JP2017222936A - 不織布およびその製造方法並びにその不織布を用いた壁紙 - Google Patents

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治城 山下
吉田 義雄
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義雄 吉田
長谷川 真
Makoto Hasegawa
真 長谷川
宏光 神尾
Hiromitsu Kamio
宏光 神尾
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Abstract

【課題】十分な湿潤引張強度を持たせた、壁紙として用いるのに好適な不織布を提供することを課題とし、また、十分な湿潤引張強さおよび引張強さを持たせて、貼り付け性が良好な壁紙を提供することを課題とする。【解決手段】パルプ繊維と合成繊維とを含み、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液が塗布もしくは含浸された不織布であって、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m2以上でポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m2以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、不織布に関するものであり、より詳細には、引張強さおよび湿潤引張強さの向上が図られていて、産業用フィルター、タオル用不織布、触媒用担持体等として利用され、特に壁紙として用いるのに好適な不織布およびその製造方法に関するものである。また、本発明は、その不織布を用いた壁紙に関するものである。なお、壁紙には樹脂層である化粧層を含むものと含まないもの(ダイレクト壁紙)とがあるが、本発明における壁紙は、その両者を含むものである。
壁紙は、一般住宅、ホテル、病院等における室内のインテリアのために、長期間壁に貼付して使用される。壁紙には塩化ビニル壁紙やオレフィン壁紙等があり、これらの壁紙は、それぞれ塩化ビニル樹脂層、オレフィン樹脂層等の化粧層と、該化粧層を保持するための裏打ち紙により構成されている。また、前記樹脂層を設けずに直接印刷等が施された後に、壁紙として供されるダイレクト壁紙がある。これらの壁紙には、壁紙施工後に目開きが生じないこと、樹脂層を設ける場合は塩化ビニルペースト等の塗工時あるいはその後の乾燥工程において毛羽立ちの発生が少ないこと、などが求められている。
樹脂層を設ける壁紙に関しては、毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙として、セルロース繊維より水中伸びが低いポリエステル系繊維等の合成繊維を配合した裏打ち紙を用いた壁紙が提案されている(特許文献1:特開2013―2015号公報)。
この提案に係る壁紙の場合、その実施例1においてセルロース繊維と合成繊維の混合スラリーに、湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を添加することが記載されている。
また、壁紙の裏面に糊付けしてもカールしにくく、優れた寸法安定性を有し、且つ、適度な柔軟性のある施工性の優れた壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献2:特開2002―180399号公報)。
この特許文献2に記載の裏打ち紙の場合、紙料スラリーにカチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン性高分子を内添し、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ポリビニルアルコール、PVA、スチレン−ブタジエンラテックス等を塗布するとされている。
特開2013―2015号公報 特開2002―180399号公報
壁紙は、水溶性の接着剤を壁の下地に塗布した後、裏打ち紙の樹脂層を設けた側の反対面、又は、ダイレクト壁紙であれば印刷を施した面の反対面を、天井方向から下方の床方向に向けて、壁に沿わせるように壁紙裏面を貼り付ける。この下地には、石膏ボード、合板、コンクリート壁や化粧合板などもある。その際に接着剤の水分で壁紙が破れないようにするため、一定の湿潤強度が求められる。従来、湿潤紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を内添することが行われているが、その効果の程は明らかではなく、少なくとも、十分な湿潤引張強さは得られていない。
また、不織布や壁紙として、セルロース系繊維と合成繊維を組み合わせてシート状に製造されるものがある。その場合、セルロース系繊維はその分子に水酸基を多く持つことから、水素結合を基礎として繊維同士が接着することにより、シートの物理的強度が発現されることが知られている。
一方、合成繊維はその分子に水素結合可能な官能基を持たないことから、セルロース系繊維と合成繊維が接着し合わないだけでなく、セルロース系繊維間の接着に対し、合成繊維がセルロース系繊維間に介入してその接着を阻害してしまい、その結果として引張強さ、湿潤引張強さを含む、シートの強度低下が引き起こされ、壁紙を壁に貼り付ける際に壁紙の破れが生じやすくなる等の不具合が発生する。
本発明はかかる背景の下になされたもので、十分な湿潤引張強さおよび引張強さを持たせた、壁紙として用いるのに好適な不織布およびその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、十分な湿潤引張強度を持たせることで、水溶性接着剤を塗布した壁に壁紙を貼付する際の壁紙の破れの程度(以下「貼り付け性」という)が少なくなる壁紙を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、パルプ繊維と合成繊維を含む不織布とするに当たり、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂と、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液を塗布もしくは含浸させることにより、十分な湿潤引張強さおよび引張強さを有し、貼り付け性が良好な壁紙が得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
そして、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、パルプ繊維と合成繊維とを含み、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液が塗布もしくは含浸された不織布であって、前記ポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上であることを特徴とする不織布である。
好ましい実施形態においては、本不織布は縦方向湿潤引張強さが0.80kN/m以上で、横方向湿潤引張強さが0.50kN/m以上であり、縦方向引張強さが2.00kN/m以上で、横方向引張強さが1.50kN/m以上であり、前記合成繊維はポリエステル系繊維が主体とされる。また、前記ポリビニルアルコール系水溶性樹脂と前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分比は50〜90:50〜10とされる。また一実施形態においては、更に、エマルジョン型アクリル系樹脂もしくはエマルジョン型ポリ酢酸ビニル系樹脂を含めることもある。一実施形態においては、本不織布は壁紙として利用される。
また、上記課題を解決するための請求項9に記載の発明は、パルプ繊維と合成繊維とを含むシートに、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液を塗布もしくは含浸することを含む、不織布の製造方法である。この場合、好ましくは、前記不織布におけるポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上となるように、前記混合液を塗布もしくは含浸する。
本発明は上記のとおり、パルプ繊維と合成繊維とを含み、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液が塗布もしくは含浸された不織布であるので、十分な湿潤引張強さおよび引張強さを持たせたることができ、壁紙として用いた場合には、湿気や湿度による劣化を防止することができると共に、貼り付け性が向上する効果がある。
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本発明に係る不織布は、パルプ繊維と合成繊維とを含み、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂(以下、PVA樹脂という)とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(以下、PAE樹脂という)の混合液が塗布もしくは含浸された不織布であって、PVA樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で、PAE樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上であることを特徴とするものである。
そして、好ましい実施形態においては、縦方向湿潤引張強さが0.80kN/m以上で、横方向湿潤引張強さが0.50N/m以上であり、また、縦方向引張強さが2.00kN/m以上で、横方向引張強さが1.50kN/m以上である。上記の範囲とすることで満足のいく貼り付け性が得られ、湿潤引張強さのみならず、引張強さも向上する。このような効果が得られる理由の詳細は明らかではないが、PVA樹脂とPAE樹脂との相乗効果・架橋効果によるものと推測される。
本発明においては、PVA樹脂により、乾燥強度および造膜性を付与することができる。PVA樹脂としては、ノニオン性並びにカルボキシル変性の水溶性樹脂を使用することができる。一方PAE樹脂は、湿潤強度を付与することができる。PAE樹脂は、不織布中のパルプ繊維への定着性を高めるために、カチオン変性されていることが好ましい。またPVA樹脂を含まず、PAE樹脂単独で塗布・含浸を行う場合は、塗布液の粘度が低すぎて塗布適性が劣る。
以下に、ノニオン性PVA樹脂の化学構造式の例を挙げておく(昭和63年8月20日発行の「最新紙加工便覧」による。)。
Figure 2017222936
また、以下に、PAE樹脂の化学構造式の例を挙げておく。
Figure 2017222936
更に、所望の効果を阻害しない範囲で、苛性アルカリ水溶液等による活性化処理を施したポリアミンエピクロロヒドリン樹脂やポリアクリルアミド樹脂を、単独もしくは組み合わせて、前記PVA樹脂とPAE樹脂に追加して使用することもできる。
また、本発明に係る不織布の製造方法は、パルプ繊維と合成繊維とを含むシートに、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液を塗布もしくは含浸することを含むことを特徴とするものであり、好ましくは、前記不織布におけるポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上となるように、塗布もしくは含浸される。
この方法によった場合は、樹脂混合液を塗布又は含浸させることで十分な湿潤引張強度を持たせることができるため、従来の製造方法と比較し、原料スラリーへのPAE樹脂の内添量を低減させることが可能である。前記混合液は、例えばスプレーによる噴霧など他の方法で付与することも可能であるが、本発明では、より効率良くPVA樹脂およびPAE樹脂を含有させることができるところから、塗布又は含浸を行うこととする。また、樹脂混合液は回収再利用が可能なため、排水への流出が限定的となる利点がある。これらのことにより、原料調成工程および抄紙工程におけるPAE樹脂由来の汚れや排水への流出量が低減するため、生産性、環境面、コスト面で有利となる。更に塗工層を設けることで、ダイレクト印刷可能な不織布や壁紙とすることもできる。
本発明において用いるパルプ繊維としては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹の晒サルファイトパルプ( N B S P ) 又は未晒サルファイトパルプ( N U S P ) 、広葉樹の晒サルファイトパルプ( L B S P )、広葉樹の未晒サルファイトパルプ( L U S P ) 等の化学パルプ、あるいは、グランドパルプ( G P ) 、サーモメカニカルパルプ( T M P ) 、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP等)等の機械パルプ 、古紙パルプ、脱墨古紙パルプ( D I P ) 、コットンやケナフ等の非木材繊維パルプ、レーヨン等の再生繊維を挙げることができ、これらの繊維を1種類配合し、もしくは、2種類以上組み合わせて配合する。
また、本発明において用いる合成繊維は、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維のうちの1種もしくは複数種を含むものとされるが、調成工程におけるパルプ繊維との混抄性が良好で、抄紙工程におけるろ水性(抄紙ワイヤーにおける脱水性)およびシートの地合が良好となるところから、ポリエステル系繊維を主体とすることが望ましい。具体的には、用いる合成繊維のうち固形分で50%以上、更に好ましくは80.0%以上のポリエステル系繊維を含有することが望ましい。
パルプ繊維と合成繊維の含有割合は、固形分として95/5〜50/50の範囲とすることにより、合成繊維に起因する未解離繊維が少なくなって繊維分散性が向上する。また、上記含有割合とすることで、壁紙とした場合に良好な風合いを持つ壁紙が得られる。合成繊維は、単一同心構造を有する主体性繊維であってもよいし、芯部と鞘部の融点が異なる芯鞘型繊維をそれぞれ単独、もしくは、組み合わせて配合してもよい。
合成繊維の融点は、110℃〜300℃の範囲であることが好ましい。ここで、合成繊維の融点が110℃未満と低い場合には、不織布の基紙を抄造する際に、抄紙ドライヤーに合成繊維由来の汚れ(毛羽立ち)が発生しやすくなり、一方、融点が300℃を超えるものを配合することは、技術的に意味がないだけでなく、不経済なことでもある。
また、合成繊維は、繊維分散性の観点から、その繊度が0.5〜4.5dtexで、繊維長が3〜30mm(好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mm)のものであることが望ましい。合成繊維の繊度と繊維長の測定は、JIS L 1015:2010に基づく。
本発明においては、上記パルプ繊維と合成繊維を用い、後述する抄紙機によって基紙となるシートを形成し、そのシートに、PVA樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上でPAE樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上となるように、PVA樹脂とPAE樹脂の混合液を塗布もしくは含浸する。
その混合液の塗布もしくは含浸には、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター等の通常使用される塗工機やサイズプレスコーター、シムサイザー等を用いることができ、それらの塗工設備により、外添薬品を含む塗液を塗工あるいは含浸することができる。また、その塗工は、オンマシン(基紙の抄造・乾燥および混合液の塗工・乾燥を連続して行う)とオフマシン(基紙を抄造・乾燥して巻き取った後、その巻取に2次的に塗工・乾燥を行う)のいずれであってもよい。その場合、合成繊維の毛羽立ちを最小限にするために、抄紙ドライヤーの温度を合成繊維の融点より低い温度に設定することが重要となる。
上記外添薬品としては、PVA樹脂とPAE樹脂の他に酸化デンプンおよび酵素変成デンプン等の各種変性デンプン、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等の水溶性バインダーや表面紙力剤、染料、顔料(クレー、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等)、難燃剤等を適宜使用することができる。
本発明において、PVA樹脂とPAE樹脂の固形分含有量は、それぞれ0.50g/m以上、0.15g/m以上であり、好ましくは、それぞれ0.70g/m以上、0.20g/m以上である。上記値が未達であると、十分な湿潤強さは得られない。また、PVA樹脂の固形分含有量が4.00g/mを超えると、塗工時に塗工液の粘度が高くなりすぎて、塗工適性が悪化し、PAE樹脂の固形分含有量が1.20g/mを超えると、樹脂同志の凝集物が発生して塗工適性が悪化する傾向がある。そのため、PVA樹脂とPAE樹脂の固形分含有量は、それぞれ4.00g/m以下、1.20g/m以下であることが好ましい。
上記のように、PVA樹脂とPAE樹脂の固形分含有量を調整することにより、縦方向引張強さが2.00kN/m以上で、横方向引張強さが1.50kN/m以上であり、また、縦方向湿潤引張強さが0.80kN/m以上で、横方向湿潤引張強さが0.50kN/m以上とすることで、十分な湿潤引張強さおよび引張強さを有する不織布および壁紙とすることができる。
本発明において、PVA樹脂とPAE樹脂の混合液を作成する場合、それらの固形分比は50〜90:50〜10とすることが好ましい。この固形分比の範囲とすることで、樹脂同志の凝集物の発生が起こらず、所望の湿潤強さが得られるのである。また、前記塗工液の粘度(40℃、B型粘度計)は作業性、塗工適性の観点から5.0〜40.0cpsであることが望ましい。
本不織布を壁紙として使用する場合は、JIS P8124:2011に基づいて測定した坪量の範囲が56.0〜300g/mで、好ましくは、80.0〜150g/mの範囲とされる。坪量が56.0/m未満の場合には、壁紙としての強度が不足し、300g/mを超える場合は、坪量が過多となり、壁紙を壁に貼付するときの作業性が悪化する。
本発明の不織布中に、不透明性、不燃性・難燃性を付与するために、填料を、不織布の全質量に対して30質量%以下の範囲で含有してもよい。その添加は内添又は外添、もしくは、その両方の方法で行うことができる。その場合の填料としては、不透明性、不燃性・難燃性の観点から、焼成クレーを使用することが好ましい。また、他の填料としては、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機填料を挙げることができる。なお、壁紙の用途によっては、これらの填料を含めないこととする。
本不織布の製造に当たり、通常の紙と同様にサイズ剤をパルプスラリーに使用することができる。その場合は内添であってもよいし、塗布もしくは含浸であってもよい。使用するサイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、ロジン系バインダー樹脂サイズ剤、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等を挙げることができる。
本発明の不織布は、公知の長網、ツインワイヤー、円網、傾斜短網、円短混合、ヤンキー抄紙機等の湿式抄紙機、スパンボンド、スパンレース等の乾式抄紙機を含む全ての抄紙機で生産することが可能である。その抄造は、主に1層抄きとされるが、2層以上の多層抄きで抄造することもできる。3層抄き以上の場合は、少なくとも1つの層に合成繊維を含有させることが好ましく、その場合、中層のみに配合させることが好ましい。
本発明に係る不織布は、壁紙に用いるのに好適である。壁紙として使用する場合は、直接、印刷やエンボス加工等の処理を行う。また、塩化ビニル樹脂等の化粧層の支持体である壁紙用裏打ち紙としての使用も可能である。なお、壁紙の他、本発明の不織布は、産業用フィルター、タオル用不織布、触媒用担持体等に利用できるが、その利用範囲はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
[実施例および比較例の不織布の作製]
以下、表1に記載の本発明の実施例および比較例について説明する。それらはいずれも、晒クラフトパルプのNBKP(CSF500ml)を35質量%、晒クラフトパルプのLBKP[カナダ標準ろ水度(CSF)500ml]を45質量%、融点が260℃で繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(製品名:TT04N:帝人製)を20質量%含有するように原料スラリーの調成を行ったものである。
また、硫酸バンド、サイズ剤、紙力剤としてポリアクリルアマイド樹脂他内添剤を、シート化が可能な範囲で適宜添加し、円網・短網抄合わせ抄紙機で基紙を抄造し(抄速340m/分、抄紙ドライヤーの表面温度100℃)、その基紙に、2ロールサイズプレス塗工機において塗工スピード400m/分で、表1の固形分含有量となるように、水溶性PVA樹脂としては「製品名:117K、ノニオン性、クラレ製」もしくは「製品名:KL318、カルボキシル変性、クラレ製」を使用し、PAE樹脂としては「製品名:WS−4020、星光PMC製」を使用してPVA樹脂とPAE樹脂の混合液を調整し、その混合液を塗工して、壁紙用の不織布を作製した。
壁紙の特性値における引張強さは、試験片を105℃×10分間キュアリングした後、JIS P8113:2006によって測定し、湿潤引張強さは、試験片を105℃×10分間キュアリングした後、JIS P8135:1998によって測定した。
[評価方法]
実施例1〜5の場合は、PVA樹脂として117Kのみを使用し、実施例6の場合はKL318のみを使用した。実施例1〜6および比較例1〜3によって製造した不織布を、壁紙としてタテ方向およびヨコ方向40cm四方の大きさにサンプリングした。次に、壁(40cm四方)に水溶性澱粉糊を、刷毛を使用して、塗布(固形分で6.0g/m)した後、前記壁紙サンプルを壁の天井方向から下に向かって、壁の糊面に沿わせながら貼り付けるときの貼り付け性について、以下の基準で目視評価を行った。
○:破れ発生せず。
△:○より微小な破れが散見され、壁紙として使用不可とまでは言えないが、適とは言えないレベル。
×:破れ発生が見られ壁紙として使用不可。
[実施例1〜実施例6]
実施例1〜実施例6の不織布は、いずれもPVA樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で、PAE樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上であり、PVA樹脂とPAE樹脂の固形分比は50〜90:50〜10の範囲内である。
[比較例1〜比較例3]
比較例1は、PAE樹脂の固形分含有量が0.15g/m未満で、比較例2はPVA樹脂の固形分含有量が0.50g/m未満であり、比較例3はPAE樹脂を含まない。
表1
Figure 2017222936
表1から明らかなように、本発明を実施した実施例1〜実施例6の場合は、いずれもPVA樹脂とPAE樹脂の固形分含有量が請求項において規定する範囲内であって、貼り付け性の評価結果は良好であった。これに対して比較例1、比較例2は、PAE樹脂の固形分含有量とPVA樹脂の固形分含有量がそれぞれ本発明の請求項において規定する範囲外であるために、貼り付け性は各実施例より劣る結果となった。そして、PAE樹脂を含まない比較例3は、壁紙として使用するのに適さない結果となった。

Claims (10)

  1. パルプ繊維と合成繊維とを含み、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液が塗布もしくは含浸された不織布であって、
    前記ポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上であることを特徴とする不織布。
  2. 縦方向湿潤引張強さが0.80kN/m以上で、横方向湿潤引張強さが0.50kN/m以上であることを特徴とする、請求項1に記載の不織布。
  3. 縦方向引張強さが2.00kN/m以上で、横方向引張強さが1.50kN/m以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の不織布。
  4. 前記合成繊維はポリエステル系繊維が主体である、請求項1乃至3のいずれかに記載の不織布。
  5. 前記ポリビニルアルコール系水溶性樹脂と前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分比は50〜90:50〜10である、請求項1乃至4のいずれかに記載の不織布。
  6. 更にエマルジョン型アクリル系樹脂もしくはエマルジョン型ポリ酢酸ビニル系樹脂を含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の不織布。
  7. 壁紙として利用される、請求項1乃至6のいずれかに記載の不織布。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の不織布を用いて成る壁紙。
  9. パルプ繊維と合成繊維とを含むシートに、ポリビニルアルコール系水溶性樹脂とポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の混合液を塗布もしくは含浸することを含む、不織布の製造方法。
  10. 前記不織布におけるポリビニルアルコール系水溶性樹脂の固形分含有量が0.50g/m以上で前記ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂の固形分含有量が0.15g/m以上となるように、前記混合液を塗布又は含浸することを含む、請求項9に記載の製造方法。
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