JP5440017B2 - 塗工包装用紙 - Google Patents

塗工包装用紙 Download PDF

Info

Publication number
JP5440017B2
JP5440017B2 JP2009188832A JP2009188832A JP5440017B2 JP 5440017 B2 JP5440017 B2 JP 5440017B2 JP 2009188832 A JP2009188832 A JP 2009188832A JP 2009188832 A JP2009188832 A JP 2009188832A JP 5440017 B2 JP5440017 B2 JP 5440017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
paper
mass
ink
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009188832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011038227A (ja
Inventor
由紀子 鈴木
祐治 佐波
哲也 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2009188832A priority Critical patent/JP5440017B2/ja
Publication of JP2011038227A publication Critical patent/JP2011038227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5440017B2 publication Critical patent/JP5440017B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明はフレキソ印刷適性に優れ、製袋適性を備えた塗工包装用紙に関する。
近年、印刷物の多色化が進み、要求される印刷品質の高級化、印刷速度の高速化が進んできており、それに対応する包装用紙の開発が求められている。ショッピングバックに代表されるような紙製手提げ袋に用いられる包装用紙においても、印刷品質の高級化が強く要求されている。印刷品質の高級化手法としては、例えば、高速で高精細なオフセット印刷やグラビア印刷での印刷が一般的である。しかしながら、包装用紙においては、フレキソ印刷の使用状況はいまだに多く、その印刷品質は、オフセット印刷やグラビア印刷に比べて見劣り感がすることは否めない。一方、フレキソ印刷の技術進歩も目覚しく、小ロット多品種化や環境と安全性問題、コスト削減などの市場課題に対して、近年のデジタル化の波とともに、画期的で斬新な技術でもって注目されている。さらに印刷品質についても、他の印刷方式と比較しても遜色ないレベルまで改良されている。フレキソ印刷は上述のごとく、水性化や無溶剤化の面で大きな優位性が認められ、欧米の包装分野では既にフレキソ印刷が主流となっており、日本においても普及の兆しがある。このようなフレキソ技術を駆使して、一般に使用されているオフセット用やグラビア用印刷用紙にフレキソ印刷をしても、インキ発色性が劣るので濃度の高い印刷ができず、多量にインキを載せると、画線部のインキが紙に吸着せず、流れる現象がおき、印刷品質を高級化するには不十分であった。
また、包装用紙は、品物を包装、保持する役割が必要なため、印刷品質だけでなく、強度、剛度などの品質も重要な要素のひとつである。印刷品質と強度を両立する手法として例えば、原紙に両性ポリアクリルアミド系紙力剤及びポリアミドエピクロロヒドリン系紙力剤を含有させ、湿潤強度を持たせた原紙の片面にピグメント層を形成することが例示されている(特許文献1)。
原紙抄紙時に表裏の繊維配向角の差、及び繊維配向比をある範囲に調整し、少なくとも一方の面に1〜10g/mの塗工層を設けることが提示されている(特許文献2)。
また、針葉樹クラフトパルプを50重量%以上用いて形成され、縦横引っ張り強度比が1.7以上に調整された原紙上の少なくとも片面に顔料と接着剤とを含有する塗工層が1〜10g/m形成された坪量が100〜500g/mの範囲の塗工包装用紙が提示されている(特許文献3)。前記特許文献はいずれもフレキソ印刷を想定しているものではない。
特開2005−248394号公報 特開2006−83487号公報 特開2006−97149号公報
本発明は、フレキソ印刷時におけるフレキソインキ発色性、インキ乾燥性に優れ、かつ、通常製袋機械による操業性に優れた塗工包装用紙を提供するものである。
本発明は原紙の少なくとも片面に顔料と接着剤を含有する塗工層を有し、紙袋として使用される塗工包装用紙において、前記原紙に晒、未晒、半晒クラフトパルプを少なくとも1種を含有し、前記塗工層中の顔料100質量部あたり、焼成カオリンが30〜100質量部、かつ澱粉誘導体が8〜40質量部含有し、さらに塗工面のJAPAN TAPPI No.51による水に対する吸収係数Kaが0.16〜0.35ml/m・ms1/2の範囲にあって、かつ塗工面に蒸留水を4μl滴下してから0.1秒〜1.0秒の範囲における単位時間あたりの動的接触角の低下角度が−3.5〜−0.3度/秒であることを特徴とする塗工包装用紙である。
前記顔料100質量部に対し、タルクが70質量部以下を含有することが好ましい。
前記顔料100質量部に対し、水分散性接着剤が8〜30質量部を含有するとさらに好ましい。
本発明によって、フレキソ印刷におけるインキ発色性に優れた塗工包装用紙を提供することが可能になった。
一般に、フレキソ印刷は水性タイプのインキを使用して印刷が実施されることから、印刷面の吸水性度合いによりインキの浸み込みが異なる。このため、フレキソインキにおけるインキ発色性、および網点再現性は、印刷面の吸水性の度合いとフレキソインキの量に大いに影響される。
フレキソインキは上述のごとく水性タイプのインキであることから、塗工面のJAPAN TAPPI No.51による水に対する吸収係数Kaが0.16〜0.35ml/m・ms1/2の範囲であると、フレキソ印刷時にインキが速やかに浸透するが、浸透しすぎず、フレキソ印刷に特有なマージナルマークの発生がし難く、優れた印刷品質が得られる。好ましくは吸収係数Kaが0.20〜0.35ml/m・ms1/2の範囲である。なお、吸収係数Kaが0.16ml/m・ms1/2未満であると、インキの吸収性が劣ることから、乾燥性が劣り、一般にいう「インキの泳ぎ」の状態になり、余ったフレキソインキが表面に残り不均一に広がることにより不均一な印刷面となる。また、吸収係数Kaが0.35ml/m・ms1/2を超えると、インキの吸水性は優れるが、その分インキが表面に留まらず、表面から紙層中に浸透してしまい、表面に留まるインキが少なくなるので容易に乾燥するが、インキの発色性が劣り、結果的に色味が異なってしまうことになり、色調整が困難になる。
さらに吸収係数Kaが0.16〜0.35ml/m・ms1/2の範囲の場合、塗工面の水による動的接触角の低下角度が0.1秒〜1.0秒範囲の単位時間あたり−3.5〜−0.3度/秒の範囲であると、印刷時にインキが版の周りに流れ込むことによって生じるマージナルマークの発生がしにくくなる。
上記のような特性を得るためには、包装用紙表面に形成する塗工層中に焼成カオリンが必要である。焼成カオリンが塗工層中に存在するとフレキソインキ吸収性が極めてよくなり、この焼成カオリンは塗工層中の顔料として30〜100質量部含有する。好ましくは40〜90質量部、さらに好ましくは50〜80質量部含有する。焼成カオリン及びその他の顔料の配合量を調整することにより、各種のフレキソ印刷機に適応したインキ発色性の優れた品質を得ることができる。
焼成カオリンを塗工層中に含有するとフレキソ印刷適性を改善する理由は必ずしも定かではないが、焼成カオリンは、天然に産するカオリンをキルンなどで約800℃程度の高温処理することにより、カオリンの結晶構造中に存在する結晶水を放出させたもので、結晶構造が崩壊して非晶質な構造となり、不透明性、多孔質でインキ吸収性に優れた性質を持っている。このことから、焼成カオリンのもつ空隙性によって、顔料中にインキを取り込み、またインキ中の溶剤が均一に吸収されて、インキの発色性と均一性が得られ、また密着性の向上による網点の再現性も得られるものと考える。
本発明に使用する焼成カオリン以外の顔料としては、製紙分野で通常使用されている顔料、例えば、クレー、構造化カオリン、エンジニアードカオリン、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム等の一種または二種以上を使用することができる。この中でも、タルクを配合することが好ましい。後加工、製袋加工時に塗工表面に異物が接触して擦れた時、異物付着による汚れが発生しやすいことに対して、タルクが扁平顔料で、塗工層に存在すると摩擦抵抗を低減させる性質を有していることから、異物による汚れを軽減させることが出来る。一般的に製紙用のタルクは、セディグラフによって測定した平均粒径が1〜5μm、クロライト含有率は0〜90%であるが、中でもクロライト含有率5〜80%のタルクの使用は、顔料の分散性と加工時の汚れを軽減させる効果のバランスがとれているため、より好ましい。また、タルク配合部数は顔料100質量部当たり、70質量部以下が好ましい。5質量部以上を含有するとその効果が顕著に発現される。クロライト含有率によりタルク配合部数は変わるものの、さらに好ましくは15〜60質量部である。なお、焼成カオリンを除く顔料は、フレキソインキの吸収性の観点から、本発明の所望する効果を阻害しない範囲で使用するのが望ましいが、プラスチックピグメント等の有機顔料はインキ吸収性が劣るので好ましくない。
インキ発色性向上に対して効果を阻害しない範囲において、本発明使用される塗料中に、防滑剤、染料等の添加剤を併用してもよい。
焼成カオリンは塗料の保水性が著しく低下させることが知られている。塗料保水性が低いと、原紙中に塗料が浸透し易くなり、均一な塗工層が原紙表面に形成することが困難となる。また、塗工装置によっては、塗工筋が発生したり、全く塗工が出来なくなったりすることがあるので、澱粉誘導体を使用することが有効である。
本発明で使用される澱粉誘導体としては、例えば、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン、冷水可溶性澱粉などが挙げられる。その配合量としては、顔料100質量部あたり8〜40質量部が必要であり、10〜30質量部がより好ましい。因みに、澱粉誘導体の配合量が8質量部未満であると、塗料としての保水性に劣り、塗料が原紙中に浸透しやすくなって、均一な塗工皮膜ができなくなることにより、フレキソインキ発色性が不均一になる恐れがある。澱粉配合量が40質量部を超えると、塗工層全体に対して澱粉量が多くなって、相対的に顔料の割合が低くなり、フレキソインキ吸収性に劣り、インキが塗工層表面に流れてしまう現象が起こってしまう。即ち、焼成カオリンを含有する顔料100質量部あたり澱粉誘導体を8〜40質量部配合することによって、フレキソインキに対する吸収性を阻害することなく、極めて均一な塗工皮膜が得られ、かつ本発明の吸収係数の範囲を実現する。結果としてマージナルマークの発生が抑えられ、高品質の印刷が可能になった。
本発明に使用される澱粉誘導体以外の接着剤としては、一般の塗被紙製造分野で使用されている公知の接着剤が適宜使用される。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレンーメチルメタクリレートーブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等の水分散性接着剤等が使用でき、1種または2種以上を適宜選択して使用できる。なお、例示した水分散性接着剤の中で、費用と接着強度のバランスの良い、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用することがより好ましい。また、水分散性接着剤の塗工層中の配合量としては、顔料100質量部に対して8〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは、10〜25質量部である。これは、焼成カオリンが上述のごとく、多孔質な特徴があることから、塗工層の強度を十分に発現させるに足る範囲である。
本発明の澱粉誘導体、水分散性接着剤以外で使用できる接着剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が例示される。
本発明の塗工層は、単層であっても、複層であっても差し支えないが、全体の塗工量は0.5〜10g/m2が好ましい。塗工量がこの範囲であると、経済性にすぐれ、且つ水性フレキソのインキ発色性が優れた塗工包装用紙が得られる。より好ましい塗工量としては、1.5〜7.5g/m2である。
本発明の塗料を原紙に塗工するに当たっては、塗被紙製造に一般に使用される塗工装置が使用でき、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールサイズプレスコーター、フィルムメタリングサイズプレスコーター等の塗工装置を使用して、オンマシン方式またはオフマシン方式で原紙の表面に、単層または多層で塗工される。塗工時の顔料組成物の固形分濃度は、10〜75質量%の範囲で選ぶことができるが、塗工量が0.5〜10g/m2の範囲に留まるよう、また、塗工するコーターを考慮し、適宜調整することが好ましい。
塗工包装用紙の場合、袋の外面にあたる面のみ印刷されることから、本発明も片面のみ塗工するほうが経済的に好ましい。ところが、片面のみ塗工すると紙は塗工面側にカールする性質があるので、カール矯正をするのが好ましい。カール矯正には、従来から行われている方法を選択することが可能である。なお、塗料を塗工するコーターとしてゲートロールコータを選択すると、表面を焼成カオリン含有の塗料を塗工し、裏面をカール矯正用の塗料を1回のパスで同時に塗工できるので、ゲートロールで塗工することが経済的により好ましい。
本発明で塗工された塗工包装用紙は、塗工面や印刷適性をさらに向上させるために、カレンダー処理をすることが出来る。例えば、金属ロール間でニップするマシンカレンダーや弾性ロールにコットンロールを用いたスーパーカレンダーや弾性ロールに合成樹脂ロールを用いたソフトニップが挙げられる。ソフトニップカレンダーは合成樹脂ロール表面の耐熱温度がコットンロールに比べて高く設定することが可能なため、高温での処理が可能であり、同一の平滑性を目標とした場合、スーパーカレンダーに比べて処理線圧を低く設定できるので好ましい態様である。
クラフトパルプは高強度を確保することが出来るため、本発明の塗工包装用紙原紙に晒、未晒、半晒クラフトパルプを少なくとも1種を含有する。クラフトパルプの種類は特に限定がなく、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(以下、NUKPという)、広葉樹未晒クラフトパルプ(以下、LUKPという)、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKPという)、広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKP)、針葉樹や広葉樹を用いて晒工程を酸素晒工程まで行った針葉樹酸素晒クラフトパルプ(NOKP)、広葉樹酸素晒クラフトパルプ(LOKP)、または、晒を1段から2段行った半晒パルプ等があげられ、これらの中から1種以上を適宜選択して用いる。
上記クラフトパルプ以外に紙の強度を阻害しない範囲において、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、新聞古紙、オフィス古紙、情報用紙古紙、段ボール古紙、紙器古紙等の古紙パルプを必要に応じて脱墨処理をして使用することが可能である。
内添薬品は必要に応じて使用でき、例えば、硫酸バンド、ロジン等のサイズ剤、ポリアミド、澱粉等の紙力増強剤、濾水歩留まり向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロヒドリン等の耐水化剤、染料等が使用される。例示したパルプ、内添薬品を使用した原紙を使用する。
原紙の抄紙条件においても特に限定は無く、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、丸網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。抄紙方式としては、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ抄紙等のいずれの方式でも使用できる。これらの抄紙条件で抄紙された原紙の米坪としては、30〜180g/m2が製袋加工するのに適した坪量であり包装用紙として好ましい。より好ましくは、50〜150g/mである。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」、「%」は特に断わらない限り、質量部、質量%を示す。
実施例1
(塗料の作成)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製)90部、カオリン(商品名:ミラグロスJ、BASF社製)10部、接着剤(商品名:PA−8064、エイアンドエル社製)15部、酸化澱粉(商品名:GRS−T110、王子コーンスターチ社製)20部(いずれも固形分換算)からなる塗料を、濃度40%となるよう調製した。
560mlCSFのNBKPを60%、460mlCSFのLBKPを40%のパルプスラリー中に、パルプ100%に対して、カチオン化澱粉(商品名:ピラーP3YK、ピラースターチ社製)0.35%、硫酸バンド1.3%、サイズ剤(商品名:ペローザーE3655、東邦化学工業社製)0.4%を添加して調製した紙料で抄紙し、引き続きゲートロール塗工装置により上記塗料を片面に乾燥重量が3g/m(固形分)となるように塗工し、反対面には、酸化澱粉(商品名:GRS−T110、王子コーンスターチ社製)を0.5g/mとなるように塗工、乾燥後、カレンダー処理をして紙水分6.0%、坪量80g/mの塗工包装用紙を得た。
実施例2
実施例1において、塗料中の顔料を焼成カオリン70部、タルク(商品名:ミクロタッチ、日本ミストロン社製)30部とした以外は実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
実施例3
実施例1において、原紙中のパルプをNOKP35%、LOKP65%、塗料中の顔料を焼成カオリン30部、タルク70部、接着剤を5部、酸化澱粉を35部とした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
実施例4
実施例1において、原紙中のパルプをNUKP35%、LUKP50%、脱墨処理した新聞古紙パルプ15%、塗料中の顔料を焼成カオリン100部、酸化澱粉を10部、塗工量を1.5g/m、反対面の澱粉塗布量を0.3g/mとした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
実施例5
実施例1において、塗料中の顔料を焼成カオリン75部、タルク5部、カオリン10部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)10部、酸化澱粉を35部、接着剤を9部とした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
比較例1
実施例1の原紙上に、酸化澱粉を両面での塗工量0.4g/mになるように塗工、乾燥後、カレンダー処理をして紙水分6.0%の包装用紙を得た。
比較例2
実施例1において、塗料中の顔料を焼成カオリン8部、カオリン46部、重質炭酸カルシウム46部、接着剤を11部、酸化澱粉を5部、塗工量を7.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
比較例3
実施例2において、原紙中のパルプを脱墨処理した新聞古紙パルプ50%、脱墨処理した雑誌古紙パルプ50%、塗料中の酸化澱粉を50部とした以外は、実施例2と同様にして塗工包装用紙を得た。
比較例4
実施例1において、塗料中の顔料をカオリン30部、重質炭酸カルシウム70部、接着剤を9部、酸化澱粉を5部とした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
比較例5
ヤンキードライヤーを備えた抄紙機で抄紙した包装用紙を用いた。
比較例6
実施例1において、塗料中の顔料を焼成カオリン20部、カオリン30部、重質炭酸カルシウム50部、接着剤を6部、酸化澱粉を20部、反対面をポリビニアルアルコール(PVA−105、クラレ社製)0.5g/mとした以外は、実施例1と同様にして塗工包装用紙を得た。
得られた塗工包装用紙について、下記の評価方法で評価を行い、得られた結果を表1に示した。なお、本発明における塗工包装用紙の測定及び評価については特に記載のない限り、23℃、50%RHの環境下で行った。
(水に対する吸収係数Kaの測定)
JAPAN TAPPI No.51に準拠して液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業社製)で測定した。
(動的接触角)
動的接触角測定装置(商品名:DAT1100MK II、Fibro社製)を用い、蒸留水を4.0μ滴下後0.1秒後から5秒後までの接触角を測定して、0.1〜1.0秒間の低下した接触角度を0.9で除し、1秒間当たりに低下する接触角度を算出した。
(フレキソ印刷におけるインキの発色性)
K印刷プルーファー(RK Print−Coat Instruments社製)、100線/インチに彫刻したアニロックスプレートで、水性フレキソ藍インキ(商品名:ラップトーンHR、サカタインクス社製)を使用して、得られた塗工包装用紙に印刷した。印刷した面をカラー反射濃度計(Model404G、X−Rite社製)でシアンインキ濃度を計測した。
(印刷部インキ流れ)
上記K印刷プルーファーにて印刷した部分を観察し、印刷面のインキが均一に定着されているかを拡大鏡と目視で評価した。
[評価基準]
◎:拡大鏡、目視ともインキが均一に定着されている。
○:拡大して印刷部分を観察すると、不均一部が一部存在するが、目視では均一に定着
されている。
×:インキが用紙に吸収し難く、余ったインキが泳いでおり、目視の観察でインキ定着
面が不均一である。
(インキ乾燥性)
上記K印刷プルーファーで印刷した5秒後に合成紙(商品名:ユポ、ユポコーポレーション社製)を接触、圧着させて未乾燥インキの合成紙への転移を目視評価した。
[評価基準]
◎:全くインキが転移しない。
○:ごく一部のインキが転移したが、実用範囲である。
×:インキが乾燥せず、多くのインキ転移が認められた。
(製袋適性)
自動製袋機で、底幅115mm、袋幅315mm、袋長さ315mmの角底袋(手提げ袋)に加工した。加工後に折部の割れ、印刷部の割れを総合的に目視評価した。
[評価基準]
◎:全く割れが発生しない。
○:ごく一部割れが発生したが、実用範囲である。
×:割れが定常的に発生した。
Figure 0005440017
上記表1に明らかなように、本発明の要件を満たす実施例1〜5は本発明の要件をいずれか欠く比較例1〜6に対して、印刷部のインキ流れがなく、インキ発色性やインキ乾燥性に優れ、製袋適性が良好であった。
以上の通り、本発明によりフレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキに対して、優れたインキ発色性と印刷面の仕上がりを持ち、さらに製袋適性に優れた塗工包装用紙を得ることが可能となった。

Claims (3)

  1. 原紙の少なくとも片面に顔料と接着剤を含有する塗工層を有し、紙袋として使用される塗工包装用紙において、前記原紙に晒、未晒、半晒クラフトパルプを少なくとも1種を含有し、前記塗工層中の顔料100質量部あたり、焼成カオリンが30〜100質量部、かつ澱粉誘導体が8〜40質量部を含有し、さらに塗工面のJAPAN TAPPI No.51による水に対する吸収係数Kaが0.16〜0.35ml/m・ms1/2の範囲にあって、かつ塗工面に蒸留水を4μl滴下してから0.1秒〜1.0秒の範囲における単位時間あたりの動的接触角の低下角度が−3.5〜−0.3度/秒であることを特徴とする塗工包装用紙。
  2. 前記顔料100質量部に対し、タルクが70質量部以下を含有する請求項1記載の塗工包装用紙。
  3. 前記顔料100質量部に対し、水分散性接着剤が8〜30質量部を含有する請求項1または2記載の塗工包装用紙。
JP2009188832A 2009-08-18 2009-08-18 塗工包装用紙 Active JP5440017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009188832A JP5440017B2 (ja) 2009-08-18 2009-08-18 塗工包装用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009188832A JP5440017B2 (ja) 2009-08-18 2009-08-18 塗工包装用紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011038227A JP2011038227A (ja) 2011-02-24
JP5440017B2 true JP5440017B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=43766263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009188832A Active JP5440017B2 (ja) 2009-08-18 2009-08-18 塗工包装用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5440017B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6158493B2 (ja) * 2012-09-28 2017-07-05 大王製紙株式会社 ライナー及び段ボールシート
CN108978333A (zh) * 2018-08-15 2018-12-11 马鞍山卓凡新材料科技有限公司 一种方便使用的可降解抑菌包装袋
CN108978332A (zh) * 2018-08-15 2018-12-11 马鞍山卓凡新材料科技有限公司 一种环保食品包装袋的制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3306859B2 (ja) * 1995-10-13 2002-07-24 日本製紙株式会社 オフセット印刷用塗被紙の製造方法及び塗被紙
JP4403655B2 (ja) * 1999-12-27 2010-01-27 王子製紙株式会社 段ボールライナ
JP2004094725A (ja) * 2002-09-02 2004-03-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd ファームウェア書換装置及びファームウェア書換方法
JP4199015B2 (ja) * 2003-01-29 2008-12-17 紀州製紙株式会社 遮光紙
JP4952526B2 (ja) * 2007-03-23 2012-06-13 王子製紙株式会社 塗工ライナー及びそれを用いた段ボール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011038227A (ja) 2011-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012062580A (ja) 塗工白板紙
WO2017039015A1 (ja) 塗工紙、塗工基材、およびインキ乾燥性の評価方法
JP2009221613A (ja) 印刷用塗工紙およびその製造方法
JP5499573B2 (ja) 塗工包装用紙
JP5440017B2 (ja) 塗工包装用紙
JP4940622B2 (ja) コールドオフセット印刷用新聞用紙
CN103507463A (zh) 记录介质
JP4952526B2 (ja) 塗工ライナー及びそれを用いた段ボール
JP2002069896A (ja) 不透明度に優れた紙
JP5015359B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP2011038216A (ja) 塗工包装用紙
JP5240118B2 (ja) 塗工包装用紙
JP5493539B2 (ja) 塗工包装用紙
JP3555258B2 (ja) 非塗工紙風合いを有する艶消し塗工紙
JP3867620B2 (ja) オフセット輪転印刷用塗工紙
JP3867643B2 (ja) オフセット輪転印刷用塗工紙
JP4758049B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4839733B2 (ja) コールドオフセット用新聞印刷用紙
JP5440060B2 (ja) 塗工包装用紙
JP4952628B2 (ja) 塗工ライナー及びそれを用いた段ボールシート
JP2003155692A (ja) 印刷用塗被紙
JP4474843B2 (ja) 艶消し塗工紙
JP2007162178A (ja) オフセット印刷用新聞用紙
JP2003268695A (ja) オフセット印刷用塗工紙およびその製造方法
JP7309672B2 (ja) インキ乾燥性の評価方法および印刷用塗工紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5440017

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250