JP2000080595A - 耐水性印刷用紙 - Google Patents

耐水性印刷用紙

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JP2000080595A JP10246149A JP24614998A JP2000080595A JP 2000080595 A JP2000080595 A JP 2000080595A JP 10246149 A JP10246149 A JP 10246149A JP 24614998 A JP24614998 A JP 24614998A JP 2000080595 A JP2000080595 A JP 2000080595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の侵入を防ぎ、水による紙力の低下、膨張
による変形を防ぐことであるが、樹脂表面には水を弾か
ない程度の親水性を与え、紙としての感触もコート、ア
ート紙に近いものであって印刷適性が良好であり、片面
塗工では古紙の回収再生が一般紙に近いという耐水性印
刷用紙を提供することにある。 【解決手段】 原紙の片面若しくは両面について顔料1
00部(固形重量部、以下同じ)当たり、アクリル系デ
ィスパージョン50乃至100部からなる塗料を塗工し
た加工紙において、コップ吸水度が3g/m以下であ
る耐水性印刷用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強サイズ紙に顔料
と疎水性アクリル系ディスパージョンを主剤とする塗料
を塗工し、塗工面は水に濡れるが水の浸入を防ぎ、水が
基材に染み込まないようにしたもので、合成紙に対抗で
きる耐水性をもち、印刷作業が容易で印刷適性も良好で
あり、しかも片面塗りの塗工紙では普通紙に近い回収再
生性能を持つ特殊印刷用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ここで対象とした耐水紙は、構造的に紙
の表面に疎水性樹脂層を設けて紙層への水の浸入を防い
だものである。この耐水紙としては、ポリエチレン樹
脂、合成ゴム系ディスパージョンとパラフィン系ワック
ス或いは脂肪酸エステル等との混合物、アクリル酸アル
キルエステル及び/又はアクリル酸エステルと不飽和芳
香族モノマーとの共重合ディスパージョン、これらアク
リル系ディスパージョンとパラフィン系ワックスとの混
合物あるいはスチレンアクリル樹脂とセラミック微粉末
とからなる被膜を紙表面に設けたものが公知となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
疎水性被膜を設けてなる耐水性では水の浸透防止効果は
ほぼ完全でしかも再生回収が可能なものも得られるが、
紙としての感触や印刷適性については必ずしも満足でき
るものではなく、しかも印刷用紙を対象とした強力な耐
水紙はない。
【0004】この発明は、従来の耐水性を与えることに
よって生ずる上記問題点に着目してなされたものであ
り、その目的とするところは、樹脂層を紙の表面に設け
て水の浸入を防ぎ、水による紙力の低下、膨潤による変
形を防ぐことであるが、樹脂表面には水を弾かない程度
の親水性を与え、紙としての感触もコート、アート紙に
近いものであって印刷適性が良好であり、片面加工品で
は古紙の回収再生が一般紙に近いという耐水性印刷用紙
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するべく鋭意研究の結果、耐水化剤としてアクリル酸
アルキルエステルと不飽和芳香族モノマーからなる疎水
性α、βモノエチレン性不飽和モノマーを主原料とする
アクリル系ディスパージョンを顔料100部当り50乃
至100部配合してなる塗料を、基材の片面当り固型分
8乃至25g/m塗工することによって、ほぼ完全な
耐水性が得られ、平滑化処理によってコート・アート紙
なみの印刷適性が得られることを発見した。
【0006】そして、これらの知見に基づいてなされた
発明は、次の通りである。すなわち、本出願の請求項1
に記載の発明は、原紙の片面もしくは両面について顔料
100部(固型重量部、以下同じ)当たり、アクリル系
ディスパージョン50乃至100重量部からなる塗料を
塗工した加工紙でコップ吸水度が3g/m以下である
耐水性印刷用紙である。
【0007】また、この出願の請求項2に記載の発明
は、アクリル系ディスパージョンが、アクリル系アルキ
ルエステルと不飽和芳香族モノマーの共重合物であり、
アクリル酸アクリルエステルのアルキル基炭素数が8以
上のモノマー及び疎水性不飽和芳香族モノマーの合計が
樹脂総量の45乃至90重量%からなるスチレンアクリ
ル樹脂ディスパージョンをバインダーとする請求項1に
記載の耐水性印刷用紙である。
【0008】また、この出願の請求項3に記載の発明
は、アクリル系ディスパージョンが、最低造膜温度30
乃至80℃のものが10乃至70重量%及び、最低造膜
温度20乃至−10℃ものが90乃至30重量%のモノ
マー組成からなるスチレンアクリル樹脂ディスパージョ
ンをバインダーとした請求項1又は請求項2のいずれか
に記載の耐水性印刷用紙である。
【0009】また、この出願の請求項4に記載の発明は
アクリル系ディスパージョンが、スチレンアクリル樹
脂ディスパージョン100重量部に対し、造膜性の高い
ブタジエン系共重合物ディスパージョン100部以下を
混合した樹脂ディスパージョンをバインダーとする請求
項1、請求項2、又は請求項3のいずれかに記載の耐水
性印刷用紙である。
【0010】また、この出願の請求項5に記載の発明は
パルプ100部に対し、1.0部以上の変性ロジンエ
マルジョンと金属塩により、コップ吸水度30g/m
以下とした耐水性の高い原紙の片面若しくは両面につい
て、顔料100部当たり、樹脂ディスパージョン50乃
至100部からなる塗料を片面当り8乃至25g/m
の範囲で塗工したもので、塗工面のコップ吸水度が3g
/m以下である請求項1、請求項2、請求項3、又は
請求項4のいずれかに記載の耐水性印刷用紙である。
【0011】更に、変性ロジン系エマルジョンサイズ
が、α、β不飽和多塩基酸で変性した耐熱性のエマルジ
ョンサイズであり、金属塩がアルミニウム塩である請求
項5に記載の耐水性印刷用紙である。
【0012】
【発明の実施の形態】上記疎水性モノマーとして利用で
きるものはアクリル酸エステルではアルキル基が炭素数
が8以上のモノマーであって、代表的なものを挙げれ
ば、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸アルキル(C=12,13)、アクリル
酸トリデシル、アクリル酸ステアリルであり、一部メタ
クリル酸アルキルエステルを利用しても良い。最も実用
的なものはアクリル酸2エチルヘキシルである。芳香族
モノマーとしてスチレン、α−メチルスチレンが一般的
である。
【0013】また、この疎水性モノマーと共重合させる
コモノマーとして代表的なものは(メタ)アクリル酸メ
チルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸
ブチルエステルが利用される。これに不飽和カルボン酸
として(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
フマル酸、マレイン酸などの反応性乳化剤を乳化剤の主
材として用い、表面張力の低下を極力防止したもので特
にペイント用として市販されている重合度の高いアクリ
ル系ディスパージョンに好適品が多く、ペイント用バイ
ンダーを紙の塗料として採用したことが本発明の特徴で
ある。
【0014】スチレンモノマーの比率の高いアクリル系
ディスパージョンでは疎水性アクリル酸エステルが樹脂
総量の5乃至10重量部の低下率でも充分な耐水性を示
すものがあり、コスト的に有利である。即ち、疎水性芳
香族モノマーの比率が高い程耐水性は向上するが、造膜
性や耐油性が低下し、且つ黄変性が大きくなるという欠
陥があるが、ペイント用と異なり、紙加工品では使用期
間が短く且つ直射日光に曝露されることも少ないので、
耐久性、黄変性、耐チョーキング性等、スチレンアクリ
ル系ディスパージョンでもさして問題になることはない
ので、スチレン成分が樹脂総量の30重量%を越えるも
のでも有用なものが多い。
【0015】耐水性、黄変性、チョーキング性などはさ
して問題とはならないが耐水性を与えるための主たる要
件は塗料の疎水性と造膜性が共に高いことである。造膜
性の指標となるのはアクリル系ディスパージョンの最低
造膜温度(以下MFTと略)であり、この値が低い程造
膜が容易で耐水性が発現し易い。ところが、塗工作業に
於いては、塗料による汚れを防ぎ難く、疎水性の塗料が
短時間で造膜してしまうと水洗いでは除去不能で、溶剤
で払拭するかむしろ機械的にこそぎ落さねばならない。
【0016】さらに、加工紙としてMFTの低いディス
パージョンを使ったものは、ブロッキングが起り易いと
いう問題がある。このような問題を解決するには、MF
Tが30℃以上の原材料を主剤にすれば汚れは容易に水
洗いできるし、ブロッキングの心配も少なくなる。しか
し、高MFTの耐水性ディスパージョンは、高温乾燥条
件でも造膜が不完全で充分な耐水性が得られないことが
多い。
【0017】そこで、MFTが30乃至80℃の耐水性
アクリル系ディスパージョンを10乃至70重量%と
し、これに造膜性に優れたMFTが20乃至−10℃の
耐水性アクリル系ディスパージョンを90乃至30重量
%を併用することによって、耐水性の優れた製品に仕上
げることが可能である。両者の比率は塗工作業の操業性
と耐ブロッキング性によって決められる。これらの一部
を疎水性アクリル酸エステル共重合物に置き換えてもよ
い。
【0018】特に、耐光性の要求が厳しくない用途で
は、低MFTアクリル系ディスパージョンの代りに、疎
水性が高く、且つ造膜性の高いブタジエン系共重合物を
50重量%以下併用することによって期待以上の高い耐
水性が得られ、且つ塗工工程の作業性も極めて良好であ
る。この系の塗料は常温下での造膜成分が少なく、塗工
作業中、飛散付着した塗料汚れを容易に水洗いすること
ができる。
【0019】このように、実用的にはMFTの高いアク
リル系ディスパージョンが耐水性を与える主原料となる
ものであるが、スチレン・アクリル共重合体ディスパー
ジョンのMFTを上げる手段としてメタクリル酸メチ
ル、或は不飽和芳香族の配合部数を増加することが一般
的であり、耐水性を重視したものでは後者が有利であ
る。また、紙加工品はペイント並の耐光性を要求される
ことが殆どないので、スチレンアクリル共重合ディスパ
ージョンでスチレン比率の高いものが本発明の目的に適
しているといえるが、スチレン比率の余りにも高いもの
では塗工層が収縮して割れを生じ耐水性を損なうことも
ある。
【0020】顔料としてはカオリン、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、三水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、サチン白、タルクなど一般に印刷用コート紙
の顔料として利用されるものの中から選んでよい。これ
らの顔料は分散剤、消泡剤、pH調整剤等を併用して分
散する。ペイント用アクリル系ディスパージョンは分散
剤が多く顔料との混用性が高いことも特徴で、ポリカル
ボン酸塩で分散した顔料と均一に混合できる。顔料10
0部に対し、アクリル系ディスパージョンを50乃至1
00部混合する。必要に応じて、流動性改善剤、保水
剤、着色剤、防腐防ばい剤、消臭剤、潤滑剤、紫外線吸
収剤、ブロッキング防止剤、溶剤、などの助剤を添加す
る。
【0021】この塗料によって形成された被覆は完全に
近い水の浸透防止効果があるが、基材の断裁面からの水
の染み込みを防ぐことができない。そのため、一般の紙
を原紙として使うと切口から水が浸透し、エッジの波打
ち現象が起り、これが凍結すると紙層が破壊することが
ある。この対策として、原紙のコップ吸水度を30g/
以下望ましくは20g/m以下に制限しなければ
ならない。
【0022】コップ吸水度を下げるためには、α、β不
飽和多塩基酸で変性したロジンエマルジョンをパルプ1
00部に対し、1部以上添加し、充分なアルミニウム塩
によって定着させる方法が最適である。特に、上記変性
ロジンの軟化点を110℃以上にするとか、一部のカル
ボキシル基を疎水性のエステルにすることによって熱水
に対する抗抗性を向上することにより、また、原料の可
塑性を上げて、できるだけ充填量を少なくしてウェット
プレスにより高密度化して毛細管径を小さくし、不連続
化することによって耐水性を上げることができる。コッ
プ吸水度で15g/m以下の原紙を製造することも可
能であり、この対策によって切口の変形を防ぐことがで
きる。用途によっては湿潤強度を与えることもある。
【0023】このようにして得られた原紙に、前記塗料
を片面当り固形分8g/m乃至25g/m望ましく
は12乃至20g/mの範囲で塗布する。塗工量8g
/m 以下では充分な耐水性被膜を形成せず、印刷適性
も劣る。また、25g/m以上ではコスト上昇に見合
う品質の改善が認められないだけでなく、コート層が厚
くなるため再生回収時に塗工層の小片が離脱しこれを完
全に離解することが困難で、これを浮遊分離しない限
り、上質紙への再生原料として利用することができな
い。
【0024】上記で得られた片面塗工品は、表面の性質
が異なるため、温度の変化によってカールが生じ、利用
の障害となることがある。また用途によっては、裏面か
ら水が浸入する問題があり、両面加工が必要な場合もあ
る。この場合、水の浸入は主として断面になるので、古
紙の回収は困難となる。
【0025】この塗料の原紙への塗工はエアナイフ、ダ
イ、ブレード、ロール、バー、ロッド、コンマ等の形式
のコーターが使用可能であるが、生産性と面感からベン
トプレード方式が好適である。加工紙はスーパーカレン
ダー等の平滑仕上機によって平滑化処理を行い、ISO
−8791−4に規定されるプリントサーフ法によるク
ランプ圧980kpaで測定した表面粗さが2.5μm
以下、望ましくは1.5μm以下に仕上げる。但し、印
刷紙以外の用途にはこの限りはない。耐水、耐油バリア
ーとして利用できることは勿論である。
【0026】
【実施例】以下に、本発明に係る耐水性印刷用紙を実施
例にて具体的に説明する。なお実施例中の部及び%はす
べて乾燥重量部及び重量%を示す。
【0027】〈実施例1〉カオリン(ハイドラスパース
JM ヒューバー社)20部、炭酸カルシウム(ソフ
トン 白石カルシウム)50部、酸化チタン(W−10
石原産業)30部、ポリカルボン酸系分散液と消泡剤を
加えた水中に分散し、アンモニアでpHを9乃至10と
した後、サイビノールUC−404(サイデン化学)8
0部及び滑剤(ノプコート 104)2部を混合して塗
料とした。
【0028】N−BKP100部を濾水度300mlま
で叩解し、サイズ剤(R−800
【0029】仕上処理した加工紙はJIS−P8111
に従って前処理を行ったのちコップ吸水度、耐熱水性、
インキ受理性及び透湿度を測定した。
【0030】1)コップ吸水度 JIS−P8140の規定に従い塗工面について20℃
の水に120秒間接触させたときの水の浸透量g/m
を測定した。
【0031】2)耐熱水性 非塗工面に50μmPETの粘着フィルムを貼付けロー
ラーで圧着した後、5cm×10cmの試料を採取し、
これを金網の篭に納めて80℃の熱水中に20分間浸漬
した後、付着水を濾紙で軽く吸い取り重量を測定し、試
験前の重量に対する増加重量(吸水量)を試料面積50
cmで除した値を耐熱水性g/m20minとして
表した。この値は紙の断面からの吸水、裏面のPETフ
ィルムの吸水量を含むので、純粋に塗工面からの吸水量
ではないが、一定の値を嵩上げした吸水量として、コッ
プ吸水量より、厳しい耐水性の評価方法として採用し
た。
【0032】3)インキ受理性 IHI製R1テスター1型で、大日本インキ化学製トラ
ンスGインキ(赤色)2mlをローラーに展色したもの
をベタ刷りし、この濃度をマクベス濃度計(赤フィルタ
ー)で測定し比較した。1.0以上は受理性が充分なも
の(○)、0.8位になると肉眼的には著しい差にな
り、印刷紙として利用できないもの(△)として区別し
た。参考例にはないが0.6以下は(×)に相当するが
僅かに着色している程度でワックスを併用したものがこ
の水準になることが多い。
【0033】4)透湿度 JIS K7129。これは参考までに測定値を挙げた
が、水蒸気の透過性は耐水性よりミクロな形での膜構造
と塗料自体の吸湿性を示すものである。実施例では造膜
状態を示す代用特性として水蒸気透過率g/m24H
rを示した。
【0034】〈実施例2〉アクリルディスパージョンを
ボンコート5462K(大日本インキ化学工業)に変更
した以外は実施例1と同様に実施した。
【0035】〈実施例3〉アクリルディスパージョンを
ボンコートExp−863(大日本インキ化学工業)に
設定した以外は実施例1と同様に実施した。
【0036】〈実施例4〉アクリルディスパージョンを
ボンコートExp−5462−2(大日本インキ化学工
業、ホルマリン不使用品)に変更した以外は実施例1と
同様に実施した。
【0037】〈実施例5〉アクリルディスパージョンを
サイビノールEK−81(サイデン化学)40部ボンコ
ートExp−863 40部を併用した以外は実施例1
と同様に実施した。
【0038】〈実施例6〉アクリルディスパージョンを
サイビノールEK−81 40部、スチレンブタジエン
系ラテックスP−6×20(住友エービーエス・ラテッ
クス)40部との混合物に変更した以外は実施例1と同
様に実施した。
【0039】〈参考例1〉アクリルディスパージョンと
してボンコートU−40(大日本インキ化学工業)80
部に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0040】〈参考例2〉アクリルディスパージョンと
してサイビノールEK−55(サイデン化学)80部に
変更した。なお、顔料の分散剤はスチレンマレイン酸
(SMA1440H河原油化)1.3部、ポリオキシエ
チレン多環フェニールエーテル(ニューコール723
日本乳化剤)2.4部を利用した。(ポリカルボン酸で
分散した顔料では、EK−55の混合性が不良)その他
は実施例1と同様に実施した。
【0041】〈参考例3〉アクリルディスパージョンと
してサイビノールEK−81 50部とボンコートAT
C−51 30部の混合物を使用した以外は実施例1と
同様に実施した。
【0042】
【表1】 表1には、実施例及び参考例に用いた樹脂ディスパージ
ョンのMFTとガラス転移点(TG)を示す。
【0043】
【表2】 表2には、実施例1乃至6と参考例1乃至3の処方で作
成した耐水性印刷用紙のコップ吸水度、耐熱水性、イン
キ受理性及び透湿度の各々の評価結果を示す。
【0044】実施例、参考例に挙げたものは何れも手塗
りによる結果で塗工後、乾燥機に入れるまでに、塗料中
の水が基材に染み込んだり蒸発したりして水分が減り、
MFTの高いバインダーを使ったものでは造膜性が低下
し、実施例5,6のように耐水性、透湿度が劣る結果と
なる。この場合、乾燥温度を上げても良い結果は得られ
ない。
【0045】しかし、実機で加工した場合は塗工後1秒
前後でSCAFドライヤーに達するので造膜性が助長さ
れ、実施例6では透湿度は400g/m24Hrに低
下し、コップ吸水度0g/m、耐熱水性は20.6g
/m・20minまで向上する。この事例のように、
MFTの高いアクリル系ディスパージョンの造膜性を改
善できるMFT20℃以下、望ましくは15乃至2℃の
疎水性、ディスパージョンを混用することによって作業
性が良く、且つ耐水性の高い加工紙が得られる。
【0046】参考例1はアクリル酸エステルと酢酸ビニ
ルエステルの共重合物であり、コップ吸水度及び透湿度
共に良好であるにもかかわらず耐熱水性に劣り、インキ
の受理性も悪く、印刷用紙としては利用できない。
【0047】参考例2は顔料との混用性が悪く、また造
膜性が高くて作業性が劣る。耐熱水性は抜群であるが、
インキの受理性が悪く印刷紙に向かない。
【0048】参考例3は高MFT疎水性アクリル系エマ
ルジョンにスチレン・アクリル系ソープフリーディスパ
ージョンを混合したものである。後者は分子量が低く、
これを水溶性オリゴマーで安定したもので、MFTは0
℃以下であるのに透湿度が大きく、耐水性が低い。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、印刷適性
が良く、熱水処理にも耐える高い耐水性によって基材の
変形が小さい加工紙が得られる。その性能は強度につい
ては合成紙と比較にならないものの、耐水性については
親水性成分が主体である。加工紙であるにも拘わらず、
加工面からの水の侵入に対する抵抗力は実用的には近似
した水準であり、しかも印刷工程での作業性、印刷適性
共に良好で、一部の合成紙の用途への適用が可能であ
り、且つ再生可能である点に特徴がある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の片面もしくは両面について顔料1
    00部(固型重量部、以下同じ)当り、アクリル系ディ
    スパージョン50乃至100部からなる塗料を塗工した
    加工紙において、コップ吸水度が3g/m以下である
    ことを特徴とする耐水性印刷用紙。
  2. 【請求項2】 アクリル系ディスパージョンが、アクリ
    ル系アルキルエステルと不飽和芳香族モノマーの共重合
    物であり、アクリル酸アルキルエステルのアルキル基炭
    素数が8以上のモノマー及び不飽和芳香族モノマーの合
    計が樹脂総量の45乃至90重量%からなるスチレンア
    クリル樹脂ディスパージョンをバインダーとする請求項
    1記載の耐水性印刷用紙。
  3. 【請求項3】 アクリル系ディスパージョンが、最低造
    膜温度30乃至80℃のものが10乃至70重量%及
    び、最低造膜温度20乃至−10℃のものが90乃至3
    0重量%のモノマー組成からなるスチレンアクリル樹脂
    ディスパージョンをバインダーとする請求項1又は請求
    項2のいずれかに記載の耐水性印刷用紙。
  4. 【請求項4】 アクリル系ディスパージョンが、スチレ
    ンアクリル樹脂ディスパージョン100部に対し、造膜
    性の高いブタジエン系共重合物ディスパージョン100
    部以下を混合した樹脂ディスパージョンをバインダーと
    する請求項1、請求項2又は請求項3のいずれかに記載
    の耐水性印刷用紙。
  5. 【請求項5】 パルプ100部に対し、1.0部以上の
    変性ロジンエマルジョンサイズと金属塩により、コップ
    吸水度30g/m以下とした耐水性の高い原紙の片面
    若しくは両面について、顔料100部当り、請求項2又
    は3の樹脂ディスパージョン50乃至100部からなる
    塗料を片面当り8乃至25g/mの範囲で塗工したも
    ので、塗工面のコップ吸水度が3g/m以下であるこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請
    求項4のいずれかに記載の耐水性印刷用紙。
  6. 【請求項6】 変性ロジン系エマルジョンサイズが、
    α、β不飽和多塩基酸で変性した耐熱性のエマルジョン
    サイズであり、金属塩がアルミニウム塩である請求項5
    に記載の耐水性印刷用紙。
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