JP2016191167A - 耐水耐油紙 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の耐水耐油紙に用いる基紙は、パルプを主成分とする。ここで使用するパルプとしては、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)とNBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の木材パルプを主に用いることができる。他のパルプとしては、亜硫酸パルプ(SP)、ソーダパルプなどの化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプや、古紙、ワラ、バガス、ヨシ、ケナフなどの非木材パルプについても本発明の目的とする効果を損ねない範囲で用いることができる。
本発明の耐水耐油紙は、基紙の少なくとも一方の面にバインダと無機顔料とを含有する塗工層を設けたものである。
本発明の塗工層に使用するバインダとしては、ガラス転移点が35〜45℃であるスチレン−アクリル系共重合体(以下、バインダ(A)と表すことがある)と、ガラス転移点が15〜25℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体(以下、バインダ(B)と表すことがある)と、及びガラス転移点が0〜10℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体(以下、バインダ(C)と表すことがある)の混合物を使用する。
本発明の塗工層に使用する無機顔料は、軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムの炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、デラミカオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、白土、合成非晶質シリカ、ベントナイト等の無機顔料を使用することができる。これらの中でも、炭酸カルシウム、酸化チタンは耐水性を付与しやすい無機顔料である。また、平板状の形態を有するデラミクレーを少量配合すると塗工層の耐油性の向上に効果がある。
広葉樹晒クラフトパルプ(300〜400mlCSF)60重量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(400〜500mlCSF)40重量部とからなるパルプ分散液に、硫酸バンド1.0重量部、填料として軽質炭酸カルシウムを3.0重量部添加し、ロジンサイズ剤0.2重量部、カチオン澱粉0.7重量部を添加して抄紙した。表面処理剤として、酸化澱粉を塗布量が片面当たり1.6g/m2、表面サイズ剤を塗布量が片面当たり0.8g/m2で、両面に同一の塗布量をサイズプレスにより塗布後乾燥して、水分6%、米坪量100g/m2の基紙を抄紙した。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部、無機顔料として重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)30重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)10重量部、無機顔料をデラミクレー(センチュリーHC:平均一次粒子径0.9μm、ブラジルIRCC社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、ガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)10重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が10℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:T−2730P、JSR社製)30重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が24℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:L−7110、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)50重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)10重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が37℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−1310、昭和電工社製)55重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:DL−620、旭化成ケミカルズ社製)10重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が0℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:0589、JSR製)15重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダとしてガラス転移点が37℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−1310、昭和電工社製)60重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:DL−620、旭化成ケミカルズ社製)10重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が0℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:0589、JSR製)10重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)80重量部、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)20重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が43℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−3140、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:DL−620、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)80重量部、デラミクレー(センチュリーHC:平均一次粒子径0.9μm、ブラジルIRCC社製)20質量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が37℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−1310、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点24℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:L−7110、旭化成ケミカルズ社製)30重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が7℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:ナルスターSR−103、日本エイアンドエル社製)10重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)80重量部、デラミクレー(センチュリーHC:平均一次粒子径0.9μm、ブラジルIRCC社製)20質量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)120重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダとしてガラス転移点が43℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−3140、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:DL−620、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が10℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:T−2730P、JSR社製)20重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)120重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本実施例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)30重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)40重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)10重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)65重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)5重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)10重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ソフトン#2200:平均一次粒子径1.1μm、備北粉化社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が30℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:F−433、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が24℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:L−7110、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が7℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:ナルスターSR−103、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が50℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−3760、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が7℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:ナルスターSR−103、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が43℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−3140、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が10℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:T−2730P、JSR社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が7℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:ナルスターSR−103、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径 1.8μm)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が37℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−1310、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が27℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:ニッポールLX−415A、日本ゼオン社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が10℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:T−2730P、JSR社製)20重量部を混合して、無機顔料として、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダとしてガラス転移点が43℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−3140、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が24℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:L−7110、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が−6℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−6082、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が37℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:AP−1310、昭和電工社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:DL−620、旭化成ケミカルズ社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が12℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−4046、日本エイアンドエル社製)20重量部を混合して、無機顔料として、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ60、白石カルシウム社製、平均一次粒子径1.8μm)80重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、酸化チタン(CR−85:平均一次粒子径0.3μm、石原産業社製)130重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
バインダ(A)としてガラス転移点が40℃のスチレン−アクリル系共重合体(商品名:EK−81、サイデン化学社製)40重量部、バインダ(B)としてガラス転移点が21℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:PA−3802、日本エイアンドエル社製)20重量部、バインダ(C)としてガラス転移点が3℃のスチレン−ブタジエン系共重合体(商品名:P−6X20、日本エイアンドエル社製)20重量部と、無機顔料として、重質炭酸カルシウム(カルライトKT:平均一次粒子径2.4μm、白石工業社製)100重量部を水に分散して混合し、後添加した塗料を、紙基材の片面に14.0g/m2塗工して、本比較例に係る耐水耐油紙を得た。
無機顔料の平均一次粒子径は、ELSZ−1000(大塚電子社製)を用いて光散乱法により測定し、その実測値を平均一次粒子径として用いる。
耐水耐油紙の耐水性は、JIS P8140の吸水度試験方法(コッブ法)に準じ、耐水耐油紙表面の120秒後の吸水量を測定した。
耐水耐油紙の耐油性は、縦10cm、横10cmの試験片について、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.41(2000)における、紙及び板紙−はつ油度試験方法−キット法に準じて評価を行い評価基準は下記の通りとした。
○:12級以上であり、合格
×:12級未満であり、不合格
耐水耐油紙の耐ブロッキング性は、縦目10cm×横目5cmに裁断した耐水耐油紙を、塗工面と塗工面が接触するように2枚重ねて50kgf/cmの荷重にて室温下で24時間加圧放置した際の接着状況を下記の基準で評価した。
◎:全く接着しない(合格)
○:軽微に接着したが剥離は容易(合格)
△:部分的に接着した(不合格)
×:全面が接着した(不合格)
RI印刷機(明製作所)を用いて市販酸化重合型印刷インキにより印刷し、印刷面の均一性と濃度を以下の基準により4段階評価で目視判定した。
◎:印刷面の均一性と濃度が非常に優れている(合格)
○:印刷面の均一性と濃度が優れている(合格)
△:印刷面にややムラが有る(不合格)
×:印刷面にムラが有る(不合格)
実施例1乃至6の結果と比較例1の結果とを比較すると、バインダの配合比率が本発明の範囲である実施例1乃至6により得られた耐水耐油紙はいずれも耐ブロッキング性と耐水性、耐油性を兼ね備えたものであったのに対して、比較例1ではこれら実施例と使用しているバインダや無機顔料が同じものであるにも関わらず、耐ブロッキング性に劣るものとなった。この結果から、ガラス転移点が35〜45℃であるスチレン−アクリル系共重合物(バインダ(A))の配合量がバインダ全量に対して50質量%を下回ると、ガラス転移点が15〜25℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体(バインダ(B))の配合比を過剰にしても、部分的な接着が生じ、耐ブロッキング性に劣る耐水耐油紙となってしまうことがわかる。
実施例1乃至12の結果と比較例3乃至8の結果とを比較すると、実施例1乃至主剤となるバインダ(A)としてガラス転移点が35℃を下回るスチレン−アクリル系共重合体を用いた比較例3、バインダ(B)としてガラス転移点が15℃を下回るスチレン−ブタジエン共重合体を用いた比較例5、及びバインダ(C)としてガラス転移点が0℃を下回るスチレン−ブタジエン共重合体を用いた比較例7のいずれにおいても、塗工面同士の全面が接着してしまい、耐ブロッキング性の評価は×となった。
実施例3の結果と比較例9の結果とを比較すると、無機顔料の配合比率が125質量%対バインダであった実施例3では耐ブロッキング性、インク着肉性のいずれについても好ましい結果となったが、無機顔料の配合比率が100質量%対バインダであった比較例9では、耐ブロッキング性が悪くなり、インク着肉性も劣る結果となった。
実施例1、実施例8及び比較例11の結果を比較すると、平均一次粒子系が1.1μm(実施例1)、1.8μm(実施例3)と0.1〜2.0μmの範囲であった例では耐ブロッキング性、インク着肉性ともに好ましい結果であったが、平均一次粒子径が2.4μmであった比較例11では、耐ブロッキング性が悪くなり、インク着肉性も劣る結果となった。
Claims (7)
- 基紙の少なくとも一方の面に、バインダと無機顔料を含む塗工層を設けてなる耐水耐油紙であって、
前記バインダは、ガラス転移点が35〜45℃であるスチレン−アクリル系共重合体50〜75質量%と、ガラス転移点が15〜25℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%と、ガラス転移点が0〜10℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%とからなり、かつ、
前記無機顔料の平均一次粒子径が0.1〜2.0μmであり、
前記無機顔料は前記バインダ100質量%に対して固形分換算で120〜150質量%の範囲で用いられることを特徴とする耐水耐油紙。 - 前記無機顔料は、炭酸カルシウム、酸化チタン、デラミクレーの中から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐水耐油紙。
- 前記塗工層は、基紙片面あたり固形分で10〜18g/m2の範囲で塗工されることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐水耐油紙。
- 基紙を準備する基紙準備ステップと、
バインダと無機顔料を含む塗工液を調整する塗工液調製ステップと、
前記基紙に前記塗工液を片面あたり固形分で10〜18g/m2の範囲で塗工する塗工ステップと、を有し、
前記バインダは、ガラス転移点が35〜45℃であるスチレン−アクリル系共重合体50〜75質量%と、ガラス転移点が15〜25℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%と、ガラス転移点が0〜10℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%とを混合してなり、
前記無機顔料は、平均一次粒子径が0.1〜2.0μmであり、前記バインダ100質量%に対して固形分換算で120〜150質量%の範囲で用いられることを特徴とする耐水耐油紙の製造方法。 - 前記無機顔料は、炭酸カルシウム、酸化チタン、デラミクレーの中から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項4に記載の耐水耐油紙の製造方法。
- 前記塗工層は、基紙片面あたり固形分で10〜18g/m2の範囲で塗工されることを特徴とする請求項4又は5に記載の耐水耐油紙の製造方法。
- バインダと無機顔料とを含み、
前記バインダは、ガラス転移点が35〜45℃であるスチレン−アクリル系共重合体50〜75質量%と、ガラス転移点が15〜25℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%と、ガラス転移点が0〜10℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体12.5〜37.5質量%とからなり、
前記無機顔料は、平均一次粒子径が0.1〜2.0μmであり、前記バインダ100質量%に対して固形分換算で120〜150質量%の範囲であることを特徴とする耐水耐油紙の塗工層用塗工液。
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