JP4058155B2 - インクジェット記録シート及びその製造方法 - Google Patents

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    • Y10T428/259Silicic material

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録シート及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、インクの吸収性が良く、ドットの径が小さく、ドットの形状が真円に近く、画質が鮮明で高精細である上に、耐水性に優れ、粉落ちの少ない塗層強度の大きなインクジェット記録シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像、文字などの記録を行うものであり、高速で低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要、などの特長があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途に急速に普及している。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用される記録シートとして、通常の印刷や筆記に使われている上質紙やコート紙を使うことができるように、装置やインクの面から種々の努力がなされてきた。しかし、印字の高速化・フルカラー化・写真ライクの高精細化などのインクジェット記録装置の性能の向上と用途の拡大が進み、画像品質の高級感が求められるようになり、記録シートに対しても次のような高度な特性を併せ持つことが要求されるようになった。
(1)通常記録装置で記録する際の搬送性に優れていること。
(2)表面に記録した画像の裏抜け、コックリングが防止され、広範囲の温湿度条件下で高品位記録画像が得られること。
(3)記録ドット濃度、画像濃度が高いこと。
(4)画像色彩性、鮮明性が良いこと。
(5)印字ドットの形状が良いこと。
(6)インク吸収性が良いこと。
(7)記録画像の耐水性、耐光性、耐オゾン性などの画像保存性が良いこと。
(8)コートタイプ記録シートでは、塗工層の接着性が高く、粉落ちが少ないこと。
(9)記録シートそのものの黄変が起こりにくいこと。
(10)単色部でのドット径と比較して、重色部でのドット径がほぼ変わらず、重色部での滲み出しがほとんどなく、高精細な記録画像が得られること。
【0004】
上記した特性を全て併せ持つインクジェット記録シートは、多孔性合成非晶質シリカ等の吸収性に優れた白色無機質顔料をインク受理層中の主成分とするコートタイプのインクジェット記録シート、すなわちインクジェット記録専用紙でのみ可能である。ドットの密度が360ドット/インチ、720ドット/インチ、更にそれ以上の高精細になるほど、ドット径は小さい方が好ましいので、インク受理層に含まれる非晶質シリカ等の白色無機質顔料は粒子径の小さいものが使用される。このような高精細化のインクジェット記録シートでは、ドット径が大きくなるほど重色部での滲み出しが多くなり、記録画像の鮮明さが低下する。また、高精細化したインクジェット記録シートでは、画像品質の高級感が最も重要視される。非晶質シリカの吸収性が変化するとインクジェット記録シートの画像品質に大きく影響し、インク打ち込み量の多い高精細画像では、非晶質シリカの吸収性が低下していると重色部での滲み出しが多くなり画像品質が大きく低下するという問題があった。
【0005】
高精細化したインクジェット記録シートでは、粒子径の小さい非晶質シリカがインク受理層に含まれるため、接着剤としてインク受理層に配合される水溶性バインダーが非晶質シリカの細孔に捕捉されるため、インク受理層の接着強度と表面強度、耐水性が低下するという欠点があった。表面強度が低下するとインクジェット記録シートのインク受理層から粉が脱落する粉落ちが多くなり、断裁作業、巻き取り作業でカッターの刃に粉がたまり作業の支障となったり、プリンターの送りロールなどに紙粉がたまり走行不良を起こしたり、手紙等の用途で記録済みのシートを折って封筒に詰めるときに折り目から粉が落ちるなど支障が出やすい。また、粉落ちを抑制するため接着剤量を増すことにより、吸収性が低下し、記録画像の鮮鋭性が低下するという問題があった。
【0006】
また、インク受理層の耐水性が低下すると、印字直後にインクジェット記録シートが濡れた状態で重なり合うと、摩擦によって塗層が剥げるという問題もあった。この様に、高精細化したインクジェット記録シートの製造に於いて、印字の記録画像の重色部の滲み、粉落ち、耐水性の低下と、技術的な課題は多かった。
【0007】
上記の技術的な課題を克服するために、これまで様々な手法がとられてきた。例えば、特開平9−263040号公報では、インク受理層にコロイダルシリカと珪酸ソーダを特定の比率で含有することにより、塗層強度を上げて粉落ちを防止している。しかし、珪酸ソーダの様なアルカリを添加することによって、非晶質シリカの細孔表面が溶解し、乾燥時析出して細孔が詰まり、インク吸収性が低下し印字の滲みが出やすくなるという問題があった。また、アルカリの添加により非晶質シリカが溶解することによって塗工液の粘度が異常に高くなり、調液が不可能となるという製造上の問題もあった。
【0008】
このように、インクジェット記録シートのインク受理層の表面強度を上げるため、非晶質シリカにアルカリを併用することは知られていたが、非晶質シリカの細孔表面の安定化については従来技術には触れられてこなかった。即ち、非晶質シリカは、製造後の経時日数や保存時の温湿度環境によって細孔表面の状態が変化するため、インク吸収性が変化して印字の滲みが生じたり、調液時に塗工液が増粘するということが従来技術では顧みられなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非晶質シリカが製造後の経時日数や保存時の温湿度環境によって受ける画像品質の変化の原因を解明し、細孔表面の安定化を図り、インク吸収性を安定させることにより、印字の滲みのない高精細な記録画像の得られるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。更に、アルカリを添加しても塗工液の増粘や印字の滲みが生じることなく、粉落ちや耐水性が改善されたインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、インクジェット記録シートについて種々検討を重ねた結果、支持体の少なくとも一方の面にインク受理層を有するインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層が、固形分濃度19重量%でpH11の分散スラリーに調製された後乾燥された固形状態で、細孔半径が40オングストロームから60,000オングストロームまでの累積細孔容積が0.80〜2.00ml/gの非晶質シリカを含有することにより、吸収性が安定し、印字の滲みのないインクジェット記録シートを提供することが可能であることを見出した。また、該インク受理層の細孔容積が0.80ml/g以上であり、かつ、該インク受理層の細孔半径5,000〜50,000オングストロームにおける細孔容積が0.40ml/g以上とすることにより、吸収性が安定し、印字の滲みのないインクジェット記録シートを提供することが可能であることを見出した。特に、非晶質シリカとしては、二次平均粒子径2.0〜8.0μm、BET比表面積250〜400m2/g、吸油量270〜310cc/100g、嵩比重100〜250g/lであると更に好ましい。インク受理層は、アルカリ金属の水酸化物の少なくとも1種類を含有する方が好ましい。
【0012】
このようなインクジェット記録シートの製造方法としては、二次平均粒子径2.0〜8.0μm、BET比表面積250〜400m2/g、吸油量270〜310cc/100g、嵩比重100〜250g/lの非晶質シリカを、▲1▼自然経時で10日以上放置、▲2▼温度50〜70℃の環境下で3日以上放置、▲3▼湿度60〜80%の環境下で3日以上放置、▲4▼温度50〜70℃、湿度60〜80%の環境下で2日以上放置、の少なくとも1つの方法で処理した後、分散スラリーを調製し、支持体上に塗布してインク受理層を設けるのが好ましい。
【0013】
本発明におけるインク受理層の細孔容積と細孔半径は、インクジェット記録シートからインク受理層のみを剥離し、この剥離されたインク受理層を水銀ポロシメーターで測定した値である。本発明で、細孔半径の範囲を指定しない場合の細孔容積とは、細孔半径が40オングストロームから60,000オングストロームまでの累積細孔容積のことである。
【0014】
本発明のインクジェット記録シートに於いて、インク受理層の細孔容積が0.80ml/g未満、または、細孔半径5,000〜50,000オングストロームにおける細孔容積が0.40ml/g未満であると、インクの吸収性が悪くインク量の多い重色部で溢れが生じる。
【0015】
本発明のインク受理層は、通常公知の白色顔料を含有し、また、アルカリ、酸性型コロイダルシリカ、水性高分子バインダー、カチオン性染料定着剤、その他添加剤を含有しても良い。
【0016】
白色顔料としては、例えば、非晶質シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の白色有機顔料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が混合されて使用されても良い。これらの白色顔料の中でも、インク受理層の主成分としては多孔性の非晶質シリカ、炭酸マグネシウムやアルミナ等のような多孔性白色無機顔料が好ましく、特に細孔容積の大きい多孔性の非晶質シリカが最も好ましい。
【0017】
このような細孔容積の大きい多孔性の非晶質シリカとしては、湿式ゲル法、湿式沈降法、湿式セミゲル法と製法は多様であるが、特に、湿式沈降法で製造したシリカが好ましい。例えば、水澤化学工業(株)のミズカシル、(株)トクヤマのファインシール、塩野義製薬(株)のカープレックス、日本シリカ工業(株)のニップシールなどの商品群やその一部を変性したものが挙げられる。
【0018】
非晶質シリカの細孔容積は、水に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、非晶質シリカの順で添加し、濃度19%、pH11の分散スラリーを調製した後乾燥して固形状態とし(以下、この分散スラリーを固形状態にする処理をpH11の分散スラリー処理と略記する)、これを水銀ポロシメーターでインク受理層の場合と同様にして測定した値である。
【0019】
本発明のインクジェット記録シートに於いて、インク受理層に含まれる非晶質シリカの細孔容積が、pH11の分散スラリー処理後に0.80ml/g未満では、処理前の粉体の細孔容積が0.80ml/g以上であるにも拘わらず、アルカリによってシリカの細孔表面が溶出し、それによってスラリーがゲル化し易くなりスラリーの粘度の上昇や分散不良が生じる。また、溶解したシリカが乾燥時に細孔内部に析出し細孔閉塞を起こし細孔容積が小さくなるため、インクジェット記録シートにした時インク吸収性が不足して、インク量の多い重色部で溢れが生じ、画像品位が著しく低下する。一方、pH11の分散スラリー処理後の非晶質シリカの細孔容積が2.0ml/gを超えると、インクの吸収容量が大きくインクジェット記録シートとしては好ましいが、調液時の分散水も良く吸収するため、同一液濃度では分散に寄与する自由水が少なくなるため粘度上昇が生じ、結果として液濃度を下げざるを得なくなる。その結果、ウェット塗工量が増し塗工後のセット性が遅くなり、塗工ムラが生じやすくなるので好ましくない。従って、pH11の分散スラリー処理後の非晶質シリカの細孔容積は0.80〜2.00ml/g、最も好ましくは1.00〜1.20ml/gの範囲であり、このような非晶質シリカを使用することにより、インクジェット記録シートのインク吸収性や分散スラリーの粘度が最適となる。
【0020】
更に、本発明で使用する非晶質シリカは、二次平均粒子径2.0〜8.0μm、BET比表面積250〜400m2/g、吸油量270〜310cc/100g、嵩比重100〜250g/lで、粒度分布のシャープなものが好ましい。
【0021】
製造直後の非晶質シリカを、本発明のpH11の分散スラリー処理にて細孔容積が0.80〜2.00ml/gの非晶質シリカとするための後処理方法について説明する。合成後粉砕、分級して二次平均粒子径2.0〜8.0μm、BET比表面積250〜400m2/g、吸油量270〜310cc/100g、嵩比重100〜250g/lの非晶質シリカを製造後、これを、▲1▼10日以上自然経時させる、▲2▼温度50℃以上の環境にて3日間以上加温させる、▲3▼湿度60%以上の環境にて3日以上加湿させる、あるいは、▲4▼温度50℃以上・湿度60%以上の環境にて2日以上加温加湿させるなどの後処理をする。ここで、自然経時とは、通常の室温の無加湿の条件下で、放置することを意味する。これらの後処理のうち、加温と加湿を同時に行なう加温加湿処理が最も早く細孔容積が増加するので好ましい。
【0022】
非晶質シリカを自然経時させるか加温・加湿処理を行うと、細孔容積が増加する理由を考察する。シリカ表面には、最も内側にシラノール基(−Si−OH)、その外側に結合水、更にその外側に吸着水が配置されていると言われている。乾燥後分級して製造した直後の非晶質シリカは、破断面が表面に出るため、シリカのコア(−O−Si−O−)が剥き出しになっており、シラノール基が形成されておらず、結合水あるいは吸着水がその表面に配置していないことが考えられる。従って、製造直後の非晶質シリカの分散スラリーにアルカリを添加すると、シリカ表面が容易に溶出し、乾燥時にこれが細孔に析出し細孔閉塞を起こしたりする。シリカ表面がシラノール基、結合水、吸着水の3層構造で安定化するには、自然経時あるいは加温・加湿処理によって、非晶質シリカの製造直後の破断面に水分を与えることによって実現されると考えられる。
【0023】
本発明に於いて、インク受理層はアルカリを含まなくても、印字が滲まない画像品位の優れたインクジェット記録シートを提供することが出来るが、粉落ち・耐水性を改善するため、アルカリとしてアルカリ金属の水酸化物を添加するのが好ましい。非晶質シリカに、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)等のアルカリ金属の水酸化物を添加することによって、アルカリ水和イオンと非晶質シリカの表面のシラノール基の水素結合を介して、非晶質シリカの粒子同士が結合し、塗層の表面強度が向上するので、インクジェット記録シートの塗層の粉落ちが少なくなり、また塗層の耐水性も向上する。
【0024】
本発明で用いられる非晶質シリカの分散スラリーを、濃度16〜20%、pH6.0〜11.6において、粘度40〜300cpsと規定した理由を述べる。pH6.0はアルカリを添加しないときの非晶質シリカの分散スラリーのpHであり、下限値である。pH11.6を超えると、非晶質シリカがアルカリによって溶解し、乾燥時に析出するため細孔容積は小さくなったり、分散スラリーの粘度が非常に高くなってゲル化したり分散不良を起こすので好ましくない。また、分散スラリーの粘度が40cps未満では塗工ムラとなり易く、300cpsを超えると、ゲル化したり、分散しにくいため好ましくない。一般に、アルカリの添加によって非晶質シリカの分散スラリーの粘度は上昇するので、スラリー濃度を調節して粘度40〜300cpsの範囲に収めることが必要である。濃度20%を超えると、ゲル化や分散不良を起こすので好ましくない。一方、濃度16%未満では、粘度が40cps未満となって塗工ムラとなるので好ましくない。
【0025】
本発明のインク受理層中の白色顔料を接着する水性高分子バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系(共)重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;あるいはこれらの各種(共)重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性(共)重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂を挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。これらの水性高分子バインダーのうち、接着力の点から、ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。このような水性高分子バインダーは、白色顔料100重量部に対して、10〜100重量部が好ましい。
【0026】
カチオン性染料定着剤としては、水に溶解したときに解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーを挙げることができ、好ましくは、オリゴマーまたはポリマーである。特に、コロイド滴定法によるカチオン荷電量が、1〜10meq./gのカチオン性染料定着剤が好ましい。1meq./g未満では、水性インク中の水溶性染料の定着性能が劣り、記録画像の耐水性が低下する。また、10meq./gを超えた場合には、少量で記録画像の耐水性を向上できるが、記録画像の耐光性や耐オゾン性が劣り、記録シートが黄変しやすくなる。従って、カチオン性染料定着剤は、インクジェット記録シートに0.1〜5g/m2、カチオン荷電量とし て0.1〜50meq/m2含まれていることが好ましい。
【0027】
本発明におけるインクジェット記録シートは、インク受理層中に酸性型コロイダルシリカを含有しても良い。酸性型コロイダルシリカは、白色顔料100重量部に対して10〜50重量部含まれていることが好ましく、更に好ましくは20〜50重量部である。
【0028】
本発明に用いられる支持体としては、木材パルプを主成分とする紙、ポリエステルフィルムやポリオレフィン等からなるフィルムや合成紙、または、紙にポリオレフィン樹脂を被覆した樹脂被覆紙などを挙げることができる。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダーおよびサイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を使用することが可能である。また、内添サイズ剤の添加または無添加、中性サイズ剤、ポリマーサイズ剤、酸性サイズ剤等のサイズ剤の単独または併用使用、填料の含有または非含有のいずれでも良く、サイズプレスの有無でも何等制限はない。紙支持体の内添填料は、白色顔料として従来公知の顔料が単独あるいは併用して用いられる。
【0029】
本発明のインクジェット記録シートの作製方法としては、例えば、パルプ繊維を離解してスラリーとした後、必要に応じて填料やサイズ剤、他の添加剤を添加し、このスラリーを抄紙機で抄造後乾燥させてシートとし、マシンカレンダーをかけて支持体を作製する。または、抄造後乾燥させたシートに、必要に応じて澱粉や高分子物質等の水溶性物質をサイズプレスして再び乾燥後、マシンカレンダーをかけて支持体を作製する。次いで、この支持体上に、白色顔料・アルカリ・水性高分子バインダー・カチオン性染料定着剤・その他添加剤を含有するインク受理層の塗工液を調製し、これをオンマシンコーターやオフマシンコーター等の塗工装置やサイズプレス装置のいずれで塗工しても良い。塗工後、さらにカレンダー仕上げを行う。
【0030】
本発明において、インク受理層の塗工量には特に制限はないが、乾燥塗工量で5〜15g/m2の範囲が望ましい。インク受理層の塗工量が5g/m2未満であると画像濃度、色彩性、鮮明性が低く、フェザリングが発生する場合がある。塗工量が15g/m2を超えると塗工後の乾燥負荷が高まり、塗工速度の低下に伴 う生産性の低下ばかりでなく、高負荷の乾燥ではインク受理層中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を減少させ、記録時のインク吸収性を阻害し、地汚れなどの発生を生じ好ましくない。但し、塗工量については、本発明においては、特に限定されるものではなく、2回あるいは3回塗工を繰り返してもよい。また両面に塗工しても構わない。
【0031】
本発明のインクジェット記録シートにおける支持体とインク受理層には、この他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、染料等を必要に応じて適宜配合することもできる。
【0032】
本発明でいうインクとは、着色剤、溶媒、その他の添加剤からなる記録液体である。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料あるいは着色顔料が挙げられる。その他の添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤および防錆剤が挙げられる。なお、本発明のインクジェット記録シートに於いて、油性インク、いわゆる疎水性有機溶媒を含む染料インクあるいは顔料インクで記録しても構わない。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り重量部および重量%を示す。
【0034】
<支持体の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP67部、濾水度450mlCSFのNBKP8部からなるパルプスラリーに、カチオン澱粉0.6部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部、アルキルケテンダイマー0.1部を添加して、パルプスラリーのpHを8.2に調節し、長網抄紙機で抄造後乾燥し、続けて酸化澱粉水溶液を固形分で両面5g/m2となるようにサイズプレスで含浸、乾燥し、さらにマシンカレンダー仕上げをして、坪量75g/m2のインクジェット記録シート用の支持体を作製した。得られた支持体のステキヒトサイズ度は20秒であった。
【0035】
<非晶質シリカの調製>
湿式沈澱法によって、非晶質シリカの製造を行った。珪酸ソーダと硫酸、水を混合し100℃以下で反応させ、その後、濾過・水洗・乾燥・粉砕・分級を経て、二次平均粒子径4.0μm、BET比表面積290m2/g、吸油量270cc/100g、嵩比重150g/lの非晶質シリカを得た。
【0036】
<非晶質シリカの後処理>
後処理例1〜17
上で製造した非晶質シリカの後処理を、4種の環境下で放置時間を変えて17例実施した。後処理の環境は、製造直後の非晶質シリカを、
▲1▼室温、無加湿の環境下で放置する(以後、自然経時という)
▲2▼50〜70℃、湿度20〜30%の環境下で放置する(以後、加温処理という)
▲3▼20〜40℃、湿度60〜80%の環境下で放置する(以後、加湿処理という)
▲4▼50〜70℃、湿度60〜80%の環境下で放置する(以後、加温加湿処理という)
の4種である。表1に後処理例1〜17の放置日数を示した。
【0037】
<後処理後の非晶質シリカのpH11の分散スラリー>
後処理例1〜17で処理後の非晶質シリカについて、下記のようにして、pH11の分散スラリーを調製し、乾燥させて固形状態として細孔容積を測定した。まず、水423部に、濃度25%苛性ソーダ水溶液12部(固形3部)を添加し、pH13のアルカリ水溶液を調製した。その後、非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)添加し撹拌して、総固形分濃度19.0%、pH11.0のスラリーを調製した。次いで、この分散スラリーを乾燥させて固形状態とし、これを水銀ポロシメーター(島津製作所製)で細孔容積と細孔半径を測定した。後処理例1〜17の夫々の非晶質シリカについて、pH11の分散スラリー処理後の細孔容積を表1に示す。
【0038】
実施例1
水423部に濃度25%苛性ソーダ水溶液12部(固形3部)を添加し溶解してpH13とした後、後処理例1の非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)を添加して分散し、まず総固形分濃度19.0%、pH11.0、粘度100cps(B型粘度計)の分散スラリーを調製した。この分散スラリーに、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)30部およびカチオン性染料定着剤(スミレッツレジン1001、住友化学社製)30部を添加し、インク受理層の塗工液を調製した。上で作製した支持体上に、このインク受理層の塗工液をエアーナイフコーターを用いて固形分で10g/m2となるように塗工、乾燥後に加湿処理を行い、さらにスーパー カレンダー仕上げをし、実施例1のインクジェット記録シートを得た。
【0039】
実施例2〜12、参考例1、比較例1〜4
実施例1で使用した後処理例1の非晶質シリカを後処理例2〜17の非晶質シリカに変更した以外は、塗工液の調製・塗工・スーパーカレンダーの全ての条件を実施例1と同様にして、夫々実施例2〜12、参考例1、比較例1〜4のインクジェット記録シートを得た。各分散スラリーの粘度を表2に示した。
【0040】
実施例14
水を419部、濃度25%苛性ソーダ水溶液16部(固形4部)としたこと以外は実施例1と全く同様にして、実施例14のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーの総固形分濃度は19.0%、pH11.6、粘度80cpsであった。
【0041】
実施例15
水を417部、濃度25%苛性ソーダ水溶液18部(固形4.5部)としたこと以外は実施例1と全く同様にして、実施例15のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーの総固形分濃度は19.0%、pH11.8、粘度80cpsであった。
【0042】
実施例16
水539部に濃度38%珪酸ソーダ水溶液(珪酸ソーダ3号、旭電化社製)15.8部(固形6部)を添加し溶解しpH12.6とした後、後処理例1の非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)を添加して分散し、まず総固形分濃度16.0%、pH10.2、粘度40cpsの分散スラリーを調製した。この分散スラリーに、ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製)30部およびカチオン性染料定着剤(ポリフィックス601、昭和高分子社製、カチオン荷電量10meq./g)20部を添加して、インク受理層の塗工液を得た。実施例1で用いたのと同じ支持体上に、このインク受理層の塗工液をエアーナイフコーターを用いて固形分で10g/m2となるように塗工、乾燥後に加湿処理を行い、さらにスーパーカレンダー仕上げをし、実施例16のインクジェット記録シートを得た。
【0043】
実施例17
水532部に濃度38%珪酸ソーダ水溶液(珪酸ソーダ3号、旭電化社製)10.5部(固形4部)を添加し溶解しpH11.5とした後、後処理例1の非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)を添加して分散し、まず総固形分濃度16.0%、pH9.7、粘度160cpsの分散スラリーを調製した。以後の工程は全く実施例1と同様にして、実施例17のインクジェット記録シートを得た。
【0044】
実施例18
水525部に濃度38%珪酸ソーダ水溶液(珪酸ソーダ3号、旭電化社製)5.3部(固形2部)を添加し溶解しpH11.0とした後、後処理例1の非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)を添加して分散し、まず総固形分濃度16.0%、pH9.0、粘度160cpsの分散スラリーを調製した。以後の工程は全く実施例1と同様にして、実施例18のインクジェット記録シートを得た。
【0045】
比較例6
実施例16の後処理例1の非晶質シリカを後処理例14の非晶質シリカに代えた以外は実施例16と全く同様にして、比較例6のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーは、総固形分濃度16.0%、pH10.2、粘度320cpsであった。
【0046】
比較例7
実施例17の後処理例1の非晶質シリカを後処理例14の非晶質シリカに代えた以外は実施例17と全く同様にして、比較例7のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーは、総固形分濃度16.0%、pH9.7、粘度320cpsであった。
【0047】
比較例8
実施例18の後処理例1の非晶質シリカを後処理例14の非晶質シリカに代えた以外は実施例18と全く同様にして、比較例8のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーは、総固形分濃度16.0%、pH9.0、粘度320cpsであった。
【0048】
実施例19
水480部に後処理例1の非晶質シリカ(固形分93%)107.5部(固形100部)を添加して分散し、まず総固形分濃度17.0%、pH6.6、粘度200cpsの分散スラリーを調製した。以後の工程は全く実施例1と同様にして、実施例19のインクジェット記録シートを得た。
【0049】
比較例9
実施例19の後処理例1の非晶質シリカを後処理例14の非晶質シリカに代えた以外は実施例19と全く同様にして、比較例9のインクジェット記録シートを得た。非晶質シリカの分散スラリーは、総固形分濃度17.0%、pH6.6、粘度350cpsであった。
【0050】
実施例1〜19、参考例1、比較例1〜9で使用した非晶質シリカとアルカリ、および、インク受理層の塗工液を調製した際の非晶質シリカの分散スラリーの濃度、pHおよび粘度を表2〜3に示した。
【0051】
実施例1と12及び比較例1で作製したインクジェット記録シートのインク受理層を剥離し、これを水銀ポロシメーター(島津製作所製)で細孔容積を測定した。累積細孔容積のグラフを図1に示した。
【0052】
上記の様にして作製したすべてのインクジェット記録シートについて、下記のインクジェット記録シートとしての評価項目について試験し、表4と5に結果を示した。
【0053】
〈評価項目〉
(1)印字濃度
各インクジェット記録シートをBJC610Jインクジェットプリンター(キャノン社製)を使用して印字し、ブラックベタ印字部をマクベスRD−918型濃度計を用いて測定した。印字濃度が1.50以上であれば実用上問題なく、更に好ましくは1.70以上である。
【0054】
(2)吸収性
BJC610Jインクジェットプリンターを用いて、イエローのベタ印字部にブラックの文字を印字し、文字の滲み具合を目視で評価した。
A:滲みは殆ど見られず、文字は鮮鋭である。
B:滲みが若干見られるが、文字のつぶれは見られない。
C:滲みによる文字のつぶれが一部に見られる。
AまたはBであれば、実用上差し支えない。
【0055】
(3)粉落ち
インクジェット記録シートのインク受理層上に黒布を置き、その上から20g/cm2荷重をかけ、黒布を一定速度で60cm引っ張ったときの黒布への粉の付着量を目視で評価した。
評価基準
A:粉の付着が殆ど認められない。
B:錘を載せていた部分の一部に粉の付着が認められる。
C:錘を載せていた部分全体に粉の付着が認められる。
AまたはBであれば実用上差し支えない。
【0056】
(4)耐水性
インクジェット記録シートのインク受理層上に水滴を1滴滴下し、指で圧力をかけながら繰り返し5回擦った。この時のインク受理層の剥がれ具合で評価した。
評価基準
A:剥がれが全くない。
B:剥がれが僅かに認められる。
C:剥がれが一見して認められる。
AまたはBであれば実用上差し支えない。
【0057】
(5)塗工ムラ
インクジェットプリンター(BJC−820J:キャノン社製)を使用し、マゼンタインクのベタ印字部のムラで塗工ムラを判定し、下記のAまたはBであれば実用上差し支えないものとした。
A:印字のムラが全くない。
B:印字のムラが若干認められるが目立たないレベル。
C:印字のムラにより濃淡が目立つレベル。
【0058】
【表1】
Figure 0004058155
【0059】
【表2】
Figure 0004058155
【0060】
【表3】
Figure 0004058155
【0061】
【表4】
Figure 0004058155
【0062】
【表5】
Figure 0004058155
【0063】
【発明の効果】
図1に示したインク受理層の累積細孔容積図より、実施例1(細孔容積0.95ml/g、細孔半径5,000〜50,000Åにおける細孔容積0.44ml/g)および12(同1.02ml/g、0.54ml/g)のインクジェット記録シートは、インク受理層の細孔容積が0.80ml/g以上であり、かつ、インク受理層の細孔半径5,000〜50,000Åにおける細孔容積が0.40ml/g以上であることがわかる。一方、比較例1(同0.77ml/g、0.38ml/g)のインクジェット記録シートではこの条件を満足していない。表4をみると、実施例1と5のインクジェット記録シートは、比較例1のインクジェット記録シートに比べて、明らかに印字濃度とインク吸収性に優れていることがわかる。
【0064】
また、表4の実施例1〜12、参考例1と比較例1〜4の結果を比較すると、本発明のpH11で分散スラリーに調製された後乾燥された固形状態で、細孔容積0.80〜2.00ml/gの非晶質シリカを含有するインクジェット記録シートは、印字濃度とインク吸収性が優れていることが明らかである。また、実施例1〜12、参考例1と比較例1〜4で使用した非晶質シリカの後処理条件(表1)から、非晶質シリカを自然経時、加温条件、加湿条件または加温加湿条件で保存することにより、非晶質シリカの細孔容積を調節することができ、これにより画像品質の良好なインクジェット記録シートが得られたことが分かる。
【0065】
更に、全実施例、参考例および比較例から、水・非晶質シリカあるいは水・アルカリ・非晶質シリカの混合系で、濃度16〜20%、pH6.0〜11.6の分散スラリーに調製された際、分散スラリーの粘度が40〜300cpsであると、塗工液の増粘による塗工ムラ(従って、印字ムラ)もなく、画像品質が良好であったことがわかる。ただし、参考例1のように、細孔容積が大きくなりすぎて2.00ml/gを超えると、塗工液の粘度が低下し、流動性が大きくなってわずかながらも塗工ムラが発生していることが分かる。
【0066】
また、実施例19や比較例9ではアルカリが添加されていないため、粉落ちやインク受理層の耐水性が劣っており、アルカリの添加によって非晶質シリカの接着が強固になり、粉落ちと耐水性が改善されていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク受理層の累積細孔容積図

Claims (8)

  1. 支持体の少なくとも一方の面にインク受理層を有するインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層が、固形分濃度19重量%でpH11の分散スラリーに調製された後乾燥された固形状態で、細孔半径が40オングストロームから60,000オングストロームまでの累積細孔容積が0.80〜2.00ml/gの非晶質シリカを含有することを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 該インク受理層が主成分として該非晶質シリカを含有し、該インク受理層の細孔容積が0.80ml/g以上であり、かつ、該インク受理層の細孔半径5,000〜50,000オングストロームにおける細孔容積が0.40ml/g以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
  3. 非晶質シリカが、二次平均粒子径2.0〜8.0μmであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録シート。
  4. 非晶質シリカが、BET比表面積250〜400m2/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  5. 非晶質シリカが、吸油量270〜310cc/100gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  6. 非晶質シリカが、嵩比重100〜250g/lであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  7. インク受理層が、アルカリ金属の水酸化物の少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
  8. 請求項1記載のインクジェット記録シートの製造方法であって、二次平均粒子径2.0〜8.0μm、BET比表面積250〜400m2/g、吸油量270〜310cc/100g、嵩比重100〜250g/lの非晶質シリカを、自然経時で10日以上放置、温度50〜70℃の環境下で3日以上放置、湿度60〜80%の環境下で3日以上放置、温度50〜70℃、湿度60〜80%の環境下で2日以上放置、の少なくとも1つの方法で処理した後、分散スラリーを調製し、支持体上に塗布してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
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