JP2000314097A - 新聞用紙 - Google Patents

新聞用紙

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JP2000314097A
JP2000314097A JP35674499A JP35674499A JP2000314097A JP 2000314097 A JP2000314097 A JP 2000314097A JP 35674499 A JP35674499 A JP 35674499A JP 35674499 A JP35674499 A JP 35674499A JP 2000314097 A JP2000314097 A JP 2000314097A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて少ない塗布量の表面処理剤塗布であっ
ても、優れた印刷後不透明度を有する軽量新聞用紙を提
供することにあり、そのための新規な表面処理剤用顔料
を提供することを課題とする。 【解決手段】 原紙の両面に、水和ケイ酸と接着剤を主
成分とする表面処理剤を塗布し乾燥して得られた新聞用
紙において、該水和ケイ酸のレーザー法による平均粒子
径が0.5μm以上、5μm以下であり、かつ粒子径
(μm)を対数で表示したときの粒子径に対する粒子体
積の分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ該水和ケ
イ酸の存在量が原紙の片面1m2当り乾燥重量で0.0
5g以上、1.5g以下であることを特徴とする新聞用
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新聞用紙に関するも
のであり、さらに詳しく述べるならば、印刷後不透明度
に優れる新規な軽量新聞用紙に関するものでる。
【0002】
【従来の技術】近年、新聞用紙に対しては、環境保護、
増頁あるいは新聞配達員の作業負荷軽減等の観点から用
紙の軽量化の要請が強まっている。新聞用紙の軽量化を
行うと、すなわち用紙の単位面積当たりの重量(坪量)
を小さくすると、用紙厚さが薄くなり、印刷前の用紙の
不透明度を維持することが困難になるばかりでなく、印
刷後の不透明性を維持することも困難となり、印刷後の
不透明度の低下に伴って印刷面の裏面に印刷面が透き通
って見える現象(ショウスルー)が起こり、印刷品質上
の問題が生じる。
【0003】そのため、印刷後不透明度を含む用紙の不
透明度を向上させる目的のために抄紙用原料中にさまざ
まな填料を添加することが一般的に行われている。 例
えば無機系の填料としては水和ケイ酸や酸化チタン、タ
ルク、炭酸カルシウム等が1種類または2種類以上を組
み合わせて使用されている。通称ホワイトカーボンに代
表される水和ケイ酸は、他の填料と比較して低価格であ
るため多用されている。ホワイトカーボンを抄紙原料に
添加して抄紙することにより、インキの浸透を抑制し、
印刷後不透明度を付与する効果はあるが、白紙不透明度
に対する効果も含めて総合的には十分な効果水準に達し
ているとは言い難い。例えば、特開平5―301707
号公報において最適なホワイトカーボン粒子の細孔の半
径、細孔の積算容積等が規定されているが、満足しうる
効果とは言えない。
【0004】また有機系の填料としては、尿素―ホルム
アルデヒド樹脂が使用されることもあるが、価格が高い
ために印刷後不透明度の向上性能とのバランスがとれな
いこと、さらには、近年、人体への有害性が論じられて
いるホルムアルデヒドを製造原料して使用するため、環
境への配慮という面からは問題があると言わざるをえな
い。
【0005】このような新聞用紙の不透明度向上に関す
る技術的側面とともに、最近では、より一層の軽量化が
望まれている。すなわち現在の新聞用紙は、20℃、相
対湿度65%の環境下で調湿した時の1m2当りの重量
(以下坪量と言い、g/m2で表示する)として43〜
44g/m2程度のものが主流だが、近い将来には42
g/m2未満の軽量の新聞用紙に移行する可能性があ
り、用紙の不透明度を向上させるという点からは厳しい
状況になることが予想される。一方、軽量化の流れとと
もに、生産性向上の観点から新聞用抄紙機の高速化も進
んでおり、1分間当りの抄紙速度は1500mを超えよ
うとしている。
【0006】軽量化と抄紙機の高速化が進展しつつある
状況のもとでは、抄紙用填料によって不透明度向上を図
ることは困難が予想される。すなわち、抄紙用填料は多
くの場合、平均的な粒子直径は数μmから数10μmの
範囲(例えば前記ホワイトカーボンの平均粒子径はおよ
そ20〜30μm)であるが、単一直径の粒子として存
在しているわけではなく、小粒子径から大粒子径まで広
く分布しており、不透明度の発現効果の大きい小粒子径
領域の粒子は紙中への歩留まりが著しく悪い。紙中への
填料粒子の歩留まりは、当然のことながら、抄紙される
紙が薄くなるほど、また高速で抄紙されるほど強い剪断
力と脱水力を受けることによって低下するので期待効果
を発現することがますます困難となる。
【0007】軽量化された新聞用紙において、本発明が
所望する十分な不透明度を出すためには、紙中における
填料の割合を増加させる必要があるが、これらの填料は
本質的にセルロースを主体とする抄紙用パルプとの接着
性を有していないため、紙中の填料の増加は抄紙用パル
プ同士の結合性(繊維間結合性)を阻害する原因とな
り、紙の強度を適切に保持できなくなってしまう。
【0008】また新聞用紙の主に多色カラー印刷性を改
善する目的で、吸油性の高い顔料を含む表面処理剤を塗
布する技術があるが(特公平4−9237号公報)、好
ましい塗布量範囲(原紙片面当りの乾燥重量で3〜8g
/m2)において、今後、新聞用紙が、より軽量化され
ること予想すると、用紙の薄物化および印刷後不透明度
の向上という品質課題とコストの低廉化とを両立させる
にはいまだ不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て少ない塗布量の表面処理剤塗布であっても、優れた印
刷後不透明度を有する軽量新聞用紙を提供することにあ
り、そのための新規な表面処理剤用顔料を提供すること
を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を採用する。即ち、本発明は、
「原紙の両面に、水和ケイ酸と接着剤を主成分とする表
面処理剤を塗布し乾燥して得られた新聞用紙において、
該水和ケイ酸のレーザー法による平均粒子径が0.5μ
m以上、5μm以下であり、かつ粒子径(μm)を対数
で表示したときの粒子径に対する粒子体積の分布の標準
偏差が0.4以下であり、かつ該水和ケイ酸の存在量が
原紙の片面1m2当り乾燥重量で0.05g以上、1.
5g以下であることを特徴とする新聞用紙」である。
【0011】また、本発明は、前記本発明の新聞用紙を
製造するにあたり、表面処理剤の塗布をフィルムトラン
スファー方式によって行うことを特徴とする新聞用紙の
製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に係る原紙のパルプ繊維としては、不透明
度、剛度の観点からメカニカルパルプを30重量%以上
使用することが好ましい。メカニカルパルプとしては、
TMP(サーモメカニカルパルプ)、PGW(プレッシ
ャライズドグランドパルプ)、RGP(リファイナーグ
ランドパルプ)、GP(グランドパルプ)、CGP(ケ
ミカルグランドパルプ)等が挙げられる。新聞用紙の諸
特性の点においては全く制限はないが、環境面への配慮
という点、製造コストの低減という点からは、古紙パル
プ(脱インクパルプ)を使用することも好ましい。古紙
パルプは20重量%以上が好ましく、メカニカルパルプ
と古紙パルプの合計で、80重量%以上であることが特
に好ましい。また新聞用紙の強度を適正に付与する等の
目的のため、必要に応じて公知の化学パルプ(NBK
P:針葉樹晒クラフトパルプ、NSBKP:針葉樹半晒
クラフトパルプ、LBKP:広葉樹クラフトパルプ、
等)も適宜使用できる。
【0013】さらに、新聞用紙の白色度、不透明度を適
切に制御する目的で、ホワイトカーボン、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー等の公知の填料をパルプ繊維に適宜
混合して抄紙することが可能である。また、これらの填
料の原紙中における歩留まりを適切に制御する目的で公
知の歩留向上剤を添加したり、填料の添加に伴う紙力低
下を抑制するために公知の紙力増強剤を添加することも
可能である。
【0014】また、酸性抄紙用あるいは中性抄紙用の公
知のサイズ剤および該薬剤の定着剤等を前記の抄紙用原
料に添加して、成紙にサイズ性を付与することが可能で
ある。例えば酸性抄紙用には、サイズ剤としてはロジン
系サイズ剤、定着剤としては硫酸ばん土との組み合わせ
が使用できる。中性抄紙用にはサイズ剤としては、アル
キルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク
酸(ASA)あるいはロジン系中性サイズ剤等が使用で
き、定着剤としてはカチオン化デンプン等が一般的に使
用できる。
【0015】本発明において、原紙の両面に塗布される
表面処理剤の主成分は顔料と接着剤とで構成される。顔
料としては、前記した特定範囲の平均粒子径と粒子径分
布を有する水和ケイ酸のみを使用することが望ましい。
他の顔料を併用する場合でも、本発明の水和ケイ酸を8
0重量%以上とする必要がある。該水和ケイ酸の平均粒
子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(「SALD
―2000J」:島津製作所製)で測定した時に、0.
5μm以上、5μm以下である必要があり、好ましく
は、0.5μm以上、3μm以下である。
【0016】原紙の表面上への表面処理剤の塗布量が同
一であれば、平均粒子径が小さいほど粒子の数が増加す
る。そのため印刷用インキの吸着性が向上するので、印
刷後不透明度の向上効果が大きくなる。しかし本発明に
使用される水和ケイ酸粒子には、本質的にパルプ繊維に
対する接着性がないので、表面処理剤には接着剤を含有
させる必要がある。平均粒子が小さくなるほど、当然の
ことながら、その比表面積が増加するので、表面処理剤
中の接着剤を増加させる必要が生じる。平均粒子径が
0.5μm未満であると、接着剤使用量が増加して、用
紙自体の不透明性を損なうばかりか、接着剤そのものが
水和ケイ酸粒子を被覆してしまい、印刷インキの吸着性
を悪化させてしまう。一方、平均粒子径が5μmを超え
ると、粒子数の減少による印刷インキの吸着性の悪化、
あるいは印刷工程において種々の回転するロールを通過
する際に顔料粒子が剥落しやすくなり、いわゆる「粉落
ち」と呼ばれるトラブルが発生し、刷版や印刷機の汚
れ、さらには印刷面品質の低下の原因となる。
【0017】前記の水和ケイ酸は、適切な平均粒子径の
範囲に調節された特定グレードの市販の粉末状製品をそ
のまま使用することもできる。あるいは、購入した粉末
状の製品を乾式粉砕処理し、若しくはスラリー化して湿
式粉砕処理し、必要に応じてスクリーニングして平均粒
子径と粒径分布を調節することも可能である。しかしコ
ストの点において、製紙工場内で抄紙用填料としてオン
サイト生産されている、ホワイトカーボンの平均粒子径
を合成段階で所望の範囲に調節する、あるいは合成後の
顔料スラリーをホモミキサー、ディスクリファイナー、
コロイドミル、サンドグラインダー等の装置によって湿
式粉砕処理を行い、所望の平均粒子径に調節することが
有利である。その際に、本発明の新聞用紙の填料として
使用できる水和ケイ酸填料スラリーから製造すること
は、効率の点から、さらに好ましい態様である。
【0018】上記のオンサイトで合成した水和ケイ酸の
スラリーの液相中には、反応副生物のNa2SO4(芒
硝)等の塩類が存在しているが、このNa2SO4を含ん
だままスラリーを湿式粉砕して粒子径調節を行い、顔料
として使用しても全く差し支えない。
【0019】本発明で使用される水和ケイ酸のもうひと
つの必須特性としては、粒子径(μm)を対数で表示し
たときの粒子径に対する粒子体積の分布の標準偏差が
0.4以下の範囲に制御されていることにある。測定は
レーザー回折式粒度分布測定装置(「SALD―200
0J」:島津製作所製)で行う。水和ケイ酸は単粒子の
凝集体として存在するため、小さい粒子径から大きな粒
子径の凝集体の混合物となっている。標準偏差の値が小
さいほど、粒子径の分布が狭いことを意味しており、本
発明における印刷後不透明度の向上効果も高い。しか
し、標準偏差を0.2未満に制御しても本発明の印刷後
不透明度向上効果は頭打ちになってしまう。特に粒子径
の分布を狭めるためには、粉砕処理前または粉砕処理後
の水和ケイ酸を振動スクリーン等を使用して1回以上分
級する必要があり、経済性の点でも問題がある。一方、
標準偏差が0.4を超えると、前記の印刷時の「粉落
ち」トラブルが顕著になるため好ましくない。
【0020】本発明において、表面処理剤に含有するこ
とができる接着剤の種類には全く制限はなく、各種デン
プン類、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース等の各種セルロース誘導体、ポ
リビニルアルコールや各種変性ポリビニルアルコール
類、スチレン─ブタジエン共重合体、メチルメタアクリ
レート─ブタジエン共重合体等の合成ラテックス等、公
知の材料を1種類または2種類以上を混合使用すること
ができる。なかでも、デンプン類やポリビニルアルコー
ル類は安価で接着能力も良好なので好ましく使用でき
る。また、表面処理剤中には、上記の接着剤の他に、抄
紙分野で通常使用される表面サイズ剤、消泡剤、防腐
剤、あるいは粘度調節剤等の助剤を適宜含有させること
ができる。
【0021】本発明における水和ケイ酸の原紙片面あた
りの塗布量は0.05g/m2以上、1.5g/m2
下、好ましくは0.1g/m2以上、1.5g/m2以下
に制御することによって、所期の良好な印刷後不透明度
を得ることができる。0.05g/m2未満では原紙表
面上の粒子の数が不足してインキ吸着能力が発現でき
ず、印刷後不透明度向上を達成することが困難である。
一方、1.5g/m2を超えて塗布すると、印刷後不透
明度向上効果は十分に達成できるものの、以下のような
印刷作業性が低下する恐れがある。すなわち、水和ケイ
酸粒子の用紙表面上の絶対数が増加するので、前記「粉
落ち」トラブルが発生し易くなったり、水和ケイ酸粒子
を原紙の表面上に固定するための表面処理剤中の接着剤
の絶対量を増加させざるを得なくなることもある。その
結果、オフセット輪転印刷機において、湿し水によって
接着剤が溶出し、「ネッパリ」といわれるブランケット
への貼り付きトラブルを誘発し易くなることもある。
【0022】これらのことから、表面処理剤中の水和ケ
イ酸と接着剤との比率は、水和ケイ酸の平均粒子径、接
着剤の種類、塗布量等のバランスを勘案して設定するべ
きであり、特に厳格な制限はないものの、表面処理剤中
の水和ケイ酸の固形重量部100部に対して、接着剤の
固形重量部を30部〜700部の範囲に調節することが
好ましい。接着剤が30部未満になると、接着剤不足で
「粉落ち」トラブルが多発し易くなる。30部〜200
部の間では、「粉落ち」トラブルは皆無ではないもの
の、ほぼなくなり、「ネッパリ」トラブルは全く生じな
い。200部〜700部では、「粉落ち」トラブルは皆
無となり、「ネッパリ」トラブルは皆無ではないが、概
ね回避できる。700部を超えると、「ネッパリ」トラ
ブルが問題となる。
【0023】本発明における表面処理剤の新聞用紙用原
紙上への塗布方式に関しては、特にフィルムトランスフ
ァー方式の塗布装置、例えばゲートロールコーター、ロ
ッドメータリングサイズプレス、ブレードメータリング
サイズプレスによる塗布装置を採用すると、フィルム状
態の塗布膜が原紙表面に転写され、少量の表面処理剤が
原紙表面に留り易くなり、印刷後不透明度向上効果に貢
献できるため好ましい実施態様である。なお、表面処理
剤の固形分濃度には特に制限はないが、フィルムトラン
スファー方式の塗布装置を採用する時は、5〜30重量
%程度の範囲に調整するのが、良好な塗工性を確保する
点で好ましい。
【0024】本発明に係る軽量新聞用紙は、従来と同様
に原紙に表面処理剤が塗布、乾燥されたのち、表面を平
滑化して成紙に仕上げられる。その平滑化の方法には、
特に制限はなく。金属ロールと金属ロールとのニップ間
に通紙する通常のマシンカレンダーや、金属ロールと樹
脂ロールとから構成されるソフトカレンダー等公知の方
式、装置が使用できる。特にソフトカレンダーは加圧条
件を強くしなくても高い平滑化効果が得られるので、紙
層構造への負担も少なく好適に使用される。
【0025】上記のようにして得られた水和ケイ酸を顔
料として使用した表面処理剤を、原紙の両面に塗布、乾
燥、さらに平滑化処理を施した、軽量新聞用紙の成紙と
しての坪量(成紙を20℃、相対湿度65%の環境下で
調湿したときの坪量)は37g/m2以上、42g/m2
以下が好ましい。成紙としての坪量が37g/m2より
小さくなると、用紙自体の強度が弱くなるため、高速輪
転印刷機において、印刷に供する際に断紙が多発する可
能性が懸念される。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。勿論、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。なお例中の部および%は、特に断らない限
り、それぞれ乾燥固形分重量部および重量%を表す。ま
た、Lはリットルを表す。本実施例で「標準偏差」は、
粒子径(μm)を対数で表示したときの粒子径に対する
粒子体積の分布の標準偏差である。測定はレーザー回折
式粒度分布測定装置(「SALD―2000J」:島津
製作所製)で行う。
【0027】水和ケイ酸の調製: <1>水和ケイ酸A 市販のケイ酸カレットより調製したシリカ濃度191g
/L、SiO2/Na2Oのモル比2.84のケイ酸ナト
リウム水溶液10.76m3と5w/v%濃度の硫酸ナ
トリウム水溶液7.77m3と7.50m3の工業用水を
35m3の反応槽に入れ、水溶液の温度を50℃とし
た。この水溶液を攪拌しながらケイ酸ナトリウムを中和
するのに必要な全硫酸量の40%に相当する硫酸(20
w/v%濃度、1.68m3)を9分間かけて連続的に
添加した。硫酸の添加後、攪拌を継続したまま25分か
けて90℃まで昇温し、その後その温度で10分間熟成
した。ついで、ケイ酸ナトリウムを中和するのに必要な
残りの硫酸(20w/v%濃度、2.52m3)を40
分間かけて連続的に添加して10%濃度の水和ケイ酸ス
ラリーを得た。この時の水和ケイ酸を前記レーザー回折
式粒度分布測定装置で平均粒径および標準偏差を測定し
たところ、それぞれ22.0μmおよび0.37であっ
た。
【0028】<2>水和ケイ酸B 水和ケイ酸Aの調製において10%濃度の水和ケイ酸ス
ラリーについて工業用水による洗浄を繰返して、スラリ
ー中に含まれる硫酸ナトリウムを除去した。洗浄によっ
て除去された硫酸ナトリウム分は、10%濃度のスラリ
ー固形分中2.5%であり、硫酸ナトリウムを含むスラ
リー中の純粋な水和ケイ酸の固形分濃度は7.5%であ
った。この時の水和ケイ酸Bの平均粒子径および標準偏
差は、それぞれ21.9μmおよび0.38であった。
【0029】新聞用紙用原紙の原料の調製: <1>新聞用紙用原紙A サーモメカニカルパルプ43部、グランドパルプ10
部、脱墨古紙パルプ40部、針葉樹クラフトパルプ7部
の割合で混合して離解し、レファイナーでカナディアン
スタンダードフリーネス(C.S.F.)130mLに
調製した濃度1.2%のパルプスラリーを得た。このパ
ルプスラリーに対して前記水和ケイ酸スラリーAを紙中
灰分が3%になるように添加し、さらに硫酸ばん土を対
乾燥パルプあたり固形分として1%、さらに歩留まり向
上剤(ハイモロック/ハイモ社製)を対乾燥パルプあた
り固形分として0.02%添加して、固形分濃度が0.
5%となるように希釈して新聞用紙用原紙Aの原料を調
製した。
【0030】<2>新聞用紙用原紙B 新聞用紙用原紙Aと同一配合、同一カナディアンスタン
ダードフリーネス、かつ同一濃度に調製したパルプスラ
リーに、軽質炭酸カルシウム(アルバカーHO/ミンテ
ック社製)を対乾燥パルプあたり紙中灰分で3%となる
ように添加し、さらに硫酸ばん土を対乾燥パルプあたり
固形分として0.8%、中性抄紙用ロジン系サイズ剤
(NT−76/荒川化学工業製)を対乾燥パルプあたり
固形分として0.06%、カチオン化デンプン(王子エ
ースK/王子コーンスターチ社製)を対乾燥パルプあた
り固形分として1.3%、さらに歩留まり向上剤(ハイ
モロック/ハイモ社製)を対乾燥パルプあたり固形分と
して0.02%添加して、固形分濃度が0.5%となる
ように希釈して新聞用紙用原紙Bの原料を調製した。
【0031】<実施例1>水和ケイ酸スラリーAに含ま
れる純粋な水和ケイ酸分100重量部に対して、ポリカ
ルボン酸系分散剤(アロンA−9/東亜合成社製)を3
重量部添加した後、湿式粉砕装置(UVM─30/AI
MEX社製)を使用して平均粒子径が1.5μmになる
ように粉砕し表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。こ
の水和ケイ酸の前記レーザー回折式粒度分布測定装置に
よる、標準偏差は0.32であった。下記の組成を有す
る固形分濃度11.5%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 5部 水: 90部 新聞用紙用原紙Aの紙料をツインワイヤー抄紙機で抄紙
して、その両面にゲートロールコーターを使用して、片
面あたりの純粋な水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.05g
/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理剤
の乾燥塗布量として0.12g/m2に相当)になるよ
うに塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件で
ソフトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/m2
新聞用紙を得た。
【0032】<実施例2>実施例1と同一の方法で抄紙
した新聞用紙用原紙の両面にゲートロールコーターを使
用して、実施例1と同一の組成を有する表面処理剤を、
原紙の片面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.1g
/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理剤
の乾燥塗布量として0.23g/m2に相当)になるよ
うに塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件で
ソフトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/m2
新聞用紙を得た。
【0033】<実施例3>水和ケイ酸スラリーBに含ま
れる純粋な水和ケイ酸分100重量部に対して、ポリカ
ルボン酸系分散剤(アロンA−9/東亜合成社製)を3
重量部添加した後、湿式粉砕装置(UVM─30/AI
MEX社製)を使用して平均粒子径が0.5μmになる
ように粉砕し表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。
水和ケイ酸Bを湿式粉砕装置(UVM─30/AIME
X社製)を使用して平均粒子径が0.5μmになるよう
に粉砕し表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。この水
和ケイ酸の前記レーザー回折式粒度分布測定装置によ
る、標準偏差は0.20であった。下記の組成を有する
固形分濃度10%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 5部 水: 90部 新聞用紙用原紙Bの紙料をツインワイヤー抄紙機で抄紙
して、その両面にゲートロールコーターを使用して、片
面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.1g/m
2(接着剤を含む表面処理剤の乾燥塗工量として0.2
g/m2に相当)になるように塗布、乾燥した後、線圧
100kg/cmの条件でソフトカレンダー処理を行
い、坪量37.5g/m2の新聞用紙を得た。
【0034】<実施例4>水和ケイ酸スラリーBに含ま
れる純粋な水和ケイ酸分100重量部に対して、ポリカ
ルボン酸系分散剤(アロンA−9/東亜合成社製)を3
重量部添加した後、湿式粉砕装置(UVM─30/AI
MEX社製)を使用して平均粒子径が4.7μmになる
ように粉砕し表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。
水和ケイ酸Bを湿式粉砕装置(UVM─30/AIME
X社製)を使用して平均粒子径が4.7μmになるよう
に粉砕し表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。この水
和ケイ酸の前記レーザー回折式粒度分布測定装置によ
る、標準偏差は0.37であった。下記の組成を有する
固形分濃度10%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 5部 水: 90部 新聞用紙用原紙Bの紙料をツインワイヤー抄紙機で抄紙
して、その両面にゲートロールコーターを使用して、片
面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が1.5g/m
2(接着剤を含む表面処理剤の乾燥塗布量として3.0
g/m2に相当)になるように塗布、乾燥した後、線圧
100kg/cmの条件でソフトカレンダー処理を行
い、坪量37.5g/m2の新聞用紙を得た。
【0035】<実施例5>実施例1と同一の方法で抄紙
した新聞用紙用原紙の両面にゲートロールコーターを使
用して、実施例1と同一の組成を有する表面処理剤を、
原紙の片面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が1.5g
/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理剤
の乾燥塗布量として3.5g/m2に相当)になるよう
に塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件でソ
フトカレンダー処理を行い、坪量36.5g/m2の新
聞用紙を得た。
【0036】<実施例6>実施例1と同一の方法で製造
した水和ケイ酸スラリーAを使用して、下記の組成を有
する固形分濃度10.8%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製))17.5部 水: 202.5部 実施例1と同一の方法で抄紙した新聞用紙用原紙の両面
にゲートロールコーターを使用して、原紙の片面あたり
の水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.1g/m2(接着剤お
よび硫酸ナトリウムを含む表面処理剤の乾燥塗布量とし
て0.48g/m2に相当)になるように塗布、乾燥し
た後、線圧100kg/cmの条件でソフトカレンダー
処理を行い、坪量41.5g/m2の新聞用紙を得た。
【0037】<実施例7>実施例1と同一の方法で製造
した水和ケイ酸スラリーAを使用して、下記の組成を有
する固形分濃度10.5%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 25部 水: 270部 実施例1と同一の方法で抄紙した新聞用紙用原紙の両面
にゲートロールコーターを使用して、原紙の片面あたり
の水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.1g/m2(接着剤お
よび硫酸ナトリウムを含む表面処理剤の乾燥塗布量とし
て0.63g/m2に相当)になるように塗布、乾燥し
た後、線圧100kg/cmの条件でソフトカレンダー
処理を行い、坪量41.5g/m2の新聞用紙を得た。
【0038】<比較例1>実施例1と同一の方法で抄紙
した新聞用紙用原紙の両面にゲートロールコーターを使
用して、実施例1と同一の組成を有する表面処理剤を、
原紙の片面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.03
g/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理
剤の乾燥塗布量として0.07g/m2に相当)になる
ように塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件
でソフトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/m2
の新聞用紙を得た。
【0039】<比較例2>実施例1と同一の方法で抄紙
した新聞用紙用原紙の両面にゲートロールコーターを使
用して、実施例1と同一の組成を有する表面処理剤を、
原紙の片面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が2.0g
/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理剤
の乾燥塗布量として4.7g/m2に相当)になるよう
に塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件でソ
フトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/m2の新
聞用紙を得た。
【0040】<比較例3>水和ケイ酸Aを湿式粉砕装置
(UVM─30/AIMEX社製)を使用して平均粒子
径が10μmになるように粉砕し表面処理剤用の水和ケ
イ酸を調製した。この水和ケイ酸の前記レーザー回折式
粒度分布測定装置による、標準偏差は0.34であっ
た。この水和ケイ酸に実施例1で調製した水和ケイ酸を
固形分重量比が1:1になるように攪拌して水和ケイ酸
の混合物を調製した。この水和ケイ酸混合物の前記レー
ザー回折式粒度分布測定装置による、平均粒子径は5.
8μm、標準偏差は0.45であった。下記の組成を有
する固形分濃度11.5%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 5部 水: 90部 実施例1と同一の方法で抄紙した新聞用紙用原紙の両面
にゲートロールコーターを使用して、上記の表面処理剤
を原紙の片面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が1.5
g/m2(接着剤および硫酸ナトリウムを含む表面処理
剤の乾燥塗布量として3.5g/m2に相当)になるよ
うに塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの条件で
ソフトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/m2
新聞用紙を得た。
【0041】<比較例4>水和ケイ酸Aを280メッシ
ュ(目開き:53μm)のスクリーンを装着した湿式振
動スクリーン(48型振動ふるい/月島機械製)を用い
て、分級、除去し、スクリーンを通過した水和ケイ酸の
粒子を、湿式粉砕装置(UVM─30/AIMEX社
製)を使用して平均粒子径が0.4μmになるまで粉砕
し、表面処理剤用の水和ケイ酸を調製した。この水和ケ
イ酸の前記レーザー回折式粒度分布測定装置による、標
準偏差は0.18であった。下記の組成を有する固形分
濃度11.5%の表面処理剤を調製した。 成分 顔料: 水和ケイ酸(純粋な水和ケイ酸分として) 5部 接着剤: 酸化デンプン(王子エースA(王子コーンスターチ製)) 5部 水: 90部 新聞用紙用原紙Bの紙料をツインワイヤー抄紙機で抄紙
して、その両面にゲートロールコーターを使用して、片
面あたりの水和ケイ酸の乾燥塗布量が0.1g/m
2(接着剤を含む表面処理剤の乾燥塗布量として0.2
3g/m2に相当)になるように塗布、乾燥した後、線
圧100kg/cmの条件でソフトカレンダー処理を行
い、坪量41.5g/m2の新聞用紙を得た。
【0042】<比較例5>新聞用紙用原紙Bの紙料をツ
インワイヤー抄紙機で抄紙して、その両面にゲートロー
ルコーターを使用して、水和ケイ酸を全く含まない酸化
デンプン(固形分濃度10%)のみからなる表面処理剤
を、原紙の片面あたりの乾燥塗布量が0.1g/m2
なるように塗布、乾燥した後、線圧100kg/cmの
条件でソフトカレンダー処理を行い、坪量41.5g/
2の新聞用紙を得た。
【0043】<参考例>新聞用紙用原紙Aの紙料をツイ
ンワイヤー抄紙機で抄紙して、その両面にゲートロール
コーターを使用して、酸化デンプン(固形分10%)の
みからなる表面処理剤を、原紙の片面あたりの乾燥塗布
量が0.1g/m2になるように塗布、乾燥した後、線
圧100kg/cmの条件でソフトカレンダー処理を行
い、坪量44.0g/m2の新聞用紙を得た。
【0044】上記の実施例、比較例および参考例で得た
新聞用紙について下記に示す品質評価を行い、得られた
結果を表1、表2に示す。なお、白紙不透明度(印刷前
不透明度)および印刷後不透明度は参考例の測定値(基
準)からの変化量(増減量)で表した。
【0045】<白色度>:JIS P8148(ISO
2470)に準拠して測定した。
【0046】<白紙不透明度>:J.TAPPI 53
(ISO 2471)に準拠して測定を行った。
【0047】<印刷後不透明度>:J.TAPPI 4
5に準拠して、新聞用オフセット印刷インキ(墨)を使
用し、RI印刷試験機(明製作所製)でインキ量を変え
てベタ印刷を行った。印刷面反射率が9%の時の印刷前
の裏面反射率(印刷面の反対面)に対する印刷後の裏面
反射率の比率から、次式を用いて印刷後不透明度(Y)
を算出した。なお、反射率測定には分光白色度測機(ス
ガ試験機製)を使用した。 Y={(印刷後裏面反射率)/(未印刷の裏面反射
率)}×100
【0048】<粉落ち>:タック値13のインキ(TO
KA Printing Ink SD50(紅))を
使用し、RI印刷試験機(明製作所製)でインキ量0.
8gの条件で印刷を行い、印刷後、RI印刷試験機のブ
ランケット上に残ったインキを、厚紙(市販コート紙:
坪量210g/m2)に転写して台紙上の白く抜けた部
分(印刷によって試験紙の表面から顔料が剥落した部分
に対応する)を4段階で官能評価した。◎:顔料の剥落
が全くなく、白抜けが全くないもの。○:顔料の剥落に
よる白抜けがほぼ生じないもの。△:白抜け発生がみら
れ、実用上問題があるもの。×:白抜けが著しく全く実
用に適さないもの。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1、表2から明らかなように、すべての
実施例および比較例において、本発明の水和ケイ酸を含
む表面処理剤を塗布することによって、白色度は現在主
流である坪量44g/m2の新聞用紙(参考例)よりも
向上した。また白紙不透明度は、すべての実施例および
比較例において、おおむね参考例と同等の品質が維持で
きている。
【0052】印刷後不透明度は、坪量を44.0g/m
2から37.5〜41.5g/m2まで軽量化しても、本
発明における平均粒子径、標準偏差を有する水和ケイ酸
粒子を0.05〜1.5g/m2塗布することによっ
て、参考例よりも向上している(実施例1〜7)。しか
し、塗布量が適切であっても坪量が36.5g/m2
低い場合(実施例6)は、坪量44.0g/m2現行新
聞用紙より印刷後不透明度は低くなる。塗布量が少ない
場合(比較例1)は、現行新聞用紙なみの印刷後不透明
度が維持できない。
【0053】また、全ての実施例において、印刷時の
「粉落ち」もなく良好な品質が得られている。また、塗
布量を増やした場合(比較例2)や、粒子が適正な範囲
を超えて大きい場合は(比較例3)、表面強度が弱く、
印刷時に「粉落ち」が発生し、実用上適さない。水和ケ
イ酸の平均粒子径が小さすぎる場合は(比較例4)、印
刷後不透明度、「粉落ち」等の問題は特にないものの、
不透明度がやや低く、水和ケイ酸の調製時に湿式振動ふ
るいによる分級回数が2回必要となり、生産性、経済性
の理由から不適切である。
【0054】また、本発明の水和ケイ酸を全く含まな
い、接着剤のみからなる表面処理剤を塗布した場合は
(比較例5)、印刷時の「粉落ち」はないものの、軽量
化に伴う白紙品質(白色度、不透明度)および印刷後不
透明度が改善できない。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明に係る軽量新聞用紙
は、現在主流である坪量を有する新聞用紙よりも高い印
刷後不透明度を発現し、かつ「粉落ち」等のない優れた
印刷適性を有する軽量新聞用紙である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG05 AG48 AH02 AH37 AJ04 BE08 EA14 EA16 FA12 GA16 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の両面に、水和ケイ酸と接着剤を主
    成分とする表面処理剤を塗布し乾燥して得られた新聞用
    紙において、該水和ケイ酸のレーザー法による平均粒子
    径が0.5μm以上、5μm以下であり、かつ粒子径
    (μm)を対数で表示したときの粒子径に対する粒子体
    積の分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ該水和ケ
    イ酸の存在量が原紙の片面1m2当り乾燥重量で0.0
    5g以上、1.5g以下であることを特徴とする新聞用
    紙。
  2. 【請求項2】 表面処理剤の塗布をフィルムトランスフ
    ァー方式によって行うことを特徴とする請求項1に記載
    の新聞用紙の製造方法。
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