JP2012214962A - 発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層した発泡断熱紙製容器用シートにおいて、該紙基材が含有する全パルプに対し、高濃度叩解したパルプが10重量%以上50重量%以下であり、該紙基材の表面がカレンダーサイズプレスによって処理を施されてなることを特徴とする発泡断熱紙製容器用シート、及び前記発泡断熱紙製容器用シートを胴部材及び/又は底板部材に用いることを特徴とするとともに、前記発泡断熱紙製容器用シートの前記紙基材が含有する水分を加熱蒸発させ、前記熱可塑性樹脂層を発泡させて得られることを特徴とする発泡断熱紙製容器。
【選択図】 なし
Description
従来、このような用途に使用される断熱性容器としては、発泡ポリスチレン(EPS)製のものが知られている。これはポリスチレンに発泡剤を加えた原料をモールド内に注型し、原料に熱と圧力を加えて発泡、成形させることにより製造される。このようにして得られた発泡ポリスチレン製断熱性容器は、容器全体を発泡させているため嵩があり、断熱性の点では非常に優れているが使用後のゴミの量が多くなる。また、発泡ポリスチレンは、焼却処分する際に高熱を発するため焼却炉を損傷しやすい、環境ホルモンとして人体への悪影響が懸念されるなどの理由に加え、石油資源の節約という観点からもその使用の見直しが求められている。
さらに、発泡ポリスチレン製断熱性容器の外表面には微小な凹凸が多数存在するため、容器の外表面に模様、文字、記号などを印刷しても鮮明に表現されないこと、また、紙製断熱性容器比べると肉厚強度が弱く、カップ入り即席ラーメン用などの比較的大きな容器の場合、輸送中に割れたりすることなどの問題があった。
これらの問題に対して、特許文献1には、容器胴部材及び底板部材からなる紙製容器において、容器胴部材の外壁面に低融点の熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートし、加熱することにより、基材である紙に含まれている水分の蒸気圧を利用してフィルムを凹凸に発泡させる技術が開示されている。また、特許文献2には、胴部材の一方の壁面に、紙の表面側から低融点の熱可塑性樹脂の発泡内層とこれよりも高い融点を有する熱可塑性樹脂の非発泡外層とからなる2層構造断熱膜が被着されており、発泡内層と紙との層間強度、紙の坪量、発泡層および非発泡外層の膜厚を規定した紙製容器が開示されている。
特許文献3には、容器胴部、底板、外装スリーブからなる紙製容器において、容器胴部の裾胴部分を全周にわたり突出させた突出部と、容器胴部の上胴部分にかけて外装スリーブを接着して断熱空間を形成した紙製容器が開示されている。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の容器は、基材中の紙に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる機構であることから、紙に含まれる水分が少ないと熱可塑性樹脂層の発泡が不十分となり、得られた容器の断熱性が劣るという問題がある。基材中の紙の坪量を高くすると水分の総量が多くなるため、発泡性は良好となるが、容器の成形加工適性が低下するという問題がある。
特許文献3に記載の容器の基材は紙のみであり、石油を原料とする熱可塑性樹脂を使用する必要がないため環境負荷が小さく、発泡ポリスチレン製容器に比べて容器の外表面の凹凸が少ないため、美麗性にも優れるが、断熱性が十分とはいえない。
そのため、本発明は、十分な断熱性を有し、容器の成形加工適性と美麗性に優れる発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器を提供することを目的とする。
(1)紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層した発泡断熱紙製容器用シートにおいて、該紙基材が含有する全パルプに対し、高濃度叩解したパルプが10重量%以上50重量%以下であり、該紙基材の表面がカレンダーサイズプレスによって処理を施されてなることを特徴とする発泡断熱紙製容器用シート。
(2)前記紙基材の熱可塑性樹脂層を積層する面の王研式平滑度が30〜200s/10ml、且つ坪量あたりの透気抵抗度(=透気抵抗度/坪量)が0.2〜1.5s/g/m2であることを特徴とする(1)に記載の発泡断熱紙製容器用シート。
(3)(1)または(2)に記載の発泡断熱紙製容器用シートを胴部材及び/又は底板部材に用いることを特徴とするとともに、前記発泡断熱紙製容器用シートの前記紙基材が含有する水分を加熱蒸発させ、前記熱可塑性樹脂層を発泡させて得られることを特徴とする発泡断熱紙製容器。
本発明の紙基材は、高濃度叩解パルプを含有する。本発明において、高濃度叩解とは、パルプを叩解する際のパルプ濃度が20〜35重量%の範囲であることを意味する。
この高濃度叩解によれば、パルプ濃度が3〜6重量%の範囲で行う通常の叩解の場合に比べ、パルプ繊維の切断が少なくなり、フィブリル化が促進されるので、パルプの比表面積と柔軟性が増加する。そのため、本発明の高濃度叩解パルプを含有する紙基材は、発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器に使用すると、成形加工適性と美麗性が優れる。さらに、本発明の高濃度叩解パルプを含有する紙基材は、発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器に使用すると、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる際に、フィブリル化が促進され比表面積が増加した、即ち、網目状態が発達したパルプ繊維の緩衝作用により水蒸気が均質に放出されるため、発泡が良好かつ均質となると推察され、十分な断熱性を有する発泡断熱紙製容器が得られると推察される。
パルプを叩解する際のパルプ濃度が20重量%未満であると、高濃度叩解により得られる前述の特性が十分に得られない。また、35重量%を超えると、叩解時のパルプスラリーの流動性が低下するため、安定した叩解が困難となる。
また、本発明の高濃度叩解パルプは、カナダ標準ろ水度(以下、「C.S.F.」とする)を120〜280mlとすることが好ましい。C.S.F.が120ml未満であると、紙基材の抄紙工程での脱水が遅く、操業性が劣ることがある。また、C.S.F.が280mlを超えると、紙基材としての紙力が低下し、高濃度叩解により得られる前述の特性が十分に得られないことがある。より好ましくは、C.S.F.が150〜230mlである。
本発明では、高濃度叩解パルプの原料として広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)を使用すると、高濃度叩解により得られる前述の特性が特に顕著に発揮されるため好ましい。
本発明の発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器に使用する紙基材は、紙基材が含有する全パルプに対し、前記高濃度叩解パルプが10重量%以上50重量%以下である。
紙基材が含有する全パルプに対し高濃度叩解パルプが10重量%より少ないと、熱可塑性樹脂層の発泡が不十分となり、十分な断熱性を有する発泡断熱紙製容器が得られず、成形加工適性も劣る。一方、高濃度叩解パルプが50重量%より多いと、成形加工適性は良好となるが、熱可塑性樹脂層の発泡時に、過剰な発泡により発泡セルが破裂してしまう現象(以下、「過発泡」ともいう。)が発生する。また、紙基材の抄紙時に水切れが低下し、抄紙速度を低く抑えざるを得ないため製造効率が劣る。過発泡部分は美麗性が劣り、更には断熱性が低下する恐れがあるため、十分な断熱性を有し、美麗性に優れる発泡断熱紙製容器が得られない。より好ましくは、紙基材が含有する全パルプに対し、高濃度叩解パルプが15重量%以上35重量%以下である。
本発明の紙基材は、表面がカレンダーサイズプレスによって処理を施される。紙基材の表面がカレンダーサイズプレスによって処理を施されることにより、優れた効果が得られる理由は次のように推測される。
表面処理が施されていない紙基材を発泡断熱紙製容器用シート、及びそれを用いた発泡断熱紙製容器に使用すると、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる際に、水蒸気が不均質に放出されるため部分的な過発泡が発生しやすい。過発泡部分は美麗性に劣り、更には断熱性が低下する恐れがあるため、十分な断熱性を有し、美麗性に優れる発泡断熱紙製容器が得られない。
また、単に紙基材に表面処理を施し、紙基材の表面に皮膜を形成させることで水蒸気の放出を均質化しようとすると、十分な効果が得られないばかりか水蒸気の放出が阻害され、熱可塑性樹脂層の発泡が不十分となり、十分な断熱性を有する発泡断熱紙製容器を得ることができない。
2ロールサイズプレスあるいはトランスファーロール(ゲートロール)によって紙基材に表面処理を施し、紙基材の表面に皮膜を形成させた場合、紙基材の大きな空隙がある部分には厚い皮膜が形成され、大きな空隙がない部分には薄い皮膜が形成される。即ち、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる際に、紙基材の水蒸気が放出されやすい部分には厚い皮膜、水蒸気が放出されにくい部分には薄い皮膜が形成されているため、従来よりも水蒸気の放出が均質化され、発泡が良好かつ均質となるが、美麗性は十分とはいえない。
さらに、カレンダーサイズプレスの表面処理液として、ポリビニルアルコール類などの造膜性を有する水溶性高分子を水に溶解させたものを使用すると、2ロールサイズプレスあるいはトランスファーロール(ゲートロール)により表面処理を施した場合と同様に、紙基材の大きな空隙がある部分には厚い皮膜が形成され、大きな空隙がない部分には薄い皮膜が形成される。即ち、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる際に、紙基材の水蒸気が放出されやすい部分には厚い皮膜、水蒸気が放出されにくい部分には薄い皮膜が形成されているため、水蒸気の放出が一層均質化され、特に発泡が良好かつ均質となる。
本発明で、紙基材に施される表面処理に使用する表面処理液は、水のみであっても表面処理剤を水に溶解させたものであってもよいが、表面処理剤を水に溶解させたものであると、カレンダーサイズプレスによる紙基材の表面処理により得られる前述の特性が顕著に発揮されるため好ましい。
本発明で使用する表面処理剤は、造膜性を有する水溶性高分子であれば特に限定されるものではなく、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテル及びその誘導体、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類などを例示することができ、これらを単独、あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、必要に応じて前記表面処理剤と共に、サイズ剤、耐水化剤、紙力増強剤、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、着色染料、着色顔料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜併用することができる。
本発明の紙基材の抄紙方法、抄紙機の型式は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等の公知の抄紙方法、抄紙機が選択可能である。
また、抄紙時のpHは酸性領域(酸性抄紙)、疑似中性領域(疑似中性抄紙)、中性領域(中性抄紙)、アルカリ性領域(アルカリ性抄紙)のいずれでもよく、酸性領域で抄紙した後、紙基材の表面にアルカリ性薬剤を塗布してもよい。
本発明で、紙基材を抄紙する際に配合する填料は、製紙分野で一般に使用されている填料が使用可能であり特に限定されるものではない。填料の例としては、クレー、焼成カオリン、デラミネートカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料が例示可能であり、これらは単独または2種類以上を適宜組み合わせて使用可能である。一般に前述の酸性抄紙では、これらの填料から酸溶解性のものを除いたものが使用される。
本発明で、紙基材を抄紙する際に、各種内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用可能である。内添助剤の例としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルこはく酸無水物(ASA)等の各種の内添サイズ剤、ノニオン性、カチオン性、両性の各種歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変性物等、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、pH調整剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能である。
本発明は、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層を発泡させる機構であることから、紙基材に含まれる水分量が重要である。紙基材に含まれる水分量は、紙基材の坪量及び含水率により決定されるが、本発明の紙基材に含まれる水分量は、好ましくは5〜60g/m2であり、より好ましくは10〜40g/m2であり、さらに好ましくは15〜40g/m2である。
本発明の紙基材の坪量は、好ましくは100〜400g/m2であり、より好ましくは200〜400g/m2であり、さらに好ましくは250〜400g/m2である。紙基材の坪量が100g/m2未満であると、得られた発泡断熱紙製容器を手で把持したときに熱さを感じやすい。一方、紙基材の坪量が400g/m2を超えると、発泡断熱紙製容器の成形加工適性が低下する傾向が見られる。
本発明の紙基材の密度は所望に応じて適宜設定すればよく、特に限定されることはないが、0.60〜0.99g/cm3とすることが好ましい。紙基材の密度が低いと、熱可塑性樹脂層を発泡させる際に水蒸気が通りやすくなり、発泡性が向上する傾向が見られるが、紙基材の密度が0.60g/cm3未満であると、発泡断熱紙製容器に必要な紙力が得られないことがある。一方、紙基材の密度が0.99g/cm3を超えると、熱可塑性樹脂層を発泡させる際に水蒸気が通りにくくなり、発泡性が低下する傾向が見られる。
本発明の紙基材は、その表面のpHを6以下とすることが好ましい。紙基材表面のpHがアルカリ性側であると、パルプ繊維は水を保持しやすい状態であるが、酸性側、特にpHが6以下であると、水を放出しやすくなるため、発泡性が良好となると考えられる。
本発明の発泡断熱紙製容器用シートは、紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層(以下、「熱可塑性樹脂層A」とする。)を積層することを必須の構成とする。本発明では、前記紙基材に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層Aを発泡させる。
本発明の熱可塑性樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂は、積層が可能であり、且つ発泡可能であれば特に制限されず、結晶性樹脂、非結晶性樹脂のどちらの熱可塑性樹脂も使用することが可能である。
結晶性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、PPS樹脂等が例示可能である。非結晶性樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、変性PPE、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示可能である。これらの熱可塑性樹脂は、単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用しても良いが、発泡性の点から単層であることが好ましい。
本発明の発泡断熱紙製容器用シートは、前記紙基材の前記熱可塑性樹脂層Aを積層した面と反対の面に、前記熱可塑性樹脂層Aよりも融点の高い熱可塑性樹脂層(以下、「熱可塑性樹脂層B」とする。)を積層する、もしくはアルミ箔等で被覆すると、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層Aを発泡させる際に、前記紙基材の熱可塑性樹脂層Aを積層した面と反対の面から水蒸気が蒸散することが抑制され、発泡性が向上するため好ましい。
本発明において、前記熱可塑性樹脂層B、もしくは前記アルミ箔等は、発泡断熱紙製容器の胴部材及び/又は底板部材の内壁面側に存在すると、容器に充填した液体等が紙基材中へ浸透することを抑制することが可能であるため好ましい。
前記熱可塑性樹脂層Aと前記熱可塑性樹脂層Bの融点の差、即ち、熱可塑性樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂層Bに使用する熱可塑性樹脂の融点の差は5℃以上あることが好ましい。熱可塑性樹脂層Aまたは熱可塑性樹脂層Bにおいて複数の樹脂を複層で使用した場合は、熱可塑性樹脂層Aに使用した樹脂のうち最も高い融点を有する樹脂と、熱可塑性樹脂層Bに使用した樹脂のうち最も低い融点を有する樹脂について、融点の差が5℃以上あることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂層Bに使用する熱可塑性樹脂の融点は、紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させる際に融解せず、水蒸気の拡散を防止できればよく特に制限されないが、125℃以上であると好ましい。
本発明において、前記熱可塑性樹脂層A及び前記熱可塑性樹脂層Bの積層方法は特に制限されず、紙基材上に、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の各種方法を適宜使用して積層すればよいが、紙基材と熱可塑性樹脂層の密着性、及び熱可塑性樹脂層Aの発泡性が良好となるため、押出しラミネート法が好ましい。押出しラミネート法とは、紙基材の表面に、熱可塑性樹脂をTダイから溶融樹脂膜の状態で押出し、クーリングロールとこれに対向するニップロールとの間で冷却しつつ押圧・圧着する方法である。
本発明において、前記熱可塑性樹脂層A上に前記熱可塑性樹脂層Bを積層する場合や、熱可塑性樹脂層Aを複数の熱可塑性樹脂層で形成する場合など、複数の熱可塑性樹脂層を積層する場合、各熱可塑性樹脂層間の密着性や生産効率の点から、複数台の押出機を用いて各熱可塑性樹脂を溶融状態でそれぞれのTダイに導き、各Tダイから同時に押出して積層する、いわゆる共押出しラミネート法が好ましい。
さらに、本発明では、熱可塑性樹脂層同士の接着性を向上させるため熱可塑性樹脂層同士の間に接着性樹脂層を挟む、あるいは、紙基材と熱可塑性樹脂層の接着性を向上させるためコロナ処理、オゾン処理等を行うなどしてもよい。
本発明において、発泡断熱紙製容器用シートを用いて発泡断熱紙製容器を成形する方法は特に限定されるものではないが、一例として、一般的なカップ成形機により以下の手順で成形する方法を例示することが可能である。
次に、前記胴部材ブランクとは別に、底板部材ブランクを用意し、カップ成形機で前記胴部材ブランクと前記底板部材ブランクを組み立てて容器の形とする。底板部材ブランクは、本発明の発泡断熱紙製容器用シートを打ち抜いて用意してもよく、また、本発明の発泡断熱紙製容器用シートとは別に、容器に充填した液体等が紙基材中へ浸透することを防止するため、紙基材上に、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の各種方法を適宜使用して熱可塑性樹脂を積層する、あるいはアルミ箔等で被覆してなるシートなどを打ち抜いて用意してもよい。
前記底板部材ブランクに用いる熱可塑性樹脂は、胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂と同じであっても異なっていてもよいが、両者を同じにする、特に本発明の発泡断熱紙製容器用シートを打ち抜いて底板部材ブランクを用意すると、胴部材の発泡と同時に底板部材も発泡するため、得られる発泡断熱紙製容器の底面の断熱性が良好となり、屋外や冬場、寒冷地で使用する場合、あるいはカップ麺など湯を注入後しばらく放置するものに使用する場合に有効である。
カップ成形機で前記胴部材ブランクと前記底板部材ブランクを組み立てて容器の形とする際に、熱可塑性樹脂層Aは、胴部材の外側及び内側のどちらか一方あるいは両方に存在すればよく、所望する断熱性、美麗性、手触り等に応じて適宜決定すればよいが、胴部材の内側、即ち発泡断熱紙製容器の内壁面を熱可塑性樹脂層Aとすると、飲食の際に発泡させた熱可塑性樹脂が箸やフォーク等により傷付き、口に入るおそれがあるため、胴部材の外側、即ち発泡断熱紙製容器の外壁面となるようにすることが望ましい。
同様に、底板部材についても、底板部材を発泡させる場合は、底板部材の内側、即ち発泡断熱紙製容器の内底面を発泡面とすると、飲食の際に発泡させた熱可塑性樹脂が箸やフォーク等により傷付き、口に入るおそれがあるため、底板部材の外側、即ち発泡断熱紙製容器の外底面を発泡面とすることが望ましい。
本発明では、前記胴部材ブランクと前記底板部材ブランクを組み立てて容器の形とした後、加熱処理により、胴部材ブランクの紙基材中に含まれる水分を加熱蒸発させ、発生させた水蒸気により熱可塑性樹脂層Aを発泡させることにより、発泡断熱紙製容器が得られる。
本発明の加熱処理の条件、即ち加熱温度及び加熱時間は、使用する紙基材及び熱可塑性樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜設定すればよく特に制限されないが、加熱温度は熱可塑性樹脂層Aに使用する熱可塑性樹脂の融点よりもやや高い温度(融点+5〜10℃程度)が好ましく、熱可塑性樹脂層Bの融点より低い温度がより好ましい。一般的に、加熱温度は100℃〜200℃程度、加熱時間は1分間〜6分間程度である。
本発明の加熱処理において、加熱手段は特に限定されず、熱風、電熱、電子線など任意の手段を使用可能である。コンベヤによる搬送手段を備えたトンネル内で、熱風または電熱などによって加熱処理すると、本発明の発泡断熱紙製容器が安価且つ大量に得られるあるため好ましい。
本発明では、必要に応じて、所望の効果を損なわない範囲で紙製容器の分野で公知の技術を適用することができる。例えば、胴部材の外側の一部に合成樹脂成分を5〜40wt%含有する塗料を塗布し、部分的に発泡を抑制する技術(特許第3014629号公報)、胴部材の外側、即ち発泡断熱紙製容器の外壁面に発泡と同調して滑らかな印刷面を形成する同調インキを塗布する技術(特許第3408156号公報)、胴部材の開口上縁に断面角型に強制加工した上部フランジ部を設け、その内側巻き込み端をフランジ部の上部に重合させて二重構造にする技術(特開2001−354226号公報)等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。また、美麗性を高めるために、発泡断熱紙製容器の外壁面となる胴部材の最表層に、顔料とバインダーを主成分とするインキ受理層を設けてもよい。
また、本発明の発泡断熱紙製容器に使用する蓋材については、前記底板部材ブランクと同様に、容器に充填した液体等が紙基材中へ浸透することを防止するため、紙基材上に、押出しラミネート法、ウェットラミネート法、ドライラミネート法等の各種方法を適宜使用して熱可塑性樹脂を積層する、あるいはアルミ箔等で被覆してなるシートなどを打ち抜いて用意してもよい。
[実施例1]
[紙基材]
パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したLBKP19部(CSF180ml)とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したLBKP81部(CSF480ml)からなるパルプ100部に対して、硫酸アルミニウム2.5部、ロジンサイズ剤0.5部を添加した紙料スラリーを長網抄紙機で抄紙して原紙を得た。次いで、得られた原紙の両面に、カレンダーサイズプレスによりポリビニルアルコール(完全ケン化ポリビニルアルコール、クラレ社製、製品名:PVA117)を片面当たり固形分で0.2g/m2(両面で0.4g/m2)になるように塗工、乾燥し、坪量320g/m2、密度0.88g/cm3、水分量23.4g/m2の紙基材を得た。得られた紙基材の熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は61s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.88s/g/m2であった。
[発泡断熱紙製容器用シート]
上記で得られた紙基材の熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面に、厚さ70μmとなるように熱可塑性樹脂((低密度ポリエチレン、密度918kg/m3、融点108℃))を溶融温度330℃、積層速度50m/分で押出し、クーリングロールとニップロール(硬度70度)を用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、熱可塑性樹脂層Aを積層した。
次いで、紙基材の熱可塑性樹脂層Aを積層した面と反対の面に、厚さ40μmとなるように熱可塑性樹脂((中密度ポリエチレン、密度939kg/m3、融点128℃))を溶融温度330℃、積層速度50m/分で押出し、クーリングロールとニップロール(硬度70度)を用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、熱可塑性樹脂層Bを積層して、発泡断熱紙製容器用シートを得た。
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP25部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP75部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.90g/cm3、水分量24.6g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は85s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.09s/g/m2であった。
[実施例3]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP35部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP65部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.91g/cm3、水分量25.3g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は120s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.31s/g/m2であった。
[実施例4]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP45部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP55部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.91g/cm3、水分量25.6g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は162s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.44s/g/m2であった。
[実施例5]
パルプ配合を、パルプ濃度が35重量%で高濃度叩解したCSF200mlのLBKP25部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP75部とした以外は、実施例2と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.92g/cm3、水分量25.6g/m2、熱可塑性樹脂層を積層する面の王研式平滑度は58s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.94s/g/m2であった。
[実施例6]
得られた原紙の両面に、2ロールサイズプレスによりポリビニルアルコール(完全ケン化ポリビニルアルコール、クラレ社製、製品名:PVA117)を片面当たり固形分で0.2g/m2(両面で0.4g/m2)になるように塗工、乾燥し、さらに原紙の両面に、カレンダーサイズプレスにより水を塗工、乾燥した以外は、実施例2と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.89g/cm3、水分量23.4g/m2、熱可塑性樹脂層を積層する面の王研式平滑度は93s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.00s/g/m2であった。
[実施例7]
紙基材を坪量270g/m2とした以外は、実施例2と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量270g/m2、密度0.91g/cm3、水分量20.8g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は75s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.07s/g/m2であった。
[実施例8]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP15部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP65部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF600mlのNBKP20部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.90g/cm3、水分量24.3g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は51s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.48s/g/m2であった。
[実施例9]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP10部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP90部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.88g/cm3、水分量22.4g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は55s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.78s/g/m2であった。
[実施例10]
カレンダーサイズプレスによりポリビニルアルコール(完全ケン化ポリビニルアルコール、クラレ社製、製品名:PVA117)を片面当たり固形分で0.5g/m2(両面で1.0g/m2)になるように塗工、乾燥した以外は、実施例9と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.87g/cm3、水分量22.4g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は60s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.34s/g/m2であった。
パルプ配合を、パルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP75部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF600mlのNBKP25部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.89g/cm3、水分量22.1g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は42s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.38s/g/m2であった。
[比較例2]
パルプ配合を、パルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP95部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF600mlのNBKP5部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.87g/cm3、水分量22.4g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は58s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.78s/g/m2であった。
[比較例3]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP5部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP95部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.88g/cm3、水分量21.8g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は53s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.72s/g/m2であった。
[比較例4]
パルプ配合を、パルプ濃度が20重量%で高濃度叩解したCSF180mlのLBKP60部とパルプ濃度が4重量%で通常に叩解したCSF480mlのLBKP40部とした以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.95g/cm3、水分量26.3g/m2、熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)を積層する面の王研式平滑度は179s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は1.63s/g/m2であった。
[比較例5]
カレンダーサイズプレスを2ロールサイズプレスに変更した以外は、実施例1と同様にして発泡断熱紙製容器用シートを得た。得られた紙基材は坪量320g/m2、密度0.86g/cm3、水分量21.1g/m2、熱可塑性樹脂層を積層する面の王研式平滑度は25s/10ml、坪量あたりの透気抵抗度は0.23s/g/m2であった。
[成形加工適性]
得られた発泡断熱紙製容器用シートについて、金属ロール/金属ロールからなるニップ装置を用いて下記条件で加圧処理を行い、成形加工適性を評価した。
・試験片形状:1辺100mmの正方形
・処理速度:50m/分
・処理圧力:50kN/m
試験片の曲げ方向:紙基材の抄紙方向(MD方向)を軸として、熱可塑性樹脂層
(熱可塑性樹脂層A)が外面となるように曲げる
ニップ通過方向:試験片の曲げ方向と直交(紙基材の抄紙横方向(CD方向)と同じ)
成形加工適性は、加圧処理後の熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)の破壊を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)の破壊が認められない。
×:熱可塑性樹脂層(熱可塑性樹脂層A)の破壊が認められる。
得られた発泡断熱紙製容器用シートから、高さ115mm、幅300mmの胴部材ブランク、直径95mmの円形の底板部材ブランク、及び直径100mmの円形の蓋材をそれぞれ切り出した。次に、胴部材ブランクを熱可塑性樹脂層Aが外側となるように円筒形とし、底板部材ブランクを熱可塑性樹脂層Aが外側となるように接着して、円筒形容器を作製した。次に、熱風を使用して、加熱温度115℃、加熱時間6分間で円筒形容器の熱可塑性樹脂層Aを発泡させ、円筒形の発泡断熱紙製容器を得た。
得られた発泡断熱紙製容器用に550mlの沸騰した湯を注入し、熱可塑性樹脂層Aが外側となるように蓋材で蓋をして、3分後に発泡断熱紙製容器の胴部を手で持ち、以下の基準で評価した。
○:問題なく持てる。
△:やや熱く感じるが、持てない程度ではない。
×:熱くて持てない。
得られた発泡断熱紙製容器用シートから1辺100mmの正方形の試験片を切り出し、熱風を使用して、加熱温度115℃、加熱時間6分間で熱可塑性樹脂層Aを発泡させた。
発泡後の熱可塑性樹脂層Aの表面を目視で観察し、以下の基準で美麗性を評価した。
◎:過発泡が見られず、形成された発泡セルは小さく均質であり、表面は概ね平坦である。
○:過発泡が見られず、形成された発泡セルは小さく表面も概ね平坦であるが、発泡セル
の大きさにバラツキが見られる。
△:形成された発泡セルがやや大きく、大きさにバラツキも見られるが、表面の凹凸は
小さく過発泡は見られない。
×:過発泡が発生しているなど、表面に大きな凹凸がある。
Claims (3)
- 紙基材の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層した発泡断熱紙製容器用シートにおいて、該紙基材が含有する全パルプに対し、高濃度叩解したパルプが10重量%以上50重量%以下であり、該紙基材の表面がカレンダーサイズプレスによって処理を施されてなることを特徴とする発泡断熱紙製容器用シート。
- 前記紙基材の熱可塑性樹脂層を積層する面の王研式平滑度が30〜200s/10ml、且つ坪量あたりの透気抵抗度が0.2〜1.5s/g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の発泡断熱紙製容器用シート。
- 請求項1又は請求項2に記載の発泡断熱紙製容器用シートを胴部材及び/又は底板部材に用いることを特徴とするとともに、前記発泡断熱紙製容器用シートの前記紙基材が含有する水分を加熱蒸発させ、前記熱可塑性樹脂層を発泡させて得られることを特徴とする発泡断熱紙製容器。
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