JP2006037257A - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低ニップ圧・高温・高速でソフトカレンダー処理して嵩高で不透明度に優れながら黄変化による変色の少ない塗工紙の製造方法を提供する。
【解決手段】 基紙上の少なくとも一面側に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を形成し、カレンダー仕上げする塗工紙の製造方法であって、基紙上にオンマシンサイズプレスにてTgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下の接着剤を全顔料に対して8〜15%含有する塗工液を塗工する工程と、オンマシンソフトカレンダーにより金属ロールの表面温度が230〜300℃の高温でかつ1または2パスでそのニップ線圧の合計が125〜350KN/mで、600〜2000m/分の通紙速度で処理する工程にて、嵩高で不透明度に優れながら黄変化による変色の少ない塗工紙を生産性良く製造するようにした。

Description

本発明は塗工紙の製造方法に関し、特に塗工層の表面をソフトカレンダー処理する塗工紙の製造方法に関するものである。
塗工紙は、一般的にクレーや炭酸カルシウムなどの顔料と接着剤を含む塗工液を、ロール塗工装置やブレード塗工装置などの塗工装置を用いて基紙に塗工した後、乾燥し、その後塗工面をカレンダー処理して製造されている。また、塗工紙の平滑度を高めるためには、一般的に抄紙機とコーターにて2層塗工したり、高ニップ圧でカレンダー処理している。
近年では、特に、雑誌、グラビア等の分野において、紙厚が厚く、嵩高で、不透明度の高い、より高級感のある光沢紙が求められるようになっている。一般に、嵩高な塗工紙を製造するための手法としては、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなるソフトカレンダー処理におけるニップ圧を最小限に抑えることで嵩の低下を最小限に抑え、かつ平滑性を付与するために弾性ロールと100〜200℃の高温の金属ロールを組み合わせて処理する高温ソフトカレンダー処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、原紙上に、アクリロニトリルを1〜30重量%含有し、Tg(ガラス転移温度)が0〜25℃である接着剤と、顔料とを含有する塗工層を設けた塗工紙を、高温ソフトカレンダー(温度が150℃以上、例えば180℃、ニップ線圧が1700〜2800N/cm程度)で処理することで、不透明度、剛度及び白紙光沢が高く、印刷適性に優れ、なおかつ高温でのソフトカレンダー処理によっても黄変化による変色の少ない印刷用塗工紙を得ることは知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平4−361695号公報 特開平9−256296号公報
ところが、従来のソフトカレンダー処理による塗工紙の製造方法において、嵩高性を持たせるように低いニップ圧でかつ高速にて高い生産性をもって処理するために、一層の高温で処理した場合には、塗工層に含まれる接着剤中の成分、特に塗工液中の接着剤の含有量を低減しながら接着強度を確保するために添加されるアクリロニトリルが大きな原因となって、熱による黄変化が発生するという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された技術によれば、塗工液の接着剤としてアクリロニトリルを1〜30重量%含有し、Tgが0〜25℃の接着剤を用いると、黄変化をある程度抑制できるとされているが、嵩高性を有する塗工紙を生産性良く製造すべく、より低ニップで、より高温で処理を行うと、黄変化の発生を効果的に抑制することができないという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、低ニップ・高温・高速でソフトカレンダー処理して嵩高で不透明度に優れながら黄変化による変色の少ない塗工紙の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の塗工紙の製造方法は、基紙上の少なくとも一面側に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を形成し、カレンダー仕上げする塗工紙の製造方法であって、基紙上にオンマシンサイズプレスにてTgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下の接着剤を全顔料に対して8〜15%含有する塗工液を塗工する工程と、オンマシンソフトカレンダーにより金属ロールの表面温度が230〜300℃の高温でかつ1または2パスでそのニップ線圧の合計が125〜350KN/mで、600〜2000m/分の通紙速度で処理する工程とを有するものである。
塗工液の接着剤は一般にスチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどから成り、アクリロニトリルは塗工液中の接着剤の含有量を低減しながら接着強度を確保したり、印刷光沢を向上するために添加されているが、本発明においては高温での黄変化の原因の一つである接着剤のアクリロニトリル含有量を0〜10%以下と少なくすることによって、高温のオンマシンソフトカレンダー処理を行っても黄変化による変色を少なくでき、また接着剤のTgが−30〜0℃となるようにブタジエンの含有量を増加させることで、全顔料に対する接着剤の含有量を8〜15%と従来に比して10%程度少なくしても必要な接着強度が確保されるとともに、接着剤の含有量が少なくてすむことで、耐べたつき性が悪化するようなこともなく、ロール汚れなどの不具合の発生も抑制することができる。かくして、230〜300℃の高温にて、かつニップ線圧の合計が125〜350KN/mの低ニップ圧で、600〜2000m/分の高速にて極めて短時間のソフトカレンダー処理を行うことにより、高温ソフトカレンダー処理にて表面の平滑性を確実に得つつ、紙の内層部は低い温度状態に維持して嵩を保持することができ、したがって平滑で嵩高で不透明度に優れながら黄変化の少ない塗工紙を製造することができる。
また、ソフトカレンダーの金属ロールを、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により内部から加熱するとともに、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により外部から加熱すると、230〜300℃の高温条件下でも紙厚プロフィルの制御性を確保できるとともにロール表面の温度応答性を確保して温度制御性を向上することができる。すなわち、内部からの加熱だけでは高温化に伴って金属ロールのシェルの厚み方向に応力が発生してロールプロフィルが崩れ、紙厚プロフィルの制御性が低下し、またロール表面の温度応答性が低下するという問題があるのを確実に解消することができる。
また、ソフトカレンダーの金属ロールを、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により内部から加熱するとともに、金属ロールの外周面に向けてロール幅方向に分割制御してエアを吹き付けることによっても、同様の効果が得られる。
また、金属ロールの表面温度を好ましくは230〜280℃、より好ましくは250〜280℃にして処理すると、黄変化の発生を確実に防止しつつ、平滑性に優れ、かつ嵩高で不透明度に優れた塗工紙を得ることができる。
また、基紙が、全パルプ成分中の50〜80%が機械パルプ及び/又は古紙パルプであり、灰分含有率(JIS P 8128)が10〜15重量%であると、紙の剛度を確保しつつ、表面平滑性、不透明度、嵩密度の低下を抑制することができる。
また、塗工層の接着剤に含まれるアクリロニトリル量が0〜10%未満、接着剤のゲル含有量が80〜95%、接着剤中の粒子の平均粒径が100〜170nmであるのが好ましい。即ち、ゲル量は接着力の指標であり、80〜95%と高いことによって黄変化の大きな原因であるアクリロニトリルを10%未満と少なくしても必要な接着力を確保することができ、また粒子の平均粒径を100〜170nmとすることで、塗工層の必要な強度と塗工性の両方を確保することができて好ましい。粒径が170nmを超えると十分な強度が得られず、100nm未満であると塗工性が低下して塗工層による原紙層の被覆性が悪化する。
また、抄紙機でオンマシンで下塗り塗工層を形成した後、Tgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下のラテックスを全顔料に対して8〜15%含有する塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成し、表面の75°白紙光沢度を45%以上とすると、オンマシンでの下塗り塗工層の上に上塗り塗工層を形成することによって一層高い表面平滑性が得られるとともに、その上塗り塗工層の黄変化の発生を防止し、表面の75°白紙光沢度が44%以上の塗工紙を得ることができる。
本発明によれば、塗工層の接着剤のアクリロニトリル含有量を0〜10%以下と少なくすることによって、230〜300℃の高温のオンマシンソフトカレンダー処理を行っても黄変化による変色を少なくでき、また接着剤のTgが−30〜0℃となるようにすることで接着剤の含有量を8〜15%と少なくしても必要な接着強度を確保でき、かつ低ニップ圧でさらに600〜2000m/分の高速にて極めて短時間の処理を行うことによって、高温処理で表面の平滑性を確実に得つつ、紙の内層部は低い温度状態に維持して嵩を保持することができ、したがって平滑で嵩高で不透明度に優れながら黄変化の少ない塗工紙を製造することができる。
以下、本発明の塗工紙の製造方法の実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態の塗工紙は、抄紙機において抄造された基紙上に、オンマシンのゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスなどのサイズプレスにて下塗り塗工を行って乾燥した後、オンマシンソフトカレンダーにて高温・低ニップ圧・高速にてソフトカレンダー処理を行い、ロールに巻き取った状態で保管し、その後この下塗り塗工層を有するロール原紙を、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーターなどのオフマシンコーターに供給して上塗り塗工を行い、蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、電子線加熱などの各種加熱方式で乾燥することによって製造される。
基紙としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプ、などの木材パルプを主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じて1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙が用いられるが、全パルプ成分中の50〜80%が機械パルプ又は古紙パルプ又はその両者から成り、灰分含有率(JIS P 8128)が10〜15重量%のものが、紙の剛度を確保しつつ、表面平滑性、不透明度、嵩密度の低下を抑制することができるので好適に用いられる。
下塗り塗工層は、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートから選ばれた複数の材料を少なくとも含有するとともに、必要に応じてその他の材料を添加して成り、Tgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下となるように配合された接着剤と、顔料とから成る塗工液を塗工して形成されている。塗工量は片面当たり3〜10g/m2 が好適である。
接着剤は、その微粒子の粒子径を100〜170nmの範囲とすることで、塗工層の必要な強度と塗工性の両方を確保することができて好適である。また、接着剤は、そのゲル量が80〜95%と高いものを用いることで、上記のようにアクリロニトリル量を低減しても必要な接着力を確保することができて好適である。また、接着剤の配合量は、全顔料に対して8〜15%が好適である。このように従来に比して10%程度少なくしても必要な接着強度が確保されるとともに接着剤の含有量が少なくてすむことで、耐べたつき性が悪化するようなこともなく、ロール汚れなどの不具合の発生も抑制することができる。
下塗り塗工層の顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、無定形シリケート、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、アルミナ、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどから適宜に選択した1種又は2種以上を混合したものを用いることができるが、炭酸カルシウムとクレーを50重量%づつ配合したものを標準として、炭酸カルシウムを30〜80%の間で調整し、それ以外をクレーとした配合が好適である。
上塗り塗工層においては、最上層用の塗工液として従来から使用されている任意の塗工液を用いることができるが、顔料としては炭酸カルシウムやクレーが印刷光沢を向上するのに好適であり、炭酸カルシウムとクレーを50重量%づつ配合したものを標準として、炭酸カルシウムを30〜80%の間で調整し、それ以外をクレーとした配合が好適である。また、接着剤としては、Tgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下のラテックスを全顔料に対して8〜15%含有させるのが好適である。
また、上記塗工液には、その他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、潤滑剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤や酸化防止剤などを適宜添加することもできる。
抄紙工程は、ワイヤーパート、プレスパート、プレドライヤーパート、コーター(サイズプレス)パート、アフタードライヤーパート、ソフトカレンダーパート、リールパート、ワインダーパートを順に含むものである。
上記オンマシンのソフトカレンダーパートは、所定温度に加熱した金属ロールと弾性ロールの組み合わせによって2ロール1ニップの段を構成し、この2ロール1ニップの段を2段設けたタンデムタイプが好適に適用される。また、その金属ロールにロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による内部加熱装置を装備し、さらにロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用による外部加熱装置を金属ロールの外周面近傍に配設し、金属ロールのシェルを内部と外部から電磁誘導加熱によりロール幅方向に分割加熱制御することによって、230〜300℃の高温域においても、ロールプロファイルを悪化させたり、温度応答性の低下を来すことなく、所望の温度に精度良く加熱することができる。また、外部加熱装置に代えて金属ロールの外周面に向けてロール幅方向に分割制御してエアを吹き付けるようにして、同様の作用効果を得ることもできる。かくして、高温域においても、ロールプロファイルの悪化による紙厚プロファイルの制御性の悪化や温度応答性の悪化による歩留り低下を抑制することができる。
具体的には、金属ロールは、回転駆動されるシェルの内部の非回転部に鉄心を配設し、鉄心の周囲に配設した誘導コイルに交流電流を流すことで磁束を発生させ、シェルの内部に誘導電流を誘起させ、その抵抗熱によってシェル自身を自己発熱させるように構成されている。また、誘導コイルはロール幅方向に3〜6分割され、シールに配設された温度センサからの温度信号に基づいて対応する誘導コイルに流す電流量を制御することで、ロール幅方向の温度制御を高精度に行えるように構成されている。また、シェルの内部に長手方向に延びるジャケット路が周方向に間隔をあけて多数本(10〜90本程度)設けられ、これらを相互に連通させるとともに内部に熱媒体を封入してあり、これによってロール表面温度を全体に均一化するように構成されている。また、外部加熱装置は、ワークコイルにインバータから3〜20kHzの高周波電流を流し、磁界を発生させてシェルの表面部に渦電流を発生させ、自己発熱させるもので、ワークコイルとシェルの離間距離は2〜20mm、好適には2〜5mm程度に設定される。また、単位ワークコイルはロール幅方向の制御ピッチが75〜150mm程度となるように配置されるとともに、ロール軸心に対して斜めに交差するように配置され、加熱プロフィルの均一化が図られている。また、弾性ロールは、耐熱性に優れる変性ウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系等のプラスチックにて構成され、ショア硬度が85〜93程度に設定されている。
以上のオンマシンソフトカレンダーを用いて、上記のような230〜300℃の高温域で、かつニップ線圧の合計を125〜350KN/mの低ニップ圧とし、600〜2000m/分、好適には1400〜2000m/分の通紙速度でソフトカレンダー処理を行うことで、高温ソフトカレンダー処理にて表面の平滑性を確実に得つつ、紙の内層部は低い温度状態に維持して嵩を保持することができ、したがって平滑で嵩高で不透明度に優れながら黄変化の少ない塗工紙を製造することができる。
次に、本発明のいくつかの実施例と比較例を説明する。
試料の塗工紙は、次のようにして作製した。抄紙機のサイズプレスによる塗工用の塗工液として、炭酸カルシウムとクレーを50重量%づつ混合した顔料に対して、表1に示すように、各実施例と各比較例に応じた各種組成の接着剤を全顔料に対して10〜14重量%配合して調整した。そして、抄紙機のオンマシンのサイズプレスにて塗工液を固形分で片面当たり3〜10g/m2 の塗工量にて塗工し、2段のニップ部を有するオンマシンソフトカレンダーにて、200℃、230℃、250℃、300℃の各温度で、また100KN/m、125KN/m、200KN/m、350KN/m、400KN/mの各ニップ線圧で、また400m/分、600m/分、1500m/分、2000m/分の通紙速度でソフトカレンダー処理を行い、この下塗り塗工後の原紙をコイルに巻き取り、数日間保管した。その後、オフマシンのコーターにコイル原紙を供給して上塗り塗工用の塗工液を固形分で片面当たり3〜10g/m2 の塗工量にて塗工し、塗工紙を作製した。そして、保管後のコイル原紙の嵩高性、黄変化、ロール汚れ、及び上塗り塗工後の塗工紙の白紙光沢度の評価、及びそれらによる総合評価を行った。
嵩高性の評価は、嵩密度(g/cm3 )を測定して行った。
黄変化の評価は、次のように行った。塗工紙を110℃で48時間加熱処理した場合の処理前後の色差b値(JIS Z 8729 参照)の差異により、
○:差異5未満
△:差異5以上〜7未満
×:差異7以上
と評価した。
ロール汚れの評価は、次のように行った。塗工紙(40,000m巻、10本)をカレンダー処理した後の塗工液によるカレンダーロールの汚れを目視し、
○:汚れが無いまたは少ない
△:汚れがある
×:汚れが多い
と相対評価した。
白紙光沢度は、JIS P 8142 に従って角度75°で測定して評価した。
また、総合評価は以上の評価項目と通紙速度による生産性から○と△と×の3段階に相対評価した。
Figure 2006037257
各実施例及び比較例における各種接着剤の組成とソフトカレンダー処理におけるロール温度とニップ線圧と通紙速度に応じた嵩高性、黄変化、ロール汚れ、白紙光沢度、及び総合評価の評価結果を表1に示した。
表1において、塗工層の接着剤のTgを−10℃、アクリロニトリル量を5%、ゲル量を85%とし、温度250℃、ニップ圧200KN/m、通紙速度1500m/分でソフトカレンダー処理を行った実施例1においては、嵩高性が0.98g/cm3 (1g/cm3 以下)で、黄変化及びロール汚れを生じず、かつ75度白紙光沢度が46%(44%以上)の塗工紙が得られ、良好な総合評価が得られた。
接着剤のTgを0℃と−30℃に変化させた実施例2と実施例3では、75度白紙光沢度が実施例2では45%と低下し、実施例3では47%と向上した以外はほぼ同様の評価が得られた。一方、接着剤のTgが5℃の比較例1では75度白紙光沢度が43%しか得られず、Tgが−35℃の比較例2ではロール汚れが発生してしまい、何れも良好な総合評価は得られなかった。
接着剤のアクリロニトリル量を10%にした実施例4は実施例1とほぼ同様の評価が得られ、0%にした実施例5では、嵩高性が0.97g/cm3 と若干向上するとともに75度白紙光沢度も48%と向上した。一方、アクリロニトリル量を15%にした比較例3は黄変化及びロール汚れが発生して総合評価は不良となった。
接着剤のゲル量を80%にした実施例6では、嵩高性が0.99g/cm3 と低下するとともに75度白紙光沢度も44%と低下したが、一応良好な総合評価を保ち、ゲル量を95%にした実施例7ではほぼ同様の評価が得られた。一方、接着剤のゲル量を75%にした比較例4では、ロール汚れが発生するともに75度白紙光沢度も43%と低下し、総合評価は不良であった。
ソフトカレンダーのロール温度を230℃にした実施例8では、嵩高性が0.95g/cm3 と向上する一方で、75度白紙光沢度は44%と低下するが、総合評価が一応良好であった。ロール温度を300℃にした実施例9では、ロール汚れが若干発生するが、嵩高性が0.96g/cm3 と良好で、75度白紙光沢度も45%が確保されるので、総合評価は一応良好であった。一方、ロール温度を200℃にした比較例5では、嵩高性が1.10g/cm3 と悪化するとともに、黄変化が発生し、75度白紙光沢度も40%と低下し、総合評価は不良であった。
また、ソフトカレンダーのニップ圧を125KN/mと低く、通紙速度を2000m/分と高くした実施例10でも、ニップ圧を350KN/mと高く、通紙速度を600m/分と低くした実施例11でも嵩高性、黄変化、ロール汚れ、白紙光沢度ともほぼ良好な評価が得られ、総合評価は良好であった。一方、ソフトカレンダーのニップ圧を100KN/mまで低くした比較例6では、嵩高性が0.96g/cm3 と良好である一方、ロール汚れ及び白紙光沢度が悪く、総合評価は不良となった。また、ニップ圧を400KN/mまで高くした比較例7では、嵩高性が1.21g/cm3 と悪くなり、黄変化、ロール汚れ及び白紙光沢度も悪く、総合評価は不良であった。また、通紙速度を400m/分まで低くした比較例8でも嵩高性、黄変化、ロール汚れ、白紙光沢度が不良で、総合評価は不良であった。
本発明の塗工紙の製造方法は、接着剤におけるアクリロニトリル含有量を少なくして高温でソフトカレンダー処理を行っても黄変化を抑制するとともに、低ニップ圧・高速でのソフトカレンダー処理にて嵩高性を確保することにより、黄変化を生じることなく平滑性と嵩高性を有する塗工紙を生産性良く製造でき、各種用途の塗工紙の製造に有用である。

Claims (7)

  1. 基紙上の少なくとも一面側に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を形成し、カレンダー仕上げする塗工紙の製造方法であって、基紙上にオンマシンサイズプレスにてTgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下の接着剤を全顔料に対して8〜15%含有する塗工液を塗工する工程と、オンマシンソフトカレンダーにより金属ロールの表面温度が230〜300℃の高温でかつ1または2パスでそのニップ線圧の合計が125〜350KN/mで、600〜2000m/分の通紙速度で処理する工程とを有することを特徴とする塗工紙の製造方法。
  2. ソフトカレンダーの金属ロールを、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により内部から加熱するとともに、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により外部から加熱することを特徴とする請求項1記載の塗工紙の製造方法。
  3. ソフトカレンダーの金属ロールを、ロール幅方向に分割制御可能な電磁誘導作用により内部から加熱するとともに、金属ロールの外周面に向けてロール幅方向に分割制御してエアを吹き付けることを特徴とする請求項1記載の塗工紙の製造方法。
  4. 金属ロールの表面温度を好ましくは230〜280℃、より好ましくは250〜280℃にして処理することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗工紙の製造方法。
  5. 基紙は、全パルプ成分中の50〜80%が機械パルプ及び/又は古紙パルプであり、灰分含有率(JIS P 8128)が10〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の塗工紙の製造方法。
  6. 塗工層の接着剤に含まれるアクリロニトリル量が0〜1%未満、接着剤のゲル含有量が80〜95%、接着剤中の粒子の平均粒径が100〜170nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の塗工紙の製造方法。
  7. 抄紙機でオンマシンで下塗り塗工層を形成した後、Tgが−30〜0℃で、アクリロニトリル量が0〜10%以下の接着剤を全顔料に対して8〜15%含有する塗工液を塗工して上塗り塗工層を形成し、表面の白紙光沢度を44%以上とすることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の塗工紙の製造方法。
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