JP2010013775A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷時のパイリングの発生を抑えたオフセット印刷用新聞用紙を提供する。
【解決手段】原紙の両面に表面処理剤が塗工された新聞用紙であって、新聞用紙を蒸留水に浸漬して超音波処理した後の絶乾質量Aと、超音波処理する前の新聞用紙の絶乾質量Bとに基づいて、式(X[g/m]=(B[g]−A[g])/(試験片の面積[m]×2)で得られる質量変化Xが0.2g/m以下である。印刷時において、紙から脱落する填料や表面処理剤が少なくでき、また、紙表面の粘着性が増加することも防ぐことができるから、パイリングの発生を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフセット印刷用新聞用紙に関する。さらに詳しくは、印刷時のパイリングの発生を抑えたオフセット印刷用新聞用紙に関する。
近年、新聞にはカラー印刷が多用されており、カラー印刷の見栄えは原紙の白色度が高いほど良くなることから、一般のオフセット印刷用新聞用紙でも白色度のアップが要求されている。
新聞用紙の白色度を向上させる方法として、新聞用紙の表面に顔料を塗工する方法が提案されている。かかる方法を採用した新聞用紙は、その白色度の向上に加えて、インキ着肉性、印刷後不透明度を向上することができるという利点がある。
しかし、新聞用紙の表面に顔料を塗工した場合には顔料が紙の表面近くに多く存在することになる。すると、顔料を塗工しない場合よりもパイリングが生じやすくなるので、パイリング対策が重要となる。
かかる顔料を塗工した新聞用紙のパイリングを抑える方法として、特許文献1、2の技術が開示されている。
特許文献1には、0.3〜3g/mの顔料塗工層にオレフィン系サイズ剤を含有させることにより表面サイズ性を高める方法が記載されている。
また、特許文献2には、原紙の含む炭酸カルシウムが2%以上5%未満であり、塗工量が3g/m以下のサイズ剤を含む顔料塗工層を設けることが記載されている。
上記技術によって、顔料を塗工した用紙におけるパイリングをある程度は防ぐことができるものの、パイリング防止対策として十分ではなく、顔料を塗工した用紙におけるパイリングをより効果的かつ適切に防ぐことができる技術の開発が求められている。
特開2006−169693号公報 特開2007−162173号公報
本発明は上記事情に鑑み、印刷時のパイリングの発生を抑えたオフセット印刷用新聞用紙を提供することを目的とする。
第1発明のオフセット印刷用新聞用紙は、原紙の両面に表面処理剤が塗工された新聞用紙であって、該新聞用紙を蒸留水に浸漬して超音波処理した後の絶乾質量Aと、該超音波処理する前の新聞用紙の絶乾質量Bとに基づいて、下記(a)式で得られる質量変化Xが0.2g/m以下であることを特徴とする。
(a)X[g/m]=(B[g]−A[g])/(試験片の面積[m]×2)
第2発明のオフセット印刷用新聞用紙は、第1発明において、前記表面処理剤には、顔料と接着剤と表面サイズ剤とが含有されており、前記顔料の塗工量が片面あたり0.01〜0.50g/mであり、前記接着剤の塗工量が片面あたり0.2g/m以上であり、前記顔料の塗工量100質量部に対する前記接着剤の塗工量が100質量部以上であり、前記接着剤と前記表面サイズ剤の塗工量の質量比率が99:1〜70:30の範囲であることを特徴とする。
第3発明のオフセット印刷用新聞用紙は、第2発明において、前記接着剤の主成分が澱粉とポリアクリルアミドであり、澱粉とポリアクリルアミドの塗工量の質量比率が95:5〜20:80の範囲であることを特徴とする。
第4発明のオフセット印刷用新聞用紙は、第2発明または第3発明において、前記表面サイズ剤がオレフィン系表面サイズ剤であることを特徴とする。
第1発明によれば、印刷時において、紙から脱落する填料や表面処理剤を少なくでき、また、紙表面の粘着性が増加することも防ぐことができるから、パイリングの発生を抑えることができる。
第2発明によれば、原紙から填料や紙粉、顔料が脱落することを抑える効果を維持しつつ、紙表面の粘着性が増加することを防ぐことができ、接着剤の溶出も抑えることができる。
第3発明によれば、接着剤による接着性と表面被覆性が十分発揮され、原紙から填料や紙粉が脱落することに起因するパイリングの発生を防止することができる。
第4発明によれば、他の表面サイズ剤より表面粘着性を上げる傾向が少ないので、パイリングの発生を防止することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかるオフセット印刷用新聞用紙は、印刷時におけるパイリングの発生を抑えることができるように、原紙の表面に塗工する表面処理剤が調整されたものである。
まず、本発明のオフセット印刷用新聞用紙の原紙について説明する。
本発明にかかるオフセット印刷用新聞用紙の原紙は、オフセット輪転印刷機による印刷が可能なものであればよく、とくに限定されない。つまり、通常のオフセット印刷用新聞用紙程度の引張り強さ、引裂き強さ、伸びなどの物性を有するものであればよい。
原紙の原料もとくに限定されず、例えば、原料パルプの主成分として古紙脱墨パルプ(DIP)を使用することができる。DIPは、通常、新聞古紙や雑誌古紙を離解工程で離解した後、除塵工程で除塵し、脱墨工程で脱墨剤を添加し、フローテーターによってインクを浮遊分離して除去し、精選工程で異物を除いた後、漂白工程で漂白を行ったものが使用される。
原料パルプには、DIPと併せて機械パルプや化学パルプを使用することができる。機械パルプとしては、例えば、ストーングラウンドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等が挙げられ、化学パルプとしては、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)等が挙げられ、これらのパルプから適宜選択して使用することができる。製造されたオフセット印刷用新聞用紙の不透明度を向上させる点では、機械パルプを使用するのが好ましく、製造されたオフセット印刷用新聞用紙の強度を向上させる点では、化学パルプを使用するのが好ましい。
また、本発明のオフセット印刷用新聞用紙の原紙には、必要に応じて、一般に公知公用の填料、抄紙用薬品を添加することができる。
填料としては、ホワイトカーボン、クレー、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合成樹脂填料(塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂など)などを添加できる。特に中性抄紙においては、炭酸カルシウムが白色度と不透明度の向上効果と費用の面で有効である。
また、抄紙用薬品としては、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂などの紙力増強剤、アクリルアミド/アミノメチルアクリルアミドの共重合物の塩、カチオン化澱粉、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合物などの歩留まり向上剤、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物などのサイズ剤、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、染料、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤などの助剤などを使用することができる。
つぎに、本発明のオフセット印刷用新聞用紙の表面処理剤について説明する。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙(以下、単に新聞用紙という)は、オフセット印刷が行われたときに、印刷前後における新聞用紙の質量変化が一定値以下となるように、表面処理剤の塗工量や成分を調整している。
具体的には、新聞用紙を20℃の蒸留水に浸漬して超音波処理した後の絶乾質量Aと、超音波処理する前の新聞用紙の絶乾質量Bに基づいて、下記(a)式で得られる質量変化Xが0.2g/m以下となるように、表面処理剤の塗工量や成分を調整している。
(a)X[g/m]=(B[g]−A[g])/(試験片の面積[m]×2)
上記(a)式で得られる質量変化Xの値は、水中に溶出して原紙から離脱する接着剤等の溶出量を示している。この質量変化Xが0.2g/mより大きい場合には、オフセット印刷時において、表面処理剤に含まれる接着剤の湿し水への溶出量が多くなり、また、紙粉や表面処理剤の他の成分の湿し水への溶出量も多くなるから、これらに起因するパイリングが発生する。
よって、新聞用紙は、質量変化Xが0.2g/m以下となるように、表面処理剤の塗工量や成分を調整すれば、オフセット印刷時におけるパイリングの発生を抑えることができる。
質量変化Xを求めるために、新聞用紙を20℃の蒸留水に浸漬し、超音波処理しているのは、以下の理由による。
まず、新聞用紙を20℃の蒸留水に浸漬すると、オフセット印刷において原紙に湿し水が付着した状態を再現することができる。
また、蒸留水に浸漬した状態の新聞用紙に超音波処理すると、オフセット輪転機における印刷中に、湿し水が付着した原紙にオフセット輪転機から加わる刺激を再現することができる。言い換えれば、印刷中において、原紙に対して加わる摩擦力や圧力などのエネルギが作用した状態を再現することができる。
つまり、新聞用紙を20℃の蒸留水に浸漬し超音波処理するのは、実機印刷機に近い状態における接着剤等の溶出量を求めるためであり、かかる方法を採用すれば、新聞用紙を単に蒸留水に浸漬して得られる接着剤等の溶出量を求める場合に比べて、質量変化Xの値は実機印刷機で生じる湿し水への接着剤等の溶出量に近いものとなる。
よって、上記方法で得られた質量変化Xの値に基づいて新聞用紙を評価すれば、その新聞用紙のパイリングに対する耐性を適切に評価することができる。
なお、蒸留水に浸漬する新聞用紙の大きさはとくに限定されないが、新聞巻取紙から所定の長さだけ採取した新聞用紙を使用すれば、上記質量変化Xをその巻取紙の代表値とすることができるので、好適である。
また、新聞用紙を浸漬する水は、20℃の蒸留水とすれば、新聞用紙のパイリングに対する耐性を評価するのに十分であるが、代用に水道水を用いてもよい。また、エッチ液を添加してもよい。
さらに、蒸留水に浸漬されている新聞用紙に対して超音波処理を行う時間は、処理時間に対して質量変化Xが一定となる時間以上とする。処理時間に対して質量変化Xが一定となるのは、新聞用紙からの接着剤等の溶出と、紙粉、填料や顔料の流出がこれ以上増えない状態となっていることを示している。このため、かかる処理時間とすれば、新聞用紙が最もパイリングを起こし易い状態で新聞用紙を評価できるので、新聞用紙のパイリングに対する耐性をより適切に評価することができる。
蒸留水に浸漬されている新聞用紙を超音波処理する方法はとくに限定されないが、微細な泡の発生と破裂に伴いエネルギを発生する超音波洗浄機を使用することができる。かかる超音波洗浄機は、例えば、コインや時計、宝石、貴金属、実験器具などの洗浄に利用されている公知のものを使用することができる。
そして、蒸留水に浸漬されている新聞用紙には、超音波処理に代えて、攪拌、ブラッシング等の方法やこれらの方法を組み合わせて、その表面にエネルギを加えることもできる。つまり、オフセット輪転機による印刷時において湿し水が付着した原紙に加わる摩擦力・圧力などのエネルギや刺激が作用した状態を再現でき、かかるエネルギや刺激を新聞用紙表面に加えることができる方法であれば、超音波処理に代えて採用することができる。
(表面処理剤の説明)
ここで、本発明の新聞用紙において、原紙に塗工される表面処理剤には、接着剤、顔料、表面サイズ剤、分散剤、pH調整剤、防腐剤、蛍光染料など、一般的に新聞用紙の表面処理剤に使用されている薬品が含有されているが、塗工される表面処理剤を適切に調整すれば、上記のごとき質量変化Xの条件を満たす本発明の新聞用紙を製造することができる。
例えば、表面処理剤に、顔料、接着剤、表面サイズ剤が含有されている場合には、顔料の塗工量が片面あたり0.01〜0.50g/m、接着剤の塗工量が片面あたり0.2g/m以上、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量が100質量部以上、接着剤と表面サイズ剤の塗工量の質量比率が99:1〜70:30の範囲となるように新聞用紙を製造すれば、この新聞用紙は、上記のごとき質量変化Xの条件を満たすものとなる。
(接着剤の塗工量)
まず、塗工される表面処理剤に含まれる接着剤の塗工量は、接着剤の塗工量が片面あたり0.2g/m以上であることが好ましい。
接着剤の塗工量が片面0.2g/mより少ないと、原紙中の填料と紙粉の流出を抑える効果が不足して、原紙から流出する填料と紙粉の量が多くなり、質量変化が大きくなる。すると、原紙から流出する填料と紙粉に起因するパイリングが生じやすくなる。
よって、接着剤の塗工量を片面0.2g/m以上とすれば、原紙から填料や紙粉が脱落することを抑える効果を維持できるので、好適である。
本発明の新聞用紙で使用する接着剤は澱粉を含むものであればとくに限定されないが、主成分が澱粉とポリアクリルアミドであり、澱粉とポリアクリルアミドの塗工量の質量比率が95:5〜20:80の範囲であることが好ましい。
この比率(質量比率95)を超えて澱粉が多いと、接着力が不足することに起因してオフセット輪転機による印刷時において湿し水に溶出等して原紙から離脱する物質(紙粉等)の量が多くなり、パイリングを起こすおそれがある。逆に、この比率(質量比率80)を超えてポリアクリルアミドが多いと、表面被覆性が不足することに起因して原紙から離脱する物質(紙粉等)の量が多くなり、パイリングを起こすおそれがある。
つまり、澱粉とポリアクリルアミドの塗工量の質量比率が95:5〜20:80の範囲から外れると、オフセット輪転機による印刷時において湿し水に溶出等して原紙から離脱する物質(紙粉等)の量が多くなり、パイリングを起こすおそれがあるので、澱粉とポリアクリルアミドの塗工量の質量比率は上記範囲であることが好ましい。
接着剤に使用する澱粉としては、一般的に用いられる生澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、燐酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、疎水基を共重合した澱粉、あるいは酵素変性澱粉などが使用できる。
また、接着剤に使用するポリアクリルアミドとしては、ノニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド(例えば、第3級アミン基及び/又は第4級アンモニウム塩基を有する水溶性ポリアクリルアミド)、あるいは両性ポリアクリルアミドなどが使用できる。
なお、接着剤には、澱粉、ポリアクリルアミドの他に、ポリビニルアルコール、ラテックスなども併用することができる。
(顔料の塗工量)
顔料は、白色度と不透明度を上昇させるために、表面処理剤に添加されるが、顔料の塗工量は、片面0.01〜0.50g/mとすることが好ましく、0.01〜0.20g/mとすることがさらに好ましい。
一般的には、表面処理剤に顔料を含有させて塗工すると、いくらかは顔料が原紙から脱落するので、顔料を含有させないクリア塗工に比べてパイリングが起こりやすくなると考えられる。そして、顔料の塗工量が多くなるほど、顔料の脱落量は多くなるので、よりパイリングの問題が発生しやすくなる。
一方、顔料を極少量塗工すれば、顔料粒子が紙表面に表出して、原紙とブランケットとの密着性を弱め表面粘着性を抑えることができ、パイリングを抑えることができる。しかし、顔料の塗工量が片面0.01g/mより少ないと、前述した表面粘着性を抑える効果が低くなる。
したがって、表面処理剤とともに新聞用紙の表面に塗工される顔料の塗工量を、片面0.01〜0.50g/m、より好ましくは0.01〜0.20g/mとすれば、印刷時における表面の粘着性が増加することを抑えることができ、しかも、原紙から顔料が脱落することに起因するパイリングの発生も防ぐことができる。
ここで、顔料は接着剤によって原紙に固定されるため、顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないと、顔料の接着が不十分となり、顔料の脱落が多くなる。
したがって、顔料の塗工量100重量部に対する接着剤の塗工量は、100重量部以上とすることが好ましい。
本発明の新聞用紙において、表面処理剤に含有させる顔料としては、二酸化チタン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンなどがあるが、二酸化チタン、ホワイトカーボンは高価であり、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンを単独あるいは併用して用いるのが好ましい。
(表面サイズ剤の塗工量)
本発明の新聞用紙では、オフセット印刷時おける原紙に対する湿し水の影響を抑えるために、表面処理剤に表面サイズ剤が含有されている。表面処理剤に表面サイズ剤が含まれていれば、湿し水に溶出する接着剤の量や湿し水の影響により原紙から離脱する物質の量を少なくすることができるので、パイリングの発生を抑えることができる。
なお、表面処理剤に含有させる表面サイズ剤の量は特に限定されないが、表面サイズ剤の比率が多すぎると、接着剤の効果を阻害し、パイリングを起こすおそれがある。
よって、表面サイズ剤の塗工量は、接着剤との質量比率で、接着剤:表面サイズ剤=99:1〜70:30の範囲であることが好ましい。
使用する表面サイズ剤としては、一般的にはアルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物、スチレンアクリル系、スチレンアクリレート系などが知られているが、オレフィン系表面サイズ剤を使用するのが好ましい。オレフィン系表面サイズ剤は、他の表面サイズ剤より表面粘着性を上げる傾向が少なく、パイリングの発生を防止することができる。
使用するオレフィン系表面サイズ剤は、オレフィン系不飽和モノマーを構成モノマーとして含む共重合体である。具体的には疎水性の不飽和モノマーであるオレフィン系不飽和モノマーとカルボキシ基含有の不飽和モノマーを構成要素とする共重合体である。
また、本発明の新聞用紙の原紙表面に表面処理剤を塗工するための塗工装置はとくに限定されないが、ゲートロールコーターを使用することが好ましい。ゲートロールコーターは、低濃度、低粘度の表面処理剤を均一に塗工するのに適しており、ストリークなどのトラブルが少なく連続操業性が良好である。
また、ゲートロールコーターを用いて原紙表面に表面処理剤を塗工する際、表面処理剤の濃度は5〜20%とするのが好ましい。表面処理剤の濃度が5%より低いと塗工量が不足し、20%より高いと表面処理剤の粘度が高くなり、均一な塗工が難しくなるからである。
なお、ゲートロールコーターによって塗工される表面処理剤の塗工量は、表面処理剤の温度、濃度、粘度、アプリケーターロールとメタリングロールの周速比などによって調整することができる。
さらに、本発明の新聞用紙は、その製造において、表面処理剤の塗工、乾燥後に、カレンダー装置により平滑化処理する。かかる平滑化処理を行うカレンダー装置としては、チルドカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。
以下、本発明のオフセット印刷用新聞用紙の耐パイリング性を確認した。
なお、実施例中における質量部(または部)および%は特に断らない限り、固形分または有効成分で表す。塗工量は片面あたりの塗工量であり、表裏の塗工量は同じ量にしている。
(実施例1)
実施例1のオフセット印刷用新聞用紙は、新聞古紙脱墨パルプ80質量部とサーモメカニカルパルプ20質量部をパルプ原料として使用し、中性ロジン系サイズ剤をパルプ原料に対し0.2%添加し、硫酸バンドでpHを6.0に調整し、填料としてホワイトカーボンを1.0%添加してギャップフォーマー型抄紙機で抄紙し、ゲートロールコーターで下記の顔料を含む表面処理剤を原紙両面に塗工して、ソフトカレンダー処理することによって製造した。
なお、製造された実施例1のオフセット印刷用新聞用紙の坪量は、43.0g/mである。
(表面処理剤)
実施例1のオフセット印刷用新聞用紙では、以下の顔料、接着剤、表面サイズ剤からなる表面処理剤を原紙両面に塗工している。
顔料には、カオリン(株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製 商品名:カピムDG)を使用した。
接着剤には、酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製 商品名:エースA)とポリアクリルアミド系樹脂(荒川化学工業株式会社製 商品名:ポリマセットHP−710)を固形分質量比率90:10の比率で混合したものを使用した。
また、表面サイズ剤には、オレフィン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 商品名:ポリマロンOM−25)を使用した。
それぞれの薬品の塗工量は、顔料の塗工量0.02g/m、接着剤(酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の合計)の塗工量0.24g/m、表面サイズ剤の塗工量0.01g/mである。
(実施例2)
実施例2のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率80:20、
顔料の塗工量0.03g/m
接着剤の塗工量0.21g/m
表面サイズ剤の塗工量0.04g/m
(実施例3)
実施例3のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率20:80、
顔料の塗工量0.40g/m
接着剤の塗工量0.40g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例4)
実施例4のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.01g/m
接着剤の塗工量0.38g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例5)
実施例5のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.20g/m
接着剤の塗工量0.85g/m
表面サイズ剤の塗工量0.15g/m
(実施例6)
実施例6のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率70:30、
顔料の塗工量0.10g/m
接着剤の塗工量0.45g/m
表面サイズ剤の塗工量0.05g/m
(実施例7)
実施例7のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率95:5、
顔料の塗工量0.20g/m
接着剤の塗工量0.50g/m
表面サイズ剤の塗工量0.20g/m
(実施例8)
実施例8のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.25g/m
接着剤の塗工量0.25g/m
(実施例9)
実施例9のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率20:80、
顔料の塗工量0.40g/m
接着剤の塗工量0.45g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例10)
実施例10のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.45g/m
接着剤の塗工量0.60g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例11)
実施例11のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.45g/m
接着剤の塗工量0.50g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例12)
実施例12のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.45g/m
接着剤の塗工量0.90g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(実施例13)
実施例13のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.20g/m
接着剤の塗工量0.22g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(比較例1)
比較例1のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率100:0、
顔料の塗工量0.40g/m
接着剤の塗工量0.38g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(比較例2)
比較例2のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率10:90、
接着剤の塗工量0.12g/m
(比較例3)
比較例3のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.55g/m
接着剤の塗工量0.96g/m
表面サイズ剤の塗工量0.04g/m
(比較例4)
比較例4のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率80:20、
顔料の塗工量0.03g/m
接着剤の塗工量0.15g/m
表面サイズ剤の塗工量0.08g/m
(比較例5)
比較例5のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率50:50、
顔料の塗工量0.01g/m
接着剤の塗工量0.18g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(比較例6)
比較例6のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率80:20、
顔料の塗工量0.40g/m
接着剤の塗工量0.40g/m
表面サイズ剤の塗工なし
(比較例7)
比較例7のオフセット印刷用新聞用紙は、表面サイズ剤として、スチレン系表面サイズ剤(荒川化学工業株式会社製 商品名:ポリマロンNS−25)を使用したことと、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率10:90、
顔料の塗工量0.02g/m
接着剤の塗工量0.12g/m
(比較例8)
比較例8のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.25g/m
接着剤の塗工量0.22g/m
(比較例9)
比較例9のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
酸化澱粉とポリアクリルアミド系樹脂の固形分質量比率20:80、
顔料の塗工量0.40g/m
接着剤の塗工量0.35g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(比較例10)
比較例10のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.45g/m
接着剤の塗工量0.40g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
(比較例11)
比較例11のオフセット印刷用新聞用紙は、表面処理剤を以下のように変更した以外は実施例1のオフセット印刷用新聞用紙と同じ方法で製造した。
顔料の塗工量0.20g/m
接着剤の塗工量0.18g/m
表面サイズ剤の塗工量0.02g/m
実施例1〜13、比較例1〜11では、以下の方法で超音波処理前後の質量変化を求めている。
(超音波処理前後の質量変化の測定)
超音波処理前後の質量変化には、各オフセット印刷用新聞用紙を、縦(MD方向)250mm、横(CD方向)1,626mmの長方形に断裁した試験片を使用した。試験片は2枚準備し、1枚は超音波処理前の絶乾質量Bを求め、他の1枚は超音波処理後の絶乾質量Aを求めた。
超音波処理後の絶乾質量A(g)は、試験片をガラス容器に入れて20℃の蒸留水1000cmを注いで超音波洗浄機に入れて10分間処理した後、試験片を水から取り出して乾燥した後測定した。
これら超音波処理後の絶乾質量Aと超音波処理前の絶乾質量B(g)との差から、次式により単位面積当り(水と接触した単位面積当たり)の質量変化X(g/m)を求めた。
X=(B−A)/(1.626m×0.250m×2)
なお、超音波洗浄機は、新明台工業株式会社製UA150(150W、26kHz)を使用した。
なお、実施例1〜13および比較例1〜11の試験片の超音波処理時間は10分間に設定しているが、これは10分間を越えても質量変化が増加しなかったためである。これは、実施例1〜13および比較例1〜11の試験片では、10分間の超音波処理によって、試験片から溶出する接着剤や、試験片から流出する紙粉や填料、顔料が無くなったことを示している。
(パイリング評価)
実施例1〜13、比較例1〜11の各オフセット印刷用新聞用紙を、オフセット輪転機にかけ、5万部印刷後のブランケットと印刷面を観察し、次の4段階でパイリングを評価した。
◎ブランケットにパイリングの発生がなく良好であった。
○ブランケットにややパイリングの発生があるが、印刷面に問題のないレベルであった。
△ブランケットにパイリングが発生し、印刷面にカスレがみられた。
×ブランケットにパイリングが発生し、印刷面のカスレがひどかった。
実施例1〜13、比較例1〜11の性質と、パイリング評価の結果を図1〜図3に示す。
なお、図3において、線Aは、顔料塗工量と接着剤塗工量の質量比率を示すラインである。
まず、超音波処理に使用した蒸留水を濾過し、その残渣を観察すると、填料と紙粉が含まれていた。この残渣はパイリングの発生したブランケットに堆積したものと同一であった。つまり、上記処理方法であれば、実機印刷機に近い状態における接着剤等の溶出量を求めることができることが確認できる。
図1に示すように、実施例1〜13は、超音波処理時の質量変化が0.2g/m以下となっており、パイリング評価の結果では、パイリングが発生していない。
一方、図2に示すように、比較例1〜11は、超音波処理時の質量変化が0.2g/mより大きくなっており、パイリング評価の結果でも、パイリングを生じている。
つまり、パイリング発生の有無の臨界点が、超音波処理時の質量変化の値で0.2g/mであることが確認できる。
また、図1および図3に示すように、質量変化が0.2g/m以下である実施例1〜13は、顔料の片面あたりの塗工量が0.01〜0.50g/m、接着剤の片面あたりの塗工量が0.2g/m以上、かつ、顔料の塗工量100重量部に対する接着剤の塗工量が100重量部以上の範囲に入っている(図3では図中ハッチングを施している部分)。
一方、図2および図3に示すように、比較例1〜11は、比較例6を除き、図3のハッチングの範囲外に位置している。比較例6は、図3のハッチングの範囲内に位置しているものの、表面処理剤には表面サイズ剤が含まれていない。
つまり、表面処理剤が、顔料の片面あたりの塗工量が0.01〜0.5g/m、接着剤の片面あたりの塗工量が0.2g/m以上、顔料の塗工量100重量部に対する接着剤の塗工量が100重量部以上であって、表面サイズ剤を含んでいれば(接着剤と表面サイズ剤の塗工量の質量比率が99:1〜70:30の範囲)、新聞用紙は、質量変化の値0.2g/m以下の条件を満たすことが確認できる。
また、比較例1〜11について、超音波処理時の質量変化が0.2g/mより大きくなった理由およびパイリングが発生した理由を検討する。
まず、比較例1では、顔料の塗工量が0.40g/m、接着剤の塗工量が0.38g/mであり、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量は95質量部である。超音波処理時の質量変化は0.23g/mと大きくなり、パイリング評価が悪くなっている。顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないため、接着剤による顔料の接着性が不足して、顔料の脱落が多くなったと考えられる。加えて、接着剤としてポリアクリルアミドを使用せず、澱粉のみとしていることも、接着性が不足した原因と考えられる。
比較例2は、接着剤の澱粉とポリアクリルアミドの比率を10:90、接着剤の塗工量を0.12g/mと少なくした例である。超音波処理時の質量変化が0.21g/mとなって、パイリング評価が△となっている。ポリアクリルアミドの比率を増やしているが、ポリアクリルアミドの表面被覆性が澱粉よりやや低いことに加え、接着剤の塗工量が少なく、表面を十分被覆できていないと考えられる。
比較例3は、顔料塗工量を0.55g/mとしているが、超音波処理時の質量変化が0.25g/mとなって、パイリング評価が悪くなっている。顔料の塗工量が多いので、顔料の脱落を十分に防ぐことができなかったと考えられる。
比較例4は、接着剤の塗工量が0.15g/mと少ない例であり、超音波処理時の質量変化が0.29g/mとなって、パイリング評価が悪くなっている。接着剤の塗工量が少ないので、原紙から紙粉、填料が脱落したと考えられる。加えて、接着剤と表面サイズ剤の塗工量の質量比率が65:35であり、表面サイズ剤が多いので接着剤の接着性を阻害したと考えられる。
比較例5は、接着剤の塗工量が0.18g/mと少ない例であり、超音波処理時の質量変化が0.25g/mとなって、パイリング評価が悪くなっている。接着剤の塗工量が少ないので、原紙から紙粉、填料が脱落したと考えられる。
比較例6は、表面サイズを使用しなかった例であり、表面処理剤の他の条件は満たしているが、超音波処理時の質量変化が0.32g/mとなって、パイリング評価が悪くなっている。
比較例7は、表面サイズ剤としてスチレン系表面サイズ剤を使用したもので、その他の条件は比較例2と同じである。比較例2と比較すると超音波処理時の質量変化が0.23g/mとやや大きくなり、パイリング評価が悪くなっている。
比較例8は、顔料の塗工量が0.25g/m、接着剤の塗工量が0.22g/mであり、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量は88質量部である。顔料の超音波処理時の質量変化は0.24g/mと大きくなり、パイリング評価が悪くなっている。顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないため、接着剤による顔料の接着性が不足して、顔料の脱落が多くなったと考えられる。
比較例9は、顔料の塗工量が0.40g/m、接着剤の塗工量が0.35g/mであり、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量は88質量部である。超音波処理時の質量変化が0.21g/mとなり、パイリング評価が△となっている。顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないため、接着剤による顔料の接着性が不足して、顔料の脱落が多くなったと考えられる。
比較例10は、顔料の塗工量が0.45g/m、接着剤の塗工量が0.40g/mであり、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量は89質量部である。超音波処理時の質量変化は0.23g/mと大きくなり、パイリング評価が悪くなっている。顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないため、接着剤による顔料の接着性が不足して、顔料の脱落が多くなったと考えられる。
比較例11は、顔料の塗工量が0.20g/m、接着剤の塗工量が0.18g/mであり、顔料の塗工量100質量部に対する接着剤の塗工量は90質量部である。超音波処理時の質量変化は0.21g/mと大きくなり、パイリング評価が悪くなっている。顔料の塗工量に対する接着剤の塗工量が少ないため、接着剤による顔料の接着性が不足して、顔料の脱落が多くなったと考えられる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、カラー印刷される新聞用紙に適している。
実施例1〜13のオフセット印刷用新聞用紙の性質およびパイリング評価の結果を示した表である。 比較例1〜11のオフセット印刷用新聞用紙の性質およびパイリング評価の結果を示した表である。 実施例1〜13および比較例1〜11を、顔料塗工量−接着剤塗工量のグラフ上にプロットした図である。

Claims (4)

  1. 原紙の両面に表面処理剤が塗工された新聞用紙であって、
    該新聞用紙を蒸留水に浸漬して超音波処理した後の絶乾質量Aと、該超音波処理する前の新聞用紙の絶乾質量Bとに基づいて、下記(a)式で得られる質量変化Xが0.2g/m以下である
    ことを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
    (a)X[g/m]=(B[g]−A[g])/(試験片の面積[m]×2)
  2. 前記表面処理剤には、顔料と接着剤と表面サイズ剤とが含有されており、
    前記顔料の塗工量が片面あたり0.01〜0.50g/mであり、
    前記接着剤の塗工量が片面あたり0.2g/m以上であり、
    前記顔料の塗工量100質量部に対する前記接着剤の塗工量が100質量部以上であり、
    前記接着剤と前記表面サイズ剤の塗工量の質量比率が99:1〜70:30の範囲である
    ことを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  3. 前記接着剤の主成分が澱粉とポリアクリルアミドであり、澱粉とポリアクリルアミドの塗工量の質量比率が95:5〜20:80の範囲である
    ことを特徴とする請求項2記載のオフセット印刷用新聞用紙。
  4. 前記表面サイズ剤がオレフィン系表面サイズ剤である
    ことを特徴とする請求項2または3記載のオフセット印刷用新聞用紙。
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