JP2003103916A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録媒体

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JP2003103916A
JP2003103916A JP2001303857A JP2001303857A JP2003103916A JP 2003103916 A JP2003103916 A JP 2003103916A JP 2001303857 A JP2001303857 A JP 2001303857A JP 2001303857 A JP2001303857 A JP 2001303857A JP 2003103916 A JP2003103916 A JP 2003103916A
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recording medium
water
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general formula
halogen
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Application number
JP2001303857A
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English (en)
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Yoshitaka Okumura
嘉孝 奥村
Kazuo Totani
和夫 戸谷
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精細な画像の再現性に優れ、印字定着性の良
好なインクジェット記録媒体を提供する。 【解決手段】基材上に、顔料および水不溶性結着剤を含
有し、且つ下記一般式1〜3で示されるカチオン性物質
から選ばれる少なくとも1種を含有するインク受容層を
有することを特徴とするインクジェット記録媒体であ
る。 【化1】 (R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であり、且
つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足する。X
はハロゲン。) 【化2】 (R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜18の
疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が13〜
36を満足する。Xはハロゲン。mは20〜5000の
整数。) 【化3】 (R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜18の
疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が13〜
36を満足する。Xはハロゲン。nは20〜5000の
整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上に水性
インクを用いて記録するインクジェット記録方式に関
し、高精細な画像の再現性に優れ、印字定着性の良好な
インクジェット記録媒体を提供する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易である
こと、高速記録が可能であること等の理由から、端末用
プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷
などへの応用が進められている。一般の印刷に使用され
る上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣るため、
印字されたインクが紙表面で乾燥せずに長時間のこり、
装置や連続して印字されたシートを汚染したり画像が汚
れたりするため実用性に乏しい。こうした問題を解決す
るために、サイズ度の低い記録紙を用いること(特開昭
52−53012号公報)や尿素−ホルマリン樹脂を内
添した原紙に水溶性高分子を含浸させる(特開昭53−
49113号公報)といった提案が開示されている。ま
た、装置の高速化、高精細化あるいはフルカラー化な
ど、インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大
にともない、記録媒体にも高度な特性が要求されるよう
になった。
【0003】即ち、インクジェット記録媒体としては、
インクドットの濃度が高く、色調が鮮明であること、イ
ンクの吸収が早くドットが重なった場合でもインクの流
れ出しや滲みを生じないこと、インクドットの周辺への
拡散が必要以上に大きくならず、かつドットの形状が滑
らかでぼやけないこと、また記録画像が紫外線や水に曝
された場合の退色を防止することが要求される。
【0004】こうした特性に対応するために、例えば表
面に無定形シリカを始めとする種々の多孔質無機顔料類
を塗布した記録用紙(特開昭55−51583号公報、
特開昭56−148585号公報)が開示されている。
上記のような塗工紙タイプのインクジェット記録用紙
は、ドット径やドット形状、ドット濃度や色調の再現性
においては、一応改良されているものの、これらの記録
媒体に使用されるインクは水溶性染料を使った水性イン
クが多く、記録媒体上に形成された画像に水などがかか
った場合、染料が再び溶解して滲み出すことにより、記
録物の価値を著しく減少させるという問題を生じる。
【0005】そこで、こうした欠点を改良するために金
属の水溶性塩を記録面に付与する(特開昭55−535
91号公報)、ポリカチオン高分子電解質を表面に含有
する記録媒体(特開昭56−84992号公報)、ま
た、インク中の染料とレーキを形成する耐水化剤を付与
する(特開昭55−150696号公報)などが開示さ
れている。さらにまた、優れた耐水性、耐光性を得る目
的で、特定の分子構造を持つ耐水化剤を選択する(特開
昭55−83882号公報、特開昭59−33176号
公報、特開昭60−49990号公報、特開昭61−5
8788号公報等)ことも多数開示されている。特に、
特開昭56-99693号公報に開示される如くカチオ
ン系の界面活性剤を内添、塗布などの方法により基材に
適用することにより解像度・耐水性を改善する例や、特
開昭59−198187号公報に開示の如く水酸化第4
アンモニウムを選択する事による耐光性の改善等が提案
されており、印字の耐水性及び耐候性について一応の効
果が認められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録が広まるに伴い、インクジェット記録物も
種々の用途への使用が検討される様になり、インクジェ
ット記録用紙に対する印字耐水性、耐候性の要求はます
ます高度なものになりつつある。同時に基材について
も、従来主に使用されてきた紙のみならず合成樹脂フィ
ルムや、合成紙、或いは不織布などの吸水性のない基材
を用いた記録用途への要求も生まれてきた。印字箇所か
らの溶媒が除去され難いこうした基材を用いた記録媒体
においては、充分な印字耐水性の実現は更に困難であ
り、前記の諸提案による改善も必ずしも満足できるもの
ではなかった。
【0007】即ち、インクジェット記録に使用される染
料分子はアニオン性の分子であり、記録媒体に含有せし
められたカチオン性分子との間の相互作用により染料分
子は速やかに定着される。記録媒体に使用されるカチオ
ン性物質としては、アニオンである染料分子を効果的に
捕捉、定着できるような分子構造をもつ事が望ましく、
こうした観点から種々のポリマー型のカチオン性物質、
即ちカチオン樹脂が検討、提案されている事は上述の通
りである。しかしながら、一般に使用される様なこれら
のカチオン樹脂への染料の定着は必ずしも定量的ではな
く、定着乾燥後の印字物が再度大量の水に接触すると、
カチオン樹脂ごと印字が流出する現象が発生し、充分な
印字耐水性が得られないという問題があった。
【0008】一方、カチオン性物質として染料をある程
度定着させながら、記録媒体へのインク吸収を促進する
効果をねらってカチオン性の界面活性剤類を使用すると
いった提案もなされており、これによって一応の印字耐
水性改善も認められる。しかしながらこれらのカチオン
性界面活性剤類を使用しても、必ずしも充分な耐水性が
得られるものではなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水溶性また
は水分散性の色材を含有する水性インクを用いて記録画
像を形成するインクジェット記録媒体において、多量の
インクを使用する最近のインクジェット印刷機において
もドットの滲みのない優れた画像再現性を有するのみな
らず、印字の耐水性、耐候性に優れた記録媒体に適した
カチオン性物質の構造及び印字耐水性の関係について鋭
意検討の結果、4級アンモニウム塩のNに結合する疎水
基の合計炭素数が特定の範囲のカチオン性物質を使用す
ることにより充分な印字耐水性が得られる事を見出し、
更に、顔料類、及び水不溶性結着剤を併用せしめること
により画像の定着性にも優れたインクジェット記録媒体
を得ることを見いだし本発明に至ったのである。
【0010】即ち、本発明(1)は、水溶性または水分
散性の色材を含有する水性インクを微少なオリフィスか
ら吐出させ、形成された液滴が記録媒体上に転移して記
録画像が形成されるインクジェット記録媒体において、
該インクジェット記録媒体が基材上に、顔料および水不
溶性結着剤を含有し、且つ下記一般式1で示されるカチ
オン性化合物および下記一般式2、下記一般式3で示さ
れるカチオン性樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有
するインク受容層を有することを特徴とするインクジェ
ット記録媒体である。
【化10】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
る。Xはハロゲンである。)
【化11】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
〜5000の整数である。)
【化12】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
〜5000の整数である。)
【0011】また、本発明者は、水溶性または水分散性
の色材を含有する水性インクを用いて記録画像を形成す
るインクジェット記録媒体において、多量のインクを使
用する最近のインクジェット印刷機においてもドットの
滲みや裏抜けのない優れた画像再現性を有するのみなら
ず、印字の耐水性、耐候性に優れた記録媒体に使用され
る材料及び記録媒体の物性について鋭意検討の結果、基
材上に顔料、結着剤および4級アンモニウム塩のNに結
合する疎水基の合計炭素数が特定の範囲のカチオン性物
質を含有してなるインク受容層を有し、且つ動的走査吸
液計で測定した接触時間20(ms)1/2における水
の記録媒体への転移量を30ml/m以上100ml
/m以下に調節することにより充分な印字耐水性が得
られ、なお且つドットの再現性が良好で精細で発色の良
い印字が可能で、裏抜けなどの生じないインクジェット
記録媒体を得ることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。
【0012】本発明(2)は、水溶性または水分散性の
色材を含有する水性インクを微少なオリフィスから吐出
させ、形成された液滴が記録媒体上に転移して記録画像
が形成されるインクジェット記録媒体において、該イン
クジェット記録媒体が基材上に、顔料、結着剤、及び下
記一般式1で示されるカチオン性化合物および下記一般
式2および3で示されるカチオン性樹脂から選ばれる少
なくとも1種を含有するインク受容層を有し、且つ動的
走査吸液計で測定した接触時間20(ms) /2にお
ける水の記録媒体への転移量が30〜100ml/m
であることを特徴とするインクジェット記録媒体であ
る。
【化13】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
る。Xはハロゲンである。)
【化14】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
〜5000の整数である。)
【化15】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
〜5000の整数である。)
【0013】中でも、一般式1のカチオン性化合物が下
記一般式4であることが好ましい。
【化16】 (式中、R1,R2はそれぞれ独立した炭素数8以上の
アルキル基であり、R3,R4は、それぞれ独立した炭
素数1〜4のアルキル基であり、且つR1〜R4の合計
炭素数が18〜36を満足する。Xはハロゲンであ
る。)
【0014】また、一般式1のカチオン性化合物が下記
一般式5であことが好ましい。
【化17】 (式中、R1は炭素数13以上のアルキル基であり、R
2,R3,R4は、それぞれ独立した炭素数1〜4のア
ルキル基であり、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜
36を満足する。Xはハロゲンである。)
【0015】更にまた、一般式2のカチオン性化合物が
下記一般式6であることが好ましい。
【化18】 (式中、R5は、炭素数12〜18のアルキル基であ
る。Xはハロゲンである。nは20〜5000の整数で
ある。)
【0016】更に、基材が、フイルム、合成紙、不織布
より選ばれた、合成樹脂を主成分とするシートであるこ
とが好ましい。また、結着剤が、ポリアクリル系、ポリ
酢酸ビニル系、ポリエチレン−酢酸ビニル系水不溶性結
着剤を含有することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明(1)は、基材上に、顔料
類、水不溶性結着剤、下記一般式1で示されるカチオン
性化合物および下記一般式2、下記一般式3で示される
カチオン性樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する
インク受容層を形成せしめることが特徴である。
【化19】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
る。Xはハロゲンである。)
【化20】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
〜5000の整数である。)
【化21】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
〜5000の整数である。)
【0018】かかるカチオン性化合物およびカチオン性
樹脂は、Nに疎水基の結合した4級アンモニウム塩構造
を持ち、かつ、疎水基の合計炭素数を特定の範囲で有す
るものであり、これを配合することにより、画像の定着
が速やかに行われ、印字耐水性、及び画像の再現性にも
優れた印字画像を得るものである。
【0019】この理由は必ずしも明白ではないが、アニ
オン性の染料分子と相互作用を行う4級アンモニウム塩
部分近傍の疎水性の程度が調節される事により、水系の
インク中に含まれる染料分子を効果的に捕捉、定着し、
なお且つ印字の乾燥後は、印字物が湿潤或いは浸水され
た状況になっても適度な疎水性のために染料定着部位の
水による移動が抑制され、結果的に良好な印字耐水性が
得られるものと推定される。なお、4級アンモニウム塩
のNに結合する疎水基の合計炭素数の好ましい範囲は1
6〜36であり、より好ましい範囲は20〜30であ
る。
【0020】このようなカチオン性物質としては、必ず
しも限定するものではないが、テトラブチルアンモニウ
ムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、
テトラペンチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロ
リド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性化合物、或
いは、ポリジアリルジデシルアンモニウムクロリドな
ど、主鎖または側鎖に4級アンモニウム塩構造を有する
カチオン性ポリマーにおいて、Nに疎水基が結合した構
造のポリマー類が例示される。また、疎水基としてはデ
シル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基などのア
ルキル基、オレイル基などの長鎖モノエン、ベンジル基
等から適宜選択すされるが、炭素数10以上の長鎖アル
キル基のものは、耐水性の改善効果が特に大きいため、
とりわけ好ましく用いられる。
【0021】また必要に応じて、こうした疎水性残基と
共に、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫
外線吸収能を有する疎水性残基を導入することにより、
更に記録の保存性を向上させる事も出来る。また、これ
らのカチオン性化合物は、インクジェット記録媒体に通
常使用されるようなカチオン樹脂類と呼ばれるポリマー
型カチオン性化合物と併用する事も出来る。このような
カチオン樹脂としては、ジシアンジアミド縮合型ポリマ
ー類、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド等の
ジアリルアミン型ポリマー類、ポリアリルアミン類、ポ
リアクリルアマイド類等を例示する事ができる。
【0022】上記の如く、インクジェット記録媒体の基
材表層に上記のようなカチオン性化合物を含有するイン
ク受容層を設けることにより、インクの吸収は促進され
るものの、表層でのインクの浸透が過度に促進される事
により印字が滲むという弊害を生じる。この問題を解決
するために、本発明においては、上記インク受容層中に
水不溶性結着剤が併用されているところに重大な特徴を
有するものである。水不溶性結着剤としては、一般にポ
リアクリル系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリ
エステル系、ポリスチレン−アクリル系、ポリ酢酸ビニ
ル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン−酢酸ビニル
系、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系等の水不溶性樹脂類
の水分散体から適宜選択使用されるが、必ずしもこれら
に限定するものではない。これらの樹脂類は、同じく一
般に結着剤として使用される水溶性樹脂類に比べてイン
クの浸透を抑制する効果があるのみならず、インク受容
層自体の耐水性を改善する効果も有するため、本発明に
規定する上記の4級カチオン性物質と併用する事によ
り、とりわけ好ましい記録品質及び印字耐水性が得られ
るものである。また、これらの水不溶性結着剤の内、ポ
リアクリル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエチレン−酢酸
ビニル系のものは、長期間の光暴露による黄変、着色が
少ないため、より好ましく使用される。
【0023】インク受容層に用いられる顔料類として
は、必ずしも限定するものではないが、珪酸アルミニウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、無定形シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪藻土等の無機顔料、スチレン
系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾ
グアナミン樹脂系の有機顔料類の中から併用或い単独で
適宜選択される。とりわけ、無定形シリカ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムは多くの品種が工業的に
上市されており、容易に所望の性能を備えたものを選択
できるため、好ましく用いることができる。
【0024】更に、結着剤としては、上記水不溶性結着
剤の他に、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、
ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子
類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニ
ルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、
アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリア
クリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリ
ル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水
分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチ
オン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を併用
することもできる。
【0025】更にインク受容層には、必要に応じ、顔料
分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸
透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野
で公知の各種助剤も使用することができる。
【0026】基材としては、抄紙用パルプに必要に応じ
てシリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム等の填料を添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常
行われている方法により調製した原紙や、或いは、乾式
あるいは湿式の不織布または合成樹脂フイルムや合成紙
などを適宜用いることができる。本発明の目的とする、
耐水性に優れたインクジェット記録物を実現するために
は、基材自体の耐水性も要求される事から、基材として
は、耐水性に優れたフイルム、合成紙、不織布より選ば
れた、合成樹脂を主成分とするシートがとりわけ好まし
く使用される。これらの基材上に、上記インク受容層を
塗設する手段としてはサイズプレス、ゲートロール、ロ
ールコーター、バーコーター、グラビアコーター、エア
ナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコ
ーター、ダイコーター、或いはカーテンコーターなど通
常使用されている塗工手段から適宜選択することができ
る。
【0027】インク受容層の塗工量は、通常1〜50g
/m、好ましくは2〜30g/m である。インク受
容層中に含有される上記カチオン性化合物の最適量は、
使用される記録印字の条件によって異なるため、特に限
定するものではないが、一般には0.05〜5g/m
の範囲で適宜調節される。即ち、0.05g/mより
も少ない場合には充分な印字耐水性が得られず、5g/
よりも多くなると、過剰のカチオン性化合物の移動
に伴って記録の滲みが進みやすくなるなどの弊害が懸念
される。
【0028】本発明において使用される水性インク中に
は染料として水溶性直接染料及び水溶性酸性染料のうち
少なくとも1種を含有し、この他に適宜、湿潤剤、染料
溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有する。水溶性直接染料
としてはCI.ダイレクトブラック、CI.ダイレクト
イエロー、CI.ダイレクトブルー、CI.ダイレクト
レッド等が挙げられ、水溶性酸性染料としては、CI.
アシッドブラック、CI.アシッドイエロー、CI.ア
シッドブルー、CI.アシッドレッド等を挙げることが
できるが必ずしもこれらに限定するものではない。
【0029】本発明(2)は、基材上に、顔料類、結着
剤、上記一般式1で示されるカチオン性化合物および下
記一般式2、下記一般式3で示されるカチオン性樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種を含有するインク受容層を形
成せしめ、且つインク受容層表面の動的走査吸液計で測
定した接触時間20(ms)1/2における水の記録媒
体への転移量が30〜100ml/mとすることが特
徴である。
【化22】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
る。Xはハロゲンである。)
【化23】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
〜5000の整数である。)
【化24】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
〜5000の整数である。)
【0030】かかるカチオン性化合物およびカチオン性
樹脂は、Nに疎水基の結合した4級アンモニウム塩構造
を持ち、かつ、疎水基の合計炭素数を特定の範囲で有す
るものであり、これを配合することにより、画像の定着
が速やかに行われ、印字耐水性、及び画像の再現性にも
優れた印字画像を得るものである。
【0031】この理由は必ずしも明白ではないが、アニ
オン性の染料分子と相互作用を行う4級アンモニウム塩
部分近傍の疎水性の程度が調節される事により、水系の
インク中に含まれる染料分子を効果的に捕捉、定着し、
なお且つ印字の乾燥後は、印字物が湿潤或いは浸水され
た状況になっても適度な疎水性のために染料定着部位の
水による移動が抑制される事によるものと推定される。
4級アンモニウム塩のNに結合する疎水基の合計炭素数
を16〜36の範囲、より好ましい範囲は20〜30に
することにより、画像の定着が速やかに行われ、印字耐
水性、及び画像の再現性にも優れた印字画像を得るもの
である。しかし、このようなカチオン性化合物やカチオ
ン性樹脂を含有するインク受容層は、インクの吸収は促
進されるものの、表層でのインクの浸透が過度に促進さ
れる事により印字が滲むという弊害を生じる。この問題
を解決するために、本発明においては、動的走査吸液計
で測定した接触時間20(ms)1/2における水の記
録媒体への転移量を30ml/m以上100ml/m
以下に調節するところに重大な特徴を有するものであ
る。
【0032】このようなカチオン性物質としては、必ず
しも限定するものではないが、テトラブチルアンモニウ
ムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、
テトラペンチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロ
リド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性化合物、或
いは、ポリジアリルジデシルアンモニウムクロリドな
ど、主鎖または側鎖に4級アンモニウム塩構造を有する
カチオン性ポリマーにおいて、Nに疎水基が結合した構
造のポリマー類が例示される。また、疎水基としてはデ
シル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基などのア
ルキル基、オレイル基などの長鎖モノエン、ベンジル基
等から適宜選択されるが、炭素数10〜14の範囲にあ
る長鎖アルキル基のものは、耐水性効果とインク吸収性
の効果のバランスが優れており、とりわけ好ましく用い
られる。因みに炭素数が小さすぎると耐水性が低下する
傾向があり、炭素数が大きすぎると、耐水性向上効果が
期待される反面、疎水基が大きい事により水系塗料への
溶解性が低下するといった問題が懸念される。
【0033】また必要に応じて、こうした疎水性残基と
共に、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫
外線吸収能を有する疎水性残基を導入することにより、
更に記録の保存性を向上させる事も出来る。また、これ
らのカチオン性化合物は、インクジェット記録媒体に通
常使用されるようなカチオン樹脂類と呼ばれるポリマー
型カチオン性化合物と併用する事も出来る。このような
カチオン樹脂としては、ジシアンジアミド縮合型ポリマ
ー類、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド等の
ジアリルアミン型ポリマー類、ポリアリルアミン類、ポ
リアクリルアマイド類等を例示することができる。
【0034】インクジェット記録媒体のインク受容層表
層に水の転移性の調節は、例えば、インク受容層中にポ
リアクリル系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリ
エステル系、ポリスチレン−アクリル系、ポリ酢酸ビニ
ル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン−酢酸ビニル
系、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系等の水不溶性樹脂類
の水分散体や、フッ素系、シリコーン系、パラフィン系
等の疎水性材料を含有せしめたり、インク受容層に使用
する顔料の吸油度などの吸収性に関わる物性をを調節す
る事や、顔料/結着剤(P/B)比を調節する事により
行うことができる。
【0035】上記の方法に限定するものではないが、水
不溶性樹脂類の水分散体を併用する方法は、一般に結着
剤として使用される水溶性樹脂類に比べてインクの浸透
を抑制する効果があるのみならず、インク受容層自体の
耐水性を改善する効果も有するため、本発明に規定する
上記の4級カチオン性物質と併用する事により、とりわ
け良好な記録品質及び印字耐水性が得られるものであり
好ましい。また、これらの水不溶性結着剤の内、ポリア
クリル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエチレン酢酸ビニル
系のものは、長期間の光暴露による黄変、着色が少ない
ため、より好ましく使用される。
【0036】本発明は高速で印字を行うインクジェット
記録に使用される、インク吸収性及びインク定着性の改
良された記録媒体をとしても有用である。本発明者は、
目的とする高速インクジェット印字適性には表面にイン
ク滴が接触してからおよそ400ms後における用紙の
吸水特性が決定的な影響を持つことを見出した。本発明
で規定する高速印字に優れた記録媒体は、接触時間20
(ms)1/2における蒸留水の記録媒体への転移量を
30ml/m以上、100ml/m以下に調節する
所に重大な特徴を有するものであり、ここに挙げた極め
て短い接触時間における記録媒体の吸水性に関する物性
は、例えば、協和精工(株)製動的走査吸液計(DSA)
を用いて何れも測定する事が出来る。接触時間20(m
s)1/ における蒸留水の記録媒体への転移量は好ま
しくは40ml/m以上であり、上限は100ml/
である。転移量が少ない場合には、インク滴着弾時
に必要以上にインクが広がってしまい、画像の精細さが
損なわれるといった問題が生じ、一方、転移量が多すぎ
る場合には、印字が沈んで良好な発色が得られなかった
り、紙のような吸水性の基材を使用した場合には、イン
クが基材へ移動してしまい、甚だしい場合は裏抜けが発
生するため好ましくない。
【0037】動的走査吸収液計(dynamic sc
anning absorptometer;DSA,
紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92
頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸水量を正確
に測定できる装置である。動的走査吸液計は、試料を円
盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、
予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化
させ、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動
から直読して1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行
う、という方法によって測定を自動化したものである。
紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を
介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニ
スカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。
【0038】インク受容層に用いられる顔料類として
は、必ずしも限定するものではないが、珪酸アルミニウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、無定形シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪藻土等の無機顔料、スチレン
系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾ
グアナミン樹脂系の有機顔料類の中から併用或い単独で
適宜選択される。とりわけ、無定形シリカ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムは多くの品種が工業的に
上市されており、容易に所望の性能を備えたものを選択
できるため、好ましく用いることができる。
【0039】インク受容層に用いられる結着剤として
は、ポリアクリル系、ポリスチレン系、ポリウレタン
系、ポリエステル系、ポリスチレン−アクリル系、ポリ
酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン−酢酸
ビニル系、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル系等の水不溶性
結着剤、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼ
ラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子類、
ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニルピ
ロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、アク
リル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリ
ルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸
メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水分散
体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチオン
性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜用い
ることができる。
【0040】インク受容層には、更に必要に応じ、顔料
分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸
透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野
で公知の各種助剤も使用することができる。
【0041】基材としては、抄紙用パルプに必要に応じ
てシリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム等の填料を添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常
行われている方法により調製した原紙や、或いは、乾式
あるいは湿式の不織布または合成樹脂フイルムや合成紙
などを適宜用いることができる。本発明の目的とする、
耐水性に優れたインクジェット記録物を実現するために
は、基材自体の耐水性も要求される事から、基材として
は、耐水性に優れたフイルム、合成紙、不織布より選ば
れた、合成樹脂を主成分とするシートがとりわけ好まし
く使用される。
【0042】これらの基材上に、上記インク受容層を塗
設する手段としてはサイズプレス、ゲートロール、ロー
ルコーター、バーコーター、グラビアコーター、エアナ
イフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコー
ター、ダイコーター、或いはカーテンコーターなど通常
使用されている塗工手段から適宜選択することができ
る。
【0043】インク受容層の塗工量は、通常1〜50g
/m、好ましくは2〜30g/m である。インク受
容層中に含有される上記カチオン性化合物の最適量は、
使用される記録印字の条件によって異なるため、特に限
定するものではないが、一般には0.05〜5g/m
の範囲で適宜調節される。即ち、0.05g/mより
も少ない場合には充分な印字耐水性が得られず、5g/
よりも多くなると、過剰のカチオン性化合物の移動
に伴って記録の滲みが進みやすくなるなどの弊害が懸念
される。
【0044】本発明において使用される水性インク中に
は染料として水溶性直接染料及び水溶性酸性染料のうち
少なくとも1種を含有し、この他に適宜、湿潤剤、染料
溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有する。水溶性直接染料
としてはCI.ダイレクトブラック、CI.ダイレクト
イエロー、CI.ダイレクトブルー、CI.ダイレクト
レッド等が挙げられ、水溶性酸性染料としては、CI.
アシッドブラック、CI.アシッドイエロー、CI.ア
シッドブルー、CI.アシッドレッド等を挙げることが
できるが必ずしもこれらに限定するものではない。
【0045】なお、本発明(1)及び本発明(2)にお
いて、一般式1のカチオン性化合物が下記一般式4であ
ることにより、印字耐水性の改善効果に優れるので好ま
しい。
【化25】 (式中、R1,R2はそれぞれ独立した炭素数8以上の
アルキル基であり、R3,R4は、それぞれ独立した炭
素数1〜4のアルキル基であり、且つR1〜R4の合計
炭素数が18〜36を満足する。Xはハロゲンであ
る。)
【0046】また、一般式1のカチオン性化合物が下記
一般式5であることにより、印字耐水性の改善効果が特
に優れるので好ましい。
【化26】 (式中、R1は炭素数13以上のアルキル基であり、R
2,R3,R4は、それぞれ独立した炭素数1〜4のア
ルキル基であり、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜
36を満足する。Xはハロゲンである。)
【0047】更にまた、一般式2のカチオン性化合物が
下記一般式6であることにより、印字の耐水性が改善さ
れるのみならず、高湿度下における印字のニジミ改善が
期待されるので好ましい。
【化27】 (式中、R5は、炭素数12〜18のアルキル基であ
る。Xはハロゲンである。nは20〜5000の整数)
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものでは
ない。なお実施例に於て示す部数及び%は質量部及び質
量%を意味する。
【0049】実施例1 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
濾水度450mlcsfのLBKP90部に濾水度48
0mlcsfのNBKP10部を混合し、炭酸カルシウ
ムを25部、アルキルケテンダイマー0.1部、カチオ
ン系ポリ(メタ)アクリラミド0.05部、カチオン化
デンプン1部、硫酸バンド0.5部を調製し、坪量11
0g/mの原紙を長網抄紙機で抄造し、2%のデンプ
ン溶液を片面当たりの乾燥後塗布量が0.4g/m
なるようにサイズプレス装置で塗布、乾燥し、JIS−
P−8122によるステキヒトサイズ度が100秒のイ
ンクジェット紙用塗工原紙を得た。
【0050】「インクジェット記録媒体の作成(インク
受容層の形成)」無定形シリカ顔料(商品名:ファイン
シールX−45;(株)トクヤマ製)65部を、セチル
トリメチルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数
は19)の1.5%水溶液600部中に分散し、これに
結着剤としてポリビニルアルコール(商品名:クラレポ
バールPVA−117,(株)クラレ製)10%水溶液
300部、エチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス(商
品名:スミカフレックス473;住友化学製 57%水
分散体)35部を添加しインク受容層用塗液とした。こ
の塗液を上記のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の
塗布量が5g/mになるようにマイヤ・バーを用いて
塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行ってイン
クジェット記録媒体を得た。
【0051】実施例2 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
実施例1と同様にしてインクジェット紙用塗工原紙を得
た。 「インクジェット記録媒体の作成(インク受容層の形
成)」セチルトリメチルアンモニウムクロリドの代わり
に、テトラペンチルアンモニウムクロリド(疎水基の合
計炭素数は20)を使用し、乾燥後の塗布量を10g/
となるように塗布乾燥した以外は、実施例1と同様
にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0052】実施例3 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
実施例1と同様にしてインクジェット紙用塗工原紙を得
た。 「インクジェット記録媒体の作成(インク受容層の形
成)」無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−
45;(株)トクヤマ製)75部を、ジデシルジメチル
アンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は22)の
2%水溶液600部中に分散し、これに結着剤としてポ
リビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−
117,(株)クラレ製)10%水溶液300部、エチ
レン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体ラテックス(商品
名:スミカフレックス820;住友化学製 50%水分
散体)25部を添加しインク受容層用塗液とした。この
塗液を乾燥後の塗布量が10g/mになるようにマイ
ヤ・バーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行ってインクジェット記録媒体を得た。
【0053】比較例1 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
実施例1と同様にしてインクジェット紙用塗工原紙を得
た。 「インクジェット記録媒体の作成(インク受容層の形
成)」セチルトリメチルアンモニウムクロリドの代わり
に、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(商品
名:ユニセンスCP−103;センカ(株)製、40%
水溶液)を使用した以外は、実施例1と同様にしてイン
クジェット記録媒体を得た。
【0054】比較例2 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
実施例1と同様にしてインクジェット紙用塗工原紙を得
た。 「インクジェット記録媒体の作成(インク受容層の形
成)」セチルトリメチルアンモニウムクロリドの代わり
に、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(疎水
基の合計炭素数は38)を使用した以外は、実施例1と
同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0055】比較例3 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
実施例1と同様にしてインクジェット紙用塗工原紙を得
た。 「インクジェット記録媒体の作成(インク受容層の形
成)」無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−
45;(株)トクヤマ製)75部を、ジデシルジメチル
アンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は22)の
1.5%水溶液625部中に分散し、これに結着剤とし
てポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPV
A−117,(株)クラレ製)10%水溶液300部、
を添加しインク受容層用塗液とした。この塗液を使用し
た以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒
体を得た。
【0056】実施例4 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−60;
(株)トクヤマ製)65部を、ジラウリルジメチルアン
モニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は26)の1.
5%水溶液600部中に分散し、これに結着剤として変
性ポリビニルアルコール(商品名:クラレRポリマーR
−1130,(株)クラレ製)10%水溶液300部、
エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体ラテックス(商
品名:スミカフレックス820;住友化学製 50%水
分散体)50部を添加しインク受容層用塗液とした。こ
の塗液を厚さ100μmの白色PETフィルム(商品
名:テトロン タイプU5;帝人(株)製)上に乾燥後
の塗布量が15g/mになるようにマイヤ・バーを用
いて塗布乾燥してインクジェット記録媒体を得た。
【0057】実施例5 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−40
5;グレースデヴィソン(株)製)60部を、ジデシル
ジメチルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は
22)の3%水溶液650部中に分散し、これに結着剤
としてポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール
PVA−117,(株)クラレ製)10%水溶液250
部、酢酸ビニルラテックス(商品名:ヨドゾールCE6
0;NSC(株)製 50%水分散体)40部を添加し
インク受容層用塗液とした。この塗液を厚さ110μm
の合成紙(商品名:YUPO FPG−110;(株)
ユポコーポレーション製)上に乾燥後の塗布量が15g
/mになるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾燥して
インクジェット記録媒体を得た。
【0058】実施例6 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−41
2;グレースデヴィソン(株)製)60部を、ステアリ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(疎水基の合
計炭素数は27)の3%水溶液560部中に分散し、こ
れにポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(商品
名:ユニセンスCP−103;センカ(株)製、40%
水溶液)40部、及び結着剤として変性ポリビニルアル
コール(商品名:クラレRポリマーR−1130,
(株)クラレ製)10%水溶液300部、アクリルラテ
ックス(商品名:リカボンドFK−820;中央理化工
業(株)製 40%水分散体)40部を添加しインク受
容層用塗液とした。この塗液を使用した以外は実施例5
と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0059】実施例7 無定形シリカ顔料(商品名:カープレックス BS−3
04N;塩野義製薬(株)製)100部を、ジデシルジ
メチルアンモニウムクロリドの4%水溶液750部中に
分散し、これに結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合
体ラテックス(商品名:スミカフレックス473;住友
化学製 57%水分散体)150部を添加しインク受容
層用塗液とした。この塗液を厚さ110μmの合成紙
(商品名:YUPO FPG−110;(株)ユポコー
ポレーション製)上に乾燥後の塗布量が20g/m
なるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾燥してインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0060】比較例4 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−60;
(株)トクヤマ製)65部を、ポリジメチルアミン・ア
ンモニア・エポクロルヒドリン共重合体(商品名:PA
L−2;センカ(株)製、20%水溶液)2%水溶液6
35部中に分散し、これに結着剤として変性ポリビニル
アルコール(商品名:クラレRポリマーR−1130,
(株)クラレ製)10%水溶液300部を添加しインク
受容層用塗液とした。この塗液を使用した以外は実施例
5と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0061】比較例5 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−40
5;グレースデヴィソン(株)製)60部を、エチル硫
酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモ
ニウムクロリドの3%水溶液650部中に分散し、これ
に結着剤として変性ポリビニルアルコール(商品名:ク
ラレRポリマーR−1130,(株)クラレ製)10%
水溶液300部、酢酸ビニルラテックス(商品名:ヨド
ゾールCE60;NSC(株)製 50%水分散体)4
0部を添加しインク受容層用塗液とした。この塗液を使
用した以外は実施例5と同様にしてインクジェット記録
媒体を得た。
【0062】比較例6 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−41
2;グレースデヴィソン(株)製)65部を、ジシアン
ジアミドポリアミン縮合体(商品名:Neofix R
P−70;日華化学(株)製、70%水溶液)の1.5
%水溶液600部中に分散し、これに結着剤として変性
ポリビニルアルコール(商品名:クラレRポリマーR−
1130,(株)クラレ製)10%水溶液300部、お
よびエチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス(商品名:
スミカフレックス473;住友化学製 57%水分散
体)35部を添加しインク受容層用塗液とした。この塗
液を使用した以外は実施例5と同様にしてインクジェッ
ト記録媒体を得た。
【0063】得られたインクジェット記録媒体について
印字濃度、印字精細性、印字定着性、印字耐水性を評価
した結果を表1に示す。
【0064】「評価」 1.評価印字 市販のカラーインクジェットプリンタ EPSON社P
M750Cを使用し、黒、シアン、マジェンタ、イエロ
ーの単色及びレッド、グリーン、ブルーの重色べた及び
細線の画像を印字した。
【0065】2.印字画像濃度 マクベス反射濃度計RD914を使用し、EPSON社
PM750Cで印字した、黒、シアン、マジェンタ、イ
エローの単色べた画像印字部の反射濃度を測定した。
【0066】3.印字精細性 EPSON社PM750Cで印字した、細線画像印字部
のニジミ、精細性を目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。
【0067】4.印字定着性 EPSON社PM750Cで印字した、黒、シアン、マ
ジェンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーのべた
画像を印字し、排紙直後にろ紙を重ねてインクの再転移
の有無を目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。 ××:非常に劣る。
【0068】5.印字耐水性 EPSON社PM750Cで印字した、黒、シアン、マ
ジェンタ、イエローの単色べた及びレッド、グリーン、
ブルーの重色べた画像を10分間流水中に浸漬し、自然
乾燥後の印字部色変化及び印字部輪郭からの色の流れ出
しを目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。 ××:非常に劣る。
【0069】
【表1】 表1から明らかなように本発明の実施例は、比較例に比
べ、印字濃度、印字精細性、印字定着性、印字耐水性が
共に優れたインクジェット記録媒体であった。
【0070】実施例8 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
濾水度450mlcsfのLBKP90部に濾水度48
0mlcsfのNBKP10部を混合し、炭酸カルシウ
ムを25部、アルキルケテンダイマー0.1部、カチオ
ン系ポリ(メタ)アクリラミド0.05部、カチオン化
デンプン1部、硫酸バンド0.5部を調製し、坪量11
0g/mの原紙を長網抄紙機で抄造し、2%のデンプ
ン溶液を片面当たりの乾燥後塗布量が0.4g/m
なるようにサイズプレス装置で塗布、乾燥し、JIS−
P−8122によるステキヒトサイズ度が100秒のイ
ンクジェット紙用塗工原紙を調製した。
【0071】「インクジェット記録媒体の作成(インク
受容層の形成)」無定形シリカ顔料(商品名:ファイン
シールX−45;(株)トクヤマ製)65部を、セチル
トリメチルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数
は19)の1.5%水溶液600部中に分散し、これに
結着剤としてポリビニルアルコール(商品名:クラレポ
バールPVA−117,(株)クラレ製)10%水溶液
300部、エチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス(商
品名:スミカフレックス473;住友化学製 57%水
分散体)35部を添加しインク受容層用塗液とした。こ
の塗液を上記のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の
塗布量が5g/mになるようにマイヤ・バーを用いて
塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行ってイン
クジェット記録媒体を得た。
【0072】実施例9 「インクジェット紙用塗工原紙の作成(基材の作成)」
濾水度450mlcsfのLBKP90部に濾水度48
0mlcsfのNBKP10部を混合し、炭酸カルシウ
ムを25部、アルキルケテンダイマー0.03部、カチ
オン系ポリ(メタ)アクリラミド0.05部、カチオン
化デンプン1部、硫酸バンド0.5部を調製し、坪量1
10g/mの原紙を長網抄紙機で抄造し、2%のデン
プン溶液を片面当たりの乾燥後塗布量が0.4g/m
になるようにサイズプレス装置で塗布、乾燥し、JIS
−P−8122によるステキヒトサイズ度が10秒のイ
ンクジェット紙用塗工原紙を調製した。
【0073】「インクジェット記録媒体の作成(インク
受容層の形成)」この原紙を用いて、セチルトリメチル
アンモニウムクロリドの代わりに、テトラペンチルアン
モニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は20)を使用
した以外は、実施例8と同様にしてインクジェット記録
媒体を得た。
【0074】実施例10 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−45;
(株)トクヤマ製)75部を、ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は22)の1.5
%水溶液600部中に分散し、これに結着剤としてポリ
ビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−1
17,(株)クラレ製)10%水溶液300部、エチレ
ン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体ラテックス(商品名:
スミカフレックス820;住友化学製 50%水分散
体)25部を添加しインク受容層用塗液とした。この塗
液を実施例8で使用したものと同様のインクジェット紙
用塗工原紙に乾燥後の塗布量が5g/mになるように
マイヤ・バーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレン
ダー処理を行ってインクジェット記録媒体を得た。
【0075】実施例11 無定形シリカ顔料(商品名:カープレックスBS−30
4N;塩野義製薬(株)製)100部を、ジデシルジメ
チルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は2
2)の3%水溶液300部中に分散し、これに結着剤と
してポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールP
VA−117,(株)クラレ製)10%水溶液600部
を添加しインク受容層用塗液とした。この塗液を実施例
9で使用したものと同様のインクジェット紙用塗工原紙
に乾燥後の塗布量が10g/mになるようにマイヤ・
バーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理
を行ってインクジェット記録媒体を得た。
【0076】実施例12 無定形シリカ顔料(ファインシールX−45;(株)ト
クヤマ製)100部を、ジデシルジメチルアンモニウム
クロリド(疎水基の合計炭素数は22)の3%水溶液3
00部中に分散し、これに結着剤としてポリビニルアル
コール(商品名:クラレポバールPVA−117,
(株)クラレ製)10%水溶液400部及びフッ素系サ
イズ剤(商品名:スコッチバンFX845;住友スリー
エム製)の5%水分散液200部を添加しインク受容層
用塗液とした。この塗液を実施例8で使用したものと同
様のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の塗布量が1
0g/mになるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾燥
した後、スーパーカレンダー処理を行ってインクジェッ
ト記録媒体を得た。
【0077】比較例7 無定形シリカ顔料(ファインシールX−45;(株)ト
クヤマ製)100部を、セチルトリメチルアンモニウム
クロリド(疎水基の合計炭素数は19)の1.5%水溶
液600部中に分散し、これに結着剤としてポリビニル
アルコール(商品名:クラレポバールPVA−117,
(株)クラレ製)10%水溶液300部を添加しインク
受容層用塗液とした。この塗液を実施例9で使用したも
のと同様のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の塗布
量が5g/mになるようにマイヤ・バーを用いて塗布
乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行ってインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0078】比較例8 無定形シリカ顔料(ファインシールX−45;(株)ト
クヤマ製)100部を、セチルトリメチルアンモニウム
クロリド(疎水基の合計炭素数は19)の4%水溶液4
00部中に分散し、これに結着剤としてポリビニルアル
コール(商品名:クラレポバールPVA−117,
(株)クラレ製)10%水溶液500部を添加しインク
受容層用塗液とした。この塗液を実施例9で使用したも
のと同様のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の塗布
量が5g/mになるようにマイヤ・バーを用いて塗布
乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行ってインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0079】比較例9 セチルトリメチルアンモニウムクロリドの代わりに、ポ
リジメチルジアリルアンモニウムクロリド(商品名:ユ
ニセンスCP−103;センカ(株)製、40%水溶
液)を使用した以外は、実施例8と同様にしてインク受
容層用塗液を調製した。この塗液を実施例8で使用した
ものと同様のインクジェット紙用塗工原紙に乾燥後の塗
布量が10g/mになるようにマイヤ・バーを用いて
塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行ってイン
クジェット記録媒体を得た。
【0080】比較例10 インクジェット紙用塗工原紙を実施例9で使用したもの
と同様のものを使用した以外は、比較例9と同様にして
インクジェット記録媒体を得た。
【0081】比較例5 セチルトリメチルアンモニウムクロリドに代えてジステ
アリルジメチルアンモニウムクロリドを使用した以外
は、実施例8と同様にしてインクジェット記録媒体を得
た。
【0082】実施例13 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−60;
(株)トクヤマ製)65部を、ジラウリルジメチルアン
モニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は26)の1.
5%水溶液600部中に分散し、これに結着剤として変
性ポリビニルアルコール(商品名:クラレRポリマーR
−1130,(株)クラレ製)10%水溶液300部、
エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体ラテックス(商
品名:スミカフレックス820;住友化学製 50%水
分散体)35部を添加しインク受容層用塗液とした。こ
の塗液を厚さ100μmの白色PETフィルム(商品
名:テトロン タイプU5;帝人(株)製)上に乾燥後
の塗布量が15g/mになるようにマイヤ・バーを用
いて塗布乾燥してインクジェット記録媒体を得た。
【0083】実施例14 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−40
5;グレースデヴィソン(株)製)60部を、ジデシル
ジメチルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は
22)の1.4%水溶液650部中に分散し、これに結
着剤としてポリビニルアルコール(商品名:クラレポバ
ールPVA−117,(株)クラレ製)10%水溶液2
50部、酢酸ビニルラテックス(商品名:ヨドゾールC
E60;NSC(株)製 50%水分散体)40部を添
加しインク受容層用塗液とした。この塗液を厚さ110
μmの合成紙(商品名:YUPO FPG−110;
(株)ユポコーポレーション製)上に乾燥後の塗布量が
15g/mになるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾
燥してインクジェット記録媒体を得た。
【0084】実施例15 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−41
2;グレースデヴィソン(株)製)60部を、ステアリ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(疎水基の合
計炭素数は27)の1.5%水溶液580部中に分散
し、これにポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド
(商品名:ユニセンスCP−103;センカ(株)製、
40%水溶液)20部、及び結着剤として変性ポリビニ
ルアルコール(商品名:クラレRポリマーR−113
0,(株)クラレ製)10%水溶液300部、アクリル
ラテックス(商品名:リカボンドFK−820;中央理
化工業(株)製 40%水分散体)40部を添加しイン
ク受容層用塗液とした。この塗液を使用した以外は実施
例14と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0085】実施例16 無定形シリカ顔料(商品名:カープレックス BS−3
04N;塩野義製薬(株)製)100部を、ジデシルジ
メチルアンモニウムクロリドの4%水溶液750部中に
分散し、これに結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合
体ラテックス(商品名:スミカフレックス473;住友
化学製 57%水分散体)150部を添加しインク受容
層用塗液とした。この塗液を厚さ110μmの合成紙
(商品名:YUPO FPG−110;(株)ユポコー
ポレーション製)上に乾燥後の塗布量が20g/m
なるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾燥してインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0086】比較例12 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−60;
(株)トクヤマ製)60部を、ステアリルジメチルベン
ジルアンモニウムクロリド(疎水基の合計炭素数は2
7)の1.5%水溶液580部中に分散し、これにポリ
ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(商品名:ユニ
センスCP−103;センカ(株)製、40%水溶液)
20部、及び結着剤として変性ポリビニルアルコール
(商品名:クラレRポリマーR−1130,(株)クラ
レ製)10%水溶液300部、及び界面活性剤ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン10
9P;花王(株)製)の5%水溶液140部を添加しイン
ク受容層用塗液とした。この塗液を使用した以外は実施
例14と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
【0087】比較例13 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−60;
(株)トクヤマ製)65部を、ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド1.5%水溶液540部中に分散し、こ
れに結着剤として変性ポリビニルアルコール(商品名:
クラレRポリマーR−1130,(株)クラレ製)10
%水溶液400部を添加しインク受容層用塗液とした。
この塗液を使用した以外は実施例14と同様にしてイン
クジェット記録媒体を得た。
【0088】比較例14 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−40
5;グレースデヴィソン(株)製)100部を、ポリジ
メチルアミンエピクロルヒドリン共重合体(商品名:P
AL−2;センカ(株)製)の1.5%水溶液550部中
に分散し、これに結着剤として変性ポリビニルアルコー
ル(商品名:クラレRポリマーR−1130,(株)ク
ラレ製)10%水溶液300部、酢酸ビニルラテックス
(商品名:ヨドゾールCE60;NSC(株)製 50
%水分散体)50部を添加しインク受容層用塗液とし
た。この塗液を使用した以外は実施例14と同様にして
インクジェット記録媒体を得た。
【0089】比較例15 無定形シリカ顔料(商品名:サイロジェットP−41
2;グレースデヴィソン(株)製)100部を、ジシア
ンジアミドポリアミン縮合体(商品名:Neofix
RP−70;日華化学(株)製、70%水溶液)の1.
5%水溶液550部中に分散し、これに結着剤として変
性ポリビニルアルコール(商品名:クラレRポリマーR
−1130,(株)クラレ製)10%水溶液300部、
およびエチレン酢酸ビニル共重合体ラテックス(商品
名:スミカフレックス473;住友化学製 57%水分
散体)50部を添加しインク受容層用塗液とした。この
塗液を使用した以外は実施例12と同様にしてインクジ
ェット記録媒体を得た。
【0090】得られたインクジェット記録媒体について
印字濃度、印字精細性、印字定着性、印字耐水性、印字
裏写りを評価した結果を表2に示す。
【0091】「評価」 1.評価印字 市販のカラーインクジェットプリンタ EPSON社P
M750Cを使用し、黒、シアン、マジェンタ、イエロ
ーの単色及びレッド、グリーン、ブルーの重色べた及び
細線の画像を印字した。
【0092】2.印字画像濃度 マクベス反射濃度計RD914を使用し、EPSON社
PM750Cで印字した、黒、シアン、マジェンタ、イ
エローの単色べた画像印字部の反射濃度を測定した。
【0093】3.印字精細性 EPSON社PM750Cで印字した、細線画像印字部
のニジミ、精細性を目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。
【0094】4.印字定着性 EPSON社PM750Cで印字した、黒、シアン、マ
ジェンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーのべた
画像を印字し、排紙直後にろ紙を重ねてインクの再転移
の有無を目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。 ××:非常に劣る。
【0095】5.印字耐水性 EPSON社PM750Cで印字した、黒、シアン、マ
ジェンタ、イエローの単色べた及びレッド、グリーン、
ブルーの重色べた画像を10分間流水中に浸漬し、自然
乾燥後の印字部色変化及び印字部輪郭からの色の流れ出
しを目視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。 ××:非常に劣る。
【0096】6.印字裏抜け EPSON社PM750Cで印字した、黒、シアン、マ
ジェンタ、イエローの単色べた及びレッド、グリーン、
ブルーの重色べた画像裏面を観察し、インクの抜けを目
視で判定した。 評価基準 ◎:優れている。 ○:良好。 △:やや劣る。 ×:劣る。 ××:非常に劣る。
【0097】7.蒸留水の転移量 インクジェット記録媒体に対する蒸留水の転移量は、動
的走査吸液計(型式:KS350D、協和精工株式会社
製)を使用して蒸留水の吸収曲線を測定した。吸収曲線
は、縦軸を転移量(mL/m)、横軸を接触時間の平
方根((ms) 1/2、または√(ms))としてプロ
ットして、一定の傾きを持つ直線とし、内挿により20
(ms)1/2におけるの転移量の値を求めた。
【0098】
【表2】
【0099】表2から明らかなように本発明の実施例
は、比較例に比べ、画像濃度、印字定着性、印字耐水
性、裏抜けが共に優れたインクジェット記録媒体であっ
た。
【0100】
【発明の効果】このように、本発明は、高精細な画像の
再現性に優れ、印字定着性、印字耐水性の良好なインク
ジェット記録媒体である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性または水分散性の色材を含有する水
    性インクを微少なオリフィスから吐出させ、形成された
    液滴が記録媒体上に転移して記録画像が形成されるイン
    クジェット記録媒体において、該インクジェット記録媒
    体が基材上に、顔料および水不溶性結着剤を含有し、且
    つ下記一般式1で示されるカチオン性化合物および下記
    一般式2、下記一般式3で示されるカチオン性樹脂から
    選ばれる少なくとも1種を含有するインク受容層を有す
    ることを特徴とするインクジェット記録媒体。 【化1】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
    り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
    る。Xはハロゲンである。) 【化2】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
    18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
    13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
    〜5000の整数である。) 【化3】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
    18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
    13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
    〜5000の整数である。)
  2. 【請求項2】水溶性または水分散性の色材を含有する水
    性インクを微少なオリフィスから吐出させ、形成された
    液滴が記録媒体上に転移して記録画像が形成されるイン
    クジェット記録媒体において、該インクジェット記録媒
    体が基材上に、顔料、結着剤、及び下記一般式1で示さ
    れるカチオン性化合物および下記一般式2、下記一般式
    3で示されるカチオン性樹脂から選ばれる少なくとも1
    種を含有するインク受容層を有し、且つ動的走査吸液計
    で測定した接触時間20(ms) /2における水の記
    録媒体への転移量が30〜100ml/mであること
    を特徴とするインクジェット記録媒体。 【化4】 (式中、R1〜R4は、それぞれ独立した疎水性基であ
    り、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜36を満足す
    る。Xはハロゲンである。) 【化5】 (式中、R5、R6は、少なくとも一方が炭素数12〜
    18の疎水性基であり、且つR5とR6の合計炭素数が
    13〜36を満足する。Xはハロゲンである。mは20
    〜5000の整数である。) 【化6】 (式中、R7、R8は、少なくとも一方が炭素数12〜
    18の疎水性基であり、且つR7とR8の合計炭素数が
    13〜36を満足する。Xはハロゲンである。nは20
    〜5000の整数である。)
  3. 【請求項3】一般式1のカチオン性化合物が下記一般式
    4である請求項1または請求項2記載のインクジェット
    記録媒体。 【化7】 (式中、R1,R2はそれぞれ独立した炭素数8以上の
    アルキル基であり、R3,R4は、それぞれ独立した炭
    素数1〜4のアルキル基であり、且つR1〜R4の合計
    炭素数が18〜36を満足する。Xはハロゲンであ
    る。)
  4. 【請求項4】一般式1のカチオン性化合物が下記一般式
    5である請求項1または請求項2記載のインクジェット
    記録媒体。 【化8】 (式中、R1は炭素数13以上のアルキル基であり、R
    2,R3,R4は、それぞれ独立した炭素数1〜4のア
    ルキル基であり、且つR1〜R4の合計炭素数が16〜
    36を満足する。Xはハロゲンである。)
  5. 【請求項5】一般式2のカチオン性化合物が下記一般式
    6である請求項1または請求項2記載のインクジェット
    記録媒体。 【化9】 (式中、R5は、炭素数12〜18のアルキル基であ
    る。Xはハロゲンである。nは20〜5000の整数で
    ある。)
  6. 【請求項6】基材が、フイルム、合成紙、不織布より選
    ばれた、合成樹脂を主成分とするシートである請求項1
    〜5記載のインクジェット記録媒体。
  7. 【請求項7】結着剤が、ポリアクリル系、ポリ酢酸ビニ
    ル系、ポリエチレン−酢酸ビニル系水不溶性結着剤を含
    有する請求項1〜6記載のインクジェット記録媒体。
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