JP4581705B2 - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録体の製造方法に関し、特に、高光沢度、高平滑性を有し、かつインク吸収性が良好であり、製造が極めて容易なインクジェット記録体の製造方法に関する。
水性インクを微細なノズルから噴出して記録体に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること、また、他の印刷装置より安価であること等の理由から、端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
近年、プリンタの急速な普及や高精細・高速化、さらにはデジタルカメラの登場により、インクジェット記録方式において用いられる記録体にも高度な特性が要望されるようになっている。
すなわち、速いインク吸収性、高い記録濃度、優れた耐水性や保存性等の記録特性、特に、銀塩写真に匹敵する画質、表面光沢および保存性を兼ね備えたインクジェット記録体の実現が強く求められている。
一般に、インクジェット記録体に光沢を付与する方法としては、スーパーカレンダー等の装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することによって塗工層表面を平滑化する方法(カレンダー仕上げ)が知られている。
しかし、カレンダー仕上げにより得られるインクジェット記録体は、光沢度が不十分であるうえに、塗工層の空隙が減少してしまうため、インク吸収性が低下し、結果として印字のにじみを生じやすくなるという問題を有している。
また、光沢度を向上させるために、光沢を有する平滑なプラスティックフィルムまたは樹脂被覆紙(例えば、ポリエチレンラミネート紙)の表面に、澱粉、ゼラチン、水溶性セルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、変性ポリウレタン等のインク吸収性樹脂によるインク受容層を設けたインクジェット記録体も数多く提案されている。
しかし、このようなインクジェット記録体は、ある程度の光沢度は得られるものの、インク吸収性は十分でなく、インクの乾燥も遅いために、ハンドリングが悪く、インクの吸収ムラが発生しやすく、耐水性やカールも劣るという問題がある。
そこで、樹脂被覆紙などの平滑な支持体に、コロイダルシリカなどの微細な顔料を主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録体が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1には、樹脂被覆紙上に、樹脂被覆紙上に近い方から一次粒子の平均粒径が50nm以下の気相法による合成シリカを含有する層及びコロイダルシリカを含有する層を少なくとも有するインクジェット記録用シートが提案されている。しかしながら、光沢性、耐擦傷性は向上するが、コロイダルシリカのような一次粒子体は空隙率が低くなるため、インク吸収性が低下しやすい。インク吸収性を持たせるために塗布量を低下させると、干渉縞を生じて光沢面の品質が低下したり、十分な光沢性が得られない。
特許文献2には、樹脂被覆紙上に、該樹脂被覆紙に近い側から、一次粒子の平均粒子径が30nm以下の気相法による合成シリカを含有する層とカチオン性コロイド粒子を含有する層とを少なくとも有するインクジェット記録用シートが提案されている。カチオン性コロイド粒子を用いることにより、印画後の画像の経時による滲み及び耐水性が改善されるものの、特許文献2と同様に、インク吸収性が低下する問題がある。
一方、別の光沢を付与する方法として、加熱した鏡面ロールに湿潤塗工層を圧着させ、乾燥することにより、その鏡面を写し取ることによって得られる、いわゆるキャスト塗工法が知られている(例えば、特許文献3及び4参照。)。
キャスト塗工法としては、
(1)顔料および接着剤を主成分とする顔料組成物を原紙上に塗工後、塗工層が湿潤状態にある間に、加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、
(2)湿潤状態の塗工層を酸や塩、熱によりゲル状態とし、これを加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするゲル化キャスト法、
(3)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、これを再湿潤液で湿潤可塑化し、これを加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするリウェットキャスト法等のキャスト塗工法が、一般に知られている。
これらのキャスト塗工法は、当業者間では、それぞれ別個の技術として認知されているものではあるが、いずれも湿潤可塑化状態にある塗工層表面を、鏡面ロールに圧接、乾燥し、鏡面ロールから離型して鏡面を写し取る点においては、共通するものである。
このようなキャスト塗工法により得られるキャスト塗工紙は、カレンダー仕上げされた通常の記録体に比較して、高い表面光沢と優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから高級印刷物等の用途に専ら利用されている。
しかしながら、これらのキャスト塗工法を利用したインクジェット記録体は、インク吸収性を高めるため、シリカやアルミナなどの微細な顔料を用いているので、印刷用紙とは異なり、離型性が悪く、連続操業性が劣る傾向にある。更に、キャスト塗工法は、湿潤した塗料を鏡面ロールに接触させて乾燥するため、塗料中の水分が蒸気となって支持体の裏面に抜けることが必要であるため、紙などの透気性の高い支持体を使用する必要がある。紙などの支持体に用いると、印字した際に、インク中に含まれる水分等の溶媒の影響で記録体が伸びて波打つ、いわゆるコックリングという欠陥が観察されることが知られている。コックリングは、印字物の外観を損なうのみならず、コックリングを生じた記録体と記録ヘッドが接触して記録体を汚したり、甚だしい場合は記録体が破れ、または記録ヘッドの故障を引き起こす場合がある。
コックリングを抑えるために樹脂被覆紙など透気性の低い支持体を用い、且つキャスト塗工法によって得られる高光沢を有するインクジェット記録媒体として、特許文献5の提案がある。
特許文献5は、低透気性又は非透気性の支持体上に、顔料と接着剤を有するインク受容層を形成し、次いで、微細顔料と離型剤を有する光沢層を形成するインクジェット記録体において、微細顔料を有する光沢層用塗布液層を設ける工程、該塗布液層を鏡面ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段で光沢層を形成することにより高光沢のインクジェット記録体を提供するものである。
しかしながら、この製造方法では、塗工層が未乾燥の状態で鏡面ロールより剥がす必要があるので、連続運転中に、鏡面ロールに貼り付いたまま離型しなくなったり、プレス工程において鏡面ロールにインクジェット記録体が貼り付き、鏡面ロールが汚れたりするなど、製造効率が悪化する問題があった。
特開2000−37944号公報(第2,5及び6頁) 特開2001−353957号公報(第2,13及び14頁) 特開平2−274587号公報(第1,5及び6頁) 特開平7−89220号公報(第2,7〜10頁) 国際公開番号WO03/039881
本発明は、鏡面ロールを用いて製造される光沢インクジェット記録体の、操業時の離型性が良好製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ある特定の化合物を離型剤として配合すると、光沢性やインク吸収性、記録適性を損なうことなく、鏡面ロール汚れがし難く、離型性が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の実施態様を含む。
(1)第1発明
(1−1)支持体上にインク受容層を形成し、該インク受容層上に、微細顔料を含有する塗工層を形成し、該塗工層が湿潤状態である間に、鏡面ロールに圧接して光沢を付与した光沢層を形成するインクジェット記録体の製造方法において、前記光沢層に離型剤として下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
Figure 0004581705
〔式中、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RおよびRはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
(1−2)光沢層に含有する一般式1〜一般式3で表される化合物が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(1−3)前記光沢層の微細顔料が、平均一次粒子径3〜100nmのコロイダルシリカ、平均一次粒子径3〜100nmのアルミナ、および平均一次粒子径3〜100nm、かつ平均二次粒子径が1μm以下の無定形シリカから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(1−4)支持体が、フィルムまたは樹脂被覆紙であることが好ましい。
(1−5)前記インク受容層は、細孔直径分布曲線における極大値が100nm以下のみであり、且つ平均2次粒子径1.3μm以下の顔料を主成分として含有することが好ましい。
(2)第2発明
(2−1)支持体上に、顔料と接着剤を有するインク受容層を少なくとも一層を形成する工程、次いで、該インク受容層上に、微細顔料と下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する光沢層用塗布液層を設ける工程、該光沢層用塗布液層を鏡面ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段により光沢層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
Figure 0004581705
〔式中、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RおよびRはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
(2−2)一般式1〜一般式3で表される離型剤が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(2−3)光沢層の微細顔料が、平均一次粒子径3〜100nmのコロイダルシリカ、平均一次粒子径3〜100nmのアルミナ、および平均一次粒子径3〜100nm、かつ平均二次粒子径が1μm以下の無定形シリカから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
(2−4)支持体が、フィルムまたは樹脂被覆紙であることが好ましい。
(2−5)前記インク受容層は、細孔直径分布曲線における極大値が100nm以下のみであり、且つ平均2次粒子径1.3μm以下の顔料を主成分として含有することが好ましい。
(3)第3発明
(3−1)支持体上に、塗工層を有するインクジェット記録体の製造方法において、該塗工層は、下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する鏡面仕上げ層用塗工液が塗布され、湿潤状態のうちに、鏡面ロールに圧接して得た層であることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
Figure 0004581705
〔式中、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RおよびRはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
Figure 0004581705
〔式中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
(3−2)一般式1〜一般式3で表される離型剤が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
発明のインクジェット記録体の製造方法は、鏡面ロールからの離型性が優れるので、安定して高光沢のインクジェット記録体を製造することができる。また、得られたインクジェット記録体は、製造の際、鏡面ロールより安定して離型するので、その表面が銀塩写真並の高い表面光沢度を有するもので、しかも高いドット再現性を持ち、インク吸収性に優れ、記録濃度が高く、インク溶媒によるコックリングを起こしにくい優れたインクジェット記録適性を有している。
第1発明は、インク受容層上に形成され、鏡面ロールにより光沢を付与した光沢層に、一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有すること特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
第2発明は、インク受容層上に、微細顔料と一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する光沢層用塗布液層を設ける工程と該光沢層用塗布液層を鏡面ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程を有することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
第3発明は、塗工層を有するインクジェット記録体の製造方法において、該塗工層は上記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する鏡面仕上げ層用塗工液が塗布され、湿潤状態のうちに、鏡面ロールに圧接して得た層であることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である
(一般式1〜一般式3で表される化合物)
まず、本発明で使用する一般式1〜一般式3で表される化合物について説明する。
Figure 0004581705
一般式(1)中、R、Rは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基を表し、例えば、オレイル基、ステアリル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ミリスチル基などが挙げられる。R、Rはそれぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。R、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基(すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)を表し、中でも、メチル基が好ましい。また、XはF、Cl、Br、またはIを示す。
Figure 0004581705
一般式(2)中、R、R、Rは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基を表し、例えば、オレイル基、ステアリル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ミリスチル基などが挙げられる。R、R、Rはそれぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基(すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)を表し、中でも、メチル基が好ましい。また、XはF、Cl、Br、またはIを示す。
Figure 0004581705
一般式(3)中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基を表し、例えば、オレイル基、ステアリル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ミリスチル基などが挙げられる。R、R10、R11、R12はそれぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。また、XはF、Cl、Br、またはIを示す。
一般式1の具体例としては、例えばジオレイルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジエチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジブチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムブロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムフルオライド、ジオレイルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジオレイルモノメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジブチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジステアリルジメチルアンモニウムフルオライド、ジステアリルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジエチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジブチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジラウリルジメチルアンモニウムフルオライド、ジラウリルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジラウリルモノメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジエチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジブチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジパルミチルジメチルアンモニウムフルオライド、ジパルミチルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジパルミチルモノメチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジエチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジブチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルアンモニウムブロマイド、ジミリスチルジメチルアンモニウムフルオライド、ジミリスチルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジミリスチルモノメチルアンモニウムクロライド、ジデシルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジエチルアンモニウムクロライド、ジデシルジブチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムフルオライド、ジデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジデシルモノメチルアンモニウムクロライド、ジココイルアンモニウムクロライド、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジココイルジエチルアンモニウムクロライド、ジココイルジブチルアンモニウムクロライド、ジココイルジメチルアンモニウムブロマイド、ジココイルジメチルアンモニウムフルオライド、ジココイルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジココイルモノメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、一般式2の具体例としては、例えばトリオレイルアンモニウムクロライド、トリオレイルモノメチルアンモニウムクロライド、トリオレイルモノエチルアンモニウムクロライド、トリオレイルモノブチルアンモニウムクロライド、トリオレイルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリオレイルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリオレイルモノメチルアンモニウムアイオダイド、トリステアリルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノエチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノブチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリステアリルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムアイオダイド、トリラウリルアンモニウムクロライド、トリラウリルモノメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルモノエチルアンモニウムクロライド、トリラウリルモノブチルアンモニウムクロライド、トリラウリルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリラウリルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリラウリルモノメチルアンモニウムアイオダイド、トリパルミチルアンモニウムクロライド、トリパルミチルモノメチルアンモニウムクロライド、トリパルミチルモノエチルアンモニウムクロライド、トリパルミチルモノブチルアンモニウムクロライド、トリパルミチルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリパルミチルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリパルミチルモノメチルアンモニウムアイオダイド、トリミリスチルアンモニウムクロライド、トリミリスチルモノメチルアンモニウムクロライド、トリミリスチルモノエチルアンモニウムクロライド、トリミリスチルモノブチルアンモニウムクロライド、トリミリスチルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリミリスチルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリミリスチルモノメチルアンモニウムアイオダイド、トリデシルアンモニウムクロライド、トリデシルモノメチルアンモニウムクロライド、トリデシルモノエチルアンモニウムクロライド、トリデシルモノブチルアンモニウムクロライド、トリデシルモノメチルアンモニウムブロマイド、トリデシルモノメチルアンモニウムフルオライド、トリデシルモノメチルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。
また、一般式3の具体例としては、例えばテトラオレイルアンモニウムクロライド、テトラオレイルアンモニウムブロマイド、テトラオレイルアンモニウムフルオライド、テトラオレイルアンモニウムアイオダイド、テトラステアリルアンモニウムクロライド、テトラステアリルアンモニウムブロマイド、テトラステアリルアンモニウムフルオライド、テトラステアリルアンモニウムアイオダイド、テトララウリルアンモニウムクロライド、テトララウリルアンモニウムブロマイド、テトララウリルアンモニウムフルオライド、テトララウリルアンモニウムアイオダイド、テトラパルミチルアンモニウムクロライド、テトラパルミチルアンモニウムブロマイド、テトラパルミチルアンモニウムフルオライド、テトラパルミチルアンモニウムアイオダイド、テトラミリスチルアンモニウムクロライド、テトラミリスチルアンモニウムブロマイド、テトラミリスチルアンモニウムフルオライド、テトラミリスチルアンモニウムアイオダイド、テトラデシルアンモニウムクロライド、テトラデシルアンモニウムブロマイド、テトラデシルアンモニウムフルオライド、テトラデシルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。
上記一般式1〜一般式3で表される化合物は、特に鏡面ロールとの離型性が良好で、且つインク吸収性を阻害しないので、優れた離型剤として配合できる。
これらの化合物の中で、一般式1で表される化合物が特に離型性に優れるので好ましい。
また、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種を用いることが、インク吸収性と離型性が特に優れるので好ましい。
第1発明は、鏡面ロールに圧接して光沢を付与した光沢層に、上記一般式1〜一般式3の化合物(以下、特定の化合物ともいう。)を離型剤として含有することを特徴とする。特定の化合物は、光沢層用の塗液に配合してもよく、鏡面ロールの表面に塗布していてもよい。また、光沢層の塗工量が少ない場合など、インク受容層用塗液に配合してもよい。塗工層が湿潤状態である間に、鏡面ロールに圧接後、剥離する際に、離型性を高める機能を示せば、特定の化合物の適用方法は特に限定するものではない。
第2発明は、光沢層用塗液に、特定の化合物を離型剤として含有せしめることを特徴とする。なお、鏡面ロールやインク受容層にも特定の化合物を適用することを妨げるものではない。
第3発明は、鏡面仕上げした塗工層を有するインクジェット記録体の製造方法において、特定の化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する鏡面仕上げ層用塗工液を用いることを特徴とする。このような塗工液は、鏡面ロールに圧接された際に、離型をスムーズに行なうことができる塗工液である。例えば、キャスト塗工法により形成される塗工層に使用する塗工液として有用である。
なお、本発明は、上記特定の化合物を用いるが、その作用効果を損なわない範囲で、公知の離型剤を併用することもでる。公知の離型剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物が挙げられる。
(支持体について)
インクジェット記録体に用いる支持体は、その種類、形状、寸法などについては特に制限はないが、印字後のコックリング(浪打ち)や写真調の風合いの点から低透気性または非透気性支持体の方が好ましい。
透気性支持体としては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等が例示できる。低透気性支持体又は非透気性支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや合成紙、白色フィルム等が挙げられる。また、これらの支持体を、熱可塑性樹脂で被覆して得られる樹脂被覆シートなどを用いてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、セルロースジアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、またはそれらの混合物等を主成分とするものを用いることができるが、ポリオレフィンは前記支持体に対する密着性が良好であるので好ましく、特にポリエチレンを用いることが好ましい。
好ましい支持体としては、例えば、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施した、ユポ(ユポ・コーポレーション社製)に代表される合成紙や、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂で、紙などの基材表面を被覆した樹脂被覆紙が挙げられる。特に、酸化チタンを練り込んだポリエチレン樹脂で紙表面を被覆した樹脂被覆紙は、仕上がった外観が写真印画紙と同等であるため、特に好ましく用いられる。
支持体が樹脂被覆紙の場合、樹脂層の厚みに特に制限はないが、例えばポリエチレン樹脂を被覆した樹脂被覆紙の場合、ポリエチレン樹脂層の厚みは、3〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。ポリエチレン樹脂層の厚みが3μm未満の場合は、樹脂被覆時にポリエチレン樹脂層に穴等の欠陥が生じやすくなり、厚みのコントロールに困難がある場合が多くなり、平滑性も得にくくなる。逆に50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。
また、後述するインク受容層との接着性を高めるため、樹脂層表面に、コロナ放電処理を施したり、アンカーコート層を設けることが好ましい。
また、樹脂被覆紙の基材として紙を用いる場合、紙基材としては、木材パルプを主材料として製造されたものが好ましく用いられる。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を適宜使用することができ、これらのパルプは紙力や平滑性、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。叩解度は、特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度が好ましい範囲である。またいわゆるECF、TCFパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。また、必要に応じて、木材パルプに顔料を添加することができる。顔料としては、タルク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライト等が好ましく使用される。顔料の添加により、不透明性や平滑度を高めることができるが、過剰に添加すると、紙力が低下する場合があり、顔料の添加量は、対木材パルプ1〜20質量%程度が好ましい。
(インク受容層について)
インク受容層は、支持体上に少なくとも一層形成されている。インク受容層は、顔料と接着剤を含み、さらに、必要に応じて、カチオン性化合物を含むことができる。
インク受容層で使用する顔料としては、例えば、非晶質シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられ、1種もしくはそれ以上を併用することができる。これらの中でも、非晶質シリカ、アルミナ、ゼオライトが好ましく、非晶質シリカが特に好ましい。
これらの中でも、平均粒子径1μm以下の顔料を用いることが好ましい。平均粒子径が1μm以下であることにより、高い印字濃度と高光沢を得ることができる。平均粒子径が800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが特に好ましい。
本発明でいう平均粒子径は、数平均粒子径で、二次粒子の場合、数平均の平均二次粒子径である。具体的には、顔料が粉体であるかスラリー状であるかに関係なく、まず3%の顔料水分散液を200g調整し、続いて市販のホモミキサーで1000rpm、10分間を攪拌分散した後、直ちに電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒子径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し平均したもの。「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。なお、複数種類の無機顔料を含有する場合の平均粒子径とは、全無機顔料の平均粒子径をいう。
平均粒子径の調節には、市販の顔料を機械的手段により粉砕、分散することにより得ることが可能である。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を、杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。
また、顔料の比表面積は、特に限定されないが、150m/g以上であることが好ましい。ここで、顔料の比表面積とは、顔料を105℃にて乾燥し、得られた粉体試料の窒素吸脱着等温線をCoulter社製のSA3100型を用いて、200℃で2時間真空脱気した後測定し、比表面積をt法により算出したものである。比表面積は、顔料の質量あたりの表面積であり、その値が大きいほど一次粒子が小さく、二次粒子の形状が複雑になりやすく、細孔内の容量が大きくなり、インク吸収性が向上すると考えられる。
インク受容層で使用する接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質類、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロース誘導体、或は水分散性樹脂、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等のような、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が挙げられる。また、後述する感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物なども使用できる。これらは、適宜併用することができる。
中でも、塗膜強度が得られやすいことから、ポリビニルアルコールが好ましく使用される。さらに成膜性とインク吸収性のバランスから重合度2000以上、鹸化度95%以上が好ましく、さらに好ましくは重合度4000以上、鹸化度98%以上である。また、必要に応じて他のバインダーを併用することもできる。
インク受容層のバインダー部数は、いずれも、好ましくは顔料100質量部に対して5質量部以上、50質量部以下、より好ましくは5質量部以上、30質量部以下、更に好ましくは5質量部以上、25質量部以下である。バインダー量が過多であると、顔料間に形成される細孔が小さくなり、高いインク吸収速度が得られにくくなることがあり、また少なすぎると、塗工層にひび割れが生ずることがある。
吸収性をもたせるためには、極力バインダー成分を抑えた方が好ましいが、バインダー成分が少ないと、インク受容層を形成するために塗液を塗工する際に、塗工層にひび割れを生じやすい。その場合は、例えば、塗工層を乾燥初期に増粘またはゲル化させることで乾燥時の熱風による塗工層のひび割れを防ぐことができる。
塗工層を増粘またはゲル化させる方法としては、特に限定するものではないが、例えば、塗液に配合した水溶性バインダーと架橋反応可能な架橋剤を用いて増粘またはゲル化させる方法、電子線などのエネルギーを供給することにより増粘またはゲル化させる方法、水溶性バインダーとして、温度条件によって親水性と疎水性を示す感温性高分子化合物を用い、温度変化させることにより増粘またはゲル化させる方法などが挙げられる。
水溶性バインダーと架橋反応可能な架橋剤を用いて増粘またはゲル化させる方法としては、前記例示した水溶性バインダーと、該水溶性バインダーを架橋反応可能な架橋剤を組み合わせて使用する。
具体的には、予め架橋剤を塗布・含浸させておき、その後塗液を塗工する方法、塗液に架橋剤を配合せしめておき塗工する方法、塗液を塗工後、架橋剤を塗布する方法などにより製造するとよいが、架橋剤を予め塗布しておくことが、増粘またはゲル化が均一な塗工層が得られるため、好ましい。
架橋剤としては、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等などが例示できる。中でも、ホウ素化合物は、ポリビニルアルコールと組み合わせた場合、増粘またはゲル化が素早く生じるので特に好ましい。ホウ素化合物としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことである。例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。このなかで、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが塗料を適度に増粘させる効果があるために好ましく用いられる。ホウ素化合物の使用量は、ホウ素化合物及び水溶性バインダーの種類にもよるが、基材の片面に0.01〜1.5g/mの割合で用いるのが好ましい。1.5g/mより多いと水溶性バインダーとの架橋密度が高くなり、塗工層が硬くなって折り割れしやすくなる。また、0.01g/mより少ないと水溶性バインダーとの架橋が弱く、塗液のゲル化も弱くなって塗工層がひび割れやすくなる。
電子線などのエネルギーを供給することにより増粘またはゲル化させる方法としては、バインダーとして、ラジカル重合性の不飽和結合を有さず、かつ水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する水溶性バインダーを用い、無機顔料100質量部に対して、水溶性バインダー1〜100質量部の割合で含有する塗液を塗工し、ついで電子線を照射して該塗工された塗液をハイドロゲル化させた後、乾燥して塗工層を形成するとよい。
ラジカル重合性の不飽和結合を有さず、かつ水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する水溶性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼイン、及びこれらの水溶性誘導体、並びにこれらの共重合体などが例示でき、これらを単独使用、或いは併用するとよい。
電子線の照射方式としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが採用され、電子線を照射する際の加速電圧は50〜300kV程度が適当である。電子線の照射量は1〜200kGy程度の範囲で調節するのが好ましい。1kGy未満では塗工層をゲル化させるのに不十分であり、200kGyを越えるような照射は基材や塗工層の劣化や変色をもたらす恐れがあるため好ましくない。
水溶性バインダーとして、温度条件によって親水性と疎水性を示す感温性高分子化合物を用い、温度変化させることにより増粘またはゲル化させる方法としては、バインダーとして、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す感温性高分子化合物を用いるとよい。この感温性高分子化合物を用いた場合、感温点以上の温度で塗工を行い、感温点以下に冷却することにより、塗工した層が増粘またはゲル化され、その後乾燥して記録層を形成するとよい。このような感温性高分子化合物としては、特開2003−40916号公報に開示されている、ポリビニルアルコール及び/又はポリビニルアルコール誘導体の共存下に重合して得られる感温性高分子化合物が例示できる。
インク受容層には、カチオン性化合物を配合することが好ましい。カチオン性化合物としては、例えば、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド・ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩・SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂、15)ポリオキシ塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル等の公知のカチオン性化合物等が例示できる。これらカチオン性化合物は併用することもできる。
カチオン性化合物と顔料を配合する際、特に顔料としてシリカを配合する際、シリカは一般にアニオン性であるため、混合の際に微細シリカ粒子の凝集が起こる場合がある。この場合、一般的に市販されている非晶質シリカ(数ミクロンの二次粒子径を有する)を機械的手段により強い力を与えて微細粒子に粉砕する際、粉砕処理前の非晶質シリカにカチオン性物質を一緒に混合分散してから機械的手段により分散・粉砕するか、あるいは微細化したシリカ二次粒子分散体にカチオン性物質を混合し、一旦増粘・凝集させた後、再度機械分散・粉砕する方法等をとることにより、前記特定の粒子径に調整するとよい。
インク受容層は、細孔直径分布曲線における極大値が100nm以下のみであることが好ましい。細孔直径分布曲線における極大値とは、以下に述べる方法によって求める細孔直径分布曲線の極大値を示す。
細孔直径分布曲線におけるピークについて説明する。
測定方法としては、支持体の影響を避けるために、塗工層をカッター等で剥がし取り測定に用いた。細孔分布は、マイクロメトリックス・ポアサイザー9320(島津製作所製)を用い、水銀圧入法により求めた。水銀圧入法による細孔直径の測定は、細孔の断面を円形と仮定して導かれた下記の式を使って計算した。
R=−2γCOSθ/P
ただし、式中でそれぞれR:細孔半径(2R=細孔直径)、γ:水銀の表面張力、θ:接触角、P:圧力を示す。
水銀の表面張力は482.536dyn/cmとし、使用接触角は130°とし、水銀圧力の低圧部(0〜30psia、測定細孔半径:180〜3μm)と高圧部(0〜30000psia、測定細孔半径:3〜0.003μm)にて測定した。
細孔直径分布は、上記の原理を利用して、水銀に加える圧力を徐々に変化させ、その時に細孔内に進入した水銀の体積すなわち細孔容量Vを測定し、上記式に従って換算した細孔直径(2R)と細孔容積との関係を描き、この関係曲線の微分係数dV/d(2R)を求めて縦軸とし、細孔直径2Rを横軸にすることで求められる。塗工層の細孔直径分布曲線は通常1〜数個のピークが認められる。
支持体の影響を避けるために、インク受容層をフィルムに設けた後、カッター等でインク受容層を剥がし取って測定する。フィルム上で測定する場合、フィルム自体の細孔直径分布が無視できるフィルムを使用する。
細孔直径が小さいほど、インク受容層の光沢度は高い。本発明においては、銀塩写真様の高い光沢度のインクジェット記録体を得るために、細孔直径分布曲線の極大値が存在するのは100nm以下のみであることが好ましく、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下である。100nmより大きい極大値が存在すると、光沢度やドット再現性が低下し、さらに、インク受容層がひび割れしやすくなってしまう。
本発明では、形成するインク受容層は一層であっても多層であってもよい。インク受容層が多層の場合、用いる顔料や接着剤は各インク受容層毎に変えることができる。このとき、例えばインク受容層が二層構造の場合、表面側のインク受容層(上層)に、光沢度を高くするために非常に微細な顔料を用い、支持体と接するインク受容層(下層)にそれよりも大きな粒子径の顔料を用いると、上層のインク吸収性が低くても、下層のインク吸収性を高くなるので、光沢度とインク吸収性を共に維持又は向上させることができる。
また、インク受容層には、上記のほかにも、一般的に塗工紙の製造において使用される各種顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
これらの成分を溶媒に分散させた塗工液を支持体に塗工し、乾燥させることによってインク受容層が形成される。塗工液の溶媒としては、特に限定はないが、塗工適性などの理由で、水が好ましい。
インク受容層の塗工量の合計は、5〜70g/mが好ましく、10〜50g/mがより好ましく、15〜40g/mが更に好ましい。また、塗工層の厚みの合計は、7〜105μmが好ましく、15〜75μmがより好ましく、22〜60μmがさらに好ましい。塗工量が5g/m未満の場合、光沢層が十分に形成できない可能性があるのみならず、インク吸収性が低下し、記録適性が劣る場合があり、塗工量が70g/mを超えると、塗工層の強度が低下し、記録用紙の断裁加工時や、プリンタでの記録体の搬送時に、トラブルを起こしやすくなるおそれがある。
塗工工程は1回でもよく、また、複数回行ってもよい。塗工工程を複数回行うと、インク受容層を多層とすることもできる。また、塗工液を複数回に分けて塗工することで、ひび割れの発生を抑制しながら多くの塗工液を塗工することができ、インク受容層のインク吸収容量を大きくすることができる。
インク受容層の塗工装置としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リンプコーター、スタイドビードコーター等、各種公知の塗工装置が利用できる。特に、エアナイフコーターは、幅広い塗料物性、塗工量に対応可能なため、好適に用いられる。また、ダイコーターやカーテンコーターは、塗工量の均一性に優れるため、特に高精細な記録を目的とする光沢タイプのインクジェット記録体には、好ましい塗工方法である。
塗膜の乾燥方法としては、特に限定はないが、従来から公知公用の熱風乾燥、ガスヒータ乾燥、高周波乾燥、電気ヒータ乾燥、赤外線ヒータ乾燥、レーザ乾燥、電子線乾燥等の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
(光沢層について)
光沢層には、微細顔料としては、コロイダルシリカ、無定形シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等の透明または白色顔料が例示される。これらの内で特に好ましい顔料は、コロイダルシリカ、アルミナまたは無定形シリカである。
コロイダルシリカまたはアルミナを使用すると、光沢性が向上するため、特に好ましく用いられる。コロイダルシリカまたはアルミナは、平均一次粒子径5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。さらに好ましくは20〜70nmである。平均一次粒子径が5nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、平均一次粒子径が100nmを超えると、透明性が低下するため、印字濃度が低下する傾向がある。
無定形シリカを使用する場合、好ましくは平均一次粒子径5〜100nm、より好ましくは5〜40nmのものを用いる。また、無定形シリカは、好ましくは平均二次粒子径1μm以下、より好ましくは10〜700nmのものを用いる。
光沢層に、微細顔料として、コロイダルシリカやアルミナ等の一次粒子を用いる場合、空隙率が低くなるため、インク吸収速度が低下しやすい。そのため、好ましい光沢層の厚みは0.02〜4μmであり、より好ましくは0.05〜2μmである。
また、インク吸収容量とインク吸収速度との兼ね合いから、光沢層の厚みは、インク受容層全体の厚みの1/10以下であることが好ましい。より好ましくは1/20以下、さらに好ましくは1/30以下である。
光沢層には、水性樹脂を微細粒子の接着強度の不足する場合、或いは、表面に樹脂系光沢が必要な場合等に適宜用いることができる。しかし、水性樹脂を使用すると、インク吸収性を低下させるおそれがあるので、できるだけ少量の配合が好ましい。
水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびその共重合物、ポリメチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱粉等の変性澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の水性樹脂およびそれらの共重合物、変性物等が挙げられ、単独または組み合わせて使用でき、特に、スチレン・アクリル系共重合体が好ましい。
水性樹脂が水分散性樹脂の場合、前記樹脂の平均粒子径は20〜150nmの範囲が好ましく、20nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、150nmを超える場合は、透明性が低下し、印字濃度が低下する場合がある。
水性樹脂のガラス転移温度は、50〜150℃の範囲が好ましい。ガラス転移温度が、50℃より低い場合は、乾燥時に光沢層の成膜が進みすぎ、光沢層の多孔性が低下し、インク吸収性が低下する場合がある。150℃より高い場合は、成膜が不足し、光沢や強度が不足する場合がある。
水性樹脂の配合量は、顔料100質量部に対し、水性樹脂が、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜30質量部の範囲内であることが好ましい。
光沢層には、必要に応じて、インク受容層と同様、インク中の染料を固着し、耐水性を付与し、記録濃度を向上させるために、カチオン性化合物を添加することができる。
光沢層には、必要に応じて、保存性改良剤としてイオウ含有化合物を添加しても良い。イオウ含有化合物の中でも特に1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、2,2’−ジチオエタノールおよび3,3’−チオジプロピオン酸が好ましく、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタンがより好ましい。これらのイオウ含有化合物は、単独で配合されても、2種以上を混合して配合されてもよい。
また、光沢層には、上記のほかにも、一般的に塗工紙の製造において使用される各種顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
(第1発明)
第1発明は、支持体上にインク受容層を形成し、該インク受容層上に、微細顔料を含有する塗工層を形成し、該塗工層が湿潤状態である間に、鏡面ロールに圧接して光沢を付与した光沢層を形成するインクジェット記録体の製造方法において、前記光沢層に離型剤として特定の化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。特定の化合物を用いることにより、鏡面ロールから離型が安定するので、高光沢のインクジェット記録体が得られる。
支持体として、透気性支持体である上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等を使用する場合、公知のキャスト塗工法を採用するとよい。
即ち、光沢層を塗工後、塗工層が湿潤状態にある間に、加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするウェットキャスト法、湿潤状態の塗工層を酸や塩、熱によりゲル状態とし、これを加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするゲル化キャスト法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥した後、これを再湿潤液で湿潤可塑化し、これを加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥させて光沢仕上げするリウェットキャスト法等である。
支持体として、低透気性支持体又は非透気性支持体を用いる場合は、後述する第発明の製造方法を採用することができる。なお、支持体として低透気性支持体又は非透気性支持体を用いると、コックリングが発生しないので好ましいインクジェット記録体となる。
(第2発明)
第2発明は、支持体上に、顔料と接着剤を有するインク受容層を少なくとも一層を形成する工程、次いで、該インク受容層上に、微細顔料と特定の化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する光沢層用塗布液層を設ける工程、該光沢層用塗布液層を鏡面ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段により光沢層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法である。
この製造方法は、支持体としては限定するものではないか、従来公知のキャスト塗工法で製造できなかった低透気性支持体又は非透気性支持体を用いた場合でも、高光沢な面を形成できるので好ましい。
図1に、第発明であるインクジェット記録体の製造方法の好ましい実施形態における製造工程の一例を示す。
本実施形態においては、まず、低透気性又は非透気性の支持体2上にインク受容層3を設ける(インク受容層形成工程)。そして、支持体2を、インク受容層3が鏡面ロール5に接するように、鏡面ロール5とプレスロール6との間に配置する。次いで、インク受容層3上に、光沢層を形成するための、特定の化合物を離型剤として含有する塗布液4を供給して、鏡面ロール5とプレスロール6との接線の上部に塗布液溜まりを形成する(塗布液供給工程)。そして、塗布液4が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、支持体2を、塗布液4が供給された面が鏡面ロール5に接するように、鏡面ロール5とプレスロール6との間をプレスしながら通過させて塗布液層7を形成した後、直ちに鏡面ロール5から塗布液層7を剥離する(プレス工程)。その後、ドライヤー9を用いて乾燥(調湿)して、支持体2、インク受容層3、光沢層8からなるインクジェット記録体1を得る。
(光沢層の形成方法について)
<塗工工程>
光沢層は、インク受容層3上に、上述のような成分を分散させて塗布液4を塗工する。調製するために用いられる分散媒としては、特に限定はないが、塗工適性などの理由で、水が好ましい。
塗布液中の総固形分濃度は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
光沢層の塗布量は、乾燥質量として、0.01〜3g/mが好ましく、0.03〜2g/mがより好ましく、0.05〜1g/mが更に好ましい。塗布量が0.01g/m未満の場合は、十分な光沢層を形成することが困難なために、光沢度が低くなりやすい。また、塗布量が3g/mを超えると、光沢度は得やすいが、インク吸収性や記録濃度が低下しやすい。
<プレス工程>
次いで、供給された塗布液4が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、支持体2を、塗布液4が供給された面が鏡面ロール5に接するように、鏡面ロール5とプレスロール6との間をプレスしながら通過させて塗布液層7を形成した後、直ちに鏡面ロール5から塗布液層7を剥離するプレス工程を行う。
湿潤又は半乾燥状態にある塗布液4を、加熱した鏡面ロール5とプレスロール6との間を、塗布液4が供給された面が鏡面ロール5に接するようにプレスロール6でプレスすることにより、インク受容層3上に塗布液層7が形成される。この際、プレス圧と温度により塗布液層7はインク受容層3に密着され、ひび割れのない均一な膜が形成される。
プレス工程後、塗布液層7を、ドライヤー9などの乾燥ゾーンで別途乾燥させる乾燥工程を行うことも可能である。
鏡面ロールの表面温度は、乾燥条件等の操業性、インク受容層への密着性、光沢層表面の光沢性から、40〜130℃の範囲が好ましく、70〜120℃の範囲がより好ましい。鏡面ロールの表面温度が、40℃未満の場合は、インクジェット記録体の表面強度が低下するおそれや、インク受容層の接着剤が軟化し難く、インク受容層への密着性が悪化したりする。130℃を超える場合は、インク受容層の接着剤の成膜が進みすぎるためインク吸収性が低下したり、塗布液4が沸騰し、光沢面が悪化するおそれがある。
また、鏡面ロールは、耐熱性がよく、優れた鏡面性が得られることから、金属ロールであることが好ましい。また、表面に微細な凹凸をつけて光沢性を低下させるいわゆる半光沢紙にする場合、金属ロールに微細な凹凸をつけてもよい。鏡面ロールの平均線中心粗さRaは、目標とする光沢によって変わるが、例えば、10μm以下である。
プレスロールの材質は、上述のような鏡面ロールとの間での加圧をより均一にするために耐熱樹脂製が好ましい。
プレスロールによる加圧は、鏡面ロールとプレスロールの間の線圧が、好ましくは50〜3500N/cm、より好ましくは200〜3000N/cmになるように行うことが好ましい。鏡面ロールとプレスロールの間の線圧が、50N/cm未満の場合は、線圧が均一になり難く光沢性が低下したり、塗布液層7のインク受容層3に対する密着性が低下し、表面がひび割れたりするおそれがあり、3500N/cmを超える場合は、インクジェット記録体を過度に加圧するためにインク受容層および光沢層の空隙を破壊するためにインク吸収性が低下するおそれがある。
<乾燥(調湿)工程>
本発明において、鏡面ロール5から剥離した直後のインクジェット記録体1(支持体2、インク受容層3及び塗布液層7)中の水分は、湿潤状態又は半乾燥状態である。塗工層の水分率は、インク受容層や光沢層の塗布量により大きく影響されるが、例えば7〜100%である。
鏡面ロール5から剥離した後、ワインダーで巻き取るまでの間に平衡水分に達するような場合には、調湿・乾燥装置は不要であるが、塗布速度が速く、紙等の支持体2に含まれる水分が高い場合は、鏡面ロール5から剥離してワインダーで巻き取るまでの間に、調湿装置を有する調湿工程または乾燥装置を有する乾燥工程が必要である。調湿または乾燥装置の能力や仕様は、インクジェット記録体が鏡面ロール5から剥離された時点で持っている水分と平衡水分との差および塗布速度により、適宜設定される。
なお、上述のようにして形成される光沢層8の表面は、銀塩写真様の風合いを得るためには、75°表面光沢度(JIS P8142)が好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上であり、かつ、幅2.0mmの光学くしを使用した時の写像性(JIS H8686−2)が好ましくは55%以上、より好ましくは57%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上であることが好ましい。
なお、図1では、鏡面ロール5とプレスロール6とを左右に並べて配置し、鏡面ロール5とプレスロール6との接線の上部に塗布液溜まりを形成して、縦方向に支持体を通過させたが、例えば、鏡面ロール5とプレスロール6を上下に並べて配置し、インク受容層3上に塗布液4を供給して、横方向に支持体を通過させてもよい。
上述のように、従来のキャスト塗工紙の製造方法が、湿潤可塑化状態にある塗布層表面を、加熱した鏡面ロールに圧接、乾燥して光沢層を形成した後、鏡面ロールから離型して鏡面を写し取るのに対し、第3発明の実施形態では、インク受容層上に、光沢層を形成するための、微細顔料と特定の離型剤とを含有する塗布液を供給し、該塗布液が湿潤状態または半乾燥状態にあるうちに、支持体を、該塗布液が供給された面が鏡面ロールに接するように、鏡面ロールとプレスロールとの間をプレスしながら通過させて塗布液層を形成した後、直ちに前記鏡面ロールから該塗布液層を剥離することにより光沢層を設ける。
このようにして得られるインクジェット記録体は、銀塩写真並の高い表面光沢度とドット再現性を有し、特に、高い光沢度、高い平滑性等の外観やインク吸収性に優れ操業時の離型性が良好なインクジェット記録適性を有する。
(第3発明)
第3発明は、支持体上に、鏡面仕上げした塗工層を有するインクジェット記録体の製造方法において、該塗工層に、特定の化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する鏡面仕上げ層用塗工液を用いることが特徴である。このような塗工液を用いることにより、鏡面ロールに圧接された際に、離型をスムーズに行なうことができ。上記第1発明、第2発明の構成に限定されるものではなく、例えば、キャスト塗工法により形成される塗工層に使用する塗工液としても有用である。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%で示した。
(シリカゾルAの調製)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径10nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。該分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルAを得た。
(紙支持体の作製)
CSF(JIS P−8121)が250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、密度1.0g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて過熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25ml/m塗布して、紙支持体(透気度:300秒)を得た。
(樹脂被覆した支持体)
上記紙支持体の両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、紙支持体のフェルト面側に、塗工量25g/mとなるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2を、紙支持体のワイヤー側に、塗工量20g/mとなるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆した支持体を得た。
「ポリオレフィン樹脂組成物1」
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバガイギー社製)0.3部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
「ポリオレフィン樹脂組成物2」
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
実施例1
(インク受容層の形成)
シリカゾルA 100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が25g/mとなるように樹脂被覆した支持体上に塗布乾燥してインク受容層を設けた。厚みは37μmであった。
(光沢層の形成)
次に、カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学工業社製)100部と、離型剤としてジココイルジメチルアンモニウムクロライド3部を混合し、10%に希釈し、図1の装置を用いて、インク受容層上に塗工し、同時に、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ロールに線圧2000N/cmで圧接し、直ちに鏡面ロールより離型し、ドライヤーで乾燥して光沢層を形成し、インクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例2
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてジデシルジメチルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例3
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてジステアリルジメチルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例4
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてジオレイルジメチルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例5
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてトリラウリルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例6
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてテトラデシルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例7
実施例1の光沢層の形成において、塗被液中にカチオン性化合物としてアリルアミン・ジアリルアミン共重合体ポリマー(PAA−D41、日東紡社製)5部を添加した以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
比較例1
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてジココイルジメチルアンモニウムクロライド3部を添加しなかった以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
比較例2
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
比較例3
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてステアリン酸カルシウム3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
比較例4
実施例1の光沢層の形成において、離型剤としてカチオン性ポリエチレンワックス(商品名:メイカテックスPEC−270、明成化学工業社製)3部を用いた以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を得た。光沢層の厚みは1μmであった。
実施例8
(内側インク受容層の形成)
サイロジェット703A(比表面積:280m/g、平均二次粒子径300nm、グレースデビソン社製)に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が20g/mとなるように樹脂被覆した支持体上に塗布乾燥して内側インク受容層を設けた。
(外側インク受容層の形成)
前記内側インク受容層上に、シリカゾルA100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、メイヤーバーで塗工量が5g/mとなるように塗布乾燥して外側インク受容層を設けた。
(光沢層の形成)
次に、カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学工業社製)100部と、離型剤としてジステアリルジメチルアンモニウムクロライド3部を混合し、10%に希釈し、図1の装置を用いて、外側インク受容層上に塗工し、同時に、表面温度100℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ロールに線圧2000N/cmで圧接し、直ちに鏡面ロールより離型し、ドライヤーで乾燥して光沢層を形成し、インクジェット記録体を得た。インク受容層の厚みは合計39μmであり、光沢層の厚みは1μmであった。
実施例9
実施例8のインク受容層の形成において、樹脂被覆した支持体の代りに、市販のポリプロピレン合成紙(商品名:ユポGWG−140、ユポコーポレーション社製)を用いた以外は、実施例8と同様にインクジェット記録体を得た。インク受容層の厚みは合計39μmであり、光沢層の厚みは1μmであった。
(評価方法)
前記実施例および比較例で得たインクジェット記録体の75度表面光沢度、コックリング、インク吸収性、印字濃度、細孔直径分布曲線の極大値、離型性及び耐水性を評価し、その結果を表1に示した。各評価については、下記の方法で測定した。
(75度表面光沢度)
JIS−P8142に記載の方法で、インクジェット記録体の75度光沢度を測定した。
(コックリング)
コックリングは、インクジェットプリンターPIXUS iP8600(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7Y、BCI−7PC、BCI−7PM、BCI−7RおよびBCI−7Gを使用した。評価は、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字部に発生したコックリングを目視にて評価した。
○:コックリングが全く認められず、良好な状態。
△:コックリングがあり、使用状況によっては問題となるレベル。
×:コックリングが著しく、実用にならないレベル。
(インク吸収性)
インクジェットプリンターPIXUS iP4100(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用い、評価はグリーンベタ印字を行い、前記ベタ印字部のインク吸収の様子を目視にて行った。
◎:ベタ部にムラが見られず、良好な状態。
○:ベタ部にムラが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:ベタ部にムラが多少見られ、使用状況によっては問題となるレベル。
(印字濃度)
印字濃度は、インクジェットプリンターPIXUS iP8600(キヤノン社製)を用いて行った。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7Y、BCI−7PC、BCI−7PM、BCI−7RおよびBCI−7Gを使用した。評価は、黒ベタ印字部をグレタグマクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD−19I)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
(細孔直径分布曲線の極大値)
マイクロメトリックスポアサイザー9320(島津製作所社製)を用い、水銀圧入法により、全細孔分布曲線の極大値(nm)を求めた。
(離型性)
光沢層の形成時の離型性を官能評価で行った。
○:問題なく連続操業が可能である。
△:操業途中で鏡面ロール汚れが発生する頻度が比較的多く、実用上問題あり。
×:操業途中で鏡面ロール汚れが発生する頻度がかなり多く、問題あり。
(耐水性)
ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの各色ベタ印字画像を作成し、25℃の水を滴下した後に自然乾燥させ、画像の変褪色の様子を目視観察し、耐水性のレベルを評価した。
◎:全く画像の変褪色、色移りがほとんどみられず良好である
○:若干の変褪色、色移りがみられたが、実用上全く問題ないレベルである
△:変褪色、色移りがみられ、実用上問題のあるレベルである
×:変褪色、色移りが著しい。
Figure 0004581705
このように、特定の離型剤を光沢層に配合した各実施例は、光沢性に優れ、インク吸収性、離型性をも満足するインクジェット記録体であった。
本発明のインクジェット記録体の好ましい実施形態における製造工程の一例を示す図である。
符号の説明
1:インクジェット記録体
2:支持体
3:インク受容層
4:塗布液
5:鏡面ロール
6:プレスロール
7:塗布液層
8:光沢層
9:ドライヤー

Claims (8)

  1. 支持体上にインク受容層を形成し、該インク受容層上に、微細顔料を含有する塗工層を形成し、該塗工層が湿潤状態である間に、鏡面ロールに圧接して光沢を付与した光沢層を形成するインクジェット記録体の製造方法において、前記光沢層に離型剤として下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法
    Figure 0004581705
    〔式中、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RおよびRはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
  2. 光沢層に離型剤として含有する一般式1〜一般式3で表される化合物が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種である請求項1記載のインクジェット記録体の製造方法
  3. 前記光沢層の微細顔料が、平均一次粒子径3〜100nmのコロイダルシリカ、平均一次粒子径3〜100nmのアルミナ、および平均一次粒子径3〜100nm、かつ平均二次粒子径が1μm以下の無定形シリカから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載のインクジェット記録体の製造方法
  4. 支持体上に、顔料と接着剤を有するインク受容層を少なくとも一層を形成する工程、次いで、該インク受容層上に、微細顔料と下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する光沢層用塗布液層を設ける工程、該光沢層用塗布液層を鏡面ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段により光沢層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
    Figure 0004581705
    〔式中、R およびR は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、R およびR はHまたは炭素数1〜4のアルキル基、X はF 、Cl 、Br 、またはI を示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R 、R およびR は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、R はHまたは炭素数1〜4のアルキル基、X はF 、Cl 、Br 、またはI を示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R 、R 10 、R 11 、R 12 は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、X はF 、Cl 、Br 、またはI を示す。〕
  5. 一般式1〜一般式3で表される離型剤が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種である請求項4記載のインクジェット記録体の製造方法。
  6. 前記光沢層の微細顔料が、平均一次粒子径3〜100nmのコロイダルシリカ、平均一次粒子径3〜100nmのアルミナ、および平均一次粒子径3〜100nm、かつ平均二次粒子径が1μm以下の無定形シリカから選ばれる少なくとも一種である請求項4又は5に記載のインクジェット記録体の製造方法。
  7. 支持体上に、塗工層を有するインクジェット記録体の製造方法において、該塗工層は、下記一般式1〜一般式3で表される化合物の少なくとも1種を離型剤として含有する鏡面仕上げ層用塗工液が塗布され、湿潤状態のうちに、鏡面ロールに圧接して得た層であることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
    Figure 0004581705
    〔式中、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RおよびRはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R、RおよびRは炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、RはHまたは炭素数1〜4のアルキル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
    Figure 0004581705
    〔式中、R、R10、R11、R12は炭素数8〜28のアルキル基またはアルケニル基、XはF、Cl、Br、またはIを示す。〕
  8. 一般式1〜一般式3で表される離型剤が、ジココイルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライドから選ばれる少なくとも一種である請求項7記載のインクジェット記録体の製造方法。
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