JP2008248417A - 広葉樹機械パルプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 嵩高性を有する製紙用機械パルプの提供及び該機械パルプを原料として抄紙し、得られる嵩高な紙を提供する。
【解決手段】 カナダ標準濾水度が50〜300mlの範囲において、JIS P 8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が42メッシュ残の画分が20重量%以上で、かつ全パルプの沈降体積が200ml/g以下であり、好ましくはISO白色度が70%以上で、比散乱係数が60m/kg以上であることを特徴とする広葉樹機械パルプを使用することにより、嵩高でありながら、強度にも優れた紙となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高白色度かつ嵩高性を有する製紙用機械パルプに関するものであり、また、該機械パルプを配合して得られる嵩高の紙に関するものである。
近年の環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上で、紙の軽量化が求められている。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での軽量化、すなわち、紙の低密度化(嵩高化)のことである。
特に近年、環境保護対応として、中質紙、下級紙、新聞紙への古紙パルプの配合増が求められてきているが、古紙パルプは上質紙、新聞紙、雑誌、チラシ、塗工紙などを分別回収してパルプ化されることは稀であることから、古紙パルプの性質はバージンの機械パルプより密度が高くなる傾向がある。この理由として古紙パルプの繊維分は化学パルプ、機械パルプの混合物であることがその原因の一つとして考えられる。また、古紙パルプ中には紙中に内添されている填料、あるいは塗工層の顔料分であるタルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウムなどが含まれ、これらの填料、顔料は木材パルプと比較して密度が高いため、古紙パルプ配合により紙の密度が高くなる問題がある。
紙の軽量化にあたっては、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)や砕木パルプ(GP)などの機械パルプを配合する手法がある。しかしながら、針葉樹から製造されるTMP、GPはリグニンの含有量が多いため、高白色度が要求される紙製品を製造することに問題がある。また、化学パルプと比較して針葉樹の機械パルプは嵩高であるが、長繊維分を多く配合した場合に紙製品の地合、印刷時の着肉改善のために叩解の程度を高くし濾水度を低下させる必要があるが、それに伴って密度が上昇し、嵩高性が損なわれる問題がある。
嵩高パルプの製造方法としては、パルプに架橋剤を反応させて嵩高化を図る手法(特許文献1)があるが、薬品処理を施す必要がある。また、界面活性剤の添加によりパルプ表面を疎水化して密度の低いシートを製造する技術も既に公知(特許文献2)となっているが、このためには高価な薬品を使用する必要があり、いずれも薬品の消費量が増加する欠点が生じていた。また、上記のように界面活性剤を添加することによる嵩高化は、製品の光沢、平滑性など品質を上げるためにカレンダー処理を行う場合には、カレンダー線圧を高くすればシートが潰れてしまうため薬品の添加効果が損なわれる問題があった。
高白色度で、かつ密度の低い紙シートを形成することが可能な原料として、近年では針葉樹よりもリグニン含有量が少なく、高白色度なパルプを得ることができる広葉樹の機械パルプが注目されている。しかし、広葉樹でも針葉樹の場合と同様に叩解を高め、濾水度を低下させていくにつれて、シート密度が上昇する傾向がある。機械パルプの場合、特に材種により得られるパルプ物性が大きく影響を受けるため、材種の選定が重要である。
特開平4−185792号公報 特許第2971447号公報
本発明が解決しようとする第1の課題は、嵩高性を有する製紙用機械パルプの提供にあり、第2には、該機械パルプを原料として抄紙し、得られる嵩高な紙の提供にある。
本発明の広葉樹機械パルプは、カナダ標準濾水度が50〜300mlの範囲において、JIS P 8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が42メッシュ残の画分を20重量%以上で、かつ全パルプの沈降体積が200ml/g以下である広葉樹機械パルプを使用することにより、嵩高でありながら高白色度、高比散乱係数の紙を製造することができる。
広葉樹木材チップを原料とする嵩高、高白色度かつ高比散乱係数を有する機械パルプを配合することにより、嵩高な紙が製造可能となる。また、本発明は製紙原料を削減することができることから木材資源の有効活用にもつながり、環境保護にも寄与する。
本発明の広葉樹機械パルプは、カナダ標準濾水度50〜300mlの範囲で、JIS P 8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が42メッシュ残の画分が20重量%以上で、かつ全パルプの沈降体積が200ml/g以下であることを特徴とする。また、平均繊維長が1.0mm以下であり、平均繊維幅が20μm以下であることが好ましい。
繊維篩分け組成の42メッシュ残の画分はシート密度と強度に大きな影響を与える。この画分が少ない場合は、紙製品へ配合した場合に充分な嵩高性を与えることが困難となり、また紙の強度が低下することから、42メッシュ残の画分は20重量%以上含まれていることが必須である。
通常、叩解を進めるほどパルプ繊維の内部及び外部フィブリル化が進行し、シート密度の上昇に伴い、引張り強度が増加し、密度は上昇(嵩は低下)する。内部フィブリル化、外部フィブリル化の指標の一つとして、カナダ標準濾水度が使用されるが、本発明においてはさらにパルプの沈降体積を同時に規定した。同一のカナダ標準濾水度で比較すると、沈降体積の小さいパルプはより表面積が低く、外部フィブリル化が進行していないと考えられる。すなわち、カナダ標準濾水度50〜300mlの範囲で、通常の機械パルプよりかなり低い全パルプの沈降体積が200ml/g以下である本発明の広葉樹機械パルプは、表面積が低いため、繊維間結合する箇所が相対的に少なく嵩高になると考えられる。
なお、沈降体積とは、所定濃度に調整したパルプスラリーをメスシリンダー、或いは試験管中に静置し、一定時間後に測定した沈降しているパルプスラリーの体積を測定時の試料絶乾重量で除した値と定義される。この手法はパルプの叩解度合いの評価に用いられることが多い。沈降体積は通常パルプ繊維の比表面積に依存し、比表面積が大きくなるにつれて大きくなる傾向がある。本発明においては、濃度0.25重量%に調整したパルプスラリーを100ml容のメスシリンダーに入れ、室温、30分間静置後に沈降しているパルプスラリーの体積を測定し、これから算出した。
原料とする材種については、嵩高性、漂白性を考慮するとより高容積重の材種が好ましく、容積重が450kg/m以上のものが特に好ましい。具体的には、カエデ(maple)、カバ(birch)、ブナ(beech)、アカシア(acacia)、ユーカリ(eucallyptus)などが挙げられるが、特にacacia mollissima、acacia mollissima、eucallyptus globulus、eucallyptus nitens、eucallyptus fastigata、eucallyptus grandisなどが特に適している。
機械パルプ化方法としては、丸太を原料としグラインダーによりパルプ化を行う砕木パルプ(GPあるいはSGWと標記される)法、加圧砕木パルプ(PGW)法や、木材チップを原料としリファイナーによりパルプ化を行うリファイナーメカニカルパルプ(RGPあるいはRMP)法、アルカリ過酸化水素機械パルプ(APMP)法、サーモメカニカルパルプ(TMP)法、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)法、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)法などが挙げられるが、原料としては木材チップを用いるパルプ化方法が好ましく、更には品質の高い機械パルプを得るために、アルカリ過酸化水素機械パルプ法、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ法、あるいはケミサーモメカニカルパルプ法が好ましい。
広葉樹材を機械パルプ化する上で重要なのは、磨砕前に木材チップへの薬液浸透を充分に施すことである。本発明の機械パルプの製造のための好ましい方法は、まず木材チップを圧縮し、圧縮した状態、あるいは圧縮した後に薬液に浸漬させ、圧を解放し木材チップを膨張させながら薬液を含浸させる。この圧縮及び含浸は、アンドリッツ社(Andritz社)のMSDインプレッサファイナーTM(MSD impressafinerTM)を用いて行うのが好ましい。別法としてメッツォ社(Metso社)のプレックススクリューTM(Prex screwTM)を用いて行うこともできる。木材チップの圧縮比は2:1以上が望ましく、4:1以上が更に望ましい。圧縮比は高いほどその木材チップへの薬液浸透性が向上するが、設備を考慮すると、4:1以上であれば充分である。なお、圧縮比の標記は、特に断わりが無い限り、木材チップの圧縮前体積:木材チップの圧縮時体積、で標記する。例えば、圧縮比4:1の場合は、木材チップ体積を元の体積の4分の1まで圧縮することを示す。また、木材チップの薬液含浸は圧縮処理前に木材チップを水蒸気で前処理することによりさらに容易にすることができる。また、薬液を木材チップ中に含浸させる場合、薬液中に圧縮した木材チップを浸漬し、木材チップの圧縮比を連続的に変化させれば効率良く薬液の浸透を実施することができ、設備設置のコストを低減できる。
チップ前処理時には、薬品を使用し、漂白や柔軟化を行うことができる。アルカリ過酸化水素機械パルプ法、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ法については、薬液として苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素が使用される。また、必要に応じてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)などのキレート剤を使用してもよい。また、ケミサーモメカニカルパルプ法については、亜硫酸ソーダ、苛性ソーダを使用することができる。
磨砕工程は一般の解繊装置を用いることが可能であり、加圧若しくは大気圧条件下で磨砕されるが、好ましくはシングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等で磨砕される。
得られた機械パルプは所望の白色度を得るために、1つ以上の公知の漂白工程により更に漂白することが望ましい。漂白剤としては、過酸化水素、オゾン、過酢酸、次亜塩素酸等の酸化剤、あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
本発明の広葉樹機械パルプは嵩高で、白色度、比散乱係数が高く各種紙に配合することができる。また、原料パルプとして前記広葉樹機械パルプの他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、針葉樹の機械パルプ(砕木パルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、または脱墨パルプ(DIP)を単独若しくは任意の割合で混合して使用することができる。
全パルプに対する本発明の広葉樹機械パルプの配合率は、特に限定されるものではないが、嵩高な紙を得るためには10〜100重量%の範囲が適当であり、経済性等を考慮すると、好ましくは20〜60重量%である。
本発明の紙は公知の抄紙機にて抄造されるが、その抄造条件は特に規定されるものではない。また、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン等の填料の他に、一般に使用されている各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいは両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、嵩高剤、柔軟剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題はない。
また、表面強度やサイズ性の向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤を塗工することが望ましい。水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、前記水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター等の塗工機によって塗布することができる。
本発明の紙は、印刷用紙、新聞用紙の他、情報用紙、加工用紙、衛生用紙等として使用することができる。情報用紙としてさらに詳しくは、電子写真用転写紙、インクジェット記録用紙、フォーム用紙等である。加工用紙としてさらに詳しくは、剥離紙用原紙、積層板用原紙、成型用途の原紙等である。衛生用紙としてさらに詳しくは、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等である。また、段ボール原紙等の板紙として使用することも可能である。
以下に実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<機械パルプの製造方法>
・CTMP法:
木材チップをインプレグネーター(アンドリッツ社製インプレッサファイナー、モデルGS560)にて薬液含浸処理した。薬液としては亜硫酸ソーダを使用し、添加量はチップ重量に対して2%とした。薬液を含浸処理させたチップはリファイナーにより磨砕を行い、1次磨砕は加圧型シングルディスクリファイナー(アンドリッツ社製、モデル36-1CP)、2次磨砕は常圧型ダブルディスクリファイナー(アンドリッツ社製、モデルNo.401)を用いた。なお、磨砕時のパルプ濃度は1次磨砕、2次磨砕共に約20%であった。
・APMP法:
木材チップをインプレグネーター(アンドリッツ社製インプレッサファイナー、GS560)にて薬液含浸処理を2段で行った。1段目で木材チップにジエチレントリアミンペンタ酢酸(キレート剤、以下DTPAと略する。)のみを含む薬液を含浸させた。苛性ソーダ、珪酸ソーダ、硫酸マグネシウム、DTPA及び過酸化水素を含む薬液を調製し、2段目の薬液含浸時と1次磨砕直前に木材チップに分割して浸透させた。前記薬液含浸チップを温度約60℃で30分間保持した後、チップ固形分20%で常圧型ダブルディスクリファイナー(アンドリッツ社製、モデルNo.401)を用いて1次磨砕を行った。なお、薬品添加率は下記に示した。
・薬液含浸1段目の薬品添加率(対絶乾チップに対して):DTPA0.2重量%
・薬液含浸2段目の薬品添加率(対絶乾チップに対して):過酸化水素1.0重量%、苛性ソーダ0.5重量%、珪酸ソーダ1.0重量%、DTPA0.2重量%、硫酸マグネシウム0.02重量%
・1次磨砕時の薬品添加率(対絶乾チップに対して):過酸化水素1.0重量%、苛性ソーダ1.0重量%、珪酸ソーダ1.0重量%、硫酸マグネシウム0.02重量%
得られたパルプはそのまま約60℃で30分間保持し、残存薬品の漂白反応を進行させた後、パルプ濃度を約4%まで希釈してpHを約4〜8に調整し、洗浄を行った。洗浄したパルプは再度濃度約20%まで濃縮し、常圧型ダブルディスクリファイナー(アンドリッツ社、モデルNo.401)を用いて2次磨砕を行った
<機械パルプの漂白方法>
得られた機械パルプについて過酸化水素漂白を行った。漂白はプラスチック袋に濃度10重量%のパルプスラリーを入れ、ウォーターバス中で70℃、180分間行った。なお、薬品添加率は下記に示した。
・薬品添加率(対絶乾パルプに対して):過酸化水素5.0重量%、苛性ソーダ2.5重量%、珪酸ソーダ3重量%
これらの処理を行ったパルプについて、パルプスラリーを濃度0.25重量%に調整し、これを100ml容のメスシリンダーに入れ、室温、30分間静置後に沈降しているパルプスラリーの体積を測定し、これから沈降体積を算出した。また、得られたパルプからJIS P 8222:1998に基づいて手抄きシートを作成し、手抄きシートの厚さ、坪量を下記の方法で測定し、これを元に密度を算出した。さらに、裂断長、比引裂強さ、白色度、比散乱係数を下記の方法で測定した。
・厚さ:JIS P 8118:1998に従った。
・坪量:JIS P 8124:1998(ISO 536:1995)に従った。
・密度:手抄きシートの厚さ、坪量の測定値より算出した。
・裂断長:JIS P 8113:1998に従った。
・比引裂強さ:JIS P 8116:2000に従った。
・白色度:JIS P 8148に準じてISO白色度を測定した。
・比散乱係数:TAPPI T425om-91に準拠して色差計(村上色彩製)で測定した。
[実施例1]
木材チップとして、ユーカリ グロビュラス(E.globulus)チップを用いてCTMP法により機械パルプを調製した。
[実施例2]
木材チップとして、ユーカリ グロビュラス(E.globulus)チップを用いてAPMP法により機械パルプを調製した。
[比較例1]
木材チップとして、アスペン(aspen)チップを用いてCTMP法により機械パルプを調製した。
[比較例2]
木材チップとして、アスペン(aspen)チップを用いてAPMP法により機械パルプを調製した。
[比較例3]
木材チップとして、ラジアータパインチップを用いてCTMP法により機械パルプを調製した。
[比較例4]
木材チップとして、杉チップを用いてCTMP法により機械パルプを調製した。
Figure 2008248417
図1に各材種から調製した機械パルプのカナダ標準濾水度と、それらから製造した手抄き紙シート密度の関係を示した。シート密度は製造方法よりも材種の特性の影響を大きく受けていた。この中でもユーカリ・グロビュラスの機械パルプからは特に低密度な紙シートを製造することができた。
ユーカリ・グロビュラス、アスペン、杉、ラジアータパインの各材種より得られた機械パルプの沈降体積を測定し、それらから製造した手抄きシートの密度との関係を図2に示した。沈降体積はパルプ叩解度の指標であり、通常叩解によりパルプの表面積が増加し沈降体積が大きくなる。しかし、ユーカリ・グロビュラスは、沈降体積が200ml/g以下であり、他の材種より小さかった。すなわち、叩解による表面積の増加が他の材種より小さく、これより作成した紙シートの密度は0.40g/cm以下で、嵩高であった。このため叩解による密度上昇が抑制され、低密度を維持していることが特徴である。
各材種より得られたカナダ標準濾水度100mlのパルプ物性を表1に示した。ユーカリ・グロビュラスより得られた機械パルプは漂白性が良好であり、他の材種より到達白色度が高かった。繊維長が短いため裂断長は、杉あるいはラジアータパインの機械パルプには及ばないが、嵩高、高白色度であった。また、アスペンと比較すると強度が同等であり、嵩高で、白色度及び比散乱係数が高かった。
各材種から調製した機械パルプのカナダ標準濾水度と手抄きシートの密度の関係を示すグラフである。 ユーカリ・グロビュラス、アスペン、杉、ラジアータパインの各材種より得られた機械パルプの沈降体積と手抄きシートの密度との関係の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. カナダ標準濾水度が50〜300mlの範囲において、JIS P 8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が42メッシュ残の画分が20重量%以上で、かつ全パルプの沈降体積が200ml/g以下であることを特徴とする広葉樹機械パルプ。
  2. ISO白色度が70%以上で、比散乱係数が60m/kg以上であることを特徴とする請求項1記載の広葉樹機械パルプ。
  3. 請求項1〜2記載の広葉樹機械パルプを含有する紙。
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