JP3514009B2 - 印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗被紙の製造方法

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JP3514009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、100℃以上の高
温キャレンダー処理で仕上げる印刷用塗被紙の製造方法
に関し、詳しくは、平滑性、光沢並びに剛度(紙腰)が
高い印刷用塗被紙の製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】一般に、印刷用塗被紙は光沢度が高く、
平滑な塗被層を備えていることが必要であるが、そうし
た特性に加えて、最近では軽量でありながら、高い剛度
をもった印刷用塗被紙が求められている。特に、印刷技
術の向上により高速印刷が一般化するにつれて、剛度の
高い印刷用塗被紙は印刷作業性に優れている関係で、そ
の需要が益々増大している。
【0003】印刷用塗被紙の剛度を高める手段として
は、原紙にNKPを高率配合したり、或いは塗被組成物
中にアスペクト比の高い板状顔料や澱粉を高率配合する
とか、もしくはガラス転移温度の高い共重合体を高率配
合する等の方法が知られている。しかし、原紙にNKP
を高率配合したり、塗被組成物中に澱粉を高率配合した
場合には、得られる塗被紙の平滑性や光沢が低下すると
いう問題がある。また、塗被組成物に配合する板状顔料
としてカオリン等を多用しただけでは、剛度を充分に高
めることができないとう問題もある。そのため、従来
は、ガラス転移温度の高い重合体ラテックスを、塗被組
成物中に高率配合することが剛度改善の手段として採用
されている。そして、ガラス転移温度の高い重合体ラテ
ックスを高率配合した場合には、当該重合体ラテックス
の欠点である接着強度の低さを補うと共に、その長所で
ある光沢発現性を一段と高めるために、グロスキャレン
ダーあるいはソフトキャレンダーと称される100℃以
上の高温キャレンダー処理によって、印刷用塗被紙を仕
上げるのが一般的である。
【0004】高温キャレンダー処理は、原紙に塗布され
て一旦乾燥された塗被層中の熱可塑性物質を、金属ロー
ルと弾性ロールからなるキャレンダーのニップ間に通
し、その間で付与される熱と圧力によって可塑化させて
塗被組成物中の顔料を効率的に配向させると共に、金属
ロール表面の平滑さを塗被層表面に転写させるのが本来
の狙いである。然るに、ガラス転移温度の高い共重合体
ラテックスが高率配合された塗被層を、高温キャレンダ
ー処理した場合には、金属ロールや弾性ロールに塗被層
が貼り付き易く、これが起こると平滑性及び光沢性に富
んだ印刷用塗被紙が得られないという問題がある。この
ような不都合を解決する手段として、塗被組成物中にワ
ックス類、脂肪酸類、脂肪酸塩類、シリコーン樹脂等の
離型剤を含有させるとか、塗被層又はロールの表面にこ
れら離型剤を直接塗布するとかの方策が従来からも採ら
れている。また、特開昭56−148993号には特定
のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを、塗被組
成物の接着剤成分として使用する方法が提案されている
が、前記いずれの方法もロールへの塗被層の付着を満足
するまでには防ぐことができないのが現状である。
【0005】特に、ガラス転移温度の高い重合体ラテッ
クスとしての酢酸ビニル重合体または酢酸ビニル系共重
合体は、熱可塑性に富むことから、高温キャレンダー処
理時に金属ロール表面の平滑性を効率良く塗被層表面に
転写し、かつ光沢および剛度を有する塗被紙を得るのに
役立つことが知られているが、前記の酢酸ビニル重合体
または酢酸ビニル系共重合体ラテックスが高率配合され
た塗被層は、金属ロールや弾性ロールに貼り付き易く、
品質と操業性とを両立させるのが非常に困難であるのが
現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
キャレンダー仕上げすることで剛度や光沢が優れる印刷
用塗被紙を製造する方法において、塗被組成物の接着剤
成分として特定な離型剤を使用することにより、従来技
術に指摘されるような問題を伴わない印刷用塗被紙の製
造方法を提供せんとしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に顔料
および接着剤を主成分とする塗被組成物を塗被、乾燥し
た後、これを100℃以上の高温キャレンダーに通紙し
て仕上げる印刷用塗被紙の製造方法において、顔料10
0重量部に対する接着剤としてガラス転移温度が25〜
50℃の重合体ラテックスを固形分として10〜30重
量部含有し、かつ当該塗被組成物中に炭素数が6〜22
の脂肪族炭化水素基を有する燐酸エステル金属塩を離型
剤に用い、これを顔料100重量部に対して0.1〜
5.0重量部含有させることを特徴とする。なお、ガラ
ス転移温度が25〜50℃の重合体ラテックスとして、
酢酸ビニル重合体または酢酸ビニル系共重合体を用いる
と、熱キャレンダー処理により得られる塗被紙の品質と
操業性を高度にバランスさせることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】上記した第1の発明においては、
塗被組成物の接着剤成分としてガラス転移温度が25〜
50℃の範囲にある重合体ラテックスを塗被組成物中の
顔料100重量部当たり固形分として10〜30重量部
の範囲で使用すると共に、炭素数が6〜22の脂肪族炭
化水素基を有する燐酸エステル金属塩を離型剤に用い、
それを顔料100重量部に対して0.1〜5.0重量部
含有させることを特徴とするものである。
【0009】ガラス転移温度が25〜50℃の範囲にあ
る重合体ラテックスとしては、例えばスチレン・ブタジ
エン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重
合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エ
ステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体ま
たは共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス、酢酸
ビニル系共重合体等のビニル系重合体ラテックス、ある
いはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等
の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいは
非アルカリ溶解性の重合体ラテックス等の重合体ラテッ
クスの一種以上を適宜選択して使用するのがよい。な
お、重合体のガラス転移温度は重合に供するモノマーの
種類により決定され、数種のモノマーを共重合させる共
重合体にあっては、重合に供するモノマーの種類および
その配合率を適宜調節して共重合させることにより、ガ
ラス転移温度を25〜50℃の範囲に保持させることが
できる。重合体ラテックスの配合部数は、ラテックスの
固形分として顔料100重量部に対して10〜30重量
部、好ましくは10〜25重量部の範囲で使用すること
が重要である。10重量部未満では剛度に対する効果が
顕著でなく、また、30重量部を越えると塗被層の空隙
率が極端に低下して、インキ吸収性の悪化およびオフセ
ット印刷時のインキ着肉性が低下し、好ましくない。
【0010】炭素数が6〜22の脂肪族炭化水素基を有
する燐酸エステル金属塩についての詳細な機構は明らか
でないが、離型剤として塗被組成物中に配合した場合、
比較的少ない添加量で塗被層のロールへの貼り付きを解
消でき、しかも他の離型剤を添加した場合に発生する光
沢の低下等、塗被紙品質への悪影響が少ないものであ
る。かかる離型剤の具体例としては、例えば、モノステ
アリル燐酸エステルアルミニウム塩、ジオクチル燐酸エ
ステルアルミニウム塩、トリラウリル燐酸エステルアル
ミニウム塩等が挙げられる。また、離型剤の添加量とし
ては、塗被組成物中に顔料100重量部に対して0.1
〜5重量部程度、より好ましくは、0.3〜3.0重量
部の範囲で調節される。なお、離型剤の添加量が0.1
重量部未満では、充分な離型効果が得られず、5.0重
量部を越えると、離型剤効果は良好でも仕上がり塗被紙
の品質面、特に表面光沢の低下やインキ定着性の不良等
を招き、好ましくない。
【0011】第1の発明では、塗被組成物の接着剤成分
として、ガラス転移温度が25〜50℃の範囲の重合体
ラテックス以外に、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成
蛋白等の蛋白類;ポリビニルアルコール、オレフィン−
無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着
剤;陽性化澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉等の澱粉
類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、さらにはガラス転移温
度が25〜50℃の範囲以外の重合体ラテックス等を、
本発明の所望の効果を損なわない範囲で適宜併用するこ
とができる。
【0012】上記した第2の発明においては、塗被組成
物の接着剤としてガラス転移温度が25〜50℃の範囲
にある酢酸ビニル重合体ラテックスまたは酢酸ビニル系
共重合体ラテックスを塗被組成物中の顔料100重量部
当たり、固形分として10〜30重量部の範囲で使用す
ると共に、炭素数が6〜22の脂肪族炭化水素基を有す
る燐酸エステル金属塩を離型剤に用い、そのものを顔料
100重量部に対して0.1〜5.0重量部の割合で添
加するものである。酢酸ビニル重合体のガラス転移温度
は約30℃であり、酢酸ビニル系共重合体では酢酸ビニ
ルと共重合可能なモノマーを適宜選択すると共に、その
配合率も適宜調節して共重合させることにより、ガラス
転移温度が25〜50℃の範囲にある酢酸ビニル系共重
合体を得るようにする。具体的には、塩化ビニル、高級
第3級ビニルエステル(Veo Va)等のビニルエステル系
モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アク
リル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル等の
不飽和カルボン酸エステル系モノマー、アクリルアミド
等の不飽和カルボン酸アミド系モノマー、アクリル酸等
の不飽和カルボン酸系モノマー、エチレン、プロピレン
等の炭化水素系モノマー等の酢酸ビニルと共重合可能な
モノマーの少なくとも1種以上と酢酸ビニルの共重合体
が使用できる。
【0013】離型剤の添加量としては、塗被組成物中に
顔料100重量部に対して0.1〜5.0重量部程度、
より好ましくは0.3〜3.0重量部の範囲で調節され
る。なお、離型剤の添加量が0.1重量部未満では充分
な離型効果が得られず、5.0重量部を超えると離型剤
効果は、良好でも仕上がり塗被紙の品質面、特に表面光
沢の低下やインキ定着性の不良等を招き、好ましくな
い。第2の発明では、上記酢酸ビニル重合体または酢酸
ビニル系共重合体を塗被層の接着剤として用いること
で、高温キャレンダー処理時のニップ間で付与される熱
と圧力によって塗被層が容易に可塑化して、良好な光沢
の塗被紙を得ることができる。さらに、上記特定の離型
剤を酢酸ビニル重合体または酢酸ビニル系共重合体と併
用することで、高温キャレンダーの金属ロールや弾性ロ
ールへの塗被層の貼り付きを解消できる。第2の発明に
あっても、第1の発明と同様、上記したガラス転移温度
が25〜50℃の範囲の酢酸ビニル重合体または酢酸ビ
ニル系共重合体以外の接着剤を、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、必要に応じて使用することができる。そし
て、この種の接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合
成蛋白等の蛋白類;ポリビニルアルコール、オレフィン
−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接
着剤;陽性化澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉等の澱粉
類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、さらにはガラス転移温
度が25〜50℃の範囲以外の重合体ラテックス等を、
本発明の所望の効果を損なわない範囲で適宜併用するこ
とも可能である。
【0014】進んで、第1及び第2の発明に共通する技
術事項を説明すると、本発明の塗被組成物に配合する顔
料としては、当業界で通常使用される顔料が何れも使用
可能であって、例えば、クレー、カオリン、水酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク、サチンホワイ
ト、焼成カオリン、ホワイトカーボン等の無機顔料の
外、各種の有機顔料の1種又は2種以上を使用すること
ができる。また、本発明の塗被組成物には、必要に応じ
て、例えば、耐水化剤、消泡剤、離型剤、流動変性剤等
を適宜の量で配合することができ、また、塗被組成物の
原紙上での不動化を促進する助剤として、例えば、アミ
ン、アミド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の多価金属
塩を、顔料に対して0.1から10重量%程度添加でき
る。
【0015】本発明の塗被組成物は、印刷用塗被紙の製
造分野で一般に用いられるコーター、例えば、ブレード
コーター、エアナイフコーター、ロールコーター、リバ
ースロールコーター、バーコーター、カーテンコータ
ー、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャン
プレックスコーター、サイズプレスコーター等の塗被装
置を設けたオンマシンあるいはオフマシンコーターによ
って、原紙上に一層あるいは二層以上に分けて塗被され
る。
【0016】原紙の抄紙方法については、特に限定され
るものではなく、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙
のいずれであってもよく、高歩留パルプを含む中質原紙
も使用できる。勿論、各種の回収古紙パルプも使用でき
る。また、サイズプレス、ビルブレード、ロールコータ
ー、ゲートロール、ブレードコーター等のサイズプレス
やコーターで顔料および接着剤その他助剤等を予備塗工
した下塗り塗被原紙も適宜使用できる。これらの原紙上
に塗被組成物を塗被する際の塗被量は、一般に乾燥重量
で片面当たり3〜30g/m2程度であるが、得られる
塗被紙の白紙品質、印刷適性等を考慮すると、8〜30
g/m2程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0017】また、湿潤塗被層を乾燥する方法として
は、例えば、蒸気加熱シリンダー、加熱熱風エアードラ
イヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライ
ヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードラ
イヤー等、あるいは、レーザー加熱、電子線加熱、誘電
加熱等各種の方法が単独または併用して採用される。中
でも、加熱熱風エアードライヤーが好ましく、熱風温度
120〜180℃、熱風の空気速度20〜60m/sの
範囲が好ましく採用される。また、加熱熱風エアードラ
イヤーと蒸気加熱シリンダーの併用も好ましい。本発明
における乾燥方法は、乾燥条件によって組成物の種類や
配合比率が同じでも、塗被層中の接着剤のマイグレーシ
ョン度合いが変るので、目的に応じて乾燥条件を調整す
ることが望ましい。
【0018】本発明では上記のようにして得られた塗被
紙を100℃以上に加熱された高温キャレンダーに通紙
して仕上げ処理するが、キャレンダー圧力、ニップ数に
ついては特に限定されず、要求される品質に応じて適宜
選択される。キャレンダーとしては、例えばスーパーキ
ャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトコンパクトキ
ャレンダー等の金属ロールまたはドラムと弾性ロールか
らなる各種キャレンダーがオンマシンやオフマシンの形
態で適宜使用される。なお、金属ロール表面は硬質クロ
ムメッキ等で鏡面処理してもよく、その表面温度として
100〜300℃の高温にしたロールを有する装置で加
圧処理が施される。ここでいうオンマシンキャレンダー
は抄紙機に限らず、塗工機に組み込まれたオンマシンキ
ャレダーも含まれる。
【0019】高温キャレンダーに使用する弾性ロール
は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、
コットン、ナイロン、アラミド繊維等を成形したロール
が適宜使用される。弾性ロールの硬度については、高
温、高圧下での耐久性、光沢、平滑性付与のために、シ
ョアD硬度が85°以上のものが好ましく使用される。
ショアD硬度が高いロールは、光沢ムラ、インキ吸収ム
ラが発生する傾向にあるが、本発明による塗被紙は光沢
ムラ、インキ吸収ムラが発生しにくいので、弾性ロール
硬度はショアDが90°〜95°のものを使用すること
により良好な光沢、平滑性が得られ、その点でも好まし
い方法といえる。また、キャレンダー処理において、金
属ロールの表面温度が100℃以上であれば、ニップ
数、ニップ圧を減らし、緊度を低くしても、所望の光沢
度を維持することができ、同時に紙腰の向上のためにも
有効であることが確認された。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の効果を明確にするために、
実施例を挙げて説明するが、勿論これらに限定されるも
のではない。なお実施例中の「部」および「%」は特に
断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を
示す。
【0021】実施例1 <塗料の調製>顔料として、カオリン(UW−90/エ
ンゲルハード社製)60部、軽質炭酸カルシウム(TP
−123−CS/奥多摩工業社製)40部を使用し、分
散剤として顔料に対しポリアクリル酸ソーダ0.02部
を添加し、コーレス分散機を用いて分散させ、固形分濃
度69%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリー
に酸化澱粉(エースA/王子コンスターチ社製)2部、
ガラス転移温度が30℃のスチレン−ブタジエン共重合
体ラテックス(T−2255/日本合成ゴム社製)を固
形分で18部を添加し、更に耐水化剤としてスミレーズ
レジン703(住友化学工業社製)と水、ならびに離型
剤として脂肪族燐酸エステルアルミニウム塩を1.0部
(固形分)を加えて固形分濃度が59%の塗被組成物を
得た。
【0022】<塗被紙の製造> この塗被組成物を米坪が107g/mの中性抄紙で抄
造された上質原紙に、ブレードコーターを用いて固形分
濃度59%で片面塗被し、140℃で乾燥した。塗被量
は片面当たり乾燥重量で25g/mになるようにし
て、同様に裏面も塗被乾燥を行い、水分含有率が6%の
塗被紙を得た。このようにして得られた両面塗被紙をク
ロムメッキ処理した金属ロール(表面温度150℃)を
有するキャレンダーにかけ、塗被紙の各面が2回ずつ金
属ロールに接するようにして、通紙速度300m/mi
10kmの長さの巻取をキャレンダー仕上げを行っ
て印刷用塗被紙を得た。なお、使用した弾性ロールの硬
度はショアD硬度で91°であり、線圧は150kg/
cmであった。
【0023】実施例2 実施例1において離型剤の配合部数を3.0部(固形
分)とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙
を得た。
【0024】実施例3 実施例1において、ガラス転移温度が30℃のスチレン
−ブタジエン共重合体に代えて、ガラス転移温度が30
℃の酢酸ビニル重合体(セビアンA−522/ダイセル
化学工業製)を固形分で18部、さらにガラス転移温度
が0℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(T
−2550K/日本合成ゴム社製)を0.5部としたこ
と以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0025】実施例4 下塗り用顔料として、カオリン(HT/エンゲルハード
社製)20部、重質炭酸カルシウム(FMT−90/フ
ァイマテック社製)80部を使用し、分散剤として顔料
に対しポリアクリル酸ソーダ0.02部を添加し、コー
レス分散機を用いて分散して固形分濃度75%の顔料ス
ラリーを調製した。この顔料スラリーに酸化澱粉(エー
スA/王子コーンスターチ社製)を固形分で4部、ガラ
ス転移温度が0℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス(T−2550K/日本合成ゴム社製)を固形分
で10部を添加し、更に水を加えて固形分濃度が63%
の塗被組成物を得た。この塗被組成物を米坪が107g
/m2の中性抄紙で抄造された上質原紙に、ブレードコ
ーターで固形分濃度63%で、片面当たり乾燥重量で1
0g/m2になるようにして、両面塗被を行い下塗り塗
被紙を得た。
【0026】次に、上塗り用顔料としてカオリン(アマ
ゾン−88/CADAM社製)50部、重質炭酸カルシ
ウム(FMT−90/ファイマテック社製)30部、軽
質炭酸カルシウム(TP−123−CS/奥多摩工業社
製)20部を使用し、分散剤として顔料に対しポリアク
リル酸ソーダ0.02部を添加し、コーレス分散機を用
いて分散して固形分濃度70%の顔料スラリーを調製し
た。この顔料スラリーに酸化澱粉(エースA/王子コー
ンスターチ社製)2部、ガラス転移温度が44℃のアク
リル−酢酸ビニル共重合体ラテックス(プライマルP−
310/ロームアンドハースジャパン社製)を固形分で
18部を添加し、更に実施例1で用いた耐水化剤を固形
分として0.2部と水ならびに前記離型剤として脂肪族
燐酸エステルアルミニウム塩を3.0部加えて固形分濃
度が60%の塗被組成物を得た。
【0027】この塗被組成物を上記で得た下塗り塗被紙
に、ブレードコーターで固形分濃度60%で片面塗被し
140℃で乾燥した。塗被量は片面当たり乾燥重量で1
5g/m2になるようにして、同様に裏面も塗被乾燥を
行い、水分含有率6%の塗被紙を得た。このようにして
得られた両面塗被紙を金属ロールの表面温度を120℃
としたこと以外は、実施例1と同様にしてキャレンダー
仕上げを行なって印刷用塗被紙を得た。
【0028】比較例1 実施例1の塗被組成物の調製において、離型剤の配合量
を0.05部(固形分)とした以外は、実施例1と同様
にして印刷用塗被紙を得た。
【0029】比較例2 実施例1の塗被組成物の調製において、離型剤の配合量
を7.0(固形分)部とした以外は、実施例1と同様に
して印刷用塗被紙を得た。
【0030】比較例3 実施例1の塗被組成物の調製において離型剤をステアリ
ン酸亜鉛1.5部(固形分)とした以外は、実施例1と
同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0031】比較例4 実施例1の塗被組成物の調製において、ガラス転移温度
が30℃のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを
ガラス転移温度が0℃のスチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス(T−2550K/日本合成ゴム社製)とし
た以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0032】比較例5 実施例3の塗被組成物の調製において、離型剤を脂肪酸
カルシウム塩2.0部(固形分)とした以外は、実施例
3と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0033】比較例6 実施例3の塗被組成物の調製において、離型剤をステア
リン酸アミド1.0部(固形分)とした以外は、実施例
3と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0034】比較例7 実施例4の上塗り用塗被組成物の調製において、離型剤
ステアリン酸エマルジョン1部(固形分)とした以外
は、実施例4と同様にして印刷用塗被紙を得た。上記の
実施例ならびに比較例で得られた塗被紙の品質を測定
し、その結果を表1に示した。なお、各測定項目と評価
基準は、以下のとおりである。
【0035】〔キャレンダー操業性の評価〕 長さ10kmの巻取をキャレンダー仕上げした後の当該
キャレンダーの金属ロール面を目視により下記基準で判
定した。 ◎:非常に良好(金属ロール面の曇り、塗被層のロール
への貼り付きは全く発生しなかった。) ○:良好(金属ロール面の曇りが僅かに発生した。) △:やや劣る(金属ロール面の曇りが発生したが、塗被
層のロールへの貼り付きは発生しなかった。) ×:劣る(塗被層のロールへの貼り付きが発生した。)
【0036】〔白紙光沢度の測定〕 JIS−P−8142に基づいて測定した。 〔剛度「紙腰」の測定〕 クラーク剛度試験機(熊谷理機工業社製)を用いてJI
S−P−8143のA法に準拠して測定し、剛さを算出
した。 〔塗被紙の印刷平滑性の評価〕 RI印刷機(明製作所製)で印刷を行い、目視により下
記の基準で判定した。 評価基準: ◎=非常に良好。○=良好。△=やや劣る。×=非常に
劣る。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明に係る印刷用塗被紙の製造方法に
よれば、キャレンダー処理に際して塗被層表面がロール
面にへばりつくことなく、また、ロール表面に曇りも発
生しないので塗被操業性が極めてよく、得られた印刷用
塗被紙も白紙光沢と印刷インキグロスに優れ、インキ着
肉性も良好で、しかも紙腰の強い印刷用塗被紙が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−91299(JP,A) 特開 昭56−107098(JP,A) 特開 平6−287503(JP,A) 特開 昭56−148993(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 D21G 1/00 - 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙上に顔料および接着剤を主成分とす
    る塗被組成物を塗被乾燥後、100℃以上の高温キャレ
    ンダーに通紙して仕上げする印刷用塗被紙の製造方法に
    おいて、顔料100重量部に対する接着剤としてガラス
    転移温度が25〜50℃の重合体ラテックスを固形分と
    して10〜30重量部含有し、かつ塗被組成物中に炭素
    数が6〜22の脂肪族炭化水素基を有する燐酸エステル
    金属塩を離型剤として顔料100重量部に対して0.1
    〜5.0重量部含有せしめることを特徴とする印刷用塗
    被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス転移温度が25〜50℃の重合体
    ラテックスが酢酸ビニル重合体ラテックスまたは酢酸ビ
    ニル系共重合体ラテックスであることを特徴とする請求
    項1記載の印刷用塗被紙の製造方法。
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