JP2007118402A - インクジェット記録体用塗布液およびインクジェット記録体 - Google Patents

インクジェット記録体用塗布液およびインクジェット記録体 Download PDF

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Abstract

【課題】ひび割れのない塗工層を形成できるインクジェット記録体用塗布液と、このインクジェット記録体用塗布液から形成された塗工層を有するインクジェット記録体とを提供する。
【解決手段】基材上に塗工層が形成されたインクジェット記録体の前記塗工層を形成するための塗布液であって、二次粒子径が1μm以下のシリカと、バインダー成分と、一価のアルミン酸塩とを含有するものである。これを使用することにより、ひび割れのない塗工層を形成できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材上に塗工層が形成されたインクジェット記録体と、塗工層の形成に好適に使用されるインクジェット記録体用塗布液に関する。
近年、インクジェット記録方式は、一般用およびオフィス用として急速に普及してきたが、最近では、デジタルカメラや、安価で高精細な画像が出力可能なインクジェットプリンタも広く使用されるようになり、銀塩写真に匹敵する画像を出力できるインクジェット記録体の需要が高まっている。
インクジェット記録体に要求される性能には様々なものがあるが、その中に画像が鮮明で、かつ、印字濃度が高いという性能がある。鮮明で印字濃度の高い画像を形成するためには、インクジェット記録体は、プリンタから吐出されるインク溶液を十分かつ迅速に吸収可能であることが必要となる。
そこで、インクジェット記録体には、通常、インク溶液を吸収するための塗工層が設けられるが、最近では、溶媒を多く含んだインク溶液の吸収性に優れることから、顔料と水溶性バインダー樹脂を含んで形成される顔料系の塗工層が主流となっている。顔料としては、シリカ、アルミナ、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、カオリンなどが使用され、水溶性バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などが使用される。
例えば特許文献1には、平均粒子径が0.1μm以下の微細顔料と高重合度のポリビニルアルコールを有する塗布液により、塗工層を形成することが開示されていて、このように形成された塗工層によれば、インク溶液を良好に吸収できるとされている。
その他には、凝集したシリカ粒子を粉砕してから、塗工層に使用すること(特許文献2参照)や、微細顔料としてインク吸収性と透明度が高い特定のシリカ(活性ケイ酸を縮合させて製造されるシリカ)を使用すること(特許文献3参照)なども提案されている。
特開平7−117334号公報 特開平9−286165号公報 特開2001−354408号公報
しかしながら、微細顔料と高重合度のポリビニルアルコールを有する塗布液を使用して塗工層を形成した場合、主に塗工層の乾燥工程に、その表面がひび割れてしまう場合があった。このように塗工層の表面にひび割れが生じると、その上にさらに形成された他の層にもひび割れが波及してしまうことがあった。
また、生産性向上のために塗工速度を上げたり、多量のインク溶液を吸収すべく厚みの大きな塗工層を形成したりすると、よりひび割れが生じやすくなる傾向があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ひび割れのない塗工層を形成できるインクジェット記録体用塗布液と、このインクジェット記録体用塗布液から形成された塗工層を有するインクジェット記録体とを提供することを課題とする。
本発明者らは塗工層を形成するための塗工液に、種々の水溶性化合物を添加して、そのひび割れ抑制効果について鋭意検討した結果、一価のアルミン酸塩を添加することにより、その理由は明らかではないが、形成される塗工層のひび割れを抑制できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明のインクジェット記録体用塗布液は、基材上に塗工層が形成されたインクジェット記録体の前記塗工層を形成するための塗布液であって、二次粒子径が1μm以下のシリカと、バインダー成分と、一価のアルミン酸塩とを含有することを特徴とする。
前記シリカ100質量部に対して、前記アルミン酸塩が0.01〜1質量部配合されていることが好ましい。
前記シリカは、アニオン性シリカであることが好ましい。
本発明のインクジェット記録体は、基材上に、前記インクジェット記録体用塗布液から形成された塗工層を備えることを特徴とする。
前記塗工層上に、カチオン性化合物を含有する色素定着層がさらに形成されていることが好ましい。
前記基材は、非透気性であることが好ましい。
本発明によれば、ひび割れのない塗工層を形成できるインクジェット記録体用塗布液と、該インクジェット記録体用塗布液から形成された塗工層を備えたインクジェット記録体とを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録体用塗布液(以下、塗布液という。)は、インクジェット記録体の塗工層を形成するためのものであって、二次粒子径が1μm以下のシリカと、バインダー成分と、一価のアルミン酸塩とを含有する。
(シリカ)
塗布液に含有されるシリカには、二次粒子径が1μm以下のものが使用される。このような二次粒子径のシリカを使用することにより、塗布液から形成される塗工層の表面の平滑性が優れるとともに、この塗工層を備えたインクジェット記録体は、より高い印字濃度を発現し、インク吸収性にも優れたものとなる。特に、シリカの二次粒子径の上限を500nmとし、下限を100nmとすると、形成される塗工層はより高いインク吸収性を発現するものとなる。
なお、ここで二次粒子径とは、数平均の平均二次粒子径のことを指す。また、シリカの平均一次粒子径としては特に限定はないが、3〜50nmが好ましい。
シリカの平均細孔径には特に限定はないが、得られるインクジェット記録体の光沢性や印字濃度の点で、20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。また、細孔径100nm以下の細孔容積が0.4〜2.0ml/gであることが望ましい。細孔容積が0.4ml/g以上であるとインク吸収性が優れ、細孔容積が2.0ml/g以下であると機械的強度も十分備えたものとある。さらに、シリカの窒素吸着法による比表面積は50〜500m/gが好ましい。比表面積が50m/g以上であると光散乱が弱く、透明性が向上し、印字濃度が優れる傾向にあり、500m/g以下であるとインク吸収性が優れる。より好ましくは200〜400m/gである。なお、ここでの細孔容積、細孔径、比表面積は、窒素吸着法により測定した場合の数値である。
二次粒子径1μm以下のシリカとしては、シリカの水分散液を機械的手法により適宜粉砕、分散したものや、湿式法シリカ、気相法シリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造されたシリカ、メソポーラスシリカなどを使用できる。シリカの分散液としては、水分散液の状態で市販されているものを用いても、乾燥状態で市販されているシリカを水に分散させて用いてもよい。機械的手法としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー等が例示できる。
これらシリカのなかでは、湿式法シリカ、気相法シリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造されたシリカ、メソポーラスシリカが好適に使用でき、特に、湿式法シリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造されたシリカ、気相法シリカが好ましい。これらのシリカは、二次粒子径1μm以下の微粒子として生成しやすいため、機械的手法により粉砕、分散させる必要がない場合が多い。また、インク吸収性が優れる点からも好ましい。
湿式法シリカは、二酸化ケイ素(SiO)、主としてケイ砂を原料として製造され、その代表的な製造方法は、ゲル法、沈降法である。
ゲル法の非晶質シリカは、例えば、以下のようにして製造する。まず、高純度ケイ砂を原料としたケイ酸ソーダと硫酸を混合しケイ酸ゾルを生成する。ケイ酸ゾルは次第に重合し、一次粒子を形成し、さらに三次元的に凝集体を形成し、ゲル化する。このシリカをミクロンサイズにし微粉化する。即ち、ゲル法では酸性サイドで反応重合させ、ゲル状(シャーベット状)になるまで静置し、水洗して乾燥してゲル法の非晶質シリカを得る。
沈降法の非晶質シリカは、アルカリサイドで反応重合させ、そのまま沈降させて乾燥して得る。ゲル法シリカは、一次粒子間の細孔径が小さく、沈降法シリカは大きい。
活性ケイ酸を縮合させて製造するシリカは、例えば、第1の活性ケイ酸水溶液を加熱し、シリカシード粒子を有する分散液を生成させて、これにアルカリ性成分を添加した後、さらに、この分散液に第2の活性ケイ酸水溶液を添加してシリカシード粒子を成長させることにより得られる。なお、第1の活性ケイ酸水溶液および第2の活性ケイ酸水溶液は同一のものであってもよい。シリカシード粒子は、70℃以上の熱水中に第1の活性ケイ酸水溶液を滴下させて生成させる方法で得てもよい。また、シリカシード粒子の濃度は、シリカ換算濃度で、0.05〜10.0質量%であることが望ましい。
第2の活性ケイ酸水溶液を分散液に添加する速度としては特に限定されないが、シリカシード粒子に含まれるSiO1モルに対して、SiOに換算して0.001〜0.2モル/分となる速度が好ましい。
第1の活性ケイ酸水溶液および第2の活性ケイ酸水溶液としては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換処理して得られるpH2〜4のケイ酸水溶液が挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩としては、市販工業製品として入手できるものでよく、特にSiO/MO(但し、Mはアルカリ金属原子を表す。)モル比として2〜4のケイ酸ソーダを用いるのが好ましい。
また、第1の活性ケイ酸水溶液および第2の活性ケイ酸水溶液は、SiO濃度として1〜6質量%が好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。
シリカシード粒子を有する分散液に添加されるアルカリ性成分の添加量については特に限定されないが、分散液のpHを6.5以上、より好ましくはpH8以上にするために必要なアルカリ量、より詳しくは、シリカシード粒子におけるシリカ成分(SiO)1モルに対して1×10―3〜1.0モル、より好ましくは、0.01〜0.1モルのアルカリ量とすることが望ましい。ここで添加されるアルカリ性成分としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。なかでも水酸化アンモニウムが好ましい。
気相法シリカは、原料となる四塩化ケイ素の純度を蒸留により比較的高くすることができ、さらにクローズドシステムにより四塩化ケイ素を気相中で燃焼加水分解して製造可能なため、製造工程においても不純物の混入を防ぐことができる。このため、優れた透明性のシリカを得るために適している。このように純度の高い気相法シリカを用いることは、高印字濃度、高光沢のインクジェット記録体が得られやすい点で好適である。
なお、これらのシリカは、いずれもアニオン性シリカである。例えば、アニオン性シリカを水系の分散媒中、カチオン性化合物の存在下で粉砕処理すると、表面にカチオン性化合物が担持されたカチオン性シリカが得られることも知られているが、このような処理がされていないアニオン性シリカをそのまま使用した塗布液によれば、特にインク溶液中の溶媒の吸収を目的とした塗工層(以下、溶媒吸収層という場合もある。)を好適に形成できる。これは、カチオン性シリカは、カチオン性化合物の担持によりその細孔容積が小さくなっているが、アニオン性シリカは、他の化合物が担持されていないために十分な細孔容積を有し、溶媒を十分に吸収できるためである。また、詳しくは後述するが、このような溶媒吸収層の上には、インク溶液に含まれるアニオン性の色素を定着させるため、カチオン性化合物を有する色素定着層を設けることもあるが、その場合に、溶媒吸収層にアニオン性シリカが含まれると、色素とアニオン性シリカとが互いに反発するため、色素がより色素定着層に留まりやすくなるという効果も得られる。
シリカは、通常、水分散液の状態で、後述のバインダー成分や一価のアルミン酸塩と混合される。このような水分散液中のシリカ濃度には特に制限はないが、好ましくは10〜28質量%、より好ましくは15〜25質量%の範囲である。このようなシリカ濃度であると、得られる塗布液で塗工層を形成する際に、塗布液の塗工量を過度に多くする必要がなく、また、シリカ分散液の調製にも何ら問題が生じない。
また、この水分散液とバインダー成分およびアルミン酸塩とを混合して得られる塗布液中のシリカの濃度は、好ましくは5〜25質量%、さらには10〜20質量%の範囲であると、塗布液の安定性が良好であるとともに、塗布液の塗工量を過度に多くする必要もなく好適である。
(バインダー成分)
塗布液に含まれるバインダー成分としては、インクジェット記録体の塗工層に通常使用されるものであれば特に制限はなく、通常は親水性のバインダー成分が使用されるが、バインダー効果に優れていることから、ポリビニルアルコールを使用することが好ましい。また、その場合には、5%以上、好ましくは7〜10%のポリビニルアルコール水溶液の形態で使用することが好ましい。
ポリビニルアルコールのケン化度や重合度には特に制限はないが、好ましいケン化度は80〜99.9%である。また、好ましい重合度の下限は2000、より好ましくは4000であり、上限は7500、好ましくは5000である。このような重合度であると、塗布液が高粘度とならず、好適である。なお、疎水基変性やアニオン変性等の変性ポリビニルアルコールを用いることもできる。
バインダー成分としては、ポリビニルアルコールに加えて、他の親水性バインダー成分を使用してもよく、このようなものとしては、大豆タンパク、合成タンパク質類、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等などのような水分散性樹脂;一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が挙げられる。これらをポリビニルアルコールと併用する場合、その使用量は、ポリビニルアルコール100質量部に対して20質量部以下が好ましい。
塗布液中のバインダー成分の含有量は、シリカ100質量部に対して5〜40質量部が好ましく、10〜25質量部がより好ましい。このような範囲であると、塗工層のひび割れがより生じにくく、インク吸収性も良好となる。
(一価のアルミン酸塩)
塗布液には、一価のアルミン酸塩が含まれる。一価のアルミン酸塩を塗布液に添加することによって、たとえ、高い塗工速度で塗工層を形成したり、インク吸収性を高めるべく、より厚みの大きな塗工層を形成したりした場合でも、塗工層のひび割れを効果的に抑制できるため、生産性よく、インク吸収性に優れたインクジェット記録体を得ることができる。また、塗布液に一価のアルミン酸塩を添加して塗工層を形成しても、得られるインクジェット記録体の印字濃度が低下することはない。このように、特に一価のアルミン酸塩を含有する塗布液によれば、ひび割れが生じにくい塗工層を形成できる理由は明らかではないが、アルミン酸塩が塗工層に存在することにより、塗工層の表面pHが適切な範囲内に安定に維持されることなどが関係していると推測できる。
一価のアルミン酸塩は水溶性の物質であり、具体的には、アルミン酸ナトリウム(NaAlO)やアルミン酸カリウム(KAlO)を1種単独で、または混合して使用できる。
塗布液中のアルミン酸塩の含有量は、シリカ100質量部に対して0.01〜1質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。0.01質量部以上とすることによって、塗布液から形成される塗工層のひび割れを効果的に防止することができ、1質量部以下とすることによって、塗布液の粘度上昇による塗工性の低下がなく、得られたインクジェット記録体に印字した印字物の耐水性にも何ら影響がない。
(その他の成分)
塗布液には、形成される塗工層の透明性や吸収性の調整等、目的に応じて二次粒子径が1μm以下のシリカ以外の顔料を配合してもよい。ただし、その場合、顔料の使用量は、二次粒子径1μm以下のシリカとの合量中、50質量%未満、好ましくは40質量%未満とすることが好ましい。
そのような顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、カオリン、クレー、焼成クレー、シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられ、これらを必要に応じて1種以上使用できる。
また、塗布液には、塗工層の形成に一般的に使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、腐食剤、蛍光増白剤などの各種助剤や、インクジェット記録体用として公知のインク定着剤を配合してもよい。ただし、インク定着剤を配合すると、シリカが凝集しやすくなる傾向があるので、少量の添加にとどめ、色素定着層を後述のように別途形成することが好ましい。
(塗布液およびインクジェット記録体)
以上説明した塗布液は、二次粒子径1μm以下のシリカと、バインダー成分と、一価のアルミン酸塩と、必要に応じて添加されるその他の成分とを混合することで製造できる。
そして、得られた塗布液を基材上に塗工、乾燥し、塗工層を形成することにより、インクジェット記録体が得られる。
塗布液を塗工する方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアーナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。塗工量は、特に限定するものではないが、乾燥質量で、3〜60g/m、好ましくは10〜50g/mである。
こうして形成された塗工層上(塗工層に対して、基材が配置された側の反対側)には、さらに必要に応じて、色素定着層や、コロイド状顔料を含有する光沢層などを形成し、基材上に、本発明の塗布液から形成された塗工層(溶媒吸収層)、色素定着層、光沢層が順次設けられたインクジェット記録体としてもよい。
光沢層の形成方法としては、例えば特願2005−2068723号や特願2005−268087号に記載の方法、すなわち、光沢層を形成する面上に光沢層を形成するための塗布液を供給し、塗布液が供給された側の面が光沢ロールに接触するように、塗工層などが形成された基材を加熱された光沢ロールとプレスロールとの間に通過させて(プレス塗工)塗布液層を形成し、その後、塗布液層が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちにこれを光沢ロールから剥離して剥離状態を保持し、さらに、塗布液層を加熱された光沢ロールに再接触させ、再接触状態を保持した後、塗布液層を光沢ロールから剥離する方法などが好適である。また、各層の間や最外層には、アンダーコート層、中間層、オーバーコート層等の層をさらに設けてもよい。
色素定着層は、顔料とバインダーとインク定着剤とを含有する層であって、顔料としては、上述の塗布液の場合と同様に、先に例示した各種製造法で得られたシリカ微粒子を使用できるが、特に、その平均粒子径が溶媒吸収層に含まれるシリカと同じか、それよりも小さいことが好ましい。また、そのなかでも、分散性に優れる気相法シリカが好ましい。バインダーとしては、先に例示したポリビニルアルコールをはじめ、公知の水溶性バインダーが使用できる。なお、ここで平均粒子径とは数平均粒子径であって、二次粒子の場合には、数平均の平均二次粒子径のことを指す。
色素定着層に含まれるインク定着剤には、カチオン性化合物が好適に使用される。これは、インク溶液に含まれる色素は、通常アニオン性であるため、カチオン性化合物の使用により、色素を十分に定着させることができるためである。このようなカチオン性化合物としては、以下のものが例示できる。
カチオン性化合物としては、例えば、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド・ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩−SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体、14)アクリロニトリルとN−ビニルアクリルアミジン塩酸塩重合体のような5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂およびその加水分解物のようなポリアミジン系樹脂等のカチオン性化合物等が例示できる。
なお、顔料としてシリカ微粒子を使用し、さらにインク定着剤を配合すると、シリカ微粒子が凝集しやすい傾向があるので、予めシリカ微粒子とインク定着剤とを混合し、凝集したものを、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、ナノマイザーなどの高圧粉砕機などで微粒子状に調製しておくことが好ましい。
塗工層が形成されるインクジェット記録体の基材としては、目的に応じて紙、PET等の透明、半透明、不透明の物を用いることができる。
基材に紙を用いる場合には、その基紙の少なくとも片面、好ましくは両面を非通気性の樹脂などで被覆して、基材を非透気性とすることが好ましく、そのようなものとしては、樹脂としてポリオレフィンを用いたポリオレフィン樹脂被覆紙(以下、樹脂被覆紙という。)が好ましく例示できる。
基材が非透気性であると、そのインクジェット記録体に印字した時に、インク溶液中の溶媒の影響でインクジェット記録体が伸びて波打つ、いわゆるコックリングという現象が起こらないないという長所がある反面、基材がインク溶液中の溶媒を吸収しないために、基材上に形成される溶媒吸収層をより厚くする必要が生じ、溶媒吸収層がひび割れしやすくなるといった懸念が生じる。しかしながら、塗布液に一価のアルミン酸塩を添加することにより、より厚い溶媒吸収層を形成する場合でも、そのひび割れを抑制できるため、非透気性の基材を用い、その上に一価のアルミン酸塩を含む塗布液から溶媒吸収層を形成することにより、コックリングがなく、溶媒吸収層のひび割れのないインクジェット記録体を得ることができる。
なお、非透気性の基材とは、透気度が500秒以上の基材を意味する。基材の透気度は好ましくは1000秒以上である。透気度は、一般に、紙や不織布などの多孔性を評価する項目として知られている。透気度は、空気100mlが面積645mmの試験片を通過するのに要する時間で表され、JIS P 8117(紙及び板紙の透気度試験方法)に規定されている。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙としては、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等があり、これらのうち1種を単独で、または2種以上混合して用いる。基紙には、一般に製紙分野で用いられるサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
基紙の厚みに関しては特に制限は無いが、紙の抄造中または抄造後に、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体や、これらの混合物であり、密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)の異なるものを混合して使用してもよい。
また、ポリオレフィン樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
樹脂被覆紙は、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造でき、その両面が樹脂により被覆されることが好ましい。また、ポリオレフィン樹脂を基紙に被覆する前には、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施しておくことが好ましい。裏面には、ポリオレフィン樹脂を被覆しなくてもよいが、カール防止の点からは被覆した方が好ましい。裏面は、通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面に、コロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施してもよい。
被覆により形成されるポリオレフィン樹脂層の厚みとしては特に制限は無いが、一般に5〜50μmである。
樹脂被覆紙の含水率は6質量%以上が好ましく、さらに好ましくは6.5〜9.0質量%、より好ましくは7.0〜9.0質量%である。樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定でき、例えば、赤外線水分計、絶乾質量法、誘電率法、カールフィッシャー法等が挙げられる。また、含水率は、基紙を抄造する時、ドライヤーで乾燥状態を調整したり、乾燥終了後に調湿ゾーンを設けて調整したりする方法が一般的である。
樹脂被覆紙は、少なくとも塗工層が設けられる側の表面のJIS−P8142による75度鏡面光沢度が、30%以上70%未満になるように微粗面加工されたものが好ましい。より好ましい光沢度は35%以上70%未満であり、さらに好ましくは40%以上68%以下である。ポリオレフィン樹脂被覆紙は、上述したように、押出コーティング法により製造できるが、その際、ポリオレフィン樹脂は、基紙とクーリングロールとの間に押出される。ここでクーリングロールは、ポリオレフィン樹脂層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により高光沢、無光沢、または、パターン化された絹目状、マット状等に形成される。JIS−P8142による75度鏡面光沢度を30%以上70%未満とするには、微粗面加工したクーリングロールを使用すればよい。
また、基材には、帯電防止性、搬送性、カール防止性などの為に、各種のバックコート層を塗設してもよい。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有させてもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、例中の「部」および「%」は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
[基材]
1.基紙
カナダ標準ろ水度(JIS P8121)が250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、カナダ標準ろ水度が280mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中にパルプ絶乾質量に対しカチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪はんして分散させた。上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、緊度1.0g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性PVAと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製した。サイズプレス液を紙の両面の合計で25cc塗布して基紙を得た。
2.ポリオレフィン樹脂組成物1
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(石原産業社製、商品名:A−220)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商品名:Irganox1010)0.03部、群青(第一化成社製、商品名:青口群青No.2000)0.09部、蛍光増白剤(チバガイギー社製、商品名:UVITEX OB)0.3部を、バンバリーミキサーで混合分散してポリオレフィン樹脂組成物1とした。
3.ポリオレフィン樹脂組成物2
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm、メルトインデックス4g/10分)35部を、バンバリーミキサーで混合分散してポリオレフィン樹脂組成物2とした。
4.基材の作製
基紙の両面にコロナ放電処理を施した後、ポリオレフィン樹脂組成物1を基紙のフェルト面側に塗工量が27g/mとなるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2(裏面用樹脂組成物)を基紙のワイヤー面側に塗工量が30g/mとなるようにして、T型ダイを有する溶融押し出し機(溶融温度320℃)で塗布し、基紙のフェルト側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆した基材を製造した。
なお、この基材のJIS P 8117(紙及び板紙の透気度試験方法)による透気度は、1000秒以上であった。また、基材に形成されたポリオレフィン樹脂組成物1からなる層は厚さ32μmで、ポリオレフィン樹脂組成物2からなる層の厚さは38μmである。
[塗布液用シリカゾル]
(シリカゾルW)
ゲル法シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェット703A、平均1次粒子径:12nm、平均2次粒子径:約300nm)の20%水分散液を調製し、湿式法のシリカゾルであるシリカゾルW(アニオン性)とした。
(シリカゾルD)
市販乾式シリカ(トクヤマ社製、商品名:レオロシールQS−30、比表面積300m/g、平均1次粒子径:約10nm)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(ナノマイザー社製)を用いて粉砕分散を繰り返し、分級後平均2次粒子径が80nmからなる10%分散液を調製し、気相法のシリカゾルであるシリカゾルD(アニオン性)とした。
(シリカゾルCD)
シリカゾルDに5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(アクリルアミド・アクリロニトリル・N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩・N−ビニルアクリルアミド・ビニルアミン塩酸塩・N−ビニルホルムアミド塩酸塩共重合物、ハイモ社製、商品名:SC−700M)10部を添加し、顔料の凝集と分散液の増粘を起こさせた。再度、ナノマイザーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径(凝集粒子径)が250nmからなる10%水分散液を調製し、カチオン性の気相法シリカゾルであるシリカゾルCDとした。
(シリカゾルA)
アニオン性コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックスOL、平均1次粒子径:40〜50nm)20%水分散液を調製し、アニオン性のコロイダルシリカゾルであるシリカゾルAとした。
[実施例1]
(塗布液A)
シリカゾルW100部に、水溶性化合物であるアルミン酸ナトリウム(NaAlO)0.3部、PVA(クラレ社製、商品名:PVA140)20部、蛍光増白剤(住友化学社製、Whitex BPS)1部を混合し、濃度15%液に調整した。なお、使用したPVAの重合度は4000、ケン化度は98mol%以上である。
(塗布液B)
シリカゾルCD100部に、PVA(クラレ社製、商品名:PVA135)18部を混合し、濃度8%液に調整した。なお、使用したPVAの重合度は3500、ケン化度は98mol%以上である。
(塗布液C)
シリカゾルA100部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム2部を混合し、3%分散液に調整した。
(インクジェット記録体の製造)
上記基材に、上記塗布液Aをダイコーターで塗工量が10g/mとなるように塗工乾燥(乾燥温度105℃)して、塗工層(溶媒吸収層)を形成した。次いで溶媒吸収層の上に、1%硼砂水溶液を塗工量が0.2g/mとなるように塗工した。さらに塗布液Bを塗工量が15g/mとなるようにWet on Wetの条件で塗工乾燥(乾燥温度90℃)して、色素定着層を形成し、溶媒吸収層と色素定着層からなるインク受容層を形成した。インク受容層の上に、塗布液Cを塗工量0.5g/mとなるように塗工し、湿潤状態であるうちに光沢ロールに圧着、剥離し、その後 乾燥工程(乾燥温度90℃)を経て光沢層を形成し、実施例1のインクジェット記録体を得た。
得られたインクジェット記録体について、以下のように評価した。結果を表1に示す。
(評価方法)
インクジェット記録体のひび割れ、印字濃度、インク吸収性(ムラがなく均一であるかどうか)、光沢を以下に示す方法にて評価した。なお、印刷にはEPSON社製染料インクプリンター(商品名:PM−G820,写真用紙モード)を用いた。
1.ひび割れ
インクジェット記録体の光沢層の表面を目視評価した。
○:ひび割れがほとんど見えず、十分実用可能である。
×:ひび割れが目立ち、実用上問題がある。
2.印字濃度
PM−G820でブラックベタを印字して一晩放置した後、グレタグマクベス社製RD−19にて印字濃度を測定した。印字濃度が1.9以上であれば、実用上全く問題ない。
3.インク吸収性(ベタ均一性)
PM−G820でグリーンベタを印字し、均一性を目視評価した。吸収性の劣るものはムラが生じる。ムラは、先に打ち込まれたインクが、完全に記録体に吸収されないうちに次のインクが打ち込まれた場合に生じる現象であり、インク吸収速度が遅くなると、顕著に表れる。
○:ムラがほとんどわからず、十分実用可能である。
×:ムラが目立ち、実用上問題がある。
4.光沢
光沢感を目視評価した。評価用画像として「高繊細カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会(財団法人)発行」の画像名称「果物かご」を使用し、評価機種は前記PM−G820を使用した。
○:銀塩写真並の光沢感がある。
×:光沢感が不足し、銀塩写真に劣る。
[実施例2]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の添加量を0.01部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の添加量を1部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
シリカゾルWのかわりに、以下のシリカ18%水分散液を使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録体を得た。
シリカ18%水分散液は、平均2次粒子径2μmの合成無定形シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD、平均1次粒子径:13nm)を、サンドグラインダーにより分散した後、超音波ホモジナイザーで更に分散し、2次粒子の平均粒子径が250nmになるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイザーの分散操作を繰り返すことで、製造した。
得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりにアルミン酸カリウム(KAlO)を使用し、添加量を0.2部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の添加量を0.2部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いるとともに、基材として、ポリオレフィン樹脂被覆されていない基紙を使用した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
シリカゾルWのかわりに、以下のシリカ18%水分散液を使用した以外は実施例6と同様にしてインクジェット記録体を得た。
シリカ18%水分散液は、平均2次粒子径2μmの合成無定形シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD、平均1次粒子径:13nm)を、サンドグラインダーにより分散した後、超音波ホモジナイザーで更に分散し、2次粒子の平均粒子径が250nmになるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイザーの分散操作を繰り返すことで、製造した。
得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化ナトリウム(NaCl)を用い、その添加量を0.2部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化カリウム(KCl)を用いた以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化カルシウム(CaCl)を用いた以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化アルミニウム(AlCl)を用いた以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化カルシウム(CaCl)を用い、その添加量を0.2部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例4と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例6]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)の代わりに塩化ナトリウム(AlCl)を用い、その添加量を0.2部とした以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例4と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例7]
アルミン酸ナトリウム(NaAlO)を添加しない以外は塗布液Aと同様の塗布液を製造した。これを塗布液Aの代わりに用いた以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録体を得た。得られたインクジェット記録体について、実施例4と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007118402
[評価結果]
表1に示すように、溶媒吸収層として、一価のアルミン酸塩を含む塗布液から形成された塗工層を備えた各実施例のインクジェット記録体には、ひび割れが認められなかった。また、得られたインクジェット記録体の印字濃度、インク吸収性、光沢も優れていた。一方、溶媒吸収層として、アルミン酸塩以外の水溶性化合物を含む塗布液から形成された塗工層を備えた各比較例のインクジェット記録体には、ひび割れが認められ、実用上問題があることが示された。

Claims (6)

  1. 基材上に塗工層が形成されたインクジェット記録体の前記塗工層を形成するための塗布液であって、
    二次粒子径が1μm以下のシリカと、バインダー成分と、一価のアルミン酸塩とを含有することを特徴とするインクジェット記録体用塗布液。
  2. 前記シリカ100質量部に対して、前記アルミン酸塩が0.01〜1質量部配合されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録体用塗布液。
  3. 前記シリカは、アニオン性シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録体用塗布液。
  4. 基材上に、請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録体用塗布液から形成された塗工層を備えることを特徴とするインクジェット記録体。
  5. 前記塗工層上に、カチオン性化合物を含有する色素定着層がさらに形成されていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録体。
  6. 前記基材は、非透気性であることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録体。

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