JP2008248453A - 嵩高紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】嵩高(低密度)であり、かつ平滑性及び強度に優れる嵩高紙の製造方法の提供にある。
【解決手段】針葉樹化学パルプを乾燥し含水率を10%以下とした後に、機械粉砕することによって、平均繊維長を0.5mm以下とした粉砕パルプを全パルプに対して10固形分重量%以上50固形分重量%以下で配合することを特徴とする嵩高紙の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、機械粉砕パルプを配合した嵩高(低密度化)紙の製造方法に関する。
環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上でも紙の軽量化は避けられない問題であり、紙への品質要求として軽量化は大きな流れとなってきている。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での軽量化、すなわち低密度(嵩高)な紙のことである。
紙の低密度化(嵩高化)の方法として、紙の主原料である製紙用パルプの検討が上げられる。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されている。低密度化のためのパルプとしては、化学薬品により繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプより、薬品は使用せずグラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を解繊して得られるサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が剛直な繊維が得られ、低密度化には効果的であり、特に砕木パルプは低密度化への寄与が大きい。しかしながら、砕木パルプは機械パルプであり、上質紙への配合は規格上問題があり、また、配合したことによって紙質、例えば、経時による退色等の品質上でも問題があり、配合することは出来ない。同様にサーモメカニカルパルプの上質紙への配合も問題である。
上質紙の場合、パルプ面では化学パルプのみの配合となるが、原料樹種により紙の密度は大きく影響を受ける。すなわち、木材繊維自体が粗大な方が低密度化は可能である。上質紙には主に広葉樹材パルプが配合されているが、広葉樹材で比較的低密度化が可能な樹種としてはガムウッド、メープル、バーチ等が上げられる。しかしながら、現在の環境保護気運が高まる中では、これら樹種のみを特定して集荷し、パルプ化することは困難である。
一方、中質紙あるいは下級紙においては機械パルプを配合するため、通常、上質紙より低密度な紙となる。しかし、このような剛直な繊維の配合により、機械パルプに多く含まれる結束繊維が印刷時に版の方に引っ張られる、いわゆる紙ムケや、結果的には強度低下をもたらす原因となる。さらに、漂白化学パルプより通常白色度の低い機械パルプの増配は紙の白色度を低下させるので、その配合量は制限される。また、近年の環境保護気運の高まりや、資源保護の必要性から古紙パルプの配合増が求められている。
古紙パルプは、上質紙、新聞紙、雑誌、チラシ、塗工紙等品種に応じて明確に分類してパルプ化される場合は少なく、混合されたままパルプ化されるため、パルプの性質としてバージンの機械パルプより密度は高くなる傾向がある。
この理由として古紙パルプの繊維分は化学パルプ、機械パルプの混合物であることが挙げられる。また、紙中に含まれる填料分あるいは塗工紙の塗工層の顔料分として一般的に使用されるタルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウムはパルプに比較して密度が高いので、その配合により密度が高くなる傾向がある。
従って、古紙パルプの配合率の増加は用紙密度を高くする傾向がある。以上のように樹種及びパルプ化工程の検討のみから十分な用紙の低密度化を達成することは、木材資源の状況、用紙の品質設計を考えた場合、非常に困難である。
また、通常、製紙用パルプは叩解処理によって繊維を柔軟にし、フィブリル化するが、叩解処理によって嵩は低下する傾向であるので、出来るだけ行なわないことが嵩高化のためには望ましい。しかしながら、叩解処理が不十分であると紙強度が低下してしまう。
紙抄造時における低密度化の方法としては、抄造時にプレス工程で出来るだけプレス圧を低くすること、また、紙の表面に平滑性を付与するために行われるカレンダー処理を行なわない方法がある。さらに、印刷時の紙の表面強度を付与する目的で行われる澱粉等の水溶性高分子の表面塗工は出来る限り低塗布量にすることが望ましい。
このような原料パルプ、抄造時の工夫の他に、紙に対してパルプに次いで多く配合される填料の検討も行われている。例えば、填料分として中空の合成有機物のカプセルを配合することにより低密度化を達成する方法が開示されている(特許文献1)。また、抄造機のドライヤー部の熱にて膨張することにより、嵩高化を達成する合成有機発泡性填料(例えば商品名:EXPANSEL、日本フィライト株式会社製)も提案されている。しかしながら、これらの合成有機発泡性填料を用いる方法では抄紙時の乾燥条件設定が難しい上、表面強度が弱く、印刷光沢度も低下する等の問題がある。また、シラスバルーンを用いる方法(特許文献2)が提案されているが、製紙用パルプとの混合性が悪く、また、その配合された用紙も印刷ムラが発生する等の問題がある。
さらに、これらの方法では紙厚が増加するが、紙厚が増加するに従い、紙のこわさは指数的に上昇するため紙の柔軟性は改善されないので、風合い、手触り、めくりやすさは不十分であった。
最近、紙の嵩高剤として、高級アルコールのエチレン及び/又はプロピレンオキサイド付加物(特許文献3)、多価アルコール型非イオン界面活性化剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物(特許文献4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(特許文献5)、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン等が報告されている。しかしながら、これらの嵩高剤は嵩高効果に限界があり、紙力の低下が著しい。
さらに、マーセル化パルプやこれを配合した紙に関して、多くの文献が開示されている。マーセル化パルプとは、クラフトパルプやサルファイトパルプを強アルカリ溶液に浸漬処理した後、残留アルカリを除去するために十分に水洗して得られるパルプである。このようなマーセル化パルプは、パルプセルロース中のヘミセルロース等が溶出し、短繊維強度が増加することや極めて剛直になることが知られており、また、セルロース中の水酸基のほとんどがアルカリ処理によりアルカリ金属で置換されるためパルプ繊維間の水素結合がしにくくなる結果、マーセルパルプを使用した紙は嵩高な低密度の紙となる。
しかし、マーセル化パルプは、クラフトパルプやサルファイトパルプ等の原料パルプをそのまま強アルカリ溶液で処理して得られるものであるため、パルプ繊維の形状が大きい。このマーセル化パルプを紙の原料パルプとして使用する従来技術は、未叩解の状態で使用する方法と、リファイナー等の叩解機を用いて叩解した後、使用する方法に大別できる。未叩解の状態で使用する技術としては、採便用便受けシート(特許文献6)、自販機用コーヒー濾紙(特許文献7)、電気掃除機集塵袋用濾紙(特許文献8)、清掃用シート(特許文献9)等が挙げられるが、いずれも紙表面の平滑性が要求されない特殊な紙の用途である。叩解処理後のマーセル化パルプを使用する技術には、2通りがあり、マーセル化パルプを単独叩解する方法と、マーセル化パルプと他の種類のパルプとを混合叩解する方法である。単独叩解したマーセル化パルプを使用する技術としては、例えば、インクジェット記録用紙(特許文献10)が挙げられるが、完全マーセル化パルプは叩解抵抗が極めて高いため、短時間で所定の濾水度まで叩解することが困難であり、また多大なエネルギーを必要とする問題がある。混合叩解したマーセル化パルプを使用する技術としては、例えば、インクジエット記録用紙(特許文献11)が挙げられるが、叩解抵抗が大きいマーセル化パルプの叩解が進まず、叩解抵抗が低い他のパルプの叩解が進行する結果、高平滑度の紙が得られないという問題がある。
特許文献12では数平均繊維長0.05〜0.3mmである微細フィブリル化セルロースを1〜5重量部配合する方法が提案されており、オフセット印刷において要求される透気度、表面強度を改善しているが、微細フィブリル化セルロースを配合することによって密度が増加しており、嵩高性が悪化していた。
以上のように、嵩高(低密度)でありながら、かつ平滑性及び強度に優れる嵩高紙を得ることは困難であった。
特開平5-339898号公報 特公昭52-39924号公報 WO98/03730号公報 特開平11-200284号公報 特開平11-350380号公報 特開2004-150911号公報 特開平6-277148号公報 特開平5-7714号公報 特開平4-194095号公報 特開2001-232931号公報 特開2002-67485号公報 特開平08-13380号公報
本発明が解決しようとする課題は、嵩高(低密度)であり、かつ平滑性及び強度に優れる嵩高紙の製造方法を提供にすることにある。
針葉樹化学パルプを乾燥し、含水率を10%以下とした後に、機械粉砕することによって、平均繊維長を0.5mm以下とした粉砕パルプを全パルプに対して10固形分重量%以上50固形分重量%以下で配合することにより嵩高(低密度)であり、かつ平滑性及び強度に優れる嵩高紙が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の機械粉砕により得られたパルプを配合した嵩高紙により、平滑性及び強度に優れ、かつ嵩高の紙を製造することができる。
本発明で使用するパルプの機械粉砕方法について説明する。
機械粉砕に使用するパルプの原料パルプの材種は針葉樹であり、広葉樹では粉砕性が悪く好ましくない。針葉樹パルプとしては、亜硫酸塩パルプ化法(サルファイト法、SP法)又は硫酸塩パルプ化法(クラフト法、KP法)等で製造される化学パルプであり、粉砕性がよく経時変化による退色が少ない。
また、機械粉砕処理の際に、パルプの含水率を10%以下、好ましくは2〜6%とし、機械的な粉砕を行い、画像解析法による数平均繊維長を0.5mm以下、好ましくは0.05〜0.3mmとする。この処理により紙の原料パルプとして使用した場合、全パルプに対し10固形分重量%以上50固形分重量%以下で配合することで嵩高効果が高く、かつ平滑性、強度低下の少ない嵩高紙が得られる。
粉砕パルプの数平均繊維長が0.5mmを越えると、十分な嵩高効果が得られないか、もしくは十分な平滑性が得られない。粉砕パルプの全パルプに対する配合量が10固形分重量%未満であると、十分な嵩高効果が得られず、50固形分重量%をこえると十分な平滑性及び強度が得られない。
本発明のパルプの粉砕に用いる粉砕機は機械式であれば特に限定されず、ブレードミル、カッターミル、ボールミル、ハンマー粉砕機等公知の粉砕機を使用できる。
本発明の嵩高紙について説明する。
本発明の嵩高紙において前記の機械粉砕により得られたパルプの配合量は全パルプ成分に対して10固形分重量%以上50固形分重量%以下であり、好ましくは20固形分重量%以上40固形分重量%以下である。配合量が10固形分重量%未満であると、嵩高化の効果が不十分であり、50固形分重量%を越えると、強度の低下が大きくなってしまう。
本発明の粉砕により得られたパルプを配合して得られる嵩高紙は、十分な嵩高性を有するものの、粉砕パルプを立体障害として用いているため繊維間結合面積が減少し、紙力が低下する傾向がある。よって、本発明の嵩高紙においては、紙力を向上させるために、紙力増強剤を含有させることが望ましい。紙力増強剤としては、澱粉、加工澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアミド・ポリアミン系樹脂、尿素・ホルマリン系樹脂、メラミン・ホルマリン系樹脂又はポリエチレンイミン等が例示される。紙力増強剤の含有量としては、パルプ絶乾重量当たり0.1重量%以上2重量%以下が好ましい。
本発明の嵩高紙は、前記の粉砕により得られた化学パルプ以外に、原料パルプとして、通常使用される針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)又は未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)又は未晒クラフトパルプ(LUKP)等化学パルプ、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)又はケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ、さらには脱墨パルプ(DIP)を単独又は2種以上のパルプを任意の割合で混合して使用する。
抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
また、本発明の嵩高紙は填料を含有してもよい。填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を単独で、又は2種以上を使用することができる。填料の含有量は、紙重量当たり3〜20重量%が好ましい。
さらに、本発明の嵩高紙は、必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有してもよい。
本発明の用紙の抄造は、長網抄紙機、ギャップフォーマ又はハイブリッドフォーマ(オントップフォーマ)等の公知の抄紙機にて行うことができる。また、抄紙の際、澱粉等の表面処理剤を塗布することができる。
本発明の嵩高紙は、表面強度やサイズ性の向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤を塗工することが望ましい。水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。
表面処理剤は、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター又はロッドメタリングコーター等の塗工機によって塗布することができるが、ゲートロールコーターのような被膜転写方式の塗工機を使用することが表面処理剤が紙表面に留まり、紙の密度増加が少なくなるので好ましい。表面処理剤の塗布量としては、片面当たり0.1g/m2以上3.0g/m2以下が好ましい。
以上のように、含水率が10%以下である針葉樹化学パルプを機械粉砕し数平均繊維長を0.5mm以下とした機械粉砕パルプを全パルプに対して10固形分重量%以上50固形分重量%以下配合することにより、嵩高軽量で平滑性及び強度に優れる嵩高紙が得られる。
本発明の嵩高紙の用途は、特に限定はないが、例えば、印刷用紙、記録用紙や塗工用原紙等として使用することができる。
以下に、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
「実施例1」
密度が0.6 g/cm3である針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKPと記述する)の未叩解品の含水率を3%に調整し、小型高速粉砕機 DM-6(株式会社テックジャム)を用いて粉砕し平均繊維長0.2mmの粉砕パルプを得た。
この粉砕パルプが20固形分重量%、CSFが350mlである広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKPと記述する)が80固形分重量%からなるパルプを使用し、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商品名:AS263、星光PMC株式会社製)をパルプ固形分重量あたり0.2重量%、紙力増強剤として内添用両性澱粉(商品名:CATO315、日本エヌエスシー株式会社)をパルプ固形分重量あたり1.0重量%となるように調製した紙料を、JIS P 8222に従い、Tappi標準角型手抄き器を用いて、坪量68 g/m2を目標に抄紙し、手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.53 g/cm3であり嵩高効果が十分得られており、PPSラフネス、裂断長、退色ともに問題となるレベルではなかった。
「実施例2」
実施例1で製造した粉砕パルプが40固形分重量%、LBKPが60固形分重量%からなるパルプを使用した以外は実施例1と同等の処方で手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.47 g/cm3であり嵩高効果が十分得られており、PPSラフネス、裂断長、退色ともに問題となるレベルではなかった。
「実施例3」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を5%に調整し、粉砕パルプ用を得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し、手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.53 g/cm3であり嵩高効果が十分得られており、PPSラフネス、裂断長、退色ともに問題となるレベルではなかった。
「実施例4」
密度が0.8 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.4mmの粉砕パルプを得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.52 g/cm3であり嵩高効果が十分得られており、PPSラフネス、裂断長、退色ともに問題となるレベルではなかった。
「実施例5」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を8%に調整し、粉砕パルプ用を得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し、手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.54 g/cm3であり嵩高効果が十分得られており、PPSラフネス、裂断長、退色ともに問題となるレベルではなかった。
「比較例1」
LBKPが100固形分重量%からなるパルプを使用し、粉砕パルプを用いなかったこと以外は実施例1と同等の方法で手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.59 g/cm3であり嵩高効果はまったく得られなかった。
「比較例2」
密度が0.6 g/cm3であるLBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.7mmの粉砕パルプを得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
粉砕用パルプの粉砕性はあまり良好ではなく、実施例1と同等の条件・時間で粉砕したが数平均繊維長は0.7mmにしかならなかった。このようにして得られた手抄き紙は密度が0.56 g/cm3であり嵩高効果は不十分であった。
「比較例3」
密度が0.6 g/cm3であるLBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.7mmの粉砕パルプを得、この粉砕パルプが40固形分重量%LBKPが60固形分重量%からなるパルプを用いた以外は実施例1と同等の方法で手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
粉砕用パルプの粉砕性はあまり良好ではなく、実施例1と同等の条件・時間で粉砕したが数平均繊維長は0.7mmにしかならなかった。このようにして得られた手抄き紙は密度が0.53 g/cm3であり嵩高効果が十分得られているが、裂断長が大幅に低下した。
「比較例4」
密度が0.6 g/cm3である針葉樹機械パルプの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.6mmの粉砕パルプを得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
粉砕用パルプの粉砕性はあまり良好ではなく、実施例1と同等の条件・時間で粉砕したが、数平均繊維長は0.6mmにしかならなかった。このようにして得られた手抄き紙は密度が0.56 g/cm3であり嵩高効果は不十分であり、退色の問題が発生した。
「比較例5」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を15%に調整し平均繊維長1.0mmの粉砕パルプを得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し手抄き紙を作製した。
紙質測定結果を表1に示した。
粉砕用パルプの粉砕性はあまり良好ではなく、実施例1と同等の条件・時間で粉砕したが数平均繊維長は1.0mmにしかならなかった。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.58 g/cm3であり、嵩高効果は不十分であった。
「比較例6」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.7mmの粉砕パルプを得た以外は実施例1と同等の方法で粉砕し手抄き紙を作製した。
紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.57 g/cm3であり嵩高効果は不十分であった。
「比較例7」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.2mmの粉砕パルプを得、この粉砕パルプが5固形分重量%LBKPが95固形分重量%からなるパルプを用いた以外は実施例1と同等の方法で手抄き紙を作製した。紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.58 g/cm3であり嵩高効果は不十分であった。
「比較例8」
密度が0.6 g/cm3であるNBKPの未叩解品の含水率を3%に調整し平均繊維長0.2mmの粉砕パルプを得、この粉砕パルプが60固形分重量%LBKPが40固形分重量%からなるパルプを用いた以外は実施例1と同等の方法で手抄き紙を作製した。
紙質測定結果を表1に示した。
このようにして得られた手抄き紙は密度が0.43 g/cm3であり、嵩高効果が十分得られているが、PPSラフネス、裂断長が大幅に悪化した。
Figure 2008248453
表1中の評価基準は以下のとおりである。
・樹種:
N材:針葉樹材 L材:広葉樹材
・パルプ種類:
CP:化学パルプ MP:機械パルプ
・平均繊維長:画像解析法(測定機器:ファイバーラボ、メッツオートメーション社製)で測定した重量の積算分布の50%に対する繊維長である。
・粉砕加工性:パルプ粉砕加工適性を評価した。
(○:短時間で容易に粉砕できる △:粉砕に長時間要するが粉砕可能である ×長時間粉砕しても平均繊維長を0.5mm以下にできない)
・坪量:JIS P 8124に従い測定した。
・紙厚、密度:JIS P 8118に従い測定した。
・PPSラフネス:ISO 8791に従い測定した。
・裂断長:JIS P 8113に従い測定した。
・退色:アトラス・ウェザオメータ Ci 3000+(株式会社東洋精機製作所製)を用いて紫外線を24時間照射し、退色の評価を行った。
(○:退色がなく実用上問題ない ×:退色がひどく実用に適さない)

Claims (2)

  1. 針葉樹化学パルプの含水率を10%以下とした後に、機械粉砕することによって得られた、平均繊維長を0.5mm以下の粉砕パルプを全パルプに対して10固形分重量%以上50固形分重量%以下で含有することを特徴とする嵩高紙の製造方法。
  2. 前記針葉樹化学パルプが、嵩密度が0.7 g/cm3以下である針葉樹化学パルプシートであることを特徴とする嵩高紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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