JP2008240181A - 印刷用塗工紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラフニングやブリスター性を抑え、印刷面感が良好であり、低密度の印刷用塗工紙を提供すること。また、印刷用塗工紙の生産効率の良い製造方法を提供すること。
【解決手段】原紙に広葉樹機械パルプを含有し、スプレー塗工方式で塗工して設けた塗工層を3〜15g/m2とすることにより、ラフニングやブリスターを抑えることができ、印刷面感が良好な印刷品質で、低密度な印刷用塗工紙を得る。また、塗工液の粘度がせん断速度1.0×104(1/秒) において10〜50mPa・sの範囲であることを特徴とする印刷用塗工紙を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷用塗工紙に関し、生産効率に優れ、印刷品質に優れた印刷用塗工紙及びその製造方法に関する。
現在、印刷用塗工紙に求められる重要な品質のひとつとして嵩高い紙の優位性があげられる。近年の環境保護気運の高まりにともない、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上で、紙の厚さは維持しつつ軽量化を図る、すなわち低密度化を施した紙製品が求められている。
紙の低密度化(嵩高化)の方法の一つとして,製紙用パルプに関する検討があげられる。
一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、又はサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で効果的である。
しかしながら、機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは比較的繊維長が長く、剛度が高いことから製造した紙の平滑度が低下することや、顔料を塗工する場合又はヒートセット型オフセット輪転機にて印刷する場合に、繊維が紙表面に浮き上がるという、いわゆるラフニングの現象が発生し、結果的に印刷面感が低下するという問題がある。
また、嵩高な原紙を使用した場合、繊維間強度が弱くなり、オフセット輪転印刷時においてインキを乾燥させた場合、ブリスターという表面に膨れが発生する問題があった。
この問題を解決するために、例えば
低密度で、ラフニング、耐ブリスター性を良好にするために、特定の方法で処理した広葉樹機械パルプを原紙に用いる印刷用塗工紙が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、効果が十分でなく、特に低塗工量において問題になる場合があった。
以上のように、従来の手法では、低い密度と、ラフニングやブリスターを抑え、印刷面感が良好な印刷品質を両立させた印刷用塗工紙を得ることは非常に困難であった。
特開2003−49393号公報
このような状況に鑑みて、本発明では、ラフニングやブリスター性を抑え、印刷面感が良好であり、低密度の印刷用塗工紙を提供することを課題とするに至った。
また、印刷用塗工紙の生産効率の良い製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題の解決のために鋭意検討を行った結果、原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工層を塗工して設ける印刷用塗工紙において、原紙に広葉樹機械パルプを含有せしめ、且つ、該原紙にスプレー塗工方式で塗工して設けた塗工層を3〜15g/m2にすることにより、ラフニングやブリスターを抑えることができ、印刷面感が良好な印刷品質で、低密度な印刷用塗工紙を得ることを見いだした。
また、広葉樹機械パルプを含有した原紙に、顔料と接着剤を含有する塗工液の粘度がせん断速度1.0×104(1/秒) において10〜50mPa・sの範囲である塗工液を用いて、スプレー塗工方式で塗工することにより、ラフニングやブリスターを抑えることができ、印刷面感が良好な印刷品質で、低密度な印刷用塗工紙を得る製造方法を見いだし本発明を完成した。
スプレー塗工は、非接触方式であり、原紙に圧力をかけることなく完全な紙の輪郭に沿った塗工層を形成するので、少ない塗工量で原紙を十分に被覆することが可能であり、低密度でラフニングを抑制する効果がある。また、高いせん断力が加わることがないので、塗工層がオープンな層構造となることから、透気度が低くなるため、耐ブリスター性が向上し、印刷品質に優れた塗工紙を製造することができるという顕著な効果を有する。
また、本発明の製造方法では、非接触方式ながら、高速塗工に対応でき、生産効率の向上が図ることが可能となった。
本発明においては、原紙上に、顔料及び接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、原紙に広葉樹機械パルプを含有し、塗工層をスプレー塗工方式で塗工することが重要である。
本発明において、上述するような効果を発揮させるための、好ましい塗工量としては、片面あたり3.0〜12.0g/mであり、より好ましくは5.0〜10.0g/mである。3.0g/mより少ない場合は、原紙の被覆が十分ではなく印刷物の面感が劣り好ましくない。12.0g/mより多い場合は、紙の重量が重くなり、密度が高くなる傾向にある。
また、生産速度の範囲は、1000m/min以上であり、より好ましくは1200m/分以上、さらに好ましくは1500m/min以上である。1000m/min以上で塗工することにより、スプレー塗工時に、紙と塗料が衝突した際、紙の高速移動する力により塗料中にカオリンを含有する場合、カオリン顔料が紙の表面に沿って配向しやすくなり、平滑性及び白紙光沢度、印刷面感、ラフニング抑制が向上する。
本発明において塗工層を塗工する際に用いるスプレー塗工方式はオンマシン、オフマシンどちらでもよい。スプレーノズルとしては、エアスプレー、エアレススプレーが挙げられるが、エアレススプレーを用いた方が塗料を加圧して高速噴射することが可能であり、塗料膜と大気の接触によるせん断応力により微細な塗料の粒が形成され紙表面に液滴を良好な状態で拡がらせることができ、また、ノズル先端の汚れを軽減することができるため好ましい。
スプレーノズルから塗料を噴射する際の、好ましい加圧条件は50〜130barである。スプレーノズルは50〜70mm間隔で設置することが好ましく、そのときノズルの先端と紙の表面との好ましい距離90〜110mmである。この範囲を外れると、未塗工部分が発生する傾向にあり、また、隣り合うノズルの塗料が干渉しあう等の不具合が発生し易く、良好な塗工面を得られにくく、印刷面感やラフリングに劣る傾向にある。
本発明の塗工液に用いる塗工顔料としては、従来から紙の塗工顔料として用いられるものを使用することができる。これらの顔料の種類としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ又はサチンホワイト等の無機顔料や、プラスチックピグメント等の有機顔料が挙げられる。この際、白紙光沢度の発現性の向上の点から顔料100重量部のうちカオリンを20重量部以上含むことが好ましく、さらに好ましくは30〜70重量部である。20重量部よりカオリンの配合量が少ない場合、白紙の光沢度が低くなる。
本発明において用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク等のタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の中から、1種以上を適宜選択して使用することができる。
これらの接着剤は、スプレー塗工方式に用いる場合は顔料100重量部に対して、5〜50重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。50重量部を超える場合は、塗工液の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じる等のデメリットが生じ好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度がえられず好ましくない。
本発明の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明のスプレー塗工に用いる塗工液は、せん断速度1.0×10(1/秒)における粘度が10〜50mPa・s、より好ましくは10〜30mPa・sの範囲にすることにより、白紙面感、印刷面感、ラフニング抑制が向上し、さらに操業性も良好になる。スプレー塗工は、ブレード方式とは異なり高いせん断力が加わることがないが、紙や空気と塗工液が衝突する際に中程度の力が加えられる。このため、本発明に述べるような中シェア領域の粘度が、紙に衝突した後の塗料の挙動に対し影響を与えるため、非常に重要である。特に、飛散性が良く、紙と塗工液が接触する際のレベリングのしやすさをコントロールするためにせん断速度が1.0×10(1/秒)における粘度は重要である。
10mPa・sより低い場合は、紙と塗工液が接触し、乾燥ゾーンに入る前に、塗料が原紙内に浸透してしまうため、十分な原紙被覆性が得られにくく好ましくない。また、50mPa・sより高い場合は、塗工液が紙に衝突した後に紙表面に対して十分に拡がらず、塗工ムラ等が発生して白紙面感、印刷後面感に劣る傾向にあり好ましくない。
さらに、本発明のスプレー塗工に用いる塗工液の固形分は45〜65%の範囲であることが好ましい。45%未満である場合、乾燥時の負荷が高くなり、高速塗工時に乾燥しきれない可能性があり好ましくない。65%を超える場合、先述の粘度より高くなり、得られる塗工紙の品質に劣り好ましくない。
本発明の塗工原紙に使用される機械パルプとは、広葉樹を原料とする機械パルプで、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)又はアルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)等が挙げられ、本発明では、嵩高、高不透明度、高白色度が得られる点から、CTMP、APMP、APTMPを使用することが好ましく、特にAPMP、APTMPを使用することが好ましい。
APMPは、木材チップに例えば水酸化ナトリウム、過酸化水素、珪酸ナトリウムを含むアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させ、大気圧でリファイニング処理を行って製造されるのに対して、APTMPは、高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造されるものであり、より高白色度を得るためにリファイニング処理した後、さらにアルカリ過酸化水素水溶液とともに常温又は加温下において5分以上保持される。
本発明で用いるAPMP、APTMPは、より好ましくは、以下のa)〜i)の工程を経て製造することができる。
a)広葉樹の木材チップを少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤を含浸させる工程:
b)前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持する工程:
c)前記含浸チップをさらに少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、解放時にアルカリ性薬液を含浸させる工程:
d)前記含浸チップを約10分〜1時間、温度10℃〜80℃で保持する工程:
e)前記処理チップをさらにアルカリ過酸化物を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング装置に通してチップを解繊し、木材パルプを製造する工程:
f)前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持する工程:
g)前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してから、再度15%以上に濃縮する工程:
h)前記製造パルプを加圧もしくは大気圧でリファイニングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程:
i)必要に応じて得られたパルプが、酸化剤或いは還元剤を用いて一段以上で漂白される工程を経て製造される。
前記のa)工程においては、約0.05〜0.4%の等のキレート剤を使用するのが好ましく、また、c)工程において使用するアルカリ性薬剤は、絶乾チップ重量に対して約0.2〜2.0%の水酸化ナトリウム、約0.2〜2.0%の珪酸ナトリウム、約0.01〜0.2%の硫酸マグネシウム、約0.05〜0.4%のキレート剤及び約0.2〜5%の過酸化水素を含有する水溶液であることが好ましい。
前記のe)工程において、漂白及び柔軟化がなされた木材チップには、一次リファイニング直前にキレート剤を含むアルカリ過酸化物が添加され、加圧もしくは大気圧リファイニング装置にてパルプ繊維に解繊される。リファイニングは一般の解繊装置で十分であり、好ましくはシングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等で解繊される。
得られた嵩高機械パルプにより高い白色度が求められる場合には、1つ以上の公知の漂白工程によりパルプをさらに漂白することができる。この場合には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
上記製造工程を経て製造された機械パルプは、高白色度、高不透明度で、強度が強いものである。特にルンケル比4.0以上で容積重450kg/m以上の高容積重材から製造した機械パルプは、繊維内腔(ルーメン)がつぶれにくく剛直であるため、このパルプ繊維が配合されたシートは、嵩高構造を維持し、密度が低くすることができる。使用する樹種としては、ユーカリ属が好ましく、より好ましくはユーカリグロビュラス、ユーカリグランディス等である。
また、使用する広葉樹機械パルプのシート密度が0.45g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.35g/cm以下である。
なお、本発明においては機械パルプの効果をより発揮させるために、上記嵩高な機械パルプを全パルプ中の5〜95重量%が好ましく、より好ましくは、5〜50重量%である。
本発明の印刷用塗工紙の原紙としては上記の嵩高機械パルプ以外に、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)又は未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)又は未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独又は任意の割合で混合して使用する。
本発明の印刷用塗工紙の原紙は填料を含有しても良い。填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用する事ができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
原紙の抄造方法については、長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマ、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙で抄紙した原始のいずれであっても良い
原紙については、スプレーコーターにて塗工する前にサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード等を用いて、澱粉、ポリビニルアルコール等を予備塗工した原紙等も使用可能である。
また、スプレー塗工方式は塗工原紙の輪郭に沿った塗工層を形成する塗工方式であるため、塗工前の原紙の平滑度が重要であり、塗工原紙のPPSラフネスが6.0μm以下であることが好ましい。
塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度のものが使用され、軽量化と品質のバランスの観点からは、30〜180g/mを使用することが好ましく、より好ましくは35〜80g/mである。
本発明においては、原紙上に2層以上の塗工層を設けることも出来る。この場合、スプレー塗工方式で設ける塗工層は最も内側の塗工層である。中間塗工層は、ブレード塗工方式、スプレー塗工方式、カーテン塗工方式又はフィルムトランスファー塗工方式等を利用することができる。
原紙に設ける総塗工量としては、特に限定されるものではないが、片面当たりの総塗工量は3〜15g/mであり、好ましくは3〜12g/m、さらに好ましくは、5〜10g/mである。
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
以上のように塗工乾燥された塗工紙は、カレンダ処理を施さないまま、もしくはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行うことができる。
本発明においては、特にカレンダー線圧が200〜300kN/mの条件においてもラフニングが抑制され、印刷面感に優れる効果が顕著である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。
なお、特に断らない限り、実施例、比較例中の部及び%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた印刷用塗工紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)塗料粘度: 本発明において、粘度測定には「ウルトラハイシェア粘度計 ACAV-A2」(ACA system社、フィンランド)を使用した。測定装置に低シェアレート測定用キャピラリーユニットを取付け、温度30℃で測定可能な圧力条件下(40 bar以下)において粘度を数点測定、その結果得られるせん断速度と粘度の曲線からせん断速度1.0×104 1/sにおける粘度を読み取った。
(2)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(3) ラフニング:ファイバーライジングテスター(商品名:FIBR01000、Fibro system社製)を用いて、ヒートセット後の繊維毛羽立ち数を測定した。この装置は水を試料表面に塗布(水滴量8.0μl)して、150℃で乾燥させた後、試料を折り曲げた時の表面状態をCCDカメラにより画像解析を行うものである。
(4)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(5)印刷光沢度:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(6)白紙面感:塗工紙の白紙面感を目視にて評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
(7)印刷物面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物の面感を目視にて評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
(8)耐ブリスター性:RI-II型印刷機(明製作所製)を用い、東洋インキ製(TKマーク617)を使用し、インキ量0.8cc一定で両面印刷して一昼夜調湿した後、この試験片を温度140℃に設定した恒温オイルバスに浸し、ブリスター(塗工紙表面のふくれ)の発生状況を目視評定した。
[実施例1]
〈嵩高パルプの製造〉
広葉樹のCTMP
(ケミサーモメカニカル)法薬液として亜硫酸ソーダを広葉樹パルプ(ユーカリグロビュラス、容積重557kg/m3、ルンケル比4.7)の木材チップ絶乾重量当たり2.0%添加し、室温、減圧下で30分間含浸させた。薬液浸透後チップを取り出し、原料濃度40%となるように調整した。次に加圧リファイナーを用いて、一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%で常圧リファイナーによって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で100mlに調整した。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙坪量あたり7%含有し、上記で得られた広葉樹パルプをパルプ重量当たり30%、クラフトパルプ(濾水度410ml)70%含有する坪量64g/m、密度0.55g/cmの原紙を用いた。
(塗工液の調製)
顔料としてブラジル産カオリン(CADAM社製、アマゾンプラス)100部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%のカオリンスラリーを調製した。このカオリンスラリー50部(固形分)に、重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT−97)50部(固形分)を添加し、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度−2℃、ゲル含量85%)12部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)4部、蛍光染料(ランクセス社製 ブランコファUWリキッド)滑剤 0.4部(サンノプコ社製 C−104HS)を加え、さらに水を加えて固形分濃度64%の塗工液1を得た。
上記の原紙に、前述の塗工液1を片面当たりの塗工量が9g/mになるように、1500m/分の塗工速度でエアレススプレーコーター(塗工条件:スプレー加圧条件:90bar、ノズル間隔:60mm 、ノズルと紙面との距離:100mm)を用いて両面塗工を行い、塗工紙水分が5%となるように乾燥した。
乾燥後、金属ロール温度150℃、弾性ロールショアD硬度92、通紙速度1200m/分、線圧200kN/m、4ニップの条件でソフトニップカレンダー処理を行い、目的とするオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1の塗工量を9g/mから7g/mに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから250kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で、同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1においてブラジル産カオリン50部、重質炭酸カルシウム50部の代わりにブラジル産カオリン40部、重質炭酸カルシウム60部とし、カレンダー処理線圧を200kN/mから250kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、広葉樹のCTMPの代わりに、以下の製造方法で得られた広葉樹のAPMPを使用した以外は、実施例1と同様にオフセット印刷用塗工紙を得た。
〈嵩高パルプの製造〉
APMP(アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ)法によるパルプの製造。
木材チップにDTPAを木材チップ絶乾量当たり0.2%となるように含浸させた後、水酸化ナトリウム1.5%、過酸化水素2.0%、ケイ酸ソーダ3.0%、硫酸マグネシウム0.1%、DTPA0.2%となるように薬液を添加し、薬液含浸時と一次リファイニング直前に木材チップに分割して浸透させた。そのチップを温度60℃で30分間保持した後、ラボ用常圧リファイナーを用いて一次リファイニングを行った。得られたパルプはそのまま約60℃で30分間保持して残存薬品の反応を進行させた後、パルプ濃度を4%まで希釈してpHを4〜8に調整し、洗浄を行った。洗浄したパルプは再度、濃度20%まで濃縮し、ラボ用常圧リファイナーによって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で100mlに調整した。
[比較例1]
実施例1において塗工方式をスプレーコーターの代わりに、ブレードコーターに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから250kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において塗工方式をスプレーコーターの代わりに、ブレードコーターに変更し、塗工量を9g/mから11g/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、塗工方式をスプレーコーターの代わりに、ゲートロールコーターに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから250kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、広葉樹のCTMP30%のかわりに新聞古紙由来の脱墨パルプ30%に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、塗工量を9g/m2から2g/m2に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから400kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
上記〔表1〕の結果より、本発明の条件を満たした実施例1〜4では、低密度で、ラフ
ニングが抑えられ、印刷面感、耐ブリスター性に優れており、ブレード塗工方式を採用した比較例1では、密度、ラフニング、印刷面感、耐ブリスター性に劣る。同じくブレード塗工方式を採用した比較例2では、印刷面感は、本発明並みのものの、比較例1と同じく密度、ラフニング、耐ブリスター性に劣っていた。GRC塗工方式を採用した比較例3では、ラフニング、印刷面感、耐ブリスター性ともに劣っていた。
一方、本発明と同じくスプレーによる塗工法及び塗工量を採用するが、原料を古紙由来のパルプを使用した比較例4では、ラフニング、白色光沢度、印刷面感及び耐ブリスター性は本発明並みであるが、密度が大幅に高くなっており、嵩高については劣っていた。塗工量の少ない比較例5では、ラフニング、印刷面感に劣っていた。
以上より、原紙に広葉樹機械パルプを含有し、スプレー塗工方式で、顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、塗工層が3〜15g/m2である印刷用塗工紙が、低密度で、ラフニングが抑えられ、印刷面感、耐ブリスター性に優れた印刷用塗工紙であることがわかった。
また、該印刷用塗工紙が、広葉樹機械パルプを含有した原紙に、塗工液をスプレー塗工方式で塗工し、塗工液の粘度がせん断速度1.0×104(1/秒) において10〜50mPa・sの範囲である印刷用塗工紙の製造方法により得られることが確認できた。

Claims (2)

  1. 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙に広葉樹機械パルプを含有し、スプレー塗工方式で設けた塗工層が3〜15g/m2であることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、広葉樹機械パルプを含有した原紙に、塗工液をスプレー塗工方式で塗工し、塗工液の粘度がせん断速度1.0×104(1/秒) において10〜50mPa・sの範囲であることを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。


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