JPH06101190A - 紙カップ用原紙の製造方法 - Google Patents
紙カップ用原紙の製造方法Info
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- JPH06101190A JPH06101190A JP4273761A JP27376192A JPH06101190A JP H06101190 A JPH06101190 A JP H06101190A JP 4273761 A JP4273761 A JP 4273761A JP 27376192 A JP27376192 A JP 27376192A JP H06101190 A JPH06101190 A JP H06101190A
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Abstract
並びに製函性が良好である上、印刷適性に優れる紙カッ
プ用原紙を提供すること 【構成】少なくとも高濃度叩解した広葉樹材の晒クラフ
トパルプ15〜60重量%及び針葉樹材の晒クラフトパ
ルプ0〜20重量%を含有してなる紙匹に、カレンダー
サイズプレスを施すことを特徴とする紙カップ用原紙の
製造方法。
Description
特に紙カップ用原紙の製造方法に関する。
ス含浸紙も一部で使用されているが、近年においては、
紙の一方の面が印刷され、他方の面がラミネートされた
ポリエチレンラミネート紙(以下ポリラミ紙という)が
主に使用されている。紙カップは、上記のポリラミ紙を
カップを展開した形状である扇形に打ち抜ぬき、得られ
る扇形のポリラミ紙の直線部の両端を、ラミネート面を
内側にして貼り合わせて(胴貼りという)カップ形状の
ものとし、該底部に底紙を挿入して圧着した後、上端の
円周部を外側に巻き込むというトップカール処理(コッ
プの口元となる部分を成形する処理)を施すという、一
連の操作によって製造される。
の速度は、近年益々高速度化しているが、優れた品質の
紙カップを高速で効率良く製造する(製函性という)た
めには、ポリラミ紙に用いる原紙が、トップカール処理
の際に大きい引っ張り力を加えられて引き延ばされても
割れが生じない程度の強度(紙力という)を有すること
が要求される。また、紙カップの表面には文字等が印刷
され広告として利用される。従って、その広告的機能を
更に向上させるために、紙カップ表面は印刷適性に優れ
ることが要求される。
は、紙力を付与して製函性を改善する観点から、針葉樹
材の晒クラフトパルプ(以下、N−BKPという)を多
く配合した原紙が用いられている。しかしながら、N−
BKPは広葉樹材の晒クラフトパルプ(以下、L−BK
Pという)に比べて繊維形態が太くて長いので、N−B
KPの配合量を多くした場合には、その紙力が改善され
る一方で地合いが不均一となり、表面の平面性(表面性
という)が悪くなって印刷適性並びにポリエチレンラミ
ネート適性が劣る上、L−BKPの配合量を多くした原
紙に比べ、カレンダー処理によってその表面性(従って
印刷適性等)を改善することが困難であるという欠点が
あった。また、上記のN−BKPの配合量を多くした原
紙は、ポリビニルアルコール等の希薄な水溶液を用いた
カレンダーサイズプレスによって原紙の表面性を改善す
ることができないという欠点があった。
上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、L−BKP
の特定量と、必要に応じてN−BKPの一定量を含有さ
せることによって良好な結果が得られるということを見
出し本発明に到達した。従って、本発明の目的は、紙力
が十分であるのみならず、ラミネート適性並びに製函性
が良好である上印刷適性に優れる紙カップ用原紙の製造
方法を提供することにある。
少なくとも高濃度叩解した広葉樹材の晒クラフトパルプ
15〜60重量%及び針葉樹材の晒クラフトパルプ0〜
20重量%を含有してなる紙匹に、カレンダーサイズプ
レスを施すことを特徴とする紙カップ用原紙の製造方法
によって達成された。
5重量%以下であると製函性を良好とすることができ
ず、60重量%以上であると地合の向上率が減少し、印
刷適性が悪化する。L−BKPを高濃度叩解すること
は、バウアー型のダブルディスクリファイナー(DDR
という)等の叩解機を用いて容易に行うことができる。
のパルプ濃度が20〜35重量%の範囲であることを意
味する。パルプ濃度が20重量%以下である場合には、
得られる原紙の製函性が良好とならず、35重量%以上
である場合は、パルプスラリーの流動性が低下し、安定
した叩解が困難となる。L−BKPは、カナダ標準ろ水
度(以下C.S.F.とする)が120〜280mlの
範囲となるまで叩解することが好ましい。120ml以
下であると抄紙工程での脱水が遅延し、280ml以上
であると得られる原紙の紙力が低下する。
たL−BKPと共に、通常の叩解をしたL−BKPや上
質系の一般脱墨パルプ等を用いることもできる。また、
本発明においては、必要に応じて、含有量が20重量%
以下となるようにN−BKPを使用することが好まし
い。20重量%以上であると原紙の地合が不均一とな
り、原紙の表面性が悪くなるので印刷適性が劣化する。
となるようにパルプ濃度を調整した混合水溶液(パルプ
スラリーという)を、公知の長網抄紙機等を用いて抄紙
することにより、容易に得ることができる。抄紙に際し
ては、ロジンやアルキルケテンダイマー等のサイズ剤、
二酸化チタン等の顔料、硫酸バンド等のpH調整剤等、
その他の公知の添加剤を適宜用いることができる。
して抄紙した紙匹にカレンダーサイズプレスを施すこと
によって容易に製造することができる。カレンダーサイ
ズプレスにおいては、ポリビニールアルコール及び/又
はデンプンの希薄水溶液を、ポリビニルアルコールやデ
ンプンの固形分重量で0.1〜0.5g/m2 となるよ
うに塗工することが好ましい。
は、原紙の平面性が不十分となり、0.5g/m2 以上
の場合は、原紙に汚れが生じたり、ポリエチレンのラミ
ネート適性が劣化する。上記のポリビニルアルコール及
び/又はデンプンの代わりに、若しくは、それらと共
に、スチレン無水マレイン酸共重合体やカルボキシメチ
ルセルロース(CMC)等を適宜必要に応じて使用する
こともできる。
下で叩解したL−BKPを特定量の割合で含有すると共
にカレンダーサイズプレスがなされているので、紙力及
び製函性並びにポリエチレンのラミネート適性が優れる
と共に、印刷適性が従来になく優れている。
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、以下に示す「重量%」はパルプの絶乾重量に対する
重量%を示す。
11S:日立造船株式会社製の商品名)を用いて、パル
プ濃度25重量%の条件で、叩解度がC.S.F.20
0mlとなるように叩解したL−BKP(高濃度叩解L
−BKPという)を含有する溶液と、パルプ濃度4重量
%の条件で叩解度がC.S.F.400mlとなるよう
に通常に叩解したL−BKP(低濃度叩解L−BKPと
いう)を含有する溶液を、高濃度叩解L−BKPと低濃
度叩解L−BKPの重量比が25:75となるように混
合して、原料のパルプスラリーを得た。
(サイズパインE−50:荒川化学工業株式会社製の商
品名)を固形分で0.7重量%添加すると共に、スラリ
ーのpHが4.5となるように硫酸バンドを添加した
後、フォドリニア長網抄紙機で抄紙した。次いで、得ら
れた紙匹をカレンダーサイズプレスにかけて、ポリビニ
ルアルコールが固形分重量で0.25g/m2 となるよ
うにポリビニルアルコール水溶液(ゴーセサイズP70
00:日本合成化学株式会社製の商品名)を塗工し、坪
量200g/m2 の紙カップ用原紙を得た。
評価した。結果は表1に示した通りである。紙力試験 JISP8113に従って、破断時における原紙の横方
向(CDという)の伸びを測定した。
原紙に印刷し、その印刷状態を目視により評価した。 ○:良好 ×:劣る
ポリエチレンとの間の浮きの有無を目視により評価し
た。 ○:接着性が良好 △:接着性がやや劣る ×:接着性が劣る。
トップカール部分の紙割れの有無を目視により評価し
た。 ○:紙割れなし ×:紙割れがある
トップカール部分の紙ムケの有無を目視により評価し
た。 ○:紙ムケなし △:紙ムケが僅かにある ×:紙ムケがある
−BKP及び低濃度叩解L−BKPを重量比で50:5
0の割合で混合してパルプスラリーを得た。得られたパ
ルプスラリーに、アナターゼ型二酸化チタン(中心粒子
径が0.2〜0.4μm;タイペークW20:石原産業
株式会社製の商品名)が、紙中の填料として2.5重量
%となるように、また、サイズ剤としてアルキルケテン
ダイマー(SPK901:荒川化学工業株式会社製の商
品名)が固形分で0.3重量%、及びカチオン化ポリア
ミドアミンエピクロルヒドリン樹脂水溶液を該樹脂が
0.3重量%と各々なるように添加し、実施例1と全く
同様に抄紙した。
固形分重量で0.5g/m2 に変えた他は、実施例1と
全く同様にしてカレンダーサイズプレスを行い、坪量2
00g/m2 の紙カップ用原紙を得た。得られた原紙を
用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評価した
結果は表1に示した通りである。
−BKP及び低濃度叩解L−BKPと共に、上質系の古
紙を原料とした脱墨パルプ(L−BKPが80重量%及
びN−BKPが20重量%の混合パルプ)を、各々の重
量比が30:30:40となるように混合してパルプス
ラリーを得た。得られたパルプスラリーに、ロジンサイ
ズ剤(サイズパインE−50:荒川化学工業株式会社製
の商品名)を固形分で0.7重量%添加した後、硫酸バ
ンドをpHが4.5となるように添加し、実施例1と全
く同様にして抄紙した。
コール水溶液に代えて、ポリビニルアルコールと酸化デ
ンプンとの重量比が1:1の混合水溶液用い、塗工量を
固形分重量で0.5g/m2 に変えた他は、実施例1と
全く同様にしてカレンダーサイズプレスを行って、坪量
200g/m2 の紙カップ用原紙を得た。得られた原紙
を用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評価し
た結果は表1に示した通りである。
−BKP、及びパルプ濃度が4重量%で叩解度がC.
S.F.400mlとなるように叩解したN−BKPと
を、L−BKPとN−BKPの重量比が40:60とな
るように混合したパルプスラリーを用いた他は、実施例
1と全く同様にして抄紙した。
コール水溶液に代えて、ポリビニルアルコールと酸化デ
ンプンとの重量比が1:3の混合水溶液用い、塗工量を
固形分重量で1.5g/m2 に変えた他は、実施例1と
全く同様にしてカレンダーサイズプレスを行い、坪量2
00g/m2 の紙カップ用原紙を得た。得られた原紙を
用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評価した
結果は表1に示した通りである。
比を重量比で10:90に変えた他は、実施例1と全く
同様にして抄紙し、カレンダーサイズプレスを行い、坪
量200g/m2 の紙カップ用原紙を得た。得られた原
紙を用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評価
した結果は表1に示した通りである。
C.S.F.で400mlであるものに変えた他は、実
施例1と全く同様にして抄紙し、カレンダーサイズプレ
スを行い、坪量200g/m2 の紙カップ用原紙を得
た。得られた原紙を用いて実施例1と全く同様にして試
験を行い、評価した結果は表1に示した通りである。
たポリビニールアルコールの塗工量を0.05g/m2
に変えた他は、実施例1と全く同様にして坪量200g
/m2 の紙カップ用原紙を得た。得られた原紙を用いて
実施例1と全く同様にして試験を行い、評価した結果は
表1に示した通りである。
は、紙力を付与して製函性を改善する観点から、針葉樹
材の晒クラフトパルプ(以下、N−BKPという)を多
く配合した原紙が用いられている。一般に紙カップ原紙
は表面強度が弱いと製函時に紙ムケを生ずる。これに対
して、従来は抄紙工程の中間に設置されているサイズプ
レス工程でデンプンなどのバインダー水溶液を含浸して
対応した。しかしながら、N−BKPは広葉権材の晒ク
ラフトパルプ(以下、L−BKPという)に比べて繊維
形態が太くて長いので、N−BKPの配合量を多くした
場合には、その紙力が改善される一方で地合いが不均一
となり、表面の平面性(表面性という)が悪くなって印
刷適性並びにポリエチレンラミネート適性が劣る上、L
−BKPの配合量を多くした原紙に比べ、カレンダー処
理によってその表面性(従って印刷適性等)を改善する
ことが困難であるという欠点があった。また、上記のN
−BKPの配合量を多くした原紙は、ポリビニルアルコ
ール等の希薄な水溶液を用いたカレンダーサイズプレス
によって原紙の表面性を改善することができないという
欠点があった。
のパルプ濃度が20〜35重量%の範囲であることを意
味する。パルプ濃度が20重量%以下である場合には、
得られる原紙の製函性が良好とならず、35重量%以上
である場合は、パルプスラリーの流動性が低下し、安定
した叩解が困難となる。高濃度叩解したL−BKPは、
カナダ標準ろ水度(以下C.S.F.とする)が120
〜280mlの範囲となるまで叩解することが好まし
い。120ml以下であると抄紙工程での脱水が遅延
し、280ml以上であると得られる原紙の紙力が低下
する。
して抄紙した紙匹にカレンダーサイズプレスを施すこと
によって容易に製造することができる。カレンダーサイ
ズプレスにおいては、ポリビニルアルコール及び/又は
デンプンの希薄水溶液を、ポリビニルアルコールやデン
プンの固形分重量で0.1〜0.5g/m2となるよう
に塗工することが好ましい。上記バインダーの希薄水溶
液を用いたカレンダーサイズプレスを施すと表面強度も
向上するので、従来のサイズプレス工程は不要である。
は、原紙の表面強度が不十分となり、紙ムケを生ずる。
0.5g/m2以上の場合は、原紙に汚れが生じたり、
ポリエチレンのラミネート適性が劣化する。上記のポリ
ビニルアルコール及び/又はデンプンの代わりに、若し
くは、それらと共に、スチレン無水マレイン酸共重合体
やカルボキシメチルセルロース(CMC)等を適宜必要
に応じて使用することもできる。
る、紙コップの胴部分の紙ムケの有無を目視により評価
した。 ○:紙ムケなし △:紙ムケが僅かにある ×:紙ムケがある
−BKP及び低濃度叩解L−BKPを重量比で50:5
0の割合で混合してパルプスラリーを得た。得られたパ
ルプスラリーに、アナターゼ型二酸化チタン(中心粒子
径が0.2〜0.4μm;タイペークW20:石原産業
株式会社製の商品名)が、紙中の填料として2.5重量
%となるように、また、サイズ剤としてアルキルケテン
ダイマー(SPK901:荒川化学工業株式会社製の商
品名)が固形分で0.3重量%、及びカチオン化ポリア
ミドアミンエピクロルヒドリン樹脂水溶液(カイメン5
57H:ディックハーキュレス株式会社製の商品名)を
該樹脂が0.3重量%と各々なるように添加し、実施例
1と全く同様に抄紙した。
コール水溶液に代えて、ポリビニルアルコールと酸化デ
ンプン(エスサンサイザー700:味の素株式会社製の
商品名)との重量比が1:1の混合水溶液を用い、塗工
量を固形分重量で0.5g/m2に変えた他は、実施例
1と全く同様にしてカレンダーサイズプレスを行って、
坪量200g/m2の紙カップ用原紙を得た。得られた
原紙を用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評
価した結果は表1に示した通りである。
−BKP、及びパルプ濃度が4重量%で叩解度がC.
S.F.400mlとなるように叩解したN−BKPと
を、L−BKPとN−BKPの重量比が40:60とな
るように混合したパルプスラリーを用い、及び抄紙の中
間でサイズプレス処理を実施した他は、実施例1と全く
同様にして抄紙した。
ルと酸化デンプンとの重量比が1:3の混合水溶液を用
い、塗工量を固形分重量で1.5g/m 2塗布とし、坪
量200g/m2の紙カップ用原紙を得た。得られた原
紙を用いて実施例1と全く同様にして試験を行い、評価
した結果は表1に示した通りである。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも高濃度叩解した広葉樹材の晒ク
ラフトパルプ15〜60重量%及び針葉樹材の晒クラフ
トパルプ0〜20重量%を含有してなる紙匹に、カレン
ダーサイズプレスを施すことを特徴とする紙カップ用原
紙の製造方法。 - 【請求項2】処理濃度が20〜35重量%であって、広
葉樹材の晒クラフトパルプがC.S.F.で200±8
0mlの範囲に叩解されている請求項1に記載の紙カッ
プ用原紙の製造方法。 - 【請求項3】カレンダーサイズプレスに際して、ポリビ
ニルアルコール及び/又はデンプンの水溶液を、固形分
換算で0.1〜0.5g/m2 塗工する請求項1又は2
に記載の紙カップ用原紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4273761A JP2626949B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 紙カップ用原紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4273761A JP2626949B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 紙カップ用原紙の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06101190A true JPH06101190A (ja) | 1994-04-12 |
JP2626949B2 JP2626949B2 (ja) | 1997-07-02 |
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---|---|---|---|
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