JP2013184293A - 空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法 - Google Patents

空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、良好な染料インク及び顔料インクのインク吸収性と画像鮮明性をもちながら、銀塩写真用印画紙に匹敵する高い表面光沢を有する空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、多孔質微細顔料を水に混合して一次分散を行い、一次分散液を調製する工程、一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、多孔質微細顔料が微粒化した最終分散液を調製するか、一次分散液を超音波分散機にかけて二次分散を行い、多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、二次分散液を冷却して最終分散液を調製するか、又は、これらを組み合せて最終分散液を調製するかのいずれかを行う工程、ポリビニルアルコールを最終分散液に添加してインク吸収層用塗料を調製する工程、インク吸収層用塗料を支持体に塗工し、インク吸収層を形成する工程、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、染料インク及び顔料インクに関して良好なインク吸収性と画像鮮明性をもちながら、高光沢感を有する空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を吐出し、記録紙上に付着させることによってドットを形成し、記録を行う方式である。近年、インクジェットプリンター、インク、記録媒体の技術的進歩によって、印字品質の高い記録が可能になってきている。一般の普通紙でも一定以上のサイズ性があれば、滲みも少なくある程度の印字品質が期待できるが、より高い印字品質を求める場合には、媒体上にインクジェットプリンターのインクに対して適性のあるインク吸収層を各種基材上に設けた専用の媒体が使用される。これらインクジェット記録専用の媒体としては、紙及び/又はフィルムを支持体として、顔料と結着剤とを主成分とする顔料塗工層を有する媒体(いわゆる空隙型媒体)又は顔料を含まない樹脂塗工層を表面に設けた媒体(いわゆる膨潤型媒体)が多く使用される。
インクジェット記録専用媒体は、更に表面状態からマット調媒体と光沢媒体に分類される。銀塩写真により近い画像品質を要求する場合には、後者の光沢媒体が使用される。光沢媒体の一般的な製法としては、キャストコート法によってインク吸収層を形成して表面に光沢を付与する方法と印画紙用基材上にインク吸収層を形成する方法とがある。
後者の印画紙用基材は、一般にRC紙(レジンコート紙)といわれるように、紙の基材上にポリエチレンのフィルム層が形成されているためにインク吸収層をその表面に形成した場合、フィルム面が平滑であることからインク吸収層表面も平滑で、光沢のある表面を形成しやすい。また、RC紙を使用した場合は銀塩写真の風合いを醸し出しやすい。しかし、全体のコストは、インク吸収性をあげるために塗工量を多くする必要があり、また基材そのものが紙よりも高価であることから前者のキャストコート法による光沢媒体に比べ高い価格のものとなる。また、廃棄する場合には、複合素材であることからリサイクルができないといった問題点もあり、エコロジーの観点からは紙ベースでリサイクル可能な、キャストコート法で製造された光沢媒体の方に優位性がある。
一方で、従来の主流であった染料着色剤を使用した染料インクだけでなく、耐水性、耐光性などの保存性に優れた着色顔料を分散した顔料インクも使用されるようになっている。これら顔料インクの平均粒子径はおおよそ50〜100nmであって、染料分子の5〜10倍の大きさであるために必然的に記録媒体への吸収速度も異なる。従って、インクジェット記録媒体に染料インクと顔料インクとの両者のインクによる記録適性をもたせるためには、染料インクによるインクジェット記録専用の記録媒体とは異なるインク吸収層とする必要がある。
染料インクよりも顔料インクの吸収速度が遅いことから、塗工層は適正サイズの細孔が必要であり、膨潤型の塗工層では適正サイズの細孔を形成させることが困難なために顔料インクの吸収性が悪くなってしまう。
インク吸収層に顔料インク吸収適性と高い光沢感を持たせるためには、インク吸収層用塗工液の顔料として、平均粒子径が500nmよりも小さく、かつ比表面積が100m/gよりも大きな顔料(以降、このような顔料を多孔質微細顔料という。)を使用することが一般的である。しかし、この多孔質微細顔料は水への分散性が極端に悪い。このため、塗工液の濃度を高くすると粘度が高くなり、インク吸収層用塗工液の安定性が悪くなるため、製造効率や製品歩留まりに悪影響を及ぼす場合が多い。従って、インク吸収層用塗工液の顔料として多孔質微細顔料を用いる場合は、多孔質微細顔料をいかに分散させるかが技術上の重要項目となる。
前記多孔質微細顔料の従来の分散技術としては、ホモミキサー(超高速ホモジナイザーともいう)、高圧ホモジナイザー、ビーズミルなどのメディアミル、などを用いた分散方法が挙げられる(例えば、特許文献1又は2を参照。)。
特開2004−276466号公報 特開2008−246755号公報
しかし、特許文献1に記載の技術の場合においては、メディアミルが使用されているため、ビースなどのメディアが摩擦で削れて異物が分散液に混ざりやすい欠点を有する。また、メディアを交換していく必要が生じるためにランニングコストが高い。
また、特許文献2に記載の技術の場合においては、高圧ホモジナイザーを使用しているために分散処理流量が少なく、分散液調製の効率が低下するために全体の製造効率に悪影響を及ぼす。また、超高圧耐久のノズルなどの交換によりランニングコストが高くなる。
よって、本発明者らの研究結果から、上記従来技術は、染料インクと顔料インク印字品質の両立している空隙型のインクジェット記録用光沢媒体の製造技術として、製造コストと品質とのバランスが考慮されている技術とはいい難い。
そこで、本発明の目的は、空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法において、染料インク及び顔料インク適性をもちながら、銀塩写真並の高光沢感(高い鏡面性)を有する記録媒体を効率良く生産する製造方法を提供することにある。
本発明に係る空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法は、インク吸収層として、顔料と結着剤とを主成分とする顔料塗工層を有する空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法において、前記顔料として多孔質微細顔料を水に混合して一次分散を行い、一次分散液を調製する工程と、該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した最終分散液を調製するか、該一次分散液を超音波分散機にかけて二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液を冷却して最終分散液を調製するか、又は、該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液をさらに冷却して最終分散液を調製するかのいずれかを行う工程と、前記結着剤として少なくともポリビニルアルコールを前記最終分散液に添加してインク吸収層用塗料を調製する工程と、該インク吸収層用塗料を支持体に塗工し、インク吸収層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法では、更に、前記最終分散液の液温が5〜60℃であることが好ましい。インク吸収層用塗工液の残渣が低減して、光沢感に優れる空隙型インクジェット記録用光沢媒体を得ることができる。
本発明に係る空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法では、更に、前記最終分散液中の多孔質微細顔料の平均粒子径が300nm以下であることが好ましい。このような方法によれば、光沢感に優れる空隙型インクジェット記録用光沢媒体を得ることができる。
本発明に係る空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法では、更に、前記ポリビニルアルコールが少なくともシラノール変性ポリビニルアルコールを含むことが好ましい。このような方法によれば、光沢感に優れる空隙型インクジェット記録用光沢媒体を得ることができる。
本発明に係る空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法では、更に、前記インク吸収層の乾燥方法がキャスト法であることが好ましい。支持体として紙基材を用いても高い光沢感を得ることが可能であり、リサイクル可能な空隙型インクジェット記録用光沢媒体を製造することができる。
本発明のインクジェット記録用光沢媒体の製造方法によって得られる光沢媒体は、非常に良好な表面光沢感、染料インク及び顔料インクのインク吸収性を高いレベルで両立しており、製造コストも低い。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録用光沢媒体の製造方法は、インク吸収層として、顔料と結着剤とを主成分とする顔料塗工層を有する空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法において、前記顔料として多孔質微細顔料を水に混合して一次分散を行い、一次分散液を調製する工程(以降、第1工程ともいう。)、と、該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した最終分散液を調製するか(以降、第2a工程ともいう。)、該一次分散液を超音波分散機にかけて二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液を冷却して最終分散液を調製するか(以降、第2b工程ともいう。)、又は、該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液をさらに冷却して最終分散液を調製するか(以降、第2c工程ともいう。)のいずれかを行う工程と、前記結着剤として少なくともポリビニルアルコールを前記最終分散液に添加してインク吸収層用塗料を調製する工程(以降、第3工程ともいう。)と、該インク吸収層用塗料を支持体に塗工し、インク吸収層を形成する工程(以降、第4工程ともいう。)と、を有する。
本実施形態で使用する超音波分散機(超音波ホモジナイザーともいう。)とは、超音波によって分散液を激しく振動させ、内部に極度に激しいキャビテーションを発生させ、キャビテーションの陰圧部が消滅する際の膨大なエネルギーによってジェット流を発生させ、このエネルギーで分散を行う装置のこという。本装置の特徴として、稼動部がないために洗浄性に優れる、高圧下の使用でないので簡単な構造である、ビーズミルのようなメディアの使用がないのでメディアが摩擦で削れることによる異物混入の心配がなく歩留まりが良い、ことが挙げられる。本実施形態においては、上記の原理を有する装置であれば、いかなる装置でも使用することが可能であり、また、上記装置を2台以上直列及び/又は並列につなげて使用することも可能である。超音波分散機としては、DKSHジャパン社製の分散機を例示することができる。
また、前述のように前記超音波分散機は瞬間的に分散液に膨大なエネルギーが付加されるため、分散液の液温が上がり易い。ここでの液温の上昇は、分散液の粘度や分散時間によっても度合いが異なるが、多孔質微細顔料は水中での分散性が極端に悪いことから、インク吸収層を形成する塗工液として適切な顔料濃度の塗工液を得ようとすると、多孔質微細顔料分散後の塗工液の液温は70℃以上となりやすい。例えば粘度1000cpsの分散液を30分間分散させた場合、分散液の液温は70℃以上になることがある。本実施形態においては、超音波分散後の分散液の冷却が必要であり、冷却はいかなる方法でも実施可能である。また、冷却のタイミングは超音波分散と同時(第2a工程に対応。)でも、超音波分散の後(第2b工程に対応。)でも、両方のタイミング(第2c工程に対応。)でも実施可能である。前記最終分散液の液温が高すぎると、ポリビニルアルコール添加時(第3工程に対応。)に残渣が生じ易く、インク吸収層の光沢感を損なう虞がある。
本実施形態においては、前記最終分散液の液温が5〜60℃であることが好ましい。最終分散液の液温が60℃を超える場合はインク吸収層用塗工液の残渣が生じ易い。最終分散液の液温が5℃未満においては、最終分散液へのポリビニルアルコール添加時に混ざりが悪いためにインク吸収層用塗工液の流動性に劣る。好ましくは、10〜50℃である。
本実施形態においては、前記最終分散液の多孔質微細顔料の平均粒子径が300nm以下であることが光沢感の観点から好ましい。好ましくは250nm以下であり、更に好ましくは200nm以下である。300nm以下とすることにより光沢感に優れたインク吸収層を得ることができる。また、本発明において、最終分散液の多孔質微細顔料の平均粒子径は動的光散乱法にて測定した。
更に、本実施形態においては、インク吸収層に含有させる多孔質微細顔料としては、気相法シリカ、沈降法シリカ、ゲル法シリカ、アルミナ修飾シリカ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、σ−アルミナ、擬ベーマイト、ベーマイトなどを挙げることが出来る。本発明においては、前記多孔質微細顔料の比表面積が100〜400m/gであることが好ましい。より好ましくは150〜380m/gであり、特に好ましくは180〜350m/gである。BET比表面積が100m/g未満であると、顔料インクの画像鮮明性に劣ることがある。BET比表面積が400m/gを超えると塗工液の粘度が高すぎて安定性に劣ることがある。ここで、BET比表面積は、BET法によって求めた単位質量あたりの表面積である。BET法とは、気相吸着法による粉体の比表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常、吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。本発明の効果を損なわない範囲において2種以上を併用して用いることもできる。
本実施形態においては、本発明の効果を損なわない範囲において前記インク吸収層用塗工液にコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ又はその両方を添加することができる。プリンター搬送時の光沢表面の傷付き防止のために球状コロイダルシリカと併用することも可能である。更に好ましくは、平均粒子径が50nm〜300nmの球状コロイダルシリカと併用することがよい。特に好ましくは、平均粒子径が50nm〜300nmのカチオン性球状コロイダルシリカと併用することがよい。
インク吸収層に含有させる結着剤としては、ポリビニルアルコール(カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコールなども含む。)が必須である。
前記ポリビニルアルコールとしてはシラノール変性ポリビニルアルコールを使用することが好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールを含有させることで、塗工層のひび割れを低減させ、顔料インクの画像鮮明性を優れたものにすることが可能である。本実施形態においては、このシラノール変性ポリビニルアルコールの添加量が顔料100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。1質量部未満では、塗工層強度に劣ることがある。添加量が20質量部を超えると、インク吸収性に劣り、塗工液の安定性が損なわれる傾向にあって塗工性に問題が発生することがある。より好ましくは、顔料100質量部に対して1.5〜15質量部である。さらに好ましくは、顔料100質量部に対して2〜13質量部である。
また、前記ポリビニルアルコールは、鹸化度78〜95mol%の、いわゆる部分鹸化ポリビニルアルコールであることが好ましい。より好ましい鹸化度は、79〜94mol%であり、さらに好ましい鹸化度は、80〜92mol%である。鹸化度78〜95mol%の部分鹸化ポリビニルアルコールを含有させることで塗工層のひび割れの発生量を適度にコントロールでき、顔料インクの画像鮮明性を優れたものにすることが可能である。鹸化度が78mol%未満では、塗工層のひび割れが少なすぎて染料インクの吸収性が悪化することがある。また、鹸化度が95mol%を超えると、塗工層のひび割れが多すぎて顔料インクの画像鮮明性が悪化することがある。本実施形態においては、この部分鹸化ポリビニルアルコールの添加量が顔料100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。1質量部未満では、塗工層強度が劣る場合がありうる。添加量が20質量部を超えると、インク吸収性に劣り、塗工液の安定性が劣る傾向にあって塗工性に問題が発生することがある。より好ましくは、顔料100質量部に対して2〜15質量部である。さらに好ましくは、顔料100質量部に対して3〜14質量部である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリビニルアルコール以外の結着剤をポリビニルアルコールと併用することも可能である。ポリビニルアルコール以外の結着剤としては、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類、コロイダルシリカとアクリル樹脂の複合体樹脂、コロイダルシリカとスチレン−アクリル樹脂の複合体樹脂、などを例示でき、これらの1種又は2種以上を用いることができる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク吸収層の強度、表面光沢感、塗工液性などを考慮して決定する。通常、顔料100質量部に対し1〜100質量部の範囲で添加される。好ましくは、5〜60質量部程度の範囲で添加され、更に好ましくは10〜50質量部である。1質量部未満であると、塗工層強度が低下することがある。100質量部を超えると、インク吸収性が低下することがある。
また、本実施形態としては、インク定着剤としてのカチオン性高分子をインク吸収層に含有することも可能である。カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリアミン、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジメチルアミンアンモニアエピクロルヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジウムハライド、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリスチレン共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドアミド共重合物、ジシアンジアミドホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、カチオン変性ポリビニルアルコール、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型化合物、ポリアミジン化合物、その他第4級アンモニウム塩類などが用いられ、これらを2種以上併用してもかまわない。
更に、本実施形態の製造方法においては、インク吸収層の乾燥は、キャストコート法によって行うことが好ましい。キャストコート法には、ウェット法、凝固法、再湿潤法が知られており、本実施形態においては凝固法であることが好ましい。凝固法は、塗工層が湿潤状態にあるうちに凝固液を塗布して凝固処理してキャストドラムに圧接する方法である。凝固処理においては、凝固剤は、塗工層の結着剤成分と効果的に凝固するものを選定することが重要であり、本実施形態においてはホウ素化合物が好ましい。より好ましくは、ホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸又はその両方である。また、凝固液濃度が高い場合は、凝固力が強くなり、耐傷性がより良化するので好ましい。凝固剤の含有量は、凝固しうる結着剤に対して5質量%以上が好ましい。5質量%未満の場合は、表面強度が低下するおそれがあり、更に好ましくは10質量%以上である。また、本発明においては、インク吸収層の最表層を塗工して乾燥させた後に再湿潤液にて塗工層を湿潤状態にしてキャストドラムに圧接する、いわゆる再湿潤法によっても可能である。
また更に、インク吸収層には分散剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、耐水化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの助剤を適宜選定して添加することができる。
本実施形態のインク吸収層を形成する塗工液の塗工方法としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター、同時多層塗工機などの公知の塗工機があるが、いずれのものを用いてもよい。
インク吸収層の全体の塗工量(絶乾質量)は10〜40g/mが好ましい。更に好ましくは、15〜30g/mである。塗工量が40g/mを超えると生産性が劣り、塗工量が10g/m未満の場合には顔料インクの吸収性に劣る。
また、本実施形態においては、インク吸収層の乾燥をキャストコート法で行う場合、前記凝固液、前記再湿潤液のいずれの中にも写像性付与のためにコロイダルシリカを含有させてもかまわない。また、凝固液、再湿潤液のいずれの中にコロイダルシリカを含有することによって、光沢表面がさらさらとした手触り感となり、銀塩写真のような風合いを出すことが可能となる。また、本実施形態においては、凝固液、再湿潤液のいずれの中に写像性付与のために樹脂を含有させてもかまわない。
また、インク吸収層の乾燥をキャストコート法で行う場合、キャストドラム温度、圧着するときの圧力、及びライン速度を調整することによって、写像性の高い光沢表面が形成できる。これらの諸条件については、使用する設備、塗工液に応じて最適条件を求めることで適正化する必要がある。
また、キャスト処理後にマシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダーなどのカレンダー処理を行ってもよいし、カール調整のため、裏面に水、カール調整剤などを塗工したり、加湿したりしてカール調整を行うこともできる。
本実施形態の空隙型インクジェット記録用光沢媒体は、インク吸収層が2層以上であることが経済性及びインク吸収性の観点から好ましい。この場合、紙基材表面に最も近いインク吸収層(以下、下塗り層と略す。)は、白色顔料と結着剤成分とを主成分とすることが好ましい。
下塗り層に用いる顔料としては、公知の白色顔料を1種以上含むものであり、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪藻土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、サチンホワイト、気相法シリカ、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナなどの白色無機顔料、又はアクリル、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ナイロンなどの有機顔料が挙げられる。本発明においては、合成シリカを含有することが好ましい。本実施形態で用いる合成シリカは、平均粒子径が1.0〜15.0μmの範囲が好ましい。合成シリカの平均粒子径が1.0μm未満では染料インクのインク吸収性が低下し、15.0μmを超える場合は顔料インクの画像鮮明性が低下するおそれがある。より好ましくは、合成シリカの平均粒子径が4.0〜12.0μm、更に好ましくは、5.0〜10.0μmの範囲である。また、本実施形態で用いる合成シリカの細孔容積は、1.0〜2.5cm/gの範囲が好ましい。合成シリカの細孔容積が1.0cm/g未満では染料インクのインク吸収性が低下し、2.5cm/gを超える場合は顔料インクの画像鮮明性が低下するおそれがある。より好ましくは、合成シリカの細孔容積が1.3〜2.3cm/g、更に好ましくは、1.5〜2.1cm/gの範囲である。合成シリカの細孔容積は、窒素吸着法から求められる。
下塗り層に含有させる結着剤は、ポリビニルアルコール(シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコールなども含む。)、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス類などが例示され、単独又は併用して用いられる。結着剤の使用量は、記録媒体の印字適性、インク吸収層の強度、塗工液性を考慮して決定される。通常、下塗り層に含有される顔料100質量部に対し1〜200質量部の範囲で添加される。好ましくは、5〜100質量部、更に好ましくは10〜90質量部の範囲で添加される。1質量部未満であると、塗工層強度が低下することがある。200質量部を超えると、インク吸収性が低下することがある。
下塗り層に含有する助剤としては、必要に応じて消泡剤、分散剤、湿潤剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料、増粘剤、防腐剤、耐水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加使用できる。
下塗り層を形成する塗工液の塗工方法としては、エアーナイフ、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、ブレードコーター、同時多層塗工機などの公知の塗工機があるが、いずれのものを用いてもよい。下塗り層の塗工量(絶乾質量)は、特に限定されないが、塗工量が少なすぎる場合は、インク吸収性が劣ることから固形分換算で5g/m以上とすることが好ましい。また、塗工量が多すぎる場合は、下塗り層の上のインク吸収層塗工時にバインダーマイグレーションが発生し、写像性が低下するおそれがあるので30g/m以下が好ましい。より好ましくは、6〜25g/m、更に好ましくは7〜20g/mである。下塗り層を形成する塗工液を2回以上塗工して、下塗り層を2層以上で構成してもよい。
また、下塗り層塗工後に一定の平滑性を出すために、下塗り層を塗工後に一定の平滑性を出すスーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダーなど公知のカレンダー装置によって処理することも可能である。
また、インク吸収層は、基材の片面だけでなく、両面に設けてもよい。両面印刷用とすることができる。
本実施形態においては、本発明の効果を損なわない限り、支持体として如何なる形態のものも用いることが可能である。上述したようにリサイクル性の観点からは紙支持体が好ましい。また、インク吸収層の乾燥をキャスト法にて行う場合は透気性のある紙支持体を用いることが好ましい。本実施形態で透気性を有する紙基材を使用する場合は、上質紙、中質紙、白板紙などの紙基材を用いることができる。また、酸性紙、中性紙なども使用することが可能である。また、本実施形態においては、環境負荷の少ないECF(Elemental Chlorine Free)パルプ又はTCF(Totally Chlorine Free)パルプの使用が望ましい。また、使用する填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、合成シリカ、アルミナ、タルク、焼成カオリンクレー、カオリンクレー、ベントナイト、ゼオライト、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などの公知の填料を使用することが可能である。
また、紙料中には前記パルプ、填料以外にも公知の紙力剤、硫酸バンド、歩留まり向上剤、サイズ剤、染料、蛍光染料などの各種抄紙用薬品が適宜用いられる。各紙料の調製方法、配合、各抄紙薬品の添加方法については、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されない。また、前記紙料を用いて円網抄紙機、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの公知の抄紙機を適用して抄造することが可能であり、単層抄きでも多層抄きでもかまわない。更に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、紙基材に古紙を配合することも可能である。また、塗工液の過度の浸透を抑制するために、紙基材には、サイズプレスなどで澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの公知の水溶性高分子を塗布することが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」、「%」は、特に明示しない限りそれぞれ固
形質量部、固形質量%を示す。
(実施例1)
(下塗りインク吸収層の形成)
下塗りインク吸収層の顔料として合成シリカ(ニップジェルAZ−410、平均粒子径4.0μm、細孔容積1.8cm/g、東ソー・シリカ社製)100質量部と、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117K:クラレ社製)10質量部及びエチレン−酢酸ビニル(ポリゾールEVA AD−10:昭和高分子社製)40質量部と、更にカチオン性高分子(ハイマックスSC−103:ハイモ社製)5質量部とを用い、固形分濃度25質量%の下塗り層用塗工液を得た。続いて、この下塗り層用塗工液をエアーナイフコーターで絶乾塗工量8g/mとなるように坪量160g/mの上質紙の片面に塗工・乾燥して下塗り層を塗設した。
(上塗りインク吸収層の顔料分散液の調製)
次に、多孔質微細顔料としての気相法シリカ(A200、BET比表面積200m/g:日本アエロジル社製)100質量部、カチオン性高分子(ハイマックスSC−100:ハイモ社製)10質量部を水に混合して固形分濃度25質量%の一次分散液を得た(第1工程)。この一次分散液の粘度は300cpsであった。次いで、この一次分散液を収容した容器を冷水で冷却しながら超音波分散機(DKSHジャパン社製、型番UP400S)にて30分間分散することによって最終分散液を得た(第2a工程)。この時の最終分散液の粘度は50cps、液温は60℃であった。
(上塗りインク吸収層の形成)
次に、上記多孔質微細顔料の最終分散液に、結着剤としてシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130:クラレ社製)2質量とポリビニルアルコール(PVA−235、鹸化度87mol%:クラレ社製)8質量部とカチオン性ポリウレタン樹脂(ハイドランCP−7020:大日本インキ工業社製)15質量部を配合してセリエミキサーで攪拌して固形分濃度15%の塗工液を得た(第3工程)。この塗工液を下塗り層形成面にエアーナイフコーターで絶乾塗工量10g/m塗工した(第4工程)。次いで、凝固剤としてホウ酸を1.0%及びホウ酸ナトリウムを1.0%とを含む水溶液を凝固液(凝固液の濃度は2.0%)として絶乾塗布量1.0g/mとなるように更に塗布して凝固処理を行ったのち、得られた塗工層表面が湿潤状態にあるうちに表面温度105℃のキャストドラムに圧着し、インクジェット記録用光沢媒体を作製した。
(実施例2)
実施例1において、多孔質微細顔料としてアルミナ(アルミナC、BET比表面積100m/g:デグサ社製)100質量部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。この時の最終分散液の液温は60℃であった。
(実施例3)
実施例1において、多孔質微細顔料として気相法シリカ(A300、BET比表面積300m/g:日本アエロジル社製)100質量部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。この時の最終分散液の液温は60℃であった。
(実施例4)
実施例1において、最終分散液の液温を5℃とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。
(実施例5)
実施例3において、凝固剤としてホウ酸を1.0%及びホウ酸ナトリウムを1.0%、球状コロイダルシリカ(スノーテックスYL、日産化学工業社製)0.5%とを含む水溶液を凝固液(凝固液の濃度は2.5%)とした以外は実施例3に記載したとおりの条件で
インクジェット記録用光沢媒体を作製した。この時の最終分散液の液温は60℃であった。
(実施例6)
実施例1において、一次分散液を、冷水での冷却を行わずに超音波分散機にて分散し、次いで、この分散液を収容した容器を冷水で冷却することにより最終分散液を得た(第2b工程)以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。超音波分散機による分散直後の分散液の液温は80℃であった。また、冷却後の最終分散液の液温は60℃であった。
(実施例7)
実施例1において、一次分散液を、冷水での冷却を行いながら超音波分散機にて分散し、次いで、この分散液を収容した容器を冷水で冷却することにより最終分散液を得た(第2c工程)以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。超音波分散機による分散直後の分散液の液温は60℃であった。また、冷却後の最終分散液の液温は40℃であった。
(比較例1)
実施例1において、二次分散を行わなかったこと以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した。
(比較例2)
実施例1において、二次分散時に冷却を行わなかったこと以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した(この時の最終分散液の液温は80℃だった。)。
(比較例3)
実施例1において、二次分散をホモミキサー(日本精機製作所社製、型番BM−2)で行ったこと以外は実施例1に記載したとおりの条件でインクジェット記録用光沢媒体を作製した(この時の最終分散液の液温は30℃だった。)。
得られたインクジェット光沢媒体について、次の試験を実施し、結果を表1に示した。
Figure 2013184293
(1)上塗りインク吸収層の塗工液の残渣
得られたインク吸収層の塗工液1000gを採取して200メッシュ(目開き75μm)のふるいでろ過した時のふるいに残った残渣を目視にて評価した。
◎:残渣が全くなく、極めて良好。合格。
○:残渣がほとんどなく、良好。合格。
△:残渣が目立ち、実用上問題がある。不合格。
×:残渣が著しく目立ち、実用不可。不合格。
(2)最終分散液の多孔質微細顔料の平均粒子径
得られた多孔質微細顔料の最終分散液の平均粒子径を測定した。平均粒子径の測定は、最終分散液を固形分濃度0.2質量%に稀釈して動的光散乱法による粒子径測定装置(ELSZ−2:大塚電子社製)を用いて行った。
(3)光沢発現層表面の写像性:
得られたインクジェット記録用光沢媒体の光沢発現層表面の鏡面性を評価するために写像性を測定した。写像性は、JIS H 8686−2:1999アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法―第2部:機器測定法に準じて、光学くし幅2mmにて入反射角度60°とし、写像性測定器(ICM−1T:スガ試験機社製)にて測定した。評価としては、写像性が65%以上は、反射した像が鮮明に写り、白紙光沢感に優れ、染料インクおよび顔料インクの印字部の画像鮮明性にも優れており合格。65%未満では、反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣り、染料インクおよび顔料インクの印字部の画像鮮明性にも劣り不合格。更に好ましくは70%以上である。
(4)染料インクの画像鮮明性:
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製染料インク専用インクジェットプリンター「EP−803A」を用い、得られたインクジェット記録用光沢媒体に印字した。印字した画像を目視によって評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしており、印字部の光沢感も高く、銀塩写真の代替品として実用できる。合格。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしており、印字部の光沢感も高く、銀塩写真の代替品として実用できる。合格。
△:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしているが、印字部の光沢感が低く、銀塩写真の代替品として実用上問題がある。不合格。
×:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでおり、印字部の光沢感も低く、銀塩写真の代替品として実用不可。不合格。
(5)染料インクの吸収性:
セイコーエプソン社製染料インク専用インクジェットプリンター「EP−803A」を用い、CMYKの各インクを用いて、CMYKの各インクのベタ(100%濃度)及び文字、並びにRGB(Red-Green-Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用光沢媒体に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視によって評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明であり、実用できる。合格。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明であり、実用できる。合格。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。不合格。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。不合格。
(6)顔料インクの画像鮮明性:
ISO標準画像(ISO/JIS−SCID高精細カラーデジタル標準画像データ、画像の名称:ポートレート、画像の識別番号:N1)をセイコーエプソン社製顔料インク専用インクジェットプリンター「PX−G930」を用い、得られたインクジェット記録用光沢媒体に印字した。印字した画像を目視によって評価した。
◎:記録画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしており、印字部の光沢感も高く、銀塩写真の代替品として実用できる。合格。
○:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしており、印字部の光沢感も高く、銀塩写真の代替品として実用できる。合格。
△:記録画像が鮮明でコントラストがはっきりしているが、印字部の光沢感が低く、銀塩写真の代替品として実用上問題がある。不合格。
×:記録画像が鮮明であるがコントラストがはっきりしなく、色が沈んでおり、印字部の光沢感も低く、銀塩写真の代替品として実用不可。不合格。
(7)顔料インクの吸収性:
セイコーエプソン社製顔料インク専用インクジェットプリンター「PX−G930」を用い、CMYKの各インクを用いて、CMYKの各インクのベタ(100%濃度)及び文字、並びにRGB(Red-Green-Blue)のベタ(100%濃度)及び文字を得られたインクジェット記録用光沢媒体に印字した。ベタ部の各色の境界及び文字のにじみの程度を目視によって以下のように評価した。
◎:境界がくっきりしてにじみが全く無く、文字が鮮明であり、実用できる。合格。
○:境界のにじみが目立たず、文字が鮮明であり、実用できる。合格。
△:境界のにじみが目立ち、文字が不鮮明で実用上問題がある。不合格。
×:境界のにじみがひどく、文字が判別できなくなり実用上不可。不合格。
表1から明らかなように、実施例1〜7は、比較例1〜3に比べて染料インク及び顔料インクのインク吸収性と画像鮮明性とに優れ、かつ、表面の光沢感に優れていた。実施例では、超音波分散機にて多孔質微細顔料を微粒化しながら冷却した後にインク吸収層用塗工液を調製したため、染料インク及び顔料インクの画像解明性を優れたものにすることができた。
比較例1は、二次分散を行わなかったために写像性及び顔料インクの画像鮮明性に劣った。比較例2は、二次分散時に分散液を冷却しなかったためにインク吸収層用塗工液の残渣が増加して写像性及び顔料インクの画像鮮明性に劣った。比較例3は、二次分散時に超音波分散機を使用しなかったために写像性及び顔料インクの画像鮮明性に劣った。

Claims (5)

  1. インク吸収層として、顔料と結着剤とを主成分とする顔料塗工層を有する空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法において、
    前記顔料として多孔質微細顔料を水に混合して一次分散を行い、一次分散液を調製する工程と、
    該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した最終分散液を調製するか、該一次分散液を超音波分散機にかけて二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液を冷却して最終分散液を調製するか、又は、該一次分散液を超音波分散機にかけて冷却しながら二次分散を行い、前記多孔質微細顔料が微粒化した二次分散液を得た後、該二次分散液をさらに冷却して最終分散液を調製するかのいずれかを行う工程と、
    前記結着剤として少なくともポリビニルアルコールを前記最終分散液に添加してインク吸収層用塗料を調製する工程と、
    該インク吸収層用塗料を支持体に塗工し、インク吸収層を形成する工程と、を有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法。
  2. 前記最終分散液の液温が5〜60℃であることを特徴とする請求項1に記載の空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法。
  3. 前記最終分散液中の多孔質微細顔料の平均粒子径が300nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法。
  4. 前記ポリビニルアルコールが少なくともシラノール変性ポリビニルアルコールを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法。
  5. 前記インク吸収層の乾燥方法がキャスト法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の空隙型インクジェット記録用光沢媒体の製造方法。
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