁紙を剥離する際、均一に剥離し、壁面に凹凸を作らないようにすることができる。
本発明においては、歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、ポリビニルアミン系化合物等を含有させることができる。これらの中でも、カチオン性ポリアクリルアミド系化合物が特に好ましい。填料をカオリンとする場合には、全体の歩留りが低下しやすいことから、生産性を向上するために適宜適当な歩留り剤を選択すればよい。歩留り向上剤の含有割合は、特に限定されないが、0.001〜0.035質量%が好ましく、0.005〜0.030質量%がより好ましく、0.008〜0.020質量%が更に好ましい。
本発明においては、使用するパルプ繊維のJIS P 8121−2012に準じて測定した濾水度(カナダ標準濾水度)を400〜600mlに調整することが好ましい。パルプの濾水度は、前記した少なくとも1種のパルプを叩解して上記範囲に調整すればよい。2種類以上のパルプを使用する場合には、別々に叩解したパルプを混合して上記範囲にしてもよいし、予め混合したパルプを叩解して上記範囲に調整してもよい。パルプの濾水度を400ml以上とすることにより、壁紙を水性の糊を用いて施工する際の伸びを効果的に小さくできる。また、乾燥時の収縮も小さくできるので、隣同士に貼った壁紙の目開き(隙間)をより一層小さくでき、好ましい。一方、600ml以下とすることにより、紙力を高め、湿潤強度を向上して、紙基材の毛羽立ちを抑えることができる。
本発明の壁紙用裏打ち紙における紙基材は、合成繊維として芯部の融点が200℃以上かつ鞘部の融点が150℃以上である芯鞘型構造を有するポリエステル繊維(以下、特定のポリエステル繊維ともいう)を全繊維の固形量中5〜30質量%の割合で含有する。含有割合は、7〜25質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。特定のポリエステル繊維の含有量が5質量%未満であると、寸法安定性が不十分となる。一方、30質量%を超えると寸法安定性は向上するものの、毛羽立ちが発生する。また、引張強度が不十分となる恐れがある。
芯鞘型構造を有するポリエステル繊維は、鞘部の融点が150℃未満であると、抄造工程または乾燥工程において、壁紙用裏打ち紙に使用される材料の樹脂成分等によるドライヤー汚れを著しく発生させる。鞘部の融点は、好ましくは180℃以上である。一方、芯部の融点が200℃より低いと、乾燥工程等の製造過程における熱履歴に対して軟化・溶融を起こす恐れがあり、所望の寸法安定性を得ることができない。
本発明における特定のポリエステル繊維は、パルプに比較して吸水性が非常に低く、水の存在下での体積膨潤が起こりにくい。このようなポリエステル繊維が紙層中に存在することで、紙層内部の膨潤が低減され、その結果、紙の水中寸法安定性が良化すると考えられる。また、本発明では、芯鞘構造を有することにより、乾燥工程での熱により溶融し、軽度の接着性が発現することから、抄紙工程中にパルプ繊維と接着するか、またはポリエステル繊維同士にて接着するかして、水に不溶な接着点を多数形成するため、水中寸法安定性に優れた壁紙用裏打ち紙が得られると考えられる。
本発明における特定のポリエステル繊維は、ポリエステルのホモポリマーまたはコポリマーからなる繊維である。かかるポリエステルの具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸等のポリエステルや第3成分を共重合させた共重合ポリエステル等が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易であり、寸法安定性と接着性を高める観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−091694号公報に記載されたバイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。更には、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。ポリマー中には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、艶消し剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
本発明における特定のポリエステル繊維としては、パルプ繊維との接着性を向上し、ドライヤー汚れを効果的に抑える観点から、鞘部の融点が芯部の融点より低いことが好ましい。更に、鞘部と芯部との融点の差は、40〜120℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。芯部を形成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された芯鞘型構造を有することにより、ポリエステル繊維の接着性を向上できる。一方、融点の差を120℃以下とすることにより、ドライヤー汚れを効果的に抑えることができる。
ここで、熱融着成分として配されるポリエステル系エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5,000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすれば、ポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常、30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常、30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分は、ブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類及び/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、本発明の効果を損わない限り、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、更にはそれらを変性したもの等のポリオレフィン系ポリマーの合成繊維等を含有させることができる。
芯鞘型構造を有するポリエステル繊維の形態としては、特に限定されないが、ポリエステルと熱融着成分とが芯鞘型であることが重要である。この芯鞘型ポリエステル繊維では、ポリエステルが芯部となり、熱融着成分が鞘部となるが、この芯部は同心円状、若しくは、偏心状であってもよい。主体繊維との接着性や、抄紙工程での耐ブロッキング性、分散性等の観点から、芯にポリエステルを配し、鞘に低融点ポリエステルを配すことがより好ましい。なお、上述のポリエステル繊維中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色材その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
本発明における特定のポリエステル繊維の繊維長は、3〜7mmであることが好ましい。ポリエステル繊維の繊維長を3mm以上とすることにより、寸法安定性を向上できる。一方、7mm以下とすることにより、毛羽立ちの発生量を少なくできるとともに、繊維の離解や分散等の調製工程時に、配管、パルプ貯蔵槽、抄紙機ストックインレット、脱水ワイヤー等において、合成繊維同士あるいは合成繊維と木材パルプ繊維が絡まり合ってフロックを形成し易くなり、地合の悪化や断紙が起こり易くなる恐れを軽減して、抄紙適性を向上することができる。より好ましい繊維長の範囲としては、4〜6mmである。なお、本発明における繊維長は、光学的繊維長測定装置であるMETSO社製、FIBER LABを用いて重量加重平均繊維長を測定した値である。
また、本発明における特定のポリエステル繊維の繊度は、0.1〜4.0dtexであることが好ましい。ポリエステル繊維の繊度を0.1dtex以上とすることにより、壁紙用裏打ち紙の紙力を高め、断紙が起こり易くなる恐れを軽減できる。一方、4.0dtex以下とすることにより、毛羽立ちの発生量を少なくできる。より好ましい繊度の範囲としては、0.5〜3.3dtexであり、更に好ましくは1.0〜2.5dtexである。なお、1dtexは、10000m当りの質量(グラム数)である。
壁紙用裏打ち紙は、少なくともパルプ繊維及び合成繊維からなる繊維を含有する紙基材からなる。かかる紙基材は、例えば、これらの原料スラリーを用いて、抄紙工程によって紙層を形成し、抄紙工程または乾燥工程において乾燥することにより、ウェブ状の紙基材として得ることができる。その抄紙条件は、特に限定されるものではない。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機等の公知のものを適宜使用することができる。また、乾燥工程としては、特に限定されず、例えばシリンダードライヤー、ヤンキードライヤー、赤外線ドライヤー、熱風ドライヤー等を1種単独または2種以上を組合せて使用することができる。本発明では、坪量を好ましい範囲に調節して本発明の効果を遺憾なく発揮させる観点から、シリンダードライヤーを使用することが好ましい。
本発明では、紙基材の少なくとも一方の面に水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂を含有する塗工層を備えている。これにより、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維による毛羽立ちを顕著に抑え、抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れがなく、寸法安定性に優れた壁紙用裏打ち紙を得ることができる。また、ピール適性にも優れた効果が得られる。
水溶性樹脂としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び珪素変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、あるいはこれらの塩の共存したものなども該当する。
水分散性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリル化ウレタン、アクリル−シリコン複合体、アクリル−シリコン−ウレタン複合体等の単独重合体または共重合体樹脂が挙げられる。これらは、エマルジョンあるいはラテックスの形態で用いればよい。
水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂は、1種単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。これらの中でも、水溶性樹脂がポリビニルアルコール及びスチレン−アクリル酸共重合体塩からなる群から選ばれる1種であることが好ましい。また、水分散性樹脂がスチレン−アクリル共重合体樹脂であることが好ましい。これにより、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維による毛羽立ちを顕著に抑えることができる。
本発明では、水溶性樹脂がエチレン変性ポリビニルアルコールであることが好ましい。これにより、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維による毛羽立ちを抑え、抄紙工程または乾燥工程におけるドライヤー汚れを抑える効果を向上できる。エチレン変性ポリビニルアルコールは、例えば(株)クラレ製の「エクセバール」シリーズとして市販されており、容易に入手し利用することができる。
本発明で使用できるエチレン変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール中の主鎖にエチレン基を導入したポリビニルアルコールである。エチレン単位の含有量(エチレン変性度)は、モノマー単位全体(エチレン単位+ビニルアルコール単位)に対するモル%で表される(ただし、ビニルアルコール単位には、鹸化されていない酢酸ビニル単位も含まれる)。エチレン変性度は、特に限定されないが、2〜12モル%が好ましく、4〜8モル%がさらに好ましい。
本発明におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの平均重合度(JIS K 6726−1994に準拠して測定)は、800〜1500が好ましい。平均重合度が800以上とすることにより、被覆性が向上する。一方、平均重合度を1500以下とすることにより、水への溶解性を向上し、粘度が高くなり過ぎて塗工することが困難となることを防ぐことができる。
本発明におけるエチレン変性ポリビニルアルコールの鹸化度は、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、95モル%以上が更に好ましい。鹸化度を80モル%以上とすることにより、水溶性を高めて被覆性を向上できる。
本発明における塗工層は、紙基材の少なくとも一方の面に水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂を含有する塗液を用いて、塗布または含浸し、乾燥させることにより形成するものである。塗液には、必要に応じて、ポリオキシエチレン(5モル付加)ポリオキシプロピレン(30モル付加)ブロックポリマー等の界面活性剤、消泡剤、染料、顔料等の各種公知の助剤を用いてもよい。
塗液を塗布または含浸する方法としては、特に限定されず、一般に公知の塗工装置を用いることができ、例えばバーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ツーロールあるいはメータリングブレード方式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が挙げられる。これらの中でも、生産効率を高めるために、ゲートロールコーターまたはロッドメタリングサイズプレスコーターといったフィルムトランスファータイプのコーターを用いることが好ましい。
塗工層の塗布量は、特に限定されず、紙基材の片面当たり乾燥後の塗布量で0.5〜4.0g/mの範囲であることが好ましく、1.0〜3.0g/mの範囲であることがより好ましい。塗布量を0.5g/m以上とすることにより、毛羽立ちを抑える効果を高めることができる。一方、4.0g/m以下とすることにより、抄紙乾燥工程の設備汚れを軽減できる。本発明では、塗工層を紙基材の少なくとも一方の面に設けるものであるが、他方の面にも設けて両面に塗工層を備えることもできる。
塗工層を乾燥させる方法は、特に限定されず、抄紙工程または乾燥工程に用いるものの中から適宜選択すればよい。また、本発明では塗工層を形成した後、必要に応じて平滑化処理を行うことができる。平滑化処理は、通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシンまたはオフマシンで行われる。
壁紙用裏打ち紙の坪量は、40〜150g/mであることが好ましく、60〜100g/mであることがより好ましい。坪量を40g/m以上とすることにより、強度を高め、加工時に断紙が発生する恐れを減らすことができる。一方、150g/m以下とすることにより、壁紙に加工した時に硬くなりすぎず、施工が容易となる。
上記のようにして製造した本発明の壁紙用裏打ち紙は、再離解させた際のカナダ標準濾水度(CSF)が400〜600mlであることが好ましい。再離解した際のカナダ濾水度を400ml以上とすることにより、壁紙製品に水性の糊を塗工して施工する際に伸びを効果的に小さくして、乾燥時の収縮を小さくできる。これにより、隣同士に貼った壁紙の目開き(隙間)をより一層小さくできる。一方、600ml以下とすることにより、紙力を高め、紙基材に毛羽立ちが発生するのを抑えることができる。なお、壁紙用裏打ち紙が填料を含有する場合には、パルプ単独の濾水度より再離解した際の濾水度は低下する傾向にある。再離解させた際のカナダ標準濾水度は、使用するパルプ単独のカナダ標準濾水度と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
壁紙用裏打ち紙の引張強度は、1.50kN/m以上とすることが好ましく、2.00kN/m以上とすることがより好ましい。引張強度を1.50kN/m以上とすることにより、製造または加工時の巻取りでの取扱いにおいて、十分な引張強度が得られ、巻取り時に断紙が発生して生産性を低下させる恐れがない。
壁紙用裏打ち紙の湿潤引張強度は、0.30kN/m以上とすることが好ましく、0.35kN/m以上とすることがより好ましい。湿潤引張強度を0.30kN/m以上とすることにより、糊塗布後の強度を高めて、施工時に破れ等が発生するのを抑え、作業効率を向上できる。湿潤引張強度は、例えば湿潤紙力剤の種類と量を調節することにより、調整すればよい。
壁紙用裏打ち紙の水中伸度は、カール防止や目開き防止を向上する観点から、1.5%以下とすることが好ましく、1.2%以下とすることがより好ましく、1.0%以下とすることが更に好ましい。なお、水中伸度はJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.27:2000に準拠して測定された値である。
壁紙用裏打ち紙は、少なくともその一方の面に化粧層を設けて壁紙とすることができる。壁紙としては、例えば、化粧層として塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙、オレフィン樹脂層を設けたオレフィン壁紙、織物層を設けた織物壁紙、紙層を設けた紙壁紙、無機質層を設けた無機質壁紙等の壁紙製品が挙げられる。いずれの場合も化粧層には、必要に応じて印刷したり、発泡処理やエンボス処理を行ったりすることができる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
繊維として広葉樹晒クラフトパルプ(カナダ標準濾水度450ml)と、繊維長5mm、繊度2.2dtexの芯鞘型構造を有するポリエステル繊維(芯部が融点255℃のポリエチレンテレフタレートホモポリマー、鞘部が融点160℃のポリエチレンテレフタレートコポリマー)を使用し、填料としてカオリン(商品名:「UW―90」、BASF社製)を使用して、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維が全繊維の固形量中20質量%、カオリンが紙基材の全固形量中10質量%となるように混合して原料スラリーを調製した。前記原料スラリーには、固形分換算でパルプ原料100質量部に対し、硫酸バンド0.5質量部、及びロジンサイズ剤(商品名:「サイズパインN775」、固形分濃度50%、荒川化学工業社製)0.1質量部を添加し、更に、湿潤紙力剤としてポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂(商品名:「アラフィックス255」、固形分濃度25%、荒川化学工業社製)1.0質量部を添加した。更に、歩留向上剤としてカチオン性ポリアクリルアミド(商品名:「キースロックRP401L」、協和産業社製)0.01質量部を添加した。これらを添加して得られた混合物を使用し、長網抄紙機とシリンダードライヤーを用いた抄紙工程及び乾燥工程を経て、坪量70g/mの紙基材を得た。この紙基材を得る一方で、抄紙工程中のサイズプレスコーターを用い、塗液としてエチレン変性ポリビニルアルコール(商品名:「エクセバールHR3010」、クラレ社製)の4%水溶液を用いて、紙基材に塗布し、乾燥させて、片面当り乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗工層を設け、坪量72g/mの壁紙用裏打ち紙を得た。
実施例2
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて200℃とし、カオリンの量を10質量%に代えて15質量%とし、エチレン変性ポリビニルアルコールに代えて完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:「PVA−117」、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
実施例3
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて180℃とし、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維の量を20質量%に代えて8質量%とし、カオリンの量を10質量%に代えて5質量%とし、エチレン変性ポリビニルアルコールの4%水溶液に代えてスチレン−アクリル共重合体エマルジョン(商品名:「ヨドゾールAE41」、ヘンケルジャパン社製、固形分濃度60%)の4%水希釈液を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
実施例4
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて180℃とし、カオリンの量を10質量%に代えて5質量%とし、エチレン変性ポリビニルアルコールに代えて酸化澱粉(商品名:「GRS−T110」、王子コーンスターチ社製)の4%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
比較例1
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて130℃とし、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維の量を20質量%に代えて8質量%とし、カオリンの量を10質量%に代えて5質量%とした以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
比較例2
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて180℃とし、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維の量を20質量%に代えて4質量%とし、エチレン変性ポリビニルアルコールに代えて完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:「PVA−117」、クラレ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
比較例3
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて180℃とし、芯鞘型構造を有するポリエステル繊維の量を20質量%に代えて35質量%とし、カオリンの量を10質量%に代えて5質量%とした以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
比較例4
実施例1において、ポリエステル繊維の鞘の融点を160℃に代えて180℃とし、カオリンの量を10質量%に代えて5質量%とし、更に塗工層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
かくして得られた壁紙用裏打ち紙及び使用した各繊維について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(水中伸度)
壁紙用裏打ち紙について、幅方向の寸法安定性の指標として、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.27:2000に準じて水中伸度を測定し、下記の基準で評価した。
◎:1.2%以下であり、問題ない。
○:1.2%より大きく、1.5%以下であり、実用上問題がない。
×:1.5%より大きく、実用上問題である。
(ドライヤー汚れ)
抄紙工程及び乾燥工程におけるドライヤー汚れを目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎:ドライヤーへの樹脂等の転移がない。
○:ドライヤーへの樹脂等の転移がほとんどない。
×:ドライヤーへの樹脂等の転移があり、汚れが著しい。
(毛羽立ち)
壁紙用裏打ち紙を幅方向210mm×流れ方向297mmに断裁してサンプルとした。サンプルのフェルト面とワイヤー面が接触するように、サンプル2枚を重ね、サンプルの上から10cm×6cmの面積にて1000gの荷重をかけながら、流れ方向に300mm/分の速度で50mmの距離を1回擦った。このようにして得られた測定用サンプルの表面を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎:毛羽立ちがない。
○:毛羽立ちが数か所から十数か所に留まり、ほとんどない。
×:毛羽立ちが多数ある。
(ピール適性)
壁紙用裏打ち紙の片面にクロステープ(王子タック製)を貼り付け、幅方向11cm×流れ方向5cmの短冊状サンプルとした。このサンプルの裏打ち紙側に壁紙用糊塗工機を用いて、壁紙用施工糊(ヤヨイ化学工業社製、商品名:「ルーアマイルド」)を塗工量120g/mで塗工した。ローラーを用いて該糊塗工面を石膏ボードに貼合せて、ピール適性評価用サンプルを得た。
上記ピール適性評価用サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間保持した後、ピール適性評価用サンプルを石膏ボードから剥がし、石膏ボード表面(壁面)を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎:壁紙用裏打ち紙が均一に紙間ではがれており、壁紙に凹凸が見られない。
○:壁紙用裏打ち紙が紙間で剥がれており、壁面に凹凸がほとんど見られない。
×:壁紙用裏打ち紙が紙間で剥がれず、破れ等も発生し、壁面に凹凸が発生する。
(繊維長)
芯鞘型構造を有するポリエステル繊維について、光学的繊維長測定装置であるMETSO社製、FIBER LABを用いて重量加重平均繊維長を測定した。
(繊度)
芯鞘構造を有するポリエステル繊維について、オートバイブロ式繊度測定器Denior ComputerDC−11(サーチ制御電気製)を使用して繊度を測定した。
Figure 0006314856
本発明の壁紙用裏打ち紙は、毛羽立ち、並びに抄紙工程または乾燥工程でのドライヤー汚れがなく、水中寸法安定性に優れ、壁紙施工時の寸法安定性に優れた壁紙用裏打ち紙であり、産業上極めて有用である。また、裏打ち紙の引張強度に優れ、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性に優れた壁紙用裏打ち紙として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 少なくともパルプ繊維及び合成繊維からなる繊維を含有する紙基材からなる壁紙用裏打ち紙であって、前記紙基材が合成繊維として芯部の融点が200℃以上かつ鞘部の融点が150℃以上である芯鞘型構造を有するポリエステル繊維を全繊維の固形量中5〜30質量%の割合で含有し、前記紙基材の少なくとも一方の面に水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂を含有する塗工層を備えたことを特徴とする壁紙用裏打ち紙。
  2. 前記ポリエステル繊維の鞘部の融点が芯部の融点より低く、鞘部と芯部との融点の差が40〜120℃である、請求項1に記載の壁紙用裏打ち紙。
  3. 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコール及びスチレン−アクリル酸共重合体塩からなる群から選ばれる1種である、請求項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
  4. 前記水分散性樹脂がスチレン−アクリル共重合体樹脂である、請求項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
  5. 前記水溶性樹脂がエチレン変性ポリビニルアルコールである、請求項1または2に記載の壁紙用裏打ち紙。
  6. 前記紙基材が更に填料としてカオリンを紙基材の全固形量中2〜20質量%の割合で含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の壁紙用裏打ち紙。
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