JPH06171202A - インクジェット多色記録方法 - Google Patents

インクジェット多色記録方法

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JPH06171202A
JPH06171202A JP4352161A JP35216192A JPH06171202A JP H06171202 A JPH06171202 A JP H06171202A JP 4352161 A JP4352161 A JP 4352161A JP 35216192 A JP35216192 A JP 35216192A JP H06171202 A JPH06171202 A JP H06171202A
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JP
Japan
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ink
recording
porous layer
printing
color
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Application number
JP4352161A
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English (en)
Inventor
Masato Katayama
正人 片山
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Hitoshi Nishigori
均 錦織
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精細かつ高画質なフルカラー画像を高速で
得る為、往復印字しても色味の変わらないフルカラー画
像を得ることを可能とするインクジェット記録方法を提
供すること。 【構成】 互いに色味の異なる複数のインクを被記録媒
体に順次吐出し多色画像を形成するインクジェット記録
方式において、インクを吐出する記録ヘッドが印字方向
に複数個並設されている記録部からインクを吐出し、基
材上に少なくとも1層の多孔質層が設けられている被記
録媒体に往復印字することを特徴とするインクジェット
多色記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の色味の異なる記
録液(以下インクと略す)を順次打ち込んでカラー画像
を形成するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタあるいはファク
シミリ等で一般的に用いられてきた多色記録方法及び装
置は、被記録媒体上に複数の色味の異なる画像形成剤、
例えば、電子写真記録方式の場合にはトナー、熱転写記
録方式の場合にはインクリボン中の固形インク、インク
ジェット記録の場合には液状インクを夫々転写させて多
色記録を行うものであるが、シアン、マゼンタ及びイエ
ローの色味の異なる画像形成剤を用い、減色混合法で多
色画像を表現する方法が採られている。インクジェット
記録方式においては、装置の簡略化及び小型化が可能で
あり、且つ装置の低ランニングコスト、静粛性等の利点
から、カラー化を推し進めようとする傾向が強く、普通
紙を被記録媒体とした多色カラー記録の開発が盛んであ
る。
【0003】この様な多色のカラー記録よりも、更に高
精細・高画質なフルカラー画像を得ようとする場合に
は、印字されたインクを速やかに吸収し、その中に含ま
れる染料を吸着・定着し、且つ鮮やかに発色させるとい
う機能を有するコート層を塗布した専用コート紙が必要
となる。以上の様な機能を有するコート層が厚く、コー
ト層全体でインクを吸収し染料を吸着することが出来る
ものをヘビーコート紙と称し、コート層だけでなく基材
の紙にもそのインクの吸収・吸着の役割をもたせたもの
を微量コート紙又はライトコート紙と称し、各々開発が
行われている。
【0004】以上の様な普通紙や、ヘビーコート紙及び
ライトコート紙等の専用コート紙にカラー画像を形成す
る方法としては、多数のノズルを有するシアン、マゼン
タ、イエロー、更にはブラックの各色のヘッドを印字方
向に並べ、印字方向の上流から下流に1ラインスキャン
して1行分の印字をし、次に各色のヘッドを上流の定位
置に戻した後、1行分紙送りして次の行の印字を行うと
いう片方向のシリアルスキャン印字が多用されている。
更に、多数のノズルの中のドット径のばらつきや、着弾
位置のばらつきを目立ちにくくする為、1行分の印字を
何回にもわけて印字するマルチパス方式が用いられてい
る。
【0005】図1は、紙基材上に、アルミナ、シリカ及
び炭酸マグネシウム等のフィラーと水溶性バインダーと
を主成分とするコート層1が設けられたライトコート紙
に、単色の印字を行った際における染料の吸収・吸着の
様子を示す紙の模式断面図である。以下これについて説
明する。コート層1側から打込まれたインク液滴は、先
ずコート層1に着弾し、表面で液滴がつぶれ、コート層
1の表面から吸収される。吸収されたインク中の染料
は、図1(a)に示す様にコート層1中の活性なフィラ
ー表面に吸着し、定着されるが、表面近傍では全て吸着
しきれず、コート層1の内部、更には、2で示されてい
る基材の紙にまで浸透し定着する。この為に、図1の
(b)に示す様に、ライトコート紙の深さ方向に対する
定着した染料による光学濃度は、表面近傍で高く徐々に
低くなるという分布を示す。これに対し、ヘビーコート
紙の場合にはコート層が厚い為、殆どコート層の内部で
吸収、吸着が起こるが、この場合の染料の分布もライト
コート紙の場合と同様である。
【0006】以上の様な吸収、吸着メカニズムを有する
コート紙に多色印字する場合について以下に説明する。
例えば、マゼンダ100%及びイエロー100%インク
を用い赤色の印字を行う場合、マゼンダ、イエローの順
に2色の100%Dutyベタ印字により赤を表現する
時の、インクが定着する様子を示すと模式断面図を図2
に示した様になる。逆に、イエロー、マゼンダの順に2
色の100%Dutyベタ印字により赤を表現する時
の、インクが定着する様子は図3に示した模式断面図の
様になる。この様に印字する順序を変えると、表面近傍
での各染料の定着分布が変わり、色度図上での差が現れ
る。即ち、従来の専用コート紙に対し、各ヘッドが印字
方向に並んだ配置にあり、双方向から印字する、即ち、
往復印字を行うと、同様のDutyの印字を行っても、
スキャン方向で色調が変わってしまう為、これから高精
細で高画質なフルカラー画像を高速で得ようとする場合
には大きな欠点となる。従って、本発明の目的は、高精
細かつ高画質なフルカラー画像を高速で得る為、往復印
字しても色味の変わらないフルカラー画像を得ることを
可能とするインクジェット記録方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、互いに色味の
異なる複数のインクを被記録媒体に順次吐出し多色画像
を形成するインクジェット記録方式において、インクを
吐出する記録ヘッドが印字方向に複数個並設されている
記録部からインクを吐出し、基材上に少なくとも1層の
多孔質層が設けられている被記録媒体に往復印字するこ
とを特徴とするインクジェット多色記録方法である。
【0008】
【作 用】本発明者らは上記した従来技術の問題点を解
消すべく鋭意研究した結果、多孔質層を少なくとも1層
設けた被記録媒体を用いることで、更にこの多孔質層
を、染料を定着し且つ透明性を有するものとすることに
より、更に好ましくは使用する染料の種類、打ち込まれ
るインク量と多孔質層に用いるフィラーの微細孔径と種
類を適宜選択し、多層構成に組合わせた被記録媒体を使
用することにより、図4、図5、図6及び図7に示した
様に、打込まれるインクの順によらず、染料が多孔質層
により多く吸着定着され、色味が殆ど変わらない画像が
得られることを知見して本発明を完成した。この為、異
なる色味のインクを吐出する複数の記録ヘッドを印字方
向に並設した記録部で往復印字した場合に、高精細且つ
高画質なフルカラー画像が高速に得られる。
【0009】
【好ましい実施態様】以下に、本発明の好ましい実施態
様を図面を参照しながら説明し、本発明を詳細に説明す
る。本発明は、基材上に少なくと1層の多孔質層が設け
られている被記録媒体を使用することを第一の特徴とす
る。更に好ましくは、染料を定着し、且つ透明性を有す
る多孔質層を少なくとも一層有する被記録媒体を使用す
る。本発明に使用される被記録媒体を構成する基材とし
ては、木材パルプを原料とする従来の紙、不織布、白色
顔料を含んだプラスチックフィルム(合成紙)、プラス
チックフィルム等が挙げられる。
【0010】又、上記の基板上に少なくとも一層設けら
れる多孔質層としては、染料吸着性を有し、且つ透明性
を有するものが好ましい。この様な機能を有する多孔質
層を形成する方法としては、吸着能が10〜100mg
/g、細孔径が30〜500Å、微孔容量が0.1〜
1.5cc/gの細孔を多数有する多孔質のフィラー、
例えば、アルミナ、シリカ、炭酸マグネシウム等を用
い、特にアルミナ水和物を主成分とし、これらを水溶性
バインダー、水分散性バインダーで結合させ、加熱する
ことよにより目的とする層が得られる。この際使用され
る水溶性バインダー、水分散性バインダーとしては、例
えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、アクリル系水分散性ポリ
マー、エステル系水分散性ポリマー等が挙げられる。
【0011】更に上記した染料吸着性多孔質層の上に、
あるいは多孔質層を形成する前に、インク中の溶剤を吸
収させる層を設けてもよい。この層は、上記の染料吸着
性多孔質層と同様の方法で設けることが出来る。即ち、
最も望ましい構成としては、平均粒子径が1〜50μ
m、細孔径が40〜600Å、細孔容積が0.5〜3.
0ccのシリカを主成分とするフィラーを、前述のバイ
ンダーで結合させて設ければよい。更に必要に応じ、染
料の種類に対応して構成を変えた染料吸着性多孔質層を
多層設けてもよい。各層の厚さは、用いるフィラーの細
孔容積、インク打込み量及びインクの染料含有率に応じ
て変えればよいが、染料吸着性多孔質層としては、3〜
30μm、溶剤吸収層としては5〜30μmとするのが
好ましい。
【0012】図8のフローで本発明のインクジェット記
録方法の構成を説明する。ここで、1001は画像形成
装置の形態に応じて設けられる複数個の記録ヘッドであ
る。記録ヘッド1001はマルチノズル(吐出口を複数
個持つ)からなるものであり、例えば、シリアル記録方
式によるC/M/Y/Bkの4つのインクジェット記録
ヘッドを用い、カラー画像形成装置に適用されている。
1003は、上述した様な方法で形成された被記録媒体
1002に対して記録ヘッド1001を走査する為の手
段、更に、1040は被記録媒体1002の搬送手段で
あり、記録ヘッド1001による記録位置に関して被記
録媒体1002を搬送する。1015は印字制御手段で
あり、画像情報に応じてヘッドの吐出の制御を行うもの
であり、本発明ではシリアル方式の印字を行う時、1ラ
イン分の情報により、ヘッド走査手段により、一方向に
記録ヘッドを移動させつつ、画像情報に応じヘッドの吐
出を制御し、被記録媒体1002上に印字を行う。次
に、被記録剤1002の搬送手段1040により、次の
行の印字を行う様に紙送りし、続いてヘッド走査手段1
003により逆方向に記録ヘッドを移動させつつ次の画
像情報に応じてヘッドの吐出を制御し、被記録材100
2上に印字を行う。以上の走査を繰り返して行い、被記
録媒体1002上に画像を形成する。
【0013】図9は、上記方式を実施したカラーインク
ジェット記録画像形成装置の斜視図である。図9におい
て、ロール上状に巻かれた被記録媒体40は、搬送ロー
ラ41、42を経て給紙ローラ43との間に保持され
て、これらのローラが回転することで44方向に送られ
る。この被記録媒体45を横切ってガイドレール46及
び47が平行におかれており、キャリッジ48に搭載さ
れた記録ヘッドユニット49が左右に走査可能となって
いる。一方、ガイドレール47にはスリットが設けられ
ており、このスリットをキャリッジ48に設けたフォト
センサーで検知することで、キャリッジ位置等が認識可
能となっている。キャリッジ48にはイエロー、マゼン
ダ、シアン及びブラックの4色のヘッド49Y、49
M、49C及び49Bkが搭載されており、これに4色
のインクタンクが配置されている。各ヘッドは128個
(400DPI:φ=20μm相当の穴径)の吐出口を
有したマルチノズルヘッドである。
【0014】先ず、被記録媒体45は、記録ヘッド49
の印字幅(8、128mm相当)分ずつ間欠送りされ、
被記録媒体45が停止している間に記録ヘッド49はP
方向に走査し、画像信号に応じたインク滴(最大駆動周
波数:4KHz・インク吐出量:約30ng/dot)
を吐出し、1ライン分の印字を行う。次に、印字幅分だ
け被記録材を間欠送りし、図10に示した様に、被記録
材45が停止している間に、記録ヘッド49はQ方向に
走査し、画像信号に応じたインク滴(最大駆動周波数:
4KHz・インク吐出量:約30ng/dot)を吐出
し、次の1ライン分の印字を行う。次に、又、被記録材
45を間欠送りし、P方向から1ライン分印字する。こ
れを繰り返し往復印字を行い、フルカラーのインクジェ
ット記録を行う。
【0015】尚、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも、インク吐出を行わせる為に利用されるエネ
ルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、電
気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーに
よりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、
記録装置において優れた効果をもたらすものである。か
かる方式によれば、記録の高密度化及び高精細化を達成
することが出来るからである。
【0016】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、米国特許第4
740796号明細書に開示されている基本的な原理を
用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマン
ド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成することが出来るので有効で
ある。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた
液体(インク)の吐出を達成することが出来、より好ま
しい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第
4463359号明細書、米国特許第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。尚、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明である米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
【0017】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に、
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る、米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も、本発明に含まれ
る態様である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や、熱エネル
ギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構
成としても本発明の効果は有効である。即ち、効率よく
行うことが出来るようになるからである。
【0018】加えて、上例の様なシルアルタイプのもの
でも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置
本体に装着させることで、装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0019】又、本発明を適用した記録装置の構成とし
て、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を
付加することは本発明の効果を一層安定にすることが出
来るので、好ましいものである。これらの手段を具体的
に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、
クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換
体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み
合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の
吐出を行なう予備吐出手段を挙げることが出来る。
【0020】又、搭載される記録ヘッドの種類ないし個
数について、記録色や濃度を異にする複数のインクに対
応して複数個設けられるものであってもよい。即ち、例
えば、記録装置の記録モードとしては、記録ヘッドを一
体的に構成するか複数個の組み合わせによるかのいずれ
でもよいが、異なる色の複色カラー、又は混色によるフ
ルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置
に適用するのに本発明は極めて有効である。
【0021】更に加えて、以上の説明では、インクを液
体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するイ
ンクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用い
てもよい。又、インクジェット方式ではインク自体を3
0℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行い、インク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御したものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものを用いてもよい。更に、インクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで、熱エネルギーによる昇温を積極的に防止する
為、又はインクの蒸発を防止する為、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれに
しても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によって
インクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録
媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等の様
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明に適用することが可能で
ある。この様な場合のインクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるている様な、多孔質シート凹部または貫通孔に液
状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に
対して対向する様な形態としてもよい。本発明におい
て、上述した各インクに対しても最も有効なものは、上
述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0022】更に加えて、本発明を適用したインクジェ
ット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処
理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リー
ダ等と組合せた複写装置、更には送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0023】
【実施例】更に、本発明の実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 [実施例1]処方1 ・球状コロイダルシリカ(平均粒子径5μm、細孔容積2.0cc/g) 50部 ・ポリビニルピロリドン 50部 以上の成分を固形分が20%となる様にイオン交換水に
溶解、分散させ、塗工液(I)を得た。処方2 ・アルミナゾル(吸着能60mg/g、平均細孔径100Å、細孔容量0.9 cc/g) 35部(重量%) ・球状シリカ(平均粒子径5μm、平均細孔径200Å、細孔容量1.2cc /g) 5部 ・ポリビニルアルコール 15部 以上の成分を固形分が15%となる様にイオン交換水に
溶解、分散させ、塗工液(II)を得た。
【0024】表面をコロナ放電処理した白色ポリエステ
ルフィルム基板上に、上記の塗工液(I)を乾燥膜厚が
20μmとなる様に、アプリケーターを用いて塗布、乾
燥して下層Iを得た。次にこの上に、塗工液(II)を乾
燥膜厚が10μmとなる様に、アプリケーターを用いて
塗布、乾燥して上層IIを得て、本発明で使用する被記録
媒体(A)を作製した。この被記録材(A)をA4短手
幅のロール状とし、これを上述した記録装置にセット
し、シアン100%Duty、イエロー100%Dut
yによる、グリーンベタ印字を4KHz、インク吐出量
30ng/dotで行ない、P方向からの印字物、Q方
向からの印字物を得た。この時の印字時間は、印字幅1
90mm、記録密度400dpiで印字したことにより
約0.8秒かかった。
【0025】以上の様にして得られた双方向からの印字
物の色差を測定したところ、下記の表1の様な結果が得
られた。
【0026】
【表1】 即ち、両者は全く差がなく、例え双方向から往復印字と
しても色調に差がなく、ライン間のつなぎに問題がない
ことがわかった。
【0027】又、この際、画像信号が発生し記録ヘッド
部49が移動し始め、印字を開始、終了した後、記録ヘ
ッド部49が停止するまで合計1.2秒経過した。往復
印字により2ライン印字が修了するまで2.4秒かかっ
た。往復印字せず、P方向からの一方向印字の場合、記
録ヘッド部をホームポジションに戻すのに印字の3倍の
スピードで戻しても、移動の際の助走時間と停止までの
減速時間を含めると、1ライン分印字を行い、記録ヘッ
ド部49がホームポジションに戻るまで、2.0秒かか
り、2ライン印字し終わるまでには、4.0秒かかっ
た。この様に往復印字することにより、約1.7倍の印
字のスピードアップが可能となる。
【0028】[比較例1]処方3 ・球状シリカ(平均粒子径8μm、細孔径500Å、細孔容量2.0cc/ g) 20部 ・炭酸マグネシウム 10部 ・ポリビニルアルコール 80部 上記の成分をイオン交換水で固形分18%となる様に溶
解、分散して、塗工液(III)を得た。上質紙上に乾燥膜
厚が約30μmとなる様に,上記の塗工液(III)をワイ
ヤーバーで塗布し、被記録材(B)を得た。この被記録
材(B)を実施例1で使用したのと同様の装置に設置
し、同様に双方向からグリーンのベタ印字を印字したと
き、下記の表2の様であった。
【0029】
【表2】 即ち、両者は大きく異なり、何ラインも続けてグリーン
のベタを印字したところ、副走査方向に印字幅のムラの
均質性に欠けた画像となった。これに対し、本発明方法
では、往復印字することにより均質な画像が高速で得ら
れる。
【0030】
【発明の効果】以上説明した様に本発明方法によれば、
被記録媒体が少なくとも1層の多孔質層を有し、該多孔
質層が染料吸着性と透明性とを有している為、複数の色
味の異なるヘッドを印字方向に並べた記録ヘッド部で双
方向に往復印字を行っても、印字方向で色調が異なるこ
とのない、高精細且つ高画質な印字を高速で行うことが
出来る。特に、多孔質層にアルミナ水和物を用い、吸着
能10〜100mg/g、平均細孔径が30〜300
Å、細孔容量が0.1〜1.5cc/gの多孔質層とす
れば、本発明の効果がより発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ライトコート紙に単色の印字を行った際の染料
の吸収・吸着の様子を示す模式図である。
【図2】従来の方法でマゼンタ及びイエローの二色のイ
ンクのベタ印字を行った際のインクの吸収・吸着の様子
を示す模式図である。
【図3】図2と逆の順序で二色のインクのベタ印字を行
った際のインクの吸収・吸着の様子を示す模式図であ
る。
【図4】一層の多孔質層を有する被記録媒体を用いた本
発明方法で、マゼンタ及びイエローの二色のインクのベ
タ印字を行った際のインクの吸収・吸着の様子を示す模
式図である。
【図5】図4と逆の順序で二色のインクのベタ印字を行
った際のインクの吸収・吸着の様子を示す模式図であ
る。
【図6】二層の多孔質層を有する被記録媒体を用いた本
発明方法で、マゼンタ及びイエローの二色のインクのベ
タ印字を行った際のインクの吸収・吸着の様子を示す模
式図である。
【図7】図6と逆の順序で二色のインクのベタ印字を行
った際のインクの吸収・吸着の様子を示す模式図であ
る。
【図8】本発明方法のフローを示す図である。
【図9】図8に示したフローを実施したカラーインクジ
ェット記録画像形成装置の斜視図である。
【図10】図9の別の状態を示したカラーインクジェッ
ト記録画像形成装置の斜視図である。
【符合の説明】
1:コート層 2:基材紙 3:吸着・吸収した染料 4:インク液滴 5:吸着・吸収した1色目の染料(M) 6:吸着・吸収した2色目の染料(Y) 7:吸着・吸収した1色目の染料(Y) 8:吸着・吸収した2色目の染料(M) 9:染料吸着性多孔質層 10:溶剤吸収層 9´:第一の染料吸着性多孔質層 10´:第二の染料吸着性多孔質層 11:基材 12:1色目の染料(Y) 13:2色目の染料(M) 14:2色目の染料(Y) 15:1色目の染料(M)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦織 均 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに色味の異なる複数のインクを被記
    録媒体に順次吐出し多色画像を形成するインクジェット
    記録方式において、インクを吐出する記録ヘッドが印字
    方向に複数個並設されている記録部からインクを吐出
    し、基材上に少なくとも1層の多孔質層が設けられてい
    る被記録媒体に往復印字することを特徴とするインクジ
    ェット多色記録方法。
  2. 【請求項2】 多孔質層が染料吸着能を有し、且つ透明
    性を有する請求項1に記載のインクジェット多色記録方
    法。
  3. 【請求項3】 多孔質層の形成成分として少なくともア
    ルミナ水和物を有し、且つ該多孔質層の吸着能が10〜
    100mg/g、細孔径が30〜300Å、細孔容量が
    0.1〜1.5cc/gである請求項1に記載のインク
    ジェット多色記録方法。
  4. 【請求項4】 被記録媒体が、請求項2に記載の多孔質
    層に加え平均粒子径が1〜50μm、細孔径が40〜6
    00Å、細孔容積が0.5〜3.0ccのシリカを一成
    分とする溶剤吸収層を更に有するものである請求項1に
    記載のインクジェット多色記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10324058A (ja) * 1997-03-26 1998-12-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録シート及びその製造方法

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