JP2006169693A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ネッパリ現象を伴うことなく、ブランケットパイリング等が抑制され、しかも印刷後不透明性およびインキ着肉性が顕著に改善されたオフセット印刷用新聞用紙を提供する。
【解決手段】坪量が45g/m2以下であり、片面当たりの乾燥塗工量が0.3〜3g/m2の顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有し、該オレフィン系サイズ剤はオレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体を主成分とするもので、質量平均分子量は1000〜10000であることが好ましく、該オレフィン系サイズ剤の乾燥塗工量は片面当たり0.005〜0.15g/m2にすることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はオフセット印刷用新聞用紙に関する。特に吸水着肉が良好で印刷後不透明度が高い良好な印刷品質をもつオフセット印刷用新聞用紙に関する。
新聞用紙の印刷を含め、近年の商業印刷方式は、オフセット印刷が主流となっている。オフセット印刷は通常PS版と呼ばれる刷版を作成し、刷版に湿し水とインキを供給して印刷する方式である。刷版は平版であり、刷版上で画線部は親油性の表面となるように処理され、非画線部は親水性の表面になるように処理されている。この刷版に湿し水とインキを供給すると、画線部にはインキが、非画線部には水が付着した状態となり、この刷版よりブランケットを介して紙にインキを転移させて印刷する。
このオフセット印刷では、比較的タックの強いインキを使用するため、用紙には表面強度が強いことが要求される。また、湿し水が用紙表面に付着するために、表面強度が弱い、あるいは耐水性の弱い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉がブランケットに堆積したり、インキに混入することにより、印刷面に所謂カスレを生じるトラブルが起こる場合がある。
また、近年、新聞用紙には軽量化が求められており、これに伴い、印刷後も高い不透明度を維持しうる用紙の要求が強まっており、紙の不透明度を高めるために、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいはタルク等の無機顔料が抄紙時の填料として多く使われるようになった。これらの無機顔料は、オフセット印刷時の湿し水によって容易に紙層内から浸み出し、ブランケットにパイリングする紙粉の主な成分の一つとなる。また、環境面で重要視されているDIP(脱墨古紙パルプ)の高率配合化はDIPがGPやRGP、TMP等のメカニカルパルプに比較し、不透明度が出難く、不透明度の改良とDIPの高率配合化を両立させるのが極めて困難な実状である。
無機顔料を抄紙時に高率配合化せずにインキ着肉性や印刷後不透明度を向上する手段として、抄紙後に各種顔料を新聞用紙表面に塗布する方法が提案されている。サチンホワイトや水和珪酸、中空有機顔料の塗布は、少量の塗布量で白色度、不透明度への改善効果が認められるが、接着剤との結合強度が弱く、ブランケットパイリングが悪化するため、接着剤比率の増加が必要となり、結果的に不透明度への効果が小さくなり、コスト的にも好ましくない(特許文献1,2,3参照)。不透明度の高い顔料として知られる二酸化チタンを塗布することで不透明度を向上する技術(特許文献4参照)も紹介されている。二酸化チタンの塗布は、他の顔料を使用した場合に比較して良好な不透明度を得ることができ、ネッパリ性にも改善効果が認められるが、接着剤との相溶性が悪く、塗工時に凝集物を生じ易く安定した操業が困難である。このようなブランケットパイリング、印面カスレや白ポチのようなオフセット印刷時の表面強度低下に関する問題に対応する方法として、従来から新聞用紙の表面に澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド系樹脂等の接着剤を主成分とする表面処理剤をゲートロールコーターなどを用いて塗布することが一般に行なわれている。しかしながら、表面処理剤の使用量が増大すると、コスト高となるだけでなく、印刷時に紙表面が湿し水で湿った状態で起こる紙表面の粘着性(通称ネッパリ性と呼ばれる)が増大する傾向がある。しかもこのネッパリ性が大きくなると、特に非画線部におけるブランケットパイリングを一層増大させたり、また、印刷時に紙面がブランケットに貼り付き、結果的にシワや断紙といった走行性などの別の不具合をも誘発してしまう。
一般塗工紙において通常に使用されるカオリンの塗布(特許文献5参照)については、比較的安価である利点はあるが白色度、不透明度への改善効果が小さく、また、板状顔料であるため摩擦係数が低下しやすく、塗布量を増加させると紙流れが発生する問題点がある。
特開2000−34694号公報 特開2001−164494号公報 特開2000−314097号公報特 開平11−247095号公報 特開平4−57988号公報
本発明が解決しようとする課題は、ネッパリ現象を伴うことなく、ブランケットパイリング等が抑制され、しかも印刷後不透明性およびインキ着肉性が顕著に改善されたオフセット印刷用新聞用紙を提供することである。
上記課題を達成するため本発明は以下の構成を採用した。
(1)坪量が45g/m2以下であり、片面当たりの乾燥塗工量が0.3〜3g/m2の顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有するオフセット印刷用新聞用紙。
(2)前記オレフィン系サイズ剤がオレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体で、質量平均分子量が1000〜10000である(1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(3)前記オレフィン系サイズ剤の乾燥塗工量は片面当たり0.005〜0.15g/m2である(1)又は(2)のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。
本発明に係るオフセット印刷用新聞用紙は、オフセット印刷時のインキ着肉性および印刷後不透明性が顕著に改善され、ネッパリ現象、ブランケットパイリング等のトラブルをも発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有する。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は坪量が45g/m2以下であり、片面当たり乾燥塗工量で0.3〜3g/mの顔料塗工層を設け、該顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有する。45g/m2以下の低坪量の新聞用紙において、印刷後不透明度だけでなく、ブランケットパイリングやネッパリ等のトラブルを軽減するために、顔料塗工層中にオレフィン系サイズ剤を含有することが必要である。オフセット印刷は、印刷する際に紙面に付与される湿し水が紙層内部に浸透し、パルプ繊維の濡れがよすぎると、紙表面でパルプ繊維に接着している顔料との接着力が急激に低下し、顔料が紙層やパルプ繊維から遊離してブランケットパイリングを誘発する。
顔料塗工層中にオレフィン系サイズ剤を含有することにより、顔料塗工層の湿し水の吸水が抑えられる、それにより顔料の遊離、バインダーの溶出が抑えられ、ネッパリの低減効果が出ると思われる。オレフィン系サイズ剤は湿し水による吸水の抑制に効果があるだけでなく、泡立ちが少なく、水への溶解性が高く、酸への安定性がよいため、塗工作業性にも優れる。また、印刷時に影響を与える動摩擦係数を下げるということがないため好ましい。
本発明で使用するオレフィン系サイズ剤はオレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体であり、具体的には疎水性不飽和モノマーであるオレフィン系不飽和モノマーとカルボキシ含有不飽和モノマー若しくはその塩を主構成要素とする共重合体である。オレフィン系不飽和モノマーとしては例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、イソオクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20程度の直鎖、環状又は分岐上のオレフィン不飽和モノマーが挙げられる。
上記オレフィン系不飽和モノマーからなる疎水性不飽和モノマーと共重合されるカルボキシ基含有不飽和モノマーとしては例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、シトラコン酸、フマル酸等が挙げられる。本発明で使用するオレフィン系サイズ剤において、疎水性不飽和モノマーとカルボキシ基含有不飽和モノマーとのモル比については特に限定はされないが、疎水性不飽和モノマー1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲でカルボキシ基含有不飽和モノマーを共重合することが好ましい。
カルボキシ基含有不飽和モノマーの割合を0.5モル以上とすることにより、ネッパリ現象を抑制できる。またカルボキシ基含有不飽和モノマーの割合を3モル以下とすることにより十分なサイズ効果が得られ、印刷作業性が向上する。疎水性不飽和モノマーとカルボキシ基含有不飽和モノマーのほかにジメチルアミノメタクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド等の第三モノマー成分を少量含んでいてもよい。
オレフィンサイズ剤は上記モノマー成分と重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤を混合し、常法にしたがって溶液重合又は乳化重合することによって得られる。
溶液重合の溶媒としてはエチルアルコールやプロピルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類、酢酸エチル等の有機溶媒が単独又は混合して使用される。有機溶媒は、重合反応終了後、常法に従って除去され、アンモニア水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等が添加される。また、水溶性溶剤であれば、水と混合して使用することもできる。
オレフィン系サイズ剤の質量平均分子量は1000〜10000であることが好ましく、5000〜7000であることが好ましい。分子量が1000未満の場合には十分なサイズ効果が得られず、印刷時の湿し水によりブランケットパイリング、印面カスレをおこしやくなる、また10000を越えるとネッパリ現象を起こしやすくなるだけでなく粘度が高くなり作業性が低下するため好ましくない。
なお、サイズ剤の質量平均分子量はテトラヒドロフラン(THF)を溶離液としてゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算して求めた値である。
本発明で使用するサイズ剤を、より具体的な共重合体として例示するならば、エチレン/アクリル酸共重合体、イソブチレン/アクリル酸共重合体、n-ブチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、プロピレン/マレイン酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体などが挙げられる。
本発明のサイズ剤は片面当たりの乾燥塗工量が0.005〜0.15g/m2の範囲で含有する。更に好ましくは0.015〜0.05g/m2であることが好ましい。0.005
g/m2未満ではサイズ効果が得られず、さらにブランケットパイリングを起こすおそれがある。また、0.15g/m2を越えると、乾燥時にバインダーの強度が極端に弱くなり、塗工された顔料やレイセルがブランケットの取られやすくなる。なお、各面に対するサイズ剤の塗工量は同じである必要はなく、原紙に表裏差がある場合などには各面の塗工量を適宜本発明の範囲において調整することができる。
本発明で使用する顔料に制限はなく、各種顔料が使用可能であり、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、サチンホワイト、カオリンクレー、硫酸バリウム、水酸化アルミ、有機顔料等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して用いても差し支えない。中でも不透明度効果高いホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が好ましい。印刷後不透明度向上の効果とブランケットパイリングの抑制効果のバランスから考えて塗工層中の顔料含有量は総接着剤100質量部に対して50〜300質量部であることが好ましく、80〜200質量部であることがより好ましく、100〜160質量部であることがさらに好ましい。顔料が総接着剤量100質量部に対して50質量部未満ではブランケットパイリング抑制効果は高いがインク吸収性と光散乱能力が低下し、印刷後不透明度向上効果が少ないため好ましくない。また300質量部を越えると顔料の接着に必要な接着剤量が不足し、ブランケットパイリングを起こすため好ましくない。
顔料塗工層に使用する接着剤として制限はなく、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル化PVA,スルホン化PVA、アセトアセチル化PVA、カチオン化(4級アンモニウム塩)変性PVA、シラノール変性PVAや、澱粉類として酸化澱粉、エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酵素変性澱粉、ジアルデヒド澱粉、冷水可溶性澱粉等の変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース化合物、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルランなどの天然水溶性高分子誘導体類、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体等のラテックス等が挙げられ中でも澱粉類は塗工時に凝集を起こすことが少なく、各種顔料との相性もよく、ネッパリにも効果があるため好ましい。また、これらの接着剤を2種以上混合して用いても差し支えない。
本発明では塗工層には抄紙過程で使用されている、各種染料、耐水化剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤等の薬品を適宜配合しても差し支えない。
新聞用紙原紙へ塗布するための塗工装置としては、特に限定されるものではないが、例えばインクラインまたはバーティカルツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーターロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお、表面処理剤組成物を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙に使用する原紙は、特に限定されるものではなく、オフセット印刷機で印刷可能である、通常の新聞用紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸びなどの物性を有するものであれば良い。
本発明で用いるオフセット印刷用新聞用紙の原紙としては、原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、脱墨古紙パルプ(DIP等)等を単独または任意の比率で混合して使用される。本発明では、DIPは50%以上配合することが可能である。DIPを多配合することはDIPに多く含まれる微細繊維や填料等がブランケットパイリング、やネッパリに影響を及ぼすことが考えられるため好ましくないが本発明のオレフィン系サイズ剤を使用することにより可能となる。また、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。また、必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留り向上剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の公知公用の抄紙用薬品が適宜添加され、公知公用の抄紙機にて抄紙される。原紙の抄造条件についても、特に限定はない。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ツインワイヤ型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
本発明において、原紙の抄紙方式としては、酸性抄紙、中性抄紙等のいずれの方式でも良いが、特に中性抄紙によって得られる、紙面および紙内部pH(原紙pH)が6.0以上の原紙がオフセット印刷用新聞用紙として好適である。紙内部pHは、新聞用紙両面をPET粘着テープなどで貼りあわせ、その粘着テープをゆっくりと引き剥がし、現れた紙内層のpHを測定することで得られる。中性抄紙においては、硫酸バンドの使用量が酸性抄紙と比べて少ないため、表面処理剤液中への酸性成分の戻りがほとんどなく、循環させる表面処理剤液のpH変動が小さくなり塗料安定性が高くなる。また、損紙処理において、抄紙pHが高い中性抄紙の場合には炭酸カルシウムの溶解が抑えられるため、発泡やスケール生成などのトラブルが発生しにくくなる。
なお、紙面pHおよび紙内部pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することが出来る。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面pHを測定する。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙の製造に際しては、塗工層の形成後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理が施されるが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、コーターと別であるオフタイプとコーターと一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗被紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも勿論可能である。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙のJIS P 8147による動摩擦係数は0.5〜0.8の範囲にあることが好ましく、さらに好ましい範囲は0.55〜0.75である。動摩擦係数が0.5未満では、新聞オフセット輪転印刷機においてテンションが掛かりにくくなり、紙流れ等のトラブルが発生する虞がある。一方、0.8を超えるとテンションは充分に掛かるが、しわなどのトラブルが発生する場合がある。なお、紙流れとは、新聞オフセット輪転印刷機において、印刷部から折り部にいたる間に走行紙が蛇行したり偏ったりするトラブルを言う。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ固形分質量部および固形分質量%を示す。
後述のようにして得た実施例および比較例となるオフセット印刷用新聞用紙について、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
(動摩擦係数)
JIS P 8147に準拠した。
(印刷後不透明度)
JAPAN TAPPI No.45に準拠した。なお、実施例1の実米坪を基準とし、異なる米坪のサンプルに対しては、0.6%/米坪1g/mとして米坪補正を行なった。
(ネッパリ)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、非画線部のみのアルミ版とブランケット(DAYインターナショナル製DAYブランケット8891)をセットしたオフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を用いて、インキをのせずに1〜4胴すべてで水刷りを行い、200部印刷を行った後、水供給を停止し、新聞用紙のブランケットへの貼りつき度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。
5:繊維の取られが全く発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生。
3:繊維の取られは発生するが、実用上問題のないレベル。
2:一部で紙層破壊発生。
1:全面で紙層破壊発生。
(ウェット表面強度)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成し、RI印刷試験機にて、湿らせたガーゼで水を付けたゴムロールで新聞用紙面に水を付けた後、直ちに印刷インキ(T&K TOKA社製)を0.5cc使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。
5:繊維の取られが全くみられず、白抜けが発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生し、白抜け部がわずかに(1〜5個所程度)みられる。
3:一部で繊維の取られが発生するが、実用上問題のないレベル。
2:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%未満。
1:全面で繊維の取られがみられ、白抜け部面積率が5%以上。
(ブランケットパイリング)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、前記オフセット印刷機を使用して、カラー4色刷りを行い、5000部印刷を行った後、ブランケット非画線部への紙粉の堆積度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。
5:紙粉の発生がほとんど認められない。
4:紙粉の発生がわずかに認められる。
3:紙粉の発生がやや認められるが、実用上問題のないレベル。
2:紙粉の発生が明確に認められる。
1:ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
(新聞用紙原紙の作成)
(A)新聞用紙原紙Aの作成
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ40部、脱墨古紙パルプ50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調製したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(商品名;P3Y、PIRAAB STARCH Co., Ltd.製)を0.5%、填料としてホワイトカーボンを2%、酸性ロジンサイズ剤(商品名;SPGK、荒川化学工業社製)を0.6%添加し、硫酸バンドで抄紙pHを4.5に調整後、得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、米坪40g/m2、酸性ロジンサイズ剤含有率が対パルプ当り0.4%である新聞用紙原紙Aを得た。なお、内添サイズ剤の含有率は、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いて測定した。
(B)新聞用紙原紙Bの作成
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ40部、脱墨古紙パルプ50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調製したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(商品名;P3Y、PIRAAB STARCH Co., Ltd.製)を0.5%、中性ロジンサイズ剤(N815、荒川化学工業社製)を0.8%、填料としてホワイトカーボンを2%添加し、硫酸バンドで抄紙pHを6.5に調整後、得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、米坪40g/m2、中性ロジンサイズ剤含有率が対パルプ当り0.4%である新聞用紙原紙Bを得た。
実施例1
立方体状軽質炭酸カルシウム(商品名;ブリリアントS15、白石工業製)100部、酸化トウモロコシ澱粉(商品名;王子エースA、王子コーンスターチ製)80部、オレフィン系サイズ剤(商品名;OT25、荒川化学工業製、質量平均分子量6000)10部からなる固形分濃度20%の顔料分散液を調製し、これを上記の新聞用紙原紙Aの両面に、ゲートロールコーターを使用して、乾燥後の塗布量が両面合計1.8g/m2となるように両面に塗布、乾燥後、樹脂ロール/金属ロールよりなるソフトカレンダー仕上げを行い、坪量41.9g/m2のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例2
新聞用紙原紙AをBに変えた以外は実施例1と同様にして坪量41.9g/m2のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例3
立方体状軽質炭酸カルシウム100部を針状軽質炭酸カルシウム(商品名;TP−123CS、奥多摩工業製)100部とし、オレフィン系サイズ剤の部数を15部とした以外は、実施例1と同様にして坪量42.0g/m2のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例4
立方体状軽質炭酸カルシウム100部を立方体状軽質炭酸カルシウム60部(商品名;ブリリアントS15、白石工業製)、微粒カオリン40部(商品名;ミラグロスJ、エンゲルハード株製)、オレフィン系サイズ剤の部数を20部とした以外は、実施例1と同様にして坪量42.0g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例5
立方体状軽質炭酸カルシウム100部を、水和珪酸(自製:レーザー回折式粒度分布測定装置で平均粒径2.0μm)50部、オレフィン系サイズ剤の部数を20部とし、固形分濃度18%の顔料分散液とした以外は実施例1と同様にして坪量41.5g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例6
立方体状軽質炭酸カルシウム100部をサチンホワイト商品名;サチンホワイトBL、白石工業製)50部に変えた以外は実施例5と同様にして坪量41.5g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
実施例7
実施例1の立方体状軽質炭酸カルシウム100部を平均粒径1μ、空隙率50%の中空有機顔料(商品名;HP91,ローム&ハース社製)、オレフィン系サイズ剤の部数を3部とした以外は実施例5と同様にして坪量41.3g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例1
実施例1でオレフィン系サイズ剤を使用ないこと以外は実施例1と同様にして坪量 41.8g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例2
実施例1のオレフィン系サイズ剤10部をアルキルケテンダイマーサイズ剤(SS389、星光PMC社製)2部に変えた以外は実施例1と同様にして坪量41.8g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
比較例3
実施例1のオレフィン系サイズ剤10部をスチレンアクリレートエマルジョン系サイズ剤(商品名;SE2066,星光PMC社製、質量平均分子量100000)10部とした以外は実施例1と同様にして坪量41.9g/m2オフセット印刷用新聞用紙を得た。
Figure 2006169693

Claims (3)

  1. 坪量が45g/m2以下であり、片面当たりの乾燥塗工量が0.3〜3g/m2の顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有することを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
  2. 前記オレフィン系サイズ剤がオレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体で、質量平均分子量が1000〜10000であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  3. 前記オレフィン系サイズ剤の乾燥塗工量が片面当たり0.005〜0.15g/m2であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のオフセット印刷用新聞用紙。

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