JP2696790B2 - 両面塗被紙の製造方法 - Google Patents

両面塗被紙の製造方法

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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は両面塗被紙の製造方法に関し、特にキャレン
ダーでの表面仕上げにおいて、生産性良く、しかも表裏
差の無い高平滑性を有する両面光沢塗被紙を製造する方
法に関する。
「従来の技術」 近年、印刷物のビジュアル化、カラー化、高級化に伴
い、特に印刷用塗被紙の塗被面の光沢度、テリ、平滑性
及びインキ受理性、インキ光沢に対する改善要望が高ま
っている。このため、印刷用塗被紙の製造工程に関し、
各種の提案がなされており、例えば塗被方法については
ブレードコーターによる多層コーテイング法が、また、
仕上工程では100℃以上の高温キャレンダーによる仕上
げ法(特開昭54−125712号、特公昭49−21252号等)が
提案されている。更に、塗被組成物の配合面ではサチン
ホワイト、超微粒子重質炭酸カルシウム、微細立方形軽
質炭酸カルシウム、デラミカオリン、焼成カオリン、微
粒子タルク、プラスチックピグメント等の微細顔料の使
用及び塗被液濃度が65%以上の高濃度塗被液の塗工等の
方法が数多く提案されている。
このような塗料配合の改良、塗被方式の改良により塗
被紙の光沢度、或いは平滑性を改良することは可能では
あるが、反面、塗被紙の光沢度、平滑性が良くなれば良
くなる程塗被紙の白紙品質において表裏差が著しくなる
欠点が付随し、両面性(表裏差)の少ない印刷用塗被紙
が得られていないのが現状である。
即ち、塗被紙は、原紙上に塗被組成物が塗被、乾燥さ
れた後、一般にスーパーキャレンダーに通紙して仕上げ
られるが、この仕上工程では塗被層表面がスパーキャレ
ンダーのニップ部で、金属ロールと弾性ロールの面を写
し取って平滑化や光沢仕上げが行われる。従って、金属
ロールに圧接される塗被面は鏡面に近いロール面を写し
取って高平滑に仕上げられるが、弾性ロールに圧接され
る塗被面の平滑性は金属ロール面側に対比し著しく劣
り、結果的に光沢度と平滑性との相乗的な作用も影響し
て、目視で観察される両面塗被紙の表裏差が大きくな
り、この表裏差が両面塗被紙の高級感を損なう重大な難
点となっている。とりわけ、高度の光沢や平滑性を有す
る米坪100g/m2以上の厚物両面塗被紙ほどその表裏差が
目立ち易い。
「発明が解決しようとする課題」 上記の如き実情から、本発明者等は両面塗被紙の表面
仕上げ方法について、特に塗被紙の表裏における平滑性
や光沢差に付随して生じる表裏差とキャレンダーロール
の表面状態との関係について、鋭意検討、研究を重ねた
結果、特定の材質からなる弾性ロールを使用し、弾性ロ
ールの表面粗さをその硬度と金属ロール表面温度との関
係で特定することによって、崇高で表裏差の無い極めて
優れた光沢度や平滑性を有する両面塗被紙が生産性良く
得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至っ
た。
「課題を解決する為の手段」 本発明は、原紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
水性系塗被組成物を塗被、乾燥後、金属ロールと弾性ロ
ールから成るキャレンダーに通紙して表面仕上げをする
両面塗被紙の製造方法において、ショアーD硬度が80゜
以上、JIS B0651で定義される表面粗さRmaxが下記式を
満たし、且つロール組成としてアラミッド繊維が10〜50
重量%配合された弾性ロールを用いることを特徴とする
両面塗被紙の製造方法である。
Rmax≦15+0.1 D−0.02T 上記式中、各符号は下記の通り。
Rmax:弾性ロールの馴らし運転後の表面粗さ(μ m) D:弾性ロールのショアーD硬度(゜) T:操業時の金属ロールの表面温度(℃) (温度範囲;50〜350℃) 「作用」 本発明の方法は、両面塗被紙を金属ロールと弾性ロー
ルからなるキャレンダーに通紙して平滑性及び光沢等を
付与するために加圧仕上げするものであるが、とりわ
け、金属ロールに接する塗被面と弾性ロールに接する塗
被面とが二面性、所謂表裏差を持たない優れた平滑性及
び光沢度を有する両面塗被紙の仕上げ方法に関するもの
である。
従来、両面塗被紙の表裏差改良については関心が薄
く、キャレンダーを構成する弾性ロールの表面粗さ及び
その経時変化等については、注意が払われておらず、特
に本発明の如く弾性ロールの材質及び表面粗さをそのロ
ールの硬度と運転時の金属ロールの温度を特定すること
によって、両面塗被紙の表裏差を改良する技術思想は全
く知られていなかった。
本発明の方法で使用される金属ロールと弾性ロールの
組合せからなるキャレンダーとしては、例えばスーパー
キャレンダー、ソフトキャレンダー、マット・オン・ラ
インキャレンダー(紙パルプ技術タイムス、62年8月
号,31〜36頁;PPI、1987年11月号,45〜47頁;WFP、1985
年,22,873〜877頁;TAPPI,Coating conference,1988年,3
07〜315頁)等の各種キャレンダーがオンマシンやオフ
マシンの形態で使用される。なお、金属ロール表面は硬
質クロムメッキ等によって鏡面処理されていても良い。
特に、弾性ロールとしてはその材質中にアラミッド繊
維が10〜50重量%含有せしめられるものであり、且つ下
記式を満足する表面粗さRmax(JIS B0651法に準じた方
法)を有する弾性ロールを選択的に使用するものであ
る。
Rmax≦15+0.1 D−0.02T 上記式中、各符号は下記の通り。
Rmax:弾性ロールの馴らし運転後の表面粗さ(μ m) D:弾性ロールのショアーD硬度(゜) T:操業時の金属ロールの表面温度(℃) (温度範囲;50〜350℃) 上記の式から明らかなように、本発明の方法で使用さ
れる弾性ロールは、弾性ロールのショアーD硬度が軟か
くなればなる程、また金属ロールの表面温度が高温にな
ればなる程、ニップ加圧下での変形が大きくなるため、
即ち粗面化傾向が強くなるので、その分、弾性ロールの
表面粗さRmaxを小さくしておく必要がある。
従って、金属ロールの表面温度が100℃以上の高温に
なる場合には、とりわけJIS B0651法に準じた方法での
弾性ロールの表面粗さRmaxが下記式を満たすことが好ま
しい。
Rmax≦13+0.1 D−0.02T 式中、各符号は下記の通り。
Rmax:弾性ロールの馴らし運転後の表面粗さ(μ m) D:弾性ロールのショアーD硬度(゜) T:操業時の金属ロールの表面温度(℃) (温度範囲;100〜350℃) なお、本発明者等のスーパーキャレンダーを用いた実
験結果によれば、例えば表面粗さRmaxを5μm以下とい
う精緻な研磨仕上げをした弾性ロールでも、例えば200m
/分以上の高速で且つ金属ロール1本の表面温度を100℃
以上に上げ、線圧100Kg/cm以上の条件で両面塗被紙を加
圧処理すると、隣接する弾性ロールは塗被紙の地合むら
や塗被むらに起因する凹凸によって、表面粗さが急速に
増大してくることが明らかとなった。特に、コーテッド
ポスト紙のように厚紙の場合は地合むらや平滑性がより
劣っているため、それだけ加圧下での弾性ロールの表面
粗さの増大が著しく、硬度の低い弾性ロールや復元性の
小さい材質及び特に耐熱性の低い材質で形成された弾性
ロールを使用すると、さらにその傾向が著しいことも明
らかとなった。
このため、本発明の方法では弾性ロールの材質として
は、操業中での耐熱性に優れ、表面粗さの劣化が少な
く、且つ復元性に優れたアラミッド繊維を10〜50重量%
配合した弾性ロールを使用することを特徴とするもので
ある。
従来から塗被紙用のスーパーキャレンダー等で用いら
れている、例えばコットン、フィルマット、コットン、
ホワイトコットン、ウールンペーパー等の天然繊維を主
素材(70重量%以上配合)とする弾性ロールは高温度
(熱)耐久性に劣っており、且つキャレンダー運転によ
る表面粗さの劣化が速いため、連続操業性に劣り、本発
明の方法には不適合なものであった。また、合成樹脂よ
りなる弾性ロール、例えばエポキシ、ウレタン、ポリア
ミド、イソシアネート、シリコン、弗化ビニリデン等の
樹脂を単独或いは複数の材料を組み合わせて一層或いは
多層にして成型した弾性ロールや、ナイロン、テトロン
等の素材を主成分とする弾性ロールは天然繊維系のもの
より耐熱性に優れてはいるが、とりわけ、100℃以上の
高温で長時間の連続操業を行った場合にロールにクラッ
クや破損が生じ、さらには復元性不良による両面性低下
現象が見られ、いずれも使用に耐えられなかった。
このため、本発明者等は弾性ロールの材質について鋭
意研究を重ねた結果、その素材として、アラミッド繊維
を10〜50重量%含有し、且つ本発明で特定するこ度、表
面粗さを満足する弾性ロールを本発明の方法に適用する
と、これらのもつ相乗効果的な作用により極めて優れた
効果が得られることが判り、遂に本発明を完成するに至
った。
即ち、従来アラミッド繊維ロールとしてはDu Pont社
のアラミッド繊維“Nmex"100%を抄紙機で抄紙したNome
x Paperをロール化したものが用いられており、アラミ
ッド繊維が他のコットン、ウール等に比較して耐熱性に
優れているため、特に高温キャレンダー用弾性ロールと
して用いられることはよく知られている。
ここで、アラミッド繊維とは、分子骨格が芳香族から
なるポリアミド繊維であり、アラミッドとはこの芳香族
ポリアミドに対して米国FTC(Federal Trade Commissio
n=米連邦通商委員会)が与えた一般名称である。アラ
ミッド繊維はナイロンの様に強度、柔軟性等に優れ、然
も耐熱性はより大きい。
アラミッド繊維はその分子骨格より、全体に直線状の
パラ結合系とジグザグ状のメタ結合系に大別される。パ
ラ結合系の代表としては、米国Du Pont社のケブラー、
帝人のテクノーラ等があり、メタ結合系としては、Du P
ont社のノーメックス、帝人のコーネックス等があり、
例えばメタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライ
ドを主原料とするポリメタフェニレンイソフタルアミド
を主成分としている。また、アラミッド繊維によるシー
トの製造方法及び弾性ロールの作り方は従来から知られ
ている方法(例えば、特公昭38−13912、55−45771号
等)で作ることができる。本発明においては、メタ結合
系アラミッド繊維が好ましく用いられる。
アラミッド繊維100%からなる弾性ロールは、従来グ
ラシン紙のスーパーキャレンダー用ロールとして用いら
れており、両面光沢塗被紙用としての実用化はなされて
いない。本発明者等の実験によれば、アラミッド繊維10
0%からなる弾性ロールを両面光沢塗被紙の仕上げキャ
レンダーに用いた場合、耐熱性には優れているが、得ら
れた塗被紙の光沢が低く、またロール変形後の復元性に
劣るため、表裏差のない優れた光沢度と平滑度を有する
両面塗被紙が得られていない。このため、本発明者等は
アラミッド繊維10〜50重量%と従来弾性ロールに用いら
れているコットン、ウール、テトロン、ナイロン等の繊
維の一種以上を90〜50重量%混合してなるロールを用い
ることにより極めて好ましい結果が得られることを見出
した。
即ち、アラミッド繊維100%からなる弾性ロールでは
ロールの摩擦効果、弾力性、復元性に劣るが、前記した
如き他の繊維を併用するとこれらの欠点を好ましく改良
することができるのである。併用される他の繊維として
は、とりわけコットン、ウールが好ましい。なお、従
来、コットン、ウール等は耐熱性に劣り、その耐熱温度
限界は仕上げキャレンダーの金属ロールの表面温度で10
0℃以下とされているが、本発明者等が鋭意検討、実験
を重ねた結果によれば、驚くことにアラミッド繊維が10
重量%以上混用されているとロールの耐熱性が驚異的に
改善されることを見出した。
よって、本発明に用いられるアラミッド繊維ロールは
アラミッド繊維の10〜50重量%が混用されるものであ
り、因みに10重量%以下では耐熱性及び耐粗面化性に劣
り、50重量%を越えると復元性、光沢付与効果に劣るた
め本発明の両面塗被紙を得ることができない。アラミッ
ド繊維の混用率が高い程耐熱性は向上するので、100℃
以上の高温キャレンダーでは20重量%以上の混用が望ま
しい。
弾性ロールの硬度については、高温、高圧下での耐久
性や通紙下での粗面化抵抗性を考慮するとショアーD硬
度80゜以上のロールが望ましい。
弾性ロールの材質によっては、低硬度のロールほどロ
ールの粗面が塗被層に転写しにくいということもある
が、本発明の場合には低硬度のロールほど馴らし運転後
の表面粗さをより低くする必要があった。
また、弾性ロールの表面温度が高いほどロールの表面
の粗面化が速く進むため、ロール内部や外部から冷却液
や冷却エアーで弾性ロールを冷やすのが好ましい。
なお、本発明の方法において、弾性ロールの表面粗さ
RmaxはJIS B0651で定義される方法で測定されるが、通
常の印刷用塗被紙のキャレンダーロール巾は1500〜7500
mm程度であるため、ロールの巾方向で測定値が相当にば
らつく。従って、例えばロール巾が2000mmの場合には測
定器として三豊製作所製のSurftest201を使用し、測定
長(L)を最大測定長8mmとして、弾性ロール全巾にわ
たって少なくとも10回測定し(ロール巾が広い場合には
さらに回数多く測定する)、得られた測定値の平均値を
もって表面粗さRmaxを規定する必要がある。
キャレンダーで塗被紙の表面処理をする際の各種処理
条件は、目的とする塗被紙の種類、原紙条件、塗被層の
性質、コート量、紙水分、仕上げ速度等に応じて適宜調
節されるが、キャレンダーロールの表面温度が高い程塗
被層の可塑化が促進されるため、本発明の方法では金属
ロールの表面温度が50〜350℃の範囲で用いられる。因
みに、350℃以上になると加圧下における弾性ロールの
粗面化により塗被紙の表裏差が著しくなり、一方、50℃
未満では良好な平滑性及び光沢度が得られない。
金属ロールの加熱方式は蒸気、電気等従来用いられて
きた方式が適宜用いられ、特に限定するものではない
が、例えば誘導発熱方式ジャケットローラー(電熱/No.
41,2〜8頁,1988年、紙パルプ技術タイムス/62年12月号
41〜47頁)により温度の均一性が保たれ、局部的な加熱
による部分的粗面化が避けられるので、とくに好ましく
用いられる。
キャレンダーロールの加圧条件は線圧で100〜500Kg/c
m程度の範囲が好ましく、キャレンダー1基当たりの加
圧ニップの数はソフトキャレンダーの場合には通常1ド
ラム或いは1金属ロール当たり2〜6ニップであり、必
要に応じて2基のキャレンダーで両面仕上げしても良
い。また、スーパーキャレンダーの場合には3〜13ニッ
プ程度が一般的である。
従って、表面仕上げにおいて塗被紙は2〜7本程度の
弾性ロールに加圧接触することになる。弾性ロールの作
動時の加圧下での表面粗さは測定出来ないため、本発明
の方法では弾性ロールの馴らし運転後、停止時のロール
表面粗さ(μm)を測定して規定する。弾性ロールの操
業時の経時による表面粗さの劣化程度は、通紙する塗被
紙の米坪、地合、塗りむら、紙水分、弾性ロールの硬
度、温度、加圧、速度等多くの条件によって異なるが、
本発明の規定に従えば、長時間の連続操業においても表
裏差のない両面塗被紙を安定して得ることができる。ま
た、表裏差に大きな影響を与えるのは、後半の弾性ロー
ルであるため、特に後半の弾性ロールの1本或いは2本
に本発明の条件を満たすロールを使用して操業してもよ
い。このように、キャレンダーの後半に本発明の特定の
アラミッド繊維ロールを使用した場合においては、他の
弾性ロールとして前述したような一般公知の弾性ロール
を従来通りの方法で使用することも可能である。
また、圧接する金属ロールの表面温度が100℃以上の
場合には、本発明で特定するアラミッド繊維ロールを使
用することが必要であり、勿論、全ての弾性ロールが本
発明の条件を満足することが最も望ましい。とりわけ、
本発明の方法においては米坪が100g/m2以上の厚物塗被
紙の場合に顕著な効果が得られる。既述したごとく、米
坪が重くなれば、なる程、塗被紙表裏に見られる紙の地
合、塗りむら等に起因する不均一性が強くでるため、本
発明の平滑化改良効果が顕著に認められるものであり、
米坪が120g/m2以上の場合はさらに改良効果が顕著に認
められる。
また、本発明者等の実験によれば、本発明の方法で用
いられるアラミッド繊維ロールは、従来のスーパーキャ
レンダー等に常用されている天然繊維を主素材とするコ
ントンロール、ウールンペーパーロール、ウレタン、エ
ポキシ、ポリアミド等の樹脂成型ロールに比較して、研
磨精度が出難いので、弾性ロールの馴らし運転は通常の
条件より丁寧に実施するのが望ましい。ロールの馴らし
運転条件を特に規定するものではないが、例えばロール
研磨後、紙を通さずに40℃、60℃、80℃と昇温させなが
ら、各温度条件でそれぞれ2時間以上の馴らし運転をす
るのが特に効果的であった。
なお、キャレンダーのニップに入る前の塗被紙の水分
は3〜10%程度が好ましく、キャレンダーの仕上げ速度
は紙の米坪、紙品種等によって大きく左右されるが、一
般に100〜1300m/分程度の範囲で調整される。また、表
面処理後の塗被紙の調湿、加湿のためにロールによる水
塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を設置した
り、従来から塗被紙製造分野で公用されている各種技術
を適宜組合わせて使用することは勿論可能である。
本発明の方法において、塗被層を形成するために用い
られている水性系塗被液は、従来の塗被紙用塗被液と同
様に顔料及び接着剤を主成分とするものである。
顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、タル
ク、プラスチックピグメント等の如き通常の塗被紙用顔
料の一種以上が適宜選択して使用される。
接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋
白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメ
タクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル
系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のビニル系重合体ラテックス、或いはこれらの各種重合
体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で
変性したアルカリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合
体ラテックス;ポリビニルアルコール、オレフィン−無
水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着
剤;陽性化澱粉、酸化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等の如き通常の塗被紙等に用いられる接着剤
の一種以上が適宜選択して使用される。
なお、一般に接着剤は顔料100重量部に対して5〜50
重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で配合
される。また、塗被液中には必要に応じて消泡剤、着色
剤、離型剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される
が、塗被層の固化を促進する助剤として、例えばアミ
ン、アミド、ポリアクリルアミン等や亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の多価金属
塩を顔料100重量部に対して0.1〜10重量部程度添加して
も良い。
塗被液は一般の塗被紙製造に用いられる、例えばブレ
ードコーター、エヤーナイフコーター、ロールコータ
ー、リバースロールコーター、バーコーター、カーテン
コーター、ダイスロットコーター、グラビヤコーター、
チャンプッレクスコーター、サイズプレスコーター等の
塗被装置を設けたオンマシン或いはオフマシンコーター
によって原紙上に一層或いは多層に分けて塗被される。
この場合の塗被液の固形分濃度は一般に40〜75重量%
程度であるが、操業性を考慮すると45〜70重量%の範囲
が好ましい。
なお、原紙としては、一般の印刷用塗被紙に用いられ
る米坪30〜400g/m2程度のペーパーベースやボードベー
スの原紙が用いられるが、抄紙方法については特に限定
されず、酸性抄紙、アルカリ性抄紙いずれであってもよ
く、勿論高歩留パルプを含む中質原紙も使用できる。ま
た、サイズプレス、ビルブレード等で予備塗工した原紙
も使用可能である。
また、原紙への塗被量は一般に乾燥重量で片面当たり
3〜50g/m2程度であるが、得られる塗被紙の白紙品質、
印刷適性等を考慮すると3〜25g/m2程度の範囲で調節す
るのが望ましい。さらに、湿潤塗被層を乾燥する方法と
しては、従来から知られている公知公用の手段、例えば
蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター
加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加
熱、電子線加熱等各種の方式が適宜採用できる。
「実施例」 以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
るが、勿論その範囲に限定されるものではない。また例
中の「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ
「重量部」及び「重量%」を示す。なお、各評価項目の
評価法は下記の通りである。
〔表面粗さRmax〕
三豊製作所製のSurftest201で測定長を8mmとして測定
した。
〔目視表裏差〕
白紙を目視で観察し、光沢、平滑、テリ等の総合的な
品質評価から表裏差を判定した。
◎;極めて良好、○;良好 △;劣る、 ×;極めて劣る 〔光沢度〕 JIS P8142に準じて測定した。
〔平滑度〕
スムースター平滑度計(DSM−01/東英電子(株)製)
により測定した。(cmHg) 数値が小さい程、平滑性が良い。
〔連続操業性〕
長時間操業における弾性ロールの耐熱性、劣化状態を
評価した。
○;良好、×;不良 なお、結果を示す表−1の中で塗被紙の表と裏は、塗
被紙のキャレンダー処理で最後に金属ロール面に当たっ
た方を表とし、弾性ロール面に当たった方を裏として表
示した。
実施例1 カオリン(商品名;UW−90/EMC社製)70部、微粒化重
質炭酸カルシウム(商品名;カービタル90/富士カオリ
ン社製)20部(固形分)、サチンホワイト分散液(商品
名;サチンホワイト/白石工業社製)10部(固形分)と
を配合しポリアクリル酸ソーダ0.2部を加えてコーレス
分散機を用いて分散し、固形分濃度66%の顔料スラリー
を調製した。このスラリーに燐酸変性澱粉2部(固形
分)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス15部
(固形分)を加え、更に水を加えて固形分濃度60%の塗
被液を調製した。このようにして得た塗被液を米坪170g
/m2の原紙に、片面当たり乾燥重量が20g/m2になるよう
にブレードコーターで両面塗被を行い、表面温度120℃
のドライヤーで乾燥して、紙水分が6.5%の両面塗被紙
を得た。
上記の塗被紙を14段のスーパーキャレンダーで仕上げ
たが、このときの通紙条件は、線圧250Kg/cm、運転速度
500m/分で、弾性ロールとしてはアラミッド繊維15%と
コットン85%よりなるロールを最下段(最下段は金属ロ
ール)より2本目と4本目に2本使用し、他はフィルマ
ットコットンロール4号(ショアーD硬度:84゜)を用
いた。弾性樹脂ロールの硬度、馴らし運転後の表面粗
さ、操業時の金属ロールの表面温度及び連続操業により
得られた塗被紙の品質評価結果を表−1に示した。
実施例2〜3 実施例1と同様にして両面塗被紙を得た後、2ニップ
のオフ・ソフトキャレンダー2基を用いて塗被紙の表面
仕上げを行った。このときの金属ロールは表面クロムメ
ッキした直径1500mmのロールであり、加熱を誘導発熱方
式により行った。尚、運転条件は線圧270Kg/cm、運転速
度300m/分とした。また、弾性ロールのショアーD硬
度、アラミッド繊維の配合率、馴らし運転後の表面粗
さ、操業時の金属ロールの表面温度等を表−1に示し
た。
実施例4 カオリン(UW−90)50部、微粒化重質炭酸カルシウム
(カービタル90)50部とを配合しポリアクリル酸ソーダ
0.2部を加えてコーレス分散機を用いて分散し、固形分
濃度70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに酸
化澱粉6部(固形分)、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス12部(固形分)を加え、更に水を加えて固形
分濃度62%の塗被液を調製した。この塗被液を米坪110g
/m2の原紙に、片面当たり乾燥重量が12g/m2になるよう
にオン・マシン・ブレードコーターで両面塗被、乾燥を
行い、紙水分が5.0%の両面塗被紙を得た。このように
して得た塗被紙を金属ロールの表面温度が55℃、2ニッ
プ、線圧250Kg/cm、運転速度450m/分の条件でソフトキ
ャレンダー型2台の両面仕上げ機により表面仕上げを行
った。このときの弾性ロールとしては、アラミッド繊維
25%、コットン65%、ウール10%よりなるロールを用い
た。尚、弾性ロールのショアーD硬度、馴らし運転後の
表面粗さ等運転条件及び得られた塗被紙の品質評価結果
を表−1に併記した。
実施例5 実施例4において、原料米坪を50g/m2、塗被液の乾燥
後の塗被重量が両面で16g/m2とした以外は同様にして両
面塗被紙を得た。尚、このときの弾性ロールはアラミッ
ド繊維40%、コットン50%、テトロン10%よりなるロー
ルを用いた。又、弾性ロールの硬度、表面粗さ、金属ロ
ールの表面温度等の条件を表−1に示した。さらに、そ
の他の操業条件及び得られた塗被紙の品質評価結果を表
−1に併記した。
比較例1 実施例1と同様にして両面塗被紙を得たのち、弾性ロ
ールとして、アラミッド繊維5%とコットン95%からな
るロールを用い、表−1に示したような弾性ロールの硬
度、馴らし運転後の表面粗さ、操業時の金属ロールの表
面温度条件で両面塗被紙の表面仕上げを行った。尚、こ
のときの操業条件、得られた塗被紙の品質評価結果を表
−1に示した。
この場合、弾性ロールは数時間後に褐色に変色し破損
した。
比較例2〜4 実施例2と同様にして両面塗被紙を得た。尚、このと
きの弾性ロールの仕様、操業条件等を表−1に示した通
りの条件で行った以外は実施例2と同様にして両面塗被
紙の表面仕上げを行った。得られた両面塗被紙の品質評
価結果を表−1に示した。
比較例5 実施例2と同様にして両面塗被紙を得たのち、材質が
全てウレタン系樹脂からなる弾性ロールを用いて、同様
にして両面塗被紙のキャレンダーによる表面仕上げを行
った。このときの条件及び得られた塗被紙の品質評価結
果を表−1に示した。
この場合、弾性ロールは数時間後にクラックが発生
し、操業を中止した。
「効果」 表−1の結果から明らかなように、本発明の方法によ
る実施例で得られた両面塗被紙は連続操業においても表
裏差のない高平滑性を有する極めて優れた塗被紙であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 晃 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社神崎工場内 審査官 井上 哲男 (56)参考文献 特開 昭62−220384(JP,A) 特開 平2−104795(JP,A) 特公 昭55−45771(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料及び接着剤を主成分とする
    水性系塗被組成物を塗被、乾燥後、金属ロールと弾性ロ
    ールから成るキャレンダーに通紙して表面仕上げをする
    両面塗被紙の製造方法において、ショアーD硬度が80゜
    以上、JIS B0651で定義される表面粗さRmaxが下記式を
    満たし、且つロール組成としてアラミッド繊維が10〜50
    重量%配合された弾性ロールを用いることを特徴とする
    両面塗被紙の製造方法。 Rmax≦15+0.1 D−0.02T 上記式中、各符号は下記の通り。 Rmax:弾性ロールの馴らし運転後の表面粗さ(μm) D:弾性ロールのショアーD硬度(゜) T:操業時の金属ロールの表面温度(℃) (温度範囲;50〜350℃)
  2. 【請求項2】弾性ロールがJIS B0651で定義される下記
    式を満たす表面粗さRmaxである請求項(1)記載の両面
    塗被紙の製造方法。 Rmax≦13+0.1 D−0.02T 式中、各符号は下記の通り。 Rmax:弾性ロールの馴らし運転後の表面粗さ(μm) D:弾性ロールのショアーD硬度(゜) T:操業時の金属ロールの表面温度(℃) (温度範囲;100〜350℃)
  3. 【請求項3】金属ロールが誘導発熱方式により表面温度
    100〜350℃に加熱され、且つ両面塗被紙の米坪が100g/m
    2以上である請求項(1)記載の両面塗被紙の製造方
    法。
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