JP5762050B2 - 印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用紙に関する。
近年、資源問題及び経費削減の観点から新聞用紙等の印刷用紙は軽量化される傾向にある。しかしながら、印刷用紙を軽量化した場合、白紙不透明度や印刷不透明度(以下、両不透明度を単に「不透明度」ともいう。)が低下するという不都合が生じる。この対策として紙に種々の填料を内添し、不透明度を高めるということが一般に行われている。
上記填料としては、通常、カオリン、タルク、二酸化チタン、水和ケイ酸(ホワイトカーボン)、尿素−ホルマリンポリマー微粒子等が用いられている。また、各填料の高機能化を図るべく、填料の複合化が試みられている。この複合化としては、例えば出願人は、再資源化にて得られた再生粒子にシリカを複合させた複合粒子を開発している(特開2008−81390号公報参照)。また、無機微粒子にシリカを複合させた複合無機粒子を填料として用いた嵩高紙(特開2003−49389号公報参照)や、軽質炭酸カルシウムにシリカを被覆させた複合粒子(特開2005−219945号公報参照)が提案されている。
このような複合粒子等の各種填料を用いる場合、印刷用紙の更なる軽量化にともなう不透明度の低下を抑えるためには、填料の含有量を増加させる(高灰分とする)ことが必要となる。しかしながら、紙中の灰分を高めると、パルプ繊維同士の絡み度合いが低下することで紙力が弱まり、また、印刷時の紙粉が増加することなどにより印刷適性(インキ着肉性等)が低下するという不都合がある。
特開2008−81390号公報 特開2003−49389号公報 特開2005−219945号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、軽量化した場合にも不透明度が高く、かつ、印刷適性に優れる印刷用紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
填料が内添された印刷用紙であって、
上記填料として、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える複合粒子を含み、
上記複合粒子の平均粒子径が2μm以上15μm以下であり、
上記複合粒子の0.021μmから2,000μmの範囲を132対数分割して測定した粒度分布において、最頻値の頻度割合が3%以上12%以下であり、
白紙不透明度が90%以上96%以下、印刷不透明度が89%以上96%以下であることを特徴とする。
当該印刷用紙は、粒度分布がシャープな上記複合粒子を填料として内添しているため、この複合粒子が紙中に偏在することなく均一に存在することができる。従って、当該印刷用紙によれば、填料の含有量、すなわち灰分を高めなくとも複合粒子の機能を効果的に発揮させ、不透明度を高めることができる。このため、当該印刷用紙によれば、高灰分とせずとも軽量化に対応することができるため、軽量化にともなう紙力の低下を抑制し、優れた印刷適性を発揮することができる。
特に、上記複合粒子は、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備えるため、光の散乱性能が高く、白紙不透明度を高めることができるとともに、シリカの表面への析出により多孔質形状となっているため吸油度が高く、印刷不透明度を高めることができる。また、当該印刷用紙は、上記填料を含有することで、軽量化されているにもかかわらず、白紙不透明度及び印刷不透明度がともに高く、新聞用紙等として好適に用いることができる。
灰分が5%以上13%以下であるとよい。当該印刷用紙によれば、上記範囲の灰分とすることで、軽量化した場合も紙力の低下を抑え、不透明度と印刷適性とを共に高めることができる。
上記炭酸カルシウム粒子が重質炭酸カルシウム粒子であるとよい。重質炭酸カルシウム粒子は、粒度分布が広く、不定形である。このため、上記複合粒子において、このような重質炭酸カルシウム粒子を核として用いると、シリカ被覆の際に、粒径の小さい重質炭酸カルシウム粒子に対しては、複数の粒子が凝集するほど十分にシリカが表面に析出し、一方、粒径の大きい重質炭酸カルシウム粒子に対しては、他の粒子との凝集が生じるほどの析出が生じにくくなり、その結果、得られる複合粒子を粒度分布の狭い状態に効率的に制御することができる。また、上記複合粒子は、このように様々な粒径の重質炭酸カルシウム粒子の集合体からなることで、光の散乱性が高い。従って、当該印刷用紙によれば、不透明度等をより高めることができる。
上記複合粒子のシリカの含有率が2質量%以上30質量%以下であるとよい。上記複合粒子のシリカ含有率を上記範囲とすることで、この複合粒子の光拡散性と吸油性とを共に効果的に発揮させることができる。従って、当該印刷用紙は、白紙不透明度と印刷不透明度とを共により高めることができる。
両面に表面処理剤が塗布されており、上記表面処理剤が酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉を含有することが好ましい。当該印刷用紙は、両面に塗布する表面処理剤として、酸化澱粉とヒドロキシエチル化澱粉とを含むものを用いているため、この表面処理剤の塗布の際、上記2種の澱粉が原紙内部にまで浸透せず、表面で強固な被膜を形成する。従って当該印刷用紙は、表面強度が高く、紙粉の発生を抑制できるため、印刷適性をより高めることができる。また、当該印刷用紙によれば、印刷の際のネッパリトラブルの発生も抑制される。加えて、当該印刷用紙によれば、表面処理剤が内部まで浸透せず、表面で被膜を形成していることで、紙内部の空隙を残存させることができ、白紙不透明度及び印刷不透明度をさらに高めることができる。
以上説明したように、本発明の印刷用紙によれば、軽量化されているにもかかわらず不透明度が高く、かつ、印刷適性に優れる、従って、本発明の印刷用紙は、軽量化の要請が高い新聞用紙等に好適に用いることができる。
以下、本発明の印刷用紙の実施の形態について説明する。
<印刷用紙>
本発明の印刷用紙は、複合粒子が填料として原紙中に内添されている。
<複合粒子>
上記複合粒子は、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える。上記複合粒子は、通常、シリカで被覆された炭酸カルシウム粒子の凝集粒子と、シリカで被覆されているのみで凝集が生じていない炭酸カルシウム粒子とが混在して存在する粒子の集合体である。
上記複合粒子の平均粒子径は、2μm以上15μm以下であり、好ましくは3μm以上10μm以下、3.5μm以上8μm以下がさらに好ましい。上記複合粒子の平均粒子径をこのような範囲とすることで、当該印刷用紙の不透明度等を効率的に高めることができる。上記複合粒子の平均粒子径が上記下限未満の場合は、歩留りが十分に向上しないおそれがあり、また、不透明度向上能も十分ではないおそれがある。一方、この平均粒子径が上記上限を超えると、パルプ繊維間の強度を低下させる結果、紙力が低下したり、ワイヤー磨耗度が高まる場合があり、また、粒径が大きいことで、スラリー中での均一分散性が低下し、不透明度及び印刷不透明度が低下するおそれがある。
なお、本明細書における平均粒子径は50%体積平均粒子径をいい、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:MT−3300)を用い、測定回数:Avg/2(2回の測定の平均)、測定時間:10秒、分布表示:体積、粒径区分:標準、計算モードMT−3300II、測定上限2000μm、測定下限0.021μmの条件下で測定することができる。
0.021μmから2,000μmの範囲を132対数分割して測定した上記複合粒子の粒度分布における最頻値を占める1分割あたりの粒子の頻度割合は、3%以上12%以下であり、5%以上9%以下であることが好ましい。なお、上記炭酸カルシウム粒子の同様な粒度分布における最頻値を占める粒子の頻度割合より大きいことが好ましい。
当該印刷用紙は、粒度分布がシャープな上記複合粒子を填料として内添しているため、この複合粒子が紙中に偏在することなく均一に存在することができる。従って、当該印刷用紙によれば、填料の含有量すなわち灰分を高めなくとも複合粒子の機能を効果的に発揮させ、不透明度を高めることができる。また、印刷用紙表面の凹凸を粒度分布がシャープな上記複合粒子が埋めることでインキ着肉性も向上する。このため、当該印刷用紙によれば、高灰分とせずとも軽量化に対応することができるため、軽量化にともなう紙力の低下を抑制し、優れた印刷適性を発揮することができる。特に、上記複合粒子は、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備えるため、光の散乱性能が高く、白紙不透明度を高めることができるとともに、シリカの表面への析出により多孔質形状となっているため吸油度が高く、印刷後不透明度を高めることができる。また、当該印刷用紙は、上記填料を含有することで、軽量化されているにもかかわらず、白紙不透明度及び印刷不透明度がともに高く、新聞用紙等として好適に用いることができる。
上記頻度割合が3%未満では、一次粒子(炭酸カルシウム粒子)への十分なシリカ被覆が行えておらず、特に重質炭酸カルシウムを用いた場合、この特有の多数のナイフエッジに丸みを及ぼす効果が発現されない。また、この頻度割合が3%未満の場合は、粒度分布が広いため、歩留りが低く、かつ粒径の大きい複合粒子の存在により紙力が低下する。なお、逆に上記頻度割合が12%を超える粒度分布が極めてシャープな複合粒子は、製造等が困難である。また、この場合は、本件発明者が知見した、粒径の小さいものはシリカの被覆と共に複数の粒子の凝集が進む一方、粒径の大きいものはシリカの被覆のみで凝集がほとんど生じないという特有の効果が発現されないこととなる。
なお、本明細書における粒度分布は、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:MT−3300)を用い、測定回数:Avg/2、測定時間:10秒、分布表示:体積、粒径区分:標準、計算モードMT−3300II、測定上限2000μm、測定下限0.021μmの条件下で測定することができる。
上記複合粒子は、このように炭酸カルシウム粒子にシリカ被覆することで、最頻値を占める粒子の頻度割合を3%以上12%以下と、通常の重質炭酸カルシウム粒子等の頻度割合より大きくしている。つまり、上記複合粒子の製造において、粒径のばらつきが大きい炭酸カルシウム粒子をもとに、シリカの被覆により粒径のばらつきが小さい状態としている。このような粒子の集合体である上記複合粒子によれば、粒径の小さい粒子が少ないため、さらに好ましくはシリカ含有率を2質量%以上30質量%以下に調整することで粒径の小さい粒子が選択的にシリカにより柔軟に凝集化されているため、抄紙の際に繊維間に留りやすく、歩留りが向上すると共に、柔軟な性状により嵩高性にも寄与する。また、上記複合粒子によれば元々粒径が大きく角張っていた粒子の表面はシリカで被覆されているためワイヤー磨耗度を下げることができる。
また、上記複合粒子によれば、例えば炭酸カルシウム粒子として、重質炭酸カルシウムを用いた場合、一次粒子径の粒度分布が広い、すなわち様々な粒子径の炭酸カルシウム粒子の集合体からなることで光の散乱性が高く、不透明度を高めることができる。さらに上記複合粒子は、シリカの表面への析出による被覆により多孔質形状となっており、吸油度が高く、印刷後不透明度を高めることができる。
なお、シリカ被覆による炭酸カルシウムの一次粒子と複合後の複合粒子とにおける最頻値を占める頻度割合の上昇差異(複合粒子における最頻値を占める頻度割合から炭酸カルシウムの一次粒子における最頻値を占める頻度割合を減じた値(%))が、少なくとも1.5%以上、より好ましくは3%以上であることが、歩留り及び不透明度が高く、かつ、ワイヤー磨耗度が低い複合粒子を得ることができ好ましい。
このように、シリカ被覆による炭酸カルシウムの一次粒子と複合後の複合粒子とにおける最頻値を占める頻度割合の上昇差異を1.5%以上にすることで、粒子径の小さい粒子が選択的にシリカにより柔軟に凝集化されるとともに、粒子径の大きな粒子は凝集することなく表面にシリカ被覆されるため、不透明度の向上、ワイヤー磨耗度の低減効果が得られる。特に、炭酸カルシウムとして、重質炭酸カルシウムを用いると、シリカ被覆による炭酸カルシウムの一次粒子と複合後の複合粒子とにおける最頻値を占める頻度割合の上昇差異を効果的に1.5%以上にでき、上記効果を顕著に発揮できるため好ましい。
<炭酸カルシウム粒子>
上記複合粒子に用いられる炭酸カルシウム粒子は、平均粒子径(一次粒子径)が0.5μm以上3μm以下のものが好ましく、0.8μm以上2.5μm以下であるものが更に好ましい。炭酸カルシウム粒子の平均粒子径をこのような範囲とすることで、後述するシリカによる凝集と相まって、上記複合粒子の歩留り及び不透明度等を高めることができる。
また、この炭酸カルシウム粒子としては、上述の粒度分布における最頻値を占める一次粒子の頻度割合が、得られる複合粒子の上述の粒度分布における頻度割合より小さい値であるものが好適に用いられる。この頻度割合が低い炭酸カルシウム粒子を用いることで、粒径の小さいものはシリカの被覆と共に複数の粒子の凝集が進む一方、粒径の大きいものはシリカの被覆のみで凝集がほとんど生じていない状態となり、粒度分布の広い炭酸カルシウム粒子を粒度分布幅の狭い複合粒子とすることができ、結果として複合粒子の歩留向上、吸油度や不透明度を高めることができる。
具体的にこの炭酸カルシウム粒子(一次粒子)の上述の粒度分布における最頻値を占める頻度割合としては、2%以上11%以下が好ましく、3%以上8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。
この炭酸カルシウム粒子としては、軽質炭酸カルシウム又は重質炭酸カルシウムのいずれでもよいが、重質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。複合粒子に用いられる炭酸カルシウム粒子として、重質炭酸カルシウム粒子を用いることで、上述のような広い粒度分布を有する炭酸カルシウム粒子を容易に得ることができる。
この重質炭酸カルシウムは、天然の石灰石を粉砕・分級する方法で調製することができるし、粉粒体として入手できる市販の重質炭酸カルシウムを必要に応じて粉砕・分級して用いることもできる。ここでいう粉砕には、例えば、ロールミル、ジェットミル、乾式ボールミル、衝撃式粉砕機等の乾式粉砕機による粉砕、湿式ボールミル、振動ミル、撹拌槽型ミル、流通管型ミル、コボールミル等の湿式粉砕機による粉砕が挙げられ、これらの粉砕機を適宜組み合わせて使用することもできる。
また、分級方法としては、例えば、共振振動ふるい、ローヘッドスクリーン、電磁スクリーン等のふるい分け、ミクロンセパレーター、サイクロン等の乾式分級、デカンタ型遠心分離機、液体サイクロン、ドラッグ分級機等の湿式分級が挙げられ、これらの分級機を適宜組み合わせて使用することができる。
<シリカ>
炭酸カルシウム粒子を被覆するシリカとしては、特に限定されず公知のものを用いることができ、後述するように水溶液中でシリカを析出し被覆させることで、効率的に炭酸カルシウム粒子に被覆させることができる。
このシリカの含有率としては、2質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。シリカの含有率をこのような範囲とすることで、粒径の小さい炭酸カルシウム粒子に対しては、複数の粒子が柔軟に凝集するほど十分な表面へのシリカ析出量となり、粒径の大きい炭酸カルシウム粒子に対しては、表面、特に析出しやすいナイフエッジ等の先端部分へのシリカ析出に留まり、他の粒子との凝集が生じるほどの被覆が生じない。従って、上記複合粒子によれば、粒度分布の広い炭酸カルシウム粒子をこのような質量比のシリカで被覆することで、粒度分布の狭い凝集体状態に制御されやすくなり、結果として複合粒子の歩留向上、吸油度や不透明度を高め、ワイヤー磨耗度の低減を図ることができる。
シリカの含有率が上記下限未満の場合は、炭酸カルシウム粒子を十分に凝集させることができず、得られる複合粒子の粒度分布が狭まりにくく、その結果、歩留りが向上しないおそれがある。逆に、シリカ含有率が上記上限を超える場合は、粒径の比較的大きい炭酸カルシウム粒子の凝集までもが進みやすくなる。その結果、得られる複合粒子において粒径が大きい粒子が増え、同様に粒度分布が狭まりにくく、不透明度向上能が十分ではなく、また、粒径の大きい粒子が多いため、紙力が低下したり、紙粉が生じやすくなるおそれがある。
上記複合粒子の吸油度は、30ml/100g以上100ml/100g以下、より好ましくは40ml/100g以上90ml/100g以下の範囲が好ましい。このような吸油度を有する複合粒子を使用すると、原紙中においてこの複合粒子が原紙中に含浸されるインクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収するため用紙の印刷不透明度が低下するのを抑制し、また、インクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収することで、インク乾燥性やニジミの防止効果を顕著に発揮することができる。一方、吸油度が30ml/100g未満の場合には上記の効果が十分でなく、複合粒子がインクの吸収・乾燥性を阻害する傾向が生じる場合が有る。また吸油度が100ml/100gを超えると、インクの吸収性が高いためインクの沈みこみ、いわゆる発色性が劣る不都合が生じる場合がある。
<複合粒子の製造方法>
上記複合粒子の製造方法としては特に限定されないが、例えば、
(1)炭酸カルシウム粒子を珪酸アルカリ水溶液中に懸濁させて懸濁液を得る懸濁工程と、
(2)この懸濁液に鉱酸を添加し、炭酸カルシウム粒子の表面にシリカを析出し、被覆させて炭酸カルシウム粒子を凝集させる凝集工程と
を有する方法をあげることができる。
上記複合粒子の製造方法によれば、凝集工程において、炭酸カルシウム粒子のうち、粒径の小さいものはシリカの被覆と共に複数の粒子の凝集が進む一方、粒径の大きいものはシリカの被覆のみで、凝集がほとんど生じていない状態となり、粒度分布の広い炭酸カルシウム粒子を粒度分布の狭い複合粒子とすることができる。従って、上記製造方法によれば、歩留り及び不透明度等が高く、かつ、ワイヤー磨耗度が低い複合粒子を得ることができる。
(1)懸濁工程
本工程においては、炭酸カルシウム、好ましくは湿式粉砕された重質炭酸カルシウムを珪酸アルカリ水溶液中に混合する。珪酸アルカリ水溶液は特に限定されないが、珪酸ナトリウム溶液(3号水ガラス)が入手に容易である点で好ましい。
また、この炭酸カルシウム粒子を珪酸アルカリ水溶液に添加分散した懸濁液の固形分濃度としては、3〜35質量%が好ましい。この濃度を上記範囲で調整することにより、得られる複合粒子の粒径、粒度分布、シリカ含有率等を所望する範囲に制御しやすくなる。
また、上記珪酸アルカリ水溶液中の珪酸分(SiO換算)と炭酸カルシウムの固形分比としては2:98〜30:70が好ましく、3:97〜20:80がより好ましい。このようにすることで、複合粒子のシリカの含有率を好ましくは2質量%以上30質量%以下、より好ましくは3質量%以上20質量%以下にすることができる。珪酸アルカリ水溶液中の珪酸分(SiO換算)の炭酸カルシウムに対する固形分比が2:98より少ないと炭酸カルシウム粒子を十分に凝集させることができず、得られる複合粒子の粒度分布が狭まりにくく、その結果、不透明度の向上能が十分でなく歩留りが向上しないおそれがある。一方、上記固体分比が30:70を超えると、粒径の比較的大きい炭酸カルシウム粒子の凝集までもが進みやすくなる。その結果、得られる複合粒子において粒径が大きい粒子が増え、同様に粒度分布が狭まりにくく、不透明度向上能が十分ではなく、また、粒径の大きい粒子が多いため、紙力が低下したり、紙粉が生じやすくなるおそれがある。
(2)凝集工程
本工程においては、上記懸濁液に鉱酸を添加し、炭酸カルシウム粒子の表面にシリカを析出し被覆させ、炭酸カルシウム粒子の少なくとも一部を凝集させる。
上記鉱酸としては希硫酸、希塩酸、希硝酸等の鉱酸の希釈液等が挙げられるが、価格、ハンドリングの点で希硫酸が好ましい。さらに、希硫酸を使用する場合の添加時の濃度としては、0.2〜4.0モル%が好ましい。本発明の製造方法で好適に用いられる重質炭酸カルシウムは鉱物由来であるがうえに、所定の範囲でカルシウム、アルミニウム等の不純物を構成元素として含有しており、過度の濃度の鉱酸添加は、得られる複合粒子に変質が生じるおそれがある。
また、鉱酸添加量が多いほど短時間内にシリカが析出するので、それらの条件に合わせて添加速度を調整することが好ましい。なお、5分以内の添加は、均一な反応系の構成が不十分になる。
この凝集工程における反応温度としては、60℃以上100℃以下が好ましい。本発明者らの鋭意検討の結果から、本発明に使用する炭酸カルシウムとの反応温度はシリカの生成、結晶成長速度および形成された炭酸カルシウム−シリカ複合粒子の力学的強度に影響を及ぼす。反応温度が60℃未満ではシリカの生成・成長速度が遅く、形成された複合粒子の被覆性に劣り、被覆の剥落が生じやすく、印刷用紙の抄造時にかかる剪断力で被覆が壊れ易い。逆に100℃を超えると、水系反応であるためオートクレーブを使用しなければならないため反応工程が複雑になってしまう。なお、最適反応温度は65〜95℃である。
この凝集工程においては、上述のように鉱酸の添加によりシリカゾルを生成させ、上記懸濁液を中性〜弱アルカリ性、好ましくはpHを8〜11の範囲に調整することにより複合粒子を得ることができる。この際、上記懸濁液の温度が60℃以上100℃以下であるとともに、上記複合粒子におけるシリカ含有率が2質量%以上30質量%以下、より好適には3質量%以上20質量%以下となる範囲に上述の珪酸アルカリ水溶液中の珪酸分(SiO換算)と炭酸カルシウムの固形分比を調整し、鉱酸を最終反応液のpHが8〜11になるように添加するとよい。このような珪酸アルカリ水溶液中の珪酸分(SiO換算)と炭酸カルシウムの固形分比、温度及び鉱酸添加量に制御すること、より好適には、重質炭酸カルシウムに対するシリカの凝集工程での鉱酸の添加時間を60〜120分、より好適には70分から100分に保つことにより粒径の小さいものはシリカの被覆と共に複数の粒子の凝集が進んでいる一方、粒径の大きい炭酸カルシウム粒子に対しては、表面、特に析出しやすいナイフエッジ等の先端部分へのシリカ析出に留まり、他の粒子との凝集が生じるほどの被覆が生じないことによって、上述の粒度分布の狭い複合粒子を効率的に得ることができる。鉱酸の添加時間が60分を下回ると、過度のシリカ被覆が生じ、過大な粒径の複合粒子が生じるおそれがあり、120分を上回ると、粒径の小さな炭酸カルシウムの凝集が不十分になるおそれがある。
<他の填料>
当該印刷用紙は、上記複合粒子以外に、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト、プラスチックピグメント等の他の填料が含有されていてもよい。
<原紙>
上記原紙は、通常、パルプ及び填料等を含むパルプスラリーを抄紙して得られる。
上記パルプとしては、公知のものを用いることができ、古紙パルプ、バージンパルプ又はこれらの組み合わせたものを適宜用いることができる。なお、主成分として古紙パルプを用いることが、省資源化の観点からも好ましい。
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)又は離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられる。
これらの古紙パルプの中でも、新聞古紙由来の新聞古紙パルプ、雑誌古紙由来の雑誌古紙パルプ等が好ましく、新聞古紙パルプ及び雑誌古紙パルプを混合して用いることが特に好ましい。かかる新聞古紙パルプ及び雑誌古紙パルプは、古紙の回収率が高く、各製紙メーカーで新聞用紙、雑誌用紙を構成する原料パルプ種や填料類が近似していることから、原料構成の変動を抑えることができる点で好適である。特に、新聞古紙パルプは、新聞用紙には一般的に古紙パルプが既に50%以上配合され、バージンの機械パルプやクラフトパルプの含有量が少ないため、また、バージンの各種パルプが用いられていても、一度抄紙され、古紙処理により古紙パルプ化されているため、その性状は均質化し、ほぼ一定の性状を有している点で特に好ましい。
バージンパルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ;ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的又は機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを使用することができる。
原料パルプにおける古紙パルプの含有量としては、50質量%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。原料パルプ中の古紙パルプの含有量を上記範囲とすることで、資源の有効利用等の環境性が向上し、さらにインキ着肉性等の印刷適性も向上する。逆に、原料パルプにおけるバージンパルプの含有量としては、10質量%以上が好ましく、20質量%以上が特に好ましい。バージンパルプの含有量が上記範囲未満では、古紙から得る古紙パルプの調整が困難で、また、嵩が出ず腰のない印刷用紙になり、搬送性や作業性が低下するおそれがある。
これらのバージンパルプの中でも、印刷用紙の製造において、古紙パルプを用いることによる嵩の低下を補完する効果を有する機械パルプ(MP)が好ましく、古紙から得る古紙パルプの調整に好適なサーモメカニカルパルプ(TMP)が特に好ましい。本発明では、填料として、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える複合粒子を用いることで、古紙を高配合としても填料が粒子径の小さい粒子が柔軟に凝集化されているため、抄紙の際に繊維間に留りやすく、歩留りが向上して不透明度が高くなると共に、填料の柔軟な性状により嵩高性も有する印刷用紙となり好ましい。
<表面処理剤>
当該印刷用紙は、原紙の両面に表面処理剤が塗布されていることが好ましく、上記表面処理剤が酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉(HES)を含有することが好ましい。当該印刷用紙によれば、この表面処理剤の塗布の際、上記2種の澱粉が原紙内部にまで浸透せず、表面で強固な被膜を形成する。従って、当該印刷用紙は、表面強度が高く、紙粉の発生を抑制できるため、印刷作業性に優れる。また、当該印刷用紙によれば、印刷の際のネッパリトラブルの発生も抑制される。
上記2種の澱粉を用いることで原紙内部までこの澱粉が浸透せず、表面で強固な被膜を形成する原因は定かではないが、酸化澱粉が有するカルボキシル基等と、ヒドロキシエチル化澱粉が有する水酸基とが結合(エステル化反応等)し架橋することで高分子化し内部まで浸透しにくくなることが考えられる。また、この2種の澱粉を混合することで、適度な粘度になること、上記エステル化によりこの澱粉とパルプ繊維を構成するセルロースとの親和性が低下し、浸透しにくくなることも原因と考えられる。なお、上記粘度の低下は、2種の澱粉の反応が原因とも考えられる。さらに、当該印刷用紙のネッパリトラブルの発生の抑制も上記エステル化等による澱粉の親水性低下が原因とも考えられる。
加えて、当該印刷用紙によれば、このように表面処理剤が内部まで浸透せず、表面で被膜を形成していることで、紙内部に空隙を残存させることができる。当該印刷用紙によれば、この空隙のため紙内部での光の散乱度合いが高まり、その結果、白紙不透明度及び印刷不透明度を高めることができる。
炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える平均粒子径が2μm以上15μm以下の粒度分布がシャープな複合粒子を填料として含み、さらに表面処理剤が酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉(HES)を含有することにより、複合粒子が紙中に偏在することなく均一に存在し、尚且つ表面処理剤が原紙内部まで浸透せず、表面で強固な皮膜を形成するため、より不透明度、表面強度が高く、印刷作業性に優れた印刷用紙を得ることができ好ましい。
上記酸化澱粉としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム等による酸化反応によって、分子中へのカルボキシル基等の導入が行われたものがあげられる。この酸化澱粉の質量平均分子量としては50万以上100万以下であるとよい。また、上記ヒドロキシエチル化澱粉の質量平均分子量としては120万以上200万以下であるとよい。2種の澱粉の分子量を上記範囲とすることで表面処理剤の粘性を好適な範囲に制御でき、塗布性を高めるとともに、澱粉の紙内部への浸透をより低減させ、不透明度を高く保つことができる。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)を用いて測定した数値である。
酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉の質量平均分子量が上記下限未満の場合は、塗布の際に、紙内部にまでこの澱粉が浸透しやすくなり、その結果、表面強度が十分に向上しない場合がある。逆に、これらの質量平均分子量が上記上限を超える場合は、粘性が高まり、塗布性が低下するおそれがある。
上記酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉の含有比は、質量基準で1:9以上9:1以下が好ましく、5:5以上7:3以下がさらに好ましい。2種の澱粉の含有比を上記範囲とすることで、好適な粘度に調製することができ、また、上述のエステル化反応等が効率的に進行することができると考えられ、その結果、澱粉の紙内部への浸透を抑え不透明度を高く保ち、表面に強固な被膜を形成することで紙粉などの印刷適性に優れた印刷用紙ができこのましい。
上記表面処理剤には、上記2種の澱粉以外に適宜、他の澱粉、PVA(ポリビニールアルコール)、ポリアクリルアミド、消泡剤、耐水化剤、表面サイズ剤、防腐剤等を含有することができる。これらの中でも、サイズ性を向上させるため、表面サイズ剤が含有されるとよい。
この表面サイズ剤としては、公知のものが用いられ、例えば、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ロジン等を使用することができるが、高いサイズ性、オフセット輪転印刷におけるインクとの相性、及び填料の脱落防止効果の点から、スチレン系サイズ剤が好ましい。酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉の含有比が質量基準で1:9以上9:1以下の澱粉に表面サイズ剤として、スチレン系サイズ剤を用いると、より澱粉を均一に塗工でき、表面強度を向上させ、填料の脱落を防止できるとともにスチレン系サイズ剤が紙表面に留まり、サイズ効果が高くなり好ましい。
酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉合計の澱粉に対するスチレン系サイズ剤の配合比は、固形分で澱粉100質量部に対し、スチレン系サイズ剤5〜30質量部が好ましい。スチレン系サイズが5質量部を下回ると、紙のサイズ性及び表面強度の向上が充分に得られにくく、30質量部を上回ると、コスト高となったり、不透明度やインク乾燥性の低下を招くおそれがある。
スチレン系サイズ剤としては、スチレンアクリル酸共重合体、スチレン(メタ)アクリル酸共重合体(なお、(メタ)アクリル酸は、「アクリル酸、及び/又はメタクリル酸」を意味する。)、スチレン(メタ)アクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンマレイン酸半エステル共重合体、スチレンマレイン酸エステル共重合体等を挙げることができる。
上記表面処理剤のB型粘度としては、5cps以上80cps以下がよく、10cps以上40cps以下がさらに好ましい。当該印刷用紙によれば、塗布の際の表面処理剤の粘度を上記範囲とすることで、塗布性をさらに高めることができるとともに、澱粉の紙内部への浸透をより低減させ、不透明度の低下を防止することができる。表面処理剤の粘度が上記下限未満の場合は、塗布の際に澱粉等を含むこの表面処理剤が紙内部にまで浸透しやすく、その結果、表面強度の高い印刷用紙を得られにくくなる場合がある。逆に、この濃度が上記上限を超えると塗布時の作業性が低下したり、均一な塗布が困難になったりするおそれがある。
表面処理剤の塗布量としては、紙の表面強度を充分に向上させるためには、原紙の表裏面に片面あたり乾燥質量で0.1〜2.0g/m、さらには0.3〜1.5g/mの量で塗布されていることが好ましい。0.1g/mを下回ると澱粉等による充分な被膜を得ることが困難となり、充分な紙の表面強度が得られない場合がある。一方2.0g/mを上回ると、塗布設備周辺に澱粉など表面処理剤のミストが多量に発生し、周辺機器を汚損するとともに、汚れに起因する断紙、用紙の欠陥が生じる恐れがある。
<品質等>
当該印刷用紙の灰分は、5%以上13%以下であり、7%以上12%以下がさらに好ましい。当該印刷用紙は、上記範囲の灰分とすることで、軽量化した場合も紙力の低下を抑え、不透明度と印刷適性とを共に高めることができる。灰分が上記下限より小さいと不透明度が低くなるおそれがあり、逆に、灰分が上記上限を超えると不透明度は高くなるものの、パルプ繊維間の密着性が低下し、紙の強度が低下するおそれがある。本発明では、填料として、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える複合粒子を用いることで、粒子径の小さい粒子が柔軟に凝集化されているため、抄紙の際に繊維間に留りやすく、歩留りが向上すると共に、柔軟な性状により紙力の低下も少ないため、填料として軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムのみを用いた場合に比べ、引張り強度が高く、灰分を低くしても不透明性に優れた印刷用紙を得ることができ好ましい。
当該印刷用紙の坪量の下限は、軽量化、例えば高速輪転印刷における紙質強度の確保、印刷不透明度の確保という点から、JIS−P8124に記載の「坪量測定方法」に準拠して測定して、37g/mであり、40g/mが好ましい。一方、軽量化の点から、係る坪量の上限は49g/mであり、さらには46g/mが好ましい。坪量が上記下限未満では、例えば高速オフセット輪転印刷機における強度確保が困難であり、上記上限を超えると、近年の軽量化、省資源に逆行することとなる。
当該印刷用紙の白紙不透明度は、裏抜けが発生し難いという点から高いものが求められるが、JIS−P8149に記載の「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に準拠して測定した下限として90%であり、92%が好ましい。また、白紙不透明度の上限としては、96%であり、95%が好ましい。白紙不透明度が上記下限未満であると裏抜けが生じやすくなる。逆に、白紙不透明度が上記上限を超えると、必要な填料が増大し、その結果、パルプ繊維間の密着性が低下し、印刷用紙の強度が低下する。
当該印刷用紙の印刷不透明度は、印刷時の裏抜けが発生し難いという点から高いものが求められるが、JAPAN TAPPI No.45に準拠して測定した下限として89%であり、91%が好ましい。また、印刷不透明度の上限としては、96%であり、95%が好ましい。印刷不透明度が上記下限未満であると裏抜けが生じやすくなる。逆に、印刷不透明度が上記上限を超えると、必要な填料が増大し、その結果パルプ繊維間の密着性が低下し、印刷用紙の強度が低下したり、紙表面からの填料の脱落によって印刷時の紙紛が増加したりするだけでなく、製造工程におけるマシン系内の汚れが増大し操業性を悪化させる。
当該印刷用紙の白色度は、購読者の眼精疲労をきたさないように、JIS−P8212に記載の「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準拠して測定して、52%以上57%以下が好ましく、53%以上56%以下がさらに好ましい。
<印刷用紙の製造方法>
当該印刷用紙は、公知の製造方法によって製造することができる。
まず、上述のようにパルプスラリーを調整して抄紙して、原紙を得る。このパルプスラリーには、上記填料の他、例えば澱粉類、ポリアクリルアミド、エピクロルヒドリン等の紙力増強剤、ロジン、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無水コハク酸)、中性ロジン等の内添サイズ剤、硫酸バンド、ポリエチレンイミン等の凝結剤、ポリアクリルアミドやその共重合体等の凝集剤などを含有することができる。
上記抄紙により得られた新聞用原紙の両面に、通常表面処理剤を塗布される。表面処理剤の塗布には、製紙分野で一般に使用されている塗布装置、例えばサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ブレードコータ、バーコータ、ゲートロールコータ、ロッドコータ、エアナイフコータ等を用いることができる。
上記表面処理剤の塗布の際の原紙の温度としては、35℃以上85℃以下が好ましく、40℃以上75℃以下がさらに好ましい。このような比較的高温の原紙の両面に表面処理剤を塗布することで、表面処理剤が原紙と接触した際に、2種の澱粉の結合反応等が生じることなどによって、紙内部の澱粉の浸透が抑えられ、表面に薄く高強度の被膜を形成することができる。原紙の温度が上記下限未満の場合は、澱粉が内部まで染み込みやすくなり、表面強度を十分に高めることができない場合がある。逆に、この温度が上記上限を超えると、塗布性が低下し、均一な被膜を形成できないおそれがある。
表面処理剤を塗布し、乾燥した後には、一般に印刷適性(例えば、高平滑や高光沢)を付与する目的で、カレンダに通紙して加圧仕上げが施される。この場合のカレンダ装置としては、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトコンパクトカレンダなどの金属またはドラムと弾性ロールの組み合わせになる各種カレンダが、オンマシン又はオフマシン仕様で適宜使用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<製造例1>複合粒子1の製造
重質炭酸カルシウム(0.021μmから2,000μmの範囲を132対数分割して測定した粒度分布において最頻値を占める粒子の頻度割合(頻度割合A)4.8%、体積平均粒子径1.6μm)のスラリー(濃度20質量%)10,000kgを撹拌機付タンクに入れ、撹拌しながら珪酸ナトリウム水溶液(3号珪酸ナトリウム:SiO濃度29wt/wt%、NaO濃度9wt/wt%)770kgを添加して、表1に記載の珪酸分と(SiO換算)と炭酸カルシウムの固形分比とし、希釈水を加え、珪酸アルカリと重質炭酸カルシウムからなるスラリーの濃度を10質量%に調製した。スラリーの撹拌は公知のミキサーを使用した。次に加熱撹拌して、スラリーの液温を89℃に調製した。その後、稀硫酸(1規定)を表1の反応終了pHになるまで表1に示す鉱酸添加時間で添加し、重質炭酸カルシウムとシリカの複合粒子1を得た。得られた複合粒子1の体積平均粒子径は4.0μmであった。
<製造例2〜13及び製造比較例1〜4>複合粒子2〜13及び複合粒子i〜ivの製造
表1に記載の一次粒子の体積平均粒子径(μm)、頻度割合A(%)を有する重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウムを用い、表1に記載の珪酸分(SiO換算)と炭酸カルシウムの固形分比、鉱酸(稀硫酸)添加時間、反応液温度を調整したこと以外は、実施例1と同様な作業を行い、製造例2〜13の複合粒子2〜13及び製造比較例1〜4の複合粒子i〜ivを得た。なお、粒子vは市販の軽質炭酸カルシウム、粒子viは市販の重質炭酸カルシウム、粒子viiは市販のホワイトカーボンをそれぞれ分級し調整したシリカ被覆をしていない粒子である。
なお、表1に反応開始pH、反応液温度(℃)及び得られた複合粒子の平均粒子径(μm)、0.021μmから2,000μmの範囲を132対数分割して測定した粒度分布において最頻値を占める粒子の頻度割合(頻度割合B:%)、吸油度(mL/100g)及びワイヤー磨耗度(mg)を示す。また、測定方法は以下の通りである。
[平均粒子径、頻度割合A及び頻度割合Bの測定]
レーザー回折粒度分布測定装置〔マイクロトラック/日機装社〕(型番:MT−3300)を使用し、50%体積平均粒子径(μm)、頻度割合A(%)及び頻度割合B(%)を測定した。測定試料の調製は、0.1%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液に粒子を添加し、超音波で1分間分散した。
[シリカ含有量]
蛍光X線分析装置(RIGAKU SYSTEM3080E2)により成分分析を行い、カルシウムの酸化物換算割合とケイ素の酸化物換算割合とから、シリカ含有量(質量%)を算出した。
[複合粒子の吸油度]
JIS−K5101記載の練り合わせ法に準じて測定した。すなわち105℃〜110℃で2時間乾燥した試料2g〜5gをガラス板に取り、精製アマニ油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ試料の中央に滴下しその都度ヘラで練り合わせ、滴下練り合わせの操作を繰り返し、全体が初めて1本の棒状にまとまったときを終点として、精製アマニ油の滴下量を求め、下記式(1)によって吸油度を算出した。
吸油量=[アマニ油量(mL)×100]/紙料(g) ・・・(1)
[ワイヤー磨耗度(mg)]
磨耗度試験装置(日本フィルコン(株)製)を使用し、固形分濃度:5%の填料分散液をポンプ循環させながら、試験条件(加重=650g,ワイヤー=プラスチックワイヤ/SS−40…日本フィルコン社製を使用,試験時間=3時間)で摩耗度試験を行い、減量したワイヤーの重量(mg)をもってワイヤー摩耗度とした。数値が大きい程、ワイヤー摩耗性が大きいことを示す。
Figure 0005762050
<実施例1>印刷用紙の製造
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)5質量%、新聞古紙からなる脱墨パルプ(NDIP)85質量%、及びサーモメカニカルパルプ(TMP)10質量%を配合し、レファイナーでフリーネスを120mL C.S.F(JIS−P8121に準拠)に調整したパルプスラリーを得た。このパルプスラリーに、前述した複合粒子1を印刷用紙の灰分が表2に示す値になるように添加し、硫酸バンドでpHを6〜7に調整後、次いで、絶乾パルプに対し固形分で600ppmのカチオン性ポリマー(BASFジャパン株式会社製「ポリミンPR8150」)を添加して、ツインワイヤー抄紙機で坪量42g/mの基紙を得た。
上記原紙の両面に、表面処理剤として酸化澱粉(日本食品加工社製 質量平均分子量70万)90質量部、ヒドロキシエチル化澱粉(HES:ペンフォード社製 質量平均分子量155万)10質量部を混合した澱粉液にスチレン系サイズ剤(星光PMC株式会社製「SS2712」)を固形分で澱粉100質量部に対しスチレン系サイズ剤を15質量部配合した(固形分濃度6%、B型粘度22cps)。この表面処理剤を表面温度50℃の上記印刷用紙基紙の片面あたり乾燥質量で0.6g/m(両面で1.2g/m)塗工して実施例1の印刷用紙を得た。
<実施例2〜18及び比較例1〜7>複合粒子内添紙の製造
用いた複合粒子、表面処理剤、坪量及び灰分を表2に示すものにした以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2〜18及び比較例1〜7の各印刷用紙を得た。
得られた各印刷用紙の評価結果を表2に示す。なお、各評価は以下の方法にて行った。
[坪量(単位:g/m)]
JIS−P8124(1998)「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[灰分(単位:%)]
JIS−P8251に記載の「紙、板紙及びパルプ−灰分試験方法−525℃燃焼法」に準拠して測定した。
[白紙不透明度(単位:%)]
JIS−P8149(2000)「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」に準拠して測定した。
[印刷不透明度(単位:%)]
JAPAN TAPPI No.45に準拠し、測定機器ISO白色度計(スガ試験機社製)を用いて測定した。
[白色度(単位:%)]
JIS−P8212「パルプ−拡散青色光反射率(ISO白色度)の測定方法」に準拠して測定した。
[引っ張り強度(縦)(単位:kN/m)]
JIS−P8113に記載の「定速伸長形引張試験方法」に準拠し測定した。
引っ張り強度(縦)が2kN/m未満では、印刷時に断紙などのトラブルが生じるおそれがある。
[インキ着肉性]
オフセット印刷機(型番:小森SYSTEMC−20、(株)小森コーポレーション製)を使用し、新聞インキ(商品名:ニューズゼットナチュラリス(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)にて連続10000部の印刷を行った。得られた印刷物について、画像の鮮明さ及び濃淡ムラを目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
5:画像が鮮明で濃淡ムラが全くなく、インキ着肉性に優れる。
4:画像が鮮明で濃淡ムラが殆どなく、インキ着肉性が良好である。
3:一部に、画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがあり、インキ着肉性が良好でない部分がある。
2:画像が不鮮明な箇所及び濃淡ムラがあり、インキ着肉性が良好でない。
1:全体的に、画像が不鮮明で濃淡ムラが著しく、インキ着肉性に劣る。
なお、上記評価基準のうち、3以上を実使用可能と判断する。
[紙粉パイリング]
オフセット輪転印刷機(型番:LITHOPIA BTO−4、三菱重工業社製)を使用して50連巻きの新聞用紙にて両出し10万部の印刷を行い、印刷紙面のカスレとブランケット非画像部における紙粉の発生及び堆積の有無を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
5:紙面カスレと紙粉の発生が全く認められない。
4:紙面カスレがわずかに認められるがブランケット上での紙粉の堆積は全く認められない。
3:紙面カスレの発生が部分的に認められ、ブランケット上にも紙粉が部分的に堆積している。
2:紙面カスレの発生が認められ、ブランケット上にも紙粉が堆積している。
1:紙面カスレとブランケット上での紙粉の堆積が著しい。
なお、上記評価基準のうち、3以上を実使用可能と判断する。
Figure 0005762050
上記表2に示されるように、本発明の印刷用紙は、白紙不透明度及び印刷不透明度にともに優れる。また、本発明の印刷用紙は、引っ張り強度、インキ着肉性及びブランケット紙粉パイリングの各評価においても優れている。
本発明の印刷用紙は、新聞用紙等として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 填料が内添された印刷用紙であって、
    上記填料として、炭酸カルシウム粒子とこの炭酸カルシウム粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシリカとを備える複合粒子を含み、
    上記複合粒子の平均粒子径が2μm以上15μm以下であり、
    上記複合粒子の0.021μmから2,000μmの範囲を132対数分割して測定した粒度分布において、最頻値の頻度割合が3%以上12%以下であり、
    白紙不透明度が90%以上96%以下、印刷不透明度が89%以上96%以下であり、
    上記複合粒子のシリカの含有率が2質量%以上30質量%以下であることを特徴とする印刷用紙。
  2. 上記炭酸カルシウム粒子の粒度分布における最頻値の頻度割合が、上記複合粒子の粒度分布における最頻値の頻度割合より小さい請求項1に記載の印刷用紙。
  3. 灰分が5%以上13%以下である請求項1又は2に記載の印刷用紙。
  4. 上記炭酸カルシウム粒子が、重質炭酸カルシウム粒子である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の印刷用紙。
  5. 両面に表面処理剤が塗布されており、
    上記表面処理剤が酸化澱粉及びヒドロキシエチル化澱粉を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷用紙。
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