JP2013002015A - 壁紙用裏打ち紙 - Google Patents

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健秀 笠原
Koichiro Hiroshige
浩一郎 広重
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Abstract

【課題】塩化ビニルペースト等の塗工時、あるいはその後の乾燥工程において毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙を提供する。
【解決手段】パルプ繊維を含む壁紙用裏打ち紙であって、前記壁紙用裏打ち紙は、極性基を有する合成繊維を5〜25質量%含有し、前記合成繊維の繊維長は1mm以上4mm以下である。さらに填料として焼成クレーを含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は塩化ビニル壁紙等に使用される壁紙用裏打ち紙に関する。
壁紙は、一般住居、ホテル、病院等において室内の美麗化のために、長期間壁に貼付される。壁紙にはビニル壁紙、オレフィン壁紙、織物壁紙、紙壁紙、無機質壁紙等があるが、これらの壁紙は、ビニル層、オレフィン層、織物層、紙層、無機質層等の化粧層と、該化粧層を保持するための裏打ち紙により構成されている。
これらの壁紙は施工時、澱粉や酢酸ビニル樹脂系の水系の糊によって壁に貼合されるが、糊付け工程で裏打ち紙が糊中の水分を吸収するため、壁紙が柔らかくなったり、裏打ち紙が水分増加により伸びたりすることがある。これらが原因となって、壁紙がカールし、壁への貼付作業が困難になったり、貼付後捲れが発生し易くなったりする等の問題が生じた。更に、糊が乾燥すると裏打ち紙が収縮するために、隣接して貼り合せた壁紙同士の繋ぎ目部分に隙間(目開き)が生じ、施工後の意匠性を損なうなどの問題があった。
裏打ち紙の寸法安定性の改善として、水分による伸縮の少ないガラス繊維等の無機系繊維を配合した裏打ち紙(特許文献1〜5)、平均粒子径が8μm以上150μm以下であるマイカ(雲母)を配合した裏打ち紙(特許文献6)、熱可塑性の合成繊維を配合した裏打ち紙(特許文献7、8)が開示されている。
また、主要な壁紙であるビニル壁紙は、塩化ビニルペーストを裏打ち紙の表面に塗工し、塗工物がゲル化し乾燥した後、印刷、発泡、エンボス等の加工を行って製品化される。ビニル壁紙は織物壁紙に比較して安価であるため広く用いられているが、塩化ビニルペーストの塗工時、あるいはその後の乾燥工程において、裏打ち紙の表面に、繊維の毛羽立ちが発生するという問題がある。特に近年においては、塩化ビニルペーストを用いる加工工程の高速化により、裏打ち紙に対してより大きなせん断力が加わり、繊維を起こす力が大きくなるために、従来より毛羽立ちが発生し易くなってきている。
そこで、加工工程において発生する表面の毛羽立ちが少なく、また、壁面から壁紙を剥離する際のピール適性が良い上、オープンタイムが長く、施工時の作業性に優れる壁紙用裏打ち紙として、アクリル系樹脂を含有させてなる壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献9)。
特公平7−122236号公報 特開平8−100394号公報 特開平8−325997号公報 特公平8−26631号公報 特許第3252265号公報 特開2008−88579号公報 特開2010−116631号公報 特開2010−229604号公報 特開2006−97208号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載されたガラス繊維等の無機繊維は自己接着性が無いため、繊維がシートから脱落しやすく作業性が劣る上、抄造時、壁紙加工時、及び壁紙施工時に、繊維の毛羽立ちが生じる。また、ガラス繊維が剛直であることから、皮膚に接触するとチクチクするような刺激が生じ、人に不快感を与えたりするので、無機繊維を配合した裏打ち紙はあまり普及していない。また、特許文献6に記載されたマイカを配合した裏打ち紙の寸法安定性は十分でなく、さらにマイカの分散性が良くないため操業が困難である。特許文献7、8に記載された壁紙用裏打ち紙では、パルプ繊維と接着性が悪く、繊維がシートから脱落しやすく作業性が劣る上、壁紙加工時、及び壁紙施工時に、繊維の毛羽立ちが生じる。
また、特許文献9に記際された壁紙用裏打ち紙では、高価なアクリル系樹脂を(望ましくは2g/m〜7g/m)含有させるため、生産コストが高くなり実用的でない。
従って本発明の目的は、塩化ビニルペースト等の塗工時、あるいはその後の乾燥工程において毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙を提供することにある。
本発明者らは上記目的について鋭意検討した結果、抄紙機で製造される壁紙用裏打ち紙に、極性基を有する合成繊維を含有させることで、パルプ繊維との接着性が向上し、壁紙の寸法安定性と毛羽立ちが良好となるとことを見出し、本発明を達成するに至った。
本発明は、パルプ繊維を含む壁紙用裏打ち紙であって、極性基を有する合成繊維を5〜25質量%含有し、前記合成繊維の繊維長は1mm以上4mm以下である壁紙用裏打ち紙である。
また、前記壁紙用裏打ち紙中に、さらに填料として焼成クレーを1質量%以上30質量%以下の範囲で含有することが好ましい。
本発明の壁紙用裏打紙は、塩化ビニルペースト等の塗工時、あるいはその後の乾燥工程において、裏打ち紙の表面繊維が起き上がらず、毛羽立ちの発生が少なくなるだけでなく、貼付後に目開きが生じないので見栄えを良くすることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の壁紙用裏打ち紙はその表面に化粧層を設けて壁紙とする。例えば、化粧層して塩化ビニル樹脂層、オレフィン樹脂層、織物層、紙層、無機質層を設け、壁紙とすることができる。いずれの場合にも、化粧層には必要に応じて表面印刷、発泡処理、エンボス処理を行うことができる。化粧層の設け方をはじめその他の製造条件は、公知の方法に従えばよい。
本発明で使用する合成繊維とは、有機低分子を重合して得られた合成樹脂を原料とする化学繊維であり、熱可塑性合成樹脂を含有する。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、ナイロン等のポリアミド系樹脂繊維、ポリアクリルニトリル等のアクリル系樹脂繊維、ポリウレタン系樹脂繊維、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン系樹脂繊維が挙げられる。また、上記合成樹脂が共重合樹脂である合成繊維、又は芯鞘構造、海島構造等を有する、2種以上の異なった合成樹脂を一本の繊維中に含有する複合繊維等も使用することができる。これらの合成繊維は単独で使用しても、複数種類混合して使用してもよい。
本発明においては、寸法安定性が優れるという点で特に好ましく使用できるのは、ポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維であり、特に芯が融点200℃以上のポリエステル繊維で、鞘が融点100℃以上180℃以下のポリエチレン繊維である芯鞘繊維が好ましく用いられる。その理由は100℃〜200℃である印刷、発泡、エンボス加工などの加熱工程で、鞘部のみが溶融して芯部は溶融せずに主体繊維として残っているほうがより寸法安定性に優れるためである。
本発明においては、毛羽立ちを抑制できるという点で特に好ましく使用できるのは、表層に極性基を有する合成繊維で、具体的には、アクリル酸変性ポリオレフィン、マレイン変性ポリオレフィン、塩化変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン系樹脂繊維が挙げられる。本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、極性基を有することにより、パルプ繊維と水素結合しやすくなり、毛羽立ちが抑えられると考えられる。特に好ましくは、毛羽立ちおよび貼付後の目開きの抑制に効果が高いことからマレイン変性ポリオレフィンが用いられる。
本発明で使用する熱可塑性合成繊維の形態としては、繊維の繊維長が1〜4mmであることが好ましい。1mm未満であると抄紙性は良好であるが、裏打ち紙の寸法安定性が低下する。繊維の繊維長が4mmを超えると、毛羽立ちの発生量が多くなる上、繊維の離解や分散等の調製工程時に、配管、パルプ貯蔵槽、抄紙機ストックインレット、脱水ワイヤー等において、合成繊維同士あるいは合成繊維と木材パルプ繊維が絡まり合ってフロックを形成し易くなり、地合の悪化や断紙が起こり易くなる。より好ましくは3mm以下である。
また、本発明で使用する熱可塑性合成繊維の繊度(太さ)は0.1〜4.0dtexであることが好ましい。繊維の繊度が0.1dtex未満であると裏打ち紙の紙力が低下し、壁紙への加工時に断紙が起こり易くなる。繊維の繊度が4.0dtexを超えると、毛羽立ちの発生量が多くなる。好ましくは3.3dtex以下であり、より好ましくは、2.0dtex以下である。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、上述した合成繊維を5質量%以上25質量%以下の範囲で含有する。このように、水分による伸縮の起こり難い合成繊維を使用することにより、吸水による壁紙のカール及び乾燥後の目開きの発生を防止することができる。合成繊維が5質量%未満であると寸法安定性が十分でなく、目開きが発生し易くなる。また、熱可塑性合成繊維の含有率が25質量%を超えると塩化ビニルペースト等の塗工時に毛羽立ちの発生量が多くなる。より好ましくは15質量%以下である。
本発明の壁紙用裏打ち紙の寸法安定性は、裏打ち紙の水中伸度を測定することにより評価できる。壁紙用裏打ち紙の水中伸度は、1.0%以下であることが好ましい。水中伸度が1.0%を超えると水分による伸縮で目開きが発生し易くなる。より好ましくは0.5%以下である。
本発明の裏打ち紙に使用する、前記熱可塑性合成樹脂を含む合成繊維以外の繊維成分としては、針葉樹、広葉樹の化学パルプ、機械パルプ、及び古紙から得られる再生パルプ等の木材系パルプ、靭皮パルプ、リンターパルプ、麻パルプ等の非木材系パルプ等の、天然パルプを使用することができるが、品質やコストの面から木材パルプを使用することが好ましい。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、不透明度を向上させるために、さらに填料を1質量%以上30質量%以下の範囲で含有させることが好ましい。上記填料としては、ビニルペースト塗工時等に生じるブリスター(裏打ち紙と塩化ビニル層との間の膨れ)の発生を抑制することができる、焼成クレーを使用することが好ましい。また、上記の填料の他に、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドカオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料を併用してもよい。なお、通常、填料が無機物の場合、含有量は、JIS P 8251や、JIS P 8252に規定される灰分として求められる。
また、本発明では、填料以外に内添薬品としては、定着剤、乾紙紙力剤、湿潤紙力剤、歩留り向上剤、染料、顔料等を使用することができる。さらにロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、カーテンコーター等の通常使用される塗工機やサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等を用いて外添薬品を含む塗液を塗工あるいは含浸することができる。前記外添薬品としては、水溶性バインダーや水分散性樹脂バインダー等のバインダー成分、表面紙力剤、染料、顔料(クレー、カオリン、炭酸カルシウム、ニ酸化チタン等)等を使用することができる。水溶性バインダーとしては、酸化デンプン及び酵素変成デンプン等の各種変性デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等を適宜使用することができ、水分散性バインダーとしては、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレート・ブタジエン共重体ラテックス、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン等を適宜使用することができる。
本発明の裏打ち紙には、通常の紙と同様にサイズ剤を使用することができる。サイズ剤は内添しても外添してもよい。使用するサイズ剤としては、酸性抄きの場合には、ロジン系サイズ剤、ロジン系エマルジョンサイズ剤、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等が挙げられ、中性抄きの場合には、中性抄紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等が挙げられる。サイズ剤の添加量は特に限定されるものではなく、裏打ち紙のステキヒトサイズ度が10秒以上となることが好ましい。例えば、裏打ち紙の坪量が60g/mの場合、ロジン系サイズ剤を繊維分に対して0.35質量%以上添加することが好ましい。
本発明の壁紙用裏打ち紙の坪量は、40g/m以上120g/m以下であることが好ましい。坪量が40g/m未満であると強度が低く、壁紙への加工時に断紙が発生し易くなる。また、坪量が120g/mを超えると壁紙に加工した時に硬くなりすぎ、施工が困難となるという欠点が生じる。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、公知の抄紙機によって抄紙することができる。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機等を挙げることができる。
本発明の壁紙は、本発明の裏打ち紙の表層に化粧層を設けることにより得られる。例えば、化粧層としてビニル層を設けたビニル壁紙、オレフィン層を設けたオレフィン壁紙、織物層を設けた織物壁紙、紙層を設けた紙壁紙、無機質層を設けた無機質壁紙等が挙げられる。何れの場合にも、化粧層を設けた後必要に応じて印刷すると共に、200℃程度に加熱して発泡加工やエンボス加工を行って化粧層とする。
本発明の壁紙用裏打ち紙は、塩化ビニルペーストを塗工した際等に毛羽立ちが発生しないことが望ましい。毛羽立ちは、アプリケータを用いて塩化ビニルペーストを塗工した時に発生する、塩化ビニル塗工面の毛羽立ち個数(凸部の数)を数えることによって評価することができる。
以下、本発明を実施例によって更に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。各実施例及び比較例により得られた壁紙用裏打ち紙について、以下の方法により特性試験を行った。結果をまとめて表1に示す。
<繊維長測定>
光学的繊維長測定装置であるMETSO社製、FIBER LABを用いて重量加重平均繊維長を測定した。
<繊度測定>
オートバイブロ式繊度測定器Denior ComputerDC−11(サーチ制御電気製)を使用して測定した。なお、1dtexは10000メートル当りの重量(グラム数)である。
<水中伸度測定>
試験片を140℃で2分間絶乾し、23℃、50%R/H雰囲気で2時間調湿後、試験片の抄紙横方向の長さを測定した。試験片を純水に浸漬し、1時間放置した後取り出し、取り出し直後の横方向の長さを測定した。水伸び(%)を以下の式により求めた。
水中伸度(%):(水浸漬後長さ−水浸漬前長さ)/水浸漬前長さ×100
<目開き>
裏打ち紙の表面に塩化ビニルペーストを、塗工厚が200μmとなるようにアプリケータを用い塗布し、145℃で1分間加熱してゲル化させた。得られた塩化ビニル壁紙を長さ1mで幅95cmにカットして試料とした。試料を2枚用意し、裏打ち紙面に、澱粉系のヤヨイ化学製A糊を塗布し、幅2m、長さ1mのベニア板に2枚の壁紙の端が重なるように貼り付け、重なった部分をカッターでカットして繋ぎ目が見えないようした。そして、23℃、50%R/Hの雰囲気で7日間放置して完全に乾燥し、乾燥後の繋ぎ目の箇所に目開きが発生したか否かにより以下の基準で評価した。○以上であれば実用上問題がない。
(評価) ○:目開き無し、△:目開き若干あり、×:目開き有り
<毛羽立ちの評価>
壁紙用裏打ち紙を23℃、50RH%の環境下で24時間調湿した後、32cm(MD方向)20cm(CD方向)となるように断裁した。なお、サンプリングに際しては、紙面を擦らないように十分注意した。ガラス板上に、坪量150g/mの上質紙を2枚敷き、クリップにて固定した。次に、幅250mm×長さ130mm×厚さ15mmの金属直方体(重さ約400g)にガーゼを4重に巻きつけ、上質紙の表面を2回擦ってガーゼの面をならした。
別の上質紙表面に、塩化ビニル塗工面となるF面が上になるように、壁紙用裏打ち紙のサンプルをのせ、ガーゼを巻きつけた金属直方体にて、自重により、MD方向の上から下に向かって1回擦った。壁紙用裏打ち紙の上下方向の向きを変え、同様に上から下に向かって1回擦った。
このようにして壁紙用裏打ち紙の擦った場所に、塗工厚が200μmとなるアプリケータを用い、塩化ビニルペーストを塗工した後、145℃の乾燥機中に1分間入れ、塩化ビニルペーストをゲル化させた。ゲル化した塩化ビニル層表面の中央部に、CD方向に15cm×MD方向に20cmの大きさとなるように切り抜いた型紙をのせ、その中に発生した突起物(欠陥)の数と大きさを計測した。
計測した突起物の数が50個/m以下である場合を○、51〜100個/mである場合を△、101個/m以上である場合を×と評価した。○以上であれば実用上問題がない。
さらに、突起物の大きさが1000μm未満である場合を○、1000μm以上である場合を△と評価した。○以上であれば実用上問題がない。
[実施例1]
晒クラフトパルプのNBKP(カナダ標準ろ水度(CSF)500ml)を15質量%、LBKP(CSF500ml)を75質量%、合成繊維として繊維長2mm、繊度1.7dtex、極性基を有する芯鞘繊維(芯:ポリエステル繊維(融点256℃)、鞘:マレイン酸変性ポリエチレン繊維(融点125℃))を15質量%配合したパルプスラリー中に、pHが4.5になるように硫酸バンドを添加した後、サイズ剤としてアルファカルボキシメチル飽和脂肪酸塩(商品名:NSPS、星光PMC(株)製)を0.15質量%添加した。更に湿潤紙力剤としてポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂(商品名:WS−547、星光PMC(株)製)を0.2質量%添加し、次に脂肪酸アミン系樹脂(商品名:N−815、星光PMC(株)製)を0.3質量%と填料として焼成クレーを灰分15%となるように添加した。得られた混合物を使用し、長網抄紙機を用いて坪量65g/mの壁紙用裏打ち紙を製造した。
[実施例2]
合成繊維として繊維長3mm、繊度1.7dtex、極性基を有する芯鞘繊維(芯:ポリエステル繊維(融点256℃)、鞘:マレイン酸変性ポリエチレン繊維(融点125℃)を配合した以外は、実施例1と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[実施例3]
合成繊維の配合量を6質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[実施例4]
合成繊維の配合量を10質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[実施例5]
合成繊維の配合量を20質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[実施例6]
合成繊維の配合量を25質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[比較例1]
合成繊維として繊維長3mm、繊度1.2dtex、極性基を持たない芯鞘繊維(芯:ポリエステル繊維(融点256℃)、鞘:ポリエチレン繊維(融点125℃))を配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[比較例2]
合成繊維として繊維長5mm、繊度1.7dtex、極性基を有する芯鞘繊維(芯:ポリエステル繊維(融点256℃)、鞘:マレイン酸変性ポリエチレン繊維(融点125℃)を配合した以外は、実施例1と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[比較例3]
合成繊維の配合量を3質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[比較例4]
合成繊維の配合量を30質量%配合した以外は、実施例2と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
[比較例5]
合成繊維を無配合、NBKPの配合量を15質量%、LBKPの配合量を85質量%とした以外は実施例1と同様に作製し、水中伸度、目開き、毛羽立ちを評価した。
Figure 2013002015
表1に示されるように、特定の合成繊維を特定量含有させた本発明の壁紙用裏打ち紙は寸法安定性に優れ、毛羽立ちの数や大きさが優れることが実証された。
一方、非極性の合成繊維である比較例1、合成繊維の繊維長が4mmを超える比較例2では、毛羽立ちの数や大きさが劣っていた。また、合成繊維の配合量が少ない比較例3と合成繊維を含まない比較例5については、毛羽立ちは良好であったが、目開きが発生した。逆に合成繊維の配合量が多い比較例4は毛羽立ちの発生量が多かった。

Claims (4)

  1. パルプ繊維を含む壁紙用裏打ち紙であって、前記壁紙用裏打ち紙は、極性基を有する合成繊維を5〜25質量%含有し、前記合成繊維は繊維長が1mm以上4mm以下である壁紙用裏打ち紙。
  2. 前記合成繊維がマレイン酸変性ポリオレフィンである請求項1に記載された壁紙用裏打ち紙。
  3. 前記壁紙用裏打ち紙中に、填料として焼成クレーを1質量%以上30質量%以下の範囲で含有する請求項1、2に記載された壁紙用裏打ち紙。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された壁紙用裏打ち紙を用いた壁紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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