JPH1143889A - 和紙風パルプ紙及びその製造方法 - Google Patents
和紙風パルプ紙及びその製造方法Info
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- JPH1143889A JPH1143889A JP9214166A JP21416697A JPH1143889A JP H1143889 A JPH1143889 A JP H1143889A JP 9214166 A JP9214166 A JP 9214166A JP 21416697 A JP21416697 A JP 21416697A JP H1143889 A JPH1143889 A JP H1143889A
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- pulp
- japanese
- pulp paper
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 和紙風でありながら、インク滲みのないパル
プ紙及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 非木材パルプを主成分とする和紙風のパ
ルプ紙からなる支持体層と、その少なくとも一方の面に
形成された表面層からなり、該表面層は砂糖きびのケイ
ンラインドパルプを主原料とするパルプ紙からなること
を特徴とする和紙風パルプ紙。前記和紙風パルプ紙を製
造する方法において、非木材パルプを主成分とする和紙
風のパルプ紙からなる支持体層の少なくとも一方の面
に、砂糖きびのケインラインドパルプを主成分とする湿
潤パルプ紙を積層し、圧縮してその中に含まれる水分を
除去した後、乾燥ドラム上で乾燥することを特徴とする
和紙風パルプ紙の製造方法。
プ紙及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 非木材パルプを主成分とする和紙風のパ
ルプ紙からなる支持体層と、その少なくとも一方の面に
形成された表面層からなり、該表面層は砂糖きびのケイ
ンラインドパルプを主原料とするパルプ紙からなること
を特徴とする和紙風パルプ紙。前記和紙風パルプ紙を製
造する方法において、非木材パルプを主成分とする和紙
風のパルプ紙からなる支持体層の少なくとも一方の面
に、砂糖きびのケインラインドパルプを主成分とする湿
潤パルプ紙を積層し、圧縮してその中に含まれる水分を
除去した後、乾燥ドラム上で乾燥することを特徴とする
和紙風パルプ紙の製造方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はパルプ紙及びその製
造方法に関するものである。
造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】これまでに、ファックス、コンピュータ
ー、コピー機、電子カメラ等の電子機器の記録用紙とし
ては、表面が緻密平滑なパルプ紙や塗工紙、塗工フィル
ム等が用いられている。このような記録用紙の表面に黒
及びカラーインクをジェット状に吹きつけることによ
り、かなり精密に文字、図、表及び画等の情報を記録す
ることができる。しかし、従来の記録用紙は、和紙風の
質感がないために、黒の濃淡で表現した日本画や、浮世
絵の版画、書道等の芸術作品の記録用紙（コピー用紙）
としては不満足のものであった。和紙風の質感を有する
用紙は、密度が低く、粗い表面を有することが要求され
ているが、このような表面を有する記録用紙は未だ開発
されていない。密度が低く、粗い表面を有する和紙風の
パルプ紙は、インクが滲むので、精度の良い記録やコピ
ーを得ることができなかった。
ー、コピー機、電子カメラ等の電子機器の記録用紙とし
ては、表面が緻密平滑なパルプ紙や塗工紙、塗工フィル
ム等が用いられている。このような記録用紙の表面に黒
及びカラーインクをジェット状に吹きつけることによ
り、かなり精密に文字、図、表及び画等の情報を記録す
ることができる。しかし、従来の記録用紙は、和紙風の
質感がないために、黒の濃淡で表現した日本画や、浮世
絵の版画、書道等の芸術作品の記録用紙（コピー用紙）
としては不満足のものであった。和紙風の質感を有する
用紙は、密度が低く、粗い表面を有することが要求され
ているが、このような表面を有する記録用紙は未だ開発
されていない。密度が低く、粗い表面を有する和紙風の
パルプ紙は、インクが滲むので、精度の良い記録やコピ
ーを得ることができなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、和紙風であ
りながら、インク滲みのないパルプ紙及びその製造方法
を提供することをその課題とする。
りながら、インク滲みのないパルプ紙及びその製造方法
を提供することをその課題とする。
【０００４】
【発明を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち本発明によれば、非木材パルプを主成分と
する和紙風のパルプ紙からなる支持体層と、その少なく
とも一方の面に形成された表面層からなり、該表面層は
砂糖きびのケインラインドパルプを主原料とするパルプ
紙からなることを特徴とする和紙風パルプ紙が提供され
る。また、本発明によれば、非木材パルプを主成分とす
る和紙風のパルプ紙からなる支持体層と、その少なくと
も一方の面に形成された砂糖きびのケインラインドパル
プ紙からなる表面層とからなる和紙風パルプ紙を製造す
る方法において、非木材パルプを主成分とする和紙風の
パルプ紙からなる支持体層の少なくとも一方の面に、砂
糖きびのケインラインドパルプを主成分とする湿潤パル
プ紙を積層し、圧縮してその中に含まれる水分を除去し
た後、乾燥ドラム上で乾燥することを特徴とする和紙風
パルプ紙の製造方法が提供される。さらに、本発明によ
れば、前記和紙風パルプ紙からなるインクジェット記録
用紙が提供される。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち本発明によれば、非木材パルプを主成分と
する和紙風のパルプ紙からなる支持体層と、その少なく
とも一方の面に形成された表面層からなり、該表面層は
砂糖きびのケインラインドパルプを主原料とするパルプ
紙からなることを特徴とする和紙風パルプ紙が提供され
る。また、本発明によれば、非木材パルプを主成分とす
る和紙風のパルプ紙からなる支持体層と、その少なくと
も一方の面に形成された砂糖きびのケインラインドパル
プ紙からなる表面層とからなる和紙風パルプ紙を製造す
る方法において、非木材パルプを主成分とする和紙風の
パルプ紙からなる支持体層の少なくとも一方の面に、砂
糖きびのケインラインドパルプを主成分とする湿潤パル
プ紙を積層し、圧縮してその中に含まれる水分を除去し
た後、乾燥ドラム上で乾燥することを特徴とする和紙風
パルプ紙の製造方法が提供される。さらに、本発明によ
れば、前記和紙風パルプ紙からなるインクジェット記録
用紙が提供される。
【０００５】
【発明の実施の形態】図１に本発明の和紙風パルプ紙の
説明構成図を示す。図１において、１は表面層を示し、
２は支持体層を示す。表面層１は、砂糖きびのケインラ
インド（幹茎の厚い表皮）パルプを主成分とするパルプ
紙からなる。この表面層を形成するパルプ紙の厚さは、
坪量で表して、５〜３０ｇ／ｍ2、好ましくは１０〜２
０ｇ／ｍ2である。その密度は０．６〜１．２ｇ/ｃ
ｍ3、好ましくは０．８〜１．０ｇ/ｃｍ3である。一
方、支持体層２は、非木材パルプ、特に、伝統和紙の原
料パルプ又はそれに類似する性質を有する原料パルプを
用い、和紙の製造方法に類似の製法でつくられた和紙風
のパルプ紙である。この支持体層を形成する和紙風パル
プ紙の厚さは、坪量で表して、１０〜２００ｇ／ｍ2、
好ましくは３０〜１５０ｇ／ｍ2である。その密度は
０．２〜０．８ｇ/ｃｍ3、好ましくは０．３〜０．６ｇ
/ｃｍ3である。
説明構成図を示す。図１において、１は表面層を示し、
２は支持体層を示す。表面層１は、砂糖きびのケインラ
インド（幹茎の厚い表皮）パルプを主成分とするパルプ
紙からなる。この表面層を形成するパルプ紙の厚さは、
坪量で表して、５〜３０ｇ／ｍ2、好ましくは１０〜２
０ｇ／ｍ2である。その密度は０．６〜１．２ｇ/ｃ
ｍ3、好ましくは０．８〜１．０ｇ/ｃｍ3である。一
方、支持体層２は、非木材パルプ、特に、伝統和紙の原
料パルプ又はそれに類似する性質を有する原料パルプを
用い、和紙の製造方法に類似の製法でつくられた和紙風
のパルプ紙である。この支持体層を形成する和紙風パル
プ紙の厚さは、坪量で表して、１０〜２００ｇ／ｍ2、
好ましくは３０〜１５０ｇ／ｍ2である。その密度は
０．２〜０．８ｇ/ｃｍ3、好ましくは０．３〜０．６ｇ
/ｃｍ3である。
【０００６】表面層を構成するパルプ紙を得るには、砂
糖きびのケインラインドを原料として用いこれをパルプ
化し、製紙する。砂糖きびのケインラインドは、砂糖き
びの幹茎（ケイン）を破砕し、圧搾して汁液を分離した
後のバガス（残滓物）からピス（節間柔細胞組織）を分
離除去することにより得ることができ、また、砂糖きび
の幹茎を縦に割り、汁液を含むピスを分離除去すること
により得ることができる。この場合、得られたケインラ
インドには、ピスが少量混入していてもよいが、ピスを
除去することが好ましく、これにより得られるパルプの
濾水性を向上させるとともに、得られるパルプ紙の表面
の粗さの程度を調節することが容易になる。ピスの混入
量は、絶乾重量基準で、１０重量％以下、好ましくは３
重量％以下にするのがよい。本発明においては、０．５
〜５重量％のピスの混入したケインラインドをパルプ原
料として有利に用いることができる。前記ケインライン
ドのパルプ化法としては、ソーダ法、クラフト法、ＰＡ
法（過酸化水素アルカリ法）等のアルカリ性蒸解液を用
いる従来公知の各種の化学パルプ化法を用いることがで
きるが、特にＰＡ法の使用が好ましい。このＰＡ法は、
その蒸解液として、過酸化水素とアルカリ（ＮａＯＨ、
ＮａＨＣＯ3、Ｎａ2ＣＯ3、ＫＯＨ、Ｋ2ＨＣＯ3、Ｋ2Ｃ
Ｏ3等）を含むアルカリ性水溶液を用いる方法である。
このＰＡ法によれば、未晒パルプの白色度が高く、漂白
性がよく、ペントサン含有量の大きい、叩解性の良好な
パルプを得ることができる。このＰＡ法により得られる
パルプは、強度に優れかつ密度が大きく、ドライヤーに
合わせて表面を平滑にも、粗面にもすることが容易であ
る。前記のようにして得られたケインラインドパルプ
は、必要に応じ、漂白して漂白パルプ（晒パルプ）にし
た後、粘状叩解する。本発明で用いるケインラインドパ
ルプは、その繊維長が短く、内孔が大きく、ペントサン
含有量が極めて大きいため、容易に叩解でき、密度の大
きい良質のパルプ紙を与える。この場合の叩解の目安
は、Ｃ．Ｓ．Ｆ．１００〜５５０ｍｌ、好ましくは２０
０〜４５０ｍｌである。前記叩解処理に供するケインラ
インドパルプ（湿潤パルプ）としては、その７０重量％
以上、より好ましくは８０重量％以上が、篩分け試験で
２０メッシュパスで、１００メッシュオン、好ましくは
４０メッシュパスで８０メッシュオンの範囲であるよう
に調整するのがよい。一般には、予めピスを分離除去し
たケインラインドをＰＡ蒸解しただけで好ましいシャー
プな区分を有するパルプが得られるが、より好ましいシ
ャープな区分を有するパルプは、ケインラインドパルプ
を更に篩分け処理することによって得ることができる。
このようにシャープな区分からなるケインラインドパル
プ紙は、解像度の高い画像を与える。
糖きびのケインラインドを原料として用いこれをパルプ
化し、製紙する。砂糖きびのケインラインドは、砂糖き
びの幹茎（ケイン）を破砕し、圧搾して汁液を分離した
後のバガス（残滓物）からピス（節間柔細胞組織）を分
離除去することにより得ることができ、また、砂糖きび
の幹茎を縦に割り、汁液を含むピスを分離除去すること
により得ることができる。この場合、得られたケインラ
インドには、ピスが少量混入していてもよいが、ピスを
除去することが好ましく、これにより得られるパルプの
濾水性を向上させるとともに、得られるパルプ紙の表面
の粗さの程度を調節することが容易になる。ピスの混入
量は、絶乾重量基準で、１０重量％以下、好ましくは３
重量％以下にするのがよい。本発明においては、０．５
〜５重量％のピスの混入したケインラインドをパルプ原
料として有利に用いることができる。前記ケインライン
ドのパルプ化法としては、ソーダ法、クラフト法、ＰＡ
法（過酸化水素アルカリ法）等のアルカリ性蒸解液を用
いる従来公知の各種の化学パルプ化法を用いることがで
きるが、特にＰＡ法の使用が好ましい。このＰＡ法は、
その蒸解液として、過酸化水素とアルカリ（ＮａＯＨ、
ＮａＨＣＯ3、Ｎａ2ＣＯ3、ＫＯＨ、Ｋ2ＨＣＯ3、Ｋ2Ｃ
Ｏ3等）を含むアルカリ性水溶液を用いる方法である。
このＰＡ法によれば、未晒パルプの白色度が高く、漂白
性がよく、ペントサン含有量の大きい、叩解性の良好な
パルプを得ることができる。このＰＡ法により得られる
パルプは、強度に優れかつ密度が大きく、ドライヤーに
合わせて表面を平滑にも、粗面にもすることが容易であ
る。前記のようにして得られたケインラインドパルプ
は、必要に応じ、漂白して漂白パルプ（晒パルプ）にし
た後、粘状叩解する。本発明で用いるケインラインドパ
ルプは、その繊維長が短く、内孔が大きく、ペントサン
含有量が極めて大きいため、容易に叩解でき、密度の大
きい良質のパルプ紙を与える。この場合の叩解の目安
は、Ｃ．Ｓ．Ｆ．１００〜５５０ｍｌ、好ましくは２０
０〜４５０ｍｌである。前記叩解処理に供するケインラ
インドパルプ（湿潤パルプ）としては、その７０重量％
以上、より好ましくは８０重量％以上が、篩分け試験で
２０メッシュパスで、１００メッシュオン、好ましくは
４０メッシュパスで８０メッシュオンの範囲であるよう
に調整するのがよい。一般には、予めピスを分離除去し
たケインラインドをＰＡ蒸解しただけで好ましいシャー
プな区分を有するパルプが得られるが、より好ましいシ
ャープな区分を有するパルプは、ケインラインドパルプ
を更に篩分け処理することによって得ることができる。
このようにシャープな区分からなるケインラインドパル
プ紙は、解像度の高い画像を与える。
【０００７】本発明者の研究によれば、前記のようにし
て得られるケインラインドパルプはサイジングを施すこ
となく、または軽度のサイジングを施すことにより、吸
水性がありながら、インク滲みを生じさせないパルプ紙
を与えることが確認された。この場合のサイジングには
表面サイズと内面サイズが包含され、従来公知の方法に
より行なうことができる。表面サイジイングは、抄造乾
燥した紙の表面に対しニカワ、澱粉、カルボキシメチル
セルロース（ＣＭＣ）、ポリヴィニルアルコール、アル
キルケテンダイマー等のサイズ剤を塗布し、乾燥するこ
とにより実施される。一方、内面サイジングは、アルキ
ルケテンダイマーや、ロジン、アルキルスチレンポリマ
ー、ワックス等のサイズ剤を紙料中に加えることにより
実施される。表面サイジングの場合、そのサイズ剤の使
用量は、パルプに対して０．５重量％以下、好ましくは
０〜０．２重量％である。内面サイジングの場合、その
サイズ剤の使用量はパルプに対して１．０重量％以下、
好ましくは０〜０．５重量％である。前記の叩解パルプ
には、紙料成分を加えて完全紙料を調製する。この場
合、前記砂糖きびのケインライパルプ（以下、単にライ
ンドパルプとも言う）には、稲わらパルプ、スイートソ
ルガムパルプ、とうもろこしの皮のパルプ等の他の稲科
植物パルプを加えることができる。これらの稲料植物パ
ルプもＰＡ法で得られたパルプであることが望ましい。
全パルプ中のラインドパルプの割合は、絶乾重量基準
で、６０重量％以上、好ましくは８０〜１００重量％で
ある。前記完全紙料は、パルプの他、必要に応じ填料を
含むことができる。この填料としては、チャイナクレ
ー、チタンホワイト、沈降性炭酸カルシウム、タルク等
が挙げられる。
て得られるケインラインドパルプはサイジングを施すこ
となく、または軽度のサイジングを施すことにより、吸
水性がありながら、インク滲みを生じさせないパルプ紙
を与えることが確認された。この場合のサイジングには
表面サイズと内面サイズが包含され、従来公知の方法に
より行なうことができる。表面サイジイングは、抄造乾
燥した紙の表面に対しニカワ、澱粉、カルボキシメチル
セルロース（ＣＭＣ）、ポリヴィニルアルコール、アル
キルケテンダイマー等のサイズ剤を塗布し、乾燥するこ
とにより実施される。一方、内面サイジングは、アルキ
ルケテンダイマーや、ロジン、アルキルスチレンポリマ
ー、ワックス等のサイズ剤を紙料中に加えることにより
実施される。表面サイジングの場合、そのサイズ剤の使
用量は、パルプに対して０．５重量％以下、好ましくは
０〜０．２重量％である。内面サイジングの場合、その
サイズ剤の使用量はパルプに対して１．０重量％以下、
好ましくは０〜０．５重量％である。前記の叩解パルプ
には、紙料成分を加えて完全紙料を調製する。この場
合、前記砂糖きびのケインライパルプ（以下、単にライ
ンドパルプとも言う）には、稲わらパルプ、スイートソ
ルガムパルプ、とうもろこしの皮のパルプ等の他の稲科
植物パルプを加えることができる。これらの稲料植物パ
ルプもＰＡ法で得られたパルプであることが望ましい。
全パルプ中のラインドパルプの割合は、絶乾重量基準
で、６０重量％以上、好ましくは８０〜１００重量％で
ある。前記完全紙料は、パルプの他、必要に応じ填料を
含むことができる。この填料としては、チャイナクレ
ー、チタンホワイト、沈降性炭酸カルシウム、タルク等
が挙げられる。
【０００８】前記ラインドパルプを含む完全紙料は、こ
れを抄紙機のワイヤーパートで湿紙を形成させ、これを
プレスパートで形成される支持体層を与える和紙風の湿
紙と共に脱水とプレスを行って一枚の紙とし、さらにド
ライパートで乾燥して和紙風のパルプ紙とする。以下和
紙風パルプ紙の製造についてさらに詳述する。パルプ紙
の湿紙形成には、従来公知の各種の方法、例えば、長網
抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツ
インワイヤー抄紙機の長網部分、短網部分、円網部分、
ツインワイヤー部分等を用いる方法等が包含される。ワ
イヤーパートに供給する完全紙料の全紙料成分の水中濃
度は、０．０５〜０．６重量％、好ましくは０．１〜
０．２重量％にするのがよい。前記のようにして表面層
を与えるパルプ紙を得る場合、そのパルプ紙の厚さは、
５〜３０ｇ／ｍ2、好ましくは１０〜２０ｇ／ｍ2の坪量
をあたえるように調節する。パルプ紙の厚さは、抄紙機
に供給する完全紙料の懸濁液の濃度、液量、又は／及び
抄紙速度によって調節することができる。前記のように
して得られるラインドパルプを主成分とするパルプ紙
は、本発明の和紙風パルプ紙の表面層形成材料として用
いられ、このものは、和紙風の支持体パルプ紙の少なく
とも一方の面に積層接着させる。これにより、和紙風パ
ルプ紙を得ることができる。また、本発明の場合、表面
層パルプ紙は、多量の填料を含有させることにより不透
明にすることも可能であるが、好ましくは透明ないし半
透明状態に保持する。これによって支持体層パルプ紙の
和紙風質感が表面層パルプ紙を介して透視され、より高
度の和紙風質感を与えるパルプ紙を得ることができる。
れを抄紙機のワイヤーパートで湿紙を形成させ、これを
プレスパートで形成される支持体層を与える和紙風の湿
紙と共に脱水とプレスを行って一枚の紙とし、さらにド
ライパートで乾燥して和紙風のパルプ紙とする。以下和
紙風パルプ紙の製造についてさらに詳述する。パルプ紙
の湿紙形成には、従来公知の各種の方法、例えば、長網
抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、ツ
インワイヤー抄紙機の長網部分、短網部分、円網部分、
ツインワイヤー部分等を用いる方法等が包含される。ワ
イヤーパートに供給する完全紙料の全紙料成分の水中濃
度は、０．０５〜０．６重量％、好ましくは０．１〜
０．２重量％にするのがよい。前記のようにして表面層
を与えるパルプ紙を得る場合、そのパルプ紙の厚さは、
５〜３０ｇ／ｍ2、好ましくは１０〜２０ｇ／ｍ2の坪量
をあたえるように調節する。パルプ紙の厚さは、抄紙機
に供給する完全紙料の懸濁液の濃度、液量、又は／及び
抄紙速度によって調節することができる。前記のように
して得られるラインドパルプを主成分とするパルプ紙
は、本発明の和紙風パルプ紙の表面層形成材料として用
いられ、このものは、和紙風の支持体パルプ紙の少なく
とも一方の面に積層接着させる。これにより、和紙風パ
ルプ紙を得ることができる。また、本発明の場合、表面
層パルプ紙は、多量の填料を含有させることにより不透
明にすることも可能であるが、好ましくは透明ないし半
透明状態に保持する。これによって支持体層パルプ紙の
和紙風質感が表面層パルプ紙を介して透視され、より高
度の和紙風質感を与えるパルプ紙を得ることができる。
【０００９】支持体パルプ紙の原料となるパルプは、手
抄き和紙及び機械抄き和紙の原料として好適な非木材の
長繊維パルプを主体として、所望により短繊維の非木材
パルプや木材パルプ及び合繊、化繊を適当の長さに切っ
たものを配合して形成される。非木材の長繊維パルプに
おいて、その繊維長は２〜１．５ｍｍ、好ましくは３〜
６ｍｍである。非木材の長繊維パルプの全パルプ中含有
割合は、６０〜１００重量％、好ましくは７０〜９０重
量％である。非木材の長繊維パルプとしては、楮（こう
ぞ）、三椏（みつまた）、雁皮（がんぴ）、桑皮、ジュ
ート、ケナフ等の靱皮パルプ、アバカ、サイザル等の葉
繊維パルプ、綿パルプ等の種毛パルプ、及び麻パルプが
挙げられる。これらのパルプを混合物として用いる場
合、混合して叩解するか、各パルプの叩解の難易が激し
いときは単味で叩解した後に混合する。叩解はＣＳＦで
２５０〜６５０ｍｌ、好ましくは４５０〜６００ｍｌ程
度の軽度の叩解する方が繊維が切れずに残り、密度の低
い和紙風の風合いの最終製品を得るのに適している。ま
た、前記非木材の長繊維パルプには、ラインドパルプ、
稲わらパルプ等の短繊維の非木材パルプや針葉樹及び広
葉樹のパルプを混合することができる。この場合、ペン
トサン含有量の大きいラインドパルプや広葉樹パルプの
使用が好ましく、これらのパルプは、Ｃ．Ｓ．Ｆ．１０
０〜２５０ｍｌ程度に良く粘状叩解したのち、長繊維パ
ルプを軽度に叩解したものに１０〜３０重量％混合する
のがよい。このような混合パルプを用いるときには、粘
状叩解した短繊維パルプが長繊維間の接着剤の働きをし
密度が低く、特に和紙に特有の大きな引き裂き強度、折
り曲げ強度をはじめ、破裂、引っ張り等の諸強度の大き
い和紙風のパルプ紙を容易に得ることができる。
抄き和紙及び機械抄き和紙の原料として好適な非木材の
長繊維パルプを主体として、所望により短繊維の非木材
パルプや木材パルプ及び合繊、化繊を適当の長さに切っ
たものを配合して形成される。非木材の長繊維パルプに
おいて、その繊維長は２〜１．５ｍｍ、好ましくは３〜
６ｍｍである。非木材の長繊維パルプの全パルプ中含有
割合は、６０〜１００重量％、好ましくは７０〜９０重
量％である。非木材の長繊維パルプとしては、楮（こう
ぞ）、三椏（みつまた）、雁皮（がんぴ）、桑皮、ジュ
ート、ケナフ等の靱皮パルプ、アバカ、サイザル等の葉
繊維パルプ、綿パルプ等の種毛パルプ、及び麻パルプが
挙げられる。これらのパルプを混合物として用いる場
合、混合して叩解するか、各パルプの叩解の難易が激し
いときは単味で叩解した後に混合する。叩解はＣＳＦで
２５０〜６５０ｍｌ、好ましくは４５０〜６００ｍｌ程
度の軽度の叩解する方が繊維が切れずに残り、密度の低
い和紙風の風合いの最終製品を得るのに適している。ま
た、前記非木材の長繊維パルプには、ラインドパルプ、
稲わらパルプ等の短繊維の非木材パルプや針葉樹及び広
葉樹のパルプを混合することができる。この場合、ペン
トサン含有量の大きいラインドパルプや広葉樹パルプの
使用が好ましく、これらのパルプは、Ｃ．Ｓ．Ｆ．１０
０〜２５０ｍｌ程度に良く粘状叩解したのち、長繊維パ
ルプを軽度に叩解したものに１０〜３０重量％混合する
のがよい。このような混合パルプを用いるときには、粘
状叩解した短繊維パルプが長繊維間の接着剤の働きをし
密度が低く、特に和紙に特有の大きな引き裂き強度、折
り曲げ強度をはじめ、破裂、引っ張り等の諸強度の大き
い和紙風のパルプ紙を容易に得ることができる。
【００１０】前記和紙風の支持体用に叩解されたパルプ
は、必要に応じて内面サイジングを行い、インクが内部
にさらには裏側へ浸透するのを防ぐ。このサイジング
は、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーや、ロジ
ン、アルキルスチレンポリマー、ワックス等を紙料中に
加えることにより実施される。その使用量は０．１〜
３．０重量％、好ましくは０．３〜１．０重量％であ
る。また支持体には紙の不透明度及び白色度を上げるた
め填料を適宜混入することがある。填料としてはチャイ
ナクレイ、チタンホワイト、タルク等が挙げられる。中
性サイズを行うときは沈降性炭酸カルシウムの使用も可
能である。以上の作業によって得られた完全紙料は、こ
れを抄紙機のワイヤーパートで支持体層を与える湿紙を
形成させ、前述の表面層形成用のパルプ紙の湿紙と共に
プレスパートに送り脱水とプレスを行って一枚の紙とな
し、さらにドライパートで乾燥して和紙風のパルプ紙と
する。以下支持体層を与える湿紙の形成をさらに詳述す
る。支持体層用湿紙形成には、従来公知の各種の方法、
例えば、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキ
ー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の長網部分、短網部
分、円網部分、ツインワイヤー部分を用いる方法等が包
含される。ワイヤーパートに供給する完全紙料の全紙料
成分の水中濃度は０．１〜１．０重量％、好ましくは
０．２〜０．５％にするのがよい。
は、必要に応じて内面サイジングを行い、インクが内部
にさらには裏側へ浸透するのを防ぐ。このサイジング
は、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーや、ロジ
ン、アルキルスチレンポリマー、ワックス等を紙料中に
加えることにより実施される。その使用量は０．１〜
３．０重量％、好ましくは０．３〜１．０重量％であ
る。また支持体には紙の不透明度及び白色度を上げるた
め填料を適宜混入することがある。填料としてはチャイ
ナクレイ、チタンホワイト、タルク等が挙げられる。中
性サイズを行うときは沈降性炭酸カルシウムの使用も可
能である。以上の作業によって得られた完全紙料は、こ
れを抄紙機のワイヤーパートで支持体層を与える湿紙を
形成させ、前述の表面層形成用のパルプ紙の湿紙と共に
プレスパートに送り脱水とプレスを行って一枚の紙とな
し、さらにドライパートで乾燥して和紙風のパルプ紙と
する。以下支持体層を与える湿紙の形成をさらに詳述す
る。支持体層用湿紙形成には、従来公知の各種の方法、
例えば、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、ヤンキ
ー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の長網部分、短網部
分、円網部分、ツインワイヤー部分を用いる方法等が包
含される。ワイヤーパートに供給する完全紙料の全紙料
成分の水中濃度は０．１〜１．０重量％、好ましくは
０．２〜０．５％にするのがよい。
【００１１】前記の和紙風の支持体パルプ紙を得る場
合、その厚みは、製品である和紙風パルプ紙の厚みから
表面のパルプ紙の厚みを差し引いたものであり、支持体
を形成するパルプ紙は、極薄いものからかなり厚いもの
までを包含する。一般的には、その厚さは、坪量で表し
て、薄紙で１０〜６０ｇ／ｍ2、好ましくは１５〜５０
ｇ／ｍ2、厚紙で１００〜２００ｇ／ｍ2、好ましくは１
３０〜１５０ｇ／ｍ2である。また、その密度は、０．
２〜０．８ｇ/ｃｍ3、好ましくは０．３〜０．６ｇ/ｃ
ｍ3である。抄紙の際の厚さの調節は抄紙機に供給する
完全紙料の懸濁液の濃度、液量、抄紙速度によって調節
できるが、特に厚手の支持体を抄くときは、２層、３層
又はそれ以上に抄き合わせたり、抄紙速度によって調節
することができる。ワイヤーパートで原質濃度１２〜２
５重量％、好ましくは１５〜２２重量％まで脱水した湿
紙はワイヤーパートに送られる。表層のパルプ湿紙と和
紙風の支持体パルプ湿紙とは共にプレスパートに送り、
原質濃度４０〜６０重量％、好ましくは４７〜５３重量
％まで脱水し、プレスし、１枚の紙にし、ドライパート
に送って乾燥する。
合、その厚みは、製品である和紙風パルプ紙の厚みから
表面のパルプ紙の厚みを差し引いたものであり、支持体
を形成するパルプ紙は、極薄いものからかなり厚いもの
までを包含する。一般的には、その厚さは、坪量で表し
て、薄紙で１０〜６０ｇ／ｍ2、好ましくは１５〜５０
ｇ／ｍ2、厚紙で１００〜２００ｇ／ｍ2、好ましくは１
３０〜１５０ｇ／ｍ2である。また、その密度は、０．
２〜０．８ｇ/ｃｍ3、好ましくは０．３〜０．６ｇ/ｃ
ｍ3である。抄紙の際の厚さの調節は抄紙機に供給する
完全紙料の懸濁液の濃度、液量、抄紙速度によって調節
できるが、特に厚手の支持体を抄くときは、２層、３層
又はそれ以上に抄き合わせたり、抄紙速度によって調節
することができる。ワイヤーパートで原質濃度１２〜２
５重量％、好ましくは１５〜２２重量％まで脱水した湿
紙はワイヤーパートに送られる。表層のパルプ湿紙と和
紙風の支持体パルプ湿紙とは共にプレスパートに送り、
原質濃度４０〜６０重量％、好ましくは４７〜５３重量
％まで脱水し、プレスし、１枚の紙にし、ドライパート
に送って乾燥する。
【００１２】本発明の和紙風のパルプ紙の製造工程にお
けるドライパートは、ドライヤーの表面を粗面に仕上
げ、この粗面と湿紙を密着させて紙を乾燥するとともに
紙の表面を粗面に仕上げる。支持体層パルプ紙の片面に
ケインラインドのパルプ紙を形成し、インクジェットの
記録用紙として供する場合には、ドライヤーは最少１本
のヤンキードライヤーでも用が足りる。両面を粗面にし
て両面を打ち出しに供する場合にはダブルヤンキーを用
いれば用が足りる。さらに１台で大量の和紙風のパルプ
紙を生産する場合、多筒式のドライヤーのどの面も梨地
に加工して用いればよい。
けるドライパートは、ドライヤーの表面を粗面に仕上
げ、この粗面と湿紙を密着させて紙を乾燥するとともに
紙の表面を粗面に仕上げる。支持体層パルプ紙の片面に
ケインラインドのパルプ紙を形成し、インクジェットの
記録用紙として供する場合には、ドライヤーは最少１本
のヤンキードライヤーでも用が足りる。両面を粗面にし
て両面を打ち出しに供する場合にはダブルヤンキーを用
いれば用が足りる。さらに１台で大量の和紙風のパルプ
紙を生産する場合、多筒式のドライヤーのどの面も梨地
に加工して用いればよい。
【００１３】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下に記す％は重量％である。
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。なお、以下に記す％は重量％である。
【００１４】実施例１ ２層抄きで片面記録用の和紙風パルプ紙を以下のように
して製造した。すなわち、表面層パルプ紙を得るため
に、ケインラインド（砂糖きびの皮）の晒ＰＡＰ（ＰＡ
法パルプ）１００ｋｇ、稲わらの晒ＰＡＰ５ｋｇ、とう
もろこしの皮の晒ＰＡＰ（ＰＡ法パルプ）５ｋｇをビー
ターに入れ水を加えて原質濃度３．５％とし、Ｃ．Ｓ．
Ｆ．１８０ｍになるまで強い粘状叩解を行った。叩解後
サイズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度０．１５％
になるまで水で希釈し、円網で原質濃度１７％の湿紙
（乾物換算坪量１２ｇ／ｍ2、密度０．９３ｇ／ｍ3）を
形成させた。支持体層パルプ紙を得るために、アバカの
晒ＰＡＰ３００ｋｇ、稲わらの晒ＰＡＰ１００ｋｇ、コ
ットンパルプ１００ｋｇ、およびケインラインドのＰＡ
Ｐ５０ｋｇを取り、ビータでそれぞれをＣ．Ｓ．Ｆ．５
５０ｍｌまで叩解し、叩解後各パルプ合わせて、これに
チャイナクレイ５０ｋｇと中性サイズ剤アルキルケテン
ダイマー１．５ｋｇと水を加えて完全紙料とした。完全
紙料は水を加えて原質濃度０．３２％となるまで希釈
し、短網で原質濃度１８％の湿紙（乾物換算坪量で４５
ｇ／ｍ2、密度０．４５ｇ／ｃｍ3）を形成させた。表面
層と支持体層を形成する各湿紙は、２層間にまったく接
着剤等を使わずにプレスパートを通すことによって水分
５１％になるまで水を搾り、１枚の湿紙とした。この湿
紙の表面と梨地に仕上げたヤンキードライヤーの表面と
を密着させて加熱乾燥して、和紙風で表面の艶を消した
パルプ紙を得た。このパルプ紙において、その裂断長
は、縦７．２ｋｍ、横３．６ｋｍ、その非破裂強さは
３．６、その比引き裂き強度は１８１、そのベック平滑
度は６秒、その白色度は８７．１％であった。このパル
プ紙は３６０×３６０ｄｐｉの打ち出し可能なカラーコ
ピー機を用い、浮世絵の版画を複写し、鮮明な画像が得
られた。
して製造した。すなわち、表面層パルプ紙を得るため
に、ケインラインド（砂糖きびの皮）の晒ＰＡＰ（ＰＡ
法パルプ）１００ｋｇ、稲わらの晒ＰＡＰ５ｋｇ、とう
もろこしの皮の晒ＰＡＰ（ＰＡ法パルプ）５ｋｇをビー
ターに入れ水を加えて原質濃度３．５％とし、Ｃ．Ｓ．
Ｆ．１８０ｍになるまで強い粘状叩解を行った。叩解後
サイズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度０．１５％
になるまで水で希釈し、円網で原質濃度１７％の湿紙
（乾物換算坪量１２ｇ／ｍ2、密度０．９３ｇ／ｍ3）を
形成させた。支持体層パルプ紙を得るために、アバカの
晒ＰＡＰ３００ｋｇ、稲わらの晒ＰＡＰ１００ｋｇ、コ
ットンパルプ１００ｋｇ、およびケインラインドのＰＡ
Ｐ５０ｋｇを取り、ビータでそれぞれをＣ．Ｓ．Ｆ．５
５０ｍｌまで叩解し、叩解後各パルプ合わせて、これに
チャイナクレイ５０ｋｇと中性サイズ剤アルキルケテン
ダイマー１．５ｋｇと水を加えて完全紙料とした。完全
紙料は水を加えて原質濃度０．３２％となるまで希釈
し、短網で原質濃度１８％の湿紙（乾物換算坪量で４５
ｇ／ｍ2、密度０．４５ｇ／ｃｍ3）を形成させた。表面
層と支持体層を形成する各湿紙は、２層間にまったく接
着剤等を使わずにプレスパートを通すことによって水分
５１％になるまで水を搾り、１枚の湿紙とした。この湿
紙の表面と梨地に仕上げたヤンキードライヤーの表面と
を密着させて加熱乾燥して、和紙風で表面の艶を消した
パルプ紙を得た。このパルプ紙において、その裂断長
は、縦７．２ｋｍ、横３．６ｋｍ、その非破裂強さは
３．６、その比引き裂き強度は１８１、そのベック平滑
度は６秒、その白色度は８７．１％であった。このパル
プ紙は３６０×３６０ｄｐｉの打ち出し可能なカラーコ
ピー機を用い、浮世絵の版画を複写し、鮮明な画像が得
られた。
【００１５】実施例２ ３層抄きで両面記録用の和紙風のパルプ紙を以下のよう
にして製造した。すなわち、上面層を形成するパルプ湿
紙と下面層を形成するパルプ湿紙を実施例１と同様に作
り、円網抄紙機でこれらの湿紙を抄き出した。支持体層
を形成するパルプ湿紙を、実施例１と同様に非木材パル
プを叩解し、長網抄紙機を用いてを作る。この湿紙３枚
を、まったく接着剤等を使わずにプレスパートで脱水し
て圧着して１枚の湿紙にまとめ、表面を梨地様に粗面仕
上げした二筒ヤンキードライヤーで乾燥し、密度０．３
６ｇ／ｃｍ3の軽く柔らかい和紙風のパルプ紙を３５０
ｋｇ作成した。得られたパルプ紙は、両面が粗面で、表
面平滑度７秒と８秒と表裏差は少なかった。浮世絵版画
をコンピューターのスキャナーで撮り、３６０ｄｐｉの
カラーインクジェットプリンターで前記パルプ紙に打ち
出したが、両面とも鮮明な画像が得られた。
にして製造した。すなわち、上面層を形成するパルプ湿
紙と下面層を形成するパルプ湿紙を実施例１と同様に作
り、円網抄紙機でこれらの湿紙を抄き出した。支持体層
を形成するパルプ湿紙を、実施例１と同様に非木材パル
プを叩解し、長網抄紙機を用いてを作る。この湿紙３枚
を、まったく接着剤等を使わずにプレスパートで脱水し
て圧着して１枚の湿紙にまとめ、表面を梨地様に粗面仕
上げした二筒ヤンキードライヤーで乾燥し、密度０．３
６ｇ／ｃｍ3の軽く柔らかい和紙風のパルプ紙を３５０
ｋｇ作成した。得られたパルプ紙は、両面が粗面で、表
面平滑度７秒と８秒と表裏差は少なかった。浮世絵版画
をコンピューターのスキャナーで撮り、３６０ｄｐｉの
カラーインクジェットプリンターで前記パルプ紙に打ち
出したが、両面とも鮮明な画像が得られた。
【００１６】
【発明の効果】本発明の和紙風パルプ紙は、その表面層
が水分の吸収乾燥性の良い砂糖きびのケインラインドパ
ルプ紙から成り、支持体層が和紙原料と同様の長繊維か
ら抄きだした、密度が低く、柔らかくて強い和紙からな
るものである。従って、本発明のパルプ紙は、その表面
が粗面であるにもかかわらず、日本画や、浮世絵の版
画、墨絵、書道の作品等を原画に忠実に現出するカラー
コピー用紙、特に、インクジェット記録用紙として有利
に用いることができる。
が水分の吸収乾燥性の良い砂糖きびのケインラインドパ
ルプ紙から成り、支持体層が和紙原料と同様の長繊維か
ら抄きだした、密度が低く、柔らかくて強い和紙からな
るものである。従って、本発明のパルプ紙は、その表面
が粗面であるにもかかわらず、日本画や、浮世絵の版
画、墨絵、書道の作品等を原画に忠実に現出するカラー
コピー用紙、特に、インクジェット記録用紙として有利
に用いることができる。
【図１】本発明の和紙風パルプ紙の説明構造図を示す。
１ 表面層 ２ 支持体層
Claims (8)
- 【請求項１】 非木材パルプを主成分とする和紙風のパ
ルプ紙からなる支持体層と、その少なくとも一方の面に
形成された表面層からなり、該表面層は砂糖きびのケイ
ンラインドパルプを主原料とするパルプ紙からなること
を特徴とする和紙風パルプ紙。 - 【請求項２】 該表面層を形成するパルプ紙の坪量が、
５〜３０ｇ／ｍ2である請求項１の和紙風パルプ紙。 - 【請求項３】 該表面層を形成するパルプ紙が、砂糖き
びのケインラインドを過酸化水素アルカリ法で蒸解して
得られたパルプを主成分とするパルプ紙である請求項１
又は２の和紙風パルプ紙。 - 【請求項４】 該支持体層が、麻パルプ及び／又は靱皮
パルプを主原料とする紙からなる請求項１〜３のいずれ
かの和紙風パルプ紙。 - 【請求項５】 該表面層を形成するパルプ紙が、べック
平滑度２０秒以下の粗面を有する請求項１〜４のいずれ
かの和紙風パルプ紙。 - 【請求項６】 請求項１〜５のいずれかの和紙風パルプ
紙からなるインクジェット記録用紙。 - 【請求項７】 非木材パルプを主成分とする和紙風のパ
ルプ紙からなる支持体層と、その少なくとも一方の面に
形成された砂糖きびのケインラインドパルプ紙からなる
表面層とからなる和紙風パルプ紙を製造する方法におい
て、非木材パルプを主成分とする和紙風のパルプ紙から
なる支持体層の少なくとも一方の面に、砂糖きびのケイ
ンラインドパルプを主成分とする湿潤パルプ紙を積層
し、圧縮してその中に含まれる水分を除去した後、乾燥
ドラム上で乾燥することを特徴とする和紙風パルプ紙の
製造方法。 - 【請求項８】 乾燥ドラムの表面を粗面仕立てにして乾
燥に供する請求項７の和紙風パルプ紙の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9214166A JPH1143889A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 和紙風パルプ紙及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9214166A JPH1143889A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 和紙風パルプ紙及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1143889A true JPH1143889A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16651336
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9214166A Pending JPH1143889A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 和紙風パルプ紙及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1143889A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005344230A (ja) * | 2004-06-02 | 2005-12-15 | Lonseal Corp | 高級和紙 |
| JP2014109082A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Daio Paper Corp | 包装材 |
-
1997
- 1997-07-23 JP JP9214166A patent/JPH1143889A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005344230A (ja) * | 2004-06-02 | 2005-12-15 | Lonseal Corp | 高級和紙 |
| JP4520221B2 (ja) * | 2004-06-02 | 2010-08-04 | ロンシール工業株式会社 | 高級和紙 |
| JP2014109082A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Daio Paper Corp | 包装材 |
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