JP2000238414A - インクジェット記録媒体及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及び記録方法

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JP2000238414A
JP2000238414A JP11040739A JP4073999A JP2000238414A JP 2000238414 A JP2000238414 A JP 2000238414A JP 11040739 A JP11040739 A JP 11040739A JP 4073999 A JP4073999 A JP 4073999A JP 2000238414 A JP2000238414 A JP 2000238414A
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ink jet
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JP11040739A
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Yoshitaka Okumura
嘉孝 奥村
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
Masaki Nishimura
匡樹 西村
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水溶性または水分散性の色材を含有する水性イ
ンクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録媒
体において、印字の耐水化、耐候性に優れ、更に多量の
インクを使用する最近のインクジェット印刷機において
もドットの滲みのない優れたインク定着性を有する記録
媒体を提供する。画像の再現性のみならず印字の定着性
にも優れたインクジェット記録媒体を得る。 【解決手段】カチオン強度2〜8m当量/gの範囲にあ
るカチオン性樹脂を、カチオン性残基として3mmol
/m2以上含有するインクジェット記録媒体であり、か
つ動的走査吸液計で測定した蒸留水の記録媒体への転移
量が、10msの接触時間において30ml/m2以上
であることを特徴とするインクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上に水性
インクを用いて記録するインクジェット記録方式に関
し、高精細な画像の再現性に優れ、印字定着性の良好な
インクジェット記録媒体を提供する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易である
こと、高速記録が可能であること等の理由から、端末用
プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷
などへの応用が進められている。一般の印刷に使用され
る上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣るため、
印字されたインクが紙表面で乾燥せずに長時間のこり、
装置や連続して印字されたシートを汚染したり画像が汚
れたりするため実用性に乏しい。こうした問題を解決す
るために、サイズ度の低い記録紙を用いる(特開昭52
−53012号公報)ことや、尿素−ホルマリン樹脂を
内添した原紙に水溶性高分子を含浸させる(特開昭53
−49113号公報)といった提案がされている。ま
た、装置の高速化、高精細化あるいはフルカラー化な
ど、インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大
にともない、記録媒体にも高度な特性が要求されるよう
になった。即ち、インクジェット記録媒体としては、イ
ンクドットの濃度が高く、色調が鮮明であること、イン
クの吸収が早くドットが重なった場合でもインクの流れ
出しや滲みを生じないこと。インクドットの周辺への拡
散が必要以上に大きくならず、かつドットの形状が滑ら
かでぼやけないこと、また記録画像が紫外線や水に曝さ
れた場合の退色を防止することが要求される。こうした
特性に対応するために、例えば表面に無定形シリカを始
めとする種々の多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙
(特開昭55−51583号公報、特開昭56−148
585号公報)が開示されている。上記のような塗工紙
タイプのインクジェット記録用紙は、ドット径やドット
形状、ドット濃度や色調の再現性においては、一応改良
されているものの、これらの記録媒体に使用されるイン
クは水溶性染料を使った水性インクが多く、記録媒体上
に形成された画像に水などがかかった場合、染料が再び
溶解して滲み出すことにより、記録物の価値を著しく減
少させるという問題を生じる。
【0003】そこで、こうした欠点を改良するために金
属の水溶性塩を記録面に付与する(特開昭55−535
91号公報)例や、ポリカチオン高分子電解質を表面に
含有する記録媒体(特開昭56−84992号公報)、
また、インク中の染料とレーキを形成する耐水化剤を付
与する方法(特開昭55−150696号公報)などが
開示されている。さらにまた、優れた耐水性・耐光性を
得る目的で、特定の分子構造を持つ耐水化剤を選択する
例(特開昭55−83882号公報、特開昭59−33
176号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭
61−58788号公報等)も多数開示されており、記
録の耐水性及び耐候性については一応の効果が認められ
る。
【0004】しかしながら、近年のインクジェット記録
においては、中間調の色表現をより滑らかにする目的
で、色濃度の低いインクを使用する技術が導入され、従
来の印字と同じ印字濃度を再現するために多量のインク
を転移させる必要が生じたり、或いは、更なる高精細化
に伴い、インク滴の打ち込み間隔を小さくした結果、多
量のインクを打ち込むことになる。このような場合でも
ドットの周囲へのインクの滲み出しを起こさない優れた
インク定着性が記録媒体に要求されるようになり、これ
らを満足するような特性を有するインクジェット記録媒
体を得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、水溶性または水分散性の色材を含有する水性イ
ンクを用いて記録画像を形成するインクジェット記録媒
体において、印字の耐水化、耐候性に優れ、更に多量の
インクを使用する最近のインクジェット印刷機において
もドットの滲みのない優れたインク定着性を有する記録
媒体を提供する。画像の再現性のみならず印字の定着性
にも優れたインクジェット記録媒体を得る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1]カチオン強度2〜8m当量/gの範囲にあるカチ
オン性樹脂を、カチオン性残基として3mmol/m2
以上含有するインクジェット記録媒体であり、かつ動的
走査吸液計で測定した蒸留水の記録媒体への転移量が、
10msの接触時間において30ml/m2以上である
ことを特徴とするインクジェット記録媒体。 [2]含有されるカチオン性残基の量が5mmol/m
2以上であることを特徴とする[1]記載のインクジェ
ット記録媒体。
【0007】[3]蒸留水の記録媒体への転移量が、1
0msの接触時間において、40ml/m2以上である
ことを特徴とする[1]または[2]記載のインクジェ
ット記録媒体。 [4]水溶性または水分散性の色材を含有する水性イン
クを微少なオリフィスから吐出させ、形成された液滴が
記録媒体上に転移して記録画像が形成されるインクジェ
ット記録媒体において、該インクジェット記録媒体がカ
チオン強度2〜8m当量/gの範囲にあるカチオン性樹
脂を、カチオン性残基として3mmol/m2以上含有
し、かつ動的走査吸液計で測定した蒸留水の記録媒体へ
の転移量が、10msの接触時間において、30ml/
2以上であることを特徴とするインクジェット記録媒
体。
【0008】[5]支持体にカチオン強度2〜8m当量
/gの範囲にあるカチオン性樹脂と顔料を含有するイン
ク受容層を設けたインクジェット記録媒体であり、イン
ク受容層の塗工量が7g/m2以上である[1]〜
[4]のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。 [6][1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録媒体に、イエローインク、シアンインク、マゼン
タインク、ブラックインクを付与してカラー記録を行う
インクジェット記録方法であり、インクジェット記録媒
体の最大インク付与箇所におけるインク量が20ml/
2以上であるインクジェット記録方法。動的走査吸液
計は一定の速さで回転する水平なターンテーブル上に固
定された記録媒体に、これと接触させた一定の幅及び長
さのスリットから連続的に蒸留水を転移させる方法を用
いて測定する装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、水溶性または水分散性
の色材を含有する水性インクを微少なオリフィスから吐
出させ、形成された液滴が記録媒体上に転移して記録画
像が形成されるインクジェット記録媒体において、該イ
ンクジェット記録媒体がカチオン強度2〜8m当量/g
の範囲にあるカチオン性樹脂を、カチオン性残基として
3mmol/m2以上、より好ましくは5mmol/m2
以上含有することを特徴とするものである。
【0010】先述の如く、特定の分子構造を持つ耐水化
剤を選択することにより、記録の耐水性及び耐候性につ
いては一応の改良効果が認められる。しかしながら、近
年のインクジェット記録の高解像度化に伴い、ドットの
打ち込み間隔が小さくなり、結果的に記録媒体単位面積
当たりのインク量が増加したり、中間調の色表現をより
滑らかにする目的で導入された、色濃度の小さなインク
を使用する技術によって多量のインクが打ち込まれた場
合でも、ドットの周囲へのインクの滲み出しを起こさな
い優れたインク定着性が要求されるようになった。この
ような記録方法においては、単位面積当たりのインク量
が画像記録において実質的にインク量が最大になる箇所
で20ml/m2以上、或いは30ml/m2以上に達す
る。ただし通常の紙支持体に受容層を設けた記録媒体を
用いる場合は100ml/m2以下程度で調整される。
本発明に於いては、カチオン強度2〜8m当量/gの範
囲にあるカチオン性樹脂を選択し、さらにこれらのカチ
オン性樹脂の使用量をカチオン性残基として3mmol
/m2以上、好ましくは5mmol/m2以上含有せしめ
ることにより、耐水性及び耐候性、更にドットの再現性
にも優れた印字画像を得るものである。
【0011】一般に、カチオン樹脂のイオン強度は、カ
チオン樹脂の単位重量あたりのカチオン残基の数を示す
値であり、通常、カチオン樹脂を形成する単量体中のカ
チオン残基の量に対応するが、重合による影響などがあ
るため、必ずしもこれに一致するものではない。本発明
において使用するカチオン樹脂はイオン強度が2〜8m
当量/gのものである。即ち、カチオン強度が2m当量
/gより小さいと、インク中の染料を定着させる作用が
弱く、ドットの周囲への染料の滲み出しを抑える効果が
弱いため、本発明所期の効果を得ることが出来ない。一
方、カチオン強度が8m当量/gより大きいものもイン
ク中の染料を定着させる作用が低下するため好ましくな
い。この理由は必ずしも明らかではないが、カチオン樹
脂そのものがインクの有無に依らず周囲の記録媒体を構
成する材料に固着されてしまうために、インクを受理し
た時点で、染料に対する定着能力が失われ易いことによ
るものと推測される。尚、カチオン性樹脂のイオン強度
は、コロイド滴定法等によって測定された試料中のカチ
オン量と試料に含まれるカチオン樹脂の濃度から求める
ことが出来る。カチオン当量はポリビニル硫酸カリウム
(PVSK)溶液を規定液、トルイジンブルーを指示薬
とするコロイド滴定法により測定できる。この場合、指
示薬の色が青色から赤紫色に変ったところを当量点とす
る。また指示薬を使わずに流動電位が0mVになったと
ころを当量点とするイオン強度測定装置(例えばチャー
ジアナライザII、製造:RANK BROTHERS Ltd.)で測定
できる。
【0012】本発明においては必要とされるカチオン性
樹脂の使用量はカチオン性残基として3mmol/m2
以上(通常のカチオン樹脂の場合3m当量/m2以上に
該当)である。上述の如く、最近のインクジェット記録
技術では打ち込みインク量が増加しており、その結果、
ドットの周囲へのインクの滲み出しを抑えるために、よ
り大きな定着性を要求されるようになり、これに対応す
るためには3mmol/m2以上より好ましくは5mm
ol/m2以上のカチオン性残基が記録媒体に含有され
ることが必要である。上限は特にないが50mmol/
2程度で十分である。多すぎると例えば相対的に結着
剤量が減ることにより表面強度が低下する等の問題が生
じる場合がある。記録用紙に対するカチオン性残基の含
有量は、カチオン樹脂のカチオン強度、インク受容層へ
のカチオン樹脂の配合量、受容層の塗工量により調整す
る。本発明のインクジェット記録媒体にカチオン樹脂を
含有せしめる態様としては、本発明に規定するイオン強
度を有するカチオン樹脂種が、カチオン性残基として本
発明規定の量適用されるならば、限定されるものではな
い。上記カチオン樹脂としては、例えば、ポリエチレン
イミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピ
クロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロ
ルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシア
ンジアミド縮合物等のカチオン性高分子化合物を挙げる
ことが出来るが、もちろんこれらに限定されるものでは
ない。カチオン樹脂の塗工層への添加量は特に限定しな
いが、総固形分の5〜30重量%である。
【0013】さらに、本発明はとりわけ高解像度或いは
中間調での色表現を向上させるため多量のインクを転移
する、最近のインクジェット記録技術においても優れた
印字品質が得られることを目的としており、これらの記
録技術において多量に転移されたインクを速やかに吸収
できる必要がある。
【0014】インクジェット記録媒体のインクの吸収性
についても、特定の記録装置及び測定方法による記録媒
体のインク吸収容量の範囲を規定(特開昭59−429
92号公報、特開昭60−122188号公報)した
り、紙の液体吸収性測定法の一つである、ブリストウ法
で測定した物性である粗さ指数や初期転移量といった物
性の範囲を規定(特開平2−16078号公報、特開平
3−65376号公報)するなど、現在まで多くの提案
がなされている。しかし、特に最近の高解像度・高画質
のインクジェット記録技術においてその印字品質に影響
のある吸収挙動はこれらの測定では対応しておらず、更
に早い速度で起こる現象に注目する必要がある。
【0015】動的走査吸液計(dynamic scanning absor
ptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5
月、第88〜92頁、空閑重則)は、ブリストウ法が短
時間での正確な吸水量を測定できない点を改良した装置
である。動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー
中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状と
し、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設
定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、
1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法
によって測定を自動化したものである。紙試料への液体
供給ヘッドはテフロン管を介してキャピラリーに接続さ
れ、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで
自動的に読み取られる
【0016】本発明においては、一定の速さで回転する
水平なターンテーブル上に固定されたインクジェット記
録媒体に、これと接触させた一定の幅及び長さのスリッ
トから連続的に蒸留水を転移させる方法を用いて測定し
た蒸留水の記録媒体への転移量が、10msの接触時間
において、30ml/m2以上、好ましくは35ml/
2以上、より好ましくは40ml/m2とする事により
高解像度・高画質の記録媒体による優れた印字品質を得
ることができる。上限は特にないが例えば80ml/m
2である。この転移量の測定を行う装置は、動的走査吸
液計と呼ばれるもので上記ブリストウ法と同様の測定原
理であるが、いくつかの点が改良され、より速やかな吸
収挙動を測定できるものである。同装置は協和精工株式
会社より上市されている。従来のブリストウ測定で10
ms以下の短い接触時間の測定を行う場合、ヘッドボッ
クスと紙試料との接触が不完全になってかすれたり、イ
ンクジェット記録用紙のような液吸収量の大きな試料で
は転移面積が小さな値となり、液滴面の形状変化などの
原因で転移領域の端が燕尾状になる事により測定誤差は
大きくなる。これを避けるために、より長に接触時間で
の測定値から外挿により求めた場合には、吸液の速い用
紙の測定では接触時間を長くすると吸液挙動の切り替わ
りを考慮する必要が生じるため、外挿により短い接触時
間の液転移量を推定することは困難だった。本発明では
連続的に吸液を行うことにより液面形状の影響を無視す
ることができる動的走査吸液計で測定するもので、精度
よく短い接触時間における転移量を測定することができ
る。
【0017】基材としては、抄紙用パルプに必要に応じ
てシリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カル
シウム等の填料を添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常
行われている方法により調製した原紙や、或いは、乾式
あるいは湿式の不織布または合成樹脂フイルムなどを適
宜用いることもできる。これらに、適当な手段を用い
て、本発明に規定の量のカチオン樹脂をこれに直接、塗
布或いは含浸せしめる。また、適当な顔料或いは結着剤
よりなる塗布層に添加し、インク受容層として塗布する
ことも出来る。上記インク受容層を塗設する手段として
はサイズプレス、ゲートロール、ロールコーター、バー
コーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコータ
ー、ブレードコーター、ダイコーター、或いはカーテン
コーターなど通常使用されている塗工手段から適宜選択
することができる。
【0018】インク受容層に用いられる顔料類として
は、必ずしも限定するものではないが、珪酸アルミニウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、無定形シリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪藻土等の無機顔料、スチレン
系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾ
グアナミン樹脂系の有機顔料類の中から併用或い単独で
適宜選択される。とりわけ、無定形シリカ、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムは多くの品種が工業的に
上市されており、容易に所望の性能を備えたものを選択
できるため、好ましく用いることができる。更に、結着
剤としてはデンプン及びその誘導体、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、
ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子
類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニ
ルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、
アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリア
クリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリ
ル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水
分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチ
オン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜
用いることができる。更に必要に応じ、顔料分散剤、増
粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤
剤、熱ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野で公知の各
種助剤も使用することができる。インク受容層の乾燥塗
工量も限定しないが、1g/m2以上であり、インク吸
収性の点で好ましくは7g/m2以上で、より好ましく
は9g/m2以上である。上限は特にないが不必要に多
くすることはなく、30g/m2以下程度でよい。イン
ク受容層と支持体間に顔料と接着剤を含有する中間層を
設けることもできる。
【0019】本発明において使用される水性インク中に
は、例えば色材として水溶性直接染料及び水溶性酸性染
料のうち少なくとも1種の染料を含有し、この他に適
宜、湿潤剤、染料溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有す
る。水溶性直接染料としてはCI.ダイレクトブラッ
ク、CI.ダイレクトイエロー、CI.ダイレクトブル
ー、CI.ダイレクトレッド等が挙げられ、水溶性酸性
染料としては、CI.アシッドブラック、CI.アシッ
ドイエロー、CI.アシッドブルー,CI.アシッドレ
ッド等を挙げることができる。また着色顔料を色材とす
ることもできるがが必ずしもこれらに限定されるもので
はない。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものでは
ない。なお実施例に於て示す部数及び%は重量部及び重
量%を意味する。実施例中の諸物性値の測定方法を以下
に示す。 1.カチオン樹脂のカチオン強度 ポリビニル硫酸カリウム溶液を規定液とするコロイド滴
定法により測定。イオン強度測定装置(チャージアナラ
イザII,製造RANK BROTHERS Ltd.)で測定した。 2.水転移量 協和精工製、動的走査吸液計を用いて測定し、グラフよ
り接触時間10msにおける転移量を計算した。 3.画像再現性 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ7
00V2Cを用いて720dpiの記録密度で濃度階調
の印字を行い、印字面積率と印字濃度の直線性を画像再
現性の尺度とした。 〇:印字面積率と印字濃度に直線性がある。 △:印字面積率と印字濃度の関係が直線からややはずれ
る。
【0021】4.印字耐水性 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ7
00V2Cを用いてベタ印字を行い、その部分を流水中
に1分間浸漬し、印字濃度の保持率により評価した。 〇:耐水性に優れる △:耐水性に劣るが実用可能 ×:耐水性が著しく劣る 5.印字定着性 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ7
00V2Cを用いて、インク打ち込み量を調節(20g
/m2)したベタ印字を行ってその輪郭を観察し、染料
の滲み出しの程度により評価した。 ◎:滲み出しがない 〇:滲み認められる △:滲みが劣る ×:滲み出しが著しく実用不可 6.カチオン性残基 一定面積のインクジェット記録媒体のサンプルから、精
製水により抽出を行い、この抽出物のカチオン性残基を
測定して、記録媒体1m2当たりのカチオン性残基を計
算した。ポリビニル硫酸カリウム溶液を規定液とするコ
ロイド滴定法により測定。イオン強度測定装置(チャー
ジアナライザII,製造RANK BROTHERS Ltd.)で測定し
た。
【0022】実施例1 無定形シリカ顔料(商品名:ファインシールX−45;
(株)トクヤマ製)70部を、カチオン当量2.9m当
量/gのジシアンジアミド・ポリエチレンポリアミン4
級アンモニウム塩よりなるカチオン樹脂の2.5%水溶
液500部中に分散し、これに結着剤としてポリビニル
アルコール(商品名:クラレポバールPVA−117,
(株)クラレ製)10%水溶液200部を添加しインク
受容層用塗液とした。坪量70g/m2、ステキヒトサ
イズ度5秒の上質紙に乾燥後の塗布量が10g/m2
なるようにマイヤ・バーを用いて塗布乾燥した後、スー
パーカレンダー処理を行ってインクジェット記録媒体を
得た。10msの水転移量を測定したところ、40ml
/m2であった。
【0023】実施例2 インク受容層用塗液に使用した無定型シリカ顔料として
ファインシールX−45の代わりに(商品名:ミズカシ
ル P−526;水澤化学工業(株)製)を85部使用
したほかは実施例1と同様にしてインクジェット記録媒
体を得た。10msの水転移量を測定したところ、50
ml/m2であった。 実施例3 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量5.7m当量/gのアクリル系カチオン樹
脂1%水溶液500部使用したほかは実施例1と同様に
してインクジェット記録媒体を得た。10msの水転移
量を測定したところ、40ml/m2であった。
【0024】実施例4 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量5.4m当量/gのポリジアリルジメチル
アンモニウムクロライド−アクリルアマイド共重合体カ
チオン樹脂1.5%水溶液500部使用したほかは実施
例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。10
msの水転移量を測定したところ、40ml/m2であ
った。
【0025】比較例1 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量1.7m当量/gのメラミン樹脂酸コロイ
ド系カチオン樹脂(商品名:スミレーズレジン8%A
C;住友化学工業(株)製)1%水溶液500部使用し
たほかは実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体
を得た。10msの水転移量を測定したところ、40m
l/m2であった。 比較例2 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量5.4m当量/gのポリジアリルジメチル
アンモニウムクロライド−アクリルアマイド共重合体
0.8%水溶液500部使用したほかは実施例1と同様
にしてインクジェット記録媒体を得た。10msの水転
移量を測定したところ、40ml/m2であった。
【0026】比較例3 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量8.8m当量/gのポリアリルアミン塩酸
塩系カチオン樹脂1%水溶液500部使用したほかは実
施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。1
0msの水転移量を測定したところ、40ml/m2
あった。 比較例4 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量8.5m当量/gのモノアリルアミン・ジ
アリルアミン塩酸塩共重合体カチオン樹脂1%水溶液5
00部使用したほかは実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。10msの水転移量を測定したと
ころ、40ml/m2であった。
【0027】比較例5 インク受容層用塗液に使用した無定型シリカ顔料として
ファインシールX−45の代わりに(商品名:ミズカシ
ル P−602;水澤化学工業(株)製)を85部使用
したほかは実施例1と同様にしてインクジェット記録媒
体を得た。10msの水転移量を測定したところ、25
ml/m2であった。 実施例5 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量6.2m当量/gのジアリルジメチルアン
モニウムクロライド系カチオン樹脂1%水溶液500部
使用したほかは実施例1と同様にしてインクジェット記
録媒体を得た。10msの水転移量を測定したところ、
40ml/m2であった。
【0028】実施例6 塗工量を15g/m2とした以外は実施例5と同様にし
てインクジェット記録用媒体を得た。10msの水転移
量を測定したところ、60ml/m2であった。 実施例7 インク受容層用塗液に使用したカチオン樹脂の代わりに
カチオン当量7.5m当量/gのポリジメチルアミン・
アンモニアエピクロルヒドリン共重合体系カチオン樹脂
2%水溶液500部使用したほかは実施例1と同様にし
てインクジェット記録媒体を得た。10msの水転移量
を測定したところ、40ml/m2であった。以上の1
2種類の記録媒体について画像再現性、印字耐水性、印
字定着性を評価した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】表1から明らかなように本発明の実施例
は、比較例に比べ、画像再現性、印字耐水性、印字定着
性が共に優れたインクジェット記録媒体であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA04 BA15 BA33 4D075 CA35 DA04 DB18 DC27 EA33 EB19 EB22 4L055 AG18 AG57 AG64 AG65 AG71 AG72 AG80 AG89 AG94 AH02 AH37 AH50 AJ04 EA10 EA14 EA24 EA29 FA11 FA15 FA19 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン強度2〜8m当量/gの範囲にあ
    るカチオン性樹脂を、カチオン性残基として3mmol
    /m2以上含有するインクジェット記録媒体であり、か
    つ動的走査吸液計で測定した蒸留水の記録媒体への転移
    量が、10msの接触時間において30ml/m2以上
    であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】支持体にカチオン強度2〜8m当量/gの
    範囲にあるカチオン性樹脂と顔料を含有するインク受容
    層を設けたインクジェット記録媒体であり、インク受容
    層の塗工量が7g/m2以上である請求項1記載のイン
    クジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のインクジェット記
    録媒体に、イエローインク、シアンインク、マゼンタイ
    ンク、ブラックインクを付与してカラー記録を行うイン
    クジェット記録方法であり、インクジェット記録媒体の
    最大インク付与箇所におけるインク量が20ml/m2
    以上であるインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003276300A (ja) * 2002-03-22 2003-09-30 Ricoh Co Ltd インクジェット記録方法及びインクセットと記録装置
US6637876B2 (en) 2001-05-11 2003-10-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink-jet printer, ink cartridge for the same
US7938527B2 (en) 2006-09-19 2011-05-10 Ricoh Company, Ltd. Ink, ink cartridge, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method
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