JP4449943B2 - インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式に適用する記録シートを製造する方法に関する。
水性インクを微細なノズルから記録シートに向かって噴出し、該シートの記録面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
インクジェット記録方式に適する記録シートとしては、インク受容層を有するインクジェット記録シートが広く使用されている。このインクジェット記録シートにおいては、プリンタの急速な普及と、高精細・高速化と、さらにはデジタルカメラの登場とにより特性の高度化が要求されている。例えば、インク吸収性、銀塩方式の写真に匹敵する画質および光沢を有するインクジェット記録シートが強く求められている。
特許文献1には、上記要求を満たすためのインクジェット記録シートの製造方法が提案されている。このインクジェット記録シートの製造方法では、まず、支持体上に微粒子および水溶性樹脂を含む下塗り層形成用塗液を塗工して下塗り層を形成し、その下塗り層上に、ホウ砂を1.4質量%以下の濃度で含む架橋剤含有塗液を塗工する。そして、塗工した架橋剤含有塗液が乾燥しないうちに、その上に、微粒子および水溶性樹脂を含むインク受容層形成用塗液を塗工してインク受容層を形成する。
この方法によれば、下塗り層によって支持体表面の凹凸を小さくすることができるため、その上に形成されたインク受容層表面の平滑性を高めてインクジェット記録シートの光沢を高くすることができる。また、架橋剤含有塗液中のホウ砂によって下塗り層およびインク受容層の水溶性樹脂を架橋して皮膜強度を高くできる。その結果、下塗り層およびインク受容層を厚くでき、インク保持量を多くできるため、画質を高くできる。しかも、微粒子を含む下塗り層によりインク吸収性を高めることもできる。
特開2004−74576号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法で製造されたインクジェット記録シートは、光沢、画質、インク吸収性に優れるものの、折り割れしやすいという問題があった。
また、画質をより一層高めることを目的として、特許文献1に記載の製造方法にて下塗り層およびインク受容層をより厚くするためには、架橋剤含有塗液中の架橋剤の塗工量を増やす必要がある。しかしながら、架橋剤の塗工量を増やした場合には、インク受容層形成用塗液を塗工している際にゲル化物が形成され、そのゲル化物がダイ塗工機などに付着して、ダイ塗工が困難になることがあった。
本発明は、光沢、画質、インク吸収性のいずれもが優れている上に、折り割れが防止されたインクジェット記録シートを製造でき、しかもインク受容層形成用塗液の塗工量を増やすために架橋剤の塗工量を増やした場合でもダイ塗工性に優れるインクジェット記録シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが、前記課題を解決するために検討した結果、下塗り層が架橋剤により架橋して硬くなることでインクジェット記録シートが折り割れしやすくなること、架橋剤と水溶性樹脂とが急速に反応した場合にゲル化物を形成することを見出した。そして、それらの知見に基づいて、以下の[1]〜[7]のインクジェット記録シートの製造方法を発明した。
[1]支持体上に、微粒子、バインダおよび該バインダを架橋させない架橋剤を含有する下塗り層形成用塗液を塗工して下塗り層を形成する第1の工程と、
前記下塗り層上に、微粒子と前記架橋剤により架橋が可能な水溶性樹脂とを含有するインク受容層形成用塗液を塗工してインク受容層を形成する第2の工程とを有することを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
[2]第1の工程では、架橋剤の塗工量が固形分換算で0.1g/m以上になるように下塗り層形成用塗液を塗工する[1]に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[3]架橋剤が、ホウ酸および/またはホウ砂である[1]または[2]に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[4]バインダが水分散性樹脂である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[5]インク受容層形成用塗液中の微粒子が、非晶質シリカ、アルミノシリケート、アルミナおよびアルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む[1]〜[4]のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[6]水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである[1]〜[5]のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[7]支持体が非透気性支持体である[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
[8]支持体が透気性支持体である[1]〜[6]のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
本発明のインクジェット記録シートの製造方法によれば、光沢、画質、インク吸収性のいずれもが優れている上に、折り割れが防止されたインクジェット記録シートを製造でき、しかもインク受容層形成用塗液の塗工量を増やすために架橋剤の塗工量を増やした場合でもダイ塗工性に優れる。
(第1の工程)
本発明のインクジェット記録シートの製造方法では、まず、第1の工程として、支持体上に下塗り層形成用塗液を塗工して下塗り層を形成する。ここで、下塗り層形成用塗液は、微粒子とバインダと該バインダを架橋させない架橋剤(以下、架橋剤と略す。)とを含有する液である。下塗り層形成用塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水または水に有機溶剤が少量添加された水系溶媒が挙げられる。
[支持体]
支持体としては、透気性支持体、非透気性支持体のいずれでも使用できるが、非透気性支持体が好ましい。非透気性支持体を用いた場合には、印字した際に、インク中に含まれる水分等の溶媒の影響で記録用紙が伸びて波打つ、いわゆるコックリングという欠陥を抑制できるからである。ただし、非透気性支持体の場合、支持体でインクを吸収することができないので、インク受容層で充分な吸収力を持たせることが必要である。
また、支持体は透明であってもよいし、不透明であってもよい。
具体的な支持体としては、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などのシート類が例示されるが、写真調のインクジェット記録シートにするためには、アート紙、コート紙、バライタ紙、印画紙原紙、合成紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましい。中でも、合成紙、ポリエチレン樹脂被覆紙が好ましく、とりわけ、酸化チタンを練り込んだポリエチレン樹脂被覆紙、所謂RC紙からなる支持体は、仕上がった外観が写真印画紙と同等であるため、特に好ましく用いられる。また、支持体としてRC紙を用いた場合には、本発明の効果がとりわけ発揮される。
また、ゼラチンが塗工された支持体も好ましい。
ポリエチレン樹脂被覆紙では、ポリエチレン層の厚みは3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。ポリエチレン層の厚みが3μm未満であると、樹脂被覆時にポリエチレンの穴等の欠陥が多くなりやすく、厚みのコントロールが困難になる場合が多く、平滑性も得にくくなる。一方、50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。
[微粒子]
下塗り層形成用塗液に含まれる微粒子としては、例えば、非晶質シリカ(湿式法および乾式法によって製造される合成非晶質シリカ、およびアルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメントなどが挙げられる。
これらの中でも、得られるインクジェット記録シートの光沢、平滑性が高くなることから、非晶質シリカ、非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、カオリン、クレー、焼成クレー、二酸化チタン、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウムを用いることがより好ましい。特に非晶質シリカ、炭酸カルシウムが好ましく用いられる。炭酸カルシウムの中では特に重質炭酸カルシウムが好ましい。
非晶質シリカおよび炭酸カルシウムは各々を単体で用いた場合でも、併用した場合でも本発明の効果をより発揮するが、とりわけ効果を発揮することから、非晶質シリカおよび炭酸カルシウムを併用することが好ましい。非晶質シリカおよび炭酸カルシウムを併用する場合の質量割合は、(非晶質シリカ質量/炭酸カルシウム質量)が5/95〜70/30であることが好ましく、10/90〜35/65であることがより好ましい。このような割合で非晶質シリカと炭酸カルシウムを併用すれば、インク吸収性と塗膜強度のバランスが良好になる。
微粒子の平均二次粒子径は、特に光沢の観点から、0.7μm以下であることが好ましい。
[バインダ]
バインダとしては、例えば、ゼラチン、セルロース類、デンプン、水分散性樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、架橋剤による架橋が起こりにくく、インクジェット記録シートの折り割れをより防止できることから、水分散性樹脂が好ましい。水分散性樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックスなどが挙げられる。水分散性樹脂のガラス転移温度は−50〜50℃であることが好ましく、−30〜30℃であることがより好ましい。
[架橋剤]
下塗り層形成用塗液に含まれる架橋剤としては、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられる。これら架橋剤の中でも、ポリビニルアルコールと組み合わせた場合、増粘またはゲル化の進行が速いことから、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸および/またはホウ砂がより好ましい。
ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸等が挙げられる。また、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩であってもよい。これらの中でも、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが好ましい。
ホウ砂とは、ナトリウムの含水ホウ酸塩鉱物であり、その組成はNa・10HOである。実質的には、Na(四ホウ酸二ナトリウム)が架橋剤成分である。
下塗り層形成用塗液中の架橋剤濃度は0.001〜20質量%であることが好ましい。
架橋剤濃度が0.001質量%以上であれば、架橋剤により後述の水溶性樹脂を充分に架橋させることができる。一方、20質量%以下であれば、過度な架橋を防ぐことができる。
下塗り層形成用塗液におけるバインダの含有量は、微粒子100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましい。バインダ含有量が、微粒子100質量部に対して1質量部以上であれば、塗膜強度を高めることができ、200質量部以下であれば、所望のインク吸収性を得ることができる。
また、下塗り層形成用塗液中には、インクジェット記録シートの白色度を高めるために、蛍光染料を添加してもよいし、色相を調整するために、有色顔料を添加してもよい。
[塗工方法]
支持体への下塗り層形成用塗液の塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スライドビードコーター等の公知の塗工機を用いた方法が挙げられる。
下塗り層形成用塗液を塗工した後、インクジェット記録シートの光沢をより高めるために、スーパーカレンダー処理を施してもよい。
下塗り層形成用塗液の塗工量は特に限定されるものではないが、架橋剤の塗工量が固形分換算で0.1g/m以上になる量が好ましい。架橋剤の塗工量が0.1g/m以上であれば、インク受容層の皮膜強度および耐水性を充分に確保できる。さらに、架橋剤の塗工量は、固形分換算で3.0g/m以下になる量が好ましい。架橋剤の塗工量が3.0g/m以下であれば、水溶性樹脂の過度な架橋を防ぎ、インクジェット記録シートの折り割れをより防止できる。
その上で、下塗り層形成用塗液の塗工量は、固形分換算で1.0〜30g/mであることが好ましく、2.0〜20g/mであることがより好ましい。
塗工した下塗り層形成用塗液は乾燥工程を経て、あるいは、乾燥工程を経ないで第2の工程を行うことができる。
乾燥工程を経る場合には、乾燥工程にて、溶媒を完全に除去する必要はなく、溶媒が一部残留していても構わない。乾燥方法としては特に制限されず、例えば、熱風による乾燥、赤外線照射による乾燥等を適用できる。
(第2の工程)
上記第1の工程の後、第2の工程として、下塗り層上に、微粒子と前記架橋剤により架橋が可能な水溶性樹脂とを含有するインク受容層形成用塗液を塗工してインク受容層を形成する。
[微粒子]
インク受容層形成用塗液に含まれる微粒子としては、下塗り層形成用塗液に含まれる微粒子と同じものを使用することができる。インク受容層形成用塗液に含まれる微粒子としては、得られるインクジェット記録シートの光沢、インク吸収性のバランスが取り易いことから、非晶質シリカ、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種を主成分として含むことが好ましい。
インク受容層形成用塗液に含まれる微粒子においても、微粒子の平均二次粒子径は、特に光沢の観点から、0.7μm以下であることが好ましい。
[水溶性樹脂]
前記架橋剤により架橋が可能な水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミドおよびポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、インク吸収性、耐水性、ひび割れ防止の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、重合度が3000〜5000であることが好ましい。重合度が3000未満では、得られるインク受容層の耐水性が不充分になる傾向にあり、5000を超えるものは、実用上、入手が困難である。
水溶性樹脂は、微粒子100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用される。
水溶性樹脂と架橋剤との質量比としては、20:1〜1:20が好ましく、10:1〜1:10がより好ましい。質量比をこの範囲内とすることにより、ひび割れ防止、耐経時ニジミおよびインク吸収性により優れるインクジェット記録用シートが得られる。
[その他の成分]
インク受容層形成用塗液には、本発明の目的が達成される範囲内において、水分散性樹脂が含まれていてもよい。水分散樹脂としては、上記バインダにおける水分散性樹脂と同じものが挙げられる。
また、インク受容層形成用塗液には、インク定着剤が含まれていてもよい。インク定着剤としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等のカチオン性樹脂、アミノ基含有オルガノシラン化合物、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物が挙げられる。インク定着剤の含有量としては、微粒子100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
また、インク受容層形成用塗液には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。上記界面活性剤の中でも、インクジェットプリンターのインクとの親和性が高いことから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
さらに、インク受容層形成用塗液には、各種分散剤、増粘剤、消泡剤、保存性改良剤、帯電防止剤、防腐剤、蛍光染料、有色顔料等の各種助剤が含まれていてもよい。
[塗工方法、乾燥方法]
下塗り層へのインク受容層形成用塗液の塗工方法および乾燥方法としては、下塗り層形成用塗液の塗工方法および乾燥方法と同様のものが適用できる。
インク受容層形成用塗液の塗工量は、支持体が非透気性支持体の場合には、インク受容層の塗工量が10〜40g/mになる量であることが好ましく、透気性支持体の場合には、5〜25g/mになる量であることが好ましい。塗工量が前記下限値以上であれば、充分なインク吸収性および画質を確保することができ、前記上限値以下であれば、インク受容層のひび割れを防止できる。また、塗工量が前記範囲であれば、銀塩写真に匹敵する画質を得ることができる。
[光沢層]
本発明では、光沢を高めるために、インク受容層上に、微粒子を含有する光沢層を形成してもよい。光沢層中の微粒子としては特に限定されないが、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ酸化物は、優れた光沢が得られるので好ましい。
光沢層は、光沢発現を主目的とするため、インク定着機能は必ずしも必要とするものではないが、カチオン性の微粒子を選択することにより、定着性を高めることができる。カチオン性の微粒子としては、カチオン変性されたコロイダルシリカや気相法シリカ、またはアルミナ酸化物等が好ましい。アルミナ酸化物の中では、気相法(フュームド)アルミナ酸化物がより好ましい。
微粒子の形態は、コロイド状であることが好ましい。単分散体であっても凝集粒子分散体であってもよいが、高印字濃度、高光沢を得るために単分散体、もしくは凝集粒子分散体のなかでも粒子径の小さいものが主に好ましく用いられる。具体的には、平均一次粒子径3〜100nm、平均(二次)粒子径700nm以下の粒子から選択することが好ましい。
光沢層は、インク吸収性を阻害しない限り、上記水溶性樹脂を適宜含有してもよい。また、必要に応じて、前述のインク定着剤を含有することもできる。
光沢層の形成方法としては、例えば、インク受容層上に、微粒子と溶媒とを含有する光沢層形成用塗液を塗工し、その塗工した塗液を、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着、乾燥して得るキャスト法を適用できる。鏡面ドラムから剥離しやすくするためには、光沢層形成用塗液中に各種離型剤を適宜添加してもよい。離型剤の添加量は微粒子100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。
なお、支持体が非透気性支持体や低透気性支持体の場合、光沢層形成用塗液を塗工後すぐ、或いは塗工しながら鏡面ドラムに押し当て(例えば、国際公開第03/039881号パンフレットに示されるようにニップする)、後工程の乾燥装置で乾燥するとよい。
光沢層形成用塗液の固形分塗工量は、0.1〜10g/mの範囲が好ましく、0.2〜5g/mがより好ましく、0.5〜2g/mがさらに好ましい。塗工量が少なすぎると、塗膜が薄くなり光による干渉色が生じやすく、一方、塗工量が多すぎると、インク吸収速度が著しく低下し、また、透明性が低下するおそれがある。
以上説明したインクジェット記録シートの製造方法では、支持体上に下塗り層形成用塗液を塗工して、微粒子がバインダで結着された下塗り層を形成するため、インク吸収性を高くできる。その上、支持体表面の凹凸を小さくすることができるため、インク受容層表面を平滑化することができ、インクジェット記録シートの光沢を高くすることができる。
また、下塗り層形成用塗液が、微粒子とバインダとバインダを架橋させない架橋剤を含むものであるから、下塗り層の架橋を抑制できる。これにより、下塗り層が硬くなることを防止できるため、インクジェット記録シートの折り割れを防止できる。
下塗り層上にインク受容層形成用塗液を塗工した際には、インク受容層形成用塗液中の溶媒によって下塗り層中の架橋剤をインク受容層形成用塗液中に移行させることができる。その結果、インク受容層中の水溶性樹脂を架橋して皮膜強度を高くできるため、インク受容層を厚くしてインクジェット記録シートの画質を高くすることができる。
すなわち、上記インクジェット記録シートの製造方法によれば、光沢、画質、インク吸収性のいずれもが優れている上に、折り割れが防止されたインクジェット記録シートを製造できる。
しかも、この製造方法では、支持体上に塗工する下塗り層形成用塗液に架橋剤が含まれているから、下塗り層上に架橋剤含有塗液を塗工する工程を省略でき、インクジェット記録シート製造のための工程を簡略化することができる。
なお、上記製造方法において、RC紙などの非透気性支持体を用いる場合には、下塗り層形成用塗液を塗工し、乾燥した後に、インク受容層形成用塗液を塗工すると、架橋剤とインク受容層形成用塗液中の水溶性樹脂との反応が遅れるので好ましい。この場合、インク受容層をより厚くするために、架橋剤含有塗液中の架橋剤の塗工量を増やした場合でも、インク受容層形成用塗液を塗工している際にゲル化物が形成されにくく、ダイ塗工性に優れる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%のことである。
(シリカゾルA)
ゲル法シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェット703A、平均一次粒子径:12nm、平均二次粒子径:約300nm)の20%水分散液を調製し、湿式法のシリカゾルであるシリカゾルAとした。
(シリカゾルB)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径10nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドミルにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmの10%シリカ分散液を調製した。このシリカ分散液100部に対し、インク定着剤として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、シリカの凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmの8%分散液を調製してシリカゾルBを得た。
(支持体A)
CSF(JIS P−8121)が250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、密度1.0g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加え、加熱溶解し、濃度5%に調製したものである。そして、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25ml/m塗工して、支持体A(透気度:300秒)を得た。
(支持体B)
上記支持体Aの両面にコロナ放電処理を施した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記ポリオレフィン樹脂組成物1を、支持体Aのフェルト面側に、塗工量25g/mとなるようにT型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)により塗工した。また、下記ポリオレフィン樹脂組成物2を、支持体Aのワイヤー側に、塗工量20g/mとなるように上記溶融押出し機で塗工した。その後、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆した支持体Bを得た。
[ポリオレフィン樹脂組成物1]
直鎖型低密度ポリエチレン(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.3部を混合して、ポリオレフィン樹脂組成物1を得た。
[ポリオレフィン樹脂組成物2]
高密度ポリエチレン(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合して、ポリオレフィン樹脂組成物2を得た。
(支持体C)
市販のポリプロピレン合成紙(商品名:ユポGWG−140、ユポコーポレーション社製)を支持体Cとした。
実施例1
(下塗り層Aの形成)
シリカゾルAの20%水分散液100部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの50%水分散液30部、ホウ砂5%水溶液100部を混合攪拌して下塗り層形成用塗液Aを調製した。そして、この下塗り層形成用塗液Aを、メイヤーバーを用いて塗工量が10.0g/mとなるように支持体B上に塗工し、乾燥して下塗り層Aを設けた。
(インク受容層の形成)
100部のシリカゾルBに24部の5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)を混合し、インク受容層形成用塗液Aとした。次いで、ダイコーターで塗工量が22g/mとなるように、前記下塗り層上に塗工、乾燥してインク受容層を形成した。このインクジェット記録シートにおけるインク受容層の厚みは合計37μmであった。
実施例2
実施例1において、支持体Bの代わりに支持体Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例3
実施例1において、支持体Bの代わりに支持体Cを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例4
実施例1において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの代わりに、スチレン−ブチルアクリレート共重合体ラテックスを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例5
実施例1において、ホウ砂5%水溶液100部の代わりにホウ酸3%水溶液170部に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例6
実施例1において、シリカゾルAの代わりに、二酸化チタン微粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例7
カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学工業社製)100部とジステアリルジメチルアンモニウムクロライド3部を混合し、10%に希釈してシリカ分散液を調製した。次いで、このシリカ分散液を実施例1で得られたインクジェット記録シートのインク受容層上に塗工した。そして、湿潤状態にあるうちに、塗工面を、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げの鏡面ドラムに線圧2000N/cmで圧接して光沢層を形成したのち、ドライヤーで乾燥してインクジェット記録シートを得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例8
実施例1において、支持体Bのフェルト面側の樹脂被覆層にゼラチンを0.3g/m塗工し、その上に下塗り層形成用塗液Aを塗工して下塗り層を形成した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例9
実施例1において、下塗り層形成用塗液Aの塗工量を10.0g/mから1.5g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例10
実施例1において、インク受容層形成用塗液Aの塗工量を22g/mから15g/mに変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例11
(下塗り層の形成)
0.2%の分散剤(商品名:F−130、サンノプコ社製)水溶液中に、平均粒子径約5μmのゲル法シリカ(商品名:サイロジェットED3、グレース社製)をホモミキサで分散しながら除々に添加し、10%分散液Aを調製した。この分散液Aにシリカと炭酸カルシウムの質量比が25/75になるように50%の平均粒子径0.55μmの軽質炭酸カルシウムスラリー(商品名:Brilliant−S15、白石工業社製)を添加し、40%の分散液Bを調製した。
分散液B100部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス30部(40%エマルジョン)、デンプン5部、ホウ砂40部(7%水溶液)を混合攪拌して下塗り層形成用塗液を調製した。この下塗り層形成用塗液を、メイヤーバーを用いて塗工量が7g/mとなるように透気性支持体(商品名:マシュマロ、186g/m、王子製紙社製)上に塗工乾燥して、下塗り層を形成した。
(インク受容層の形成)
100部のシリカゾルBに18部の5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)を混合し、インク受容層形成用塗液とした。次いで、ダイコーターで塗工量が15g/mとなるように、前記下塗り層上に塗工、乾燥してインク受容層を形成した。
平均粒子径45nmのカチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAKL、日産化学工業社製)100部、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド3部と5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−224)5部を混合し、5%水分散液Cを調製した。次いで、この水分散液Cをニップ法で表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げの鏡面ドラムに線圧2000N/cmでインク受容層上に圧接、乾燥剥離して光沢層を形成した。このようにしてインクジェット記録シートを得た。
実施例12
平均粒子径8μmの重質炭酸カルシウム(石灰石原料の乾式分散品、太平洋セメント社製)を水に分散して60%分散液Dを調製し、この分散液Dに、重質炭酸カルシウム100部に対して0.5部のアニオン系分散剤(商品名:F−130、サンノプコ社製)を加え、ホモミキサで分散し、次いで、サンドグラインダでさらに粉砕・分散を行った後、遠心分離法で粗大粒子を沈降させた。この粗大粒子を除いた分散体を用いて、さらに上記の分散・粉砕工程を繰り返して、平均粒子径0.5μmの50%分散液Eを得た。次いで、分散液Eにシリカと炭酸カルシウムの質量比が25/75になるように上記分散液Aを添加し、40%の分散液Fを調製した。
そして、分散液Bを分散液Fに変更した以外は実施例11と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
実施例13
実施例11における下塗り層形成用塗液中のホウ砂を、ホウ砂/ホウ酸(質量比率が1/1)に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
比較例1
(下塗り層Bの形成)
シリカゾルAの20%分散液500部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−135H、クラレ社製)の5%水溶液400部、および少量の消泡剤、分散剤および水を混合して、固形分濃度15%の下塗り層形成用塗液Bを得た。そして、この下塗り層形成用塗液を、メイヤーバーを用いて塗工量が10.0g/mとなるように支持体A上に塗工し、乾燥して下塗り層Bを設けた。
(インク受容層の形成)
次に、下塗り層上に、ホウ砂6%水溶液を10g/mで塗工した後、塗工したホウ砂水溶液が乾燥しないうちに、その上にインク受容層形成用塗液Aを、ダイコーターにより、塗工量が22g/mとなるように塗工し、乾燥してインク受容層を設けて、インクジェット記録シートを得た。このインクジェット記録シートにおけるインク受容層の厚みは37μmであった。
比較例2
実施例1において、下塗り層形成用塗液A中に、重合度2400、鹸化度98%のポリビニルアルコール(商品名:PVA−124、クラレ社製)の8%水溶液30部を添加したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートの製造を試みた。しかし、下塗り層形成用塗液中のホウ砂とポリビニルアルコールとがゲル化を起こしたため、支持体上に下塗り層形成用塗液を塗工できなかった。そのため、インクジェット記録シートの製造を中止した。
比較例3
支持体Aを支持体Bに変更したこと以外は比較例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
(評価方法)
上述した実施例および比較例におけるインク受容層形成用途液のダイ塗工適性、インクジェット記録シートにおけるインク受容層のひび割れおよび折り割れ、75度表面光沢度、インク吸収性、印字濃度、耐水性を以下のように評価した。その結果を表1に示す。
(ダイ塗工適性)
インク受容層形成用塗液を塗工した際のダイ塗工適性を目視により評価した。
◎:インク受容層形成用塗液が架橋剤によってゲル化せず、操業良好な状態。
○:塗工面の両端付近のインク受容層形成用塗液がややゲル化したが、実用上問題ない状態。
×:インク受容層形成用塗液が架橋剤によってゲル化し、操業不可能な状態。
(インク受容層のひび割れ)
インク受容層のひび割れの程度を目視により評価した。
◎:ひび割れがまったく見られない。
○:若干ひび割れが発生するものの、実用上問題ない。
×:ひび割れが発生し、実用上問題あり。
(インク受容層の折り割れ)
インク受容層の折り割れの程度を目視により評価した。
◎:折り割れがまったく見られない。
○:やや折り割れが発生するものの、実用上問題ない。
×:折り割れが発生し、実用上問題あり。
(75度表面光沢度)
JIS−P8142に記載の方法により、インクジェット記録シートのインク受容層表面の75度光沢度を測定した。
(インク吸収性)
インクジェットプリンターPIXUS iP4100キヤノン社製)により、グリーンベタ印字を行い、ベタ印字部のインク吸収の程度を目視により評価した。インクカートリッジとしては、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用いた。
◎:ベタ印字部にムラが見られず、良好な状態。
○:ベタ印字部にムラが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:ベタ印字部にムラが多少見られるが、使用状況によっては問題となるレベル。
(印字濃度)
インクジェットプリンターPIXUS iP8600(キヤノン社製)により、黒ベタ印字を行い、黒ベタ印字部をグレタグマクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD−19I)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。なお、インクカートリッジとしては、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7Y、BCI−7PC、BCI−7PM、BCI−7RおよびBCI−7Gを使用した。
(耐水性)
ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの各色ベタ印字画像を作成し、その画像上に25℃の水を滴下した。そして、自然乾燥させた後の、画像の変褪色の程度を目視により観察して、耐水性のレベルを評価した。
◎:全く画像の変褪色、色移りがほとんどみられず良好である
○:若干の変褪色、色移りがみられたが、実用上全く問題ないレベルである
△:変褪色、色移りがみられ、実用上問題のあるレベルである
Figure 0004449943
支持体上に、微粒子と架橋剤と特定のバインダを含む下塗り層形成用塗液を塗工した後、その上に、インク受容層形成用塗液を塗工した実施例1〜13のインクジェット記録シートの製造方法によれば、インク受容層形成用塗液のダイ塗工適性が優れていた。
また、得られたインクジェット記録シートは、ひび割れ、折り割れが防止されており、さらには、下塗り層上に架橋剤水溶液を塗工した後に、インク受容層形成用塗液を塗工して得た比較例1のインクジェット記録シートと同等以上の光沢、インク吸収性、印字濃度(画質)、耐水性を示した。
これに対し、支持体上に架橋剤を含まず、水溶性樹脂を含む下塗り層形成用塗液を塗工して下塗り層を形成した後、下塗り層に架橋剤水溶液を塗工した比較例1,3のインクジェット記録シートの製造方法では、インク受容層の折り割れが生じた。また、比較例1のインクジェット記録シートでは、インク吸収性が低い傾向にあった。

Claims (6)

  1. 支持体上に、微粒子、バインダおよび該バインダを架橋させない架橋剤を含有する下塗り層形成用塗液を塗工して下塗り層を形成する第1の工程と、
    前記下塗り層上に、微粒子と前記架橋剤により架橋が可能な水溶性樹脂とを含有するインク受容層形成用塗液を塗工してインク受容層を形成する第2の工程とを有することを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  2. 第1の工程では、架橋剤の塗工量が固形分換算で0.1g/m以上になるように下塗り層形成用塗液を塗工する請求項1に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  3. 架橋剤が、ホウ酸および/またはホウ砂である請求項1または2に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  4. バインダが水分散性樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  5. インク受容層形成用塗液中の微粒子が、非晶質シリカ、アルミノシリケート、アルミナおよびアルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
  6. 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製造方法。
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