JP2000071605A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2000071605A
JP2000071605A JP10244515A JP24451598A JP2000071605A JP 2000071605 A JP2000071605 A JP 2000071605A JP 10244515 A JP10244515 A JP 10244515A JP 24451598 A JP24451598 A JP 24451598A JP 2000071605 A JP2000071605 A JP 2000071605A
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resin
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ink receiving
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Tetsuya Ashida
哲也 芦田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、インク受容層表面のひび割れ
がなく、高い光沢を有し、インク吸収性に優れたインク
ジェット記録用シートを提供することにある。 【解決手段】紙基体の両面にポリエチレン系樹脂を主成
分とする樹脂組成物から成る樹脂層を有する支持体上
に、平均粒径が0.1μm以下の固体微粒子を含有する
インク受容層を設けたインクジェット記録用シートにお
いて、該支持体のインク受容層を設ける側の樹脂層が該
樹脂層中の全ポリエチレン系樹脂に対して、密度0.9
45g/cm3以上の高密度ポリエチレンを10重量%以
上含有することを特徴とするインクジェット記録用シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、更に詳しくは、インク受容層表面の
ひび割れがなく、高い光沢を有し、インク吸収性に優れ
たインクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式によるプリンター
は、多色化が容易なことや印字騒音が低いこと等から近
年急速に普及した。この方式では記録用シートに向けて
インク液滴をノズルから高速で射出するものであり、該
記録シートは印字性を高めるために高いインク吸収性を
有することが要求される。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
用シートとしては、通常の紙やインクジェット記録用紙
と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニ
ルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のイ
ンク吸収層を設けてなる記録用シートが使用されてき
た。
【0004】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、同64−11877号、特開平3−21508
2号、同4−67986号、同5−32037号、特公
平3−56552号公報等に開示のごとく、シリカ微粒
子やアルミナゾルを水溶性バインダーと共に支持体表面
に塗布した記録シートが記載されている。
【0005】近年、紙支持体の耐水性、及びコックリン
グ(波打ち)や光沢等の画質改良のために、紙の両面に
ポリエチレン系樹脂を被覆した支持体(ポリエチレン樹
脂被覆紙)が用いられるようになってきた。例えば、特
開平10−16379、同平10−81064号等に固
体微粒子とポリエチレン樹脂被覆紙が記載されている。
【0006】多孔質のインク受容層は、一般的に比較的
多量の固体微粒子と、その空隙を塞がない程度の少量の
結着剤(水溶性バインダー)を含有する。多量の固体微
粒子を含有するインク受容層は、塗布後の乾燥及び印字
後の乾燥によって、インク受容層に微小なひび割れを生
じやすく、固体微粒子の平均粒径が0.1μm以下の場
合にひび割れは顕著になった。特に支持体として前記ポ
リエチレン樹脂被覆紙を用いた場合に、ひび割れは目立
ちやすく、画質の低下を招いていた。
【0007】また、固体微粒子と水溶性バインダーの含
有量比は、インク吸収性とひび割れの関係において、相
反する関係にある。即ち、水溶性バインダーの量を増や
せば、ひび割れは生じにくくなるが、インク吸収性が低
下し、逆に水溶性バインダーの量を減らせば、インク吸
収性は向上するが、ひび割れが生じやすくなる。従っ
て、ひび割れとインク吸収性を同時に満足し、更に光沢
等の画質が向上したインクジェット記録シートが望まれ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、インク吸収容量が高く、ひび割れしにくく、光沢等
の画質に優れたインクジェット記録用シートを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、紙
基体の両面にポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂組
成物から成る樹脂層を有する支持体上に、平均粒径が
0.1μm以下の固体微粒子を含有するインク受容層を
設けたインクジェット記録用シートにおいて、該支持体
のインク受容層を設ける側の樹脂層が該樹脂層中の全ポ
リエチレン系樹脂に対して、密度0.945g/cm3
上の高密度ポリエチレンを10重量%以上含有すること
を特徴とするインクジェット記録用シートによって達成
された。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体は、紙基体(以下基紙と言
う)の両面にポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂組
成物から成る樹脂層を有するいわゆる樹脂被覆紙であ
る。
【0011】本発明の樹脂被覆紙用の基紙としては、特
に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できる。
このような基紙を構成するパルプとしては、天然パル
プ、再生パルプ、合成パルプ等が単独で、もしくは混合
して用いられる。また、基紙には一般に製紙で用いられ
ている顔料、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、導電剤、
pH調整剤、染料等の添加剤を配合しても良い。そし
て、基紙には、顔料、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、
サイズ剤、紙力増強剤、導電剤、アンカー剤、染料等が
塗工または含浸されていても良い。更に、これらの基紙
は表面平滑性を向上させるために、抄紙中または抄造後
にマシンカレンダー、熱カレンダー、ソフトカレンダー
等により圧力や熱を加えて平滑化することが好ましい。
基紙の厚みは50〜300μm、好ましくは70〜20
0μmである。
【0012】本発明の支持体である樹脂被覆紙のインク
受容層を設ける側のポリエチレン系樹脂層は、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンとプロピレ
ン、ブチレン等のα−オレフィンとの共重合体、カルボ
キシ変性ポリエチレン等及びこれらの混合物であるが、
樹脂層中に含有する全ポリエチレン系樹脂に対して、密
度0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを10
重量%以上含有することが必要である。ひび割れに対し
ては、高密度ポリエチレン樹脂の含有量が多い方が好ま
しいが、樹脂のラミネート適性を考慮すれば、高密度ポ
リエチレン樹脂の含有量は20〜90重量%が適当であ
り、特に30〜90重量%が好適である。
【0013】高密度ポリエチレンと混合する他のポリエ
チレン系樹脂としては、低密度ポリエチレンあるいは中
密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレン樹脂層の厚
みは5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
【0014】樹脂被覆紙上に塗布された固体微粒子含有
層のひび割れは、支持体の熱や水分による伸縮に起因す
ることが考えられる。前記高密度ポリエチレンをポリエ
チレン系樹脂層に含有させることにより、熱や水分によ
る伸縮が小さくなり、インク受容層の塗布後及び印字後
の乾燥時において、樹脂層の伸縮に起因するインク受容
層のひび割れが防止できたものと考えられる。
【0015】本発明の樹脂被覆紙は、インク受容層を設
ける側とは反対側の面にもカール防止の点からポリエチ
レン樹脂層が設けられる。樹脂層の組成は上記インク受
理層塗設側の組成に準じるが、高密度ポリエチレンの含
有量に関する制限はない。ポリエチレン樹脂層の厚みは
5〜50μm、好ましくは10〜40μmである。
【0016】本発明の支持体のポリエチレン樹脂層は、
顔料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、接着
剤、硬化剤等の各種添加剤を含有することができる。
【0017】本発明に用いられる支持体の表裏の樹脂層
のポリエチレン樹脂は、数種の樹脂ペレットを混合配合
するか又は予め溶融・混合して調整したコンパウンド樹
脂として用いても良い。低密度ポリエチレン樹脂あるい
は中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂と
を予め溶融・混合してコンパウンド樹脂を調整する方法
としては、各種の方法で行うことができる。例えば、混
練用押し出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサ
ー、加圧ニーダー等を用いて、所定量の低密度ポリエチ
レン樹脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリ
エチレン樹脂、さらに必要に応じて滑剤等の各種の添加
剤を加えて溶融/混合した後、その混合物をペレット化
する方法が有利に用いられる。
【0018】本発明の支持体は、走行する基紙上にポリ
エチレン系樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、その
スリットからフィルム上に流延して被覆する、いわゆる
溶融押し出しコーティング法によって製造される。その
際、溶融フィルムの温度は280℃〜340℃であるこ
とが好ましい。スリットダイとしては、T型ダイ、L型
ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが好まし
く、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ま
しい。
【0019】樹脂組成物を基紙にコーティングする前
に、紙基体にコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理
を施すのが好ましい。
【0020】本発明において、インク受容層は上記支持
体上に設けられるが、このインク受容層は平均粒径0.
1μm以下の固体微粒子を含有することを特徴とする。
0.1μm以下の小さい固体微粒子は、それより大きな
固体微粒子に比べ光沢の面で有利であり、樹脂被覆紙を
用いる利点である光沢等の画質向上において、両者を組
み合わせるメリットが発現する。このような固体微粒子
としては、アルミナゾルやコロイダルシリカ等の合成シ
リカ微粒子が挙げられるが、本発明で最も好ましく用い
られるのは、一次粒子の平均粒径が50nm以下の気相
法による合成シリカである。樹脂被覆紙と上記気相法シ
リカの組み合わせによって、高い光沢及び高いインク吸
収性が得られる。その反面、ひび割れも生じやすいとい
う問題もある。従って、本発明の支持体と気相法シリカ
の組み合わせは、ひび割れの解消、高いインク吸収性及
び高い光沢性を満足するものであり、非常に有意義な技
術といえる。
【0021】上記気相法シリカについて詳細に説明す
る。合成シリカには、湿式法によるものと気相法による
ものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを
指す場合が多い。湿式法シリカとしては、ケイ酸ナト
リウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通し
て得られるシリカゾル、またはこのシリカゾルを加熱
熟成して得られるコロイダルシリカ、シリカゾルをゲ
ル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロ
ンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をし
た三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更にはシ
リカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等
を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体と
する合成ケイ酸化合物等がある。
【0022】本発明に好ましく用いられる気相法シリカ
は、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎
加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素
を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知ら
れているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロ
シランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または
四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
気相法シリカの一次粒子の平均粒径は5〜50nm、好
ましくは5〜30nmである。気相法シリカは日本アエ
ロジル株式会社からアエロジルとして市販されており入
手することができる。
【0023】本発明のインク受容層において、上記固体
微粒子は5〜50g/m2程度、好ましくは10〜30g
/m2程度含有させる。固体微粒子の含有量が多いほどイ
ンク吸収性に優れるが、ひび割れは生じやすく、従っ
て、本発明は固体微粒子の含有量が10g/m2以上、更
には13g/m2以上の多いところでより顕著にその効果
を発現する。
【0024】本発明において、インク受容層には固体微
粒子の結着剤として水溶性バインダーを含有させる。前
述したように、水溶性バインダーの含有量はインク吸収
性の面で少ない方が好ましい。本発明は水溶性バインダ
ーの含有量を少なくしても、ひび割れが生じないことが
最大の利点である。
【0025】本発明において、水溶性バインダーは固形
微粒子に対して、30重量%以下が好ましく、特に5〜
25重量%が好ましい。本発明に用いられる水溶性バイ
ンダーとしては、公知の各種バインダーを用いることが
できるが、インクのより高い浸透性が得られる親水性バ
インダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使
用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸
透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であ
り、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性
バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性
バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコ
ールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0026】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化し
たもので、皮膜形成性及び皮膜脆弱性を改良する観点か
ら平均重合度200〜5000、好ましくは500〜3
000のものが用いられる。
【0027】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0028】また、他の親水性バインダーも併用するこ
とができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量
%以下であることが好ましい。
【0029】インク受容層にはインク中の色材の定着性
を上げ、発色性を更に向上させるために、カチオン性物
質を含有させることが好ましい。カチオン性物質として
は、例えば特開平10−52908号に記載されている
ような、1級〜3級アミン塩型の化合物、第4級アンモ
ニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の化合物、イミ
ダゾリン型カチオン性化合物、第2級アルキルアミンの
エチレンオキシド付加物等の低分子カチオン性物質、更
にはポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニ
ルアミン、キトサン及びこれらの塩酸、酢酸等の酸によ
る中和物または部分中和物等のカチオン性ポリマーが挙
げられる。これらカチオン性物質の添加量は0.1〜1
0g/m2程度、好ましくは0.5〜5g/m2程度であ
る。
【0030】更に、皮膜の脆弱性を改良するために各種
油滴を含有することが好ましいが、そのような油滴とし
ては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以
下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、
ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シ
リコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブ
チルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モ
ノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることが
できる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダー
に対して10〜50重量%の範囲で用いることができ
る。
【0031】本発明において、インク受容層に界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、
より好ましくは0.01〜3gである。
【0032】本発明において、インク受容層にドット再
現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬膜することが
できる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジ
アセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、
ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,
6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,
288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する
化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,7
18号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米
国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロー
ル化合物、米国特許第3,103,437号記載の如き
イソシアナート類、米国特許第3,017,280号、
同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物
類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボ
ジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号
記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲ
ンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの
如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウ
ム、ホウ酸、ホウ砂の如き無機硬膜剤等があり、これら
を1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する水溶性ポ
リマー100gに対して0.01〜10gが好ましく、
より好ましくは0.1〜5gである。
【0033】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0034】本発明において、インク受容層の塗布方法
は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることがで
きる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エ
クストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーテ
ィング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0035】本発明において、インク受容層を塗布した
後の乾燥は、低温で乾燥することが好ましい。特に45
℃以下の温度で乾燥するのが好ましく、更には40℃以
下が好ましい。また、塗布後、少なくとも20秒が経過
するまでは、20℃以下、好ましくは10℃以下の温度
で冷却乾燥するのが好ましい。この乾燥方法と本発明の
支持体を組み合わせることによって、更にひび割れが防
止できる。
【0036】本発明において、インク記録シートは固体
微粒子を含有する層に加え、さらにインク吸収層、イン
ク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。例えば、
固体微粒子を含有する層の下層に水溶性ポリマー層を塗
設したり、固体微粒子を含有する層の上層に水溶性ポリ
マーからなる膨潤層を塗設しても良い。
【0037】本発明のインク記録シートには、帯電防止
性、搬送性、カール防止性などのために、インク受容層
と反対側の支持体面に各種のバックコート層を塗設する
ことができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有
機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化
剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せし
めることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、以下の実施例及び比較例に記載されている「部」は
全て重量部である。
【0039】実施例1 長網抄紙機を使用して下記配合の坪量80g/m2の基紙
を作成した。 <基紙配合> LBKP 100部 カチオン化澱粉(王子ナショナル製、CATO 302) 10部 ポリアクリルアミド(ハイモ製、ハイモロックKL−86) 0.2部 アルキルケテンダイマー(ディック・ハーキュレス製、ハーコン601) 0.5部 ポリアミドエピクロルヒドリン(ディック・ハーキュレス製、カメイン2064) 0.5部
【0040】次に、サイズプレス装置を使用して、上記
基紙に下記配合の含浸液を乾燥重量が2.0g/m2にな
るように含浸させた。 <含浸液配合> ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA110) 2部 蛍光染料(日本曹達製、Kaycoll BUL) 0.2部 導電剤(三洋化成工業製、ケミスタット6120) 1部
【0041】そして、上記含浸紙の裏面にコロナ放電処
理を行った後、溶融押し出し塗工法により、厚さが20
μmになるように下記配合の裏面ポリエチレン樹脂被覆
層を設けた。 <裏面ポリエチレン樹脂被覆層配合> 低密度ポリエチレン(密度0.920g/cm3) 30部 高密度ポリエチレン(密度0.960g/cm3) 70部
【0042】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、該表面に低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92
0g/cm3)47.5重量%、含水酸化アルミニウム
(対二酸化チタンに対してAl23分として0.75重
量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン顔料5
0重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%から成る二酸
化チタン顔料のマスターバッチ20重量部及び低密度ポ
リエチレン(密度0.920g/m2)と高密度ポリエチ
レン(密度0.960g/m2)の最終構成比が表1記載
の配合となるように混合した樹脂組成物を樹脂温度32
5℃で厚さが20μmになるように走行速度140m/
分で溶融押し出しコーティングした。なお、表、裏のポ
リエチレン樹脂の溶融押し出しコーティングは、逐次押
し出しコーティングが行われる、いわゆるタンデム方式
で行われた。
【0043】
【表1】
【0044】下記配合の固体微粒子を含有するインク受
容層塗液を作成した。 <インク受容層配合1> 気相法シリカ(商品名:アエロジル200、日本アエロジル(株)製、平均一 次粒子径20nm) 100部 カチオン性ポリマー(商品名:ポリフィックスP601、昭和高分子(株)製 、変性ポリアミン) 10部 ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度8 8%、平均重合度3500) 23部 ほう酸 5部
【0045】さらに、固体微粒子に対するバインダーの
比率を高めた下記配合のインク受容層塗液を作成した。 <インク受容層配合2> 気相法シリカ(商品名:アエロジル200、日本アエロジル(株)製、平均一 次粒子径20nm) 100部 カチオン性ポリマー(商品名:ポリフィックスP601、昭和高分子(株)製 、変性ポリアミン) 10部 ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度8 8%、平均重合度3500) 28部 ほう酸 5部
【0046】上記支持体及びインク受容層塗液を表2の
ように組み合わせてインクジェット記録用シート試料を
作成した。インク受容層塗液を気相法シリカの付着量が
15g/m2となるように塗布・乾燥した。
【0047】
【表2】
【0048】上記のようにして得られたインクジェット
記録用シート試料につき、下記の評価方法により評価し
た。 <ひび割れ>インクジェット記録用シート試料表面のひ
び割れを目視で判定し下記の標準で評価した。 ○:ひび割れが発生していない。 △:ひび割れが僅かに発生している。 ×:ひび割れが発生している。
【0049】<光沢性>試料の表面光沢を目視で観察
し、下記の基準で評価した。 ◎:非常に良好な光沢性を示す。 ○:良好な光沢性を示す。 △:やや光沢性が低い。 ×:光沢が低く低画質である。
【0050】<インク吸収性>インクジェットプリンタ
ー(エプソン社製PM750C)を用いて赤ベタ印字を
行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着
し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察
し、下記の基準で評価した。 ○:転写しない。 △:若干転写する。 上記評価結果をまとめて表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記結果から明らかなように、本発明のイ
ンクジェット記録シートは、インク受容層表面のひび割
れがなく、高い光沢を有し、かつ、優れたインク吸収性
を有する。
【0053】実施例2 実施例1のインク受容層配合1を用いて、気相法シリカ
の付着量が9g/m2になるように、比較支持体Aと本発
明支持体Dに塗布した。比較支持体Aに塗布した記録シ
ートは、気相法シリカの付着量が減少した分、ひび割れ
状態は軽減されたが、インク吸収性が低下した。本発明
支持体Dに塗布した記録シートは、ひび割れは全く発生
していなかったものの、インク吸収性が低下した。
【0054】上記実施例1及び2より、本発明の支持体
を用いることによって、インク吸収性を高めるべく気相
法シリカの付着量を多くしても、ひび割れは生じず、ま
た、同様に高いインク吸収性を得るべく、水溶性バイン
ダーを減じても、ひび割れを生じず、優れた画質が得ら
れることが分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シートに
よれば、耐ひび割れ性、光沢性、インク吸収性を同時に
満足させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA12 BA15 BA21 BA41 BA45 4F100 AK04B AK04C AK05B AK06 AK21 AL05B AL05C BA03 BA07 BA10B BA10C BA13 DE01B DE01C DG10A GB90 JA13B JD14B JK14 JN21 YY00B YY00C 4L055 AG18 AG59 AG64 AG96 AH02 AH37 AJ02 AJ04 BE13 EA08 EA16 EA32 FA12 FA13 FA15 GA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体の両面にポリエチレン系樹脂を主
    成分とする樹脂組成物から成る樹脂層を有する支持体上
    に、平均粒径が0.1μm以下の固体微粒子を含有する
    インク受容層を設けたインクジェット記録用シートにお
    いて、該支持体のインク受容層を設ける側の樹脂層が該
    樹脂層中の全ポリエチレン系樹脂に対して、密度0.9
    45g/cm3以上の高密度ポリエチレンを10重量%以
    上含有することを特徴とするインクジェット記録用シー
    ト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002045972A1 (en) * 2000-12-04 2002-06-13 Canon Finetech Inc. Recording medium
JP2006257623A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Nippon Paper Industries Co Ltd 積層シート
JP2007508462A (ja) * 2003-10-08 2007-04-05 エム−リール オサケ ユキチュア ユルキネン 優れた印刷適性を有する天然紙

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