JP2000034694A - オフセット印刷用新聞用紙およびその製造方法 - Google Patents
オフセット印刷用新聞用紙およびその製造方法Info
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Abstract
業性に優れ、かつ優れたカラー印刷品質を有する低米坪
オフセット印刷用新聞用紙およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】原紙両面に中空有機顔料と接着剤を主成分
とする表面処理剤を塗布、乾燥してなる米坪45g/m
2 以下のオフセット印刷用新聞用紙であって、該中空有
機顔料の塗布量が乾燥重量で片面あたり0.1〜2g/
m2 、かつ表面処理剤塗布後の紙表面の走査型電子顕微
鏡による倍率5000倍の表面写真で10μm×10μ
mの領域内に球状の中空有機顔料が5個以上確認される
オフセット印刷用新聞用紙。さらに、原紙両面に中空有
機顔料と接着剤を主成分とする表面処理剤を塗布、乾燥
した後、ソフトキャレンダーにより平滑化処理して仕上
げる前記のオフセット印刷用新聞用紙の製造方法。
Description
聞用紙に関し、特に印刷作業性に優れ、かつ優れたカラ
ー印刷品質を有する低米坪オフセット印刷用新聞用紙お
よびその製造方法に関する。
化、高速化が急速に進んでおり、それに伴って、印刷媒
体となる新聞用紙に対してもより優れたカラー印刷適性
や印刷作業性が求められている。新聞用紙は、一般にメ
カニカルパルプや古紙(再生)パルプを主体とする紙が
使用されている。このような新聞用紙に対し、環境保護
の観点から古紙パルプの一層の高率配合が要請され、さ
らに、新聞用紙の増頁に対応する一環として用紙の軽量
(低米坪)化等が求められている。
ックの強い印刷インキを使用するために用紙表面の強度
の強いことが要求される。さらに、湿し水を使用するた
めに紙面の耐水性が要求される。表面強度の弱い用紙、
あるいは耐水性の弱いまたは無い用紙を使用すると、紙
粉がブランケットに堆積したり、インキに混入すること
により、印刷面に所謂カスレが生じるといったトラブル
が起こる。
米坪)用紙に対する印刷後の高い不透明性が求められて
いる。従来より、紙の不透明性を上げるためにホワイト
カーボンや酸化チタン、タルク等の無機顔料が抄紙填料
として多く使われている。ところで、これらの無機填料
はオフセット印刷過程で使用される湿し水によって容易
に紙層内から浸みだす傾向があり、ブランケット上にパ
イリングする紙粉の主要な成分の一つとなっている。ま
た、環境面で重要視されている脱墨古紙パルプ(以後、
DIPと称す)の高率配合化はDIPがGPやRGP、
TMP等のメカニカルパルプに比較し、不透明度が出難
く、不透明度の改善とDIPの高率配合化を両立させる
のが極めて困難な状況にある。
るために、新聞用紙の表面に澱粉、PVA、あるいはポ
リアクリルアミド等を成分とする表面処理剤を塗布する
ことが一般に行われている。これらの表面処理剤は、紙
面強度を向上させ、紙表面の微細繊維や填料をパルプ繊
維等に接着させる働きはあるものの、新聞用紙表面が湿
った状態での粘着性(以後、ネッパリ性と称す)を増大
させ、結果的に印刷時におけるブランケットへの貼り付
きや、しわ、断紙といった印刷作業性や走行性トラブル
を誘発する原因となる。また、これらの表面処理剤は印
刷インキの紙層への浸透を抑えるためにカラー印刷時に
塗工ムラに起因するインキ吸収ムラ(印刷面の色ムラ)
を誘発し易いといった欠点を有しており、さらには印刷
後の新聞用紙の不透明度を減少させるといった難点があ
る。
聞用紙に関しては、高い不透明度を有し、かつ良好な表
面強度を得るために従来より種々の方法が提案されてい
る。例えば、原紙表面に吸油度が65cc/100g〜
150cc/100gである填料を含有する塗布層を設
けることにより不透明度を高める方法(特開平1−17
4697号公報)や、顔料および特定の共重合体ラテッ
クス(SBR)、水溶性接着剤を主成分とする水性組成
物を固形分重量で0.3〜3g/m2 となるように塗布
する方法(特開平2−19595号公報)、さらには澱
粉、共重合体ラテックスを含有したバインダーとPPや
BP等の特定有機顔料を特定量含有させた水性組成物を
塗布する方法(特開平5−263394号公報)等が提
案されている。しかしながら、例えば45g/m2 以下
の低米坪品や、古紙パルプ配合率が40重量%以上ある
ような原紙を使用する場合において、不透明度の向上お
よびカラー印刷適性と印刷作業性、さらにブランケット
パイリングの解消(軽減)とを効果的にバランスさせる
ことになると、未だに満足すべき結果を得る迄には至っ
ていない。
本発明者等はオフセット印刷用新聞用紙として、古紙パ
ルプの高率配合化と優れたオフセット印刷適性とを兼ね
備えた軽量(低米坪)新聞用紙を得るべく鋭意研究を重
ねた。その結果、本発明は原紙に中空有機顔料が配合さ
れてなる表面処理剤を外添塗布し、中空有機顔料の特定
量を原紙へ付加することによって、本発明が所望とする
不透明度の向上およびカラー印刷適性とブランケットパ
イリングの解消(軽減)とが極めて効果的にバランスさ
れ、優れたオフセット印刷適性を具備したオフセット印
刷用新聞用紙およびその製造方法を提供する。
空有機顔料と接着剤を主成分とする表面処理剤を塗布、
乾燥してなる米坪45g/m2 以下のオフセット印刷用
新聞用紙であって、該中空有機顔料の塗布量が乾燥重量
で片面あたり0.1〜2g/m2 、かつ表面処理剤塗布
後の紙表面の走査型電子顕微鏡による倍率5000倍の
表面写真で10μm×10μmの領域内に球状の中空有
機顔料が5個以上確認されることを特徴とするオフセッ
ト印刷用新聞用紙であり、さらに、原紙両面に中空有機
顔料と接着剤を主成分とする表面処理剤を塗布、乾燥し
た後、ソフトキャレンダーにより平滑化処理して仕上げ
ることを特徴とする前記に記載のオフセット印刷用新聞
用紙の製造方法である。
用新聞用紙には、従来から、澱粉やポリアクリルアミド
等をその表面に塗布することが一般に行われている。こ
れらの外添塗布剤は、いずれも紙粉発生を抑えるのには
効果があるが、耐水性に乏しく、ブランケットパイリン
グやネッパリ性に起因するトラブルが発生し易いといっ
た難点を抱えている。一方、軽量化やDIPの高率配合
を目的として、不透明性向上のため、顔料を含んだ表面
処理剤の塗布も提案されている。しかしながら、カオリ
ンや炭酸カルシウムのような一般印刷用塗被紙で使用さ
れる顔料を上記のような水溶性高分子と併用するのみで
は、不透明性の向上効果が小さく、紙粉の問題を解決で
きないのみならず、反対に表面に塗布した微粒子顔料が
印刷時にブランケット上に堆積し、著しいブランケット
パイリングトラブルにつながるため、実用的には殆ど行
われていない。
性の向上、ブランケットパイリング等の要因となる紙粉
発生の防止、およびネッパリ性低減の3つの課題を同時
に解決するべく、原紙へ配合する材料等について、鋭意
検討を重ねた。即ち、不透明性を改善できる顔料として
は、二酸化チタン、構造化カオリンや焼成カオリン等の
カオリン類、無定形シリカ、ホワイトカーボン等のシリ
カ系顔料、プラスチックピグメント、バインダーピグメ
ント等の有機顔料等が公知であり、これらの顔料につい
て、種々見直し検討を行った。その結果、特に空隙率の
高い中空有機顔料が他の顔料に比較し、相対的に高い不
透明度が得られ易く、かつブランケットパイリングの発
生も少なく、さらにはネッパリ性の低減効果のあること
を見出し、本発明を完成するに至った。
ず、本発明で特徴となる中空有機顔料としては、一般に
スチレン−アクリル系共重合体の水分散体として提供さ
れている。具体的には、HP91(ローム&ハース
社),SX863(A)(JSR社),MH5055
(日本ゼオン社)等が例示され、粒子のコア部分に水を
充満した球状体である。この球状体は乾燥により、水が
飛散して中空構造となり、不透明度や白色度を向上させ
る効果があることが知られている。
が高く、かつ印刷強度が劣る等の難点があり、実用的に
は、通常使用されているカオリンや炭酸カルシウムなど
の顔料に少量混ぜて使用するのが一般的である。因み
に、新聞用紙の不透明度を上げるには、上記の如き混合
顔料系では、5g/m2 以上の乾燥塗布量が必要であ
り、低米坪の新聞用紙等が対象で坪量が決まっているよ
うな場合には、その分、パルプ繊維量を低減せざるを得
ず、結果として紙腰(剛度)の低下が避けられないとい
った難点を抱えている。
案もなされており、例えば特開平2−74698号公報
には中空有機顔料の軽量塗被紙への使用が提案され、そ
の中には印刷強度の観点から平均粒子径として、0.2
〜0.7μmのものが最適であるとしている。一方、粒
子の殻の部分には一定の厚みが必要であるため、この粒
子径の範囲では、比較的低い空隙率しか得られず、結果
的に少量の塗布量では不透明度の十分な改善効果が期待
できないといった難点がある。
て鋭意検討を行った。その結果、所望とする不透明度の
改善効果を得るには、少なくとも空隙率が40%以上あ
ることが望ましく、上限については格段に限定するもの
ではないが、安定した中空状態が保持されることを考慮
すると85%程度と推定される。因みに、40%未満で
は、本発明が所望とする十分な不透明度の改善効果が期
待できない虞れがあり、他方85%を越えるように空隙
率を高めると、少しの衝撃等で中空状態が破壊され易く
なり、中空状態を維持するのが難しくなる虞れがある。
空有機顔料を得るには、その平均粒子径としては、0.
7μm以上、好ましくは3μm以下で調節されるのが望
ましい。因みに、その平均粒子径が0.7μm未満で
は、中空有機顔料として、本発明が所望とする不透明度
の改善効果が不十分となる虞れがあり、他方3μmを越
えるような大きな粒子では、低坪量の新聞用紙等に使用
した場合には、その粒子が紙層表面より飛び出す可能性
が高く、結果的に抄紙過程で中空状態が壊され、特に少
量付加の場合には、中空有機顔料としての作用効果が期
待できなくなる懸念がある。なお、中空有機顔料の空隙
率は、粒子の内径、外径をベースとして、以下の計算式
により求められる。即ち、空孔部の体積をv、空孔を含
めた粒子全体の体積をVとすると、空隙率X(%)=
〔v/V〕×100で示される。
有機顔料は、その殻の部分の厚みが必然的に薄くなるた
めに、塗布時や乾燥後のキャレンダー通紙により、機械
的衝撃で中空粒子が潰れ易いといった難点がある。した
がって、中空有機顔料を使用する所期の目的、即ち不透
明性の改善効果を得るには、その中空状態が維持されて
いることが不可欠要件である。そのために、中空有機顔
料が配合されてなる表面処理剤を原紙へ塗布、乾燥し、
さらに仕上げのキャレンダー処理後に至るまで、中空状
態が潰れないように処理されることが重要である。
紙の表面近くに特定量存在していることが重要である。
本発明では、高価な中空有機顔料を少量塗布することに
よって、軽量新聞用紙の不透明度の改善を図ることだけ
でなく、ブランケットパイリングや走行性トラブルを解
消〜軽減して、優れたオフセットカラー印刷適性を備え
た新聞用紙を得ることを特徴とするものである。そのた
めには、中空有機顔料が紙層の内部よりも、表面層に近
い部位に分散し、その中空形状を維持した状態で存在し
ていることが必要である。そのような中空有機顔料の存
在によって、不透明度の改善のみならず、ブランケット
パイリングが軽減〜解消される理由については定かでは
ないが、以下のように推察される。
れる湿し水が、紙層表面より紙層内部へ浸透し、パルプ
繊維の濡れが良過ぎると、紙表面や、紙層内でパルプ繊
維に接着している顔料や填料との接着力が急激に低下さ
せられる。その結果、それらの顔料や填料が紙層やパル
プ繊維より遊離して、所謂紙粉のもと(ブランケットパ
イリングを誘発)になると推定される。さらに、新聞用
紙自体はそのパルプ(紙層)構成から、通常の塗被紙用
原紙や塗被紙等と比較し、吸水性が強く、紙粉等が発生
し易い構成をとっている。一方、中空有機顔料は、他の
無機顔料等に比較し、疎水性が強く水との馴染み(親和
性)が低くく濡れ難い状態を維持できる。そのために、
湿し水による吸水が抑制され、顔料や填料等の水による
浮き出し(遊離)が抑えられるために紙粉の発生が防止
されるものと推定される。また、中空有機顔料を澱粉や
ポリアクリルアミドのような水溶性バインダーに混ぜる
ことにより、これらのバインダーを単独で使用する場合
と比較し、前述の濡れ難い性質により、結果的に、湿し
水によるバインダーの溶出を防ぎ、ネッパリ性の低減効
果が発揮されるものと考えられる。
表面を走査型電子顕微鏡を用いて倍率5000倍に拡大
した表面写真で10μm×10μmの領域内に、中空有
機顔料が球状粒子として(中空が破壊されていない粒
子)、少なくとも5個以上、好ましくは5〜100個程
度散在することが好ましい。因みに、5個未満の場合に
は、本発明が所望とする不透明度の改善効果、ブランケ
ットパイリングの解消効果やネッパリ性の低減効果が得
られない。他方、上限については格段に限定するもので
はないが、100個程度に抑えることが好ましい。多く
なればなる程、不透明度の改善効果は高くなる傾向があ
るものの、紙粉やブランケットパイリングを誘発し易く
なる虞れがある。さらに、不必要に多く入れることは原
価アップになる。なお、上記の走査型電子顕微鏡による
球状粒子の個数規定(即ち、10μm×10μmの領域
内に5個以上)は、試料である紙表面上をランダムに1
0点測定し、その平均値で5個以上と規定するものであ
る。
1つの主要成分である接着剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば酵素変性澱粉、酸化澱粉、カチ
オン化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース
等の水溶性セルロース化合物、ポリビニルアルコールや
ポリアクリルアミド類、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重
合体ラテックス等の合成樹脂ラテックス類の1種以上が
適宜使用される。なお、上記の接着剤のなかでも、澱粉
類や合成樹脂ラテックス類は、中空有機顔料との相溶性
が良好で、塗布時に凝集等を起こし難いために好ましく
使用できる。さらに、表面処理剤中には、上記の中空有
機顔料および接着剤の他に、抄紙過程で通常使用されて
いる、例えば表面サイズ剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤等
が適宜添加される。
定されるものではないが、接着剤100重量部に対し、
固形分対比で40〜300重量部で調整される。因み
に、300重量部を越えると、紙粉発生がひどくなり、
他方40重量部未満の場合には、本発明が所望とする不
透明度の改善効果等が得られなくなる虞れがある。
5〜30重量%に調整され、新聞用紙用原紙上に塗布さ
れる。その場合の塗布量は、前記したように走査型電子
顕微鏡を用いて倍率5000倍に拡大した表面写真で1
0μm×10μmの領域内に、中空有機顔料が球状粒子
として、少なくとも5個以上確認されれば、目的を達成
するものであるが、実体は紙層内部へ入り込んだり、中
空が破壊されて球形が失われ、密実状に近い形態を取る
と、中空形状の場合に比較して、その初期の作用効果が
十分に発揮されないケースが生じる。
る中空有機顔料の絶対量として、乾燥重量で片面当たり
0.1〜2g/m2 、好ましくは0.2〜1.2g/m
2 に特定するものである。因みに、0.1g/m2 未満
の場合には、少な過ぎて十分な不透明度が得られ難く、
他方2g/m2 を越えると、ネッパリ性が発現されるよ
うになり、ブランケットへの貼り付き等が懸念されるの
で好ましくない。要するに、本発明は高価な中空有機顔
料をできるだけ少ない量でもって、所望とする効果を最
大限に発現させることがその要諦でもある。そこで、原
紙へ塗布する中空有機顔料の量を特定し、かつ所望の効
果を得るために原紙上に散在している球状の中空有機顔
料の数を規定したところに特徴を有する。
有機顔料を原紙へ塗布するに際し、できるだけ塗布され
た中空有機顔料が原紙の表面層近くに散在していること
が重要である。そのために、中空有機顔料を含有する表
面処理剤を原紙へ塗布するにあたり、ゲートロールコー
ターやロッドメタリングサイズプレスコーター等のフィ
ルムトランスファー方式の塗工装置を使用して行うと、
フィルム状態の被膜が原紙へ転写される塗布方式を取る
ので、塗布物は原紙内部ヘ浸透するよりは、原紙の表面
に留まる傾向が強く、結果的に塗布された中空有機顔料
等が原紙表面層近くに散在する可能性が高く、好ましい
態様である。
ては、通常化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械
パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、
およびDIP等のパルプ繊維が適宜混合して使用され
る。上記のようなパルプ繊維を適宜配合してなる紙料ス
ラリーに、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、
タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等の内添填料が適
宜添加され、必要に応じて、紙力増強剤、歩留り向上
剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤等のサ
イズ剤、耐水化剤、紫外線防止剤等の一般に公知公用の
抄紙用内添薬品が添加され、汎用の抄紙機を用いて抄紙
される。そして、製品の坪量としては、45g/m2 以
下、好ましくは35〜42g/m2 等の相対的に薄物原
紙を使用してなる、低米坪オフセット印刷用新聞用紙が
その対象となる。特に、そのような低坪量の原紙の場合
に、本発明が所望とする不透明度の改善効果、カラー印
刷適性および印刷作業性に優れる製品が好適に得られ
る。
機顔料の原紙への付加については、表面処理剤により外
添塗布する処方が、中空有機顔料を使用する初期の目的
が極めて効果的に達せられ、かつ経済上からも好ましい
態様である。表面処理剤を原紙へ塗布、乾燥する際の塗
工装置については、特に限定されるものではないが、例
えば、2ロールサイズプレスコーター、ブレードメタリ
ングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプ
レスコーター、ゲートロールコーター、ブレードコータ
ー、バーコーター、ロッドブレードコーター、エアーナ
イフコーター等が例示できる。なかでも、既述したよう
に、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプ
レスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコータ
ー等のフィルムトランスファー方式の塗工装置による塗
布法が表面処理剤を紙表面に多く留めることができるの
で、特に好ましく使用される。
てなるオフセット印刷用新聞用紙は、通常キャレンダー
に通紙して製品仕上げが施される。その場合、紙表面に
塗布された中空有機顔料の形態を損なわないように、金
属ロールと金属ロールとで構成される汎用のマシンキャ
レンダーを使用するよりも、金属ロールと樹脂ロールよ
りなるソフトキャレンダーでの処理が、それほど中空の
有機顔料を潰さずに高平滑を得ることができるので好ま
しい態様である。
明する。勿論、本発明はそれらに限定されるものではな
い。また、例中の部および%は特に断らない限り、それ
ぞれ重量部および重量%を示す。
サーモメカニカルパルプ43部、グラウンドパルプ10
部、脱墨古紙パルプ40部の割合で混合されてなるパル
プスラリーをレファイナーでフリーネス130ml(C.
S.F /カナダ標準フリーネス)迄離解して得られたパル
プスラリーに平均粒子径15μmのホワイトカーボンを
填料として対絶乾パルプあたり1%添加し、ツインワイ
ヤー型抄紙機にて抄紙を行い、米坪39g/m2 の新聞
用紙用原紙を得た。
(商品名:エースA/王子コーンスターチ社)100
部、顔料として平均粒子径1μm、空隙率50%の中空
有機顔料(商品名:HP91/ローム&ハース社)60
部よりなる固形分濃度12%の表面処理剤を得た。この
表面処理剤を上記で得た新聞用紙用原紙(米坪39g/
m2 )の両面にゲートロールコーターを使用して、乾燥
重量で片面あたり0.5g/m2 となるように塗布、乾
燥した後、線圧100kg/cmの条件でソフトキャレ
ンダー1ニップ通紙処理を行った。かくして、米坪40
g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
し、表面処理剤の塗布量を乾燥重量で片面当たり0.9
g/m2 とした以外は、実施例1と同様にして米坪4
0.8g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
粒子径1μm、空隙率55%のスチレン−アクリル系中
空有機顔料(商品名:HP1055/ローム&ハース
社)60部とした以外は、実施例1と同様にしてオフセ
ット印刷用新聞用紙を得た。
粒子径0.5μm、空隙率55%のスチレン−アクリル
系中空有機顔料(商品名:MH5055/日本ゼオン
社)へ変更したこと以外は、実施例1と同様にしてオフ
セット印刷用新聞用紙を得た。
部、サーモメカニカルパルプ20部、グラウンドパルプ
10部、脱墨古紙パルプ60部の割合で混合されてなる
パルプスラリーをレファイナーでフリーネス180ml
(C.S.F /カナダ標準フリーネス)迄離解して得られた
パルプスラリーに平均粒子径20μmのホワイトカーボ
ンを填料として対絶乾パルプあたり1%添加し、ツイン
ワイヤー型抄紙機にて抄紙を行い、米坪38g/m2 の
新聞用紙用原紙を得た。
リルアミド(商品名:NP14/三井化学社)100
部、顔料として平均粒子径1μm、空隙率55%の中空
有機顔料(商品名:HP1055/ローム&ハース社)
90部、表面サイズ剤として、スチレン−マレイン酸共
重合体(商品名:ポリマロン385/荒川化学工業社)
20部(各々、固形分換算)を混合、さらに水で希釈し
て、固形分濃度13%の表面処理剤を得た。この表面処
理剤を上記で得た原紙(米坪38g/m2 )の両面にロ
ッドメタリングサイズプレスを使用して、乾燥重量で片
面あたり0.6g/m2 となるように塗布、乾燥した
後、線圧100kg/cmの条件でソフトキャレンダー
1ニップ通紙処理を行い、米坪39.2g/m2 のオフ
セット印刷用新聞用紙を得た。
し、塗布量を乾燥重量で片面あたり0.3g/m2 とし
たこと以外は、実施例5と同様にして米坪38.6g/
m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
粒子径0.55μm、空隙率25%のスチレン−アクリ
ル系中空有機顔料(商品名:OP84J/ローム&ハー
ス社)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして米
坪40.0g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得
た。
性炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15/白石
工業社)に変更し、固形分濃度を13%とし、塗布量を
乾燥重量で片面あたり0.5g/m2 としたこと以外
は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を
得た。
し、固形分濃度を18%とし、塗布量を乾燥重量で片面
あたり1.0g/m2 とした以外は、比較例1と同様に
して米坪41g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得
た。
分濃度を20%とし、塗布量を乾燥重量で片面あたり
3.0g/m2 とした以外は、実施例1と同様にして米
坪45g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を得た。
の代わりにカオリン(商品名:UW−90/EC社)6
0部を使用し、固形分濃度を13%とし、塗布量を乾燥
重量で片面あたり0.5g/m2 とした以外は、実施例
1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。
均粒子径0.4μm、空隙率30%のスチレン−アクリ
ル系中空有機顔料(商品名:SX863(A)/日本合
成ゴム社)に変更し、固形分濃度6%の表面処理剤を調
製し、この表面処理剤を2ロールサイズプレスを使用し
て、塗布量を乾燥重量で片面あたり0.3g/m2 とな
るように塗布、乾燥し、乾燥後金属ロール同士の組合わ
せになるマシンキャレンダーで線圧150kg/cm、
1ニップ通紙処理を行った以外は、実施例1と同様にし
て米坪39.6g/m2 のオフセット印刷用新聞用紙を
得た。なお、電子顕微鏡観察による中空有機顔料の状態
を見ると、かなりの球状粒子が破壊されて、球状粒子は
非常に少なくなっていた。
均粒子径0.4μmのスチレン−ブタジエン系の密実型
有機顔料(商品名:L8899/旭化成社)に変更した
こと以外は、実施例1と同様にして米坪40g/m2 の
オフセット印刷用新聞用紙を得た。
加とし、固形分濃度を6%とした以外は、実施例1と同
様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。なお、この
際の塗布量は、乾燥重量で片面あたり0.3g/m2 で
あった。
加とし、固形分濃度を4%としたこと以外は、実施例5
と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を得た。なお、
この際の塗布量は乾燥重量で片面あたり0.15g/m
2 であった。
オフセット印刷用新聞用紙について、下記に示す品質評
価を行い、得られた結果を纏めて表1に示す。
状粒子の個数) ;走査型電子顕微鏡(形式:T−30
0/日本電子社)を使用して、倍率5000倍で2次電
子像の写真を撮影し、写真内の5cm×5cm(実物1
0μm×10μm)をランダムに選び、その中で球状を
維持している中空有機顔料の個数を数えた。なお、写真
観察は試料の任意の箇所10点について実施し、数えた
個数の平均値で示す。
して測定を行った。
機(小森SYSTEM C−20)を使用し、カラー4
色刷りを行い、藍/赤の重色部分のインキ濃度ムラを目
視にて判定した。 ○ : インキ濃度ムラが殆ど見られず、均一な画像で
ある。 △ : インキ濃度ムラが認められ、やや不均一な画像
である。
フセット印刷機(小森 SYSTEMC−20)を使用
し、5000部の印刷を行った後、カラー4色刷りを行
い、ブランケット非画線部の紙粉の堆積の度合いを目視
にて判定した。 ○ : 紙粉の発生が認められない。 △ : 紙粉の発生がやや認められる。 × : ブランケット上に紙粉が多く堆積している。
試料(新聞用紙サンプル)2枚を適当な大きさに切
り、水に10秒間浸漬した後、2枚を素早く密着させ、
キャレンダーに線圧100kg/cmで通紙し、24時
間室温乾燥した後、引っ張り試験機を用いて、2枚の紙
の剥離強度を測定した。数値が大きい程粘着性(ネッパ
リ性)が強い。
例に係る新聞用紙は、不透明性に優れると同時に優れた
カラー印刷品質を有し、ブランケット紙粉パイリングや
ブランケット貼り付きの無い、印刷作業性に優れるオフ
セット印刷用新聞用紙であった。
Claims (5)
- 【請求項1】原紙両面に中空有機顔料と接着剤を主成分
とする表面処理剤を塗布、乾燥してなる米坪45g/m
2 以下のオフセット印刷用新聞用紙であって、該中空有
機顔料の塗布量が乾燥重量で片面あたり0.1〜2g/
m2 、かつ表面処理剤塗布後の紙表面の走査型電子顕微
鏡による倍率5000倍の表面写真で10μm×10μ
mの領域内に球状の中空有機顔料が5個以上確認される
ことを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。 - 【請求項2】中空有機顔料として、平均粒子径が0.7
〜3μm、かつ空隙率が40〜85%である中空有機顔
料を用いる請求項1に記載のオフセット印刷用新聞用
紙。 - 【請求項3】中空有機顔料の固形分配合比率が接着剤1
00重量部に対し、40〜300重量部である請求項1
に記載のオフセット印刷用新聞用紙。 - 【請求項4】原紙両面への表面処理剤の塗布にフィルム
トランスファー方式の塗工装置が使用される請求項1記
載のオフセット印刷用新聞用紙。 - 【請求項5】原紙両面に中空有機顔料と接着剤を主成分
とする表面処理剤を塗布、乾燥した後、ソフトキャレン
ダーにより平滑化処理して仕上げることを特徴とする請
求項1または請求項4に記載のオフセット印刷用新聞用
紙の製造方法。
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- 1998-07-17 JP JP20325398A patent/JP4061723B2/ja not_active Expired - Fee Related
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