JPH04153397A - グラビア印刷用塗被紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、グラビア印刷用塗被紙に関し、特に、ミスド
ツトが少なく、網点再現性に優れたグラビア印刷用塗被
紙に関するものである。

「従来の技術」 グラビア印刷は、ハイライト部から中間調にかけての再
現性に優れ、美しい写真が印刷できるので、最近、広汎
に利用されている。

しかしながら、グラビア印刷は、インキを金属ロールの
凹面から直接、紙に転移させる方式であるため、ミスド
ツトや網点の再現不良が発生しやすく、印刷効果を阻害
する重大な欠陥となることがある。ミスドツトは、凹版
のインキが充分に紙面に転移されずに欠損を生じた現象
であり、グラビア印刷時の加圧条件下においても充分な
紙面平滑性及び塗被層のクツション性が得られていない
ことが、主な原因とされている。そのため塗工原紙、塗
被組成物等、用紙の面からの改良のみならず、インキ、
製版等、印刷面からの改良も種々提案されているが、未
だ充分な改良効果が得られていない。また、網点の再現
不良はグラビアインキが、紙に転移すると同時に紙表面
に広がり、印刷物の再現不良を起こす現象であり、グラ
ビアインキの紙面への吸収性が悪い場合に、発生し易い
。

「発明が解決しようとする課題」 上記の如き現状に鑑み、本発明者等は、グラビア印刷用
塗被紙の重大欠陥であるミスドツト及び網点再現不良の
改良について、鋭意研究を重ねた結果、塗被組成物中に
特定のアスペクト比を有するカオリンと特定の粒子径を
有する炭酸カルシウムを特定量配合せしめ、且つ原紙を
構成するパルプの繊維形状と繊維長分布を特定すること
によって、塗被液の流動性及び塗工適性が改善され、品
質改良効果の優れた、高品質のグラビア印刷用塗被紙を
提供するものである。

「課題を解決するための手段」 本発明は、原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被
組成物を塗被してなるグラビア印刷用塗被紙において、
主顔料としてアスペクト比が１０以上のカオリンを含有
し、且つ平均粒子径が０．５〜１μｍの範囲にある湿式
粉砕された炭酸カルシラムが全顔料中に５〜３０重量％
含有せしめられていることを特徴とするグラビア印刷用
塗被紙である。

「作用」 本発明において、塗被組成物を構成する顔料として使用
されるものは、アスペクト比の高いカオリン、例えばデ
ラミカオリンが挙げられ、一般に標準のデラミカオリン
が使用できる。さらに、上記カオリンと併用される炭酸
カルシウムは湿式粉砕され、且つその平均粒子径が０．
５〜１μｍを有するものが使用される。なお、ここでの
平均粒子径とは島津マイクロメリテックス粒度分布計（
セディグラフ５０００−０１）を用いて測定した値であ
る。

上記特定の炭酸カルシウムの場合、その平均粒子径が０
．５μｍ未満ではグラビア印刷効果が充分ではなく、他
方１μｍを越えると流動性の改善効果が認められない。

さらに、このような炭酸カルシウムは全顔料中に５〜３
０重量％の範囲で配合されるものである。因みに、５重
量％未満の場合には、塗被液の流動性の改善が見られず
、一方、３０重重量を越えると充分なグラビア印刷適性
を得ることができない。

また、粉砕処理の施されていない炭酸カルシウムは流動
性が悪く、塗工の際にストリークやスクラッチトラブル
を誘発し易く、得られた塗被紙もグラビア印刷適性、特
にミストｙ　ｌ□、網点再現性の向上効果が乏しい。

本発明でいう湿式粉砕とは、サンドミル、アトリッショ
ンミル、アトライター等の装置により処理されたものを
指す。

本発明で用いられる炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウ
ムでも良いし、軽質炭酸カルシウムでも良く、最終塗被
紙の品質仕様に応じて適宜選択される。

上記の特定顔料以外に印刷用塗被紙の製造分野で用いら
れる一般公知の顔料、例えばカオリン、焼成カオリン、
水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二酸化チタン、
無定形シリカ、ゼオライト、硫酸カルシウム、バイオフ
ィライトクレー、プラスチックピグメンＩ・等の一種又
は二種以上が適宜併用される。

本発明における塗被組成物用接着剤としては、例えばス
チレン・ブタジェン系、スチレン・アクリル系、エチレ
ン・酢酸ビニル系、ブタジェン・メチルメタアクリル系
、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体
ラテックス及びポリ酢酸ビニル等のアルカリ感応性又は
非感応性接着剤、さらにはポリビニルアルコール、スチ
レン共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・
メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、酸化
澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉
等の澱粉類。それらをフラッシュドライして得られる冷
水可溶性澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等
が挙げられる。なお、接着剤の使用量は全顔料に対して
５〜１２重量％の範囲で調節される。

なお、塗被組成物中には、必要に応じてその他に分散剤
、増粘剤、保水性剤、消泡剤、滑剤、染料、ｐｌ＋調整
剤等の各種助剤が適宜配合される。

塗被組成物の調製に際してはコーレスミキザーニーダー
、ボールミル等の混合攪拌機を適宜用いて固形分濃度が
５５〜６８重量％になるように水性系塗被液として調製
される。

かくして調製された塗被液は塗工紙分野で一般に用いら
れている塗工機、例えばエアーナイフコーター、ロール
コータ−１或いはパドル又はインバーター型のヘヘル又
はヘンド型のブレードコーター、ヒルブレード、ツイン
ブレード、チャンブレックスコーター等のブレードコー
ターやショートドウエルコーター等を用いて塗被紙川原
紙の両面又は片面に乾燥後のコート量が片面当たり３〜
３０ｇ／ｍ２程度になるように一層乃至ば多層に分けて
塗被される。

さらに、グラビア印刷用塗被原紙としての品質は紙料の
叩解方法や程度、抄紙方法等によっても大きく左右され
るが、紙料として使用される繊維材料の有する特性によ
っても大きく影響されるものである。その中でも繊維長
、繊維径、内腔径、繊維壁の厚み等は塗被原紙、及び塗
被紙の品質を左右する重要な因子となるものである。こ
れらのうち、繊維内腔径を℃、繊維径をＤとしたとき、
その比ｆ／Ｄは繊維壁の厚みを表す指標（ｌ／Ｄの値が
小さい程、厚壁となり、大きくなるに従い薄壁となる）
であるが、特に原紙の弾力性〜潰れ易さとの関連が大き
く、グラビア印刷における品質を決定する重要な要素と
なる得ることを見出した。

即ち、パルプ繊維のｆｆ／Ｄ値が０．４以上の場合には
繊維壁が薄く、塗被紙川原紙の平滑性が得られ易くなる
。因みに、ｌ／Ｄ値が０．４未満の場合、繊維壁が厚く
、剛直となるために潰れにくく原紙の平滑性が低下する
。さらに、Ａ／Ｄ値が０．４以上のパルプ繊維を原料と
し、ＪＩＳ　Ｐ８２０７法における４２メツシュ繊維フ
ラクシヨン含有率が６０重量％以上である化学パルプを
５０重量％以上含有する塗被原紙は極めて平滑性及びク
ツション性に優れ、該原紙上に塗被組成物を設けて得ら
れる塗被紙は、グラビア印刷効果、特にミスドント、網
点再現性の優れたグラビア印刷用塗被紙が得られる。

なお、繊維径及び繊維内腔径の測定は以下のようにして
行った。即ち、種々の繊維の木口面を倍率５００倍で電
子顕微鏡で写真撮影（繊維約５００本について）し、そ
の写真より繊維の接線方向及び放射方向の繊維径及び繊
維内腔径を測定した。

また、上記の如きパルプの他に、例えばスＩ・ングラン
ドパルプ、加圧ストングランドパルプ（ＳＧＰ）リファ
イナーグランドパルプ（ＲＧｒ’）、サーモメカニカル
パルプ（ＴＭＰ）等のメカニカルパルプケミサーモメカ
ニカルパルプ（ＣＴＭＰ）　、ケミクランドルバルブ（
ＣＧＰ）等のケミメカニカルパルプ（ＣＭＰ）、さらに
セミケミカルパルプ（ＳＣＰ）等の、所謂通常の高歩留
パルプが使用される。ＤＩＰ等の古紙も勿論再生利用す
るごとができる。

このようにして得られた塗被紙は通常、スーパーキャレ
ンター、グロスキャレンダー、マツ１〜キヤレンダー等
の仕上げ装置に通紙して塗被層面に平滑性を付与し、グ
ラビア印刷用塗被紙として仕上げられる。

「実施例」 以下に、実施例を挙げて、本発明の効果を具体的に説明
するが、勿論本発明はこれらに限定されるものではない
。なお、特に断らない限り、実施例中の「部」及び「％
」はそれぞれ「重量部」及び「重量％」を示す。

〔塗被組成物中に使用した顔料の種類〕（ａ）　　カオ
リン Ａ：アスペク１−比が２０のカオリン Ｃニアスペクト比が１５のカオリン Ｃニアスペクト比が５のカオリン （ｂ）　　炭酸カルシウム 平均粒子径２．４１ｔｍの重質炭酸カルシウムに分散剤
−ポリアクリル酸ソーダーを対顔料１００部当たり０．
６部添加し、固形分濃度７０％の顔料スラリーを調製し
た。次に、このスラリーをサンドグラインダーを用いて
以下の如き平均粒子径を有する湿式粉砕重質炭酸カルシ
ウムＣ以下、重要と呼称する）スラリーを得た。

Ｄ：平均粒子径１．２μｍの重要 Ｅ：平均粒子径０．９μｍの重要 Ｆ：平均粒子径０．６μｍの重要 Ｇ：平均粒子径０，４μｍの重要 また、乾式粉砕品として、Ｈ：平均粒子径０．９μｍの
重質炭酸カルシウムを得た。

さらに、軽質炭酸カルシウムも同様にして、以下の如き
平均粒子径を有する湿式粉砕軽質炭酸カルシウム（以下
、軽度と呼称する）スラリーを得た。

Ｉ：平均粒子径１．２μｍの軽度 Ｊ：平均粒子径０．９μｍの軽度 に：平均粒子径０．６μｍの軽度 Ｌ：平均粒子径０．４μｍの軽度 上記の如き顔料を表−２に示した配合割合で混合し、総
顔料（１００部）に対して分散剤としてポリアクリル酸
ソーダを０．２部添加し、固形分濃度が７０％となるよ
うに水中混合分散し、この顔料スラリーに対顔料で、ア
ルカリ感応型ラテックス７％、酸化澱粉１％、ステアリ
ン酸カルシウム０．５％をそれぞれ添加、混合して固形
分が６３％のグラビア印刷塗被紙用塗被液を得た。

上記の塗被液をＮＢＫＰ２０部、ｆｆ／Ｄ及び４２メツ
シュ繊維フラクシヨンが表−１に示す様なＬＢＫＰ８０
部からなるパルプ配合に、対パルプ当たり、タルク１０
部、ロジンサイズ０．１部、及び硫酸バンド２部を添加
してなる紙料を抄紙して、米坪が５０ｇ／ｍ２の原紙を
得た。この原紙に表−２に示すような組合わせでコート
量が固形分で片面１０ｇ／ｍ２となるようにブレードコ
ーターで両面塗被した後、スーパーキャレンダー処理を
行い、グラビア印刷用塗被紙を得た。

この場合のブレードコーターでの塗工状況（ストリーク
発生状況）と得られた塗被紙の品質を表２に示した。な
お、塗工状況評価と品質評価は下記に準じて行った。

（塗工状況） ブレードコーク−ヘッドにおけるストリーク発生状況を
目視評価した。

◎　ストリーク全く発生せず良好 ○　ストリーク殆ど発生せず ×　ストリーク多発し、塗工適性不良 （平滑性） 東英電子工業Ｉ’ｌｌ製のスムースター平滑度測定器を
用いた。値が小さい程、平滑性が優れている。

（グラビヤミスドツト） グラビア印刷機を用いて印刷を行い、印刷面におけるミ
スドツトを目視判定した。

◎：印刷面にミスドツトの発生なく、極めて優れたグラ
ビア印刷面であった。

Ｏ：印刷面にミスドツトの発生は殆どなく、印刷仕上が
りも良好である。

△：印刷面にミスドツトが散見される。

×；印刷面に多数のミスドツトが発生している。

（網点再現性） グラビア印刷機を用いて印刷を行い、得られた印刷物の
表面を拡大写真に取り、網点着肉状態を目視判定した。

◎：網点着肉状態、極めて良好。

○：網点着肉状態良好。

△：網点着肉状態若干劣る。

×：網点着肉状態劣り、印刷面不良。

表 ■ 「効果」 表−２の結果から明らかなように、本発明の実施例で得
られたグラビア印刷用塗被紙はミスドツトの解消効果、
及び網点再現性の優れたものであった。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被組成
   物を塗被してなるグラビア印刷用塗被紙において、主顔
   料としてアスペクト比が１０以上のカオリンを含有し、
   且つ平均粒子径が０．５〜１μｍの範囲にある湿式粉砕
   された炭酸カルシウムが全顔料中に５〜３０重量％含有
   せしめられていることを特徴とするグラビア印刷用塗被
   紙。
2. （２）原紙が、パルプ繊維径（Ｄ）を１００としたとき
   、その繊維の内腔径（ｌ）が４０以上（即ち、ｌ／Ｄ≧
   ０．４）であるパルプ繊維を原料とし、且つＪＩＳＰ８
   ２０７における４２メッシュ繊維フラクション含有率が
   ６０重量％以上である化学パルプを５０重量％以上含む
   原紙である請求項（１）記載のグラビア印刷用塗被紙。