JP3011737B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP3011737B2
JP3011737B2 JP2086100A JP8610090A JP3011737B2 JP 3011737 B2 JP3011737 B2 JP 3011737B2 JP 2086100 A JP2086100 A JP 2086100A JP 8610090 A JP8610090 A JP 8610090A JP 3011737 B2 JP3011737 B2 JP 3011737B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水性インクによる記録に適したインクジェ
ット記録用紙に関し、特に記録時のインク受容性、記録
画質及び記録後における記録像の保存性に優れると共に
筆記性にも優れたインクジェット記録用紙に関するもの
である。
(従来の技術) インクジェット記録方式は、騒音が少なく、高速記録
が可能であり、且つ多色化が容易なため各種プリンター
として多方面で利用されている。
インクジェット記録方式に使用される記録用紙として
は、上質紙やコート紙等いわゆる普通紙が使用できるよ
うに記録装置やインク組成面からの改良努力がなされて
きている。
しかし現時点では未だ満足なものには至っておらず、
また記録のより高速化、高精細化といった記録装置面の
性能向上や、記録のフルカラー化といった用途の拡大に
伴い記録用紙に対してより高度な特性が要求されてい
る。即ち、記録用紙としてはインクの吸収が速く、然も
滲んだり、汚れが発生したりしないこと。インクドット
の横方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ均一で
あること。インクドットの濃度が高く、しかも鮮明であ
ること。更に記録画像が保存中の光や空気中の酸素等の
影響で変色又は褪色しないこと、等が要求されている。
これらの要求に対し、従来から幾つかの提案がなされ
てきた。例えば、基材上にインク吸収性の良い顔料と結
着剤とを主体とする被覆層(インク受容層)を設ける工
夫はインクジェット記録用紙の開発初期より試みられて
おり、顔料としてはシリカ系顔料が一般的に用いられて
きた(特開昭52−9074号、同55−51583号、同56−14858
3号、同58−72495号)。またインク受容層に水溶性高分
子塗布層を用いたり(特開昭55−144172号、同55−1467
86号)、塩基性ラテックスポリマーを用いる提案(特開
昭57−36692号)もある。
更に、水性インクによる記録が本質的に有する耐水性
等の悪さを改良する目的で、水溶性高分子塗布層にイン
クジェット記録を行った後、耐水化剤を付与する試み
(特開昭55−150396号、同56−58869号)や、水性イン
ク中の着色成分を吸着する特定の顔料や樹脂類を用いる
工夫(特開昭55−144172号)等もある。
また、記録に使用する水性インクは、着色成分として
酸性染料あるいは直接染料等の水溶性染料を用いた水性
インクが一般的になってきたが、従来より一般的に用い
られてきた多孔性シリカは、それらの染料の吸着能を有
しないため、記録像の耐水性が悪く、その改良を目的と
して種々の試みが検討されてきた。例えば、それらのア
ニオン性基を有する水溶性染料の吸着能に優れた多孔性
塩基性顔料の利用(特開昭55−144172号、同60−245588
号、同61−116579号、同61−135785号)も試みられてき
たが、インク受容性及び耐水性等の保存性に優れ、所期
の目的とする作用効果は得られるものの、記録像の鮮明
性が大幅に低下してしまうため実用性に難点があった。
従ってこれらの提案においても、装置の性能向上及び
用途の拡大等に対して充分に対応できておらず、インク
受容性、記録画質及び記録像の保存性に関しては一層の
改良が求められているのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、記録時のインク受容性に優れ、鮮明で輪郭
のはっきりした記録像が得られ、また記録後における記
録像の保存性に優れると共に筆記性にも優れた水性イン
クジェット記録用紙を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、基材上に、多孔性塩基性顔料を含有するイ
ンク受容層を少なくとも一層設けたインクジェット記録
用紙において、該インク受容層に多孔性シリカを該多孔
性塩基性顔料に比し、等量以下を併用してなり、該多孔
性シリカが比表面積200m2/g以上を有し、且つ該多孔性
塩基性顔料に比し大きな細孔半径を有するものであり、
該インク受容層が含窒素系水溶性樹脂を含有することを
特徴とするインクジェット記録用紙である。
(作用) 多孔性塩基性顔料を有するインク受容層を設けたイン
クジェット記録用紙において、該インク受容層に比表面
積200m2/g以上の多孔性シリカを該多孔性塩基性顔料に
比し、等量以下を併用した事により、インク受容性を向
上させ、且つ画像の鮮明性を向上させることが出来る。
また、多孔性塩基性顔料を含有するインク受容層形成用
塗液に多孔性シリカを併用したことにより、塗料の流動
性が向上すると共に、塗抹適性にも優れ、塗被層の均一
性に優れたインク受容層を形成することが出来るため、
画像の輪郭のはっきりした記録物を得ることが出来る。
なお、多孔性シリカを等量を越えて併用すると、多孔
性塩基性顔料の有する、記録像の保存性及び筆記性等の
特性を阻害し、実用性に問題が生じる。
インク受容層を構成する多孔性塩基性顔料としては、
充分なインク受容性を発揮させるため乾式造粒したもの
を使用するのが望ましい。以下に乾式造粒方式につき記
載する。
例えば、 (1) 水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、酸化
マグネシウム等のヒドロゲル形成物質を原料とし、この
ようなヒドロゲルを乾燥してキセロゲルにした後、粉
砕、分級して用いる方法。
(2) ヒドロゲルの状態で適当な2次、3次凝集体の
大きさに造粒し、乾燥した後、特開昭56−120608号等に
開示させている如く、更に加熱処理することにより焼
結、結晶化等を進行させ、酸化物の一次粒子間の結合を
強化して用いる方法。
(3) コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の微
粒物質懸濁水中で尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホ
ルマリン樹脂等を生成し、USP−3855172号等に開示され
ている如くその生成条件を調節することにより、目的と
する二次粒子径に造粒された微小粒子とした後、乾燥し
て用いたり、必要により更に焼成して焼結された粒子と
して使用する方法。
(4) 顔料を構成するアルミニウム、マグネシウム、
亜鉛、カルシウム、ケイ素等を含有する各種金属化合物
の存在下、所定の条件下で反応させ、多孔性結晶構造を
発達させた塩基性顔料を合成し、必要により、粉砕、分
級して用いる方法。(特開昭61−116579号、同61−1357
85号) 等、公知の種々の方法を利用して製造することが出来、
又多くのものが市販されている。
本発明において、インク受容層を構成する多孔性塩基
性顔料としては、前記で得られる多孔性顔料の中から、
所謂、酸性染料あるいは直接染料等に代表されるアニオ
ン性基を有する水溶性染料の吸着能に優れる物を選択使
用されるが、多孔性顔料が、水性インク中の酸性染料あ
るいは直接染料等の水溶性染料の吸着能に優れるか否か
の判断は、記録に用いる水性インクを適当量の水で希釈
した中に、上記水性インクが記録時、記録紙面上に付着
する単位面積に相当する所定量の多孔性顔料を投入した
時の着色濃度の減少の有無で判断する事ができる。
なお多孔性顔料が水性インク中の酸性染料あるいは直
接染料等の水溶性染料の吸着能を有しないか、又は弱い
場合には、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキ
レート化剤、水溶性のアルミニウム塩やアルミニウム石
ケン等の多価金属化合物により、多孔性顔料表面をカチ
オン性にする方法、カチオン性のシランカップリング
剤、分子中にカチオン性基を有するチタネート系のカッ
プリング剤、反応性カチオン性樹脂等のカチオン系の表
面処理剤を用いて多孔性顔料表面にカチオン性基を付与
する方法等により、染料吸着能を付与して、多孔性塩基
性顔料として用いることも出来る。このような処理剤を
用いて多孔性顔料を処理する方法としては、多孔性顔料
に直接スプレー等を利用して処理剤溶液を噴霧する方
法、多孔性顔料を任意の溶剤中に分散させて処理剤と接
触させる方法、等公知の方法が利用でき、必要により脱
溶剤処理、乾燥処理、熱処理等を施して多孔性塩基性顔
料として用いられる。
本発明において、インク受容層を構成する多孔性塩基
性顔料としては、充分なインク受容性を発揮するため、
多孔性で、且つ微粒子状であるものが好ましい。BET法
での比表面積(窒素法)が好ましくは50m2/g以上であ
り、且つインク受容層用塗液中、分散粒子状で0.5〜15
μm(コールタカウンター:AP=50μmでの測定値)の
平均粒子径を有するものが好ましく用いられる。特に比
表面積が100〜500m2/gで、且つ平均粒子径が2〜10μm
の多孔性顔料は、水性インク媒体の基材への効率的な移
行及び着色成分の保持にも効果的に寄与するため望まし
い。因に、比表面積が小さいと、インク受容性が不足
し、滲んだり、汚れが発生する場合もあり、平均粒子径
が小さいと記録像の鮮明性が失われてしまい、くすんだ
記録像となる場合がある。また、平均粒子径が15μmを
越えるとインクドットの横方向への拡がりが不均一にな
ったり記録像の鮮明性が失われる恐れもある。
前記した多孔性塩基性顔料と併用される多孔性シリカ
としては、該多孔性塩基性顔料に比し、前記した染料吸
着能を有しない公知のシリカ系顔料の中から、多孔性で
あるものが選択使用される。なお、多孔性塩基性顔料と
併用した時、優れたインク受容性を発揮し、且つ鮮明性
に優れた記録像を与えるためには、BET法での比表面積
(窒素法)が200m2/g以上とし、且つ好ましくはインク
受容層用塗液中、分散粒子状で0.5〜15μm(コールタ
カウンター:AP=50μmでの測定値)の平均粒子径を有
するものが好ましく用いられる。特に比表面積が250〜5
00m2/gであり、且つ平均粒子径が2〜10μmの多孔性シ
リカは、多孔性塩基性顔料と併用した時、インク受容性
に優れ、且つ、特に鮮明性に優れた記録像を与えるため
望ましい。因みに、比表面積が小さいと、インク受容性
を低下させ、滲んだり汚れが発生したりするため実用上
問題があり、平均粒子径が小さいと記録像の鮮明性が失
われてしまい、くすんだ記録像となる場合がある。ま
た、平均粒子径が15μmを越えるとインクドットの横方
向への拡がりが不均一になったり記録像の鮮明性が失わ
れる恐れもある。
また、本発明ではこれら多孔性シリカのBET法での細
孔半径(窒素法)を、併用する多孔性塩基性顔料に比し
大きくすることで、画像の鮮明性の改良と共に、インク
受容性を更に向上させるため、作用効果が顕著である。
この時、多孔性シリカは記録直後の水性インク吸収性
に寄与し、その後多孔性塩基性顔料表面への染料吸着が
おこるため、記録像の保存性にも優れる。
これらの多孔性シリカは、多孔性塩基性顔料に比し、
等量以下、好ましくは、多孔性塩基性顔料100部に対
し、5〜70部を併用した時、本発明の作用効果は顕著で
あり、インク受容性に優れ、且つ、鮮明な記録像を与え
ることが出来るインクジェット記録用紙が得られる。な
お、多孔性シリカの等量を越える使用は、記録像の保存
性を低下させ、又、一部に満たない使用では鮮明性の改
良効果が不十分である。
かくして選択された多孔性塩基性顔料及び多孔性シリ
カは、各種媒体中へ分散混合し塗液として加工される
が、一般的に行われている親水性媒体中への分散混合
時、保護コロイド剤として含窒素系水溶性樹脂の使用
は、流動性が良く、且つ安定性に優れた塗液を与えるた
め好ましく用いられる。
これらの含窒素系水溶性樹脂としては、ゼラチン、ア
ルブミン、カゼイン、大豆タンパク等のプロティン類、
キトーサン、カチオン変性澱粉等の多糖類、等の天然及
び半合成高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリルアミド、カチオン性基を含有する水溶性重合体又
は共重合体等の如き付加重合型合成高分子化合物、ポリ
エチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリア
ミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミン
エピクロルヒドリン系樹脂、ジシアンジアミド系樹脂、
アイオネン型樹脂等の如き縮合型合成高分子化合物等、
種々のものが知られており、且つ適宜選択して使用する
ことが出来る。
なお、本発明の作用効果を損なわないかぎり、更に筆
記性付与、機器適性付与、インク吸収性コントロール、
記録紙の外観コントロール、塗料適性コントロール、塗
料物性コントロール、乾燥性コントロール等の各種適性
付与のため、更に必要に応じて、顔料、バインダー類、
各種助剤類等を添加してインク受容層用塗液として、各
種基材上に塗抹乾燥されてインクジェット記録用紙が得
られる。
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸
化亜鉛、流過亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸ア
ルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リ
トポン等の無機系顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、マイクロカ
プセル系顔料、尿素樹脂顔料、メラミン樹脂顔料等の有
機系または有機/無機複合系顔料等、一般の顔料コーテ
ィング分野で公知の顔料類が例示される。
また、バインダー類としては、例えば酸化デンプン、
エーテル化デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆
タンパク等の天然または半合成高分子類、ポリビニルア
ルコール及びその誘導体、ポリエチレンイミン系樹脂、
ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸
またはその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリ
ルアミド系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(不飽和)ポ
リエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アル
キッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の合成水溶性または溶媒
可溶性樹脂類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
重合体ラテックス類、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合
体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビ
ニル系重合体ラテックス類、あるいはこれらの各種重合
体にアニオン性基及び/またはカチオン性基を付与した
官能基含有変性重合体ラテックス類等に代表される当該
技術分野で公知の樹脂類が例示され、単独あるいは併用
して用いられる。これらバインダー類の使用量は、求め
られる記録媒体の記録適性、使用用途適性、インク受容
層用塗液の塗抹適性等を勘案して任意に選択可能である
が、一般的には、顔料類に対し、1〜200重量%、好ま
しくは5〜50重量%の範囲で添加され使用される。
更に必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良
剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤
剤、熱ゲル化剤、滑剤、青味付け等の色調調整用の染
料、顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、クエ
ンチャー剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、バインダー
類の耐水化剤、架橋剤等、当該技術分野で公知の各種助
剤類を添加し、インク受容層用塗液とする。以上述べた
各種成分を含む塗布液が、凝集等により均一に分散した
液にならない場合は、2液以上の別々の塗液をつくり、
2回以上の塗抹を行うことにより目的とするインク受容
層を得ることも出来る。これらインク受容層用塗液は、
常法により、バーコーター、エアナイフコーター、ブレ
ードコーター、ロッドブレードコーター、ロールコータ
ー、ブラッシュコーター、カーテンコーター、グラビア
コーター、キャストコーター、スプレー装置等、公知の
各種塗抹方式を利用して、これも常法により塗抹される
が、塗被量はインク受容性及び保存性等、記録特性を満
足させるかぎり、不必要に多くする必要はなく、一般的
には1〜30g/m2、好ましくは2〜8g/m2塗布される。
かくして得られたインクジェット記録用紙はそのまま
でも使用できるが、必要により例えばスーパーカレンダ
ー、グロスカレンダーなどで加圧及び/又は加熱ロール
ニップ間を通し、常法により表面を平滑化することも出
来る。
本発明において基材としては、紙、布、セロファン、
プラスチックフィルム、金属板、木板、ガラス板等平面
性を有する材料が利用されるが、中でも紙は基材自体が
多孔質構造を有するため吸水性に優れ、本願発明による
インク受容層を形成した時、より少ないコート量で記録
適性に優れたインクジェット記録用紙を与えることが出
来ること、及び経済性にも優れることより最も好ましく
利用される。なお、インク受容層用塗液の基材上への塗
抹適性改良のため、コロナ放電処理、プラズマ処理、化
学洗浄処理等の一般的な表面処理の利用や、ゼラチン、
ニトロセルロース、ポリエステル等の樹脂処理層及び/
又はコロイダルシリカ、金属系カップリング剤、イソシ
アネート類等の助剤処理層等、公知のアンカーコート層
の利用も可能である。
又、必要により基材の表面及び/又は裏面に帯電防止
処理や筆記適性(印刷適性)付与処理等の表面処理を行
っても良いし、又、基材の任意の位置に紫外線吸収剤、
酸化防止剤等の助剤類を含有させ、記録像の保存性を更
に改良する等の工夫も可能なことは言うまでもない。
上記基材中、紙は一般的には木材パルプを主体とする
が、必要に応じて合成繊維、合成パルプ、無機繊維等、
各種繊維状物質も適宜利用され、添加剤としてはロジ
ン、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等に
代表されるサイズ剤、硫酸ハンド、カチオン性高分子電
解質等に代表される定着剤、クレー、タルク、炭酸カル
シウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、酸化チタン、無定形シリカ、尿素−ホルマリ
ン樹脂粒子等に代表される填料類、ポリアクリルアミド
系ポリマー、澱粉等に代表される紙力増強剤、メラミン
樹脂、尿素樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロル
ヒドリン樹脂等に代表される湿潤紙力増強剤、その他、
濾水剤、青み付けなどの色調調整用の染料、顔料、蛍光
染料など各種助剤類を適宜選択して内添し、常法により
各種抄紙機により抄紙され、且つ更に必要により澱粉、
ポリビニルアルコール、ゼラチン、填料等より成る水性
液による表面サイズプレス処理マシンキャレンダー等に
よる平滑化処理等、常法による処理工程を経て製造され
る。
またこれらの紙は、パルプ組成、叩解条件、填料、紙
力増強剤、内添サイズ剤、pH調整剤、表面サイズ剤、表
面処理剤等、各種助剤類の種類と添加量のコントロー
ル、乾燥条件、加圧条件等、個々の抄紙機に合わせた操
業条件のコントロール等を適宜選択して行い、インクジ
ェット記録用紙としての基材適性をコントロールして用
いられる。
「実施例」 以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明す
るが、勿論これらに限定されるものではない。なお、特
に断らない限り例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重
量%を示す。
実施例1 硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3として8.0%)100gを
水7に希釈し、20の容器中で撹拌しながら加温し95
℃にした。この溶液に水酸化ナトリウム320gを水に溶解
して1の溶液としたものを添加し、撹拌しながら1時
間熟成することにより種子アルミナヒドロゲルスラリー
を生成した。次にこのスラリーに硫酸アルミニウム水溶
液(Al2O3として8.0%)400gを加えてpH4.5として5分
間保持した後、水酸化ナトリウム290g/の水溶液を393
ml加えてpH11とし10分間保持した。同様のpH変動操作を
5回繰り返した後、濾過、洗浄、乾燥した。次いで乾式
粉砕した後、450℃で8時間焼成した後、分級すること
により多孔性塩基性顔料を得た(比表面積300m2/g、細
孔半径37.5Å、平均粒子径4.8μm)。
得られた多孔性塩基性顔料75部を市販の多孔性シリカ
(サイロイド#244:富士デヴィソン(株)製;比表面積
300m2/g:細孔半径105Å;平均粒子径1.8μm)25部と共
に、含窒素系水溶性樹脂(スミレッヅレジン#1001:住
友化学(株)製)の1%水溶液500部中にコーレス分散
機を用いて分散混合した後、バインダーとしてポリビニ
ルアルコール(PVA−110:クラレ(株)製)の10%水溶
液350部を加え、更に蛍光染料及び消泡剤を加えて、イ
ンク受容層形成用塗液とした。坪量84g/m2、ステキヒト
サイズ度2秒の酸性紙からなる基材上に、4.5g/m2にな
る様にこの塗液を塗抹乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行い、インクジェット記録用紙を得た。インク受
容層用塗液は、塗抹適性に優れ、得られたインクジェッ
ト記録用紙のコート層は、均一性に優れていた。
比較例1 実施例1で多孔性シリカを使用せず多孔性塩基性顔料
を100部使用した以外は、全く同様に実施してインクジ
ェット記録用紙を得た。
比較例2 実施例1で多孔性塩基性顔料を使用せず多孔性シリカ
を100部使用した以外は、全く同様に実施してインクジ
ェット記録用紙を得た。
実施例2 実施例1でpH変動操作を5回でなく10回行った以外は
全く同様に実施して多孔性塩基性顔料を得た(比表面積
350m2/g:細孔半径76Å;平均粒子径5.2μm)。
得られた多孔性塩基性顔料60部を市販の多孔性シリカ
(サイロイド#404:富士デヴィソン(株)製:比表面積
300m2/g:細孔半径85Å;平均粒子径5.2μm)40部と共
に、含窒素系水溶性樹脂(エピノックスP−800:DICハ
ーキュレス(株)製)の2%水溶液400部中にコーレス
分散機を用いて分散混合した後、バインダーとしてポリ
ビニルアルコール(PVA−117/PVA205の等量混合物:ク
ラレ(株)製)の10%水溶液400部を加え、以下実施例
1と全く同様に実施して、インクジェット記録用紙を得
た(コート量8g/m2)。
実施例3 市販の多孔性塩基性顔料(キヨワード#1100:協和化
学工業(株)製)67部を多孔性シリカ(ミズカシルP78
D:水沢化学工業(株)製)33部と共に含窒素系水溶性樹
脂(ケミスタット7300:三洋化成(株)製)の1%水溶
液500部中に分散混合し、次いで蛍光染料及び消泡剤を
加えた後、球状のガラスビーズを充填した縦型サンドミ
ル(ビーズ径2mm;充填率60%)を用いて平均滞留時間0.
5分になる流速で3回通液した。
次いで得られた処理液中に、バインダーとしてシリル
変性ポリビニルアルコール(R−1130:クラレ(株)
製)の10%水溶液200部を加えてインク受容層形成用塗
液とした。坪量68g/m2、ステキヒトサイズ度9秒の中性
紙から成る基材上に3.5g/m2になる様にこの塗液を塗抹
乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、インクジ
ェット記録用紙を得た。インク受容層用塗液は、塗抹適
性に優れ、得られたインクジェット記録用紙のコート層
は、均一性に優れていた。
比較例3 実施例3で多孔性塩基性顔料を33部、多孔性シリカを
67部使用した以外は、全く同様に実施してインクジェッ
ト記録用紙を得た。
かくして得られた5種類のインクジェット記録用紙に
ついて記録適性評価を行い、その結果を第1表に記し
た。
〔評価〕
インクジェット記録用紙の適性は、ヒューレットパッ
カード製ペイントジェットプリンター(3630A型)を用
い、標準インクによりテストパターン印字を行って評価
した。
インク受容性は、2色インクの重ねベタ印字部の乾燥
状態を、目視及び印字2秒後にペーパー押さえロールに
接触させ、汚れが出るか出ないかで判定した。
記録画質については、鮮明性を目視により判定した。
耐光性については、記録物を事務所の壁面に貼り、室
内光で1年間放置した後の色調変化を目視で判定した。
記録像の耐水性については、記録物を流水中に5分間
浸した後の記録像の変化を目視で判定した。
又、筆記性については鉛筆(HB)による手書き時、イ
ンク受容層のコート面の脱落の発生の有無及びその程度
で評価した。
「効果」 本発明のインクジェット記録用紙は、多孔性シリカを
多孔性塩基性顔料に比し、等量以下を併用したことによ
り、インク受容性、記録像保存性及び筆記性に優れると
共に、記録画質にも優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−160674(JP,A) 特開 平2−43083(JP,A) 特開 平3−218886(JP,A) 特開 平2−263683(JP,A) 特開 平3−203968(JP,A) 特開 平3−27976(JP,A) 特開 平3−67685(JP,A) 特開 平3−43290(JP,A) 特開 平3−268992(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、多孔性塩基性顔料を含有するイ
    ンク受容層を少なくとも一層設けたインクジェット記録
    用紙において、該インク受容層に多孔性シリカを該多孔
    性塩基性顔料に比し、等量以下を併用してなり、該多孔
    性シリカが比表面積200m2/g以上を有し、且つ該多孔性
    塩基性顔料に比し大きな細孔半径を有するものであり、
    該インク受容層が含窒素系水溶性樹脂を含有することを
    特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】多孔性塩基性顔料100重量部に対し多孔性
    シリカを5〜70重量部併用使用することを特徴とする請
    求項(1)記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】多孔性塩基性顔料が、BET比表面積50m2/g
    以上で、0.5〜15μmの平均粒子径を有する請求項
    (1)または請求項(2)記載のインクジェット記録用
    紙。
  4. 【請求項4】多孔性シリカが0.5〜15μmの平均粒子径
    を有する請求項(1)、(2)または(3)記載のイン
    クジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】多孔性塩基性顔料のBET比表面積が100〜50
    0m2/gで、且つ平均粒子系が2〜10μmである請求項
    (3)記載のインクジェット記録用紙。
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